説明

成形金属容器

本発明は、薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディを含む成形金属容器に関する。成形容器ボディは、ボディテーパー部(tapered body portion)、ボディ中央部およびボディ下部を含み、ボディテーパー部はボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部を有する開口端を含む。底部がボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化している。代表的な態様においては、成形金属容器は、複数のねじ山を有するアウトサート部品を含み、アウトサート部品は、ボディテーパー部の開口端近傍の外周に嵌合しており、アウトサート部品は、アウトサート部品の外周に形成されている保持リングまたは保持リングとして機能する端部を含む。複数のねじ山は、アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられており、成形金属容器とは別個の容器クロージャーを成形容器ボディに係合して保持するためのものである。他の代表的な態様においては、ネックリング(neck ring)が成形容器ボディと一体的に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディを含む成形金属容器に関する。成形容器ボディは、ボディテーパー部(tapered body portion)、ボディ中央部およびボディ下部を含み、ボディテーパー部はボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部を有する開口端を含む。底部がボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化している。代表的な態様においては、成形金属容器は、複数のねじ山を有するアウトサート部品を含み、アウトサート部品は、ボディテーパー部の開口端近傍の外周に嵌合しており、アウトサート部品は、アウトサート部品の外周に形成されている保持リングまたは保持リングとして機能する端部を含む。複数のねじ山は、アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられており、成形金属容器とは別個の容器クロージャーを成形容器ボディに係合して保持するためのものである。他の代表的な態様においては、ネックリング(neck ring)が成形容器ボディと一体的に形成されている。
【背景技術】
【0002】
本発明の以前には、製品を入れる容器(しばしば、金属シートや金属塊から形成される)の設計においては、製品を入れる容器の頭頂に大きな垂直荷重がかかる際に変形や潰れが生じないように、容器の壁厚を充分に大きくする必要があった(以下、「製品を入れる容器」をしばしば単に「製品容器」と称する)。そのような大きな垂直荷重が生ずるのは、典型的には、充填ラインで製品容器にクロージャー(closure)を取り付けて容器を密封する時である。この点については、製品容器にクロージャーを取り付けて容器を密封するために、しばしば、175ポンド(lbs)を超える荷重が製品容器の頭頂にかかり得る。
【0003】
その場合の1つの欠点は、荷重に耐えるように製品容器の壁厚を小さく設計すると、製品容器の製造用材料の量が増えて、容器の費用が上がることである。
【0004】
もう1つの欠点は、製品容器の壁厚を大きくすると、製品容器の成形がより難しくなり、製品容器の設計における可能な機能上・装飾上の選択肢のタイプや種類が限定され得ることである。
【0005】
製品充填とクロージャー取り付けにより飲料を密封する際の大きな垂直荷重を製品容器の頭頂部で遮断することができ、製品充填とクロージャー取り付けの際の容器の変形と潰れを防止できるシステムと方法の必要性が、長年にわたり認識されている。また、食品と飲料に好適な低コストの金属容器の必要性が長年にわたり認識されており、また、薄厚及び/又は弱い側壁構造を有する他のタイプや種類の容器の必要性も認識されている。加えて、上記の欠点または他の欠点を克服する必要性がある。これらの全てに基づいて、本発明は開発されたものである。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、先行技術の欠点を克服して、また、更なる利益を提供する。本発明の第1態様の成形金属容器は、薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディを含み、成形容器ボディは、ボディテーパー部、ボディ中央部およびボディ下部を含み、ボディテーパー部はボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部を有する開口端を含む。底部がボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化している。アウトサート部品が、ボディテーパー部の開口端近傍の外周に嵌合している。アウトサート部品は、アウトサート部品の外周に形成されている保持リング、および複数のねじ山を含む。複数のねじ山は、アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられており、成形金属容器とは別個の容器クロージャーを成形容器ボディに係合して保持するためのものである。
【0007】
本発明は、先行技術のさらなる欠点を克服して、また、更なる利益を提供する。本発明の第2態様の成形金属容器は、ボディテーパー部およびネックリングを含み、ボディテーパー部は、ボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部を有する開口端を含み、ネックリングは、ボディテーパー部の開口端近傍の外周にボディテーパー部と一体的に取り付けられている。成形金属容器はさらに、ボディ中央部、ボディ下部および底部を含む。底部はボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化しており、それによって薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディを形成している。
【0008】
本発明は、先行技術のさらなる欠点を克服して、また、更なる利益を提供する。本発明の第3態様の成形金属容器は、保持リングおよびボディテーパー部を含み、ボディテーパー部は、ボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部を有する開口端、ボディテーパー部と一体的であり且つボディテーパー部の外周から外側に延びる下側周縁部、および、ボディテーパー部と一体的であり且つボディテーパー部の外周から外側に延びる上側周縁部を有し、保持リングは、下側周縁部の上に配置され、下側周縁部と開口端近傍に位置する上側周縁部との間に挟み込まれ又は接着されている。成形金属容器はさらに、ボディ中央部、ボディ下部および底部を含む。底部はボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化しており、それによって薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディを形成している。
