説明

感熱製版装置及びその駆動方法

【課題】短尺のサーマルヘッド(TPH)を複数本使用して製造上の問題なく隣接するTPHの繋ぎ目における製版の品質にも優れた長尺の感熱製版装置を提供する。
【解決手段】発熱素子6を有する複数個のTPHを、副走査方向の第1位置と第2位置に主走査方向に沿って交互に千鳥状に並べ、隣接する2つのTPHの各端部の発熱素子6を主走査方向に重ねてオーバーラップ部7とする。感熱孔版原紙の搬送に同期して第1位置のTPHのオーバーラップ部の発熱素子と、第2位置にあるTPHのオーバーラップ部の発熱素子6を択一的に交互に選択して駆動するので、重ね製版部による製版ではつなぎ目が目立たない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個のサーマルヘッドを主走査方向に沿って千鳥状に配置してなる長尺タイプの感熱製版装置とその駆動方法に係り、特に隣接するサーマルヘッドの端部を重ねるとともに、発熱素子の熱履歴を考慮して各サーマルヘッドの制御を行なうことにより、特にサーマルヘッドの繋ぎ目の重ね製版部において最適な製版を行なうことができる感熱製版装置とその駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷等に使用される印刷版は、スクリーン紗等の多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムからなる感熱孔版原紙を用いて製造することができるが、その場合には多数の発熱素子が並べられたサーマルヘッドを用い、その製版面に感熱孔版原紙のフィルム面を圧着させながら搬送しつつ発熱素子を選択的に駆動し、感熱穿孔による製版を行うのが通常である。
【0003】
現状では、サーマルヘッドのサイズはA3幅やB4幅のものが上限として一般的であるため、製版すべき感熱孔版原紙のサイズがこれら一般的なサイズ以上に大きい場合には、このような用途に適した長尺のサーマルヘッドを新規に設計・製造する必要があるが、高額なコスト及び構造上の課題が多く現実問題としては実際的とは言えない。
【0004】
そこで、従来は、一般的な規格サイズ以上の長さのサーマルヘッドが必要な場合には、既存品のA3幅やB4幅のサーマルヘッドを物理的に高精度で接合して希望長さの製品を製造している。
【0005】
例えば、下記特許文献1に記載のサーマルヘッドは、サーマルヘッドの基板端部の切欠き加工を容易にして高精度な長尺サーマルヘッドを製造することを目的としている。このサーマルヘッドによれば、発熱基板上の発熱体14a,14bは、端辺22に沿って列状に配列され、隣接する一対の発熱体14aと14bは連結電極16で連結されている。位置決め用のアライメントマークは、一部の連結電極16aを変形し、その一辺28を主走査線24に対して角度θをもつように形成したものである。発熱基板6の切欠きの端辺26は、アライメントマーク16aの一辺28に平行に切断されている。組立に際しては、隣接する一対の端辺26同士を対向させ、ライン型サーマルヘッドを給紙側と排紙側とに交互に配置して一体化すればよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−138912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載のサーマルヘッドによれば、使用するサーマルヘッドの各発熱素子6の抵抗値のばらつき、使用時の熱膨張による歪、コスト、製造技術等の解決困難な問題があり、また一旦接合して一体のサーマルヘッドとして構成してしまうと部分欠損が起きても構造上交換が不可能であるという問題もあった。
【0008】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、より短尺のサーマルヘッドを複数本使用して製造した長尺の感熱製版装置であって、各発熱素子の抵抗値のばらつき、使用時の熱膨張による歪、コスト、製造技術等の問題がなく、部分欠損が起きた場合には交換が可能であり、隣接するサーマルヘッドの繋ぎ目における製版の品質にも優れた感熱製版装置と、その使用方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載された感熱製版装置は、
主走査方向に沿って所定間隔で並ぶ複数の発熱素子をそれぞれ備えた複数個のサーマルヘッドが、副走査方向の第1位置と第2位置に主走査方向に沿って交互に千鳥状に並べられるとともに、主走査方向について隣接する2つのサーマルヘッドの各端部にある所定複数個の発熱素子が副走査方向について同一位置となるオーバーラップ部が構成されるように配置されてなる製版手段と、
