説明

感光物質コーティング用装置

【課題】ノズルに残った感光物質の硬化を防止する。
【解決手段】 本発明は感光物質コーティング用装置に関し、特にノズルに隣接した所にソルヴェントを貯蔵する第1のソルヴェントトラップを備え、第1のソルヴェントトラップにノズルを最大限露出させるよう、ソルヴェントバスの蓋を変更した感光物質コーティング用装置を備え、ノズルに残った感光物質の硬化を防止する技術である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハまたは基板に感光物質コーティング用装置または塗布用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、コーティング物質の状態は液体状態であり、T−BOC及びアセタルのように保護基(protection group)を有する普通感光物質の硬化特性はArF用感光物質より高くないので、既存のソルヴェント容器でも感光パウダドロップス(drops)やコーティング不良を誘発する感光物質の硬化現象が生じない。しかし、超微細パターンを形成するためのDeep UV領域で透明で安定したポリヒドロキシスチレン(PHST)ベースポリマは、波長193nmの光を吸収することによりこれ以上感光物質としての機能をすることができない。従って、新しいArFレーザに適する感光物質が求められた。
【0003】
一般に、ArF用高分子は透明で、乾式食刻に対する耐性と良好な接着特性を有する。KrF用感光物質を形成するアロマチックリング(aromatic ring)構造は食刻耐性は良好であるが、193nmの波長で吸光度を有する。従って、アリサイクリックグループ(alicyclic group)構造をメタクリレートポリマ(methacrylate polymer)に添加して、ArF用感光物質を開発した。
【0004】
図1は、従来の技術に係る感光物質コーティング用装置を示した断面図である。
図1に示されているように、コーティング用装置はノズル11、蓋13、ソルヴェントバス25、ソルヴェント供給ポート15、ソルヴェントパイプライン17、ソルヴェントトラップ19、ソルヴェント煙トラップ21及びソルヴェントドレイン部23を含む。ここで、ノズル11は感光物質をウェハ(図示省略)に噴射するのに用いられる。蓋13はノズル11を貯蔵するため、ノズルチップカバー13Cを備えた一つ以上のノズルホルダ(図示省略)を備える。このとき、ノズルホルダはノズル11の端部だけを露出する。さらに、ソルヴェントパイプライン17はソルヴェントバス25に供給されたソルヴェントをソルヴェントドレイン部23に案内するため蓋13の下側に備えられる。ソルヴェントトラップ19は、ソルヴェントを盛り込みノズル11に残っている感光物質の硬化を防止するため備えられる。即ち、感光物質はソルヴェントトラップ19に盛り込まれたソルヴェントから生じた煙により硬化が防止される。ソルヴェント供給ポート15は、ソルヴェントバス25にソルヴェントを供給するためソルヴェントトラップ19に隣接したところに備えられる。一方、ソルヴェント煙トラップ21はソルヴェントトラップ19から生じた煙を貯蔵するため、ソルヴェントパイプライン17の上部面に隣接したところに備えられる。従って、ソルヴェントトラップ19とソルヴェント煙トラップ21はノズル11に残っている感光物質の硬化を防止するため備えられる。
【0005】
しかし、前記のような感光物質コーティング用装置によれば、ソルヴェント煙トラップ21は効果的に煙を確保することができず、ソルヴェントトラップ19がノズル11の低部から著しく離れた距離に備えられるため、感光物質硬化現象を十分防止することが難しい。結局、感光物質の塗布時に感光物質の変色(discolor)とノズルと蓋の表面に生じた硬化した感光物質(即ち、感光パウダ)のドロップによるコーティング不良の問題点を誘発する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の従来の技術の問題点を解決するため、変更されたソルヴェントバスを備えた感光物質コーティング用装置を備え、特にノズルに隣接した所にソルヴェントを貯蔵する第1のソルヴェントトラップを備え、第1のソルヴェントトラップにノズルを最大限露出させるようソルヴェントバスの蓋を変更した感光物質コーティング用装置を備え、ノズルに残った感光物質の硬化を防止するのにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、
ノズルを貯蔵するため一つ以上のノズルホルダを備えた蓋と、
