説明

成形可食性製品中の添加物の改良された吸収法

可食性成形性組成物中へのオイルベース及び/又は水ベース添加剤の吸収をもたらす方法であって、可食性成形性組成物を準備するステップ、オイルベース及び/又は水ベース添加剤を準備するステップ、並びにファイバーを準備するステップ、を含む方法。前記可食性成形性組成物は、オイルベース及び/又は水ベース添加剤並びにファイバーと混合され、オイルベース及び/又は水ベース添加剤はファイバーに選択的に吸収され、さらにファイバーは可食性成形性組成物中に分配されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可食性成形製品の製造法、及びさらに詳細には油系(オイルベース)又は水系(水ベース)添加物の改良された吸収性(取り込み性)を有する成形可食性製品の製造法に関するものであり、さらにこの成形可食性製品はまた、水分の喪失に対する改良された抵抗性を備える。本明細書に開示した製造法は、デンプン、タンパク質、又はグルテン、繊維、香味料及びその他の添加剤を溶融混合し、次に選択した形状に射出成形することを用いる。
【背景技術】
【0002】
多くの犬は、好む材料の硬さについては好みが様々であるが、物を噛むことを楽しんでいる。牛の骨、木、ナイロン(登録商標)、又はポリウレタンなどの非常に硬いものを噛むことが好きな犬もいれば、生皮などのより柔らかい噛み物(チュー:chew)を好む犬もいれば、凍結乾燥したスナックを好む犬もいる。その年齢のために硬い物を噛むことができない犬もいる。若い犬は不充分にしか発達していない歯しか持たず、高齢の犬は歯槽膿漏を患い又はいくつかの歯を失っている可能性もある。
【0003】
多くの全く消化しないものが噛み物(チュー)として犬に与えられ、犬はそれらを噛むことを楽しんでいるけれども、その物は丸ごと又は部分的に飲み込まれうる。ひとたび飲み込まれると、これらの物又はそれらの断片は犬の消化に悪影響を与える可能性があり、さらに生命を脅かす結果を伴って犬の腸管に衝撃を与えることになる可能性がある。
【0004】
この問題を認めて、これまでに可食性ドッグ・チュー(dog chew)が開発されている。それは広範囲の犬の好み又は必要に合わせるために、熱をかけることによって個別に調節可能な質感又は硬さを有するとともに可食性かつ栄養価のあるものである。そのようなドックチューは主にカゼインを含む混合物を利用しており、T.F.H.Publications, Inc.の米国特許第5200212号及び同5240720号に開示されている。その他の、全体が消化可能な可食性ドッグチューも開発されており、それはさまざまなデンプン製品から主に形成されている。
【0005】
本願出願人保有の米国特許第5827565号には、熱膨張性ドッグ・チュー製造法が開示され、主にジャガイモデンプン顆粒及び誘引物質を射出成形することを含んでいる。記載された誘引物質は、チキンパウダー、レバーパウダー、ハム、ターキー、ビーフ、及び又はフィッシュを含む。天然の野菜添加物、例えば、ホウレン草又はニンジンもまた添加されうる。得られる混合物は加熱及び加圧下で所望する形状、例えば、犬用の骨、に成形される。そのように製造された犬用の骨は、その後の加熱、好ましくは電子レンジ中で加熱することによって、質感又は硬さを変えられうる。
【0006】
本願出願人の有する米国特許第5827565号の一部継続出願である米国特許第6126978号においては、チューに対する犬の食欲を増加させるための天然フルーツフレーバーを有するドッグ・チューが開示されている。そのようなフルーツフレーバーをつけたドッグ・チューはまた、犬の所有者に対してチューの魅力を強めるための天然食品着色剤を含むことができる。食品着色はまた天然フルーツフレーバーに相当することができ、そこに開示されたドッグ・チューはまた犬のための口臭清涼剤、例えば、ミント、スペアミント、ペパーミント、又は冬緑油を含むことができ、またパセリを含むこともできる。そのような可食性ドッグ・チューの好ましい形態は、熱膨張性デンプン、例えばジャガイモデンプンの基礎成分を保持していた。天然フルーツフレーバー剤とともに、ジャガイモデンプン、水、及び炭酸カルシウムの混合物にフルーツフレーバー剤が添加されうる。
【0007】
