説明

成形方法および成形機システム

【課題】ICタグが埋め込まれた成形品を、簡単・確実に得られるようにすること。
【解決手段】加熱シリンダの先端のノズルから、溶融樹脂を金型のキャビティ内に充填することにより、成形品を成形する成形方法において、溶融樹脂と共に耐熱性コーティングを施した非接触式のICタグをキャビティ内に充填して、ICタグが内蔵された成形品を成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触式ICタグ(無線ICタグ)をプラスチック製の成形品に埋め込むための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触式ICタグのうち、アンテナから受け取るエネルギー(電波や電磁波によるエネルギー)で作動するパッシングタイプ(受動型)のICタグは、自身が電源をもたなくてもよいので、超小型化が進んでおり、現状0.4mm角程度のICタグも実用化されていて、また、低コスト化も進行しており、今後、益々の超小型化と低コスト化の努力が払われるものと思われる。
【0003】
このようなICタグは、個々に識別情報をもちかつ各種情報を読み書き可能であることから、その用途の1つとして、農産品、畜産品、水産品、加工食品といった食品、あるいは、工業用パーツを含む工業製品などの、各種物品の生産・流通段階の情報を、個別に管理・識別するためのツール(履歴、転用、所在を追跡するトレーサビリティ(追跡可能性)を高めることを効率的に行うためのツール)とすることが挙げられる。
【0004】
射出成形などの成形の分野でも、プラスチック製の成形品にトレーサビリティを持たせるために、成形品に直接ICタグを取り付けることが考えられるが、成形品の表面に接着剤などでICタグを貼着・固定する手法は、ICタグの貼着という工数を要する上、成形直後には成形品が冷え切っていないので、成形の直後にICタグを貼着することが困難であり、連続成形運転により連続的に生産される成形品を成形順に並べてICタグを貼着・固定することは、生産性の観点から見て効率的ではない。さらに、成形品の表面にICタグが存在すると外観を損ねる場合もあり、また、成形品の表面に貼着・固定されたICタグは、強くこすったりすると剥がれ落ちる虞もある。
【0005】
そこで、ICタグを成形品の内部に埋め込むことが考えられ、特開2004−238030号公報(特許文献1)には、食品容器をプラスチック積層体で構成して、層間にICタグを挟み込むようにした技術が示されており、特開2006−150837号公報(特許文献2)には、成形品の内部にICタグをインサート成形によって埋め込むようにした技術が示されている。
【特許文献1】特開2004−238030号公報
【特許文献2】特開2006−150837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示された技術では、層間にICタグを埋め込んだプラスチック積層体をまず作製し、次にプラスチック積層体をプレスすることにより、ICタグ付きの食品容器を製作するようにしているので、プラスチック積層体を作製する面倒な工程と、プラスチック積層体をプレスする工程とが必要となり、製造工数が多いという問題があり、射出成形などで一挙に成形品を製作する分野には適用できない技術である。
【0007】
一方、特許文献2に示された技術では、成形品の内部にICタグをインサート成形によって埋め込むようにしているが、ICタグをどのようにしてインサートするのかについては、具体的に記載されていない。ところで、一般的なインサート成形では、型開き状態にある金型にインサート物品を載置・位置決め後に、型締めを行い、金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出・充填するようになっている。このようなインサート成形用の成形機では、人手によるインサート物品の載置・位置決め作業を排して、生産性と安全性を高めるために、インサート物品の載置・位置決めを行うために精緻な制御が可能なロボットを用いることが多いが、このようなロボットを用いると成形システム全体のコストを押し上げ、また、耐熱性コーティングが施されたICタグのような微細なインサート物品を、ロボットで金型に位置決めするには、ロボットハンドの形状や金型形状にも工夫を要することになって、成形機システム全体のコストをますます押し上げる。さらには、このようなインサート成形用の成形機では、インサート物品の載置・位置決めを容易に行うために、縦型締め式の型開閉メカニズムを採用することが多いが、最も汎用性のある横型締め・横射出式の成形機を用いることができず、かりに、横型締め・横射出式の成形機を用いることができるとしても、金型形状に大いに工夫を要することになり、かつ、制約のある金型形状であるので、所望形状の成形品を得ることが難しくなることが懸念される。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ICタグが埋め込まれた成形品を、簡単・確実に得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記した目的を達成するため、加熱シリンダの先端のノズルから、溶融樹脂を金型のキャビティ内に充填することにより、成形品を成形する成形方法において、溶融樹脂と共に耐熱性コーティングを施した非接触式のICタグをキャビティ内に充填して、ICタグが内蔵された成形品を成形する。