【0009】
上記で要旨を説明した方法に対応するシステムとコンピュータープログラムも、以下に説明し請求する。
【0010】
さらなる特徴と利益が、本発明の技術を通じて実現される。本発明の他の態様と要素を以下に詳しく説明し、本発明の一部と考える。本発明の利益と特徴をよりよく理解するために、明細書の記載と図面を参照されたい。
【0011】
本発明の主題を詳細かつ明確に請求の範囲に記載する。本発明の上記および他の諸目的、諸特徴、諸利益は、添付の図面に参照しながら行なう以下の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】成形金属容器への製品充填とクロージャーの取り付け中に該容器への垂直荷重を遮断して容器の変形を緩和するためのシステムと方法の1例である。
【図2A】垂直荷重を受ける、保持リングを含むアウトサート部品を含む製品容器の1例である。
【図2B】垂直荷重を受ける、保持リングを含むアウトサート部品を含む製品容器の1例である。
【図2C】垂直荷重を受ける、保持リングを含むアウトサート部品を含む製品容器の1例である。
【図3A】垂直荷重を受けるアウトサート部品を含む製品容器の1例である。
【図3B】垂直荷重を受けるアウトサート部品を含む製品容器の1例である。
【図4A】一体的ねじ山と一体的保持リングを含む製品容器の1例である。
【図4B】一体的ねじ山と一体的保持リングを含む製品容器の1例である。
【図5A】内側に延びる一体的保持リングを含む製品容器の1例である。
【図5B】内側に延びる一体的保持リングを含む製品容器の1例である。
【図6A】挟み込みまたは接着により取り付けた対称形状または非対称形状の保持リングを含む製品容器の1例である。
【図6B】挟み込みまたは接着により取り付けた対称形状または非対称形状の保持リングを含む製品容器の1例である。
【図6C】挟み込みまたは接着により取り付けた対称形状または非対称形状の保持リングを含む製品容器の1例である。
【図6D】挟み込みまたは接着により取り付けた対称形状または非対称形状の保持リングを含む製品容器の1例である。
【図7A】外側に延びる一体的保持リングを含む製品容器の1例である。
【図7B】外側に延びる一体的保持リングを含む製品容器の1例である。
【図8】垂直荷重を受けるアウトサート部品の1例である。
【図9】アウトサート部品を含む製品容器の1例と、ねじ込み式キャップ型クロージャーの取り付けの1例である。製品容器を保持リングで支持することにより垂直荷重を受け止める。
【図10A】王冠型クロージャーを含む製品容器の1例である。製品容器を保持リングで支持することにより垂直荷重を受け止める。
【図10B】王冠型クロージャーを含む製品容器の1例である。製品容器を保持リングで支持することにより垂直荷重を受け止める。
【図11】成形容器の1例である。
【0013】
以下の詳細な説明においては、図面の例示に参照しながら、本発明の好ましい態様および利益と特徴を説明する。
【0014】
発明の詳細な説明
【0015】
本発明においては、成形金属容器への垂直荷重を遮断して容器の変形を緩和する方法を用いる。そうした方法の詳細については、本願と同日に提出した別出願(発明の名称「成形金属容器への垂直荷重を遮断して容器の変形を緩和する方法」、発明者は John E. Adams et al.)に記載されている。この言及により上記別出願の内容全体が本願明細書に組み込まれるものである。
【0016】
以下、図面に参照して詳述する。図1には、成形金属容器への製品充填とクロージャーの取り付け中に該容器への垂直荷重を遮断して容器の変形を緩和するためのシステムと方法の1例が示されていることが見て取れよう。1つの代表的態様においては、複数の成形金属容器102A〜102Cを、複数の円筒状金属管を用いて形成して、移送機304に載せて移送することができる。次に、保持リングを成形金属容器102A〜102Cに形成または取り付けることができる。保持リング支持体302A〜302Bを用いて、成形金属容器への製品充填とクロージャー202の取り付け中に該容器を支持することができる。この点については、成形金属容器102Cへの充填またはクロージャー202の取り付け中に、保持リングと成形金属容器102Cの開口端との間で垂直荷重を遮断することができる。
【0017】
本明細書では、「垂直荷重(column loading)」(「アキシアル荷重(axially loading)」とも称する)は、一次軸(primary axis)と同軸方向に沿うかまたは平行な方向の荷重または力と定義される。この場合、一次軸は、成形金属容器102の頭頂の開口端から底部の封止端へ延びる軸である。1つの代表的態様においては、そのような垂直荷重は、成形金属容器102へ製品を充填する場合、成形金属容器102にクロージャーを取り付ける場合、または、成形金属容器を垂直方向に積み重ねる場合(たとえば物流用パレットの上に積み重ねる時、商店での陳列時、最終完成製品を貯蔵する時など)に典型的に生じ、また、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて他の状況においても生ずる。
【0018】
本明細書ではさらに、円筒状管とは、円筒状の表面で包まれる空間として定義される。1例としては、飲料用容器などの容器は円筒状管と呼ぶことができる。さらに、成形容器102は成形金属容器と呼ぶことができる。
【0019】
保持リングと成形金属容器102A〜102Cの開口端との間の領域で垂直荷重を遮断することの利点は、成形金属容器の保持リングより下の領域に垂直荷重がかからないことである。こうして、保持リングと成形金属容器の開口端との間の領域で垂直荷重を遮断することにより、金属その他の材料から製造した、壁厚のより小さい成形容器を使用できるようになり、つまり、従来技術においては大きな垂直荷重で変形したり潰れたりする可能性のある小さい壁厚を有する成形容器を問題なく使用できる。経済的利益としては、壁厚のより小さい成形容器は、製造用材料を減量することができるので、製造コストを削減することができる。この利益は、金属容器の場合に特に当てはまるものである。マーケティングおよび容器製造における利益としては、壁厚のより小さい容器は、成形がより容易であり、種々の成形方法で高度に成形することができる。成形方法としては、たとえばブロー成形、圧力ラム、エンボス加工、ロール加工、液圧成形、空気圧成形またはスタンピングにより成形された一対の半部材の使用など、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて種々の成形方法が使用できる。
【0020】
図2A〜2Cに、垂直荷重を受けるアウトサート部品106(保持リング108を含む)を含む、製品容器102(「成形容器102」または「成形金属容器102」とも表記する)の1例を示す。図2Aは、容器の開口端の周囲に配置されたアウトサート部品106を含む成形容器102を示す。図2Bは、ロール済み周縁部104の下方に位置するアウトサート部品106を含む成形容器102の断面を示す。本明細書においては、成形した、滑らかな、または他の形の周縁部を、「ロール済み周縁部」と称する。
