説明

感度切替型の侵入検知システム

【課題】人体のような物体を検知しにくい環境下でも確実に人体を検知して、誤動作を防止できる感度切替型の侵入検知システムを提供する。
【解決手段】 感度向上手段10により、サブ検知手段2でのサブ検知エリアA5における検知によってメイン検知手段1の検知感度を向上させるので、警戒対象領域であるメイン検知エリアA1〜A4で検知する必要があるときのみ、メイン検知手段1の検知感度を上げることにより、人体Hのような物体を検知しにくい環境下でも確実に人体Hを検知して、誤動作を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅や工場などの建物の内外における検知エリア内で、不法侵入者を検知する侵入検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般住宅や工場などにおける検知エリア内で、受動型赤外線(PIR)センサによって不法侵入者を検知する侵入検知装置が知られている。ところで、夏季における真夏日のように気温が高いために、人体と周囲温度との温度差が小さい場合には、不法侵入者を検知しにくい。このため、侵入検知装置の検知感度を上げることとなるが、そうすると、小動物や風による草木の揺れ、遠方の人体や物体などを検知してしまう誤動作が生じやすい。
【0003】
一方、人体と小動物の誤動作を防止するために、近方と遠方を検知する2つの検知エリアを設けて、小動物と人体の高さが異なることから、両検知エリアでともに物体を検知したとき、これを人体と判断して、警報を発することも知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−221455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、単に近方検知エリアと遠方検知エリアを設けても、前記した人体と周囲温度の温度差が小さい場合には、依然として不法侵入者を検知しにくい。両検知センサの検知感度を上げると、同様に遠方の人体や物体を検知するなど誤動作が生じやすい。
【0005】
本発明は、前記の問題点を解決して、人体のような物体を検知しにくい環境下でも確実に人体を検知して、誤動作を防止できる感度切替型の侵入検知システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明にかかる感度切替型の侵入検知システムは、警戒対象領域内のメイン検知エリア内の物体を検知する受動型の赤外線検知器からなるメイン検知手段と、前記検知エリアの周辺または内側に設定したサブ検知エリア内の物体を検知するサブ検知手段と、サブ検知手段での検知によりメイン検知手段の検知感度を向上させる感度向上手段とを備えている。
【0007】
この構成によれば、サブ検知手段によるサブ検知エリアにおける検知によりメイン検知手段の検知感度を向上させるので、警戒対象領域であるメイン検知エリアで検知する必要があるときのみ、メイン検知手段の検知感度を上げることにより、人体のような物体を検知しにくい環境下でも確実に人体を検知して、誤動作を防止できる。
【0008】
好ましくは、さらに、前記メイン検知手段の向上させた検知感度を所定時間保持する感度向上保持手段を備えている。例えば、検知感度向上の保持時間を短く設定することによって、メイン検知エリアでの小動物による誤動作を防止できる。
【0009】
好ましくは、前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号を増幅する増幅器と、その増幅率を大きくする増幅率切替回路とを有する。または、前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号を処理する信号処理回路における判定しきい値を低くするしきい値変更手段からなる。このような構成によれば、簡単な構成でメイン検知手段の検知感度を向上できる。
【0010】
好ましくは、前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号を増幅する増幅率の異なる2つの増幅器と、両増幅器からの出力信号を選択する信号選択回路とを有する。または、前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号を増幅する増幅率の異なる2つの増幅器と、これを切り替える増幅器切替回路とを有する。このような構成によれば、同様に簡単な構成でメイン検知手段の検知感度を向上できる。
【0011】
