説明

感熱記録材料

【課題】 耐熱性に優れ、しかも高感度で画像退色の少ない感熱記録材料を提供する。
【解決手段】 表面と裏面とを有する支持体の前記表面上に、ロイコ染料と顕色剤とを有する感熱発色層を備える感熱記録材料において、前記顕色剤は、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物とを、1/1以上1/0.1以下の割合で含有し、前記ロイコ染料の平均粒子径は、0.15μm以上0.8μm以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は感熱記録材料に係り、特に発色性に優れ、かつ地肌部の耐熱性に優れ、更に画像部の保存性に優れた感熱記録材料に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱記録材料は、紙、合成紙、樹脂フィルムなどの支持体上に、加熱により発色する感熱発色層(感熱記録層)を形成した構造の記録材料であって、その発色のための加熱には、熱ヘッドを内蔵したサーマルプリンターなどが用いられている。
【0003】
この記録方法は他の方法に比べ、現像、定着などの処理を施す必要がなく、比較的簡単な装置を用いて短時間で記録することができる上に、コストが安いなどという利点があり、生鮮食料品・弁当・惣菜用のPOS分野、図書・文書などの複写分野、ファクシミリなどの通信分野、券売機・レシート・領収書などの発券分野など多方面に用いられている。これら感熱記録材料の利用分野の中で、POS分野、特に弁当や惣菜といった温かさを売り物にした商品にも急速に使われるようになっているのが現状である。
【0004】
感熱記録材料は、環境のための省エネルギー又はポータブルサーマルプリンター対応のために低印字エネルギーでも発色させることが試みられてきた。また、高速プリンタを使用しての高速印字に対応するためにも、感熱紙の高感度化についての検討が続けられてきている。しかし、感熱記録材料は、熱によって発色する化合物であるため、加熱の程度に応じて発色の度合いが促進する。そのため、高感度な感熱記録材料は夏場に高温となる社内に放置した場合や、或いは、感熱記録ラベルを貼り付けた状態で電子レンジによる加熱を行った場合に、地肌が黒く発色して文字やバーコードが読み取りにくくなってしまう(地肌かぶりと呼ばれる)という欠点があった。そこで、感熱記録材料の発色感度と耐熱性とをできるだけ両立される努力がなされている。
【0005】
高感度化のための手法としては、例えば(1)アンダー層として中空粒子を含む層を設け、その断熱効果によりサーマルヘッドからの熱エネルギーを有効に活用する方法、(2)ロイコ染料の分散において、乳化分散などの手法を使いサブミクロンに加工する方法、などが。しかし、(1)(2)の方法とも感度が不十分であったり、地肌カブリが生じてしまったりして両立できていないのが現状であった。
【0006】
一方、従来技術における感熱記録材料として、特許文献1及び2などでは、4−ヒドロキシフェニル−4’−アルコキシフェニルスルホン誘導体が開示されており、具体例としては、4−ヒドロキシフェニル−4’−オクチルオキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ドデシルオキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−イソプロポキシフェニルスルホンなどが挙げられるが、これらの4−ヒドロキシフェニル−4’−アルコキシフェニルスルホン誘導体を単にロイコ染料と組合せて使用しただけでは、発色性、画像部及び地肌部の耐熱保存性が十分でなく、或いは、画像部(特にハーフトーン部)が経時的に退色する等の欠点がある。
【0007】
これらの顕色剤と高融点のロイコ染料とを組合せて、更に増感剤を添加することにより、発色感度を低下させずに、耐熱性を向上することは技術的に広く用いられる方法のひとつである。しかしながら、これらの4−ヒドロキシフェニル−4’−アルコキシフェニルスルホン誘導体と高融点のロイコ染料とを組合せて、更に増感剤を添加すると、地肌部カブリや、画像部が経時的に褪色するなど他の欠点が現われることが多く、有効な増感剤が見い出されていないのが現状であった。
【0008】
また従来技術として、4−アセチルビフェニルを使用した感熱記録材料は、特許文献3乃至5などに開示されている。しかし、増感剤として4−アセチルビフェニルを使用しても、顕色剤との単なる組み合わせだけでは、高温条件下、特に90℃以上での画像部及び地肌部の耐熱保存性が十分ではなかった。
【0009】
さらに、特許文献6では4−ヒドロキシフェニル−4’−アルコキシフェニルスルホン誘導体と4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホニル)]ジフェノールとを含む重合物(化合物1)との組み合わせが比較例として記載されているが、染料の平均粒子径が約1μmであり、発色感度の面で不充分であった。
【特許文献1】特開昭62−225391号公報
【特許文献2】特公昭63−61198号公報
【特許文献3】特開昭61−246088号公報
【特許文献4】特開平10−138645号公報
【特許文献5】特開2002−052842号公報
【特許文献6】特開2001−310561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記問題点を解消し、特に、惣菜や弁当用POSとして活用可能な、耐熱性に優れ、しかも高感度で画像退色の少ない感熱記録材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
耐熱性を落とさず、高感度かつ高画像保存性を有する感熱記録材料を得るために鋭意検討を重ねた結果、以下に示す(1)乃至(8)に記載の発明をするに至った。即ち、
【0012】
(1) 表面と裏面とを有する支持体の前記表面上に、ロイコ染料と顕色剤とを有する感熱発色層を備える感熱記録材料において、
前記顕色剤は、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと下記一般式(1)
【0013】
【化2】

で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物とを、1/1以上1/0.1以下の割合で含有し、