感熱孔版原紙を前記各サーマルヘッドの各製版面に押し付けながら副走査方向に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による前記感熱孔版原紙の搬送に同期して、前記第1位置にある前記サーマルヘッドの前記オーバーラップ部の前記発熱素子と、前記第2位置にある前記サーマルヘッドの前記オーバーラップ部の前記発熱素子とを、択一的に交互に選択して駆動することにより、前記感熱孔版原紙上の主走査方向に沿った各ラインの製版が、前記第1位置にあるサーマルヘッドと前記第2位置にあるサーマルヘッドの駆動によって完成されるように制御する制御手段と、
を有することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の感熱製版装置は、請求項1記載の感熱製版装置において、
前記制御手段は、
前記第1位置と前記第2位置にある前記サーマルヘッドの一方によって前記感熱孔版原紙に穿孔を形成し、他方の前記サーマルヘッドがこの穿孔に隣接して他の穿孔を形成する場合に、前記他の穿孔を形成するために発熱する他方の前記サーマルヘッドの前記発熱素子の発熱が増大するように制御する第1の熱履歴制御と、
前記第1位置と前記第2位置にある前記サーマルヘッドの駆動において、当該サーマルヘッドの前記発熱素子の蓄熱量に影響を与える過去の駆動状況に応じて当該サーマルヘッドの前記発熱素子に加えるエネルギを増減するように制御する第2の熱履歴制御と、
の少なくとも一方を行なうことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載された感熱製版装置は、請求項2に記載の感熱製版装置において、
前記制御手段は、
前記製版手段の前記オーバーラップ部と、前記オーバーラップ部以外の部分において前記熱履歴制御を実行する際に、
前記オーバーラップ部における前記熱履歴制御の実行においては、前記オーバーラップ部以外の部分における前記熱履歴制御の実行において前記発熱素子に加えるエネルギよりも大きいエネルギを前記発熱素子に加えるように制御することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載された感熱製版装置は、請求項3に記載の感熱製版装置において、
前記オーバーラップ部の制御において、前記オーバーラップ部の前記発熱素子を主走査方向の位置が異なる2つのグループに分け、一方のグループの駆動は前記第1位置にある前記サーマルヘッドの駆動によって行い、他方のグループの駆動は前記第2位置にある前記サーマルヘッドの駆動によって行うことを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載された感熱製版装置の駆動方法は、
主走査方向に沿って所定間隔で並ぶ複数の発熱素子をそれぞれ備えた複数個のサーマルヘッドが、副走査方向の第1位置と第2位置に主走査方向に沿って交互に千鳥状に並べられるとともに、主走査方向について隣接する2つのサーマルヘッドの各端部にある所定複数個の発熱素子が副走査方向について同一位置となるオーバーラップ部が構成されるように配置されてなる製版手段と、感熱孔版原紙を前記各サーマルヘッドの各製版面に押し付けながら副走査方向に沿って搬送する搬送手段とを備えた感熱製版装置の駆動方法において、
前記搬送手段による前記感熱孔版原紙の搬送に同期して、前記第1位置にある前記サーマルヘッドの前記オーバーラップ部の前記発熱素子と、前記第2位置にある前記サーマルヘッドの前記オーバーラップ部の前記発熱素子とを、択一的に交互に選択して駆動することにより、前記感熱孔版原紙上の主走査方向に沿った各ラインの製版が、前記第1位置にあるサーマルヘッドと前記第2位置にあるサーマルヘッドの駆動によって完成されるように制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載された感熱製版装置乃至請求項5に記載された感熱製版装置の駆動方法によれば、製版時、感熱孔版原紙は、例えば第1位置にあるサーマルヘッドによって製版され、次に副走査方向に送られて第2位置にあるサーマルヘッドによって製版される。
このとき、感熱孔版原紙上の主走査方向に沿ったあるラインのうち、前記オーバーラップ部に相当する部分の製版が、第1位置のサーマルヘッドによって行なわれた場合には、その後に感熱孔版原紙が副走査方向に送られて当該ラインが第2位置のサーマルヘッドにきたときには、前記オーバーラップ部に相当する部分については第2位置のサーマルヘッドは駆動されない。次に、感熱孔版原紙上の主走査方向に沿ったあるラインのうち、前記ラインの次のラインについては、前記オーバーラップ部に相当する部分の製版は、第1位置のサーマルヘッドによっては行なわれず、その後に感熱孔版原紙が副走査方向に送られて当該ラインが第2位置のサーマルヘッドにきたときに、第2位置のサーマルヘッドによって行なわれる。このように前記オーバーラップ部については、第1位置のサーマルヘッドと第2位置のサーマルヘッドが交互に担当して製版を行なう。
