説明

感熱性記録材料ならびにその製造および使用方法

本発明の熱記録媒体は、耐褪色性である強力な画像を提供する。理想的には、プリントコントラストシグナル(PCS)が高い画像が提供され、光学または電子復号化装置およびスキャナが使用される際の画像形成領域の検出において、高度の正確さで信頼性のある高速読み取り性が大幅に向上される。使用には、航空手荷物タグなどの安全保障用途、染色前サンプルスライドなどの用途で病理学用、血液学用および一般の実験用に使用するための積層耐久性ラベル、紫外線熱画像形成耐久性ラベル、または返送可能な荷物または輸送用コンテナで使用するための耐久性ラベルが含まれるが、これらに限定されない。一般に、本発明の熱記録媒体は、(a)支持材料の第1の表面に金属酸化物層を組み込んだ、空洞を含有しない支持材料と、(b)金属酸化物層の第1の表面に形成された直接感熱層または金属酸化物層の第1の表面上に所望の画像の熱転写をもたらすためのリボンとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、熱で活性化される積層記録媒体(laminated recording media)と、その製造および使用方法とに関する。特に、化学薬品、摩耗、摩擦、スクラッチおよび/または温度に耐性であり、可視スペクトル(約380nm〜約760nm)、近赤外スペクトル(約720nm〜約1400nm)および赤外スペクトル(1400nm〜約4000nm)において判読可能な直接感熱式(direct thermal)および熱転写式の印刷媒体に関する。
【0002】
本出願は、2002年10月2日出願の米国仮特許出願第60/415,403号(John Finger)、2002年10月8日出願の米国仮特許出願第60/416,965号(John Finger)、2003年1月1日出願の米国仮特許出願第60/440,463号(John Finger)、2003年2月7日出願の米国仮特許出願第60/445,983号(John Finger)、2003年2月19日出願の米国仮特許出願第60/448,328号(John Finger)、および2003年7月21日出願の米国仮特許出願第60/488,867号(John Finger)に基づいて、優先権を主張する。
【0003】
[背景]
従来の熱記録媒体は、例えば、普通紙、合成紙または樹脂フィルムから製造される支持材料と、支持材料上に形成され、熱が付加されることにより画像がその上に形成され得る熱記録層とを含む。単に熱の付加により画像を形成できるため、このような熱記録材料は、コンピュータ、ファクシミリ装置、テレックス、現金レシート、キャッシュレジスタ、およびその他の情報伝送および測定機器からの出力情報を記録するためにサーマルプリンタと共に広く使用される。さらに、このような熱記録材料は識別デバイスとしての接着ラベルとして使用され、これは、最終的に、識別デバイスが適用された人または物体を識別し得るバーコードまたは他の可変情報を刻印するような方法でデバイスを利用する施設または企業に提供されることを目的とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[発明の概要]
本発明は、多層積層構成物および該構成物の形成方法を含み、該積層体は、熱により画像形成されることが可能である。この積層体の構成は、一般に、第1の表面および第2の表面を有するポリマー支持材料を含む。支持層は、空洞を含有しないポリオレフィン、ポリエステルまたはこれらのブレンドでよく、好ましくは、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびこれらのブレンドからなる群から選択される空洞を含有しないポリエステルである。支持材料は金属酸化物でコートされ、該金属酸化物は、好ましくは、非化学量論的(stoichiometric)酸化アルミニウムである。金属酸化物層は、第1および第2の表面を有する活性直接感熱層(active direct thermal layer)で被覆される。活性直接感熱層は、活性直接感熱層内に画像を形成するために、活性直接感熱層の第1または第2の表面を介した熱の伝達に対して反応性のある発色系を含む。形成された画像は可視、UV、および近赤外において読み取り可能である。活性直接感熱層の第1の表面は直接感熱トップコート層(direct thermal top coat layer)で被覆され得る。さらに、この多層積層体は、積層体の第1の表面全体をおおむね被覆するUV硬化した耐薬品性バリアトップコート(barrier topcoat)も含むことができ、活性直接感熱層の上記第1の表面に集中した熱(concentrations of heat)を付加して、上記活性直接感熱層内に画像の形成をもたらす。
【0005】
多層積層体は、さらに、活性直接感熱層または直接感熱トップコート層の第1の表面に施されたプライマー層と、完全または部分的なパターン範囲に施され、活性直接感熱層の第1の表面または直接感熱トップコート層の第1の表面に施され得る1つまたは複数のカラーコーティング層と、支持材料の第2の表面に施された耐薬品性の感圧型接着剤と、感圧型接着剤の第2の表面に積層されたシリコーンコートされたポリエステル剥離ライナーとを含むことができる。
【0006】
使用には、航空手荷物タグなどの保安用途、染色前サンプルスライド(pre-stainer sample slide)などの用途で病理学用、血液学用および一般の実験用に使用するための積層耐久性ラベル、紫外線熱画像形成耐久性ラベル、または返送可能な荷物もしくは輸送用コンテナで使用するための耐久性ラベルなどの用途が含まれるが、これらに限定されない。
【0007】
[発明の詳細な説明]
本発明の熱記録媒体は、耐褪色性の画像を提供する。理想的には、プリントコントラストシグナル(PCS)の高い画像が提供され、光学または電子復号化装置およびスキャナが使用される際の画像形成領域の検出において、高度の正確さで信頼性のある高速読み取り性が大幅に向上される。これらの画像形成領域は、次に、可視レーザーダイオード(VLD)、発光ダイオード(LED)スキャナ、および電荷結合素子(CCD)カメラを用いて、380〜4000ナノメートルの範囲で走査され得る。使用には、航空手荷物タグなどの保安用途、染色前サンプルスライドなどの用途で病理学用、血液学用および一般の試験用に使用するための積層耐久性ラベル、紫外線熱画像形成耐久性ラベル、または返送可能な荷物もしくは輸送用コンテナで使用するための耐久性ラベルなどの用途が含まれるが、これらに限定されない。
