説明

成形可能なガスケットを備える燃料電池及び該燃料電池を作る方法

【課題】成形可能なガスケットを備える燃料電池及び該燃料電池を作る方法を提供する。
【解決手段】電気化学的変換アッセンブリを備える装置は、複数の電気化学的変換電池20と、複数の導電性二極式プレート30とを備え、該電気化学的変換電池は隣接する二極式プレートの間に配置されている。電気化学的変換アッセンブリは、複数の変換アッセンブリガスケット40であって、各々の変換アッセンブリガスケットは前記複数の二極式プレートの対応する二極式プレート上で成形されている、前記複数の変換アッセンブリガスケットを更に備える。前記変換アッセンブリガスケットは、フッ化ポリビニリデン(PVDF)を含む混合物を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して電気化学的変換燃料電池に係り、詳しくは、二極式プレートの間に配置された電気化学的変換電池に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば水素及び酸素の酸化及び還元を通して、第1及び第2の反応物を処理することによって電気的エネルギーを生成する、一般に燃料電池と称される電気化学的変換電池に関する。これに限定されない例を用いると、典型的なポリマー電極燃料電池は、一対のガス拡散媒体層と触媒層との間に配置されたポリマー膜(例えば、陽子交換膜)を備えている。カソードプレート及びアノードプレートは、ガス拡散媒体層に隣接した最外側部に位置しており、前述した構成要素は、電池ユニットを形成するように緊密に圧縮される。
【0003】
単一の電池ユニットにより提供された電圧は、典型的には、役立つ用途にとっては小さすぎる。従って、典型的には複数の電池が配列され、電気化学的変換アッセンブリ又は燃料電池の電気的出力を増加させるようにスタック内に連続的に接続される。この配列では、2つの隣接する電池ユニットは、2つの隣接する電池ユニットに対してアノード及びカソードとして機能する共通の極プレートを共有してもよい。そのようなプレートは、一般に二極式プレートと称され、典型的には、反応物及び冷却剤の連係する電池への分配を強化するため内部に流れ場を画定させている。燃料電池のための二極式プレートは、典型的には、電気化学的に安定し、かつ、導電性であることが要求されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の実施態様では、電気化学的変換アッセンブリを備える装置が提供される。該電気化学的変換アッセンブリは、複数の電気化学的変換電池と、複数の導電性二極式プレートであって、前記電気化学的変換電池は隣接する二極式プレートの間に配置されている、前記複数の導電性二極式プレートと、を備える。電気化学的変換アッセンブリは、複数の変換アッセンブリガスケットであって、各々の変換アッセンブリガスケットは前記複数の二極式プレートの対応する二極式プレート上で成形されている、前記複数の変換アッセンブリガスケットを更に備える。前記変換アッセンブリガスケットは、フッ化ポリビニリデン(PVDF)を含む混合物を含んでいる。
【0005】
本発明の第2の実施態様では、電気化学的変換アッセンブリを備える装置が提供される。該電気化学的変換アッセンブリは、複数の電気化学的変換電池であって、各変換電池は、膜電極アッセンブリを備える、前記複数の電気化学的変換電池を備える。、電気化学的変換アッセンブリは、複数の導電性二極式プレートであって、前記電気化学的変換電池は、隣接する二極式プレートの間に配置されている、前記複数の導電性二極式プレートを更に備える。前記電気化学的変換電池は、前記膜電極アッセンブリ上に成形された複数の変換アッセンブリガスケットであって、前記変換アッセンブリガスケットは、フッ化ポリビニリデン(PVDF)を含む混合物を含んでいる、前記複数の変換アッセンブリガスケットを更に備える。
【0006】
本発明の第3の実施態様では、電気化学的変換アッセンブリを製作する方法が提供される。本方法は、複数の電気化学的変換電池と、複数の導電性二極式プレートと、を提供する工程を備える。本方法は、更に、フッ化ポリビニリデン(PVDF)と溶媒とを含む混合物を、該溶媒中で前記PVDFを分解することによって形成し、前記混合物を前記複数の二極式プレート上に塗布し、前記複数の二極式プレート上に前記複数の変換アッセンブリガスケットを形成するのに十分な温度及び持続時間で、前記混合物を圧力下で加熱する、各工程を備える。
【0007】
本発明の第4の実施態様では、電気化学的変換アッセンブリを製作する方法が提供される。本方法は、膜電極アッセンブリを備える複数の電気化学的変換電池と、複数の導電性二極式プレートと、を提供する工程を備える。本方法は、更に、フッ化ポリビニリデン(PVDF)と溶媒とを含む混合物を、該溶媒中で前記PVDFを分解することによって形成し、前記混合物を前記膜電極アッセンブリ上に塗布し、前記膜電極アッセンブリ上に前記複数の変換アッセンブリガスケットを形成するのに十分な温度及び持続時間で、前記混合物を圧力下で加熱する、各工程を備える。
【0008】
本発明の他の特徴及び利点は、本明細書で具体化された本発明の記載から明らかとなろう。
【実施例】
【0009】
