説明

房水排出の外科的強化のための装置

【課題】眼の組織内における組織通路の外科的形成により、シュレム管を脈絡膜上腔に直接接続し、これにより、房水排出の一次および二次経路間の接続を形成することを可能にする微細手術ツールおよび方法を提供する。
【解決手段】近端部および遠端部を有する細長いツールを備えた、眼の第1の流路11内から眼の第2の流路12に接続する組織通路11Aを形成する装置が提供される。ツールは、約50ないし約1000ミクロンの範囲の外径を有する。シュレム管等の眼の第1の流路11から脈絡膜上腔等の第2の流路12へ眼の房水の流体経路を形成するためにツール13を使用する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の説明:
本願は、出典を明示することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする2004年4月29日提出の米国仮出願第60/567,024号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
緑内障は、房水の排出機構の機能不全により眼圧(IOP)が増加する眼の疾病状態である。房水は、眼内で毛様体において生成され、眼の前方領域内を流れる。房水は、通常、小柱網と呼ばれる、前房の内角にある組織網を介して主に排出され、その後、シュレム管と呼ばれる円形の排出空間へ入る。房水は、集水チャネル、最終的には房水静脈へ続く排出経路を進み、静脈系へ入る。この房水排出のための経路は、線維柱帯細管経路と呼ばれる場合が多い。房水は、さらに、強膜組織を介した、より拡散した二次経路を通って、主に脈絡膜上腔から、眼の筋肉および血管に沿って排出される。この房水排出のための経路は、ブドウ膜強膜経路と呼ばれる場合が多く、人間の眼からの房水の全排出量の5ないし25%に関与すると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、緑内障では、房水の一次経路が狭小化または閉塞化され、IOPが増加し、緩やかな神経損傷および視力の喪失が生じる。こうした状態は、通常、点眼液の形態の局所薬によって治療するが、薬物療法に効果が無くなった場合、あるいは患者の服用順守が問題となる場合、外科治療を行ってもよい。線維柱帯切開術または線維柱帯切除術といった従来の緑内障外科手術には、眼の切開と、小柱網を介した前房への新たな流路の形成と、が伴う。流体は、ブレブとして知られる結膜の下に形成された貯留場所へと運ばれる。ブレブは、房水の除去に効果的だが、炎症および感染による術後合併症の高い発生率をもたらす。
【0004】
さらに、眼の内室を貫通することなく、強膜組織から眼の排出系の治療にアプローチする新たなクラスの外科的処置も存在する。こうした処置は、「非貫通性」外科手術と呼ばれ、強膜の慎重な外科的切開が伴う。深部強膜切除術は、強膜内組織の一部をデスメ膜近くまで除去し、大きな房水の流れを可能にする、こうした処置の一形態である。ビスコカナロストミは、強膜を切開し、シュレム管を強膜内の湖まで開く、別の非貫通性処置である。非貫通性処置では直接的な合併症は少ないが、殆どの処置では、依然として眼組織の広範な手動切開を必要とし、房水の代替排出経路を提供するために、その後、結膜下ブレブを形成する必要がある場合も多い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、眼の組織内における組織通路の外科的形成により、シュレム管を脈絡膜上腔に直接接続し、これにより、房水排出の一次および二次経路間の接続を形成することを可能にする微細手術ツールおよび方法を説明する。房水の流れを、一次排出経路からブドウ膜強膜経路へ方向付けることで、シュレム管下流の一次経路の制限、あるいは上強膜静脈圧による抵抗を迂回し得る。組織通路は、さらに、前房を脈絡膜上腔に接続して、小柱網およびシュレム管を追加的に迂回し得る。房水が二次排出経路へ直接送られるため、ブレブの形成は必要なく、ブレブに関連する術後合併症が除去される。さらに、本発明では、創傷治癒プロセス中に組織空間と流体の流れとを維持するために通路内に移植可能なデバイスおよび材料について説明する。本発明のツールおよび方法は、外傷を最小限に抑え、反復治療を容易にする低侵襲手術での使用のために設計されている。
【0006】
近端部および遠端部を有し、約50ないし約1000ミクロンの範囲の外径を有する細長いツールを備えた、眼の第1の流路内から眼の第2の流路に接続する組織通路を形成する装置が提供される。ツールは、遠端部に近接して位置し得る可撓性マイクロカニューレを備えてよい。マイクロカニューレは、丸い無外傷性の遠位終端と、滑らかな外面被覆とを有してよい。
【0007】
ツールは、外鞘および内部部材を備えてよい。好ましくは、外鞘は柔軟であり、内部部材は、外鞘より高い曲げ剛性を有する。内部部材は、眼における装置の使用中に、除去され、別の内部部材と交換されてよい。
【0008】
ツールは、機械的な切断先端部を備え、および/または組織切除エネルギを遠端部へ伝える能力を有してよい。遠端部は、医学画像化手法により視覚化してよく、あるいは、直接的な観察により可視となる光ビーコンを有してよい。
【0009】