【0008】
一般に、本発明の熱記録媒体1は、(a)支持材料の第1の表面3に金属酸化物層5を組み込んだ、空洞を含有しない支持材料2と、(b)金属酸化物層の第1の表面7に形成された直接感熱画像とを含む。この直接感熱画像は、活性直接感熱層の第1の表面に集中した熱を付加することによって直接熱転写により形成され、活性直接感熱層内に画像の形成をもたらすことができる。あるいは、熱転写リボンによって形成されてもよい。
【0009】
さらに、この熱記録媒体は、支持材料の第2の表面4に形成可能な耐薬品性の感圧型接着剤層8も含むことができる。接着剤層8には剥離ライナー9が取り付けられてもよく、熱記録接着ラベルが使用される際に、接着剤層から剥がすことができる。さらに、金属酸化物コーティングの第1の表面7と直接感熱層の第2の表面13との間に、プライマー層10が介在されてもよい。このプライマー層10は絶縁体として働くと共に、直接感熱層の成分が支持材料内へ侵入するのを阻止する働きもし、それにより、直接感熱層を保護する。さらに、積層体の最終用途に応じて、構成物はさらに、直接感熱層6の第1の表面12上の直接感熱トップコート層11、および/または積層体構成物の最上表面としての放射線硬化性トップコート15を含むことができる。
【0010】
[支持材料2]
支持材料2は紙またはポリマーでよく、該ポリマーは、ポリオレフィンおよびポリエステルからなる群から選択される。支持材料は単層構成でも多層構成でもよく、ラベルまたはタグなどのいずれであろうと、最終生成物の走査性を可能にするのに十分に不透明であり得る。支持材料は、特定の用途に十分な寸法安定性、耐引裂性および耐薬品性を有するべきである。支持材料は空洞を含有してはならず、微小空洞を含有しない。支持材料は、印刷感受性および耐薬品性を提供する物質でコートされる。好ましくは、コーティング物質は金属酸化物である。さらに好ましくは、コーティングは、非化学量論的酸化アルミニウムである。最も好ましくは、非化学量論的酸化アルミニウムコーティングは、ハニタ・コーティングス(Hanita Coatings, Kibbutz Hanita, 22885, Israel)によって適用され、参照によって本明細書中に援用される米国特許第5,693,415号により記載されている。
【0011】
支持材料として使用され得るポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの混合物、および/またはその他の既知のポリオレフィンを含む。高分子支持材料は、フィルムまたはシートでよく、当該技術分野で知られる方法で製造することができ、キャストシート、キャストフィルム、またはブローンフィルムが含まれるが、これらに限定されない。フィルムまたはシートは単層構成でも多層構成でもよい。好ましくは、ポリオレフィンベース層は、空洞を含有しないポリプロピレン/高密度ポリエチレンブレンドフィルムを含む。さらに好ましくは、ポリオレフィン支持材料は、空洞を含有しない不透明なポリプロピレン/高密度ポリエチレンブレンドのブローンフィルムを含む。これらのフィルムは、チャーター・フィルムズ(Charter Films, 1901 Winter Street, Superior, Wisconsin 54880)、トリコ・インダストリーズ社(Trico Industries Inc. 190 Mike Street, North Kingston, RI 02852-0806)、またはナン・ヤ・プラスチックス・コーポレーションUSA(Nan Ya Plastics Corporation USA, 9 Peach Tree Hill Road, Livingston, NJ 07039)から入手可能であるが、これらに限定されない。
【0012】
支持材料として使用され得るポリエステルは、不透明なフィルムまたはシートを含み、空洞を含有しないポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびこれらの組み合わせを含む。ポリエステル支持材料は、フィルムまたはシートでよく、当該技術分野で知られる方法により製造することができ、キャストシート、キャストフィルム、またはブローンフィルムが含まれるが、これらに限定されない。フィルムまたはシートは単層構成でも多層構成でもよい。これらのフィルムは、E.I.デュポン・ドゥ・ヌムール(E. I. DuPont de Nemours, DuPont Building, 1007 Market Street, Wilmington, DE 19898)、SKCアメリカ(SKC America, 850 Clark Drive, Mount Olive, NJ 07826)、またはナン・ヤ・プラスチックス・コーポレーションUSA(Nan Ya Plastics Corporation USA, 9 Peach Tree Hill Road, Livingston, NJ 07039)から入手可能であるが、これらに限定されない。
【0013】
[熱画像形成する媒体]
[直接感熱層]
層4〜7および10の(図1)の断熱特性および熱転写特性はそれぞれ、選択的な熱接触により、高品質のグレースケールの熱記録画像を達成することができる。活性直接感熱層は、当該技術分野において知られている様々な系から組み立てることができ、例えば、米国特許第3,539,375号、同第3,674,535号、同第3,746、675号、同第4,151,748号、同第4,181,771号、同第4,246,318号、および同第4,470,057号などの多くの特許に記載されており、これらは参照によって本明細書中に援用される。これらの系では、塩基性の無色またはわずかに着色した色原体材料および酸性の顕色剤材料(color developer material)が基材上のコーティング中に含有され、適切な温度に加熱されると溶融または軟化して、上記材料が反応できるようになり、これにより着色マークが生成される。熱応答性記録材料は特徴的な熱応答を有し、望ましくは、選択的な熱暴露において十分な強度の着色画像を生成する。画像は熱の作用下で不可逆的であり、一つには層8および10の断熱特性のために優れた安定性を有する。本発明の積層体構成物では、活性直接感熱層は、190°Fを超える高熱環境に暴露された場合に背景の変色に耐性であるように選択され得る。