本発明の特定の実施例の次の詳細な説明は、添付図面と関連付けて読むとき最も良く理解することができる。添付図面では、同様の構成要件は同様の参照番号で指し示され、図面の様々な構成要素は、必ずしもスケール通りに示されてはいない。
【0010】
ここで図1乃至図5を参照すると、本発明に係る電気化学的変換アッセンブリ10が示されている。一般には、電気化学的変換アッセンブリ10は、複数の電気化学的変換電池20と、複数の導電性二極式プレート30と、を備える。複数の電気化学的変換電池は、ポリマー交換膜(PEM)燃料電池を備えていてもよい。アッセンブリが各々の電気化学的変換電池20の幾つか又は全ての間で1つ以上の二極式プレート30を利用する限り、本発明によって、様々な変換アッセンブリの構成が考えられる。実際に、変換アッセンブリ10及び個々の変換電池20の特定の構成は、本発明の範囲以外の事項であり、電気化学的変換電池20と連通する第1及び第2の化学反応供給部R、Rから電気を発生することができるアッセンブリの設計に関連した任意の現存する技術又は発展途上の技術から突き止めることができる。1つ又はそれ以上の反応物の出口Routも設けられている。
【0011】
本発明に係る二極式プレート30の特定の構成の多くの態様も、本発明の範囲以外の事項である。例えば、図1に参照されるように、本発明に係る二極式プレート30は、流れ場部分32と、流れ場部分32に連結された流体ヘッダー部34と、を備えていてもよい。図2に示されるように、流れ場部分32は、二極式プレート30の両導電性側部36、38の間に形成された流れ場チャンネル35を備えていてもよい。
【0012】
図3に示されるように、隣接する電気化学的変換電池20は、複数の二極式プレート30の各々によって分離されている。電気化学的変換アッセンブリにおける流体反応物及び生成流れの漏れを最小にするため、ガスケットは、漏れ耐性シール部として機能することができる。しかし、燃料電池にガスケットを設けることは、かなり困難となる。燃料電池の酸性環境が、金属材料及び非金属材料に攻撃を加えるからである。更には、ガスケットは電気化学的に安定し、圧縮可能で、安価で、利用可能なものでなくてはならない。
【0013】
図2に示されるように、二極式プレート30は、二極式プレート30上に成形された変換アッセンブリガスケット40を備えていてもよい。ガスケット40は、二極式プレート30の一方の側部又は両方の側部36、38に成形されていてもよい。図2の実施例を参照すると、ガスケットのシール部40は、ガスケット40が二極式プレート30と変換電池20との間に配置されるように、二極式プレート30上に成形されてもよい。この実施例では、ガスケット40は、流れ場チャンネル35を取り囲む外側周辺部の少なくとも一部分を密封するように寸法が定められた開放略矩形形状を画定する。
【0014】
図5に参照されるように、変換アッセンブリガスケットは、電気化学的変換電池の膜電極アッセンブリ200へと組み込まれていてもよい。膜電極アッセンブリ200は、多層構成、例えば、図5の7層構成を備えていてもよく、よって、ガスケットの配置が変わり得る。図5に示されるように、少なくとも1つのガスケット膜220が膜210上に成形される。本実施例では、ガスケット220は、膜210の外側周辺部を密封するように寸法が定められた開放式略矩形形状を画定する。膜電極アッセンブリ200は、更に、少なくとも1つの電極層230と、少なくとも1つのガス分配層240と、を備えていてもよい。図5は、2電極層を示し、一方の電極はアノード層であり、他方の電極はカソード層である。図5に示された一例としての実施例では、電極層230及びガス分配層240は、膜電極アッセンブリ200を介した反応物流れを容易にするためガスケット220の開口部内に配置される。更なる実施例では、電気化学的変換アッセンブリ10は、図2及び図5に示されるように、二極式プレート上のガスケットと、膜とを備えていてもよい。本明細書で説明されたガスケットに加えて、当業者に知られている、他のガスケット形状、サイズ及び形態も本発明において考えられる。
【0015】
変換アッセンブリガスケットは、フッ化ポリビニリデン(PVDF)を含む混合物を含んでいる。一実施例では、当該混合物は、例えば、ソルベイ・ソレキシス(R)によって製造されているハイラー(R)461などのPVDFホモポリマーを含んでいる。更に別の実施例では、当該混合物は少なくとも1種類の溶媒を含んでいる。溶媒は、PVDF材料を分解するため有効となる任意の適切な材料を含むことができる。一例としての実施例では、当該溶媒は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、又は、それらの組み合わせを含む炭酸塩である。PVDF材料を、炭酸塩内で十分に分解するように選択することができる。分解時には、電極膜アッセンブリ又は二極式プレートの膜上に成形することができるペーストが形成される。例えば、これに限定されない例では、ペーストは、60重量%のPVDFホモポリマーと、40重量%の炭酸プロピレンとを含んでいてもよい。
【0016】