本出願人保有の以下の米国特許にさらに注意が向けられる:「成形された生皮チュー・トイ」の題名の米国特許第5476069号;「野菜ベースのドッグチュー」の題名で1997年9月3日に出願された米国特許出願第08/923070号、現在の米国特許第6093427号;「可食性ドッグチュー」の題名で1997年10月25日に出願された米国特許出願第08/738423号、現在の米国特許第5827565号;「ニンジンベースのドッグチュー」の名称で1997年1月17日に出願された米国特許出願第08/784834号、現在の米国特許第5941197号;「熱変性可能な可食性ドッグチュー」の題名で1998年7月14日に出願された米国特許出願第09/114872号、現在の米国特許第6180616号;「改良された可食性ドッグチュー」の題名で1998年8月21日に出願された米国特許出願第09/138804号、現在の米国特許第6126978号;「変性可能な質感をもつ、小麦&カゼインドッグチュー」の題名で1998年7月15日に出願された米国特許出願第09/116070号、現在の米国特許第6110521号;「熱変性可能なピーナッツドッグチュー」の題名で1998年7月15日に出願された米国特許出願第09/116555号、現在の米国特許第6093441号;「可食性デンプンの成型法」の題名で1999年1月8日に出願された米国特許出願第09/227767号、現在の米国特許第6159516号。それらの特許に加えて、前記特許及び特許出願中に引用された技術にも注意が向けられ、なぜならそのような技術はデンプン又はタンパク質組成物の成形可食性製品の分野に関連しうるからである。
【特許文献1】米国特許第5827565号明細書
【特許文献2】米国特許第6126978号明細書
【特許文献3】米国特許第5476069号明細書
【特許文献4】米国特許第6093427号明細書
【特許文献5】米国特許第5827565号明細書
【特許文献6】米国特許第5941197号明細書
【特許文献7】米国特許第6180616号明細書
【特許文献8】米国特許第6126978号明細書
【特許文献9】米国特許第6093441号明細書
【特許文献10】米国特許第6159516号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
加えて、上記先行技術が可食性チューを提供するための多くの成功した努力を確かなものにしている一方で、それにも関わらず、そのような技術を改良し、添加する香味料をより効果的に吸収し、さらにチュー・トイ製品の改善された賞味期限を提供するチュー・トイを提供することについての継続した要求がある。
【0009】
したがって、オイルベース又は水ベースの香味料/誘引剤の吸収を高めることができ、さらに全体として水分の喪失に対する改善された耐性及び改良された賞味期限をもつ動物用チューを提供することが本発明の目的である。より詳細には、オイルベース及び/又は水ベースの香味添加剤の使用に基づいて、デンプン及びタンパク質の香味付け特性を、ファイバーを介して特に改善することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
〔本発明のまとめ〕
本発明は、可食性成形組成物中への、オイルベース及び/又は水ベースの添加剤の吸収をもたらすための方法を目的とし、この方法は、可食性成形性組成物、オイルベース及び/又は水ベース添加剤、及びファイバーを準備しかつ混合するステップを含む。オイルベース及び/又は水ベースの添加剤は選択的にファイバーに吸収され、ファイバーは可食性成形性組成物中に分配される。
【0011】
第一の具体的態様においては、本発明は、オイルベース及び/又は水ベースの添加剤の、小麦デンプンベース組成物中への吸収をもたらす方法であって、小麦デンプンを準備するステップ、オイルベース及び/又は水ベースの添加剤を準備するステップ、及びオート麦ファイバーを準備するステップを含む方法を目的とする。オイルベース及び/又は水ベース添加剤は選択的に前記オート麦ファイバーに吸収され、前記オート麦ファイバーは前記小麦デンプン中に分配されうる。
【0012】
第二の態様においては、本発明は、オイルベース及び/又は水ベース添加剤の、小麦ベース組成物中への吸収をもたらす方法であって、小麦デンプンを準備するステップ、オイルベース及び/又は水ベース添加剤を準備するステップ、さらにオート麦ファイバーを準備するステップを含む方法を目的とする。オート麦ファイバーは前記オイルベース及び/又は水ベース添加剤と混合され、前記オイルベース及び/又は水ベース添加剤は前記オート麦ファイバーに吸収される。前記オイルベース及び/又は水ベース添加剤を含むオート麦ファイバーは、前記小麦デンプンと混合され、前記オート麦ファイバーは前記小麦デンプン中に分配される。
【0013】