また好ましくは、前記感度向上手段が、前記サブ検知手段で物体を検知したときに出力される検知信号を保持する信号保持回路と、前記サブ検知手段で物体を検知したのち前記メイン検知手段で物体を検知したとき、前記メイン検知手段からの物体の検知信号と、前記サブ検知手段からの前記保持された検知信号とを演算して得た信号を出力する信号演算回路とを有する。または、前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号の信号処理を、それぞれ検知感度を異ならせて行う2つの感度処理回路と、これを切り替える感度切替回路とを有する。このような構成によれば、同様に簡単な構成でメイン検知手段の検知感度を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る感度切替型の侵入検知システムの設置状態の光学的構成を模式的に示す側面図である。本システムは、主として、一般住宅や工場のような建物の外壁面Wなどに取り付けられるセンサユニットUを有する。このセンサユニットUは、建物の屋外における警戒対象領域内のメイン検知エリアA1〜A4内の物体を検知する受動型の赤外線検知器(PIRセンサ)からなるメイン検知手段1と、前記メイン検知エリアA1〜A4の周辺(外方)、すなわち、センサユニットUから遠方に設定したサブ検知エリアA5内の物体を検知するサブ検知手段2とを備えている。この例では、サブ検知手段2も受動型の赤外線検知器(PIRセンサ)からなる。本装置は、メイン検知エリアA1〜A4内に不法に入る侵入者(人体)を検知すると、侵入検知(センサ)信号を出力して、警報回路15(図3)から警報を発する。
【0013】
図1のメイン検知手段1およびサブ検知手段2は、それぞれ焦電素子A、B(図3)のような検出素子と、各焦電素子A、Bに入射する赤外線量に応じた電圧レベルを持つ検知信号を出力する検知処理部(図示せず)とを有しており、ケース41の中に焦電素子A、Bを収納している。焦電素子Aは、その前方に位置してケース41に取り付けられたフレネルレンズのような光学系51により、メイン検知エリアA1〜A4を設定している。焦電素子Bは、光学系51と同様の光学系52により、サブ検知エリアA5を設定している。各検知エリアA1〜A5において人体Hなどから放射される赤外線エネルギは、光学系51、52により集光されて対応する検出素子A、Bに入射され、人体Hが検知される。なお、ここでの人体Hは検知エリアA1〜A5内への侵入者である。
【0014】
本システムは、上記したとおり、この例では、メイン検知エリアA1〜A4の周辺(遠方)のエリアにサブ検知エリアA5が設けられている。これとともに、図2における本システムを上方から見た平面図に示すように、各検知エリアA1〜A5は所定の幅を有し、隣接検知エリアA1〜A5と幅方向にそれぞれ離間した状態で放射状に延びており、サブ検知エリアA5はメイン検知エリアA1〜A4よりも外方に長く延び、かつメイン検知エリアA1〜A4とエリアが重なっている。
【0015】
図3は、前記侵入検知システムの電気系のブロック構成図である。
本システムは、前記したメイン検知手段1およびサブ検知手段2のほかに、メイン検知手段1からの物体の検知信号を増幅するものであって、切替信号により複数段の増幅率に設定できる可変型の増幅器(アンプ)3、サブ検知手段2からの物体の検知信号を増幅する増幅器(アンプ)4を備えている。前記増幅率可変型の増幅器3は、周波数特性を変更するもの、つまり、低域側のみ、または高域側のみの増幅率を大きくして、人体の検知感度を向上させるものも含む。各アンプ3、4からの出力信号はCPU5に入力する。CPU5は、各アンプ3、4からの検知信号をそれぞれA/D変換するA/Dコンバータ6、7、および信号処理回路8を備えている。
【0016】
前記信号処理回路8は、サブ検知手段2によるサブ検知エリアA5における検知信号の大きさによって物体を検知する検出回路13、増幅率切替回路9、判定手段11および感度向上保持手段12を備えている。増幅率切替回路9は、サブ検知手段2からの物体の検知信号の入力に基づいて、前記可変型アンプ3の増幅率の大きい設定に切り替えるように、切替信号を出力する。サブ検知エリアA5における検知信号によって、物体がメイン検知エリアA1〜A4に近づく可能性があると考えられる。この可変型アンプ3と増幅率切替回路9によって、サブ検知手段2での検知によりメイン検知手段1の検知感度を向上させる感度向上手段10を構成する。
【0017】
