説明

感熱記録体

【課題】 本発明は、発色感度、画質が優れるとともに、捺印性、擦過性、画像部の耐可塑剤性、耐湿熱性、白紙部の耐熱性に優れた感熱記録体を提供する。
【解決手段】 支持体上に、塗工層として少なくとも無色又は淡色の塩基性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体であって、該感熱記録層及びその他の任意に設けた塗工層のうちの少なくとも最表層が常温で乾式粉砕して製造された粉末セルロースを含有し、顕色剤として4−ヒドロキシ−4'−アリルオキシジフェニルスルホンを含有することを特徴とする感熱記録体を含有する感熱記録体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、塩基性ロイコ染料と電子受容性顕色剤との発色反応を利用して記録画像を得る感熱記録体に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱記録体は無色ないし淡色の塩基性ロイコ染料(以下、「染料」という。)とフェノ−ル性化合物等の電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」という。)を、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤及びその他の助剤を添加して得られた塗液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工したものであり、サ−マルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レ−ザ−光等の加熱による瞬時の化学反応により発色させることにより、記録画像を得ることができる。この感熱記録体は、ファクシミリ、コンピュ−タ−の端末プリンタ−、自動券売機、計測用レコ−ダ−等に広範囲に使用され、さらに各種チケット用、レシート用、ラベル用、銀行のATM用、ガスや電気の検針用、車馬券等の金券用などにも使用されている。
【0003】
しかし、感熱記録層に含まれる染料及び顕色剤は、各種溶剤に容易に溶解するため、インキ(水性、油性)、接着剤などに含まれる可塑剤が感熱記録体に触れると、白紙部の発色、発色濃度が低下などの保存性に係る問題が生じる。また、配送伝票用紙、請求書、領収書などでは保存性に加えて捺印性を求められている。
画像部の保存性を向上させる方法として、一般的に感熱発色層上に保護層を設けることはよく知られているが、この他に、特定の顕色剤や特定の安定剤を使用したり(特許文献1、2)、特定の増感剤と特定の安定剤を組み合わせて用いることにより(特許文献3)、画像部の保存安定性を向上させる技術が開示されている。
一方、本願発明で用いた粉末セルロースは、パルプなどのセルロース繊維を加水分解した後に常温で乾式粉砕して微粒化したものであり、有機溶媒等の吸収性があるため、食品の精製(特許文献4)等に用いられている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−154760
【特許文献2】特開2001−347757
【特許文献3】国際公開WO2004/002748
【特許文献4】特許第3790648号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、発色感度、画質が優れるとともに、捺印性、擦過性、画像部の耐可塑剤性、耐湿熱性、白紙部の耐熱性に優れた感熱記録体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、支持体上に、塗工層として少なくとも無色又は淡色の塩基性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体であって、該感熱記録層及びその他の任意に設けた塗工層のうちの少なくとも最表層が木材パルプ又は非木材パルプを原料とし、常温で乾式粉砕して製造され、その平均粒径が5μm〜30μmである粉末セルロースを含有し、且つ該感熱記録層が電子受容性顕色剤として、下記一般式(化1)
【0007】
【化1】

(式中、Rは、炭素数が1〜12の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数が1〜12のアルキル基若しくはアルケニル基を表し、p、q、r、s、t及びuはそれぞれ0〜4の整数を表し、oは0〜5の整数を表し、Aは、それぞれ独立して、エーテル結合を有してもよい炭素数が1〜12の直鎖若しくは分枝の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表す。)で表されるジフェニルスルホン誘導体を含有することにより解決された。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、十分な発色感度、画質が優れるとともに、捺印性、擦過性、画像部の耐可塑剤性、耐湿熱性、白紙部の耐熱性の優れた感熱記録体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
感熱記録体は、通常、支持体上に、塗工層として、順に、アンダー層、感熱記録層、保護層を積層してなる。この内、感熱記録層以外の塗工層は省略される場合もあり、また感熱記録層と保護層の間に中間層を設ける場合もある。本発明の感熱記録体において保護層を設けることは、画像部及び白紙部の保存性などの観点から望ましい。
本発明の感熱記録体においては、これらの塗工層のうちの少なくとも最表層、特に保護層が、木材パルプ又は非木材パルプを原料とし、常温で乾式粉砕して製造され、その平均粒径が5μm〜30μmである粉末セルロースを含有し、感熱記録層が、電子受容性顕色剤として、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホンまたは4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホンを含有することを特徴としている。更に、最表層以外に、別途この粉末セルロースを含む塗工層を設けてもよい。このような感熱記録体として、例えば、支持体上に、1)粉末セルロースを含有した感熱記録層を設けた感熱記録体(保護層なし)、2)感熱記録層/粉末セルロースを含有する保護層を順次設けた感熱記録体、3)感熱記録層/粉末セルロースを含有した塗工層/保護層を順次設けた感熱記録体、4)感熱記録層/保護層/粉末セルロールを含有した塗工層を順次設けた感熱記録体などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