【0021】
図2Cは、ロール済み周縁部104の下方に位置するアウトサート部品106を含む成形容器102の断面図を示す。ロール済み周縁部104はアウトサート部品106と連結して、ねじ込み式のクロージャーの取り付けまたは取り外しの際にアウトサート部品106が容器の頸部の周囲で滑るのを防止する。
【0022】
1つの代表的態様においては、保持リング108を有する円形のアウトサート部品106、および、所望により、取り外し可能のクロージャー202(図には示さない)を係合して保持するためのねじ山122を、成形容器102の開口端の外周に取り付けることができる。該所望により用いるねじ山は、複数のものであってよく、アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられ、成形金属容器とは別個の容器クロージャーを容器のボディに係合して保持する。図2Bはまた、成形容器102の薄厚側壁の断面110がどのようにして容器の開口端124の頂部に位置するロール済み周縁部104またはその他の成形周縁部104となり得るかを示す。ロール済み周縁部104は、アウトサート部品106が成形容器102の開口端124から滑り落ちないように保持し、同時に、人間の口と接触する滑らかな周縁部を提供して消費者が成形容器102から製品を注いで飲む際に快適感を与える。
【0023】
1つの代表的態様においては、アウトサート部品106の長さ‘B’は、5 mm 〜30 mm の範囲であり、好ましくは20 mm より小さい。開口部の長さ‘H’は、13 mm 〜50 mm の範囲である。ロール済み周縁部の長さ‘I’は、0.25 mm 〜5 mm の範囲であり、好ましくは3 mm より小さい。開口部の直径‘K’は、10 mm 〜47 mm の範囲であり、好ましくは32 mm より小さい。
【0024】
図2Bに示す代表的態様においては、アウトサート部品106は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、ポリマー、金属若しくはガラス又はその他の材料から製造することができる。さらに、アウトサート部品106は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、王冠型、ねじ込み式蓋栓型、ロールオン ピルファー プルーフ(ROPP)蓋栓型などのクロージャー、プラスチック製のクロージャー、またはスナップ式蓋栓型若しくはその他の型式のクロージャーと組み合わせて用いることができる。王冠は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、金属、プラスチックまたはその他の材料のものでよい。プラスチック製のクロージャーは、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、ねじ込み式、ねじ切り(twist-off)式またはその他の型式のものを用いることができる。1つの代表的態様においては、保持リングの長さ‘Q’は、1 mm 〜10 mm の範囲であり、好ましくは5 mm より小さい。
【0025】
図2Cに示す代表的態様においては、アウトサート部品106は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、ポリマー、金属若しくはガラス又はその他の材料から製造することができる。さらに、アウトサート部品は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、王冠型、ねじ込み式蓋栓型、ロールオン ピルファー プルーフ(ROPP)蓋栓型などのクロージャー、プラスチック製のクロージャー、またはスナップ式蓋栓型若しくはその他の型のクロージャーと組み合わせて用いることができる。王冠は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、金属、プラスチックまたはその他の材料のものでよい。プラスチック製のクロージャーは、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、ねじ込み式、ねじ切り式またはその他の型式のものを用いることができる。アウトサート部品の頭頂にある段は、アウトサート部品の上端周縁部を覆うように容器材料がせり出すことを許容するものであり、このせり出し部分がアウトサート部品を把持し、クロージャーを容器に取り付けたり容器から取り外したりする際にアウトサート部品が回転したり滑ったりしないように保持するために役立つものである。
【0026】
1つの代表的態様においては、保持リングの長さ‘Q’は、1 mm 〜10 mm の範囲であり、好ましくは5 mm より小さい。さらに、成形容器のロール済み周縁部104は、アウトサート部品106の頭端部でアウトサート部品106を係合して、クロージャーを成形容器102に取り付け及び/又は成形容器102から取り外す際にアウトサート部品106がボディテーパー部の外周上で回転するのを防止することができる。別の代表的態様においては、ロール済み周縁部104は、アウトサート部品106を係合してアウトサート部品と一体化するような形状となっており、これにより人間の口と接触する滑らかな周縁部を提供することができる。アウトサート部品106を係合して固定するこのようなロール済み周縁部を用いる方法は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、本発明の他の態様に適用することができる。
【0027】
図3A〜3Bに、垂直荷重を受けるアウトサート部品106を含む製品容器102(「成形容器102」とも表記する)の1例を示す。アウトサート部品106はさらに、取り外し可能のクロージャー202(図には示さない)に係合して保持するためのねじ山122を所望により有している。1つの代表的態様においては、該所望により用いるねじ山は、複数のものであってよく、アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられ、成形金属容器とは別個の容器クロージャーを容器のボディに係合して保持する。容器102は、ロール済み周縁部104をさらに含む。図3Aは、容器の開口端の周囲に配置されたアウトサート部品106を含む成形容器102を示す。図3Bは、ロール済み周縁部104の下方に位置するアウトサート部品106を含む成形容器102の断面を示す。
【0028】
図2A〜2Bに示すアウトサート部品の場合とは対照的に、図3A〜3Bに示す代表的態様におけるアウトサート部品の場合は、成形容器102の一端の頸部を成形して保持リングとして機能する端部を形成することによって保持リングを設け、アウトサート部品106を成形容器102の開口端124に取り付けた時にアウトサート部品106の下側周縁部の下に空隙112が生ずる。これは、成形容器のボディテーパー部に、デボス加工された領域をボディテーパー部と一体的に設けることであると言える。本明細書においては、保持リングとして機能する端部114のような保持リングとして機能する端部をも、保持リングと称することができる。
【0029】