第三の態様においては、本発明は、オイルベース及び/又は水ベース香味料の増加した吸収を有する動物用チューを形成する方法を目的とし、この方法は小麦デンプン、オート麦ファイバー、オイルベース及び/又は水ベース添加剤及び水を混合し、混合物を形成することを含み、水含有量が約20.0〜40.0重量%であり、前記オイルベース及び/又は水ベース香味料が選択的に前記オート麦ファイバーに吸収される。この混合物はベント式バレル押出機内に入れられ且つ加熱されて、押出加工されたビーズ状物が形成され、前記押出機から排出されたときの前記ビーズ状物の含水量は、前記押出機に入った前記混合物の含水量より少なく、さらに前記オイルベース及び/又は水ベース香味料を含む前記オート麦ファイバーは前記小麦デンプン中に分配される。次に前記押出加工されたビーズ状物を加熱射出成形機に入れ、射出成形し、さらに冷却して、成形された物品を形成する。形成された物品の含水量は、約20重量%以下であり、さらに前記射出成形機はホッパー供給部、バレル(barrel)、及び排出ノズルを含み、前記ホッパー部から前記ノズルに及ぶ前記バレル内には複数の加熱ゾーンが含まれ、前記ホッパーに隣接した前記バレル内の前記加熱ゾーンは約150°F未満の温度に保たれている。
【0014】
〔本発明の好ましい態様の説明〕
本発明に従い、オイルベース及び/又は水ベース添加剤の改善された取り込みと保持性をもった可食性成形品を製造する方法が開示される。本発明の方法は、可食性成形性組成物、例えば、デンプン、タンパク質又はグルテンベース組成物と、水、野菜/植物ベースのファイバー、並びに選択した量の前記オイルベース及び/又は水ベース添加剤との初期押出溶融混合、これに続く選択した形状への射出成形を含むことが好ましい。本発明の製品は、チュー・トイ及びペットのためのその他類似形状の製品の形に製造されることが好ましい。
【0015】
本発明と一致して、オイルベース及び/又は水ベース添加剤の取り込みを改善するために野菜/植物ベースのファイバーを用いることは、成形可能なデンプン、成形可能なタンパク質、及び成形可能なグルテンをベースにした可食性成形性組成物を含む可食性成形製品に適用可能である。前述のとおり、ほとんどの植物又は野菜ベースのファイバーは添加剤の取り込みを改良するために好ましく使用されうる。例えば、適したファイバー製品には、セルロース、コーンファイバー、ふすま、オーツ麦ファイバーなどが含まれる。また示唆したように、オイルベース及び水性の添加剤の取り込みは、デンプンベースの可食性成形製品、タンパク質ベースの可食性成形製品、及びグルテンベースの可食性成形製品に対して他に類を見ないほど改善される(これらの製品は典型的には貧弱な添加剤吸収及び保持しか示さない)。典型的なデンプンベースの製品は、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、小麦デンプンなどをベースにすることができる。典型的なタンパク質ベースの製品は、カゼイン、動物性タンパク質(例えば動物の肉)、野菜タンパク質、タンパク質コロイド(類)などをベースにすることができる。
【0016】
一つの典型的な実施態様によれば、成形製品はデンプンベースの物質であって、オイルベース及び水性添加剤の取り込みは、繊維の添加によって改善される。具体的態様においては、デンプンベースの材料は小麦デンプンベースの材料であることができる。さらに、オイルベース及び水性添加剤の取り込みを改善するために用いられるファイバー製品は、オート麦ファイバーベースの製品であることができる。特に、Canadian Harvest社から入手可能なSnowite(登録商標)オート麦ファイバーが、以下の典型的態様の内容に特に適していることを発見した。
【0017】
上述した典型的態様に一致して、デンプンに対して約20〜40重量%の範囲にデンプンの含水量を設定するために、小麦デンプンが水分の予備調節をされうる。水分含有量の調節は、例えば、水分予備調整器内でデンプンと水とを混合することによって達成されうる。水分予備調整器は、調整された予備加湿と、デンプン物質と水との完全混合とをもたらす。これに続いて、デンプン/水の組み合わせ、及びその他の成分、例えば、オート麦ファイバー、オイルベース及び/又は水ベース添加剤、並びに任意選択で充填剤、を混合押出機中に導入する。押出機は二軸押出機であることが望ましいが、一軸押出機も許容可能な結果をもたらしうる。
【0018】
デンプン、水、オート麦ファイバー、及びオイルベース及び/又は水ベースの添加剤、を含む成分は押出機内で加熱され且つ混合される。本発明の状況においては、混合物の含水量は溶融押出時に低下されることが好ましい。押出機は、混合物が溶融加工されて水分が追い出されるときに湿分の排出を容易にするためのベント式バレルを備えることができる。水分レベルの変化をさらに助けるために、排気口において押出機バレルに弱い真空をかけることは有用でありえ、押出物からの水のより効果的な除去をもたらしうる。
【0019】
言及したように、押出機に導入するときの混合物の含水量は、約20〜40重量%の範囲である。このレベルは押出時に低減されることが好ましい。そのように調節された含水量を有する押出物は、都合の良いことには、標準的なペレット化装置を使用してビーズ状物(beads)又はペレットの形状に成形される。
【0020】
