説明

懸賞付き広告支援システム

【課題】新聞や雑誌等の媒体に掲載された懸賞応募付き広告に対して、携帯電話で通信できる場所から簡単に応募できる懸賞付き広告支援システムを得る。
【課題を解決するための手段】携帯電話20を用いて商品若しくは役務の広告に付された懸賞情報12を取得し所定の送信先に送信することにより、前記商品若しくは役務に対して実施されている懸賞への応募を行う懸賞付き広告支援システムであって、前記広告には設問11が設定されているとともに、前記設問内容,送信先情報を含む懸賞情報12が表示され、前記携帯電話20は、前記懸賞情報を読み取る撮像手段(カメラ21)と、前記撮像手段で読み取られた前記懸賞情報に基づいて、設問内容をディスプレイ部22に表示して応募に必要な処理を行う懸賞応募処理手段と、前記撮像手段で読み取られた送信先情報に基づいて、前記設問内容の回答及び前記懸賞応募処理手段に予め記録された個人情報を送信する応募送信手段とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞や雑誌等の広告において、商品若しくは役務に対して実施されている懸賞について応募を行う場合の懸賞付き広告支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を販売する若しくは役務を提供する企業の中には、自社の商品やサービスをユーザーに告知するために懸賞付きの広告を実施する場合がある。この懸賞付き広告は、例えば新聞や雑誌の紙面上に商品やサービスの広告とともに、懸賞応募に際して商品名の一部を答えさせるような簡単な設問への回答を義務づけ、ユーザーに商品名等を確実に覚えてもらうような形態が取られている。
【0003】
このような懸賞に応募する場合、応募者は設問に対する回答、及び、賞品などの発送に必要な住所,氏名,年齢などを官製はがきに記入して懸賞実施者へ送付することで応募が受け付けられる。
また、近年のインターネットの普及によりウェッブサイト上でも紙面と同様の内容の懸賞応募を受け付ける例もあるが、この場合、応募者は懸賞実施者のウェッブサイトへアクセスし、前記回答,住所,氏名,メールアドレスなどの事項の入力をキーボードで行い、送信することで応募が受け付けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述のような応募の方法であると、前者の場合には懸賞応募を行う毎に懸賞への回答と合わせ住所や氏名などの個人情報のはがきへの記入が、後者の場合にも個人情報のキーボードでの入力がそれぞれ必要であり利便性が悪いという欠点がある。
加えて後者の場合には、懸賞実施者のウェッブサイトへアクセスし懸賞応募画面を表示させることが必要であり、煩雑であるという問題点もあった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、広告に対して懸賞応募を行う際に応募者側の作業を簡易化し、携帯電話で通信できる場所ならいつでもどこでも手軽に短時間で応募できる懸賞付き広告支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、携帯電話20を用いて商品若しくは役務の広告に付された懸賞情報12を取得し所定の送信先に送信することにより、前記商品若しくは役務に対して実施されている懸賞への応募を行う懸賞付き広告支援システムであって、次の構成を含むことを特徴としている。
前記広告には設問11が設定されているとともに、前記設問内容,送信先情報を含む懸賞情報12が表示されている。
前記携帯電話20は、
前記懸賞情報を読み取る撮像手段(カメラ21)と、
前記撮像手段で読み取られた前記懸賞情報に基づいて、設問内容をディスプレイ部22に表示して応募に必要な処理を行う懸賞応募処理手段と、
前記撮像手段で読み取られた送信先情報に基づいて、前記設問内容の回答及び前記懸賞応募処理手段に予め記録された個人情報を送信する応募送信手段と
を具備している。
【0007】
請求項2は、請求項1の懸賞付き広告支援システムにおいて、懸賞情報は二次元バーコードで表示されることを特徴としている。
【0008】
請求項3は、請求項1の懸賞付き広告支援システムにおいて、前記懸賞情報には、前記広告が掲載された媒体の情報を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、商品若しくは役務の設問付きの広告に付された懸賞情報を携帯電話20の撮像手段(カメラ21)で取得することにより、携帯電話の懸賞応募処理手段に前記設問の内容,送信先情報が取り込まれ、設問内容が携帯電話のディスプレイ部22に表示される。
応募者は、設問の回答を入力するとともに、既に登録済の自分の住所及び氏名などの個人情報を再度入力することなく前記送信先情報から得た送信先へ応募送信手段により送信することができる。
【0010】
したがって、本発明の懸賞付き広告支援システムによれば、応募者の住所や氏名などの個人情報を懸賞毎に入力する必要がなく、広告に対して懸賞応募を行う際に応募者側の作業を簡易化することができる。
また、広告(懸賞)実施者側においては、懸賞情報に広告が掲載された媒体の情報を含ませることで、媒体毎の広告効果(どの新聞や雑誌の広告を使用したかの情報)を把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態の一例としての懸賞付き広告支援システムについて、図1を参照しながら説明する。