判定手段11は、メイン検知手段1からの検知信号について、予め設定された人体検知レベルである判定しきい値に基づいて、人体Hの検知信号か否かを判定する。感度向上保持手段12は、感度向上手段10により向上させたメイン検知手段1の検知感度を所定時間保持する。通常、前記判定手段11により、小動物Mによる誤動作を防止するが、メイン検知手段1の向上させた検知感度を保持することにより、誤動作をより確実に防止できる。すなわち、サブ検知エリアA5からメイン検知エリアA1〜A4への物体の移動に際して、人体Hは小動物Mに比べて背が高いので、サブ検知エリアA5とメイン検知エリアA1〜A4に同時にかかる時間が長く、サブ検知エリアA5にかかっている間、メイン検知手段1の検知感度が向上された状態を続けるから、感度向上の保持時間を短くしても人体Hを検知できる。これに対して、小動物Mは背が低いので、サブ検知エリアA5にかからなくなってから、メイン検知エリアA1〜A4にかかることになるため、この保持時間を短くすると、メイン検知エリアA1〜A4で小動物Mを検知しなくなる。こうして、メイン検知エリアA1〜A4において、向上させた検知感度の保持時間を所定の短い時間に設定することによって、人体Hと小動物Mとの移動態様の違いにより、小動物Mによる誤動作をより確実に防止できる。
【0018】
本発明では、サブ検知手段2で物体を確実に検知するように、予めメイン検知手段1よりもサブ検知手段2の検知感度を高くしているが、こうしても、サブ検知手段2で物体を検知しても警報が出ず、誤動作が生じない。サブ検知手段2での検知によってメイン検知手段1の検知感度を向上させるので、警戒対象領域であるメイン検知エリアA1〜A4で人体Hを検知する必要があるときのみ、メイン検知手段1の検知感度を上げることにより、人体Hと周囲温度との温度差が小さいなどのような人体Hを検知しにくい環境下でも確実に人体Hを検知して、誤動作を防止できる。
【0019】
前記感度向上手段10により検知感度を向上したメイン検知手段1から入力されて、前記判定手段11により判定された人体Hの検知信号が、センサ信号出力部14に入力されて、侵入検知(センサ)信号を出力する。警報回路15はこの信号を受けて警報を出力する。
【0020】
このように、本発明では、サブ検知手段2によるサブ検知エリアA5における検知によりメイン検知手段1の検知感度を向上させるので、警戒対象領域であるメイン検知エリアA1〜A4で検知する必要があるときのみ、メイン検知手段1の検知感度を上げることにより、人体Hを検知しにくい環境下でも確実に人体Hを検知して、誤動作を防止できる。
【0021】
なお、この実施形態では、感度向上手段10が、メイン検知手段1の可変増幅器3の増幅率を増幅率切替回路9により大きくして検知感度を向上させているが、それに代えて、CPU5の信号処理回路8における判定手段11の人体検知レベルを設定する判定しきい値を、しきい値変更手段19により低くし、メイン検知手段1の検知感度を向上させるようにしてもよい。
【0022】
なお、この実施形態では、メイン検知手段1の向上させた検知感度を所定時間保持する感度向上保持手段12を有するが、必要に応じて省略してもよい。
【0023】
つぎに、第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、前記感度向上手段10の構成が第1実施形態と異なる。すなわち、図4に示すように、第2実施形態の感度向上手段10Aは、メイン検知手段1からの物体の検知信号を増幅する増幅率の異なる2つの第1増幅器(アンプ)21および第2増幅器(アンプ)22と、両増幅器21、22からの出力信号を選択する信号選択回路20とを有する。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0024】
第2実施形態では、第1アンプ21に比べて第2アンプ22の増幅率が大きく設定されており、これによって第2アンプ22は第1アンプ21よりも検知感度が大きく設定されている。サブ検知手段2の物体の検知により、信号選択回路20で第2アンプ22からの出力信号が選択されて、メイン検知手段1の検知感度が向上する。したがって、簡単な構成でメイン検知手段1の検知感度を向上できる。
【0025】
つぎに、第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、前記感度向上手段10の構成が第1実施形態と異なる。すなわち、図5に示すように、第3実施形態の感度向上手段10Bは、メイン検知手段1からの物体の検知信号を増幅する増幅率の異なる2つの第1増幅器(アンプ)21および第2増幅器(アンプ)22と、スイッチ部23と、これを切り替える増幅器切替回路24とを有する。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0026】