図3Bはまた、成形容器102の薄厚側壁の断面110がどのようにして容器の開口端124の頭頂部に位置するロール済み周縁部104またはその他の成形周縁部104となり得るかを示す。ロール済み周縁部104は、アウトサート部品106が成形容器102の開口端124から滑り落ちないように保持し、同時に、滑らかな周縁部を提供して消費者が成形容器102から製品を注いで飲む際に快適感を与える。
【0030】
1つの代表的態様においては、アウトサート部品106は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、ポリマー、金属若しくはガラス又はその他の材料から製造することができる。さらに、アウトサート部品は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、王冠型、ねじ込み式蓋栓型、ロールオン ピルファー プルーフ(ROPP)蓋栓型などのクロージャー、プラスチック製のクロージャー、またはスナップ式蓋栓型若しくはその他の型式のクロージャーと組み合わせて用いることができる。王冠は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、金属、プラスチックまたはその他の材料のものでよい。プラスチック製のクロージャーは、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、ねじ込み式、ねじ切り(twist-off)式またはその他の型式のものを用いることができる。アウトサート部品106の下端部が構成する、保持リングとして機能する端部114は、保持リングとして機能し、保持リングと称することもできる。
【0031】
1つの代表的態様においては、アウトサート部品106の長さ‘B’は、5 mm 〜30 mm の範囲であり、好ましくは20 mm より小さい。開口部の長さ‘H’は、13 mm 〜50 mm の範囲である。ロール済み周縁部の長さ‘I’は、0.25 mm 〜5 mm の範囲であり、好ましくは3 mm より小さい。開口部の直径‘K’は、10 mm 〜47 mm の範囲であり、好ましくは32 mm より小さい。保持リングとして機能する端部の長さ‘P’は、2.5 mm 〜10 mm の範囲であり、好ましくは7 mm より小さい。
【0032】
図4A〜4Bに、容器と一体的なねじ山および容器と一体的な保持リングを含む製品容器102(「成形容器102」とも表記する)の1例を示す。図4Aに示す代表的態様においては、ねじ山122、ロール済み周縁部104、および保持リング114は、容器102と一体的に形成することができる。この態様の1つの利点は、さらなるアウトサート部品や、図6A〜6Bに示す保持リング114A〜114Bのような別個の保持リングを必要としないことである。このことは、製造ラインの速度を高め、容器製造工程を簡素化し、容器102の製造費用の低減に繋がる。特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、王冠型、ねじ込み式蓋栓型、ロールオン ピルファー プルーフ(ROPP)蓋栓型などのクロージャー、プラスチック製のクロージャー、またはスナップ式蓋栓型若しくはその他の型式のクロージャーを用いることができる。要求され及び/又は所望されるのに応じて、王冠は、金属、プラスチックまたはその他の材料でできているものでよい。プラスチック製のクロージャーは、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、ねじ込み式、ねじ切り式またはその他の型式のものでよい。
【0033】
1つの代表的態様においては、アウトサート部品106の長さ‘B’は、5 mm 〜30 mm の範囲であり、好ましくは20 mm より小さい。開口部の長さ‘H’は、13 mm 〜50 mm の範囲である。ロール済み周縁部の長さ‘I’は、0.25 mm 〜5 mm の範囲であり、好ましくは3 mm より小さい。開口部の直径‘K’は、10 mm 〜47 mm の範囲であり、好ましくは32 mm より小さい。保持リングとして機能する端部の長さ‘P’は、2.5 mm 〜10 mm の範囲であり、好ましくは7 mm より小さい。
【0034】
図4Bはまた、成形容器102の薄厚側壁の断面110がどのようにして容器102の開口端124の頭頂部に位置するロール済み周縁部104またはその他の成形周縁部104となり得るかを示す。ねじ山122および保持リング114は、容器の側壁110と一体的であり、この態様においてはアウトサート部品は不要である。
【0035】
図5A〜5Bに、内側へ延びる、容器と一体的な保持リングを含む、製品容器102(「成形容器102」とも表記する)の1例を示す。図5Bは、成形容器102の開口端124の断面を示し、側壁110、形成されている周縁部104、および形成されている保持リング120を示す。1つの代表的態様においては、保持リング120は、成形容器102の側壁の中に形成することができる。本発明の1つの利点は、保持リングを成形容器の側壁の中に形成することによって、別個の保持リングやアウトサート部品が不要になることである。
【0036】
図5Aに示す代表的態様においては、アウトサート部品106の長さ‘B’は、5 mm 〜30 mm の範囲であり、好ましくは20 mm より小さい。開口部の長さ‘H’は、13 mm 〜50 mm の範囲である。ロール済み周縁部の長さ‘I’は、0.25 mm 〜5 mm の範囲であり、好ましくは3 mm より小さい。開口部の直径‘K’は、10 mm 〜47 mm の範囲であり、好ましくは32 mm より小さい。保持リングの長さ‘J’は、1 mm 〜8 mm の範囲であり、好ましくは5 mm より小さい。
【0037】
図6A〜6Dに、製品容器102(「成形容器102」とも表記する)の1例を示す。製品容器は、容器に挟み込まれ又は接着された、対称形状を有する保持リング114Bまたは非対称形状を有する保持リング114Aを含む。図6A〜6Bは、容器の開口端の周囲に配置されたアウトサート部品106を含む成形容器102を示す。図6Aは、成形された外周縁部(図6Bに示す保持リング114Bにおけるような連続的円周状の外周縁部とは異なる)を有する非対称保持リング114Aを示す。保持リングの内周は、成形容器102の開口端に嵌合する(fit around)ようなサイズになっている。1つの代表的態様においては、成形された外周縁部は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、どのような形状をもとり得る。
【0038】
図6Bは、対称保持リング114Bを示す。「対称」とは、保持リング114Bの外周縁部が連続的円周状の形状であることを意味する。保持リングの内周は、成形容器102の開口端に嵌合するようなサイズになっている。
【0039】
図6Cは、ロール済み周縁部104の近傍に位置する上側周縁部118Aと下側周縁部118Bとの間に挟み込まれ又は接着された保持リング114を含む成形容器102を示す。上側周縁部118Aと下側周縁部188Bとは、成形金属容器のボディテーパー部と一体となっている。
【0040】