なお、支持体と感熱記録層の間に下塗り層を設けることも可能であり、下塗り層、感熱記録層及び感熱記録層上に設けられた塗工層の全てに粉末セルロースを含有することも可能である。
【0010】
本発明で使用する粉末セルロースは、木材パルプや非木材パルプを酸加水分解した後、濾過・水洗し、脱水・乾燥し、粉砕・篩別するという工程を経て製造されたものであり、乾燥後に粉砕(所謂、乾式粉砕)されている点を特徴とする。木材パルプとは、針葉樹あるいは広葉樹を原料とした木材繊維由来のパルプのことをいい、非木材パルプとは、楮、三椏、ガンピ、亜麻、大麻、ケナフ、マニラ麻、アバカ、サイザル麻、わら(稲、麦)さとうきびバガス、竹、エスパルト、綿、リンターなどを原料とした木材繊維以外の繊維由来のパルプのことをいう。本発明において乾式粉砕とは、乾燥させたパルプを高圧下で処理し、特に加熱も冷却もせず常温で、ジェットミルを用いて空中でパルプ同士を衝突させ、この衝突の際に発生する摩擦力によってパルプを粉砕する方法である。このジェットミルによる粉砕は、温度上昇がほとんど無い。この摩擦力は、一般に行なわれている水中でビーズとパルプを処理(即ち、湿式粉砕)し、パルプとビーズとの間で発生する衝突力に比べて小さい。このため、乾式粉砕により得られる粉末セルロースは、導管由来のパルプの内部空隙を存在させた状態で、パルプが粉砕されパルプ表面が毛羽立ったものになると考えられる。
【0011】
そのため、この粉末セルロースは、無機顔料と同様に粉末セルロース自身が持つ空隙にインキを吸収・定着させると共に、粉末セルロースを構成しているセルロース繊維間の毛細管現象によりインキを吸収する。このことにより、最表層、特に保護層にこの粉末セルロースを含有させた感熱記録体は、インキ吸収速度が速く、優れた捺印性が発現されると考えられる。
また、この粉末セルロースは、上記のような製造上の特徴から、セルロースの中心繊維から外に伸びたより細い繊維やその表面の毛羽立ちを有し、これらによる絡み合いがあるため、粉末セルロースを含有した層は、十分な塗工層強度が得られ、さらに、摩擦抵抗が小さくなるため、良好な擦過性が得られる。
【0012】
従って、この粉末セルロースを、感熱記録体の塗工層の最表層、特に保護層に含有させると、他の粉末セルロースを用いた場合よりも優れた捺印性や擦過性が発現する。例えば、セルロースを凍結乾燥させて粉砕すると(特開昭54−128349等)、セルロースの弾性を極力小さくした状態で機械式粉砕機により粉砕されるため、単にセルロースが微小化されるだけで、上記常温で乾式粉砕されたような形状にはならず、従って、感熱記録体の有機溶媒等の吸収性も劣り、捺印性や擦過性も劣る。また、ビスコース等を炭酸ガスで発泡させた多孔性セルロース(特開平5−139033、特開2001−323095等)は気泡を内包したフォーム状であり、上記常温で乾式粉砕されたような形状にはならず、感熱記録体の捺印性や擦過性は劣る。
【0013】
この乾式粉砕により製造された粉末セルロースは、シリカや炭酸カルシウムなどの無機顔料と比較して、同じ層に添加されるバインダーなどとの屈折率の差が小さく、内部散乱(内部ヘイズ)が起こりにくいため、感熱記録層あるいは感熱記録層上に設けられた層に含有させた場合、良好な発色感度や画質が得られる。
また、この粉末セルロースは高吸油量のシリカなどの無機顔料と同等以上の断熱性(吸油性)を有し、サーマルヘッドからの熱が効率的に利用されるため、感熱記録層あるいは下塗り層に含有させた場合、良好な発色感度や画質が得られる。
【0014】
上記のような常温の乾式粉砕により製造された粉末セルロースとしては、NPファイバーを冠した粉末セルロース製品(日本製紙ケミカル社製)、具体的には、NPファイバーW−10MG2(以上、日本製紙ケミカル社製)などが挙げられる。また、木材パルプや非木材パルプを酸加水分解した後、濾過・水洗し、脱水・乾燥して製造されるKCフロックW−50、KCフロックW−100G、KCフロックW−200G、KCフロックW−300G、KCフロックW−400GなどのKCフロックを冠した粉末セルロース製品(日本製紙ケミカル社製)を乾式粉砕して得られる粉末セルロースを使用することができる。さらに、これらと同様の乾式粉砕により製造された粉末セルロースの同等品を用いてもよい。
【0015】
このような本発明で用いることのできる粉末セルロースは以下の物性を有する。
平均粒径は、5μm〜30μm、好ましくは5.5μm〜15μmである。この平均粒径は、レーザー回折・散乱法により測定したものをいう。この平均粒径が大きくなると捺印性は向上するが、サーマルプリンタで印字したときの発色感度や画質が低くなる傾向があり、平均粒径が小さいと、粉末セルロースを構成しているセルロース繊維間が潰れるため、十分な捺印性が得られない。また、本発明のように乾燥させたパルプを高圧下で処理する場合、その平均粒子径を5μm未満することは、技術的に困難である。
吸油量は、100〜300ml/100gである。この吸油量はJIS K−5101に準じて測定したものをいう。
密度は、0.3〜0.6g/cmである。この密度はJIS K−5101に準じて測定したものをいう。
飽和吸水量は1.5〜4.0cm/gである。この飽和吸水量はJIS L−1907に準じて測定したものをいう。
白色度は75%以上である。白色度はJIS P8148に準じて測定したものをいう。
【0016】
本発明において、支持体上に設けられた塗工層にこの粉末セルロースを単独あるいは各種顔料と併用することもできる。なお、この粉末セルロースを顔料と併用する場合、粉末セルロース及び顔料の全量100重量部に対して、固形分で粉末セルロースを20部以上含有させることが望ましい。
【0017】