つまり例えば、ICタグを原料樹脂と共に加熱シリンダ内に供給して、加熱シリンダ内で原料樹脂を混練・可塑化して溶融樹脂とし、溶融樹脂の中にICタグが混入された状態で、溶融樹脂と共にICタグをキャビティ内に充填する。さらに、ICタグを加熱シリンダ内に供給するタイミングを制御することで、成形品内のICタグを位置を調整する。
また例えば、1成形サイクル毎にノズルバック動作とノズルタッチ動作を行い、ノズルバックした状態でノズルの先端にICタグを挿入し、このICタグの挿入後にノズルタッチを行って、ノズルタッチ後にノズルから溶融樹脂と共にICタグをキャビティ内に充填する。
また、成形機から成形品を取り出した直後に、ICタグリーダーにより、成形品中に埋め込まれたICタグの識別情報を読み取る。
また、成形機から成形品を取り出した直後に、ICタグリーダー/ライターにより、成形品中に埋め込まれたICタグに生産管理情報を書き込む。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、溶融樹脂と共に耐熱性コーティングを施したICタグをキャビティ内に充填して、ICタグが内蔵された(埋め込まれた)成形品を成形するので、インサート物品の載置・位置決めするためのロボットを必要とせず、また、インサート物品を載置・位置決めできるようにする金型形状の工夫も必要なく、簡単・容易に、かつ確実に、ICタグが内蔵された成形品を得ることができる。よって、成形機システムの構成も比較的に簡素なものとでき、また、横型締め式の型開閉メカニズムであっても縦型締め式の型開閉メカニズムであっても、ICタグが内蔵された成形品を容易に成形することができる。
本発明では、例えば、ICタグを原料樹脂と共に加熱シリンダ内に供給して、加熱シリンダ内で原料樹脂を混練・可塑化して溶融樹脂とし、溶融樹脂の中にICタグが混入された状態で、溶融樹脂と共にICタグをキャビティ内に充填するようにしており、このようにすることで、例えばホッパー内にICタグ供給装置を設けるという簡単な構成で、ICタグが内蔵された成形品を簡単・確実に成形することが可能となり、また、インサート成形のようにインサート物品の載置・位置決めの工程がないので、通常の成形サイクルと同様の成形サイクルとすることができ、インサート成形を行う場合よりも成形サイクルを短縮することができる。さらに、ICタグの供給装置からICタグを加熱シリンダ内に供給するタイミングを制御することで、成形品内のICタグの位置を調整するので、ICタグの埋め込み位置をある程度所望のものにコントロールでき、これにより、成形品内のICタグの位置を把握することで、成形品内のICタグをICタグリーダー/ライターに対して至近距離で対向させることが容易に可能となり、以って、ICタグリーダー/ライターと成形品内のICタグとの通信を短距離、弱電波でスムーズに行うことができる。
また本発明では、例えば、1成形サイクル毎にノズルバック動作とノズルタッチ動作を行い、ノズルバックした状態でノズルの先端にICタグを挿入し、このICタグの挿入後にノズルタッチを行って、ノズルタッチ後にノズルから溶融樹脂と共にICタグをキャビティ内に充填するようにしており、このようにすることで、例えばノズルの先端にICタグを挿入するためのICタグ供給装置を設けるだけで、ICタグが内蔵された成形品を簡単・確実に成形することが可能となる。このような成形手法をとった場合には、1成形サイクル毎にノズルバック動作とノズルタッチ動作とを行う必要があるものの、耐熱性コーティングを施したICタグが高温に曝される時間を、ICタグを加熱シリンダ内に投入する手法をとる場合よりも短くすることができる。
また、成形機から成形品を取り出した直後に、ICタグリーダーにより、成形品中に埋め込まれたICタグの識別情報を読み取るようにすることで、成形品を取り出した後ほとんど間をおかずに、各成形品中のICタグの識別情報を適宜のデータベースに取り込んで各成形品を個別に管理することが可能となる。
また、成形機から成形品を取り出した直後に、ICタグリーダー/ライターにより、成形品中に埋め込まれたICタグに生産管理情報を書き込むようにすることで、成形品を取り出した後ほとんど間をおかずに、1つずつの成形品の履歴を確認することが可能な状態となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1〜図7は、本発明の第1の実施の形態(以下、本第1実施形態と記す)による射出成形機システムに係り、本第1実施形態および後述する第2の実施の形態の射出成形機システムは、射出成形機本体および周辺機を含んだシステムとして構築されていて、周辺機である成形品取り出しロボットやICタグリーダー/ライターを具備したものとなっている。また、本第1実施形態および後述する第2の実施の形態の射出成形機システムでは、射出成形機本体は、インラインスクリュ式の射出成形機で構成されていて、射出成形機本体側にはICタグ供給装置が含まれたものとなっている。
【0012】