ひとたび押出されたビーズ状物が製造されれば、デンプン/オート麦ファイバー/水は任意選択で乾燥機中に入れられ、押出しされた水分レベルよりも低いレベルまで含水量がさらに調節される。デンプン/オート麦ファイバー/水の押出物の水分レベルは約10〜20重量%の範囲内に低下されることが好ましく、この時点において押出物は射出成形のための状態にある。
【0021】
射出成形のステップにおいては、射出成形法は、水分量を約20重量%以下である最終レベルまでさらに低下させるように同様に構成されることが好ましい。しかし、好ましい態様においては、成形製品中の水の最終レベルは約5〜20重量%の間であり、より好ましい態様においては、成形製品の水のレベルは約10〜18重量%に設定され、さらに最も好ましい態様においては、成形製品の水のレベルは約12〜17重量%又は12〜16重量%に設定される。したがって、押出から射出成形までの連続した水の喪失によって、本発明に従って様々な形状の製品の卓越した品質を達成しうることを発見した。
【0022】
当業者はまた、射出成形機は通常、ホッパー供給部、バレル、及び排出ノズルを含み、ホッパー部からノズルまで伸びるバレル内に複数の加熱ゾーンがあることを理解するだろう。本発明の典型的な態様に一致して、ホッパーに隣接した第一のゾーンの温度を約150°F未満の温度に保つことが有利であることを発見した。ホッパーに隣接した第一のゾーンは、約45〜150°Fの範囲に設定されることがより好ましい。より好ましい態様、すなわち、ホッパーに隣接する第一のゾーン、及び第一のゾーンに隣接する第二のゾーンがある状態においては、第一のゾーンの温度は約45〜100°Fに設定され、第二のゾーンは約70〜150°Fに設定される。これらの温度は、射出成形機のバレルの周りに配置された冷却コイルを用いて行うことによって達成することが好ましい。この冷却コイルは、例えば、水を循環させた銅の冷却コイルであることができる
【0023】
射出成形法から最適な結果を達成することに関しては、上述したとおり、上記好ましい温度プロファイルに従って、ホッパー及び供給部に隣接した射出成形機の最初のゾーン又は複数のゾーンを実際に冷却することが有用であることを発見した。このことは典型的な射出成形実務とは対照的であり、典型的な実務では通常は、樹脂の溶融温度より高い、均一な加熱が射出成形装置の全てのゾーンに適用される。
【0024】
本明細書で説明した典型的かつ好ましい態様にしたがい、以下の温度プロファイルが標準的な射出成形機とともに首尾良く用いられる:ゾーン1(ホッパーに最も近い)=45〜100°F、ゾーン2=70〜150°F、ゾーン3=150〜300°F、ゾーン4=200〜375°F、ノズル=275〜425°F。加えて、モールド内のブッシング(軸受筒)は約250〜425°Fの範囲の温度に保つことが好ましい。モールド自体は、望ましくは約35〜65°Fの範囲の温度に保ってよい。
【0025】
ホッパーに隣接したゾーン内で材料を溶融するためにスクリューのバレルを加熱する従来の射出成形実務とは対照的に、本発明にしたがって、バレルはそれらの領域において実際には冷却されて、デンプン材料が過熱及び焦げることを防止する。高品質の射出成形デンプン製品を製造する場合に、焦げは蔓延する問題となっていることを認めるだろう。したがって、本発明は、射出成形機のバレルを実際に冷却することによってそのような過熱及び焦げが抑制され、それによってデンプンが熱分解する可能性が最小限に抑えられることを他でもなく高く評価している。
【0026】
本発明において重要なことには、押出前/押出中、又は射出成形前/射出成形中に、最終的に製造される成形製品の品質、好ましさ、又は強度特性をさらに改善するために、様々な添加剤及び加工助剤が可食性製品に有利に組み合わされることができる。例えば、ペットのチュー・トイ(chew toy)を調製する目的のために、約1.0〜5.0重量%の量、さらにそれらの間の全ての0.1重量%の増分で、香味料を添加することが好ましいことを発見した。そのような香味料はしばしば、チキン、レバー、ハム、ターキー、ビーフ、及び/又はフィッシュなどの肉製品からの抽出物であることができる。そのような香味料は粉末、水性液、又はオイルベースの液体として提供されうる。
【0027】
多くのその他のオイルベース及び/又は水ベースの添加剤も、ペット・チュー・トイの好ましい成分でありえる。香味料に加えて、好ましい添加剤は、嗅覚誘引剤、ビタミン類、並びに様々な栄養サプリメントが含まれうる。そのような添加剤は、動物が成形製品を噛むことをさらに誘引するだけでなく、食べた場合に好ましい健康上の利点をも、もたらしうる。
【0028】