懸賞付き広告支援システムは、図1に示すように、懸賞付き広告が掲載される広告媒体10と、画像取り込み用のカメラ(撮像手段)付き携帯電話20と、インターネット30を介して携帯電話20と接続される広告実施者の懸賞管理サーバー40とから構成されている。
【0012】
広告媒体10は、新聞や雑誌の紙面であり、懸賞付き広告が掲載されているとともに、懸賞応募に際して回答を義務づける簡単な設問11が掲載されている。この設問11は、例えば商品名やキャッチフレーズ中の3〜5文字を答えさせるもので、広告紙面を注意して見れば正解を導き出せるようなものである。
そして、懸賞応募に際して必要な事項が記載された応募要領の近くに、二次元バーコード(QRコード)から成る懸賞情報12が表示されている。この懸賞情報12には、懸賞実施者の懸賞管理サーバー40に接続するためのアドレス,懸賞対象商品(サービス),応募期限,広告が掲載された媒体名(例えば○○新聞),広告に掲載された設問内容及び送信用解答欄の情報が含まれている。
【0013】
携帯電話20は、懸賞情報(二次元バーコード)12を読み取るためのレンズ付きカメラ(撮像手段)21と、撮像画像を表示するディスプレイ部22を有している。また、携帯電話20は二次元バーコードを読取可能な読取ソフトを内在して構成されるとともに、応募処理を行うための応募支援ソフト(アプリケーションソフト)が格納されている。この応募支援ソフトは、所定のホームページにアクセスし、ダウンロードして携帯電話内に格納されるもので、携帯電話20に懸賞応募処理及び応募送信処理を行わせるためのものである。
【0014】
すなわち携帯電話20では、カメラ21で読み取られた懸賞情報12の設問情報に基づいて、設問内容をディスプレイ部22に表示することで応募に必要な処理を行う(懸賞応募処理手段)とともに、カメラ21で読み取られた懸賞情報12の送信先情報に基づいて、前記設問内容の回答画面を表示し、懸賞応募処理手段に予め記録された個人情報についてインターネット30を介して懸賞実施者の懸賞管理サーバー40へ送信できるようになっている(応募送信手段)。
【0015】
懸賞管理サーバー40は、携帯電話20からの設問回答及び個人情報,媒体情報等懸賞管理に必要な情報を受信し、回答が正解であるかどうかを判断するとともに、当該回答にかかる個人情報を懸賞管理サーバー40内の懸賞応募管理テーブルに記録するものである。記録に際しては、例えば、広告された媒体情報を検出し、媒体毎の懸賞応募管理テーブルに個人情報を記録する。又は、各個人情報に媒体情報を付加して一つの懸賞応募管理テーブルに記録するようにしてもよい。
【0016】
次に、懸賞付き広告支援システムを使用した懸賞応募を行う手順について、図1乃至図3を参照しながら説明する。
懸賞応募を行う前提として、携帯電話20に懸賞応募処理及び応募送信処理を行わせるための応募支援ソストをダウンロードさせておく。これは所定のホームページにアクセスし、無料で応募支援ソフトを携帯電話20にダウンロードできるようになっている。
【0017】
携帯電話20のユーザーは、応募支援ソフトを立ち上げると、ディスプレイ部21に撮影画面50が表示される(図2)。撮影画面50の下方には撮影窓51、設定窓52が表示されてカーソルにより選択可能になっている。撮影窓51は懸賞情報(二次元バーコード)12を撮影する際に使用するものである。設定窓52を選択すると、個人情報画面60が表示され、住所、氏名、生年月日、性別、職業、メールアドレス等を入力し設定窓61を選択することで携帯電話20に記憶させ、撮影画面50に戻って初期設定が終了する。
【0018】
懸賞に応募する場合には、先ず、携帯電話20で応援支援ソフトを立ち上げ(ステップ201)、撮影画面50を表示させる。次に、撮影窓51を選択することで携帯電話20を撮影モード画面70にし撮影対象を表示させる。携帯電話20のカメラ21により新聞等に表示された懸賞情報(二次元バーコード)12全体を撮影モード画面70に表示させ、携帯電話20側の実行キー(シャッターに相当するキー)23を押すことで懸賞情報12を読み取る(ステップ202)。
【0019】
懸賞情報12が読み取られると、ディスプレイ部22に設問画面80が表示される。設問内容は懸賞情報(二次元バーコード)12で読み取った情報から表示されるもので広告毎に異なるものである。設問画面80の下方に表示された入力窓81を選択すると回答画面90が表示され、携帯電話20のキーから文字の入力が可能となる。回答を入力した後(ステップ203)に携帯電話20側の実行キーを押すと、設問に回答が合成された確認画面100が表示される。
確認画面100の下方の送信窓101を選択することで、回答及び既に自らの携帯電話に記憶されている個人情報、懸賞情報12から携帯電話20に読み取られた懸賞商品情報及び媒体情報が懸賞管理サーバー40に送信される(ステップ204)。
【0020】
この場合、応募途中において個人情報画面60は表示しないようにしたが、個人情報の内容を変更したい場合には撮影画面50の設定窓52を選択することで個人情報画面60を表示させることができ、この画面において変更することができる。
また、応募途中に個人情報画面60が表示されるような流れにしてもよい。
【0021】
また、懸賞商品情報及び媒体情報についても、懸賞情報(二次元バーコード)12に含まれているものであるが、携帯電話20側には表示されることなく送信される。その際、個人情報を送信することにつき、本人の承諾確認(確認キーを押す等)をあらためて求めるようにしてもよい。
