説明

成形方法及び成形装置

【課題】表皮を第1の型に対して部分的に位置規正しながら、位置ずれが生じたり皺が発生したりすることなく正確にセットすることができる成形方法及び成形装置を提供する。
【解決手段】複数箇所に吸気孔13を有し、表皮Cを吸着可能な第1の型11と、その第1の型11に対して接近離間可能に対応配置された第2の型12とを備える。第1の型11の複数箇所の吸気孔13において表皮Cを真空吸着した状態で、第1の型11に対して基材Bをセットした第2の型12を型合わせし、その状態で両型11,12間において表皮C上に樹脂材料Mを一体成形する。第1の型11上への表皮Cの真空吸着に際して、各吸気孔13の吸着動作を時間差を設けて実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車におけるインストルメントパネルのように、表皮上に樹脂材料を一体に積層成形してなる成形品の成形方法及び成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の成形装置としては、例えば特許文献1に開示されるような構成が提案されている。この従来構成においては、下側の第1の型と、その第1の型に対して接近離間可能に配置された上側の第2の型とが装備されている。第1の型の上面には第1成形面が形成され、その第1成形面には表皮を吸着するための複数の吸気孔が設けられている。第1の型には、吸気孔に対応する複数の減圧室が設けられている。第2の型の下面には、第1の型の第1成形面に対応する第2成形面が形成されている。
【0003】
そして、第1の型の第1成形面上に表皮が載置された状態で、ポンプよって減圧室が真空吸引されることにより、第1成形面上の複数の吸気孔において表皮が真空吸着される。この状態で、第1の型に対して第2の型が型合わせされた後、表皮上に溶融樹脂材料が供給されることにより、第1の型の第1成形面と第2の型の第2成形面との間で、表皮上に樹脂材料が一体に積層成形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−58396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この従来の成形装置では、真空吸引ポンプにより複数の減圧室が同時に真空吸引されて、表皮が第1成形面上の複数の吸気孔において同時に真空吸着されるようになっている。このため、表皮を部分的に位置規正しながら第1の型の第1成形面上にセットすることが困難であり、表皮のセット位置にずれが生じたり、表皮に皺が発生したりするという問題があった。特に、表皮が本革等の柔らかい材料で構成されていたり、表皮の一部にステッチ部等のセットし難い箇所が存在したりする場合には、前記の問題が顕著に現出した。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、表皮を第1の型に対して部分的に位置規正しながら、位置ずれが生じたり皺が発生したりすることなく正確にセットすることができる成形方法及び成形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、成形方法に係る発明では、第1の型の複数箇所の吸着ポイントにおいて表皮を真空吸着した状態で、第1の型に対して第2の型を型合わせし、その状態で表皮上に樹脂材料を一体成形するようにした成形方法であって、各吸着ポイントにおける真空吸着を時間差をおいて実行することを特徴としている。
【0008】
従って、この発明の成形方法では、第1の型上への表皮の真空吸着に際して、各吸着ポイントの吸着動作が時間差をおいて実行される。このため、表皮を第1の型に対して部分的に位置規正しながら吸着させることができる。よって、表皮を位置ずれが生じたり皺が発生したりすることなく、所定のセット位置に対して緊張状態で正確にセットすることができる。
【0009】
前記の成形方法において、表皮の周縁部の真空吸着を最初に行うようにするとよい。
前記の成形方法において、表皮の周縁部に続いて、表皮のステッチ部の真空吸着を行うようにするとよい。
【0010】