第3実施形態では、第2実施形態と同様に、第1アンプ21に比べて第2アンプ22の増幅率が大きく設定されており、サブ検知手段2の物体の検知により、増幅器切替回路24でスイッチ部23を介して第2アンプ22に切り替えられて、メイン検知手段1の検知感度が向上する。したがって、簡単な構成でメイン検知手段1の検知感度を向上できる。前記第2および第3実施形態において、第2アンプ22は第1アンプ21と周波数特性が異なるもの、つまり低域側のみ、または高域側のみの増幅率が第1アンプ21よりも大きいものでもよい。
【0027】
つぎに、第4実施形態について説明する。この第4実施形態は、前記感度向上手段10の構成が第1実施形態と異なる。すなわち、図6に示すように、第3実施形態の感度向上手段10Cは、サブ検知手段2から出力される物体の検知信号を保持する信号保持回路35と、サブ検知手段2で物体を検知したのちメイン検知手段1で物体(人体H)を検知したとき、メイン検知手段1からの物体の検知信号と、サブ検知手段2からの前記保持された検知信号とを例えば加算または乗算のような演算をさせて得た信号を出力する信号演算回路(論理演算回路)38とを有する。前記信号保持回路35は、サブ検知手段2の物体の検知によって、当該検知信号を補正値として記憶する補正値記憶部36と、この補正値を一定時間保持させるタイマである演算保持部37からなる。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0028】
第4実施形態は、サブ検知手段2で物体を検知したのちメイン検知手段1で物体を検知したとき、メイン検知手段1からの物体の検知信号に、サブ検知手段2からの物体を検知したときに出力されて保持された検知信号を演算するので、メイン検知手段1からの物体の検知信号を大きくすることができ、メイン検知手段1の検知感度が向上する。したがって、簡単な構成でメイン検知手段1の検知感度を向上できる。
【0029】
つぎに、第5実施形態について説明する。この第5実施形態は、前記感度向上手段10の構成が第4実施形態と異なる。すなわち、図7に示すように、第5実施形態の感度向上手段10Dは、メイン検知手段1からの物体(人体H)の検知信号の信号処理を、それぞれ検知感度を異ならせて行う2つの感度処理回路41、42を有する。この2つの感度処理回路は、例えば信号のパルスカウントを少なくすることや信号処理時間を短縮するなどによって検知感度が大きくなるように検知信号を処理する第1の感度処理回路(感度アップロジック)41と、通常の検知感度で検知信号を処理する第2の感度処理回路(通常ロジック)42とからなる。また、感度向上手段10Dは、サブ検知手段2の物体の検知により、2つの感度処理回路41、42を切り替える感度切替回路43を有する。サブ検知手段2で物体を検知したとき、第1の感度処理回路41に切り替えられ、物体を検知しないときには、第2の感度処理回路42に切り替えられる。その他の構成は第4実施形態と同様である。前記第1の感度処理回路41は、検知信号の全周波数領域について感度を大きくしたものに限られず、低域側のみ、または高域側のみの感度を大きくしたものでもよい。
【0030】
第5実施形態は、サブ検知手段2で物体を検知したとき、メイン検知手段1から出力される物体の検知信号の信号処理が検知感度を大きく行うように切り替えられるので、メイン検知手段1の検知感度が向上する。したがって、簡単な構成でメイン検知手段1の検知感度を向上できる。
【0031】
つぎに、第6実施形態について説明する。この第6実施形態は、第1実施形態のサブ検知エリアA5がメイン検知エリアA1〜A4の周辺(外方)に設定されているのと異なり、図8に示すように、サブ検知エリアA5がメイン検知エリアA1〜A4の内側に設定されている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0032】
第6実施形態では、サブ検知手段2の焦点距離を変えることにより、サブ検知エリアA5とメイン検知エリアA1〜A4とで検知特性を変える。すなわち、人体Hの高さが小動物Mよりも高いことから、サブ検知手段2との距離が近い当該人体Hに対してはサブ検知エリアA5で検知するようにし、小動物Mの高さが低いことからサブ検知手段2との距離が遠い当該小動物Mに対してはサブ検知エリアA5で検知しないようにする。これにより、小動物Mに対しては、サブ検知エリアA5で検知されないことからメイン検知エリアA1〜A4の検知感度が向上されず、メイン検知エリアA1〜A4で検知されにくくなる一方、人体Hに対しては確実に検知できるため、誤動作を防止できる。
【0033】