ソルヴェントをソルヴェントドレイン部に案内するため、前記蓋の下側に備えられるソルヴェントパイプラインと、
前記ソルヴェントを前記ソルヴェントパイプラインに供給するためのソルヴェント供給ポートと、
前記蓋、前記ノズルまたはこれら全てに感光パウダの形成を防止するため、前記ソルヴェント供給ポートに供給された前記ソルヴェントをトラップし、前記ノズル下側に備えられる第1のソルヴェントトラップと、
前記ソルヴェントパイプラインから流入した前記ソルヴェントをトラップするため、前記ソルヴェントパイプラインに結合された第2のソルヴェントトラップとを含み、
前記ソルヴェント供給ポートは、前記第2のソルヴェントトラップより前記第1のソルヴェントトラップに近接して備えられることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記ノズルホルダは、当該ノズルホルダの間に備えられたノズルを露出するための開口が広くなるよう傾斜した形態であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記第1のソルヴェントトラップは、前記ソルヴェント供給ポートと前記ソルヴェントパイプラインとの間に備えられ、前記ソルヴェントパイプラインの外側を囲むよう備えられることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記第1のソルヴェントトラップの上部面は、前記ノズルの下部面に非常に近接するよう備えられることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記ソルヴェント供給ポートの上部面は、前記第1のソルヴェントトラップの上部面より上位または同じ高さに備えられることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記ソルヴェント供給ポートは、前記ノズル下部の端部から垂直方向で最大20mm内に備えられることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項1に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記ソルヴェント供給ポートは、前記第2のソルヴェントトラップより前記ノズルに近接して備えられることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項1に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記第1のソルヴェントトラップでトラップされた前記ソルヴェントの蒸気は、前記ノズルに残った感光物質の硬化及び前記感光パウダへの変換の少なくとも一方を防止することを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項1に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記第1のソルヴェントトラップは前記第1のソルヴェントトラップ、前記ソルヴェントパイプライン及び前記第2のソルヴェントトラップを含むソルヴェントバス内に、前記ソルヴェント供給ポートから投入された所定量の前記ソルヴェントをトラップするよう備えられることを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の発明は、感光物質コーティング用装置において、
少なくとも一つのノズルを貯蔵する蓋と、
前記ソルヴェントを投入するためのソルヴェント供給ポートと、
前記ソルヴェント供給ポートからソルヴェントを受け入れ、ソルヴェントドレイン部に前記ソルヴェントを案内するためのソルヴェントパイプラインと、
前記ソルヴェント供給ポートから投入された前記ソルヴェントの所定量を貯蔵するため前記ノズル下側に備えられて前記ソルヴェント供給ポートに結合され、前記ソルヴェントパイプラインの上部面に隣接した高さに備えられ、当該ソルヴェントパイプラインの上部を囲む第1のソルヴェントトラップとを含み、
前記第1のソルヴェントトラップは、前記ノズルに感光パウダの生成を防止するため備えられることを特徴とする。
【0017】
請求項11記載の発明は、請求項10に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記ソルヴェントパイプラインを介し前記第1のソルヴェントトラップから前記ソルヴェントを受け入れるため、前記第1のソルヴェントトラップ下側に備えられる第2のソルヴェントトラップをさらに含むことを特徴とする。