本発明において、支持体上に設けられた粉末セルロースを含有した層には、バインダーとしてデンプン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子やスチレン・ブタジエン共重合体、アクリル酸系共重合体等の合成樹脂エマルジョン等を含有することが必要であり、保護層に含有させた場合、粉末セルロース(あるいは更に顔料を加えたもの)及びバインダーの含有量は、粉末セルロース(あるいは更に顔料を加えたもの)100重量部に対しバインダーは固形分で30〜300重量部程度であり、保護層全固形分100重量部に対して、粉末セルロースの含有量は10〜80重量部、好ましくは20〜50重量部、より好ましくは30〜45重量部程度であり、感熱記録層に含有させた場合、感熱記録層全固形分100重量部に対して、粉末セルロースの含有量は1〜20重量部程度であり、下塗り層に含有させた場合、下塗り層全固形分に対して、粉末セルロースの含有量は1〜90重量部程度であることが望ましい。
【0018】
本発明の感熱記録体の最表層、特に保護層に、例えば、各種水溶性高分子(各種ポリビニルアルコール、各種デンプン)、各種水溶性高分子と各種架橋剤、アクリル、SBRなどの合成樹脂、合成樹脂と各種架橋剤を含有させることは、画像部及び白紙部の保存性、耐水性の点から望ましいく、特に、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂を含有させることは耐水性、印字走行性の点から望ましい。
【0019】
上記カルボキシル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとフマル酸、無水フタル酸、無水メリト酸、無水イタコン酸などの多価カルボン酸との反応物、又はこれらの反応物のエステル化物、さらに酢酸ビニルとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタアクリル酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸との共重合物の鹸化物として得られる。具体的には例えば特開昭53−91995号公報の実施例1若しくは4に例示されている製造方法が挙げられる。また、カルボキシル変性ポリビニルアルコールの鹸化度は72〜100mol%であることが好ましく、重合度は500〜2400、より好ましくは1000〜2000である。
【0020】
上記エピクロロヒドリン系樹脂の具体例として、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などを挙げることができ、単独又は併用することもできる。また、エピクロロヒドリン系樹脂の主鎖に存在するアミンとしては第1級から第4級までのものを使用することができ、特に制限はない。さらに、カチオン化度及び分子量は、耐水性が良好なことから、カチオン化度5meq/g・Solid以下(pH7での測定値)、分子量50万以上が好ましい。具体例としては、スミレーズレジン650(30)、スミレーズレジン675A、スミレーズレジン6615(以上、住友化学社製)、WS4002、WS4020、WS4024、WS4030、WS4046、WS4010、CP8970(以上、星光PMC社製)などが挙げられる。
また、ポリアミン/アミド系樹脂として、ポリアミド尿素系樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂などが挙げられ、具体例としてはスミレーズレジン302(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン712(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン703(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素系樹脂)、スミレーズレジン636(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素系
樹脂)、スミレーズレジンSPI−100(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−102A(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−106N(住友化学社製:変性ポリアミド樹脂)、スミレーズレジンSPI−203(50)(住友化学社製)、スミレーズレジンSPI−198(住友化学社製)、プリンティブA−700(旭化成社製)、プリンティブA−600(旭化成社製)、PA6500、PA6504、PA6634、PA6638、PA6640、PA6644、PA6646、PA6654、PA6702、PA6704(以上、星光PMC社製:ポ
リアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂)、CP8994(星光PMC社製:ポリエチレンイミン樹脂)などが挙げられ、特に制限されるものではなく、これらを単独又は2種類以上使用することも可能であるが、発色感度の点からポリアミン系樹脂(ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹)を使用することが望ましい。
【0021】
本発明に用いられるエピクロロヒドリン系樹脂及び変性ポリアミン/アミド系樹脂の含有量は、カルボキシル変性ポリビニルアルコール100重量部に対してそれぞれ1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜50重量部である。含有量が少なすぎると架橋反応が不十分となり良好な耐水性が得られず、多すぎると塗液の粘度増加やゲル化により操業性の問題が生じる。
また、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂を含有した保護層を設ける場合、保護層に接する感熱記録層にエピクロロヒドリン系樹脂及び/又はカルボキシル変性ポリビニルアルコールを含有することが望ましい。保護層に含有される成分を含有させることによって、感熱記録層と保護層の接着性が良好となり、浸漬耐水性が向上する。なお、エピクロロヒドリン系樹脂は感熱記録層に0.2〜5.0重量部(乾燥重量)添加することが望ましい。エピクロロヒドリン系樹脂の添加量が多くなると、塗料の安定性が低下する。
【0022】
本発明の感熱記録層は、染料及び顕色剤を含有し、任意に上記粉末セルロースのほか、必要に応じて増感剤、バインダー、架橋剤、安定剤、顔料、滑剤等などを含んでもよい。