なお、前記各実施形態では、サブ検知手段2に受動型の赤外線検知器(PIRセンサ)を用いているが、これに限定するものではなく、MW(マイクロ波)センサ、CCDカメラを用いた画像処理装置、AIRセンサ、超音波式の能動型センサなどを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態に係る感度切替型の侵入検知システムの設置状態の光学的構成を模式的に示す側面図である。
【図2】図1のシステムを上方から見た平面図である。
【図3】同実施形態に係る感度切替型の侵入検知システムの電気回路を示すブロック図である。
【図4】第2実施形態の感度切替型の侵入検知システムの電気回路を示すブロック図である。
【図5】第3実施形態の感度切替型の侵入検知システムの電気回路を示すブロック図である。
【図6】第4実施形態の感度切替型の侵入検知システムの電気回路を示すブロック図である。
【図7】第5実施形態の感度切替型の侵入検知システムの電気回路を示すブロック図である。
【図8】第6実施形態に係る感度切替型の侵入検知システムの設置状態の光学的構成を模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
【0035】
1:メイン検知手段
2:サブ検知手段
3:増幅器(可変型アンプ)
8:信号処理回路
9:増幅率切替回路
10:感度向上手段
12:感度向上保持手段
20:信号選択回路
24:増幅器切替回路
35:信号保持回路
38:信号演算回路
41、42:感度処理回路
43:感度切替回路
A1〜A4:メイン検知エリア
A5:サブ検知エリア
H:人体
M:小動物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
警戒対象領域内のメイン検知エリア内の物体を検知する受動型の赤外線検知器からなるメイン検知手段と、
前記メイン検知エリアの周辺または内側に設定したサブ検知エリア内の物体を検知するサブ検知手段と、
サブ検知手段での検知によりメイン検知手段の検知感度を向上させる感度向上手段と、
を備えた感度切替型の侵入検知システム。
【請求項2】
請求項1において、さらに、
前記メイン検知手段の向上させた検知感度を所定時間保持する感度向上保持手段を備えた、感度切替型の侵入検知システム。
【請求項3】
請求項1において、
前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号を増幅する増幅器と、その増幅率を大きくする増幅率切替回路とを有する、感度切替型の侵入検知システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号を処理する信号処理回路における判定しきい値を低くするしきい値変更手段からなる、感度切替型の侵入検知システム。
【請求項5】
請求項1において、
前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号を増幅する増幅率の異なる2つの増幅器と、両増幅器からの出力信号を選択する信号選択回路とを有する、感度切替型の侵入検知システム。
【請求項6】
請求項1において、
前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号を増幅する増幅率の異なる2つの増幅器と、これを切り替える増幅器切替回路とを有する、感度切替型の侵入検知システム。
【請求項7】
請求項1において、
前記感度向上手段が、前記サブ検知手段で物体を検知したときに出力される検知信号を保持する信号保持回路と、前記サブ検知手段で物体を検知したのち前記メイン検知手段で物体を検知したとき、前記メイン検知手段からの物体の検知信号と、前記サブ検知手段からの前記保持された検知信号とを演算して得た信号を出力する信号演算回路とを有する、感度切替型の侵入検知システム。
【請求項8】
請求項1において、
前記感度向上手段が、前記メイン検知手段からの物体の検知信号の信号処理を、それぞれ検知感度を異ならせて行う2つの感度処理回路と、これを切り替える感度切替回路とを有する、感度切替型の侵入検知システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−16015(P2008−16015A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149051(P2007−149051)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000103736)オプテックス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】