任意の適切なPVDF材料を使用することができるが、例えば、ハイラー(R)461等のPVDFホモポリマーは、追加の利点を提供することができる。典型的なフルオロカーボンとは異なり、ハイラー(R)は、炭酸エチレン/炭酸プロピレン内で分解し、ハイラー(R)を二極式プレートへと射出成形することを可能とする。更には、ハイラーは、テフロンファミリーからのものであるので、化学的に不活性であり、膜電極アッセンブリの膜に直接適用することができる。
【0017】
上記とは対照的に、ハイラー(R)は、ガスケット内でその有効性を容易にする優れた化学的安定性を有する。ハイラー(R)は、約1.76cmの密度と、約158℃から約160℃の融点とを持っている。ハイラー(R)は、優れた熱的安定性を示す。例えば、高温では、ハイラー(R)は、410℃の温度でNの1%の質量損失を示すだけである。高温における安定性は、高温陽子交換膜燃料電池スタックでガスケット材料としてハイラーを使用することを可能にし、ハイラーガスケットは、約120℃から約150℃の間の作動温度、並びに、遙かに高い温度で膜と接触し得る。
【0018】
ハイラー(R)は、より低温、例えば、氷点下温度で熱的に安定する。例えば、ハイラー(R)は、約−39℃のガラス繊維温度を示す。ハイラー(R)は、電気的絶縁材料であるため、ガスケットシール部で使用するのに望ましい。例えば、ハイラー(R)は、23℃で約1×1015オーム-cmの体積抵抗率を持ち、約6kV/mmの絶縁耐力を有する。フルオロポリマー、又は、ゴム若しくはシリコンを基にしたガスケット等の他のガスケットとは異なり、ハイラー(R)は化学的に不活性である。例えば、ハイラー(R)は、約0.02重量%だけ野水吸収によって実証されるように、水と反応もしなければ吸収もしない。ハイラー(R)は、典型的には、燃料電池ガスケット内で圧縮されるので、ガスケットの水吸収は、0.02重量%さえも下回っている。更には、ハイラー(R)は、音機械特性を示し、該特性は、その長期間に亘る安定性に寄与している。例えば、ハイラー(R)は、約100%の引張破断伸度を示し、約10%の引張降伏点伸度を示す。その上、ハイラー(R)は、約190000psi即ち約1310Mpaの引張弾性率を有する。
【0019】
図2に示されるようにガスケット40が二極式プレート30に提供されるか又は図5に示されるようにガスケット220が膜210に提供される、電気化学的変換アッセンブリを製作することは、当業者に知られている様々な方法を利用している。一実施例では、本方法は、複数の電気化学的変換電池と、複数の導電性二極式プレートとを提供し、フッ化ポリビニリデン(PVDF)と、溶媒と、を含む混合物を、PVDF材料を溶媒中で分解することにより形成する、各工程を備える。上記したように、多数の実施可能なPVDF/溶媒組成が、実施可能となり、例えば、炭酸プロピレン又は炭酸エチレン内で分解されたポリマーハイラー(R)461を含むペーストフォーミュレーションが実施可能となる。混合物は、複数の二極式プレート又は膜電極アッセンブリ上に塗布されてもよい。混合物は、例えばスクリーン印刷又はブラッシング等の当業者に知られている任意の適切な塗布又は堆積方法を介して塗布することができる。一例としての実施例では、当該混合物は、射出成形プロセスを通して、二極式プレート又は膜電極アッセンブリ上に成形されている。塗布後には、当該混合物は、複数の二極式プレート上に又は膜電極アッセンブリ上に又はそれらの両方に、複数の変換アッセンブリガスケットを形成するのに十分な温度及び持続時間で、加圧された状態で加熱される。加熱の間、温度は、約5時間以内の持続時間で約150℃から約200℃の間の範囲に亘り得る。当該圧力は、加熱プレス機、又は、当業者に知られている他の任意の適切な圧力装置を通して印加することができる。一例としての実施例では、ハイラー(R)461及び炭酸プロピレンを含むペースト混合物は、160℃で3分間に亘り当該混合物を加熱加圧することによりガスケットへと成形された。他の処理パラメータ及び/又は工程も本実施例において案出される。
【0020】
上記したように、変換アッセンブリ10及び個々の変換電池20の特定の構成は、本発明の範囲以外の事項である。しかし、典型的な変換アッセンブリは、各々の膜電極アッセンブリを備え、該膜電極アッセンブリは、各々の反応物供給物としての水素ガス及び空気で作動するように構成されている。再び、これに限定されない例を用いると、電気化学的変換電池20は、各々の電解質膜と、ガス拡散層と、触媒構成要素と、炭素質構成要素と、導電性構成要素と、それらの組み合わせとを含んでいる。最終的には、図1及び図2に示された二極式プレート30は二極式プレート30の両導電性側部の間に形成された流れ場を備えているが、適切な二極式プレート構成は、必ずしも流れ場を備える必要はないと予想される。
【0021】
図4を参照すると、本発明に係る装置は、車両100と、本発明に係る電気化学的変換アッセンブリ110と、を備えていてもよい。電気化学的変換アッセンブリ110は、車両100に動力を少なくとも部分的に提供する用に構成することができる。車両100は、電気化学的変換アッセンブリ110に燃料を供給するように構成された燃料処理システム又は燃料源120を持っていてもよい。
【0022】
本発明は、任意の特定の反応物組成に限定されるものではないが、本発明を実施しかつ燃料電池技術に通じている当業者によって、第1の反応供給物Rは、典型的には、酸素及び窒素を含み、第2の反応供給物Rは水素を含んでいることを理解されよう。