【0022】
懸賞管理サーバー側では送信された回答,個人情報,懸賞商品情報及び媒体情報を受信し、懸賞商品情報によりどの懸賞の応募であるかを特定し(ステップ205)、その懸賞の応募期限内かどうかを判断する(ステップ206)。応募期限が経過している場合は、送信元のアドレスにメールをその旨のメールを送信する(ステップ207)。
【0023】
応募期間内であれば、回答が様式に基づく要件を満たした内容であるかどうかを判断する(ステップ208)。 回答が要件を満たしていないの場合は、送信元のアドレスにメールをその旨のメールを送信し(ステップ209)、再度アクセスするように喚起する。この間、回答が正解であるかを判断し、不正解の場合にはその旨のメールを送信するようにしてもよい。
回答を元に広告媒体の特定を行い(ステップ210)、媒体毎の懸賞応募管理テーブルに関係情報を登録し(ステップ211)、応募完了メールを送信元のアドレスに送信する(ステップ212)。
携帯電話20側では、応募完了メールを受けて応募支援ソフト(アプリケーションソフト)を終了する。
【0024】
別の懸賞に応募する場合や、再度同じ懸賞に応募するような場合は、携帯電話20で再度応募支援ソフトを立ち上げ、上述の作業を繰り返すことで行うことができる。
【0025】
上記システムでは、懸賞情報12として二次元バーコードであるQRコードを使用したが、携帯電話20のカメラ21で読み取り可能な表示であればよい。
【0026】
上記システムによれば、懸賞情報(二次元バーコード)12を読み取るだけで、携帯電話から容易に懸賞に応募することができる。
住所・氏名などの個人情報は携帯電話20の応募支援ソフト(アプリケーションソフト)に記録されているので、懸賞毎にはがきに記入したり、WEBサイト上で入力したりする手間を省くことができる。
携帯電話20のユーザーの個人情報は、自分の携帯電話にのみ記録されており、個人情報の外部への提供はその都度の応募にかかるものに限定された使用となっており、それ以外の個人情報の流出はなくプライバシーを確保できる。
【0027】
また、広告(懸賞)実施者側においては、媒体毎の懸賞応募管理テーブルで応募の管理ができるので、どの媒体の広告効果が高いかを容易に把握することができる。
【0028】
また、近年GPS機能付きの携帯電話が存在するが、GPS機能付きの携帯電話を使用することで、懸賞に応募した際のユーザーの居場所を懸賞管理サーバー側で確認することができる。すなわち、GPS機能付き携帯電話は、格納されているソフトを起動することでGPSを受信し現在地を把握するものであるが、懸賞応募に際して懸賞実施者が設問回答とともに「現在地の入力」を要求し携帯電話操作者がこの現在地情報を送信するようにすれば、懸賞応募を行った「現在地」の情報が懸賞管理サーバー40へ送信され管理することが可能となる。
この情報により、懸賞実施者は、どのイベント開催時に懸賞応募が多いかというようなイベント開催や場所と懸賞応募との関連情報を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る実施の形態の一例としての懸賞付き広告支援システムを示す構成図である。
【図2】懸賞応募者が携帯電話で行う懸賞応募を行う際に表示される各画面の説明図である。
【図3】懸賞応募者の情報が懸賞管理サーバーに登録されるまでの流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0030】
10 広告媒体
11 設問
12 懸賞情報(二次元バーコード)
20 携帯電話
21 カメラ(撮像手段)
22 ディスプレイ部
30 インターネット
40 懸賞管理サーバー
50 撮影画面
60 個人情報画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話を用いて商品若しくは役務の広告に付された懸賞情報を取得し所定の送信先に送信することにより、前記商品若しくは役務に対して実施されている懸賞への応募を行う懸賞付き広告支援システムであって、
前記広告には設問が設定されているとともに、前記設問内容,送信先情報を含む懸賞情報を示す2次元バーコードが表示され、
前記携帯電話は、
前記懸賞情報を読み取る撮像手段と、
前記撮像手段で読み取られた前記懸賞情報に基づいて、設問内容をディスプレイ部に表示して応募に必要な処理を行う懸賞応募処理手段と、
前記撮像手段で読み取られた送信先情報に基づいて、前記設問内容の回答及び前記懸賞応募処理手段に予め記録された個人情報を送信する応募送信手段と
を具備することを特徴とする懸賞付き広告支援システム。
【請求項2】
懸賞情報は二次元バーコードで表示される請求項1に記載の懸賞付き広告支援システム。
【請求項3】
前記懸賞情報には、前記広告が掲載された媒体の情報を含む請求項1に記載の懸賞付き広告支援システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−185178(P2006−185178A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378139(P2004−378139)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(504449136)株式会社リンフネット (1)
【Fターム(参考)】