図6Dは、保持リング114を含む成形容器102を示す。保持リング114は、成形金属容器102のボディテーパー部に容器と一体的に形成されている下側の棚と、容器と一体的に形成されている上側周縁部118Bとの間に挟み込まれ又は接着されている。保持リング114は、下側の棚の上に載っている。容器と一体的に形成されている上側周縁部118Bは、保持リング114を下側の棚と上側周縁部との間に挟み込み又は接着している。上側周縁部118Aと下側の棚とは、成形金属容器のボディテーパー部と一体となっている。本明細書では、下側の棚を「下側周縁部」とも称する。
【0041】
図6C〜6Dに示す代表的態様においては、開口端の長さ‘B’は、5 mm 〜30 mm の範囲であり、好ましくは20 mm より小さい。開口部の長さ‘H’は、13 mm 〜50 mm の範囲である。ロール済み周縁部の長さ‘I’は、0.25 mm 〜5 mm の範囲であり、好ましくは3 mm より小さい。開口部の直径‘K’は、10 mm 〜47 mm の範囲であり、好ましくは32 mm より小さい。保持リングは下側周縁部と上側周縁部との間に挟み込まれ又は接着されており、下側周縁部、上側周縁部および保持リングの長さの合計‘J’は、1 mm 〜8 mm の範囲であり、好ましくは5 mm より小さい。
【0042】
1つの代表的態様においては、下側周縁部118Bは、成形容器102の側壁の中にボディテーパー部と一体的に形成することができる。保持リング114は、成形容器102の開口端の外周に嵌合させることができる。上側周縁部118Aは、下側周縁部118Bおよび保持リング114の上方にボディテーパー部と一体的に形成することができる。保持リング114は、上側周縁部118Aと下側周縁部118Bとの間に挟み込みまたは接着させて保持される。
【0043】
図7A〜7Bに、外側へ延びる一体的な保持リングを含む製品容器102(「成形容器102」とも表記する)の1例を示す。図7Aは、外側へ延びる一体的な保持リング120を含む成形容器102を示す。図7Bは、成形容器102の開口端124の断面を示し、側壁110、形成されている周縁部104、および形成されている保持リング120を示す。1つの代表的態様においては、保持リング120は、成形容器102の側壁の中に容器と一体的に形成することができる。
【0044】
この代表的態様における1つの利点は、保持リングを成形容器の側壁の中に形成することによって、別個の保持リングやアウトサート部品が不要になることである。
【0045】
1つの代表的態様においては、開口端の長さ‘B’は、5 mm 〜30 mm の範囲であり、好ましくは20 mm より小さい。開口部の長さ‘H’は、13 mm 〜50 mm の範囲である。ロール済み周縁部の長さ‘I’は、0.25 mm 〜5 mm の範囲であり、好ましくは3 mm より小さい。開口部の直径‘K’は、10 mm 〜47 mm の範囲であり、好ましくは32 mm より小さい。保持リングは下側周縁部と上側周縁部との間に挟み込まれ又は接着されており、下側周縁部、上側周縁部および保持リングの長さの合計‘J’は、1 mm 〜8 mm の範囲であり、好ましくは5 mm より小さい。
【0046】
図8に、垂直荷重を受けるアウトサート部品106の1例を示す。1つの代表的態様においては、アウトサート部品106は、成形容器102の開口端124の周囲に配置され、所望によりねじ山122を有する。ねじ山122は、取り外し可能のクロージャー202(図には示さない)を係合して保持するためのものであり、容器の開口端にクロージャーを取り付ける際に保持リングまたは保持リングとして機能する周縁部が垂直荷重を支えるように設計されている。該所望により用いるねじ山は、複数のものであってよく、アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられ、成形金属容器とは別個の容器クロージャーを容器のボディに係合して保持する。このようなアウトサート部品は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、プラスチック、金属または他の材料から製造することができる。
【0047】
1つの代表的態様においては、製品を充填するときまたはクロージャーを取り付けるときの垂直荷重は、たとえば、クロージャーが王冠型のものである場合には600ポンド(lbs)〜800 lbs の範囲、クロージャーがROPP蓋栓型のものである場合には300 lbs 〜500 lbs の範囲、クロージャーがプラスチック製のねじ込み式またはねじ切り式のものである場合には30 lbs 〜80 lbs の範囲であるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
本明細書では、「垂直荷重」(「アキシアル荷重」とも称する)は、一次軸と同軸方向に沿うかまたは平行な方向の荷重または力と定義される。この場合、一次軸は、成形金属容器102の頭頂の開口端から底部の封止端へ延びる軸である。1つの代表的態様においては、そのような垂直荷重は、成形金属容器102へ製品を充填する場合、成形金属容器102にクロージャーを取り付ける場合、または、成形金属容器を垂直方向に積み重ねる場合(たとえば物流用パレットの上に積み重ねる時、商店での陳列時、最終完成製品を貯蔵する時など)に典型的に生じ、また、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて他の状況においても生ずる。
【0049】
1つの代表的態様においては、開口部の外周の長さ‘H’は、13 mm 〜50 mm の範囲である。開口部の内直径‘K’は、およそ、10 mm 〜47 mm の範囲であり、好ましくは32 mm より小さく、アウトサート部品106はボディテーパー部の開口端近傍の外周に嵌合する。
【0050】
図9に、アウトサート部品106を含む製品容器102(「成形容器102」とも表記する)、およびねじ込み式スクリューキャップ型クロージャー202の取り付けの1例を示す。製品容器102は、保持リング支持体302の使用を介して垂直荷重を受ける。1つの代表的態様においては、保持リング支持体302は、成形容器102をクロージャー取り付け工程を行なう場所まで移送するためのシステムと連結している。クロージャー取り付けシステムはクロージャー202を取り付けることができるが、その際、クロージャーが王冠型のものである場合には600ポンド(lbs)〜800 lbs の範囲の垂直荷重、クロージャーがROPP蓋栓型のものである場合には300 lbs 〜500 lbs の範囲の垂直荷重、クロージャーがプラスチック製のねじ込み式またはねじ切り式のものである場合には30 lbs 〜80 lbs の範囲の垂直荷重を、それぞれ通常引き起こす。このように、垂直荷重は、用いるクロージャーの型式や種類に応じて異なる。
【0051】
クロージャーの取り付けの間、保持リング支持体302は、保持リング108を介して成形容器102を支持する。この点について、垂直荷重は、保持リング118と成形容器102(アウトサート部品106を含み、所望によりさらに、クロージャー202を受けて係合するためのねじ山を含む)の開口端との間の領域で遮断される。1つの代表的態様においては、該所望により用いるねじ山は、複数のものであってよく、アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられ、成形金属容器とは別個の容器クロージャーを容器のボディに係合して保持する。