【0014】
活性直接感熱層は、周囲温度において通常は脱水固体である。本発明の色形成系は、酸性顕色剤材料と共に、実質的に無色の状態の色原体材料としても知られる電子供与性染料前駆体で構成される。色形成反応は、1つまたは複数の成分を溶融、軟化、または昇華することに依存して、色原体と反応する色生成接触を達成する。本発明の目的での実質的に無色とは、無色もしくはわずかまたはかすかに着色していることを意味すると理解される。
【0015】
活性直接感熱層の成分は実質的に隣接する関係にあり、基材上に配設されたコート層(単数または複数)全体に実質的に均一に分布される。本発明の目的では、実質的に隣接するという用語は、1つまたは複数の成分を溶融、軟化または昇華させるときに成分間に反応性色形成接触が達成されるように、色形成成分が十分に近接して配置されることを意味すると理解される。当業者には容易に明らかであるように、これらの反応性成分は、したがって、同一のコート層(単数または複数)中にあってもよいし、あるいは多層を用いて個々の成分が別の層内に配置されてもよい。すなわち、1つの成分が第1の層内に配置され、他の反応成分が次の層(単数または複数)内に配置されることも可能である。このような構成は全て、本明細書中では実質的に隣接すると理解される。
【0016】
染料前駆体に対する酸性顕色剤の重量比は、好ましくは1:1〜約2:1に保持される。これらの色形成系の成分は、分散媒体(好ましくは水)に実質的に不溶性であり、通常は10ミクロン未満、好ましくは3ミクロン未満の個々の粒子サイズに粉砕される。
【0017】

活性直接感熱層は、可溶性および懸濁された高分子剤の両方を含むことができる高分子バインダー材料によって結合される。例としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチル−ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、加工デンプン、ゼラチン、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン−ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどが挙げられる。また、高分子バインダーは、熱記録生成物の保管および使用により生じるブラッシングおよびハンドリング力から色形成系の成分を保護する。高分子バインダーは、このような保護を与える量で、かつ色形成反応材料間の反応性接触の達成を妨害し得る量よりも少ない量で存在すべきである。
【0018】
熱記録層は、さらに、クレー、タルク、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、焼成カオリンクレー、炭酸カルシウム、および尿素−ホルムアルデヒド樹脂などの顔料を含有することができる。その他の任意的な材料は、天然ワックス、カルナバワックス(Carnuba wax)、合成ワックス、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤、湿潤剤、消泡剤、増感剤、UV防止剤、および酸化防止剤を含む。増感剤は通常、染料前駆体と組み合わせた場合に熱記録性画像を付与せず、これらは通常、色形成系における成分の混合を容易にするための溶媒の役割を果たす低融点固体である。本発明で記載される構成物全体は、断熱および転写特性を提供する。
【0019】
直接感熱層6は、熱にさらされると印刷表面を提供する。直接感熱層は、電子供与性染料前駆体(色原体材料)および酸性顕色剤材料を含む感熱性の色形成組成物である。本発明による記録媒体は、記録または画像が形成される場合、通常の使用条件下で不可逆的な画像をその中に有し、数ヶ月、あるいは何年もの間、実質的に不可逆的および安定的である。本発明の記録媒体の色形成組成物(または系)は、実質的に無色の状態の色原体材料(電子供与性染料前駆体)と、酸性顕色剤材料とを含む。直接感熱層の色形成系は、1つまたは複数の成分の溶融、軟化、または昇華に依存し、反応性色生成接触を達成する。直接感熱層は、直接感熱式プリンタを用いて画像形成され得る。直接感熱層は、特定の用途に対して選択することができる。例えば、使用中に熱にさらされ得る実験用スライドで使用するための耐薬品性の耐久性ラベルは、より高い初期活性化温度を有するサーマルコーティングを必要とし得る。高速分類の場合には、より高い印刷の明暗コントラスト比を提供するサーマル層が、印刷画像の読み取り性の改善を可能にする。好ましくは、基材に施される直接感熱層は、アップルトン(Appleton, 825 E. Wisconsin Ave., P.O. Box 359, Appleton, WI 54912-0359)により供給される。近赤外色原体は、光学または近赤外スキャナによる画像形成された文字の読み取り性を向上させるために、任意で組み込まれてもよい。
【0020】
コーティングは、任意で、基材全体に施されてもよいし、あるいは特定の部分にスポット印刷されてもよい。このような構成は全て、本明細書中では実質的に隣接すると理解され、当業者には容易に明らかであろう。
【0021】