図1は本第1実施形態の射出成形機の概要を示す図である。図1において、1は、図示せぬヘッドストックにその基部を固定・保持された加熱シリンダ、2は、加熱シリンダ1の先端に取り付けられたノズル、3は、加熱シリンダ1内に回転並びに前後進可能であるように配設されたスクリュで、該スクリュ3は、図示せぬ計量用サーボモータの駆動力で回転駆動され、図示せぬ射出用サーボモータの駆動力で直線駆動されるようになっている。4は、図示せぬヘッドストックにその下部を保持されたホッパーで、該ホッパー4から、図示せぬヘッドストックおよび加熱シリンダ1に穿設された図示せぬ原料樹脂供給穴を通じて、原料樹脂(樹脂ペレット)5が加熱シリンダ1内に供給されるようになっている。6は、その下部側がホッパー4内に位置付けられたICタグ供給装置で、該ICタグ供給装置6によって、上記の図示せぬヘッドストックおよび加熱シリンダ1に穿設された図示せぬ原料樹脂供給穴を通じて、1成形サイクル毎に1つずつICタグ7が加熱シリンダ1内に供給されるようになっている。8は、図示せぬ固定ダイプレートに搭載された固定側金型、9は、図示せぬ可動ダイプレートに搭載された可動側金型で、図示せぬ可動ダイプレートは、図示せぬ型開閉用サーボモータの駆動力によって前後進駆動され、可動側金型9が固定側金型8に所定の型締め力で押し付けられた型締め状態では、両金型8、9によってキャビティ(成形品形成用空間)10が形づくられるようになっている。
【0013】
本第1実施形態では、1成形サイクル毎に1つずつICタグ7を原料樹脂5と共に加熱シリンダ1内に供給し、計量工程において、スクリュ3に付加する圧力(背圧力)を制御しつつスクリュ3を所定方向に回転駆動することで、スクリュ3の後端側に供給された原料樹脂を混練・可塑化しつつスクリュ3のネジ送り作用によって前方に移送し、このネジ送り作用によってICタグ7も前方に移送して、スクリュ3の前方側にICタグ7が1つだけ混入された1ショット分の溶融樹脂を貯え、1ショット分の溶融樹脂が貯えられたタイミングでスクリュ3の回転を停止させて、計量工程を終了させる。そして、計量工程から所定時間後に実行される射出工程(1次射出工程およびこれに引き続く保圧工程)では、スクリュ3を急速前進駆動することで、型締め状態にある両金型8、9のキャビティ10内に、ICタグ7が1つ混入された溶融樹脂を急速に射出・充填して1次射出工程を実行させ、この1次射出工程の終了後は、スクリュ3を介して樹脂に所定の圧力(保圧力)を付与する保圧工程を実行させる。
【0014】
なお、本第1実施形態では、成形運転中には、ノズル2の先端は固定側金型8の樹脂注入口の近傍に常時押し付けられた状態を維持するようになっているが、本第1実施形態の射出系メカニズムは、公知のノズルタッチ/ノズルバック用駆動源およびノズルタッチ/ノズルバックメカニズムによって、前後進可能となっている。
【0015】
本第1実施形態を含め本発明では、溶融樹脂と共にICタグ7をキャビティ10内に充填するようにしており、このため、ICタグ7は、溶融樹脂が固化して冷却されるまでの間樹脂から加熱され、また、所定の樹脂圧を受けることになる。そこで、ICタグ7には、図2に示すように、熱や圧力に耐えるための耐熱コーティング11をあらかじめ施してある。ICタグ7は、非接触式のパッシングタイプ(受動型)のICタグ(受動型無線ICタグ)からなり、アンテナも一体に具備されたものとなっている。耐熱コーティング11の厚みは、要求される耐熱温度や耐熱時間などに応じて適宜に選定されるが、耐熱コーティング11を含めたICタグ7の最大寸法は、スクリュチェックリング機構の樹脂通路径やノズル2の最小内径を超えない寸法に設定されることは、言うまでもない。なお、図2以外の各図(後述する第2の実施の形態における図面を含む)において、符号7で示したICタグは全て耐熱コーティング11が施されたものとなっていて、以降、単にICタグ7と呼称するものは、耐熱コーティング11を施したICタグ7を指すものと理解されたい。
【0016】
図3はICタグ供給装置6の構成を示す図である。図3において、21は、ICタグ7が軽い接着力で等間隔に被着され、各ICタグ7の被着箇所には例えば十文字の切れ目が形成された長尺のシート、22は、シート21が巻回された供給ローラ、23は、供給ローラ22から引き出されたシート21を、ICタグ7の配置間隔に相当する距離だけ間欠的に巻き取り駆動する巻き取りローラ、24は、供給ローラ22と巻き取りローラ23との間でシート21の下側を担持するシートガイド、25は、供給ローラ22と巻き取りローラ23との間に設けられ、その下部がホッパー4の出口周辺あるいは図示せぬヘッドストックの原料樹脂供給穴に位置する供給管、26は、供給管25の下端開口を閉塞または開放する供給制御蓋、27は、供給制御蓋26を閉塞状態または開放状態とする蓋駆動手段、28は、シート21からICタグ7を突き放して供給管25内に供給すると共に、供給管25の下端開口からICタグ7を原料樹脂5中に押し出す圧入ピストンである。
【0017】