また、感熱孔版原紙上の製版領域のうち、各サーマルヘッドのオーバーラップ部以外の部分に相当する領域は、各サーマルヘッドのオーバーラップ部以外の部分によって製版される。
このように、サーマルヘッドの端部が重なったオーバーラップ部の製版は、千鳥状に配置された第1位置及び第2位置の各サーマルヘッドが、感熱孔版原紙上の主走査方向に平行なライン1本置きに交互に担当して製版するので、つなぎ目が目立たない。
なお、以上の説明では、感熱孔版原紙の搬送方向である副走査方向について、上流側を第1位置のサーマルヘッドとし、下流側を第2位置のサーマルヘッドとしたが、係る第1及び第2との名称は便宜的なものに過ぎない。
【0015】
請求項2に記載の感熱製版装置によれば、サーマルヘッドによる感熱孔版原紙の製版は、サーマルヘッドの各発熱素子の発熱量を調整するため、2種類の熱履歴制御のうちの少なくとも一方を用いて行っている。まず、第1の熱履歴制御は、第1位置と第2位置にあるサーマルヘッドの一方によって感熱孔版原紙に穿孔を形成し、その後に他方のサーマルヘッドがこの穿孔に隣接して他の穿孔を形成する場合に行なわれる。この場合、すでに感熱穿孔した穿孔の近傍は感熱孔版原紙が熱で溶融して組成変化しているため、ここを感熱穿孔するには、未製版の感熱孔版原紙を感熱穿孔する場合に比べて高い熱を必要とする。このため、他の穿孔を形成するために発熱する他方のサーマルヘッドの発熱素子の発熱を相対的に増大するように制御する。また、第2の熱履歴制御は、第1位置と第2位置にあるサーマルヘッドの駆動において、当該サーマルヘッドの発熱素子の蓄熱量に影響を与える過去の駆動状況に応じて行なわれる。例えば前回も駆動されている場合には蓄熱の多さを考慮して相対的に低い熱で駆動し、前回に駆動されていない場合には蓄熱の少なさを考慮して相対的に高い熱で駆動する等、当該サーマルヘッドの発熱素子に加えるエネルギを適宜増減するように制御する。
【0016】
請求項3に記載された感熱製版装置によれば、第1位置にあるサーマルヘッドのオーバーラップ部の発熱素子と、第2位置にあるサーマルヘッドの同じオーバーラップ部の発熱素子は、交互に駆動されて主走査方向に沿った1本のラインを製版する。このため、各サーマルヘッドのオーバーラップ部の発熱素子は1走査ごとに駆動と非駆動の2状態を交互に繰り返すことになる。従って、各サーマルヘッドのオーバーラップ部の発熱素子は、その他の発熱素子よりも発熱する機会が少なく冷却される時間が長い。このため、オーバーラップ部における熱履歴制御では、オーバーラップ部以外の部分における熱履歴制御において発熱素子に加えるエネルギよりも、より大きいエネルギを発熱素子に加える。
【0017】
請求項4に記載された感熱製版装置によれば、オーバーラップ部の制御において、オーバーラップ部の複数個の発熱素子を主走査方向の位置が異なる2つのグループに分け、一方のグループの駆動は第1位置にあるサーマルヘッドの駆動で行い、他方のグループの駆動は第2位置にあるサーマルヘッドの駆動で行うこととすれば、オーバーラップ部において隣接する2つのサーマルヘッドのつなぎ目がより自然になり、一層目立ちにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る感熱製版装置が有する製版手段の斜視図及び断面図である。
【図2】隣接するサーマルヘッド間で2ドットがラップしている本発明の実施形態に係る図であって、(a)はサーマルヘッドのドットの配置状況を示す平面図、(b)は配置が異なる2種類のサーマルヘッドに対応する白黒のドットで示した製版結果図である。
【図3】本発明の実施形態に係る感熱製版装置の側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る感熱製版装置の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る感熱製版装置の熱履歴制御においてサーマルヘッドの発熱素子6に加える電圧の波形図である。
【図6】隣接するサーマルヘッド間で3ドットがラップしている本発明の第2実施形態に係る図であって、(a)はサーマルヘッドのドットの配置状況を示す平面図、(b)は配置が異なる2種類のサーマルヘッドに対応する白黒のドットで示した製版結果図である。
【図7】隣接するサーマルヘッド間で3ドットがラップしている本発明の第3実施形態に係る図であって、当該ラップ部分にある3つのドットが2グループに分けられて駆動される制御例を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る感熱製版装置が有する製版手段の斜視図及び断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る感熱製版装置が有する製版手段の底面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る感熱製版装置の断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る感熱製版装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.第1実施形態(図1〜図5)