オイルベースの液体添加剤及び/又は水ベース添加剤の使用は、成形性デンプン、タンパク質、及びグルテン製品が通常オイルベースの液体添加剤及び/又は水ベース添加剤に対して非常に劣る親和性しかもたないために、これまでは一般に制限されていた。したがって、成形されたデンプン、タンパク質又はグルテンは、充分な量のそのような添加剤のを効果的に吸収かつ保持しないだろう。しかし、本発明においては、オイルベース添加剤又は水ベース添加剤のいずれかが、野菜又は植物ベースのファイバー、例えば、典型的な態様のオーツ麦ファイバー、コーンファイバー、ふすま、セルロースなどの中に選択的に吸収されうることが他になく認められた。ファイバーは次にデンプン、タンパク質又はグルテン中に分配されて、デンプン、タンパク質又はグルテンは有効に風味付けされ、そのような風味付けは、動物の興味を引きつけ、所望の健康上の利点をもたらすなどのために充分な量で可食性成形性組成物内にとどまる。
【0029】
デンプン、タンパク質又はグルテンと組み合わせてファイバーを備えることによって、水ベース及びオイルベース添加剤の両者とも、より有効に利用され且つ成形された可食性デンプン又はタンパク質製品中に均一に分配されうる。約1.0〜10.0重量%の量且つそれらの間の全ての0.1重量%の増加分でファイバーを用いることによって、最大の添加剤取り込み量が達成されうる。そのようなファイバーの添加は、デンプン、タンパク質又はグルカン単独にオイルベース又は水ベース添加剤を直接添加することによるよりもより長期間のあいだ、添加した香味料、誘引剤、ビタミンなどの保持を実際に改善することを示している。
【0030】
加えて、ひとたび成形されたデンプン、タンパク質又はグルテン製品を調製すると、時間経過とともに水がその成形製品から移動し、それによってデンプン又はタンパク質が非常に脆くなり、それはもちろんペット・チュー・トイ(pet chew toy)の場合に不適当となる。しかし、本発明においては、ファイバーが2つの課題を実行することについて頼ることができる。第一は、述べたとおり、ファイバーはオイルベース添加剤又は水ベース添加剤のいずれかの有効な担体としてはたらく。第二に、ファイバーはさらに同時に保湿剤としてもはたらき、それにより成形製品中の水分が保持されて、デンプン、タンパク質又はグルテンが急速には乾燥せず、チュー・トイの用途について許容不能にはならない。
【0031】
本発明に従って作られる様々なペット・チュー・トイは、例えば、その噛むことができること及び硬さ、改良された機械特性、及び誘引剤及び香味量を含むことの長所によって、犬に人気になっていることが発見されている。犬が製品を噛むとき、その動物はそれに含まれる成分の栄養上の利益を提供されている。それに関し、さらに本明細書の成形製品のドッグ・チューとして適していることを考慮して、ビタミン類及び栄養サプリメントなどの添加剤を、押出又は射出成形時のいずれかに製品に添加することができ、さらにファイバーは再びオイルベースの及び/又は水ベースのビタミンのいずれかを、デンプン、タンパク質又はグルカンの連続相中に効果的に持ち込むために再度はたらいている。
【0032】
本発明をさまざまな典型的に好ましい態様に関して説明したが、そのような典型的態様は説明のみを目的としていることが当業者によって理解されるべきである。本発明の精神と等価な範囲から離れることなく、変更及び変化が明らかであろうし、それらが選択されうるだろう。したがって、そのような変更及び等価物は、添付した特許請求の範囲で説明するとおりの発明の範囲の内にあることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可食性成形組成物中へのオイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤の吸収をもたらす方法であって、以下の:
(a)可食性成形性組成物を準備すること;
(b)オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤を準備すること;
(c)ファイバーを準備すること;
(d)前記可食性成形性組成物、前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤、並びに前記ファイバーを混合し、前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤が前記ファイバー中に選択的に吸収され、かつ前記ファイバーが前記可食性成形性組成物中に分配されること、を含む方法。
【請求項2】