【0018】
請求項12記載の発明は、請求項11に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記ソルヴェント供給ポートは、垂直方向で前記第2のソルヴェントトラップより前記ノズルにさらに近接して備えられることを特徴とする。
【0019】
請求項13記載の発明は、請求項10に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記蓋のノズルホルダは前記ノズルが前記第1のソルヴェントトラップにトラップされた前記ソルヴェントから生じたソルヴェント蒸気に露出されるよう開口を画成する第1及び第2の側壁を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項14記載の発明は、請求項13に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記第1及び第2の側壁は、前記ソルヴェント蒸気に前記ノズルの露出を促進するため外方向に向かうよう傾斜するようにして前記開口の大きい開口部を備えるようにすることを特徴とする。
【0021】
請求項15記載の発明は、請求項14に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記蓋は前記第1及び第2の側壁を含むノズルホルダを含むことを特徴とする。
【0022】
請求項16記載の発明は、請求項12に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記第2のソルヴェントトラップから前記ソルヴェントを受け入れるためのソルヴェントドレイン部をさらに含むことを特徴とする。
【0023】
請求項17記載の発明は、感光物質コーティング用装置において、
ノズルを貯蔵するための一つ以上のノズルホルダを備えた蓋と、
ソルヴェントをソルヴェントドレイン部に案内するため前記蓋の下側に備えられるソルヴェントパイプラインと、
前記ソルヴェントを供給するためのソルヴェント供給ポートと、
前記ソルヴェント供給ポートから前記ソルヴェントを受け入れ前記ノズルに残った感光物質の硬化を防止するよう、前記ソルヴェントを盛り込んでおくために備えられ、前記ノズル下側に備えられる第1のソルヴェントトラップとを含み、
前記第1のソルヴェントトラップは盛り込まれた前記ソルヴェントが、前記ノズル下部の端部から最大40mm以内に備えられることを特徴とする。
【0024】
請求項18記載の発明は、請求項17に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記蓋は外方向に拡張される前記ノズルのための開口を備え、前記第1のソルヴェントトラップは盛り込まれた前記ソルヴェントが前記ノズル下部の端部から最大30mm以内に備えられることを特徴とする。
【0025】
請求項19記載の発明は、請求項17に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記蓋は外方向に拡張される前記ノズルのための開口を備え、前記第1のソルヴェントトラップは盛り込まれた前記ソルヴェントが前記ノズル下部の端部から最大20mm以内に備えられることを特徴とする。
【0026】
請求項20記載の発明は、請求項17に記載の感光物質コーティング用装置において、
前記ソルヴェントパイプラインを介し前記第1のソルヴェントトラップから受け入れられた前記ソルヴェントをトラップするため、前記ソルヴェントパイプラインに結合された第2のソルヴェントトラップを含み、
前記ソルヴェント供給ポートは、前記第2のソルヴェントトラップより前記第1のソルヴェントトラップに近接するよう備えられることを特徴とする。
【0027】
即ち、本発明に係る感光物質コーティング用装置は、
少なくとも一つのノズルを貯蔵するための蓋を含み、ソルヴェント供給ポートは装置にソルヴェントを投入し、第1のソルヴェントトラップはソルヴェント供給ポートから投入された所定量のソルヴェントを盛り込むためソルヴェント供給ポートに結合されてノズル下側に備えられ、第1のソルヴェントトラップはノズルに残っている感光物質が感光パウダに変化することを防止するため備えられ、第2のソルヴェントトラップは第1のソルヴェントトラップからソルヴェントを受け入れるため、第1のソルヴェント下側に備えられ、ソルヴェント経路(またはソルヴェントパイプライン)は第1のソルヴェントトラップから第2のソルヴェントトラップにソルヴェントを案内すべく、第1及び第2のソルヴェントトラップの間に備えられる。