本実施形態の感熱製版装置1は、熱可塑性樹脂フィルムや、熱可塑性樹脂フィルムと薄葉紙、抄造紙、不織布、織布、スクリーン紗等の多孔性の支持体に貼り合わせてなる感熱孔版原紙を熱で製版するための製版手段2を備えている。この製版手段2は、図1に示すように複数個(図示例では2個)のサーマルヘッド3を所定間隔をおいてホルダー4に一体に取り付けたモジュール5から構成されている。ホルダー4は板状の部材であり、その下面には長手方向に沿ってサーマルヘッド3の長さよりも短い間隔をおいて矩形の凹部13が複数個(図示例では2個)形成されており、複数個(図示例では2個)のサーマルヘッド3が凹部13にそれぞれ取り付けられて長手方向に沿って並んでいる。なお、ホルダー4に取り付けられたサーマルヘッド3の発熱面と、ホルダー4の下面は同一平面内に位置するようになっており、製版時に感熱孔版原紙のフィルム面がサーマルヘッド3の発熱面に接触しながら移動する際に、感熱孔版原紙がホルダー4の下面に引っ掛かるなど、搬送上の不具合が生じない構造になっている。なお、図1の(a)及び(b)にそれぞれ示すように、このモジュール5には、ホルダー4に取り付けるサーマルヘッド3の位置が互いに異なる2種類がある。
【0020】
図2に示すように、本実施形態の感熱製版装置1の製版手段2は、前述したようにサーマルヘッド3の取り付け位置が異なる2種類のモジュール5,5を、その各長手方向が互いに平行となるように並べて配置したものであり、その結果、各モジュール5の各サーマルヘッド3は互いに千鳥状の配置となっている。なお、この感熱製版装置1において、用紙を搬送する方向を副走査方向と呼び、これと直交する用紙の幅方向を主走査方向とすると、図2において、各モジュール5の長手方向に一致する横方向が主走査方向であり、これと直交する縦方向が副走査方向である。また、本実施形態の説明において用いる図において、主走査方向を示す場合には(主)と図中に表示し、副走査方向を示す場合には(副)と図中に表示する場合がある。
【0021】
図2に示すように、各モジュール5の各サーマルヘッド3は、主走査方向に沿って所定間隔で並ぶ所定複数個の発熱素子6をそれぞれ備えている。ここで、サーマルヘッド3の配置が異なる2つのモジュール5,5は、副走査方向について異なる位置に配置されている。すなわち、副走査方向の上流側の位置(図2において縦方向の相対的に下方の位置)である第1位置と、副走査方向の下流側の位置(図2において縦方向の相対的に上方の位置)である第2位置とに、各モジュール5が配置されている。
【0022】
従って図2に示すように、各サーマルヘッド3は、主走査方向に沿って交互に千鳥状に並べられるとともに、主走査方向について隣接する2つのサーマルヘッド3の各端部にある所定複数個(本実施形態では2個)の発熱素子6は、副走査方向について同一位置に重なって配置されることとなる。本実施形態では、このように隣接する2つのサーマルヘッド3間において、副走査方向の位置が重なる部分をオーバーラップ部7(又は重ね部)と称する。このように図2に示す第1実施形態は発熱素子6の2ドットがオーバーラップするタイプである。
【0023】
図3及び図4に示すように、本実施形態の感熱製版装置1は、感熱孔版原紙8の搬送方向と平行な副走査方向に並んだ2つのモジュール5ごとにプラテンローラ9を有している。プラテンローラ9は、サーマルヘッド3の発熱素子6が並んだ下面に接しており、製版対象である感熱孔版原紙8を各サーマルヘッド3の各製版面に押し付けながら副走査方向に沿って搬送する搬送手段である。本実施形態では、副走査方向の下流側にあるモジュール5のプラテンローラ9が、駆動手段であるモータ10にベルト11を介して連動連結されている。
【0024】
図3に示すように、プラテンローラ9を駆動するモータ10と、各モジュール5のサーマルヘッド3は、制御手段12によって制御される。すなわち、モータ10を駆動して感熱孔版原紙8を搬送するとともに、この搬送に同期して、副走査方向の位置が異なる2つのモジュール5,5のサーマルヘッド3を適当なタイミングで駆動することにより、感熱孔版原紙8に所望の感熱穿孔を施すことができる(製版動作)。またその際には、サーマルヘッド3の各発熱素子6の発熱量を調整するため、2種類の熱履歴制御のうちの少なくとも一方を行う(熱履歴制御)。
【0025】
まず、製版動作について説明する。