前記可食性成形性組成物がデンプンベースの成形性組成物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記可食性成形性組成物がタンパク質ベースの成形性組成物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記可食性成形性組成物がグルテンベースの成形性組成物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ファイバーが植物性繊維/野菜繊維を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ファイバーが約0.1〜10.0重量%の量で存在する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤が、香味料若しくは嗅覚誘引剤のうちの1つ、ビタミン、栄養サプリメント、又はそれらの混合物、を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤が約0.1〜5.0重量%の量で存在する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ステップ(d)が溶融混合装置内で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記溶融混合装置が押出機又は射出成形機を含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
小麦デンプンベース組成物中へのオイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤の吸収をもたらすための方法であって、
(a)小麦デンプンを準備すること;
(b)オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤を準備すること;
(c)オート麦ファイバーを準備すること;
(d)前記小麦デンプン、前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤、並びに前記オート麦ファイバーを混合し、前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤が前記オート麦ファイバーに選択的に吸収され、かつ前記オート麦ファイバーが前記小麦デンプンに分配されること、
を含む方法。
【請求項12】
前記オート麦ファイバーが約0.1〜10.0重量%の量で存在する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤が、香味料若しくは嗅覚誘引剤のうちの1つ、ビタミン、栄養サプリメント、又はそれらの混合物、を含む請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤が0.1〜5.0重量%の量で存在する、請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記ステップ(d)が溶融混合装置内で行われる、請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記混合溶融装置が押出機又は射出成形機を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記溶融混合装置が、ホッパー供給部、バレル、及び排出ノズルを含み、前記ホッパー供給部から前記ノズルにおよぶ複数の過熱ゾーンを含み、前記ホッパーに隣接した前記バレル内の前記過熱ゾーンが約150°F未満の温度に保たれる、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記溶融混合装置が、ホッパー供給部、バレル、及び排出ノズルを含む射出成形機を含み、前記ホッパー供給部から前記ノズルにおよぶ4つの過熱ゾーンを含み、前記過熱ゾーンが前記ホッパーから前記ノズルにおよび以下の温度範囲:
ゾーン1=100°F以下
ゾーン2=150°F以下
ゾーン3=300°F以下
ゾーン4=375°F以下
に設定される、請求項15記載の方法。
【請求項19】
小麦デンプンベース組成物中へのオイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤の吸収をもたらすための方法であって、以下の:
(a)小麦デンプンを準備すること;
(b)オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤を準備すること;
(c)オート麦ファイバーを準備すること;
(d)前記オート麦ファイバーを前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤と混合し、前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤が前記オート麦ファイバーに吸収されること;
(e)前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤を含む前記オート麦ファイバーを、前記小麦デンプンと混合し、前記オート麦ファイバーが前記小麦デンプン内に分散されること、