図3に示す構成において、供給管25の下端開口からICタグ7を原料樹脂5中に押し出す動作時以外は、供給制御蓋26は図3の(a)に示す閉塞状態をとっており、また、シート21からICタグ7を突き放してICタグ7を原料樹脂5中に押し出す動作の前には、圧入ピストン28は図3の(a)に示す上昇位置をとっている。1成形サイクル中の計量工程の前に、巻き取りローラ23が所定角度だけ回転駆動されて、シート21上のICタグ7が圧入ピストン28の下側に持ち来たらさせ、計量工程の直前または計量工程の途中で圧入ピストン28が下降駆動されて、シート21から突き放された1つのICタグ7が供給管25内に落とし込まれる。そして、ICタグ7を原料樹脂5中に押し出すタイミングの直前に、蓋駆動手段27によって供給制御蓋26は、図3の(b)に示す開放状態に移行させられ、この供給制御蓋26の開放状態への移行に同期して、圧入ピストン28が、図3の(b)に示す最下降位置まで下降駆動され、これにより、供給管25の下端開口から、ICタグ7が原料樹脂5中に押し出されるようになっている。なお、ICタグ7の原料樹脂5中への押し出しの完了後は、圧入ピストン28は図3の(a)に示す位置まで上昇駆動され、供給制御蓋26は閉塞状態へと移行するようになっている。
【0018】
図3のICタグ供給装置6からの、ICタグ7の加熱シリンダ1内への供給タイミングは、任意に設定可能で、この供給タイミングを制御することで、成形品内のICタグ7の位置を調整することができる。図4は、計量工程中の加熱シリンダ1内へのICタグ7の投入タイミングを示しており、ここでは、計量工程中のタイミングT1、T2、T3の何れか1つのタイミングにおいて、加熱シリンダ1内にICタグ7が投入されることを表している。図5の(a)、(b)、(c)は、タイミングT1、T2、T3で加熱シリンダ1内にICタグ7が投入された際の、成形品内のICタグ7の位置をそれぞれ示している。図5において、31は成形品、32は成形品31のゲート相当部を示しており、また、図5中においてICタグ7は、図示の都合上表面に露出したように描いてあるが、実際には成形品31に埋め込まれた状態にある。図4のタイミングT1では、成形品31中のICタグ7の位置は概略図5の(a)のようになり、図4のタイミングT2では、成形品31中のICタグ7の位置は概略図5の(b)のようになり、図4のタイミングT3では、成形品31中のICタグ7の位置は概略図5の(c)のようになる。このように、本第1実施形態では、ICタグ7の加熱シリンダ1内への供給タイミングを制御することで、精密ではないものの、成形品内のICタグ7の位置をコントロールできるようになっている。
【0019】
図6は、金型から取り出された直後の成形品31中に埋め込まれたICタグ7に、ICタグリーダー/ライターにより生産管理情報を書き込む様子を模式的に示す図である。図6において、41は成形品取り出しロボット、42はICタグリーダー/ライターである。射出工程の完了後、所定の冷却期間を経て型開きが行われ、この型開きによって成形品31は固定側金型8から引き離されて可動側金型9にのみに被着された状態となる。型開きの完了後にエジェクト突き出し工程が行われて、成形品31は可動側金型9から突き離され、このエジェクト突き出し工程と同期して、成形品取り出しロボット41による成形品31の取り出しが行われる。成形品取り出しロボット41によってチャッキングされた(ロボットの適宜の把持手段や真空保持手段によってチャッキングされた)成形品31は、射出成形機本体外へと取り出されて、取り出された成形品31は、埋め込まれたICタグ7がICタグリーダー/ライター42のリード・ライト部と対向するようにかざされ、これによって、ICタグリーダー/ライター42によりICタグ7に生産管理情報が書き込まれる。
【0020】
このとき、ICタグリーダー/ライター42は、ICタグ7の識別情報(IDコード)を読み取って、生産管理情報の書き込み対象であるICタグ7であることを確認した上で、ICタグ7に生産管理情報を書き込む。書き込む生産管理情報としては、例えば、成形工場名、射出成形機No、成形日・成形時刻、材料ロットNo、成形ロットNo、成形条件モニタデータなどが挙げられ、このような生産管理情報は、ICタグリーダー/ライター42が、射出成形機本体の後記するシステムコントローラ51との通信で取得するようになっている。
【0021】
なお、本第1実施形態では、成形品31を射出成形機本体外へ取り出した直後に、成形品31中のICタグ7に生産管理情報を書き込むようにしているが、成形品31を射出成形機本体外へ取り出した直後は、ICタグリーダー/ライター42によって成形品31中のICタグ7の識別情報のみを読み取って、この識別情報を、本第1実施形態の射出成形機システムにおけるデータベースやあるいは外部のデータベースに取り込むようにして、生産管理情報は、後刻、成形品31中のICタグ7に書き込むようにしてもよく、このようにする場合には、ICタグリーダー/ライター42を読み取り機能のみをもつ、ICタグリーダーとしてもよい(これは、後述する第2の実施の形態においても同様である)。
【0022】