製版時、感熱孔版原紙8は、第1位置にあるサーマルヘッド3によって製版されてから、次に副走査方向に送られて第2位置にあるサーマルヘッド3によって製版される。このとき、感熱孔版原紙8上の主走査方向に沿ったあるラインのうち、オーバーラップ部7に相当する部分の製版が、第1位置のサーマルヘッド3の発熱素子6によって行なわれた場合には、その後に感熱孔版原紙8が副走査方向に送られて当該ラインが第2位置のサーマルヘッド3にきたときには、このオーバーラップ部7に相当する部分については第2位置のサーマルヘッド3の発熱素子6は駆動されない。次に、感熱孔版原紙8上の主走査方向に沿ったあるラインのうち、前記ラインの次のラインについては、オーバーラップ部7に相当する部分の製版は、第1位置のサーマルヘッド3の発熱素子6によっては行なわれず、その後に感熱孔版原紙8が副走査方向に送られて当該ラインが第2位置のサーマルヘッド3にきたときに、第2位置のサーマルヘッド3の発熱素子6によって行なわれる。
【0026】
具体的に図2を参照して説明する。図2(a)に示すように、この製版手段2ではオーバーラップ部7が3箇所ある。図2(b)に示す製版された4ラインにおいて、一番下のラインでは、下流側のモジュール5のサーマルヘッド3のオーバーラップ部7の発熱素子6が駆動され、下から2番目のラインでは、上流側のモジュール5のサーマルヘッド3のオーバーラップ部7の発熱素子6が駆動され、以下同様に上下流の各モジュール5のサーマルヘッド3は交互に選択的に駆動される。
【0027】
このようにサーマルヘッド3の端部が重なったオーバーラップ部7の製版は、千鳥状に配置された副走査方向の位置が異なる第1位置及び第2位置の各サーマルヘッド3が、感熱孔版原紙8上の主走査方向に平行なライン1本置きに交互に担当して製版するので、機械的には別体のサーマルヘッド3をつないで使用しているにも関わらず、つなぎ目が目立たず、良好な製版が得られる。
【0028】
また、感熱孔版原紙8上の製版領域のうち、各サーマルヘッド3のオーバーラップ部7以外の部分に相当する領域は、各サーマルヘッド3のオーバーラップ部7以外の部分によって製版される。
【0029】
次に、熱履歴制御について説明する。
まず、第1の熱履歴制御は、第1位置と第2位置にあるサーマルヘッド3の一方によって感熱孔版原紙8に穿孔を形成し、その後に他方のサーマルヘッド3がこの穿孔に隣接して他の穿孔を形成する場合に行なわれる。この場合、すでに感熱穿孔した穿孔の近傍は感熱孔版原紙8が熱で溶融して組成変化しているため、ここを正常な状態で感熱穿孔するには、未製版の感熱孔版原紙8を感熱穿孔する場合に比べて高い熱を必要とする。このため、穿孔の隣にさらに穿孔を形成するために発熱する他方のサーマルヘッド3の発熱素子6は、相対的に大きな発熱量となるように駆動制御する。
【0030】
サーマルヘッドの発熱素子6の駆動は、図5に示すように電圧Vが一定である駆動信号によって行なわれる。従って、発熱素子6の発熱量の制御は、この駆動信号の印加時間tを変化させることで駆動信号のエネルギを調整することによって行なうことができる。
【0031】
例えば、未穿孔の感熱孔版原紙8を感熱製版する場合の駆動信号が、図5における駆動時間t2 の信号であるとすると、熱で溶融した感熱孔版原紙8の組成変化した部分を製版する場合の駆動信号は、図5における駆動時間t3 の信号とする。
【0032】
次に、第2の熱履歴制御は、各サーマルヘッド3の駆動において、当該サーマルヘッド3の発熱素子6の蓄熱量に影響を与える過去の駆動状況に応じて行なわれる。つまり、前回も駆動されている場合、すなわち連続して駆動されているような場合には、蓄熱の多さを考慮して相対的に低い熱で駆動する。また、前回に駆動されていない場合、すなわち連続的には駆動されていないような場合には、蓄熱の少なさを考慮して相対的に高い熱で駆動する。
【0033】
印刷画像の白領域に対応する製版領域では、感熱穿孔が連続して休止するため、当該製版領域に対応するサーマルヘッド3の発熱素子6は冷却されて蓄熱が少なくなるので、駆動信号を与えた場合に直ちに所定の温度に立ち上ることができるようにする。例えば、オーバーラップ部7以外の発熱素子6が連続して休止する場合には、図5における駆動時間t2 の信号を与えるものとする。印刷画像の黒領域に対応する製版領域では、感熱穿孔が連続して駆動されるため、当該製版領域に対応するサーマルヘッド3の発熱素子6は蓄熱が多くなるので、例えば、オーバーラップ部7以外の発熱素子6が連続して駆動される場合には、図5における相対的に短い駆動時間t1 の信号を与えるものとする。その結果、いずれの場合にも、発熱素子6は安定した発熱による温度状態を維持し、適正な感熱穿孔を行なうことができる。
【0034】