【0023】
なお、「好ましくは、」、「一般に」及び「典型的に」のような用語は、請求項に係る発明の範囲を制限するために本明細書で利用されているのではなく、また幾つかの特徴が臨界的、本質的又は請求項に係る発明の構成又は機能にとって重要であることを意味するために本明細書で使用されているのではない。これらの用語は、代替又は追加の特徴を強調することを単に意図しているのに過ぎず、本発明の特定の実施例で利用されていても利用されていなくてもよい。
【0024】
本発明を説明し定義するという目的のために、「装置」という用語は、構成部品が他の構成部品と結合されたか否かには関わりなく、構成部品の組み合わせ及び個々の構成部品を表すため本明細書で利用されている。例えば、本発明に係る「装置」は、電気化学的変換アッセンブリ又は燃料電池、本発明に係る電気化学的変換アッセンブリを組み込む車両を含むことができる。
【0025】
本発明を説明するという目的のため、「実質的に」という用語は、定量的比較値、値、測定値又は他の表現に帰すことができる不確定さの固有の度合いを表すため本明細書で利用されている。「実質的に」という用語は、定量的表現が主題の事項の基本的機能に変化をもたらすこと無く、述べられた参照値からばらつき得る度合いを表すためにも本明細書で利用されている。
【0026】
本発明を詳細にその特定の実施例を参照して説明したが、様々な変更及び変形が、添付した請求の範囲に規定された本発明の範囲から逸脱すること無く可能となる。より詳しくは、本発明の幾つかの態様は、好ましいものとして又は特に利点のあるものとして本明細書で同定されたが、本発明は、本発明のこれらの好ましい態様に必ずしも限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の1つ以上の実施例に係る二極式プレートの図である。
【図2】図2は、本発明の1つ以上の実施例に係るガスケットを備える二極式プレートの断面図である。
【図3】図3は、本発明の1つ以上の実施例に係る電気化学的変換アッセンブリの概略図である。
【図4】図4は、本発明の1つ以上の実施例に係る、燃料処理システム及び電気化学的変換アッセンブリの概略図である。
【図5】図5は、本発明の1つ以上の実施例に係る、成形されたガスケットを備える膜電極アッセンブリの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学的変換アッセンブリを備える装置であって、
前記電気化学的変換アッセンブリは、
複数の電気化学的変換電池と、
複数の導電性二極式プレートであって、前記電気化学的変換電池は隣接する二極式プレートの間に配置されている、前記複数の導電性二極式プレートと、
複数の変換アッセンブリガスケットであって、各々の変換アッセンブリガスケットは前記複数の二極式プレートの対応する二極式プレート上に成形され、前記変換アッセンブリガスケットは、フッ化ポリビニリデン(PVDF)を含む混合物を含んでいる、前記複数の変換アッセンブリガスケットと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記混合物は、PVDFホモポリマーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記PVDFホモポリマーは、約1.76cmの密度を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記PVDFホモポリマーは、約158℃乃至約160℃の融点を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記PVDFホモポリマーは、410℃の温度で、Nにおいて約1%の質量損失を示す、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記PVDFホモポリマーは、約−39℃のガラス遷移温度を示す、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記PVDFホモポリマーは、23℃で約1×1015オーム-cmの体積抵抗率を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記PVDFホモポリマーは、約6kV/mmの絶縁耐力を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記PVDFホモポリマーは、約0.02重量%の最大水吸収率を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記PVDFホモポリマーは、約100%の引張破断伸度と、約10%の引張降伏点伸度と、を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記PVDFホモポリマーは、約1310Mpaの引張弾性率を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