図7は、本第1実施形態の射出成形機システムの制御系の構成を簡略化して示すブロック図である。図7において、51は、射出成形機本体に設けられて、射出成形機システム全体の制御を司るシステムコントローラ、52は、作業者が各種の入力操作を行うための入力装置、53は、作業者に各種の表示モードの画像を表示するための表示装置、54は、射出成形機本体(ICタグ供給装置6を含む)の各部に配設された多数のセンサ(位置センサ、速度センサ、圧力センサ、回転量検出センサ、温度センサ、状態確認センサなど)よりなるセンサ群、55は、射出成形機本体(ICタグ供給装置6を含む)の各部に配置されたモータやヒータやエアシリンダなどのアクチュエータを駆動制御するための多数のドライバ(モータドライバ、ヒータドライバ、エアバルブドライバなど)からなるドライバ群であり、ドライバ群55には、ICタグ供給装置6の各アクチュエータを駆動制御するためのICタグ供給装置用ドライバ群55aが含まれている。システムコントローラ51には、射出成形機本体に対する周辺機である成形品取り出しロボット41、ICタグリーダー/ライター42のコントローラがそれぞれ接続されている。
【0023】
また、システムコントローラ51内において、61は主制御部、62は運転条件設定格納部、63は測定値格納部、64は運転プロセス制御部、65は表示処理部、66は生産管理情報データベース、67は外部通信制御部である。
【0024】
主制御部61は、センサ群54からの情報、外部通信情報や、システムコントローラ51内の各部の動作状況などを監視・把握して、システムコントローラ51内の各部を統括制御する。
【0025】
運転条件設定格納部62には、あらかじめ入力された成形サイクルの各工程(型閉じ(型締め)、射出、冷却、計量、型開き、エジェクト前進、エジェクト後退の各工程や、ICタグ供給装置6の各動作工程)の運転制御条件が書き換え可能に格納されている。
【0026】
測定値格納部63には、センサ群54などにより射出成形機本体の各部の計測情報(位置情報、速度情報、圧力情報、回転角情報、回転速度(単位時間当たりの回転数)情報、温度情報、状態確認情報など)がリアルタイムで取り込まれて格納される。
【0027】
運転プロセス制御部64は、あらかじめ用意された各工程の運転制御プログラムと、運転条件設定格納部62に格納された各工程の運転条件の設定値とに基づき、測定値格納部63中の計測情報や各部からの状態確認情報や自身の計時情報を参照しつつ、ドライバ群55を駆動制御して、各工程の運転を実行させる。
【0028】
表示処理部65は、あらかじめ用意された各種の表示処理プログラムと、表示用固定データに基づき、必要に応じて、運転条件設定格納部62や測定値格納部63などの内容を参照して、各種の表示モードの画像を生成し、これを表示装置53に表示させる。
【0029】
生産管理情報データベース66には、あらかじめ入力された生産管理情報(成形工場名、射出成形機Noなど)や、測定値格納部63から取り込まれる成形条件モニタデータおよび主制御部61から取り込まれる成形日・成形時刻、材料ロットNo、成形ロットNoといった適宜に更新される生産管理情報が格納され、これらの生産管理情報は、ICタグリーダー/ライター42を通じてICタグ7に書き込むために用いられる。
【0030】
外部通信制御部67は、成形品取り出しロボット41の通信I/F部を通じて成形品取り出しロボット41のコントローラと接続され、また、ICタグリーダー/ライター42の通信I/F部を通じてICタグリーダー/ライター42のコントローラと接続されている。この外部通信制御部67は、主制御部61の制御の下に、成形品取り出しロボット41のコントローラと通信を行い、主制御部61は、成形品取り出しロボット41の動作状態を把握しつつ、成形品取り出しロボット41に動作を許可する信号を送出する(すなわち、主制御部61は成形品取り出しロボット41の動作を間接的に指令する)。また、外部通信制御部67は、主制御部61の制御の下に、ICタグリーダー/ライター42のコントローラと通信を行い、これにより、ICタグリーダー/ライター42が生産管理情報データベース66の内容を取得し、また、ICタグリーダー/ライター42から送出されてくるICタグ7の識別情報を、生産管理情報データベース66に日時と対応付けて格納する。なお、ICタグリーダー/ライター42が読み取ったICタグ7の識別情報は、射出成形機本体のシステムコントローラ51ではなく、ICタグリーダー/ライター42と接続された図示せぬ外部データベースに、生産管理情報と一緒に格納するようにしてもよい。
【0031】
本第1実施形態では、上述したように、ICタグ7を原料樹脂5と共に加熱シリンダ1内に供給して、加熱シリンダ1内で原料樹脂を混練・可塑化して溶融樹脂とし、溶融樹脂の中にICタグ7が混入された状態で、溶融樹脂と共にICタグ7をキャビティ10内に充填するようにしている。このため、ホッパー4内にICタグ供給装置6を設けるという簡単な構成で、ICタグ7が内蔵された成形品31を簡単・確実に成形することが可能となる。また、インサート成形のようにインサート物品の載置・位置決めの工程がないので、通常の成形サイクルと同様の成形サイクルとすることができ、インサート成形を行う場合よりも成形サイクルを短縮することができ、インサート成形のように、インサート物品の載置・位置決めするためのロボットを必要とせず、かつ、インサート物品を載置・位置決めできるようにする金型形状の工夫も必要なくなる。よって、射出成形機システムの構成も比較的に簡素なものとでき、また、横型締め式の型開閉メカニズムであっても縦型締め式の型開閉メカニズムであっても、ICタグが内蔵された成形品を容易に成形することができる。