前記ロイコ染料の平均粒子径は、0.15μm以上0.8μm以下であることを特徴とする感熱記録材料。これにより、発色感度が高く、地肌部の耐熱性に優れ、画像部の保存性すなわち耐水性と耐可塑剤性に優れ、ハーフトーン部の自然退色抑制性に優れる感熱記録材料を得ることができる。
【0014】
(2) 前記ロイコ染料は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジペンチルアミノフルオラン及び2−アニリノ−3−メチル−6−[エチル(4−メチルフェニル)アミノ]フルオランからなる群から選択された少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。これにより、発色感度が高く、地肌部の耐熱性に優れ、画像部の保存性すなわち耐水性と耐可塑剤性に優れ、ハーフトーン部の自然退色抑制性に優れる感熱記録材料を得ることができる。
【0015】
(3) 前記支持体と感熱発色層との間に、中空率50%以上のプラスチック中空粒子を含むアンダー層をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。これにより、上述に加え、更に発色感度を向上させた感熱記録材料を得ることができる。
【0016】
(4) 前記感熱発色層上に、顔料と水溶性樹脂とを有するオーバー層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感熱記録材料。これにより、印字時のプリンタヘッドとのマッチング性に優れ、更に画像保存性に優れた感熱記録材料を得ることができる。
【0017】
(5) プラスチックフィルム又は合成紙上に前記感熱発色層を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感熱記録材料。これにより、上述に加え、生鮮食料品用ラベルやスキー場でのチケットなど、水に触れやすい環境下でも水濡れによる紙力強度の低下や破れることのない感熱記録材料を得ることができる。
【0018】
(6) 前記支持体の前記裏面上にバック層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感熱記録材料。これにより、支持体の裏側からの水や可塑剤等の侵入による画像保存性或いは発色性の低下を防ぎ、また、プリンタ印字時の搬送性に優れた感熱記録材料を提供する。
【0019】
(7) 前記支持体の前記裏面側に粘着剤層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感熱記録材料。これにより、上述に加え、粘着性を保持した感熱記録材料として様々な被着体に貼り付け得る感熱記録ラベルを得ることができる。
【0020】
(8) 前記支持体の前記裏面側に磁気記録層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感熱記録材料。これにより、上述に加え、磁気情報等を保存し得る感熱記録材料を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
発色感度が高く、地肌部の耐熱性に優れ、画像部の保存性すなわち耐水性と耐可塑剤性に優れ、ハーフトーン部の自然退色抑制性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の感熱記録材料は、感熱発色層中に4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと上記の式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物とを1/0.1〜1/1の割合で含有させたものを顕色剤とし、更にロイコ染料の平均粒子径を0.15〜0.8μmとすることにより、地肌部の耐熱保存性を損なわずに発色性並びに画像部の褪色抑制性に優れるものである。
【0023】
感熱発色層に含有される顕色剤を構成する4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと上記の式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物との割合が、1/0.1より大きい場合は、画像部の経時褪色性が大きくなり、逆に1/1よりも小さい場合には、高温条件下での地肌かぶりが大きくなり、好ましくない。
【0024】
また、感熱発色層に含有されるロイコ染料の平均粒子径が0.15μmよりも小さいと、地肌部の耐熱保存性が低下し、逆に0.8μmよりも大きいと発色感度が不充分となる。
【0025】
感熱発色層に含有される顕色剤は、上記の通り、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン及び前記(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物であり、ロイコ染料1重量部に対して、顕色剤の合計が1〜10重量部であることが好ましい。1重量部未満では、発色性が不十分である。また、10重量部よりも大きい場合には、発色に関与しない顕色剤により濃度低下を起こし好ましくない。
【0026】
(ロイコ染料)
本発明において、感熱発色層に含有されるロイコ染料は、感熱材料に適用され得る染料であれば任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などの染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。これらのロイコ染料は、感熱発色層に含有される際、単独であっても、2種類以上を混合して含有されてもよい。また、このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
【0027】