【0028】
さらに、本発明の一つの実施の形態に係る感光物質コーティング用装置は、
少なくとも一つのノズルを貯蔵するための蓋と、ソルヴェントを装置に提供するためのソルヴェント供給ポートと、ソルヴェント供給ポートからソルヴェントを受け入れソルヴェントドレイン部に案内するためのソルヴェントパイプラインと、ソルヴェント供給ポートから受け入れられた所定量のソルヴェントを盛り込むため、ソルヴェント供給ポートに結合されてノズル下側に備えられる第1のソルヴェントトラップとを含み、第1のソルヴェントトラップはノズルに残った感光物質の硬化を防止するため、ソルヴェントパイプラインの上部面に近接して備えられ、ソルヴェントパイプラインの上部を囲むよう備えられる。ノズルホルダは、その間に備えられたノズルを露出する開口が広くなるよう傾斜した形態を有する。第1のソルヴェントトラップでトラップされたソルヴェントの煙は、ノズル内に残っている感光物質の硬化及び感光パウダへの変換を防止する。
【0029】
本発明の他の実施の形態に係る感光物質コーティング用装置は、
ノズルを貯蔵するため一つ以上のノズルホルダを備えた蓋と、ソルヴェントドレイン部にソルヴェントを案内するため蓋の下側に備えられたソルヴェントパイプラインと、ソルヴェントを供給するためのソルヴェント供給ポートと、ソルヴェント供給ポートからソルヴェントを受けノズル内に残っている感光物質の硬化を防止するためのソルヴェントを盛り込むようノズル下側に備えられる第1のソルヴェントトラップとを含み、ソルヴェント供給ポートはノズル下部の端部から最大40mm内にあるよう備えられることを特徴とする。
【0030】
本発明のさらに他の実施の形態に係る感光物質コーティング用装置は、
ソルヴェントドレイン部にソルヴェントを案内するためのソルヴェントパイプラインと、ソルヴェントを供給するためのソルヴェントパイプラインの一側に備えられるソルヴェント供給ポートと、ソルヴェント供給ポートから供給されたソルヴェントをトラップするためソルヴェント供給ポートとソルヴェントパイプラインとの間に備えられる第1のソルヴェントトラップと、ソルヴェントパイプラインから受けたソルヴェントをトラップするため第1のソルヴェントトラップとソルヴェントドレイン部との間にソルヴェントパイプラインに結合される第2のソルヴェントトラップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る感光物質コーティング用装置は、ノズルに隣接した所にソルヴェントを貯蔵する第1のソルヴェントトラップを備え、第1のソルヴェントトラップにノズルを最大限露出させるようソルヴェントバスの蓋を変更することにより、ノズルと蓋表面に発生する感光パウダの発生を抑制してウェハに感光物質コーティングを容易に実施することができるようにするという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図を参考にして本発明を詳しく説明する。
図2は、本発明に係る感光物質を塗布する装置を概略的に示した断面図である。感光物質コーティング用装置はノズル31、蓋33、ソルヴェントバス45、ソルヴェント供給ポート35、ソルヴェントパイプライン37、第1のソルヴェントトラップ41、第2のソルヴェントトラップ39及びソルヴェントドレイン部43を含む。コーティング動作時にノズル31は感光物質をウェハ(図示省略)に噴射または塗布するためウェハ上側に位置し、コーティング動作の間にノズル31はソルヴェントバス45の第1及び第2のソルヴェントトラップ39、41上側に位置する。第1及び第2のソルヴェントトラップ39、41から生じた煙はノズル内に残っている感光物質の硬化と後続コーティング動作時にウェハに落ちることもある感光パウダへの変換を防止する。
【0033】
本発明によれば、蓋33は一つ以上のノズルホルダ47を備えてノズル31を貯蔵し、第1及び第2のソルヴェントトラップ39、41の上側にノズル31を備える。即ち、ソルヴェントバス45内のソルヴェント上側にノズル31を備える。さらに、ソルヴェントパイプライン37またはソルヴェント経路は、ソルヴェント供給ポート35から受け入れられたソルヴェントをソルヴェントドレイン部43に案内するため蓋33の下側に備えられる。
【0034】