【0052】
図10A〜10Bに、王冠型クロージャー202を含む製品容器102(「成形容器102」とも表記する)の1例を示す。図10Aは、保持リング支持体302によって支持されるロール済み周縁部104を含む成形容器102を示す。図10Bは、保持リング120を含む成形容器102に嵌合する形状を有する保持リング支持体302の断面を示す。
【0053】
1つの代表的態様においては、王冠型クロージャー202は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、スズ、鋼、アルミニウム及び/又はその他の金属でできているものでよい。また、別の代表的態様においては、王冠型クロージャー202は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、プラスチック、ポリマー、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)またはその他の材料でできているものでよい。非金属製の王冠型クロージャー202は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、所望により、塗布、メッキ、またはその他のコーティング方法により金属で被覆する最終加工を行うことにより、プラスチック製のものが金属製に見える外観になっていてもよい。
【0054】
1つの代表的態様においては、保持リング支持体302は、成形容器102と相補的な形状を有するものでよい。この場合、垂直荷重は、より広い表面に分配され、保持リング120によっても支えられるため、垂直荷重による影響を減じ、その結果、製品を充填する時及び/又はクロージャー202を取り付ける時の成形容器102の保持リング120より下の部分の変形や潰れを減ずることができる。
【0055】
1つの利点は、より薄い壁厚の容器を用いることができ、これにより、成形容器102の材料費が節約でき、製品容器の製造費用の低減と、形成及び/又はその他の成形がより容易であるより薄い側壁を有する容器の製造とに繋がることである。この態様においては、クロージャー202を取り付ける時の垂直荷重が、保持リング支持体302、およびネックリング120と成形容器102の開口端との間の容器材料で支えられる。
【0056】
図11に、成形容器102の1例を示す。成形容器102は、特定の好ましい態様における寸法比をもって特徴付けることができる。このような成形容器102は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、直線的な側壁を有していてもよい。アウトサート部品106の長さ‘B’は、5 mm 〜30 mm の範囲であり、好ましくは20 mm より小さい。開口部の長さ‘H’は、13 mm 〜50 mm の範囲である。ロール済み周縁部の長さ‘I’は、0.25 mm 〜5 mm の範囲であり、好ましくは3 mm より小さい。開口部の直径‘K’は、10 mm 〜47 mm の範囲であり、好ましくは27 mm より小さい。
【0057】
複数の代表的な態様においては、成形容器のサイズは、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、小さかったり、中くらいであったり、大きかったりする。典型的な500ミリリットル(ml)容器の場合の寸法比の代表例を以下に挙げるが、これに限定されるものではない。成形容器120の全長‘A’は、230 mm 〜280 mm の範囲であり、好ましくは251 mm である。容器のボディテーパー部の最小直径‘L’は、20 mm 〜30 mm の範囲であり、好ましくは25 mm である。ボディ中央部の最大直径‘M’は、50 mm 〜80 mm の範囲であり、好ましくは68mmである。ボディ下部の最小直径‘N’は、45 mm 〜70 mm の範囲であり、好ましくは59 mm である。底部の最大直径‘O’は、50 mm 〜75 mm の範囲であり、好ましくは69 mm である。ボディテーパー部の長さ‘C’は、80 mm 〜100の範囲であり、好ましくは80 mm である。ボディ中央部の長さ‘D’は、20 mm 〜50 mm の範囲であり、好ましくは30 mm である。ボディ下部の長さ‘E’は、100 mm 〜120 mm の範囲であり、好ましくは106 mm である。底部の長さ‘F’は、18 mm 〜30 mm の範囲であり、好ましくは22 mm である。成形容器102の長さ‘G’は、50 mm 〜75 mm の範囲であり、好ましくは69 mm より小さい。
【0058】
成形容器102が金属から製造される代表的な態様においては、金属の厚さは0.0030インチ〜0.0250インチの範囲である。
【0059】
1つの代表的態様においては、成形容器は金属製のものでよい。薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディはボディテーパー部を有し、ボディテーパー部はボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部(ロール済み周縁部の長さは‘I’である)を有する開口端(開口部の直径は‘K’である)を含む。成形容器ボディはさらに、直径‘M’のボディ中央部、直径‘N’のボディ下部、および直径‘O’の底部を含み、底部はボディ下部の一端を封止している。ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化している。
【0060】
別の代表的態様においては、開口部の直径‘K’、ボディ中央部の直径‘M’、ボディ下部の直径‘N’、および底部の直径‘O’の間に、たとえば、‘K’<‘M’、‘M’>‘N’ および ‘N’<‘O’ という関係が成り立つが、これに限られるものではない。
【0061】
この代表的態様においては、内径がほぼ‘K’、外径が‘H’、長さが‘B’であるアウトサート部品は、ボディテーパー部の開口端近傍の外周に嵌合している。アウトサート部品は、アウトサート部品の外周に形成されている保持リング、および複数のねじ山を含む。複数のねじ山は、アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられており、成形容器とは別個の容器クロージャーを成形容器ボディに係合して保持するためのものである。
【0062】
別の代表的態様においては、長さ‘E’を有する複数の第1溝130A〜130D(概ね長方形である)は、成形容器102のボディ下部に沿って方向付けされていてよい。特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、複数の第1溝は、ボディ中央部の近傍に位置する隆起したエンボス加工された上側縁部、および、底部と一体化している下側縁部をさらに含む。このような溝は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、本明細書に記載した任意の成形方法またはその他の成形方法によって形成することができる。