直接感熱層の製造において、色形成系の成分、高分子バインダー材料、表面活性剤およびその他の添加剤の水性コーティング媒体中の微細な分散体を含有するコーティング組成物が調製される。色形成組成物は、さらに、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、焼成カオリンクレーおよび炭酸カルシウムなどの不活性顔料、尿素−ホルムアルデヒド樹脂顔料などの合成顔料、カルナバワックス(Carnuba wax)などの天然ワックス、合成ワックス、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤、湿潤剤、消泡剤、UV安定剤、ならびに酸化防止剤を含有することができる。増感剤が任意で含有されてもよい。増感剤は、例えば、アセトアセト−o−トルイジン、フェニル−1−ヒドロキシ−2−ナフトアート、1,2−ジフェノキシエタン、またはp−ベンジルビフェニル、もしくはこれらの混合物を含むことができる。増感剤または変性剤は、通常、それだけでは顕著な画像形成を付与しないが、比較的低融点固体として、色形成系の成分間の反応を容易にするための溶媒の役割を果たす。
【0022】
色形成系成分は、分散媒体(好ましくは、水)中に実質的に不溶性であり、約1ミクロン〜約10ミクロン、好ましくは約1〜3ミクロンの個々の平均粒子サイズに粉砕される。高分子バインダー材料は実質的に媒体に可溶性であるが、場合によっては、ラテックスも適切である。好ましい水溶性バインダーには、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチル−ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、加工デンプン、ゼラチンなどが含まれる。適切なラテックス材料には、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン−ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどが含まれる。バインダーは被着剤として働き、保管および使用により生じるブラッシングおよびハンドリング力からサーマル層を保護する。バインダーは、保護を与える量で、かつ色形成反応材料間の反応性接触の達成を妨害し得る量よりも少ない量で存在すべきである。
【0023】
コーティング重量は、効果的には、約3〜約9グラム/平方メートル(gsm)、好ましくは約5〜約6gsmであり得る。色形成材料の実際の量は、経済的な考慮、機能パラメータおよび所望のハンドリング特性によって調節される。
【0024】
適切な電子供与性染料前駆体は、色原体材料である。色形成系で使用するためのフタリド、ロイカウラミン(leucauramine)およびフルオラン化合物などの色原体材料は、よく知られた色形成化合物である。化合物の例には、クリスタルバイオレットラクトン(3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、米国再発行特許第23,024号)、フェニル−、インドール−、ピロール−、およびカルバゾール−置換フタリド(例えば、米国特許第3,491,111号、同第3,491,112号、同第3,491,116号、同第3,509,174号)、ニトロ−、アミノ−、アミド−、スルホンアミド−、アミノベンジリデン−、ハロ−、アニリノ−置換フルオラン(例えば、米国特許第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,642,828号、同第3,681,390号)、スピロジピラン(米国特許第3,971,808号)、ならびにピリジンおよびピラジン化合物(例えば、米国特許第3,775,424号、および同第3,853,869号)が含まれる。本発明を決して制限しないその他の特に適切な色原体化合物は、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ−フルオランとしても知られる3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ−フロウラン(flouran)(米国特許第4,510,513号)、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−3,5’6−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[9H−フルオレン−9,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−3’−オン、7−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン(米国特許第3,920,510号)、3−(N−メチルシクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(米国特許第3,959,571号)、7−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−7−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,7−ジヒドロフロ[3,4−b]ピリジン−5−オン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ベンジルアミノフルオラン、3’−フェニル−7−ジベンジルアミノ−2,2’−スピロジ−[2−H−1−ベンゾピラン]、および上記のいずれかの混合物である。
【0025】
また、本発明の組み合わせの機能性を減じるような量で使用しないという条件で、その他の既知の顕色剤材料が含有されてもよい。その他の酸性顕色剤材料は、フェノール反応材料、特にモノフェノールおよびジフェノールとして米国特許第3,539,375号に列挙される化合物を含む。