また、成形装置に係る発明では、複数箇所に吸着ポイントを有し、表皮を吸着可能な第1の型と、その第1の型に対して接近離間可能に対応配置された第2の型とを備え、第1,第2の両型間において表皮上に樹脂材料を一体成形するようにした成形装置において、前記各吸着ポイントの吸着動作を時間差を設けて実行させるための作動手段を設けたことを特徴としている。
【0011】
前記の成形装置において、前記第1の型に複数の減圧室を設け、前記吸着ポイントを各減圧室に設けるとよい。
前記の成形装置において、前記吸着ポイントにおける吸引圧を均等化するための圧力調整手段を設けるとよい。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば、表皮を第1の型に対して部分的に位置規正しながら、位置ずれが生じたり皺が発生したりすることなく正確にセットすることができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態の成形装置を示す断面図。
【図2】図1の成形装置を操作するためのリモートコントロールスイッチを示す平面図。
【図3】同成形装置の制御構成を示すブロック図。
【図4】同成形装置における表皮の吸着動作を説明する断面図。
【図5】図4に続く表皮の吸着動作を示す断面図。
【図6】図5に続く表皮の吸着動作を示す断面図。
【図7】図6に続く表皮の吸着動作を示す断面図。
【図8】図7に続く表皮の吸着動作を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、この発明を具体化した成形装置の一実施形態を、図面に従って説明する。
図1及び図4に示すように、この実施形態の成形装置10においては、下側の第1の型11と、その第1の型11上に対して図示しない駆動手段により接近離間可能に対応配置された上側の第2の型12とが装備されている。第1の型11の上面には第1成形面11aが形成されるとともに、第2の型12の下面には第1の型11の第1成形面11aに対応する第2成形面12aが形成されている。第1の型11と第2の型12との間において第1の型11の上面外周縁には、第1の型11の上面の第1成形面11aに載置される表皮Cの周縁を第1成形面11aに押さえ付ける押さえ枠31が図示しない駆動手段により接近離間可能に対応配置されている。第1の型11の第1成形面11aには、表皮Cを吸着するための複数の吸着ポイントとしての吸気孔13が設けられている。
【0015】
図1に示すように、前記第1の型11には、前記吸気孔13を有する複数の減圧室14が区画形成されている。なお、吸気孔13は、ひとつの減圧室14に対して1または複数設けられている。各減圧室14には、真空吸引ポンプ15に連なる吸引通路16が口金17を介してそれぞれ接続されている。各吸引通路16には、その吸引通路16を開放させて吸気孔13において表皮Cに対する吸着動作を行なわせるための電磁開閉バルブ18が接続されている。各吸引通路16には、吸気孔13の吸着動作時に吸引圧を検出するための圧力センサ19が接続されている。各吸引通路16には、圧力センサ19の検出結果に基づいて吸引圧を調整して、各吸気孔13における吸引圧を調整するための圧力調整手段としての圧力調整バルブ20が接続されている。
【0016】
そして、前記第1の型11の第1成形面11a上に表皮Cが載置された状態で、電磁開閉バルブ18が開放されることにより、各減圧室14が真空吸引ポンプ15よって真空吸引される。この真空吸引により、第1成形面11a上の各吸気孔13において吸着動作が実行されて、表皮Cがそれらの吸気孔13の部分に真空吸着される。この場合、後述するように、各吸気孔13における吸着動作が減圧室14ごとに時間差をおいて実行されるようになっている。その後、第1の型11に対して基材Bがセットされた第2の型12が型合わせされ、この状態で表皮C上にウレタン樹脂等の溶融樹脂材料が供給されることにより、第1の型11の第1成形面11aと第2の型12の第2成形面12aにセットされた基材Bとの間で、表皮C上に樹脂材料Mが一体に積層成形される。
【0017】