ところで、前述したように、第1位置にあるサーマルヘッド3のオーバーラップ部7の発熱素子6と、第2位置にあるサーマルヘッド3の同じオーバーラップ部7の発熱素子6は、交互に駆動されて主走査方向に沿った1本のラインを製版する。このため、各サーマルヘッド3のオーバーラップ部7の発熱素子6は、1走査ごとに駆動と非駆動の2状態を交互に繰り返すことになる。従って、各サーマルヘッド3のオーバーラップ部7の発熱素子6は、その他の発熱素子6よりも発熱する機会が少なく冷却される時間が長い。このため、以上のような熱履歴制御を行なう場合において、オーバーラップ部7の発熱素子6に与えるエネルギは、オーバーラップ部7以外の部分の発熱素子6に加えるエネルギよりも大きくする必要がある。
【0035】
例えば、以上説明したように、オーバーラップ部7以外の熱履歴制御においては、感熱穿孔された穿孔の隣にさらに感熱穿孔する場合の駆動信号を駆動時間t3 の信号とし、オーバーラップ部7以外の発熱素子6が連続して休止する場合には駆動時間t2 の駆動信号を与えるものとし、オーバーラップ部7以外の発熱素子6が連続して駆動される場合には駆動時間t1 の駆動信号を与えるものとした。従って、同様の状況がオーバーラップ部7で生起した場合の熱履歴制御においては、駆動信号の継続時間をそれぞれ単位時間ずつ伸ばすものとする。すなわち、オーバーラップ部7において、感熱穿孔された穿孔の隣にさらに感熱穿孔する場合の駆動信号は駆動時間t4 の信号とし、発熱素子6が連続して休止する場合には駆動時間t3 の駆動信号を与えるものとし、発熱素子6が連続して駆動される場合には駆動時間t2 の駆動信号を与えるものとすればよい。
【0036】
以下に、本発明のその他の実施形態を説明するが、第1実施形態と同等の部分については第1実施形態における説明を援用して再度の説明は省略し、第1実施形態では説明しなかった各実施形態の特徴を中心として説明するものとする。
【0037】
2.第2実施形態(図6)
以上説明した第1実施形態は、図2に示したように主走査方向に沿って千鳥状に並んだ複数のサーマルヘッド3の各端部の発熱素子6が2ドットずつオーバーラップするタイプであった。しかし、オーバーラップする発熱素子6のドット数は別に2個に限るものではなく、3個以上でもよい。図6は、オーバーラップ部7aにおいてオーバーラップする発熱素子6のドット数が3個である第2実施形態の感熱製版装置1aの製版手段2aの平面図と、白黒のドットで示したこれに対応する製版結果図である。
本実施形態においても、第1実施形態と略同等の作用効果が得られる。
【0038】
3.第3実施形態(図7)
図7は、隣接するサーマルヘッド3,3間でオーバーラップする発熱素子6のドット数が3個である第3実施形態の感熱製版装置1bにおけるオーバーラップ部7bの拡大平面図である。
この感熱製版装置1bの製版手段2bのオーバーラップ部7bによれば、オーバーラップ部7bの3個の発熱素子6を両側の2個と、中央の1個といったように主走査方向の位置が異なる2つのグループに分け、一方のグループの駆動は第1位置にあるサーマルヘッド3の駆動で行い、他方のグループの駆動は第2位置にあるサーマルヘッド3の駆動で行うこととしている。図7に示すように、第1位置にあるサーマルヘッド3では、オーバーラップ部7bの中央の発熱素子6(黒丸で表示)を駆動し、同列の穿孔において第2位置にあるサーマルヘッド3では、オーバーラップ部7bの両端の2個の発熱素子6,6(黒丸で表示)を駆動する。熱履歴制御については第1実施形態と同様である。このようにすれば、オーバーラップ部7bにおいて隣接する2つのサーマルヘッド3,3のつなぎ目がより自然になり、一層目立ちにくくなる。
【0039】
4.第4実施形態(図8〜図11)
図8〜図11に示す第4実施形態の感熱製版装置1cは、サーマルヘッド3の配置や駆動制御については第1実施形態と同様の構成を有しているが、そのモジュール5cの構造に特徴がある。
図8に示すように、本実施形態のモジュール5cは、第1実施形態とほぼ同じ構成であるが、サーマルヘッド3が取り付けられる凹部13c以外の下面が、低摩擦処理面15とされている。具体的な低摩擦処理の一例を挙げれば、ホルダー4cの下面はガラスでコーティングされており、サーマルヘッド3の発熱面と同等の摩擦係数に設定されている。従って、感熱孔版原紙8が、モジュール5cとプラテンローラ9の間に挟まれて搬送された場合、ホルダー4cの下面とサーマルヘッド3の発熱面とで摩擦係数の差異がないため、主走査方向について感熱孔版原紙8の搬送状態に差が生じず、感熱孔版原紙8は均一な搬送力を受けてしわを生じることなく安定して搬送されていく。
【0040】
仮にモジュール5cの下面の摩擦係数が不均一であると、搬送時に感熱孔版原紙8が摩擦係数の高い部分に引っ掛かり、局所的に引っ張られてしわが生じ、部分的にサーマルヘッド3の発熱面との間に隙間が生じてしまうので感熱穿孔が不可能になってしまうが、本実施形態によればそのような不都合は確実に防止される。