また、酸性顕色剤材料には、次の化合物:4,4’−イソプロピリジンジフェノール(ビスフェノールA)、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンゾフェノン、p−ヒドロキシプロピオフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、サリシアニリド(salicyanilide)、4−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン、2−アセチル安息香酸、m−ヒドロキシアセトアニリド、p−ヒドロキシアセトアニリド、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、ベンジル4−ヒドロキシフェニルケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5−メチルへキサン、エチル−4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ペンタノアート、イソプロピル−4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタノアート、メチル−4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタノアート、アルキル−4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタノアート、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)(−ペンタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−へプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、2,2’−メチレン−ビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレーゾール)、メチル−p−ヒドロキシベンゾアート、n−プロピル−p−ヒドロキシベンゾアート、およびベンジル−p−ヒドロキシベンゾアートが含まれる。
【0026】
その他の顕色剤化合物の例には、例えば、ホルムアルデヒドと、アルキルフェノール(例えば、p−オクチルフェノール)またはその他のフェノール(p−フェニルフェノールなど)などのフェノールとの間の反応生成物であるフェノールノボラック樹脂と、コロイダルシリカ、カオリン、ベントナイト、アフタプルガイト(aftapulgite)、ハロサイトなどを含む酸性鉱物材料とが含まれる。ポリマーおよび鉱物のいくつかは溶融しないが、色原体の融合の際に呈色反応を受ける。
【0027】
[直接感熱層の例]
10グラムの2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランを、14グラムの13%ポリビニルアルコール水溶液と共に、メディアミルによって2時間分散させる。20グラムの4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシスルホンを、24グラムの9.5%ポリビニルアルコール溶液と共にメディアミルによって2時間分散させる。任意で、10グラムの1,2−ジフェノキシエタンを、13グラムの11%ポリビニルアルコール溶液と共に、メディアミルによって2時間分散させる。分散体を一緒に混合し、スチレン−ブタジエンラテックスおよびポリビニルアルコールのバインダーを添加することができる。コーティングの量が平方メートルあたり約3グラムであるように、基材にコーティングを施す。コーティングを乾燥させ、任意で、トップコートも施す。任意で、第2のコーティングをカレンダリングすることができる。
【0028】
[直接感熱トップコート層(11)]
任意で、活性直接感熱層は、トップコート(11)が施されてもよい。この層は、汚染物が活性直接感熱層と接触するのを防止する、あるいは汚染物の侵入を遅らせるバリアを提供する。また、熱記録生成物の保管および使用により生じるブラッシングおよびハンドリング力から色形成系成分を保護する。この層は、活性直接感熱層(6)とトップコート(15)の間に、良好な界面接着性を有する独特の結合層を提供する。任意で、感熱色形成組成物は、ポリビニルアルコール、カルボキシル化ポリビニルアルコール、メチルまたはエチルセルロース、ポリアクリルアミド、ゼラチン、デンプンまたはポリビニルピロリドンなどの1つまたは複数の水溶性または分散性の高分子材料から形成される保護層トップコートまたはバリア層でオーバーコートされることも可能である。物理的な取扱いおよび貯蔵安定性の特性を改善するために、潤滑剤、酸化防止剤、UV防止剤、ワックスおよび他の材料も任意で含有され得る。
【0029】
直接感熱トップコート層は当該技術分野においてよく知られている。これらは、顔料、バインダー、およびコート層(単数または複数)全体に実質的に均一に分布された架橋剤からなる。材料の比率は、必要とされるバリアおよび印刷特性のバランスに応じて変化され得る。必要性の大部分は、顔料を0〜80乾燥重量%に、バインダーを10〜90乾燥重量%に、そして架橋剤を0〜30乾燥重量%に変化させることによってカバーされ得る。顔料はクレー、タルク、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、焼成カオリンクレー、炭酸カルシウム、および尿素−ホルムアルデヒド樹脂を含むことができる。バインダーの例には、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチル−ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、加工デンプン、ゼラチン、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン−ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどが含まれる。
【0030】
[熱転写リボン]
熱転写リボンは、熱を受けるとインクを表面に転写する。熱転写リボン技術は、当該技術分野においてよく知られている(1998年3月17日発行の米国特許第5,729,272号(Kikuchi)を参照、参照によって本明細書中に援用される)。熱転写インクリボンは、特定の用途に対して選択することができる。例えば、実験用スライドで使用するための耐薬品性の耐久性ラベルは、放射線硬化されると、溶媒、クリーナー、染色液、低温または高温にさらされた場合に変化しない画像を形成する樹脂組成物を必要とする。熱転写印刷に通常付随される高いコントラストのために、白色基材上に印刷されるとPCS(プリント・コントラスト・シグナル)が通常高いので、これらのラベルは高速分類で用いることができる。好ましくは、熱転写リボンは、参照によって本明細書中に援用される2002年11月5日発行の米国特許第6,476,840号(Taylor他)に基づいて供給される。