図2に示すように、この実施形態の成形装置10には、装置の運転等を操作するためのリモートコントロールスイッチ21が設けられている。このリモートコントロールスイッチ21上には、オンオフボタン22、モード設定つまみ23、工程切換つまみ24、圧力設定つまみ25及びテンキー26が配設されている。オンオフボタン22は、成形装置10を作動または停止させる場合に操作される。モード設定つまみ23は、成形装置10の作動モードを入力モードと運転モードとに選択設定する場合に操作される。
【0018】
前記工程切換つまみ24は、各減圧室14の時間差をおいて減圧動作させる場合に操作される。圧力設定つまみ25は、入力モードにおいて各吸気孔13の吸引圧を減圧室14の容積等に応じて低圧、中間圧、高圧の3段階に選択設定する場合に操作される。テンキー26は、入力モードにおいて吸気孔13を減圧室14ごとに指定する場合に用いられる。
【0019】
そして、モード設定つまみ23によって入力モードが設定された状態で、テンキー26によって減圧室14を指定すれば、その減圧室14における真空吸引の圧力を圧力設定つまみ25によって設定して、そのデータを図3に示す制御装置28の記憶部に記憶させることができる。
【0020】
次に、前記のように構成された成形装置10において、特に表皮Cの吸着動作を制御するための制御構成について説明する。
図3に示すように、成形装置10には、作動手段を構成する前記制御装置28が付設されている。この制御装置28には、前記各圧力センサ19から吸引圧の検出信号が入力されるとともに、リモートコントロールスイッチ21から操作信号が入力される。また、制御装置28からは、前記真空吸引ポンプ15、各電磁開閉バルブ18及び各圧力調整バルブ20に対して作動または停止信号が出力される。そして、前記第1の型11の第1成形面11a上に表皮Cをセットする際に、制御装置28の制御により、各吸気孔13における吸着動作が複数の吸着工程に分けて、時間差を設けて順に実行されるようになっている。
【0021】
この実施形態においては、前記リモートコントロールスイッチ21の入力モードにおける設定によって、第1〜第4の吸着工程に分けて実行されるようになっている。すなわち、最初の第1吸着工程では図5に示すように、押さえ枠31により表皮Cの周縁部が第1の型11上に押さえられた状態で、表皮Cの周縁部と対応する吸気孔13Aの吸着動作が行われる。次の第2吸着工程では図6に示すように、表皮Cの周縁部に続いて表皮Cのステッチ部Caと対応する吸気孔13Bの吸着動作が行われる。さらに、第3吸着工程では図7に示すように、残りの吸気孔13のうち、表皮Cの一側部と対応する複数の吸気孔13Cの吸着動作が行われ、第4吸着工程では図8に示すように、表皮Cの他側部と対応する複数の吸気孔13Dの吸着動作が行われる。そして、この場合、各吸気孔13からの吸引圧力が、第1〜第3吸着工程においては低圧または中間圧に設定され、第4吸着工程においては高圧に設定されるように、前記圧力調整バルブ20の開度が設定される。
【0022】
次に、前記のように構成された成形装置10の作用を説明する。
さて、この成形装置10において、第1の型11の第1成形面11a上に表皮Cをセットする場合には、図4に示すように、第2の型12及び押さえ枠31が第1の型11から上方へ離間する位置に配置された状態で、第1成形面11a上に表皮Cを載置する。この状態で、リモートコントロールスイッチ21上のモード設定つまみ23を運転モード側に設定するとともに、工程切換つまみ24を第1吸着工程に設定すると、制御装置28の制御により、押さえ枠31による表皮Cの周縁部の押さえ動作が行なわれるとともに、両側部の減圧室14に連なる吸引通路16中の電磁開閉バルブ18が開放動作される。
【0023】
この開放動作により、図5に示すように、最初に表皮Cの周縁部が押さえ枠31によって保持された状態で、その周縁部と対応する減圧室14の吸気孔13Aが低圧または中間圧で吸着動作されて、表皮Cの周縁部が第1の型11の第1成形面11aに対して真空吸着される。このとき、表皮Cの周縁部の一部に位置ズレや皺が生じている場合には、その位置ズレや皺を規正することによって、表皮C全体を所定のセット位置に位置決め配置することができる。なお、この表皮Cの周縁部の吸着後に、押さえ枠31が第1の型11に対して接近移動されて、表皮Cの周縁部が保持されるようにしてもよい。