【0063】
別の代表的態様においては、長さ‘C’を有する複数の第2溝126A〜126D(概ね長方形である)は、成形容器のボディテーパー部に沿って方向付けされていてよい。特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、複数の第2溝は、ボディ中央部の近傍に位置する隆起したエンボス加工された下側縁部、および、開口端と一体化している上側縁部をさらに含む。このような溝は、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、本明細書に記載した任意の成形方法またはその他の成形方法によって形成することができる。
【0064】
別の代表的態様においては、ラベル領域132を、ボディ中央部の近傍に形成してもよいし、また、複数の第1溝130A〜130Dの上側縁部とボディ中央部の近傍に位置する複数の第2溝126A〜126Dの下側縁部とによって規定される境界に形成してもよい。特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、ラベル領域132は、エンボス加工またはデボス加工により形成された複数の表示記号128を含んでいてもよい。
【0065】
1つの代表的態様においては、成形容器は、ボディテーパー部、ボディ中央部(直径‘M’を有する)、ボディ下部(直径‘N’を有する)および底部(直径‘O’を有する)を含む。ボディテーパー部は、ロール済み周縁部(長さ‘I’を有する)を有する開口端(開口部の直径は‘K’である)を含み(これにより、人間の口と接触する滑らかな表面を形成する)、さらに、ボディテーパー部の特定部分(長さが‘J’であって、開口端からの距離‘B’の位置にある部分)の外周にボディテーパー部と一体的に取り付けられたネックリングを含む。ネックリングはボディテーパー部から外側または内側に延びている。底部はボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化しており、それによって薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディを形成している。
【0066】
この態様においては、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、複数の第1溝、複数の第2溝、ラベル領域、エンボス加工及び/又はデボス加工により形成された表示記号128、及び/又は他の特徴を有してよい。特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、‘K’、‘M’、‘N’および‘O’の間に、‘K’<‘M’、‘M’>‘N’ および ‘N’<‘O’ という関係が成り立ってよい。
【0067】
別の代表的態様においては、成形容器は、保持リングおよびボディテーパー部を含む。ボディテーパー部は、ロール済み周縁部(長さ‘I’を有する)を有する開口端(開口部の直径は‘K’である)を含み、これにより、人間の口と接触する滑らかな表面を形成する。下側周縁部が、ボディテーパー部と一体的であり且つボディテーパー部の外周から外側に延びており、上側周縁部が、ボディテーパー部と一体的であり且つボディテーパー部の外周から外側に延びており、保持リングは、下側周縁部の上に配置され、下側周縁部と開口端近傍に位置する上側周縁部との間に挟み込まれ又は接着されている。ボディ中央部の直径は‘M’であり、ボディ下部の直径は‘N’であり、底部の直径は‘O’である。底部はボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化しており、それによって薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディを形成している。
【0068】
この態様においては、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、複数の第1溝130A〜130D、複数の第2溝126A〜126D、ラベル領域132、エンボス加工及び/又はデボス加工により形成された表示記号128、及び/又は他の特徴を有してよい。特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、‘K’、‘M’、‘N’および‘O’の間に、‘K’<‘M’、‘M’>‘N’ および ‘N’<‘O’ という関係が成り立ってよい。
【0069】
別の代表的態様においては、成形容器は、金属製の成形容器ボディを含む。成形容器ボディは、ボディテーパー部を含む。ボディテーパー部は、ボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部(長さ‘I’を有する)を有する開口端(開口部の直径は‘K’である)を含み、これにより、人間の口と接触する滑らかな表面を形成する。ボディテーパー部は、開口端近傍に、デボス加工された領域(その長さは‘B’+‘P’である)を含む。ボディ中央部の直径は‘M’であり、ボディ下部の直径は‘N’であり、底部の直径は‘O’である。底部は容器ボディの一端を封止しており、底部はボディ下部と一体化しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化しており、‘K’<‘M’、‘M’>‘N’ および ‘N’<‘O’ という関係が成り立つ。
【0070】
内径がほぼ‘K’、外径が‘H’、長さが‘B’であるアウトサート部品は、ボディテーパー部の開口端近傍の外周に嵌合している。アウトサート部品は、保持リングとして機能する端部と複数のねじ山とを含む。保持リング端部は、長さが‘P’であり、アウトサート部品の外周の、アウトサート部品の底部とデボス加工された領域の下側縁部との間にある部分に形成されている。複数のねじ山は、アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられており、成形容器とは別個の容器クロージャーを成形容器ボディに係合して保持するためのものである。
【0071】
この態様においては、特定の態様において要求され及び/又は所望されるのに応じて、複数の第1溝130A〜130D、複数の第2溝126A〜126D、ラベル領域132、エンボス加工及び/又はデボス加工により形成された表示記号128、及び/又は他の特徴を有してよい。
【0072】
本発明の好ましい態様について説明したが、現在および未来において、以下に示す本願の請求の範囲内に含まれる種々の改善や拡張を実施し得ることが当業者に理解される。これら請求項は、初めて記載した発明に対して適切な保護を維持するためのものと理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形金属容器であって、
薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディと、成形容器ボディに取り付けられた、複数のねじ山を有するアウトサート部品とを含み、