前記混合物は、少なくとも1種類の溶媒を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記溶媒は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン又はそれらの組み合わせを含む炭酸溶媒である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記混合物は、60重量%のPVDFホモポリマーと、40重量%の炭酸プロピレンと、を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記二極式プレートは、該二極式プレートの両導電性側部の間に画定された流れ場を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記電気化学的変換電池は、各々の膜電極アッセンブリと、電解質膜と、ガス拡散層と、触媒成分と、炭素質成分と、導電性成分と、それらの組み合わせと、を更に含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
水素ガスを前記電気化学的変換アッセンブリに提供するための燃料処理システム又は燃料源を更に備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が車両であり、前記電気化学的変換アッセンブリが、前記車両に動力を少なくとも部分的に提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
電気化学的変換アッセンブリを備える装置であって、
前記電気化学的変換アッセンブリは、
複数の電気化学的変換電池であって、各変換電池は、膜電極アッセンブリを備える、前記複数の電気化学的変換電池と、
複数の導電性二極式プレートであって、前記電気化学的変換電池は、隣接する二極式プレートの間に配置されている、前記複数の導電性二極式プレートと、
前記膜電極アッセンブリ上に成形された複数の変換アッセンブリガスケットであって、前記変換アッセンブリガスケットは、フッ化ポリビニリデン(PVDF)を含む混合物を含んでいる、前記複数の変換アッセンブリガスケットと、
を備える、装置。
【請求項20】
前記膜電極アッセンブリは、少なくとも1つのポリマー電解質層と、少なくとも1つのアノード層と、少なくとも1つのカソード層と、を備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記複数の二極式プレート上に成形された変換アッセンブリガスケットを更に備える、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
電気化学的変換アッセンブリを製作する方法であって、
複数の電気化学的変換電池と、複数の導電性二極式プレートと、を提供し、
フッ化ポリビニリデン(PVDF)と溶媒とを含む混合物を、該溶媒中で前記PVDFを分解することによって形成し、
前記混合物を前記複数の二極式プレート上に塗布し、
前記複数の二極式プレート上に前記複数の変換アッセンブリガスケットを形成するのに十分な温度及び持続時間で、前記混合物を圧力下で加熱する、各工程を備える、方法。
【請求項23】
前記ガスケットは、射出成形プロセスを通して施される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記温度は、約150℃乃至約200℃の間である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記持続時間は約5時間以内である、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記圧力は加熱プレス機によって印加される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
電気化学的変換アッセンブリを製作する方法であって、
膜電極アッセンブリを備える複数の電気化学的変換電池と、複数の導電性二極式プレートと、を提供し、
フッ化ポリビニリデン(PVDF)と溶媒とを含む混合物を、該溶媒中で前記PVDFを分解することによって形成し、
前記混合物を前記膜電極アッセンブリ上に塗布し、
前記膜電極アッセンブリ上に前記複数の変換アッセンブリガスケットを形成するのに十分な温度及び持続時間で、前記混合物を圧力下で加熱する、各工程を備える、方法。
【請求項28】
前記混合物を前記複数の二極式プレート上に塗布し、
前記複数の二極式プレート上に複数の変換アッセンブリガスケットを形成するのに十分な温度及び持続時間で、前記混合物を圧力下で加熱する、各工程を更に備える、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−242616(P2007−242616A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−53871(P2007−53871)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(505212049)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・インコーポレーテッド (221)
【Fターム(参考)】