を含む方法。
【請求項20】
前記オート麦ファイバーが約0.1〜10.0重量%の量で存在する、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤が、香味料、嗅覚誘引剤、ビタミン、栄養サプリメント、又はそれらの混合物のうちの1つを含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記オイルベース添加剤及び/又は水ベース添加剤が約0.1〜5.0重量%の量で存在する、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記ステップ(d)が溶融混合装置内で行われる、請求項19記載の方法。
【請求項24】
前記溶融混合装置が、押出機又は射出成形機を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項25】
前記溶融混合装置が、ホッパー供給部、バレル、及び排出ノズルを含む射出成形機を含み、前記ホッパー部から前記ノズルにおよぶ複数の過熱ゾーンを含み、前記ホッパーに隣接する前記バレルの前記過熱ゾーンが、約150°F未満の温度に保たれる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記溶融混合装置が射出成型機を含み、前記射出成形機がホッパー供給部、バレル、及び排出ノズルを含み、前記ホッパー供給部から前記ノズルにおよぶ4つの過熱ゾーンを含んでおり、前記過熱ゾーンが前記ホッパーから前記ノズルにおよび以下の温度範囲:
ゾーン1=70°F以下
ゾーン2=150°F以下
ゾーン3=300°F以下
ゾーン4=375°F以下
に設定される、請求項23記載の方法。
【請求項27】
オイルベース及び/又は水ベースの香味料の取り込みを増加した動物用チューを形成する方法であって、以下の:
(a)小麦デンプン、オート麦ファイバー、オイルベース及び/又は水ベースの香味料、並びに水を混合して混合物を形成し、含水量が約20.0〜40.0重量%の範囲であり、前記オイルベース及び/又は水ベースの香味料が前記オート麦ファイバーに選択的に吸収され;
(b)前記混合物をベント式バレル押出機内に導入し且つ過熱して、押出加工されたビーズ状物を形成させ、ここで前記押出機から排出されるときの前記ビーズ状物の含水量は前記押出機に入れられた前記混合物の含水量より少なく、さらに前記オイルベース及び/又は水ベース香味料を含む前記オート麦ファイバーが前記小麦デンプン中に分配され;
(c)(b)の押出加工されたビーズ状物を加熱された射出成型機に入れ、射出成形及び冷却して前記成形された物品を形成し、前記成形された物品の含水量は約20重量%以下であり、前記射出成型機はホッパー供給部、バレル、及び排出ノズルを含み、前記ホッパー部から前記ノズルにおよぶ前記バレル内に複数の加熱ゾーンを含み、前記ホッパーに隣接した前記バレル内の前記加熱ゾーンが約150°F未満の温度に保たれる、
ことを含む方法。
【請求項28】
前記オート麦ファイバーが約1.0〜10.0重量%の量で混合される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記オイルベース及び/又は水ベース添加剤が約0.1〜5.0重量%の量で混合される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
ステップ(b)の生成物を乾燥機に導き、含水量を前記押出機から排出される前記生成物の含水量よりも低い量まで含水量を低減するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の加熱ゾーンが4つの加熱ゾーンを含み、前記ホッパーから前記ノズルにおよび、それらが以下の温度範囲:
ゾーン1=70°F以下;
ゾーン2=150°F以下;
ゾーン3=300°F以下;
ゾーン4=375°F以下、
を備える、請求項27に記載の方法。

【公表番号】特表2006−519017(P2006−519017A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503915(P2006−503915)
【出願日】平成16年2月27日(2004.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/006026
【国際公開番号】WO2004/075646
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(500013142)ティー.エフ.エイチ.パブリケーションズ、インコーポレーテッド (18)
【Fターム(参考)】