説明

感熱記録材料および該感熱記録材料に用いられる重合体

【課題】 耐水性、耐スティッキング性、耐地肌かぶり特性、耐熱画像安定性が優れた感熱記録材料を提供する。
【解決手段】 感熱記録材料は、加熱により発色する感熱発色層を有し、感熱記録材料を構成する層のうち、少なくともいずれか1層中に、アクリル系重合体鎖部およびウレタン系重合体鎖部を有し、且つアクリル系重合体鎖部とウレタン系重合体鎖部とがシリコーン系重合体鎖部を介して結合しているアクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体が含まれていることを特徴とする。感熱発色層が支持体上に形成された構成を有しており、且つ感熱記録材料を構成する層のうち、少なくとも、感熱発色層側の最表層中に、アクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体が含まれていることが好ましく、前記感熱発色層側の最表層は、感熱発色層上に形成された保護層であることが好適である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱により発色する感熱発色層を有する感熱記録材料であって、感熱記録材料を構成する層のうち、少なくともいずれか1層中に、アクリル系重合体鎖部およびウレタン系重合体鎖部を有し、且つアクリル系重合体鎖部とウレタン系重合体鎖部とがシリコーン系重合体鎖部を介して結合しているアクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体が含まれていることを特徴とする感熱記録材料。
【請求項2】
感熱発色層が支持体上に形成された構成を有しており、且つ感熱記録材料を構成する層のうち、少なくとも、感熱発色層側の最表層中に、アクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体が含まれている請求項1記載の感熱記録材料。
【請求項3】
感熱発色層側の最表層が、感熱発色層上に形成された保護層である請求項2記載の感熱記録材料。
【請求項4】
保護層中にアクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体が含まれており、且つ保護層中におけるアクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体の割合が、保護層中の固形分全量に対して5質量%以上である請求項3記載の感熱記録材料。
【請求項5】
アクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体が、エマルジョンの形態で用いられている請求項1〜4の何れかの項に記載の感熱記録材料。
【請求項6】
アクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体を含むエマルジョンが、アクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体を含む1液架橋型水性樹脂エマルジョンである請求項5記載の感熱記録材料。
【請求項7】
アクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体において、
ウレタン系重合体鎖部が、加水分解性珪素原子含有基を有するウレタン系ポリマー(A)の残基であり、
アクリル系重合体鎖部が、モノマー成分としてアクリル系単量体(B)、および加水分解性珪素原子含有基に対する反応性官能基を有し且つエチレン性不飽和結合含有基に対する反応性官能基を有する化合物(C)を用いて得られる重合体の残基であり、
シリコーン系重合体鎖部が、加水分解性珪素原子含有基を有するウレタン系ポリマー(A)における加水分解性珪素原子含有基と、加水分解性珪素原子含有基に対する反応性官能基を有し且つエチレン性不飽和結合含有基に対する反応性官能基を有する化合物(C)における加水分解性珪素原子含有基に対する反応性官能基と、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物(D)とにより形成された重合体鎖部である
請求項1〜6の何れかの項に記載の感熱記録材料。
【請求項8】
加水分解性珪素原子含有基を有するウレタン系ポリマー(A)が、親水性基含有アルコキシシリル化ウレタン系ポリマー(A1)である請求項7記載の感熱記録材料。
【請求項9】
親水性基含有アルコキシシリル化ウレタン系ポリマー(A1)が、親水性基含有ウレタン系ポリマーの末端のイソシアネート基が少なくとも部分的にアルコキシシリル化されて得られる末端アルコキシシリル化親水性基含有ウレタン系ポリマーである請求項8記載の感熱記録材料。
【請求項10】
加水分解性珪素原子含有基に対する反応性官能基を有し且つエチレン性不飽和結合含有基に対する反応性官能基を有する化合物(C)が、加水分解性珪素原子含有基及びエチレン性不飽和結合含有基を有する化合物、又は加水分解性珪素原子含有基及びメルカプト基を有する化合物である請求項7〜9の何れかの項に記載の感熱記録材料。