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−[エチル(4−メチルフェニル)アミノ]フルオラン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−(N−メチル−N−イソブチル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5、6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−{N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ}−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−{N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ}−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’、5’−ベンゾフルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1’’−p−ジメチルアミノフェニル−1’’−p−クロロフェニル−1’’,3’’−ブタジエン−4’’−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1’’−p−ジメチルアミノフェニル−1’’−フェニル−1’’,3’’−ブタジエン−4’’−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロー3’(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタンなどである。なお、上述した化合物中に種々の異性体を取りうる置換基を有する場合は、特に限定されることはないが、例えば、プロピル基を有する場合は、n−プロピルやi−プロピルが挙げられ、ブチル基であれば、n−ブチルやi−ブチルなどが挙げられ、ペンチル基であれば、n−ペンチルなどが挙げられる。
【0028】
本発明の感熱発色層には、さらに、必要に応じて、補助添加剤として電子受容性であるが発色能力の比較的少ない種々のヒンダードフェノール化合物を併用することができる。その具体例としては以下に示すようなものが挙げられる。
【0029】
2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)などである。
【0030】
本発明の感熱記録材料を製造するには、ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持させる場合、慣用の種々の結合剤を適宜用いることができ、その具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0031】
ポリビニルアルコ−ル、殿粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス及びエチルセルロ−スなどのセルロ−ス誘導体;ポリアクリル酸ソ−ダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソ−ダ、ゼラチン及びカゼインなどの水溶性高分子;及び/又はポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレ−ト及びエチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル樹脂エマルジョン;スチレン/ブタジエン共重合体及びスチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックス;などである。
【0032】
また本発明においては、感度向上剤として種々の熱可融性物質を併用することができるが、惣菜・弁当用POSなどの用途向けに耐熱性を要求する場合は、100℃以上の熱可融性物質を選択して使用することが望ましい。その具体例としては以下に示すものが挙げられるが、これに限られるわけではない。
【0033】
ステアリン酸、ベヘン酸などの脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミドなどの脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフト酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンシル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタンなどである。
【0034】
また本発明においては、必要に応じこの種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤などを併用することができる。
【0035】
この場合、填料としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカなどの無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの有機系の微粉末を挙げることができる。
【0036】
滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などが挙げられる。
【0037】
(アンダー層)
本発明における感熱記録材料は、支持体と感熱発色層との間に、さらに微小中空粒子を含むアンダー層を設けてもよい。アンダー層により、更に発色感度を向上させ得る。
【0038】
本発明のアンダー層に用いられる中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有するもので、すでに発泡状態となっている微小中空粒子であり、平均粒子径は2〜10μmのものが用いられる。この平均粒子径(粒子外径)が2μmより小さいものは、任意の中空率にすることが難しいなどの生産上の問題があり、逆に10μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、感度向上効果が低下する。従って、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布ピークの均一なものが好ましい。
【0039】
アンダー層に含有される中空粒子は、中空率が50%以上のものが好ましく、70〜98%のものが更に好ましい。中空度が50%未満のものは断熱性が不充分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通して感熱記録材料の外へ放出され、感度向上効果が小さい。
【0040】
ここで言う中空率とは、中空粒子の外径と内径の比であり、下記式で定義される:
【0041】
中空率=(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)×100(%)
【0042】