ソルヴェント供給ポート35は、ソルヴェントバス45にソルヴェントを供給するため蓋33の下側に備えられ、ソルヴェントパイプライン37の一側面に備えられる。ここで、ソルヴェント供給ポート35は第1のソルヴェントトラップ41に近接した所に備えられる。他の実施の形態で、ソルヴェント供給ポート35は第2のソルヴェントトラップ39よりノズル31のチップ31Tに近接して備えられる。さらに他の実施の形態で、ソルヴェント供給ポート35は第2のソルヴェントトラップ39より第1のソルヴェントトラップ41に近接した所に備えられる。即ち、ソルヴェント供給ポート35は第1のソルヴェントトラップ41より上位または同じ位置に備えられる。一つの実施の形態に従い、ソルヴェント供給ポート35はノズル31の下部端部から垂直方向で30mm、20mmまたは10mm以内に備えられる。ソルヴェント供給ポート35はノズルチップ31Tがソルヴェント煙をさらに容易に受け入れるようノズルチップ31T近くに備えられ、ノズルチップ31Tの感光物質に対する硬化を防止することができる。
【0035】
第1のソルヴェントトラップ41は、ソルヴェントバス45にソルヴェントが投入されるとソルヴェント供給ポート35から供給されたソルヴェントをトラップするためノズル31の下側に備えられる。本発明の一つの実施の形態によれば、第1のソルヴェントトラップ41はソルヴェントパイプライン37の最大限外側を囲むよう備えられ、ソルヴェント供給ポート35とソルヴェントパイプライン37との間に備えられる。第1のソルヴェントトラップ41の上部面はノズル31の下部面に非常に近接するように備えられ、ソルヴェントパイプライン37の上部面と同一の高さに備えられるのが好ましい。一方、ソルヴェントパイプライン37はソルヴェント供給ポート35からソルヴェントを受け入れ、ソルヴェントドレイン部43にソルヴェントを案内するため備えられる。
【0036】
一つの実施の形態で、第1のソルヴェントトラップ41は第1のソルヴェントトラップ41が満たされるまでソルヴェント供給ポート31から供給された所定量のソルヴェントをトラップする。第1のソルヴェントトラップ41にトラップされたソルヴェントから生じた煙または蒸気は蓋33とノズル31の端部の表面に感光パウダの生成を防止する。
【0037】
本発明の一つの実施の形態で、蓋33のノズルホルダ47は第1のソルヴェントトラップ41にトラップされたソルヴェントから生じたソルヴェント蒸気にノズルチップ31Tの露出を促進させるため第1の側壁と第2の側壁を含む大きい開口部を備えるため外側に傾けられたた開口OPを画成する。図2の矢印はノズル31とノズルホルダ47との間の距離が増加することを示す。ノズル31とノズルホルダ47の内部端部との間で最大距離D1、即ちノズルチップ31Tで下部で画成される側面距離は約5mm〜10mmである。従って、ノズルホルダ47により画成された開口OPは2D1とノズルチップ31Tの幅の合計である。ノズルホルダ47がノズルチップ31Tの下側まで延長されると、開口OPはさらに大きくなり得る。
【0038】
第2のソルヴェントトラップ39は、ソルヴェント供給ポート35とソルヴェントドレイン部43との間に備えられる。本発明の一つの実施の形態で、第2のソルヴェントトラップ39はソルヴェントパイプライン37を介して第1のソルヴェントトラップ41から受け入れ、ソルヴェントドレイン部43に流れるソルヴェントをトラップするため、第1のソルヴェントトラップ41の下側のソルヴェントパイプライン37内に備えられるか連結されるようにする。第2のソルヴェントトラップ39はソルヴェントパイプライン37に沿って第1のソルヴェントトラップ41から流入された所定量のソルヴェントをトラップするため備えられ、超過したソルヴェントはソルヴェントパイプライン37に沿ってソルヴェントドレイン部43に案内される。さらに、第2のソルヴェントトラップ39のソルヴェントはノズル31内に、または表面に残っている感光物質の硬化の防止に役立つ。ソルヴェントはソルヴェントバス45に所定量のソルヴェントを維持すべく、ソルヴェント供給ポート35から周期的に供給される。本発明の一つの実施の形態で、第2のソルヴェントトラップ39とソルヴェント供給ポート35との間は、最小50mm離隔されソルヴェント供給ポート35がノズル31に近接して備えられる。
【0039】
前述したように、本発明によればソルヴェントバス45に供給されたソルヴェントをトラップするための第1のソルヴェントトラップ41はノズル31の下側端部に近接して備えられる。一つの実施の形態で、第1のソルヴェントトラップ41は貯蔵されたソルヴェントがノズル31の下部端部から最大40mm、30mm、20mmまたは10mm以内に備えられる。ソルヴェントバス45の蓋33は、ノズル31を最大限露出するよう変更してノズル31と蓋33の表面に感光パウダの生成を防止することができる。