【0031】
[任意的な層]
任意で、積層体は、さらに、次の層:(i)積層体の最上層として施された放射線硬化性トップコート15、(ii)直接感熱層の第1の表面12または直接感熱トップコート層の最上層に施され得るプライマー層10、ならびに(iii)直接感熱トップコート層11または直接感熱層の第1の表面12に施された1つまたは複数のカラーコーティング層14のうちの1つまたは複数を含むことができる。さらに、耐久性ラベルは、さらに、支持材料の第2の表面4に施された接着剤層8を含むことができる。
【0032】
[放射線硬化性トップコート層15]
放射線硬化性トップコート層は、耐薬品性または耐摩耗性を提供する透明コートである。トップコートは、エポキシアクリレートオリゴマー、多官能性アクリレートモノマーの混合物、光開始剤(photoinitator)、ならびに流動および平滑化剤を含有することができる。多官能性アクリレートモノマーは、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレンジオールジアクリレート、トリメチロールトリアクリレートを含むことができる。放射線硬化は、紫外線の使用によって達成され得る。したがって、ジメチルヒドロキシアセトフェノンまたはジメチルヒドロキシアセトフェノン誘導体、ベンジルジメチルケタールまたはベンジルジメチルケタール誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニル、もしくはホスフィンオキシドなどの光開始成分を使用して、架橋プロセスを開始させることができる。トップコート層は、当該技術分野において知られる方法で施され得る。適用方法の例には、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア、またはマイヤーロッド(Meyer rod)が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、このコーティングは積層体の一番上の表面に印刷され、放射線硬化性である。さらに好ましくは、トップコート層は紫外線硬化性であり、架橋される。最も好ましくは、トップコート層は、ノースウェスト・コーティング(Northwest Coating, 7221 S.10th Street, Oak Creek Wisconsin 53154)、またはウォーター・インク・テクノロジーズ(Water Ink Technologies, 6001 Harris Technology Blvd., Charlotte, North Carolina 29269)により開発されたバリアトップコートである。
【0033】
[カラーコーティング層14]
カラーコーティング層14は、更なる情報または印刷、例えば組織の商標または他の識別情報を提供するために施され得る。カラーコーティングは当該技術分野においてよく知られており、フレキソ印刷、スクリーン印刷、またはオフセット印刷を含む当該技術分野で知られる方法によって施すことができるが、これらに限定されない。カラーコーティング層は、インクまたは顔料を含むことができる。
【0034】
[プライマー層10]
プライマー層10は、サーマルコーティングを絶縁して、印刷品質を高め、ベース層への接着を促進する。プライマー層で使用するのに適切な材料は当該技術分野においてよく知られている。プライマー層はバインダーを含むことができ、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチル−ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、加工デンプン、ゼラチン、ラテックスなどを含むことができる。適切なラテックス材料には、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン−ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどが含まれる。その他の任意的なプレコートまたはプライマー層は、クレー、およびカオリンクレーなどの吸収性顔料、中空球形粒子などの絶縁体、顔料、粒子状クレー、デンプン、または合成高分子材料を含む。中空球形粒子は、例えば、ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)の「Ropaque」材料のように市販されている。プライマーの厚さは、適切なレベルの絶縁および接着を提供するように選択されるべきである。放射線硬化性トップコート、プライマー層および直接感熱層は、当該技術分野において知られる方法によって施すことができる。好ましくは、マイヤーロッド(Meyer rod)またはメータリング巻き線ロッド(metering wire wound rod)を用いて施され、厚さが調節される。
【0035】
[接着剤8]
特定の用途に適切な接着剤8は、支持材料の第2の表面4に施すことができる。接着剤は、当該技術分野で既知の方法によって施すことができる。接着剤は通常、感圧型組成物である。接着剤は、100%固体、溶媒、または水性でよく、第2の表面に直接施すこともできるし、マイヤーロッドまたはグラビアによって転写コーティングすることもできる。
【0036】
[剥離ライナー16およびシリコーンコーティング層17]
転写コーティングの間、接着剤は剥離ライナー9に直接施され、硬化された後、ラベルの第2の表面にライナーが積層され、感圧型ラベルを形成する。剥離ライナーは当該技術分野においてよく知られている。これらの剥離ライナーは紙またはフィルムでよく、第1および第2の両表面を含有する。通常、ライナーの第1の表面16は、シリコーンコーティング層17を有する。シリコーンコート表面は接着剤の適用を容易にし、転写コーティングの場合には、剥離ライナー9が除去されるのを可能にし、したがって接着剤が露出される。直接コーティングの場合には、接着剤8は、支持材料の第2の表面4に施され、剥離ライナーのシリコーンコート面16は次に、接着剤表面に積層される。剥離ライナー9は、接着剤に対して、ダイカッティングおよび印刷などのラベル材料の更なる処理のための保護を提供する。この時点で、ラベルはシリコーンコート剥離ライナーから除去され、次に、識別のために所望の表面に接着されることが可能である。