本発明で用いる中空粒子は、前記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、この熱可塑性樹脂の例として、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル及びポリブタジエン並びにこれらの共重合体樹脂が挙げられる。特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルとを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
【0043】
通常、中空粒子は、感熱発色層と支持体の間にアンダー層として用いることにより、高い断熱性及びヘッドとの密着性を向上させ発色感度が向上する。
【0044】
支持体上にアンダー層を設けるには、上記の中空粒子を公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどのバインダーと共に水に分散し、これを支持体表面に塗布し、乾燥することによって形成される。この場合、中空粒子の塗布量は、支持体1m当り少なくとも1g、好ましくは2〜15g程度であり、またバインダー樹脂の塗布量は、アンダー層を支持体に強く結合させるような量でよく、通常は中空粒子とバインダー樹脂との合計量に対して2〜50重量%である。
【0045】
本発明において、アンダー層を形成する際に使用されるバインダーとしては、従来公知の水溶性高分子及び/又は水溶性高分子エマルジョンから適宜選択される。その具体例としては、上述の感熱発色層に含有されるバインダーを適用することができ、特に、スチレン/ブタジエン共重合体やスチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスが望ましい。水溶性高分子として例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂などのエマルジョンなどが挙げられる。
【0046】
(オーバー層)
本発明による感熱記録材料において、(1)水や可塑剤、油、アルコール等の侵入を防ぎ、画像保存性を向上させるとともに、耐光性を向上させるため、及び、(2)サーマルプリンタとのヘッドマッチング性、つまり、印字時にスティック音が小さく、印字カスによるヘッド汚れを防止させ耐摩耗性を向上する目的のためオーバー層を積層されてもよい。オーバー層を形成する場合に使用されるバインダーとしては、従来公知の水溶性高分子及び/又は水溶性高分子エマルジョンを適宜用いることができる。その具体例としては、上述のバインターを適用することも出来るし、特に、ポリビニルアルコ−ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、殿粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、エチルセルロ−スなどのセルロ−ス誘導体、ポリアクリル酸ソ−ダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソ−ダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレ−ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスなどが挙げられる。
【0047】
また、オーバー層には、無機顔料及び有機顔料並びに滑剤を含有させることもできる。無機顔料及び有機顔料は、例えば従来からフィラーとして用いられている公知の顔料を用いても良く、具体的には、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸亜鉛、無定形シリカ等のケイ酸塩や、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機顔料、およびナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料が挙げられる。
【0048】
オーバー層に含有され得る滑剤としては、感熱発色層用として記載したものを用いてもよく、特に、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などを用いることができる。
【0049】
該オーバー層の付着量としては5g/m以下が好ましく、5g/m以上では発色感度の低下を引き起こす。
【0050】
(支持体)
また、本発明に用いられる支持体は格別の限定は無く、例えば上質紙、再生紙、片艶紙、耐油紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成樹脂フィルムなどを適宜使用できる。
【0051】
(その他の層構造)
更に、本発明の感熱記録材料の層構成に関しては感熱発色層、アンダー層、オーバー層の他に、必要に応じて、バック層を設けることができる。バック層は、支持体上に直接接するように設けてもよく、裏面からの水、可塑剤及び粘着剤等の侵入による画像品質低下を防ぎ、また、プリンタでの搬送性を良くする構成させてもよい。バック層は、主に結着性樹脂および填料からなり、必要に応じて種々の滑剤、帯電防止剤などを含有しても良い。バック層に用いられる結着性樹脂および填料、滑剤としては前記保護層の際に挙げた種々の材料を使用することができ、特に支持体にプラスチックフィルム又は合成紙を用いた場合には帯電防止剤の添加は効果的である。
【0052】
加えて、必要に応じて感熱記録材料の裏面に粘着剤層および剥離台紙を順次積層することもできる。粘着剤層は、支持体の裏面上に直接設けてもよく、支持体にバック層を設け、さらにその上に粘着剤層を設けてもよく、これらの構造の上に剥離台紙を設ける構成としてもよい。
【0053】
さらに、必要に応じて、感熱記録材料の裏面側に磁性体と結合剤とを主成分とする磁気記録層を設けてもよい。
【0054】
(感熱記録材料の製造方法)
本発明の感熱記録材料は、例えば、前記した各層形成用塗液を、紙、プラスチックフィルムなどの適当な支持体上に塗布し、乾燥することによって製造される。
【0055】
特に本発明の感熱記録材料は、キャレンダー処理によるサーマルヘッドとの密着性の向上が著しいので、アンダー層、感熱記録材料及び/又は本発明へキャレンダー処理を施すことが非常に好ましい。即ち、アンダー層、感熱記録材料及び/又はオーバー層へのキャレンダーの圧力の大きさで表面の平滑度をコントロールすることにより、地肌かぶりが無く、しかも、従来より高精細な感熱記録材料を得ることができる。
【実施例】
【0056】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、以下に示す部及び%は何れも重量基準である。