【0040】
なお、本発明について、好ましい実施の形態を基に説明したが、これらの実施の形態は、例を示すことを目的として開示したものであり、当業者であれば、本発明に係る技術思想の範囲内で、多様な改良、変更、付加等が可能である。このような改良、変更等も、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】従来の技術に係る装置の概略的な断面図である。
【図2】本発明に係る装置の概略的な断面図である。
【符号の説明】
【0042】
31 ノズル
33 蓋
35 ソルヴェント供給ポート
37 ソルヴェントパイプライン
39 第2のソルヴェントトラップ
41 第1のソルヴェントトラップ
43 ソルヴェントドレイン部
45 ソルヴェントバス
47 ノズルホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルを貯蔵するため一つ以上のノズルホルダを備えた蓋と、
ソルヴェントをソルヴェントドレイン部に案内するため、前記蓋の下側に備えられるソルヴェントパイプラインと、
前記ソルヴェントを前記ソルヴェントパイプラインに供給するためのソルヴェント供給ポートと、
前記蓋、前記ノズルまたはこれら全てに感光パウダの形成を防止するため、前記ソルヴェント供給ポートに供給された前記ソルヴェントをトラップし、前記ノズル下側に備えられる第1のソルヴェントトラップと、
前記ソルヴェントパイプラインから流入した前記ソルヴェントをトラップするため、前記ソルヴェントパイプラインに結合された第2のソルヴェントトラップとを含み、
前記ソルヴェント供給ポートは、前記第2のソルヴェントトラップより前記第1のソルヴェントトラップに近接して備えられることを特徴とする感光物質コーティング用装置。
【請求項2】
前記ノズルホルダは、当該ノズルホルダの間に備えられたノズルを露出するための開口が広くなるよう傾斜した形態であることを特徴とする請求項1に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項3】
前記第1のソルヴェントトラップは、前記ソルヴェント供給ポートと前記ソルヴェントパイプラインとの間に備えられ、前記ソルヴェントパイプラインの外側を囲むよう備えられることを特徴とする請求項1に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項4】
前記第1のソルヴェントトラップの上部面は、前記ノズルの下部面に非常に近接するよう備えられることを特徴とする請求項1に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項5】
前記ソルヴェント供給ポートの上部面は、前記第1のソルヴェントトラップの上部面より上位または同じ高さに備えられることを特徴とする請求項1に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項6】
前記ソルヴェント供給ポートは、前記ノズル下部の端部から垂直方向で最大20mm内に備えられることを特徴とする請求項1に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項7】
前記ソルヴェント供給ポートは、前記第2のソルヴェントトラップより前記ノズルに近接して備えられることを特徴とする請求項1に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項8】
前記第1のソルヴェントトラップでトラップされた前記ソルヴェントの蒸気は、前記ノズルに残った感光物質の硬化及び前記感光パウダへの変換の少なくとも一方を防止することを特徴とする請求項1に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項9】
前記第1のソルヴェントトラップは前記第1のソルヴェントトラップ、前記ソルヴェントパイプライン及び前記第2のソルヴェントトラップを含むソルヴェントバス内に、前記ソルヴェント供給ポートから投入された所定量の前記ソルヴェントをトラップするよう備えられることを特徴とする請求項1に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項10】
少なくとも一つのノズルを貯蔵する蓋と、
前記ソルヴェントを投入するためのソルヴェント供給ポートと、