【0024】
続いて、表皮Cのステッチ部Caを所定に位置に位置決めした状態で、前記リモートコントロールスイッチ21上の工程切換つまみ24を第2吸着工程に切り換えると、制御装置28の制御により、表皮Cのステッチ部Caと対応する中央部の減圧室14に連なる吸引通路16中の電磁開閉バルブ18が開放される。従って、図6に示すように、表皮Cの周縁部と対応する吸気孔13Aに続いて、表皮Cのステッチ部Caと対応する吸気孔13Bが低圧または中間圧で吸着動作されて、そのステッチ部Caが第1成形面11aの所定位置に対して真空吸着される。このときにも、ステッチ部Ca一部やその周囲に位置ズレや皺が生じている場合には、その位置ズレや皺を規正することによって、ステッチ部Caをその全長にわたって所定位置に正確に位置決め配置することができる。
【0025】
次いで、前記工程切換つまみ24を第3吸着工程に切り換え設定すると、制御装置28の制御により、残りの減圧室14のうちで表皮Cの一側部と対応する複数の減圧室14に連なる吸引通路16中の電磁開閉バルブ18が開放される。従って、図7に示すように、表皮Cのステッチ部Caと対応する吸気孔13Bに続いて、表皮Cの一側部と対応する吸気孔13Cが低圧または中間圧で吸着動作されて、その表皮Cの一側部分が第1成形面11aに対して真空吸着される。このときにも、表皮Cの吸着部分に位置ズレや皺が生じている場合には、その位置ズレや皺を規正することができる。
【0026】
その後、前記工程切換つまみ24を第4吸着工程に切り換え設定すると、制御装置28の制御により、表皮Cの他側部と対応する複数の減圧室14に連なる吸引通路16中の電磁開閉バルブ18が開放される。従って、図8に示すように、表皮Cの一側部と対応する吸気孔13Cに続いて、表皮Cの他側部と対応する吸気孔13Dが高圧で吸着動作されて、その表皮Cの他側部分が第1成形面11aに対して真空吸着される。
【0027】
このように、第1〜第4の吸着工程において、第1の型11上の複数の吸気孔13A〜13Dが時間差を設けて順に吸着動作されることにより、表皮Cが第1の型11上の所定位置にセットされる。この場合、第1〜第4の各吸着工程において、複数の吸気孔13A〜13Dが同時に吸着動作される際には、各吸引通路16の圧力センサ19により吸引圧が検出されるとともに、その検出結果に基づいて圧力調整バルブ20により吸引圧が低圧,中間圧または高圧に調整されるとともに、各吸気孔13A〜13Dにおける吸引圧が均等化される。
【0028】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) この成形装置では、第1の型11上への表皮Cの真空吸着に際して、複数箇所の吸気孔13の吸着動作が時間差をおいて実行される。このため、表皮Cを第1の型11に対して部分的に位置規正しながら吸着させることができる。よって、表皮Cに位置ずれが生じたり皺が発生したりするおそれを防止することが可能になり、表皮Cを第1の型11上の所定のセット位置に対して正確にセットすることができる。
【0029】
(2) この成形装置では、表皮Cの周縁部の真空吸着が最初に行われるようになっている。このため、表皮Cの周縁部の真空吸着により、最初に表皮C全体を所定のセット位置に位置決めすることができる。また、周縁部の真空吸着に先だって、同周縁部が押さえ枠31によって押さえ保持されるため、表皮C全体を正確に位置決めできる。
【0030】
(3) この成形装置では、表皮Cの周縁部に続いて、表皮Cのステッチ部Caの真空吸着が行われるようになっている。このため、表皮C全体の位置決めに続いて、セットし難いステッチ部Caを所定位置に位置決めすることができる。
【0031】
(4) この成形装置では、前記第1の型11に吸気孔13と対応する複数の減圧室14が設けられ、それらの減圧室14に対する吸引通路16に電磁開閉バルブ18がそれぞれ設けられている。このため、各電磁開閉バルブ18を開閉制御して、減圧室14を真空吸引することにより、所定の吸気孔13を所定のタイミングで容易に吸着動作させることができる。
【0032】