【0057】
(実施例1)
<アンダー層塗工液の調製>
下記組成からなる混合物を混合、攪拌してアンダー層形成液を調製し、乾燥重量が3g/mとなるように紙厚80μmの紙支持体上に塗布、乾燥させてアンダー層塗布済紙を得た。
【0058】
非発泡性プラスチック微小中空粒子 60部
(中空率90%、平均粒径3μm)
スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス 30部
(固形分濃度47.5重量%)
水 10部
【0059】
<感熱発色層塗工液の調製>
下記組成の〔A液〕、〔B液〕及び〔C液〕をサンドグラインダーを用いて、平均粒径が〔A液〕:0.5μm、〔B液〕:1.5μm、〔C液〕1.0μm程度となるように調製した。
【0060】
〔A液〕
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
水 60部
【0061】
〔B液〕
4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン 20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
シリカ 10部
水 50部
【0062】
〔C液〕
化合物(1)(日本曹達株式会社製;D−90) 20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
水 60部
【0063】
つぎに〔A液〕10部、〔B液〕20部、〔C液〕20部を混合して感熱発色層塗布液とし、これを前記アンダーコート層上に染料乾燥付着重量が0.5g/mになるように塗布乾燥し感熱発色層を得た。
【0064】
<オーバー層塗工液の調製>
ジアセトン変性ポリビニルアルコール10%水溶液 10部
水分散水酸化アルミニウム10%液 10部
アジピン酸ジヒドラジド10%水溶液 4 部
【0065】
上記のオーバー層塗工液を、前記で得られた感熱発色層上に乾燥重量が3g/mになるように塗布乾燥し、更にその表面平滑度が2000〜3000秒になるようにカレンダー掛けして本発明の感熱記録材料を作成した。
【0066】
(実施例2乃至9及び比較例1乃至6)
表2に従って、顕色剤の添加比率、アンダー層の中空粒子及び染料分散体の粒径を変更する以外は、実施例1と同様に行ない本発明の感熱記録材料と比較の感熱記録材料を得た。
【0067】
なお、表2におけるロイコ染料は次の表1の通りである。
【0068】
表1
【0069】
【表1】

【0070】
表2
【0071】
【表2】

【0072】
(評価法)
〔発色特性〕
得られた感熱記録材料を大倉電機社製印字シミュレーターにて、ヘッド電力0.45w/ドット、1ライン記録時間20ms/l、走査線密度8×3.85ドット/mmの条件下で、パルス巾0.2〜1.2msで印字し、0.5、0.7、1.0msの印字濃度と地肌部の濃度をマクベス反射濃度計RD−914にて測定した。
【0073】
〔90℃耐熱性〕
90℃DRYの環境条件で1時間放置後の地肌部の濃度をマクベス反射濃度計RD−914にて測定した。
【0074】
〔耐水性〕
1.0msで印字した画像部を20℃の水に15時間浸漬させたのち取り出し、乾燥後画像部の濃度をマクベス反射濃度計RD−914にて測定した。
【0075】
〔耐可塑剤性〕
1.0msで印字した画像部に塩ビラップを重ね合わせ、5kgの加重を掛け40℃DRYの環境条件で15時間放置させた後、画像部の濃度をマクベス反射濃度計RD−914にて測定した。
【0076】
〔濃度変化〕
0.7msで印字した画像部を室内(22℃ 65%RH)に5日間放置後、画像部の濃度をマクベス反射濃度計RD−914にて測定した。
【0077】
以上の結果を表3に示す。
【0078】
表3
【0079】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と裏面とを有する支持体の前記表面上に、ロイコ染料と顕色剤とを有する感熱発色層を備える感熱記録材料において、
前記顕色剤は、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと下記一般式(1)
【化1】

で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物とを、1/1以上1/0.1以下の割合で含有し、
前記ロイコ染料の平均粒子径は、0.15μm以上0.8μm以下であることを特徴とする感熱記録材料。
【請求項2】
前記ロイコ染料は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジペンチルアミノフルオラン及び2−アニリノ−3−メチル−6−[エチル(4−メチルフェニル)アミノ]フルオランからなる群から選択された少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
【請求項3】
前記支持体と感熱発色層との間に、中空率50%以上のプラスチック中空粒子を含むアンダー層をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
【請求項4】
前記感熱発色層上に、顔料と水溶性樹脂とを有するオーバー層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項5】
プラスチックフィルム又は合成紙上に前記感熱発色層を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項6】
前記支持体の前記裏面上にバック層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項7】
前記支持体の前記裏面側に粘着剤層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項8】
前記支持体の前記裏面側に磁気記録層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感熱記録材料。

【公開番号】特開2006−175673(P2006−175673A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369792(P2004−369792)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】