前記ソルヴェント供給ポートからソルヴェントを受け入れ、ソルヴェントドレイン部に前記ソルヴェントを案内するためのソルヴェントパイプラインと、
前記ソルヴェント供給ポートから投入された前記ソルヴェントの所定量を貯蔵するため前記ノズル下側に備えられて前記ソルヴェント供給ポートに結合され、前記ソルヴェントパイプラインの上部面に隣接した高さに備えられ、当該ソルヴェントパイプラインの上部を囲む第1のソルヴェントトラップとを含み、
前記第1のソルヴェントトラップは、前記ノズルに感光パウダの生成を防止するため備えられることを特徴とする感光物質コーティング用装置。
【請求項11】
前記ソルヴェントパイプラインを介し前記第1のソルヴェントトラップから前記ソルヴェントを受け入れるため、前記第1のソルヴェントトラップ下側に備えられる第2のソルヴェントトラップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項12】
前記ソルヴェント供給ポートは、垂直方向で前記第2のソルヴェントトラップより前記ノズルにさらに近接して備えられることを特徴とする請求項11に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項13】
前記蓋のノズルホルダは前記ノズルが前記第1のソルヴェントトラップにトラップされた前記ソルヴェントから生じたソルヴェント蒸気に露出されるよう開口を画成する第1及び第2の側壁を含むことを特徴とする請求項10に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の側壁は、前記ソルヴェント蒸気に前記ノズルの露出を促進するため外方向に向かうよう傾斜するようにして前記開口の大きい開口部を備えるようにすることを特徴とする請求項13に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項15】
前記蓋は前記第1及び第2の側壁を含むノズルホルダを含むことを特徴とする請求項14に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項16】
前記第2のソルヴェントトラップから前記ソルヴェントを受け入れるためのソルヴェントドレイン部をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項17】
ノズルを貯蔵するための一つ以上のノズルホルダを備えた蓋と、
ソルヴェントをソルヴェントドレイン部に案内するため前記蓋の下側に備えられるソルヴェントパイプラインと、
前記ソルヴェントを供給するためのソルヴェント供給ポートと、
前記ソルヴェント供給ポートから前記ソルヴェントを受け入れ前記ノズルに残った感光物質の硬化を防止するよう、前記ソルヴェントを盛り込んでおくために備えられ、前記ノズル下側に備えられる第1のソルヴェントトラップとを含み、
前記第1のソルヴェントトラップは盛り込まれた前記ソルヴェントが、前記ノズル下部の端部から最大40mm以内に備えられることを特徴とする感光物質コーティング用装置。
【請求項18】
前記蓋は外方向に拡張される前記ノズルのための開口を備え、前記第1のソルヴェントトラップは盛り込まれた前記ソルヴェントが前記ノズル下部の端部から最大30mm以内に備えられることを特徴とする請求項17に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項19】
前記蓋は外方向に拡張される前記ノズルのための開口を備え、前記第1のソルヴェントトラップは盛り込まれた前記ソルヴェントが前記ノズル下部の端部から最大20mm以内に備えられることを特徴とする請求項17に記載の感光物質コーティング用装置。
【請求項20】
前記ソルヴェントパイプラインを介し前記第1のソルヴェントトラップから受け入れられた前記ソルヴェントをトラップするため、前記ソルヴェントパイプラインに結合された第2のソルヴェントトラップを含み、
前記ソルヴェント供給ポートは、前記第2のソルヴェントトラップより前記第1のソルヴェントトラップに近接するよう備えられることを特徴とする請求項17に記載の感光物質コーティング用装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−196210(P2007−196210A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145167(P2006−145167)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】