さらに、ICタグの供給装置6からICタグ7を加熱シリンダ1内に供給するタイミングを制御することで、成形品31内のICタグ7の位置を調整するので、ICタグ7の埋め込み位置をある程度所望のものにコントロールでき、これにより、成形品31内のICタグ7の位置を把握することで、成形品31内のICタグ7をICタグリーダー/ライター42に対して至近距離で対向させることが容易に可能となり、以って、ICタグリーダー/ライター42と成形品31内のICタグ7との通信を短距離、弱電波でスムーズに行うことができる。また、射出成形機本体から成形品31を取り出した直後に、ICタグリーダー/ライター42またはICタグリーダーにより、成形品31中に埋め込まれたICタグ7の識別情報を読み取るようにすることで、成形品31を取り出した後ほとんど間をおかずに、各成形品中31のICタグ7の識別情報を適宜のデータベースに取り込んで各成形品31を個別に管理することが可能となる。また、射出成形機本体から成形品31を取り出した直後に、ICタグリーダー/ライター42により、成形品31中に埋め込まれたICタグ7に生産管理情報を書き込むようにすることで、成形品31を取り出した後ほとんど間をおかずに、1つずつの成形品31の履歴を確認することが可能な状態とすることができる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態(以下、本第2実施形態と記す)に係る射出成形機システムを、図8〜図10を用いて説明する。
【0033】
図8は、本第2実施形態の射出成形機システムにおける動作の概要を示す図で、同図において前記の実施形態と同一の構成要素には同一符号を付してある。図8において、71はICタグ供給装置である。
【0034】
本第2実施形態が前記の実施の形態と異なるのは、ICタグ供給装置71の構成および動作と、1成形サイクル毎にノズルバック動作とノズルタッチ動作を行うことと、1成形サイクル毎にICタグ7をノズル2の先端に挿入し、ノズル2から溶融樹脂と共にICタグ7をキャビティ10内に充填するようにした点にある。
【0035】
すなわち、本第2実施形態では、図8の(a)に示すようにノズルタッチした状態で計量工程が完了すると、射出工程の前の適宜のタイミングで、図8の(b)に示すようにノズルバックが行われる。このノズルバック動作および後記するノズルタッチ動作は、公知のノズルタッチ/ノズルバック用駆動源およびノズルタッチ/ノズルバックメカニズムによって、射出系メカニズム全体を後退または前後させることで行われる。また、ノズルバック動作と相前後して、その構成を後述するICタグ供給装置71の昇降ユニット73の供給管74内に、ICタグ供給装置71のICタグストック72からICタグ7が1つだけ供給される。
【0036】
次に、図8の(c)に示すように、ICタグ供給装置71の昇降ユニット73が下降駆動されて、昇降ユニット73の供給管74の下端がノズル2の先端近傍に位置付けられ、然る後、昇降ユニット73の押し込みピストン75が下降駆動されて、これにより供給管74の下端の供給制御蓋76が開放されることで、押し込みピストン75によるICタグ7の押し出し力で供給制御蓋76の先端側へと押し出されたICタグ7が、供給制御蓋76に案内されて、ノズル2の先端(先端開口)に挿入される(押し込められる)。続いて、図8の(d)に示すように、ICタグ供給装置71の昇降ユニット73が上昇駆動されると共に、昇降ユニット73の押し込みピストン75が上昇駆動される。
【0037】
この後、図8の(e)に示すように、ノズルタッチが行われ、ノズルタッチ後、スクリュ3が前進駆動されることで、ノズル2から溶融樹脂と共にICタグ7がキャビティ10内に射出・充填される。
【0038】
このような構成、手法をとる本第2実施形態においても、ICタグ7が埋め込まれた成形品31を得ることができる。ただし、本第2実施形態では、ノズル2の先端にICタグ7を供給するようにしているので、成形品31に埋め込まれたICタグ7の位置は、図9に示すようなものとなる。なお、図9において、32は成形品31の前記したゲート相当部を示しており、また、図9中においてICタグ7は、図示の都合上表面に露出したように描いてあるが、実際には成形品31に埋め込まれた状態にある。
【0039】
図10は、ICタグ供給装置71の構成を示す図である。図10において、72は、多数のICタグ7が収納されたICタグストック、73は、ICタグストック72に対して昇降可能な昇降ユニットである。昇降ユニット73は、供給管74と、供給管74内を昇降可能な押し込みピストン75と、供給管74の下端に設けられた開閉可能な供給制御蓋76と、供給管74内にICタグ7を導く導入ガイド部77とを、含んで構成されている。供給管74の下端の供給制御蓋76は、バネにより閉塞方向の偏倚習性を付与されていて、バネ力に抗して供給制御蓋76を押し下げることで開放状態に移行するようになっている。この供給制御蓋76は、図10の(a)のA−A線断面で示すように、その断面が半弧形の樋状のものとなっている。供給管74の中間部に設けられた導入ガイド部77は、図10の(a)のB−B線断面で示すように、その断面が半弧形の樋状のものとなっていて、導入ガイド部77の内部は供給管74の切り欠き穴74aを通じて供給管74の内部と連通している。ICタグストック72は、昇降ユニット73の導入ガイド部77にICタグ7を1つずつ落下・供給可能なように構成されていて、昇降ユニット73が図10の(a)のように上昇位置にある状態の適宜のタイミングにおいて、ICタグストック72からICタグ7が1つだけ導入ガイド部77に落下・供給されて、導入ガイド部77から供給管74の内部に供給されたICタグ7は、閉塞状態にある供給制御蓋76の上に留まるようになっている。