【請求項11】
加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物(D)が、アルコキシ基含有シラン系化合物である請求項7〜10の何れかの項に記載の感熱記録材料。
【請求項12】
アクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体が、下記の工程(X)を具備するとともに、下記の工程(Y1)、工程(Y2)および工程(Y3)から選択された少なくとも一種の工程を具備する製造方法を利用して調製されている請求項1〜11の何れかの項に記載の感熱記録材料。
工程(X):加水分解性珪素原子含有基を有するウレタン系ポリマー(A)の水分散液又は水溶液を調製する工程
工程(Y1):加水分解性珪素原子含有基を有するウレタン系ポリマー(A)の水分散液又は水溶液中で、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物(D)の加水分解または縮合を行った後、さらに、アクリル系単量体(B)を重合させ、且つ、前記加水分解又は縮合の反応前、前記加水分解又は縮合の反応時、前記加水分解又は縮合の反応後乃至前記重合の反応前、前記重合の反応時、および前記重合の反応後のうち少なくともいずれか1種以上の過程で、加水分解性珪素原子含有基に対する反応性官能基を有し且つエチレン性不飽和結合含有基に対する反応性官能基を有する化合物(C)を用いてアクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体を調製する工程
工程(Y2):加水分解性珪素原子含有基を有するウレタン系ポリマー(A)の水分散液又は水溶液中で、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物(D)の加水分解または縮合に並行して、アクリル系単量体(B)を重合させ、且つ、前記加水分解又は縮合や前記重合の反応前、前記加水分解又は縮合や前記重合の反応時、および前記加水分解又は縮合や前記重合の反応後のうち少なくともいずれか1種以上の過程で、加水分解性珪素原子含有基に対する反応性官能基を有し且つエチレン性不飽和結合含有基に対する反応性官能基を有する化合物(C)を用いてアクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体を調製する工程
工程(Y3):加水分解性珪素原子含有基を有するウレタン系ポリマー(A)の水分散液又は水溶液中で、アクリル系単量体(B)を重合させた後、加水分解性珪素原子含有基を有するシラン系化合物(D)の加水分解または縮合を行い、且つ、前記重合の反応前、前記重合の反応時、前記重合の反応後乃至前記加水分解又は縮合の反応前、前記加水分解又は縮合の反応時、および前記加水分解又は縮合の反応後のうち少なくともいずれか1種以上の過程で、加水分解性珪素原子含有基に対する反応性官能基を有し且つエチレン性不飽和結合含有基に対する反応性官能基を有する化合物(C)を用いてアクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体を調製する工程
【請求項13】
工程(X)が、下記の工程(X1)である請求項12記載の感熱記録材料。
工程(X1):アクリル系単量体(B)を溶媒として加水分解性珪素原子含有基を有するウレタン系ポリマー(A)を調製した反応混合物を、水に分散又は溶解させることにより、加水分解性珪素原子含有基を有するウレタン系ポリマー(A)の水分散液又は水溶液を調製する工程
【請求項14】
アクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体とともに、さらに、シリカ粒子が含まれている請求項1〜13の何れかの項に記載の感熱記録材料。
【請求項15】
加熱により発色する感熱発色層を有している感熱記録材料を構成する層のうち、少なくともいずれか1層中で用いられる重合体であって、アクリル系重合体鎖部およびウレタン系重合体鎖部を有し、且つアクリル系重合体鎖部とウレタン系重合体鎖部とがシリコーン系重合体鎖部を介して結合しているアクリル系−シリコーン系−ウレタン系3元共重合体であることを特徴とする感熱記録材料に用いられる重合体。
【請求項16】
感熱発色層上に形成された保護層中で用いられている請求項15記載の感熱記録材料に用いられる重合体。

【公開番号】特開2006−334927(P2006−334927A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162497(P2005−162497)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(000105648)コニシ株式会社 (217)
【Fターム(参考)】