【0041】
図9に示すように、本実施形態のモジュール5cは、ホルダー4cの凹部13cにサーマルヘッド3を位置調整自在に保持する前後位置調節装置16を備えている。前後位置調節装置16は、各凹部13c内の主走査方向に平行な一内側面に出没自在に設けられた一対の調整ねじ17と、各調整ねじ17に対向して各凹部13c内の他内側面に設けられた一対の弾性手段18によって構成される。各凹部13c内において、サーマルヘッド3は調整ねじ17と弾性手段18に挟まれて保持されている。各凹部13cごとに、一対の調整ねじ17,17の凹部13c内への進退を調整すれば、凹部13c内におけるサーマルヘッド3の前後位置(副走査方向の位置等)を調整することができ、各サーマルヘッド3の発熱素子6のラインを、図9中に平行な2本の破線で示す示す主走査方向に平行なライン上に揃えることができる。
【0042】
図10及び図11に示すように、本実施形態の感熱製版装置1cは、前述した各モジュール5cのサーマルヘッド3がプラテンローラ9に接触する圧力を調整するための圧力調整装置19を備えている。圧力調整装置19の本体は、主走査方向を長手方向とする筐体20である。この筐体20の下面は開放された開口部21となっている。また、筐体20の副走査方向に平行な両側面には、副走査方向に所定の間隔をおいて、上下方向の2本のガイド溝22がそれぞれ形成されている。前述した2個のモジュール5cは、筐体20の開口部21において前述した副走査方向の第1位置及び第2位置にそれぞれ配置されている。そして、副走査方向に平行なモジュール5の両側面には図示しない係止部が設けられており、この係止部が前記ガイド溝22にそれぞれ係合し、各モジュール5cはガイド溝22に沿って所定の範囲で上下動可能であって、さらに副走査方向には移動できないように構成されている。なお、モジュール5cの上下方向の移動範囲は、筐体20の内部に全体が収納されてしまう位置から、図10に示すように筐体20の開口部21からやや下方に突出してプラテンローラ9に当接する位置までとされている。
【0043】
図10及び図11に示すように、筐体20の上面には、筐体20を上下に貫通する調節ねじ23が上下動可能に螺合されている。調節ねじ23は、各モジュール5cの主走査方向の両端部に対応した位置にあり、各モジュール5cについて2本、合計4本が設けられている。筐体20内にある各モジュール5cの両端部の上面には弾性部材24が取り付けられており、また弾性部材24の上端には受け部材25が取り付けられている。そして、前記調節ねじ23の下端が受け部材25に当接しており、調節ねじ23を回して筐体20内に押し込めば、弾性部材24を介してモジュール5cに加わる力が増大し、モジュール5cのサーマルヘッド3がプラテンローラ9に当接する圧力を調整することができる。なお、各モジュール5cは両端にそれぞれ調節ねじ23があるため、その調整量に変化をつければ、サーマルヘッド3とプラテンローラ9の接触圧力が主走査方向に沿って異なるために製版結果にむらがでるような場合にも、これを均一となるように調整して製版結果を改善することができる。
【0044】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る感熱製版装置1,1a,1b,1c及びその駆動方法によれば、既存品である例えばA3幅やA4幅のサーマルヘッド3を使用することにより、各発熱素子6の抵抗値のばらつき、使用時の熱膨張による歪、コストや製造技術等の問題に悪影響を受けることなく、より長尺のサーマルヘッドを擬似的に構成することができる。しかも、そのつなぎ目については、サーマルヘッド3を千鳥状に配置して隣接部分を重ねるようにしたため、大きな隙間の発生がなくなり、またつなぎ目(オーバーラップ部7,7a,7b)における発熱素子6の駆動については2つのサーマルヘッド3を交互に駆動することとしたため、製版結果に接続部分の影響が出にくく、つなぎ目が目立たないという効果がある。さらに、感熱穿孔した隣にさらに感熱穿孔する場合に発熱素子6の発熱量を調整したり、発熱素子6の蓄熱量に影響を与える過去の駆動状況に応じて発熱素子6の発熱量を調整したり、さらにはつなぎ目(オーバーラップ部7,7a,7b)における交互駆動に対応して発熱素子6の発熱量を調整することにより、最適な製版を実現することができる。さらにまた、各モジュール5,5a,5cにおいて、サーマルヘッド3は主走査方向に連続しておらず、2個のサーマルヘッド3を用いているので、1モジュール当りの熱量が減り、1本構成の長尺のサーマルヘッドに比べて熱膨張による機械的変位(そり)が減少し、ヘッド位置の精度が向上する。またサーマルヘッド3の一部に発熱素子6の部分欠損が起きた場合には、サーマルヘッド3ごとに交換が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1,1a,1b,1c…感熱製版装置