【0040】
ノズルバックが行われると、図10の(b)に示すように、昇降ユニット73は下降駆動され、これにより、昇降ユニット73の供給管74の下端の供給制御蓋76がノズル2の近傍に位置付けられる。昇降ユニット73の下降完了後あるいは昇降ユニット73の下降途上で、押し込みピストン75が下降駆動され、押し込みピストン75の先端が供給制御蓋76上のICタグ7に押し下げ力を付与すると、図10の(b)に示すように、供給制御蓋76が開放される。供給制御蓋76が開放されると、ICタグ7は、押し込みピストン75の先端の傾斜押し出し面75aによる押し出し力を受けて、開放・傾斜状態にある供給制御蓋76に案内されて、ノズル2の先端に挿入されることとなる。
【0041】
本第2実施形態における射出成形機システムの制御系の構成は、図示していないが先の図7の構成と同等であり、システムコントローラ55の運転条件設定格納部62に、ノズルバック/ノズルタッチの工程の運転制御条件が付加して格納されると共に、ICタグ供給装置6の各動作工程の運転制御条件に代替して、ICタグ供給装置71の上述したような各動作工程の運転制御条件が格納されることになる。
【0042】
なお、本第2実施形態においても、成形品取り出しロボット41によって射出成形機本体から取り出された成形品31は、成形品取り出しロボット41により成形品31中に埋め込まれたICタグ7がICタグリーダー/ライター42のリード・ライト部と対向するようにかざされ、これによって、ICタグリーダー/ライター42によりICタグ7に生産管理情報が書き込まれるようになっている。
【0043】
本第2実施形態では、上述したように、1成形サイクル毎にノズルバック動作とノズルタッチ動作を行い、ノズルバックした状態でノズル2の先端にICタグ7を挿入し、このICタグ7の挿入後にノズルタッチを行って、ノズルタッチ後にノズル2から溶融樹脂と共にICタグ7をキャビティ10内に充填するようにしているので、ノズル2の先端にICタグ7を挿入するためのICタグ供給装置71を設けるだけで、ICタグ7が内蔵された成形品31を簡単・確実に成形することが可能となる。このような成形手法をとった場合には、1成形サイクル毎にノズルバック動作とノズルタッチ動作とを行う必要があるものの、耐熱性コーティングを施したICタグ7が高温に曝される時間を、先の実施の形態よりも短くすることができる。また、射出成形機本体から成形品31を取り出した直後に、ICタグリーダー/ライター42またはICタグリーダーにより、成形品31中に埋め込まれたICタグ7の識別情報を読み取るようにすることで、成形品31を取り出した後ほとんど間をおかずに、各成形品中31のICタグ7の識別情報を適宜のデータベースに取り込んで各成形品31を個別に管理することが可能となる。また、射出成形機本体から成形品31を取り出した直後に、ICタグリーダー/ライター42により、成形品31中に埋め込まれたICタグ7に生産管理情報を書き込むようにすることで、成形品31を取り出した後ほとんど間をおかずに、1つずつの成形品31の履歴を確認することが可能な状態とすることができる。
【0044】
なお、以上の実施形態では、本発明をインラインスクリュ式の射出成形機に適用した例を示したが、本発明は、溶融樹脂を金型のキャビティ内に充填する方式の成形機であれば、どのような成形機にも適用可能であり、例えばプリプラ式の射出成形機などにも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る射出成形機システムの概要を示す説明図である。
【図2】本発明で用いられる絶縁コーティングを施されたICタグを示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る射出成形機システムにおける、ICタグ供給装置の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る射出成形機システムにおける、計量工程中の加熱シリンダ内へのICタグの投入タイミングを示す説明図である。