(5) この成形装置では、前記各減圧室14に対する吸引通路16に、吸引圧を検出するための圧力センサ19、及びその圧力センサ19の検出結果に基づいて吸引圧を調整して、吸気孔13における吸引圧を調整するための圧力調整バルブ20が設けられている。このため、各吸気孔13に対応する減圧室14の容積が異なっている場合でも、圧力センサ19の検出結果に基づく圧力調整バルブ20の調整動作により、各吸気孔13における吸引圧を均等化することができて、高品質の成形品を得ることができる。
【0033】
(6) 圧力調整バルブ20の開度の設定により、各吸気孔13からの吸引圧力が、第1〜第3吸着工程においては低圧または中間圧に設定され、第4吸着工程においては高圧に設定される。従って、第1〜第3吸着工程においては、表皮Cの位置ずれ修正や皺の解消を行ないやすく、第4吸着工程では、表皮Cの移動を有効に阻止して、正確な形状の成形を行なうことができる。よって、高品質の成形品を得ることができる。
【0034】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態において、各吸引通路16中に電磁開閉バルブ18と圧力調整バルブ20とを別々に設けることなく、開閉機能及び圧力調整機能を有する共用のバルブを設けること。すなわち、減圧動作タイミングが一致する複数の減圧室14にひとつの電磁開閉バルブ18を接続し、圧力一致する複数の減圧室14にひとつの圧力調整バルブ20を接続すること。
【0035】
・ 前記実施形態では、第1〜第4の吸着工程が時間差をおいて手動によって実行されたが、この第1〜第4の工程が自動的に実行されるようにすること。このようにするためには、制御装置28の記憶部に第1〜第4の吸着工程の動作タイミングを記憶させ、それに従って電磁開閉バルブ18を動作させればよい。
【0036】
・ 前記実施形態では、各吸気孔13における吸引圧力が均等になるようにしたが、この吸引圧力を適宜変更すること。例えば、ステッチ部Ca部分の吸引圧力を強くして、ステッチ部Caが樹脂の成形圧力によって移動しないようにすること。
【符号の説明】
【0037】
10…成形装置、11…第1の型、12…第2の型、13,13A〜13D…吸着ポイントとしての吸気孔、14…減圧室、15…真空吸引ポンプ、16…吸引通路、18…電磁開閉バルブ、19…圧力センサ、20…圧力調整手段としての圧力調整バルブ、28…作動手段としての制御装置、B…基材、C…表皮、Ca…ステッチ部、M…樹脂材料。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の型の複数箇所の吸着ポイントにおいて表皮を真空吸着した状態で、第1の型に対して第2の型を型合わせし、その状態で表皮上に樹脂材料を一体成形するようにした成形方法であって、
各吸着ポイントにおける真空吸着を時間差をおいて実行することを特徴とする成形方法。
【請求項2】
表皮の周縁部の真空吸着を最初に行うことを特徴とする請求項1に記載の成形方法。
【請求項3】
表皮の周縁部に続いて、表皮のステッチ部の真空吸着を行うことを特徴とする請求項2に記載の成形方法。
【請求項4】
複数箇所に吸着ポイントを有し、表皮を吸着可能な第1の型と、その第1の型に対して接近離間可能に対応配置された第2の型とを備え、第1,第2の両型間において表皮上に樹脂材料を一体成形するようにした成形装置において、
前記各吸着ポイントの吸着動作を時間差を設けて実行させるための作動手段を設けたことを特徴とする成形装置。
【請求項5】
前記第1の型に複数の減圧室を設け、前記吸着ポイントを各減圧室に設けたことを特徴とする請求項4に記載の成形装置。
【請求項6】
前記吸着ポイントにおける吸引圧を均等化するための圧力調整手段を設けたことを特徴とする請求項4または5に記載の成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−158151(P2012−158151A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20913(P2011−20913)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】