該成形容器ボディは、ボディテーパー部、ボディ中央部、ボディ下部および底部を含み、
ボディテーパー部はボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部を有する開口端を含み、底部はボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化しており、
該アウトサート部品はボディテーパー部の開口端近傍の外周に嵌合しており、該アウトサート部品は該アウトサート部品の外周に形成されている保持リングを含み、
該複数のねじ山は、該アウトサート部品の外側表面に螺旋状に設けられており、成形金属容器とは別個の容器クロージャーを成形容器ボディに係合して保持するためのものである、
ことを特徴とする成形金属容器。
【請求項2】
ボディテーパー部が開口端の近傍にデボス加工された領域をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の成形金属容器。
【請求項3】
成形容器ボディの金属の厚さが0.0030インチ〜0.0200インチの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の成形金属容器。
【請求項4】
成形容器ボディのボディ下部と一体的であり且つ該ボディ下部に沿って方向付けされている複数の第1溝をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の成形金属容器。
【請求項5】
複数の第1溝が、ボディ中央部の近傍に位置する隆起した上側縁部、および、底部と一体化している下側縁部をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の成形金属容器。
【請求項6】
成形容器ボディのボディテーパー部と一体的であり且つ該ボディテーパー部に沿って方向付けされている複数の第2溝をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の成形金属容器。
【請求項7】
複数の第2溝が、ボディ中央部の近傍に位置する隆起した下側縁部、および開口端と一体化している上側縁部をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の成形金属容器。
【請求項8】
複数の第1溝の上側縁部とボディ中央部の近傍に位置する複数の第2溝の下側縁部とによって規定される境界によって形成されるラベル領域をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の成形金属容器。
【請求項9】
エンボス加工またはデボス加工によりラベル領域に容器と一体的に形成された複数の表示記号をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の成形金属容器。
【請求項10】
ロール済み周縁部がアウトサート部品に係合して保持し、それによってクロージャーの取り付け中または取り外し中のアウトサート部品の回転を防止することを特徴とする、請求項1に記載の成形金属容器。
【請求項11】
開口部の直径‘K’が好ましくは47ミリメートルより小さいことを特徴とする、請求項1に記載の成形金属容器。
【請求項12】
アウトサート部品の長さ‘B’が好ましくは30ミリメートルより小さいことを特徴とする、請求項11に記載の成形金属容器。
【請求項13】
成形金属容器であって、
ボディテーパー部、ボディ中央部、ボディ下部および底部を含み、
ボディテーパー部は、ボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部を有する開口端、および、ボディテーパー部の開口端近傍の外周にボディテーパー部と一体的なネックリングを含み、
底部はボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化しており、それによって薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディを形成している、
ことを特徴とする成形金属容器。
【請求項14】
ネックリングがボディテーパー部から外側に延びていることを特徴とする、請求項13に記載の成形金属容器。
【請求項15】
ネックリングがボディテーパー部から内側に延びていることを特徴とする、請求項13に記載の成形金属容器。
【請求項16】
成形容器ボディのボディ下部と一体的であり且つ該ボディ下部に沿って方向付けされている複数の第1溝をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の成形金属容器。
【請求項17】
成形容器ボディのボディテーパー部と一体的であり且つ該ボディテーパー部に沿って方向付けされている複数の第2溝をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の成形金属容器。
【請求項18】
ボディ中央部の近傍に位置するラベル領域と、エンボス加工またはデボス加工によりラベル領域に容器と一体的に形成された複数の表示記号とをさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の成形金属容器。
【請求項19】
開口部の直径‘K’、ボディ中央部の直径‘M’、ボディ下部の直径‘N’、および底部の直径‘O’の間に下記の関係が成り立つことを特徴とする、請求項13に記載の成形金属容器。
‘K’<‘M’、‘M’>‘N’ および ‘N’<‘O’
【請求項20】
成形金属容器であって、
保持リング、ボディテーパー部、ボディ中央部、ボディ下部および底部を含み、
ボディテーパー部は、ボディテーパー部と一体的なロール済み周縁部を有する開口端、ボディテーパー部と一体的であり且つボディテーパー部の外周から外側に延びる下側周縁部、および、ボディテーパー部と一体的であり且つボディテーパー部の外周から外側に延びる上側周縁部を有し、
保持リングは、下側周縁部の上に配置され、下側周縁部と開口端近傍に位置する上側周縁部との間に挟み込まれ又は接着されており、
底部はボディ下部の一端を封止しており、ボディ下部はボディ中央部と一体化しており、ボディ中央部はボディテーパー部と一体化しており、それによって薄厚側壁を有する金属製の成形容器ボディを形成している、
ことを特徴とする成形金属容器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−510778(P2013−510778A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538856(P2012−538856)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/055095
【国際公開番号】WO2011/059854
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(391026058)ザ コカ・コーラ カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
【Fターム(参考)】