【図5】図4のICタグの投入タイミングに応じた、成形品中のICタグの位置を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る射出成形機システムにおいて、金型から取り出された直後の成形品中に埋め込まれたICタグに、ICタグリーダー/ライターにより生産管理情報を書き込む様子を模式的に示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る射出成形機システムにおける、制御系の構成を簡略化して示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る射出成形機システムにおける、動作の概要を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る射出成形機システムにおいて成形された成形品中のICタグの位置を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る射出成形機システムにおける、ICタグ供給装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1 加熱シリンダ
2 ノズル
3 スクリュ
4 ホッパー
5 原料樹脂(樹脂ペレット)
6 ICタグ供給装置
7 ICタグ
8 固定側金型
9 可動側金型
10 キャビティ
11 耐熱コーティング
21 シート
22 供給ローラ
23 巻き取りローラ
24 シートガイド
25 供給管
26 供給制御蓋
27 蓋駆動手段
28 圧入ピストン
31 成形品
32 ゲート相当部
41 成形品取り出しロボット
42 ICタグリーダー/ライター
51 システムコントローラ
52 入力装置
53 表示装置
54 センサ群
55 ドライバ群
55a ICタグ供給装置用ドライバ群
61 主制御部
62 運転条件設定格納部
63 測定値格納部
64 運転プロセス制御部
65 表示処理部
66 生産管理情報データベース
67 外部通信制御部
71 ICタグ供給装置
72 ICタグストック
73 昇降ユニット
74 供給管
74a 切り欠き穴
75 押し込みピストン
75a 傾斜押し出し面
76 供給制御蓋
77 導入ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱シリンダの先端のノズルから、溶融樹脂を金型のキャビティ内に充填することにより、成形品を成形する成形方法において、
溶融樹脂と共に耐熱性コーティングを施した非接触式のICタグを前記キャビティ内に充填して、前記ICタグが内蔵された成形品を成形することを特徴とする成形方法。
【請求項2】
請求項1に記載の成形方法において、
前記ICタグを原料樹脂と共に前記加熱シリンダ内に供給して、前記加熱シリンダ内で原料樹脂を混練・可塑化して溶融樹脂とし、溶融樹脂の中に前記ICタグが混入された状態で、溶融樹脂と共に前記ICタグを前記キャビティ内に充填するようにしたことを特徴とする成形方法。
【請求項3】
請求項2に記載の成形方法において、
前記ICタグを前記加熱シリンダ内に供給するタイミングを制御することで、成形品内の前記ICタグを位置を調整することを特徴とする成形方法。
【請求項4】
請求項1に記載の成形方法において、
1成形サイクル毎にノズルバック動作とノズルタッチ動作を行い、ノズルバックした状態で前記ノズルの先端に前記ICタグを挿入し、このICタグの挿入後にノズルタッチを行って、ノズルタッチ後に前記ノズルから溶融樹脂と共に前記ICタグを前記キャビティ内に充填するようにしたことを特徴とする成形方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の成形方法において、
成形機から成形品を取り出した直後に、ICタグリーダーにより、成形品中に埋め込まれた前記ICタグの識別情報を読み取ることを特徴とする成形方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の成形方法において、
成形機から成形品を取り出した直後に、ICタグリーダー/ライターにより、成形品中に埋め込まれた前記ICタグに生産管理情報を書き込むことを特徴とする成形方法。
【請求項7】
加熱シリンダの先端のノズルから、溶融樹脂と共に耐熱性コーティングを施した非接触式のICタグを、金型のキャビティ内に充填することにより、前記ICタグが埋め込まれた成形品を成形する成形機システムであって、
前記加熱シリンダへの原料樹脂の供給部に、前記ICタグを供給する手段をもつことを特徴とする成形機システム。
【請求項8】
加熱シリンダの先端のノズルから、溶融樹脂と共に耐熱性コーティングを施した非接触式のICタグを、金型のキャビティ内に充填することにより、前記ICタグが埋め込まれた成形品を成形する成形機システムであって、
1成形サイクル毎に、ノズルバックした状態において前記ノズルの先端に前記ICタグを挿入する手段をもつことを特徴とする成形機システム。
【請求項9】
請求項7または8に記載の成形機システムにおいて、
成形機から取り出された直後の成形品に埋め込まれた前記ICタグに、生産管理情報を書き込むICタグリーダー/ライターを備えたことを特徴とする成形機システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−119828(P2009−119828A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299308(P2007−299308)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(000222587)東洋機械金属株式会社 (299)
【Fターム(参考)】