【実施例】
【0037】
[実施例1]
染色前サンプルスライドラベルなどの用途で病理学用、血液学用および一般の実験用に使用するための積層耐久性ラベルは、(1)第1の表面全体をおおむね被覆し、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、または他の同様の技法により施され得るUV硬化した耐薬品性のバリアトップコート15と、(2)完全または部分的/パターン範囲に施され、固定フィールド情報または美的な目的で用いられ、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、および他の同様の技法などの方法によりバインダー層の第1の表面に施されたカラーコーティング層14と、(3)マイヤーロッドにより施されると共に計量され、直接感熱層の環境保護を改善する中間層を提供するために用いられるバインダー層11と、(4)直接感熱層6と、(5)ハニタ・コーティングスにより調製される酸化アルミニウム層5が第1の表面3上にコートされた2.0ミルのポリエステルベース層を含む支持材料2と、(6)耐薬品性の接着剤8と、(7)シリコーンコーティング17を有する1.5ミルのポリエステル剥離ライナー9とを含む。
【0038】
[実施例2]
染色前サンプルスライドラベルなどの用途で病理学用、血液学用および一般の実験用に使用するための耐久性ラベルは、ハニタ・コーティングスにより調製される酸化アルミニウム5がコートされた不透明ポリエチレンテレフタレート支持材料2を含み、放射線硬化性印刷リボンで印刷される。この実施形態のラベルは、耐溶媒性ペイントマスクラベルなどの用途で使用することができ、印刷ラベルを妨害することなくどんなペイントでもきれいに拭き取ることが可能である。この実施形態のその他のラベルは、自動車のボンネットでの使用のために、あるいは極度の熱および/または摩耗が加えられる使用のために、車の部品上のラベルとして使用することができる。
【0039】
[実施例3]
染色前サンプルスライドラベルなどの用途で病理学用、血液学用および一般の実験用に使用するための積層耐久性ラベルは、UV硬化した耐薬品性バリアトップコート、任意的なカラーコーティング、バインダー、サーマルコーティング、2.5ミルの80/20ポリプロピレン/HDPEブレンドベース層、耐薬品性の接着剤、および40#シリコーン処理剥離紙を含む。
【0040】
[実施例4]
例えば、返送可能な荷物または輸送用コンテナで使用するための耐久性ラベルは、UV硬化した耐摩滅性バリアトップコート、任意的なカラーコーティング、バインダー、サーマルコーティング、プライマー、3.5ミルの80/20ポリプロピレン/HDPEブレンドベース層、除去可能なアクリル接着剤、40#シリコーン処理剥離紙を含む。
【0041】
[実施例5]
タグとして使用するための耐久性ラベルは、UV硬化した耐摩滅性バリアトップコート、任意的なカラーコーティング、バインダー、サーマルコーティング、プライマー、7.35ミルのポリプロピレン/HDPEブレンドベース層を含む。
【0042】
[実施例6]
ポリエステルベース層は放射線硬化可能な印刷リボンで印刷される。ポリエステルベース層は、印刷感受性および耐薬品性を提供する反応性コーティングでコートすることができる。反応性コーティングは、ハニタ・コーティングス(Hanita Coatings, Kibbutz Hanita, 22885, Israel)によって適用され得る。これは、真空下で実行される、非鉄材料の反応性蒸着を含む。好ましくは、ポリエステルベース層はポリエチレンテレフタレートである。
【0043】
この第3の実施形態の耐久性ラベルは、オーバーラミナント(overlaminant)を必要とすることなく摩擦、スクラッチ、化学薬品、および温度に耐性である。この第3の実施形態のラベルは、耐ペイント性のペイントマスクラベルなどの用途で使用することができ、印刷ラベルを妨害することなくどんなペイントでもきれいに拭き取ることが可能である。この実施形態の他のラベルは、自動車ボンネットで使用するために車の部品上のラベルとして使用することができる。
【0044】
紫外線熱画像形成耐久性ラベルは、反応性コーティング、2ミルの白色ポリエチレンテレフタレートベース層、耐薬品性接着剤および50#シリコーン処理剥離紙を含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1に記載されるような本発明の第1の実施形態の略断面図である。
【図2】実施例2に記載されるような本発明の第2の実施形態の略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱画像形成することが可能な多層積層体構成物であって、
a)第1の表面および第2の表面を有し、紙またはポリマーである、空洞を含有しない支持材料であって、前記第1の表面は、金属酸化物でコートされている前記支持材料と、
b)第1の表面および第2の表面を有し、前記金属酸化物層の前記第1の表面を被覆する活性直接感熱層であって、該活性直接感熱層内に画像を形成するために、該活性直接感熱層の前記第1の表面または前記第2の表面を介した熱の伝達に反応する発色メカニズムを有する活性直接感熱層と
を含む前記多層積層体構成物。
【請求項2】
前記活性直接感熱層の前記第1の表面は、直接感熱トップコート層で被覆される請求項1に記載の多層積層体構成物。
【請求項3】
前記金属酸化物は、非化学量論的酸化アルミニウムである請求項1に記載の多層積層体構成物。
【請求項4】
前記ポリマー支持層は、ポリオレフィン、ポリエステルまたはこれらのブレンドである請求項1に記載の多層積層体構成物。
【請求項5】
前記支持層は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびこれらのブレンドからなる群から選択される、空洞を含有しないポリエステルである請求項4に記載の多層積層体構成物。