2,2a,2b,2c…製版手段
3…サーマルヘッド
5,5a,5c…モジュール
6…発熱素子
7,7a,7b…オーバーラップ部
8…感熱孔版原紙
9…搬送手段としてのプラテンローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に沿って所定間隔で並ぶ複数の発熱素子をそれぞれ備えた複数個のサーマルヘッドが、副走査方向の第1位置と第2位置に主走査方向に沿って交互に千鳥状に並べられるとともに、主走査方向について隣接する2つのサーマルヘッドの各端部にある所定複数個の発熱素子が副走査方向について同一位置となるオーバーラップ部が構成されるように配置されてなる製版手段と、
感熱孔版原紙を前記各サーマルヘッドの各製版面に押し付けながら副走査方向に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による前記感熱孔版原紙の搬送に同期して、前記第1位置にある前記サーマルヘッドの前記オーバーラップ部の前記発熱素子と、前記第2位置にある前記サーマルヘッドの前記オーバーラップ部の前記発熱素子とを、択一的に交互に選択して駆動することにより、前記感熱孔版原紙上の主走査方向に沿った各ラインの製版が、前記第1位置にあるサーマルヘッドと前記第2位置にあるサーマルヘッドの駆動によって完成されるように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする感熱製版装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記第1位置と前記第2位置にある前記サーマルヘッドの一方によって前記感熱孔版原紙に孔を形成し、他方の前記サーマルヘッドがこの孔に隣接して他の孔を形成する場合に、前記他の孔を形成するために発熱する他方の前記サーマルヘッドの前記発熱素子の発熱が増大するように制御する第1の熱履歴制御と、
前記第1位置と前記第2位置にある前記サーマルヘッドの駆動において、当該サーマルヘッドの前記発熱素子の蓄熱量に影響を与える過去の駆動状況に応じて当該サーマルヘッドの前記発熱素子に加えるエネルギを増減するように制御する第2の熱履歴制御と、
の少なくとも一方を行なうことを特徴とする請求項1記載の感熱製版装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記製版手段の前記オーバーラップ部と、前記オーバーラップ部以外の部分において前記熱履歴制御を実行する際に、
前記オーバーラップ部における前記熱履歴制御の実行においては、前記オーバーラップ部以外の部分における前記熱履歴制御の実行において前記発熱素子に加えるエネルギよりも大きいエネルギを前記発熱素子に加えるように制御することを特徴とする請求項2に記載の感熱製版装置。
【請求項4】
前記オーバーラップ部の制御において、前記オーバーラップ部の前記発熱素子を主走査方向の位置が異なる2つのグループに分け、一方のグループの駆動は前記第1位置にある前記サーマルヘッドの駆動によって行い、他方のグループの駆動は前記第2位置にある前記サーマルヘッドの駆動によって行うことを特徴とする請求項3に記載の感熱製版装置。
【請求項5】
主走査方向に沿って所定間隔で並ぶ複数の発熱素子をそれぞれ備えた複数個のサーマルヘッドが、副走査方向の第1位置と第2位置に主走査方向に沿って交互に千鳥状に並べられるとともに、主走査方向について隣接する2つのサーマルヘッドの各端部にある所定複数個の発熱素子が副走査方向について同一位置となるオーバーラップ部が構成されるように配置されてなる製版手段と、感熱孔版原紙を前記各サーマルヘッドの各製版面に押し付けながら副走査方向に沿って搬送する搬送手段とを備えた感熱製版装置の駆動方法において、
前記搬送手段による前記感熱孔版原紙の搬送に同期して、前記第1位置にある前記サーマルヘッドの前記オーバーラップ部の前記発熱素子と、前記第2位置にある前記サーマルヘッドの前記オーバーラップ部の前記発熱素子とを、択一的に交互に選択して駆動することにより、前記感熱孔版原紙上の主走査方向に沿った各ラインの製版が、前記第1位置にあるサーマルヘッドと前記第2位置にあるサーマルヘッドの駆動によって完成されるように制御することを特徴とする感熱製版装置の駆動方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−25113(P2012−25113A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168358(P2010−168358)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】