染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の塩基性無色染料の具体例を示す。また、これらの塩基性無色染料は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
【0023】
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3’−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン、ビス−〔2,2,2’,2’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
【0024】
本発明において、顕色剤として用いる下式(化1)で表されるジフェニルスルホン誘導体を感熱記録層に含有させることによって、優れた画像部の耐可塑剤性、耐湿熱性、白紙部の耐熱性を得ることができる。
【0025】
【化1】

(式中、Rは、炭素数が1〜12の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数が1〜12のアルキル基若しくはアルケニル基を表し、p、q、r、s、t及びuはそれぞれ0〜4の整数を表し、oは0〜5の整数を表し、Aは、それぞれ独立して、エーテル結合を有してもよい炭素数が1〜12の直鎖若しくは分枝の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表す。)
【0026】
ここで、Rは、炭素数が1〜12、好ましく1〜5、より好ましくは1〜4の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素を表すが、飽和炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソアミル等が挙げられる。また、不飽和炭化水素基の炭素数は好ましくは2〜5であり、不飽和炭化水素基として、例えば、エチレン、1−n−プロピレン、2−n−プロピレン、イソプロピレン、1−n−ブチレン、2−n−ブチレン、3−n−ブチレン等が挙げられる。
【0027】
〜Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数が1〜12のアルキル基若しくはアルケニル基を表すが、ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素が挙げられるが、塩素、臭素が好ましい。
〜Rのアルキル基としては、炭素数が1〜12の直鎖又は分岐の飽和炭化水素を表すが、飽和炭化水素基の炭素数は好ましく1〜5、より好ましくは1〜4である。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等が挙げられる。
〜Rのアルケニル基としては、直鎖又は分岐の炭素数が2〜12の不飽和炭化水素を表す。中でもビニル基、アリル基が好ましい。例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基等が挙げられ、中でもビニル基、アリル基が好ましい。
【0028】
p、q、r、s、t及びuはそれぞれ0〜4の整数を表すが、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0である。但し、p、q、r、s、t、uが2〜4である場合、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、同一が好ましい。
【0029】
Aは、それぞれ独立して、エーテル結合を有してもよい炭素数が1〜12の直鎖若しくは分枝の飽和若しくは不飽和の炭化水素基をを表すが、直鎖のエーテル結合を有していてもよい飽和炭化水素が好ましく、直鎖のエーテル結合を有しない飽和炭化水素が更に好ましい。
Aの飽和炭化水素基としては、炭素数が1〜12の直鎖又は分岐の飽和炭化水素が挙げられ、炭素数が2〜6炭化水素基が好ましく、炭素数3〜4が更に好ましい。
飽和炭化水基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、メチルエチレン基、メチレンエチレン基、エチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチル−4−メチル−テトラメチレン基等が挙げられ、中でもエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数2〜6の飽和炭化水素基が好ましい。
Aの不飽和炭化水素基としては、炭素数が1〜12の直鎖又は分岐の不飽和炭化水素が挙げられ、炭素数が2〜6炭化水素基が好ましく、炭素数2〜4が更に好ましい。不飽和炭化水素基の具体例としては、ビニレン基、エチニレン基、プロペニレン基、2−ブテニレン基、2−ブチニレン基、1−ビニルエチレン基等が挙げられ、中でもプロペニレン基、2−ブテニレン基等の芳香族炭化水素基が好ましい。
エーテル結合を有する炭化水素基としては、例えば、エチレンオキシエチレン基、テトラメチレンオキシテトラメチレン基、エチレンオキシエチレンオキシエチレン基、エチレンオキシメチレンオキシエチレン基、1,3−ジオキサン−5,5−ビスメチレン基等が挙げられ、中でもエチレンオキシエチレン基、エチレンオキシエチレンオキシエチレン基が好ましい。
【0030】
oは0〜5の整数を表すが、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0である。
上記ジフェニルスルホン誘導体は、一般式(化1)において特定のoを有する化合物であってもよいし、一般式(化1)においてoの異なる化合物の任意の割合の混合物であってもよい。
【0031】