【請求項6】
形成された前記画像は、近赤外において読み取り可能である請求項1に記載の多層積層体構成物。
【請求項7】
前記積層体は、前記積層体の最上層に施された放射線硬化性トップコートをさらに含む請求項1に記載の多層積層体構成物。
【請求項8】
前記積層体は、前記活性直接感熱層の前記第1の表面に施されたプライマー層をさらに含む請求項1に記載の多層積層体構成物。
【請求項9】
前記積層体は、バインダー層または前記活性直接感熱層の前記第1の表面に施された1つ以上のカラーコーティング層をさらに含む請求項1に記載の多層積層体構成物。
【請求項10】
前記積層体は、前記支持材料の前記第2の表面に施された耐薬品性の感圧型接着剤をさらに含む請求項1に記載の多層積層体構成物。
【請求項11】
前記感圧型接着剤の第2の表面に、シリコーンコート剥離ライナーが積層される請求項10に記載の多層積層体構成物。
【請求項12】
次の一連の層:
a)第1の表面全体をおおむね被覆するUV硬化した耐薬品性バリアトップコートと、
b)完全または部分的なパターン範囲に施されたカラーコーティング層と、
c)プライマー層と、
d)直接感熱トップコートを有する活性直接感熱層と、
e)非化学量論的酸化アルミニウム層が第1の表面にコートされたポリエステルベース層を含む支持材料と、
f)耐薬品性の接着剤と、
g)シリコーンコーティングを有するポリエステル剥離ライナーと
を含む、熱画像形成された多層積層耐久性ラベル。
【請求項13】
前記ラベルは、病理学用、血液学用および一般の実験用である請求項12に記載の熱画像形成された多層積層耐久性ラベル。
【請求項14】
前記UV硬化した耐薬品性のバリアトップコートは、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷またはその他の同様の技法によって施される請求項13に記載の熱画像形成された多層積層耐久性ラベル。
【請求項15】
熱画像形成された多層積層体構成物を形成するための方法であって、
a)空洞を含有しない不透明なポリエステル支持材料層の第1の表面を非化学量論的酸化アルミニウムでコートし、前記酸化アルミニウムコートされた支持材料の前記第1の表面に、直接感熱トップコートを有する活性直接感熱層を施すことにより、構成物を形成すること、
b)プライマー層の第1の表面に放射線硬化性トップコート層を施すことにより、第2の構成物を形成すること、
c)前記第1の構成物の前記直接感熱トップコート層を、前記第2の構成物の前記プライマー層へ接着させることにより、前記積層体を形成すること
を含む前記方法。
【請求項16】
次の工程:
a)シリコーンコート剥離ライナーの第1の表面に、耐薬品性の感圧型接着剤層を施すことにより、第3の構成物を形成する工程と、
b)前記第3の構成物の前記耐薬品性の感圧型接着剤層に、請求項15に記載の支持材料層を接着させる工程と
をさらに含む熱画像形成された多層積層体構成物を形成するための方法。
【請求項17】
請求項1に記載の積層体に印刷する方法であって、
前記活性直接感熱層の前記第1の表面に集中した熱を付加し、それにより、前記活性直接感熱層内に画像の形成をもたらす工程を含む前記方法。
【請求項18】
熱画像形成することが可能な多層積層体構成物であって、
a)第1の表面および第2の表面を有し、紙またはポリマーである、空洞を含有しない支持材料であって、前記支持材料の前記第1の表面は、第1および第2の表面を有する非化学量論的酸化アルミニウム層でコートされている前記支持材料と、
b)第1の表面および第2の表面を有し、前記酸化アルミニウム層の前記第1の表面を被覆する活性直接感熱層であって、該活性直接感熱層内に画像を形成するために、該活性直接感熱層の前記第1の表面または前記第2の表面を介した熱の伝達に反応する発色メカニズムを有する活性直接感熱層と、
c)前記酸化アルミニウム層の前記第1の表面を被覆する直接感熱トップコート層と
を含む前記多層積層体構成物。
【請求項19】
前記ポリマー支持層は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびこれらのブレンドからなる群から選択される、空洞を含有しないポリエステルである請求項18に記載の多層積層体構成物。
【請求項20】
前記積層体は、前記活性直接感熱層の前記第1の表面に施されたプライマー層と、前記積層体の最上層に施された放射線硬化性トップコートとをさらに含む請求項19に記載の多層積層体構成物。
【請求項21】
形成された前記画像は、近赤外において読み取り可能である請求項20に記載の多層積層体構成物。
【請求項22】
前記積層体は、バインダー層または前記活性直接感熱層の前記第1の表面に施された1つ以上のカラーコーティング層をさらに含む請求項21に記載の多層積層体構成物。
【請求項23】
前記積層体は、前記支持材料の前記第2の表面に施された耐薬品性の感圧型接着剤をさらに含み、シリコーンコート剥離ライナーが前記感圧型接着剤の第2の表面に積層されている請求項22に記載の多層積層体構成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−502029(P2006−502029A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−500362(P2005−500362)
【出願日】平成15年10月2日(2003.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/031246
【国際公開番号】WO2004/030922
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(505123125)ジェネラル・データ・カンパニー・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL DATA COMPANY, INC.
【住所又は居所原語表記】4354 Ferguson Drive, Cincinnati, OH 45245−1667, United States of America
【Fターム(参考)】