一般式(化1)のジフェニルスルホン誘導体として、例えば、下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]エタン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−3−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]プロパン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−5−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ペンタン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−6−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ヘキサン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−7−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ヘプタン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−8−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]オクタン、4-(4-[4-(4-ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブトキシ)−4'-(4-[4-(4-メトキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブトキシ)ジフェニルスルホン、4-(4-(2-(4-(4-(2-(4-(4-(2-(4-(4-メトキシフェニルスルホニル)フェノキシ)ブトキシ)フェニルスルホニル)フェノキシ)ブトキシ)フェニルスルホニル)フェノキシ)ブトキシ)フェニルスルホニル)フェノールなどが挙げられる。この中で、発色感度と保存性のバランスの点から、1−(4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ)−4−(4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ)ブタンが好ましい。
【0032】
本発明において、感熱発色層は、顕色剤として、一般式(化1)で表される上記ジフェニルスルホン誘導体と他の顕色剤とを併用することが発色感度の点から望ましく、一般式(化1)で表される上記ジフェニルスルホン誘導体と併用することのできる顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものを使用することができ、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4'−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、国際公開WO02/081229号あるいは特開2002−301873号記載のフェノール性化合物、国際公開WO02/098674号あるいはWO03/029017号に記載のフェノールノボラック型縮合組成物、国際公開WO00/14058号あるいは特開2000−143611号に記載のウレアウレタン化合物、N,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独又は2種以上混合して使用することもできる。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。これらの顕色剤は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
【0033】
本発明においては、本願発明の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果等を示す安定剤として、4,4′−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−4,4′−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等を用いることができる。これらの安定剤は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
【0034】
本発明で使用する増感剤としては、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4′−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニルを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではなく、単独または2種以上混合して使用することもできる。なお、本発明においては、これらの増感剤の中でも、融点100〜120℃の増感剤、具体的にはシュウ酸(ビス−p−メチルベンジル)などを使用することが望ましい。
【0035】
本発明の感熱記録体には、バインダーとして完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロール、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロースおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂等を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
【0036】
本発明で使用する架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
本発明で使用する顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
【0037】
バインダー、架橋剤、顔料などは本願発明の効果を阻害しない範囲で、粉末セルロースを含有させた層のみならず、保護層、感熱記録層、下塗り層等をはじめとする必要に応じて設けられた各塗工層にも使用することができる。
本発明の感熱記録層に使用する染料、顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、塩基性無色染料1部に対して顕色剤0.5〜10部、顔料(粉末セルロースを含む)0.5〜20部、増感剤0.5〜10部程度、安定化剤0.01〜10重量部程度、その他の成分0.01〜10重量部が使用される。
【0038】
染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒径になるまで微粒化し、バインダーおよび目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。この塗液に用いる溶媒しては、水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
【0039】
上記組成からなる塗液を紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等任意の支持体に塗布することによって目的とする感熱記録体が得られる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。この塗料に用いる溶媒としては水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40%程度である。また、塗布する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができ、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。感熱記録層の塗布量は特に限定されず、通常乾燥重量で2〜12g/mの範囲である。また、感熱記録層上に設ける保護層の塗布量は特に限定されず、通常1〜5g/mの範囲である。
【0040】
本発明の感熱記録体はさらに、発色感度を高める目的で、支持体と感熱記録体の間に填料、バインダーからなるアンダー層を設けることもできる。また、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる
【実施例】
【0041】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。尚、説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。なお、平均粒径は、レーザー回折・散乱法(Malvern社製、装置名:Mastersizer S)により測定し、吸油量、見かけ比容はJIS K−5101、飽和吸水量はJIS L−1907、白色度はJIS P8148に準じて測定した。
【0042】
製造例1
本製造例では、乾式粉砕により粉末セルロースを製造した。
木材パルプ(針葉樹クラフトパルプ)10gを、1N硫酸500mlと混合し、60分間100℃のウオーターバスにて加熱して加水分解した。このパルプスラリーを300メッシュのろ布でろ過し、残渣を0.1Nアンモニア水500mlで洗浄後、水道水で十分洗浄した。得られた酸加水分解セルロースを120℃に保った送風乾燥機で12時間乾燥した。これを、常温下で乾式粉砕機(アイシンナノテクノロジーズ社製、ナノジェットマイザーNJ−300)で粉砕し、粉砕時間を変更することにより、以下の各粉末セルロースを得た。
[粉末セルロース1]平均粒径:5.5μm、吸油量:170ml/100g、見かけ比容0.50g/cm、白色度85%、飽和吸水量1.9cm/g
[粉末セルロース2]平均粒径:11μm、吸油量:190ml/100g、見かけ比容0.50g/cm、白色度84%、飽和給水度2.2cm/g
[粉末セルロース3]平均粒径:20μm、吸油量:220ml/100g、見かけ比容0.50g/cm、白色度84%、飽和給水度2.5cm/g
【0043】
製造例2
本製造例では、湿式粉砕により粉末セルロースを製造した。
粉末セルロース(日本製紙ケミカル社製、KCフロックW100、平均粒径:50μm)を水に分散させ10%スラリーとした。このスラリー200ccを、容量500mLのサンドグラインダー(アシザワファインテック社製、サンドグラインダー)0.5μmガラスビーズ充填率50%を用いて常温で2時間粉砕した。その後、120℃の送風乾燥機で12時間乾燥した。その結果、微細セルロース(平均粒径6μm、吸油量:90ml/100g、見かけ比容0.20g/cm、白色度80%、飽和吸水量1.3cm/g)を得た。
【0044】
各種溶液、分散液、あるいは塗液を、下記配合からなる配合物を攪拌分散して、各層塗液を調成した。
【0045】
[アンダー層塗料調整]
アンダー層塗液
焼成カオリン(BASF社製、アンシレックス90) 90.0部
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分50%) 10.0部
水 50.0部
上記組成よりなる混合物を混合攪拌してアンダー層塗液を調成した。
【0046】
[感熱発色層塗料調整]
下記配合の顕色剤分散液、塩基性無色染料分散液、増感剤分散液、安定剤分散液を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒径1ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。
【0047】
<A液(顕色剤分散液1)>
1−(4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ)−4−(4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ)ブタン
(特開2003−212841記載の方法で合成:下記式(化2)) 6.0部
【0048】
【化2】

18.8部
水 11.2部
<B液(顕色剤分散液2)>
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン(エーピーアイコーポレーション社製、商品名:NYDS) 6.0部
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318) 18.8部
水 11.2部
<C液(塩基性無色染料分散液)>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社製、ODB−2)
2.0部
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318) 4.6部
水 2.6部
<D液(増感剤分散液)>
シュウ酸ビスパラメチルベンジル(大日本インキ社製、HS3520) 6.0部
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318) 20.0部
水 11.0部
【0049】
次いで下記の割合で分散液を混合して記録層の塗液とした。
<記録層塗液1>
A液(22%顕色剤分散液1) 25部
B液(22%顕色剤分散液2) 25部
C液(30%塩基性無色染料分散液) 25部
D液(16%増感剤分散液) 50部
シリカ(水澤化学社製ミズカシルP604、平均粒径:1.7μm)25%分散液
4部
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318) 40部
<記録層塗液2>
A液(22%顕色剤分散液1) 25部
B液(22%顕色剤分散液2) 25部
C液(30%塩基性無色染料分散液) 25部
D液(16%増感剤分散液) 50部
粉末セルロース1(製造例1の方法で作製)15%分散液 7部
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318) 40部
【0050】
[保護層塗料の調整]
下記の割合で混合して保護層塗量1〜6を調整した。
<保護層塗料1>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318) 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、WS4020、固形分25%、カチオン化度:2.7、分子量:220万、4級アミン) 10部
変性ポリアミド樹脂(住友化学社製、スミレッズレジンSPI−106N、固形分45%)
3部
粉末セルロース1(製造例1の方法で作製)15%分散液 200部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、ハイドリンE−366、固形分40%)5部
<保護層塗料2>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4020) 10部
変性ポリアミド樹脂(スミレッズレジンSPI−106N) 3部
粉末セルロース3(製造例1の方法で作製)15%分散液 200部
ステアリン酸亜鉛(ハイドリンE−366) 5部
<保護層塗液3>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4020) 10部
変性ポリアミド樹脂(スミレッズレジンSPI−106N) 3部
セルロース(旭化成ケミカルズ社製、セオラスクリームFP−03、平均粒径:3μm)10%分散液 300部
ステアリン酸亜鉛(ハイドリンE−366) 5部
【0051】
<保護層塗液4>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4020) 10部
変性ポリアミド樹脂(スミレッズレジンSPI−106N) 3部
粉末セルロース(日本製紙ケミカル社製、KCフロックW100、平均粒径:50μm、吸油量:200ml/100g、見かけ比容0.25g/cm3、白色度84%、飽和給水度2.8cm3/g)15%分散液 200部
ステアリン酸亜鉛(ハイドリンE−366) 5部
<保護層塗液5>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4020) 10部
変性ポリアミド樹脂(スミレッズレジンSPI−106N) 3部
製造例2で得た湿式粉砕セルロース10%分散液 300部
ステアリン酸亜鉛(ハイドリンE−366) 5部
<保護層塗液6>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4020) 10部
変性ポリアミド樹脂(スミレッズレジンSPI−106N) 3部
シリカ(水澤化学社製、ミズカシルP603、平均粒径:2.2μm)25%分散液
120部
ステアリン酸亜鉛(ハイドリンE−366) 5部
<保護層塗料7>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4020) 10部
変性ポリアミド樹脂(スミレッズレジンSPI−106N) 3部
粉末セルロース2(製造例1の方法で作製)15%分散液 200部
【0052】
[バック層塗液調整]
水酸化アルミニウム 50部
ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA117)10%水溶液 500部
水 70部
【0053】
[実施例1]
上質紙(坪量:47g/m2)にアンダー層塗液を乾燥後の塗布量が7g/m2になるようマイヤーバーで塗工し、送風乾燥器(120℃、1分間)で乾燥した。このアンダー紙の上に記録層塗液1を乾燥後の塗布量が4.5g/m2になるようマイヤーバーで塗工し、送風乾燥器(60℃、2分間)で乾燥した。この塗工紙の上に保護層塗液1を乾燥後の塗布量が2.5g/m2になるようマイヤーバーで塗工した。更に、裏面に、バック層塗料を乾燥後の塗布量が1.5g/m2になるようマイヤーバーで塗工し、送風乾燥器(60℃、2分間)で乾燥した後、平滑度が200〜500秒になるようにスーパーカレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
[実施例2]
保護層塗液1の代わりに保護層塗液2を使用した以外は実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[実施例3]
保護層塗液1の代わりに保護層塗液7を使用した以外は実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[実施例4]
記録層塗液のB液(第二顕色剤分散液)を4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン(エーピーアイコーポレーション社製、商品名JKY146)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例5]
記録層塗液のB液(第二顕色剤分散液)を2,4'ジヒドロキシジフェニルスルホン(日華化学社製、商品名24BPS)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例6]
上質紙(坪量:47g/m2)にアンダー層塗液を乾燥後の塗布量が7g/m2になるようマイヤーバーで塗工し、送風乾燥器(120℃、1分間)で乾燥した。このアンダー紙の上に記録層塗液2を乾燥後の塗布量が4.5g/m2になるようマイヤーバーで塗工し、送風乾燥器(60℃、2分間)で乾燥した。この塗工紙の裏面に、バック層塗料を乾燥後の塗布量が1.5g/m2になるようマイヤーバーで塗工し、送風乾燥器(60℃、2分間)で乾燥した後、平滑度が200〜500秒になるようにスーパーカレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
【0054】
[比較例1]
保護層塗料1の代わりに保護層塗液3を使用した以外は実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[比較例2]
保護層塗料1の代わりに保護層塗液4を使用した以外は実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[比較例3]
保護層塗料1の代わりに保護層塗液5を使用した以外は実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[比較例4]
保護層塗料1の代わりに保護層塗液6を使用した以外は実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[比較例5]
実施例1のA液を配合せずB液の配合比を50部とした以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例6]
実施例6の粉末セルロースをシリカ(水澤化学社製、ミズカシルP603、平均粒径:2.2μm)に変更した以外は実施例4と同様にして感熱記録体を作製した。
【0055】
上記で得た感熱記録体についての以下の評価を行なった。
<記録感度>
作製した感熱記録体について、感熱記録紙印字試験機(大倉電気社製TH−PMD、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.27mJ/dotで印字した。記録部の記録濃度は、マクベス濃度計(RD−914)で測定し評価した。
<画質>
ベタ印字部を目視で評価した。
◎:印字部の白抜けや白ぼけがほとんどない
○:印字部の白抜けや白ぼけが僅かにある
×:印字部の白抜けや白ぼけがある
<擦過性>
塗工表面を1000g/cm2加重を加えたスチールウールで擦り線発色を目視評価した。
◎:ほとんど発色しない
○:わずかに発色する
×:濃く発色する
<捺印性>
作製した感熱記録体白紙部に、シャチハタ印で捺印し5秒後にティシュペーパーで拭き取り目視評価した。
○:若干かすれるが、文字ははっきり残る
×:かすれて文字を読み取れない
【0056】
<保存性>
上記感熱記録紙印字試験機を用いて印加エネルギー0.35mJ/dotで市松模様を印字し発色部について下記の保存性を評価した。
(耐可塑剤性残存率)
紙管に塩ビラップ(三井東圧製ハイラップKMA)を1回巻き付けた上に上記サンプルを貼り付け、更にその上に塩ビラップを3重に巻きつけたもの23℃で4時間放置した前後の発色部濃度を測定し、残存率(=試験後の発色濃度/試験前の発色濃度×100(%))を算出した。残存率が高いほど耐可塑剤性能が優れている。
◎:残存率が90%以上
○:残存率が85%以上90%未満
△:残存率が75%以上85%未満
×:残存率が75%未満
(耐湿熱性残存率)
50℃、90%の環境下に24時間放置した前後の発色部濃度を測定し、残存率を算出した。残存率が高いほど耐湿熱性が優れている。
○:残存率が90%以上
△:残存率が75%以上90%未満
×:残存率が75%未満
(耐熱性)
90℃環境下に24時間放置した後、白紙部の発色濃度を測定した。数値が小さいほど耐熱性が優れている。
◎:0.20未満残存率が90%以上
○:0.3未満
△:0.8未満
×:0.8以上
【0057】
【表1】

【0058】
評価結果を下表に示す。
【0059】
表に示した通り、再表層に乾式粉砕して製造された平均粒径5〜30μmの粉末セルロースを含有し、電子受容性顕色剤に一般式(化1)で表される、ジフェニルスルホン誘導体を用いて作製した実施例1〜6の感熱記録体は感度、画質、擦過性、捺印性および保存特性が優れているが、粉末セルロースの平均粒径が細かい比較例1は擦過性、捺印適性が劣り、平均粒径が大きい比較例2は感度、画質が劣った。また、粉末セルロースの製造方法が異なる比較例3は捺印適性が得られず、粉末セルロースの代わりにシリカを用いた比較例4は感度、擦過性が劣った。一般式(化1)の顕色剤を使用しない比較例5は保存性が劣った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に、塗工層として少なくとも無色又は淡色の塩基性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体であって、該感熱記録層及びその他の任意に設けた塗工層のうちの少なくとも最表層が木材パルプ又は非木材パルプを原料とし、常温で乾式粉砕して製造され、その平均粒径が5μm〜30μmである粉末セルロースを含有し、且つ該感熱記録層が電子受容性顕色剤として、下記一般式
【化1】

(式中、Rは、炭素数が1〜12の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数が1〜12のアルキル基若しくはアルケニル基を表し、p、q、r、s、t及びuはそれぞれ0〜4の整数を表し、oは0〜5の整数を表し、Aは、それぞれ独立して、エーテル結合を有してもよい炭素数が1〜12の直鎖若しくは分枝の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表す。)で表されるジフェニルスルホン誘導体を含有することを特徴とする感熱記録体。
【請求項2】
前記感熱記録層上に保護層を有し、前記最表層が該保護層である請求項1に記載の感熱記録体。

【公開番号】特開2009−126024(P2009−126024A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−302329(P2007−302329)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000183484)日本製紙株式会社 (981)
【Fターム(参考)】