装置は、さらに、通路内に配置するための空間維持材料またはインプラントを備えてよい。材料は、抗線維化剤および/または抗血栓剤を含んでよい。インプラントは、チューブ状またはステント状デバイスにしてよく、眼内への送給時に、構造を変更可能にしてよい。インプラントは、組織通路の空間を維持し、組織通路を介した房水の流れの経路を提供する。インプラントは、ミクロスフィア、微粒子、マイクロファイバ、開または閉細胞マトリクス、フォーム、またはゲルを含んでよい。インプラントは、通路内での組織固定を提供するために、縫合、フランジ、または組織内成長面を含んでよい。インプラントは、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、セラミック、カーボン、または高分子材料等の永久材料、或いは、生体分解性または生体浸食性材料により作製してよい。
【0010】
シュレム管等の眼の第1の流路から脈絡膜上腔等の第2の流路へ眼の房水の流体経路を形成する装置を使用する方法が提供され、方法は、
a)外科的アクセス部位から第1の流路内へ微細手術ツールを挿入するステップと、
b)流体経路用の組織通路の形成のために、前記ツールを第1の流路に沿って所望の部位へ前進させるステップと、
c)第1の流路から第2の流路への組織通路を形成するために、ツールを作動させるステップと、
d)ツールを除去するステップと、
e)外科的アクセス部位を閉鎖するステップと、を備える。
ツールを前進させるステップと、作動させるステップとは、単一の外科的アクセス部位を使用して、第1の流路から第2の流路へ多数の組織通路を形成するために、複数回実行してよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
シュレム管と、脈絡膜上腔の前縁とは、強膜表面から同様の深さに位置することが分かっている。2つの流路間の空間的関係について、微細手術ツールが最初に導入される第1の流路の本来の形状を、対象流路に交差する組織通路を形成するツールに、整合可能であることが分かっている。したがって、ツールを、外科的アクセス部位から第1の流路内へ配置して、外科的アクセス部位の近くに組織通路を形成してよい。代替として、組織通路は、微細手術ツールを第1の流路に沿って前進させた後で形成してもよい。少なくとも短距離に渡って第1の流路を前進させたツールは、第2の流路との自然な整合性を有し、外科的アクセス部位から離れた部位での直接的視覚化なしで、組織通路の形成が可能となることが分かっている。
【0013】
こうした流路にアクセスし、組織通路を形成するために、ツールは、約50ないし約1000ミクロンの範囲の外径を有する。
【0014】
図1を参照すると、眼の関連する解剖学的構造を示している。角膜1、前房1A、強膜2、虹彩3、水晶体4、および毛様体/脈絡膜5を図示している。シュレム管6および脈絡膜上腔7は、本発明により形成された組織通路8により接続された状態で図示されている。
【0015】
本発明は、脈絡膜上腔をシュレム管に接続する、房水の排出管を外科的に形成する装置、その構成要素、および関連方法を提供する。脈絡膜上腔およびシュレム管は、両方とも、房水排出のための流路である。一般には、2つの流路の一方または両方に外科的にアクセスし、流路に接続する組織通路を形成する方法が提供される。具体的には、本発明は、
a)外科的アクセス部位から第1の流路内へ微細手術ツールを挿入するステップと、
b)流体経路用の組織通路の形成のために、前記ツールを第1の流路に沿って所望の部位へ前進させるステップと、
c)第1の流路から第2の流路への組織通路を形成するために、ツールを作動させるステップと、
d)ツールを除去するステップと、
e)外科的アクセス部位を閉鎖するステップと、を含む。
【0016】
具体的には、一実施形態では、外科的フラップ、小切開、または手術ツールの貫通によりシュレム管にアクセスする。次に、1つ以上の微細手術ツールをシュレム管に挿入し、前進させて、脈絡膜上腔への組織通路を形成する。その後、随意的に、通路開口部および流体の流れを維持するために、インプラントまたは材料を挿入してよい。最後に、ツールを引き出した後、外科的アクセス部位を必要に応じて閉鎖する。
【0017】
代替実施形態では、最初に、小切開または手術ツールの貫通により、生きた被術者の脈絡膜上腔にアクセスし、第2に、1つ以上の微細手術ツールを脈絡膜上腔に挿入し、1つ以上のツールを前進させて、シュレム管に接続する組織通路を形成し、第3に、チャネル開口部および流体の流れを維持するために、インプラントまたは材料を随意的に挿入し、最後に、外科的アクセス部位を必要に応じて閉鎖する。
【0018】
代替のアプローチは、最初に、外科的フラップの切開を行って、シュレム管と脈絡膜上腔の一部との両方を露出し、シュレム管と脈絡膜上腔とを接続する組織通路を形成し、通路開口部および流体の流れを維持するためにインプラントまたは材料を挿入し、最後に、外科的アクセス部位を必要に応じて閉鎖する。
【0019】
本発明は、眼の組織内に組織通路を形成する装置を提供し、通路は、流体の流動経路を維持するために通路へ移植する要素と共に、シュレム管から脈絡膜上腔への流体経路として機能するようになる。好適な装置は、シュレム管または脈絡膜上腔の周囲に沿って前進させ得る柔軟なマイクロカテーテルツールであり、低侵襲手術を可能にし、単一の外科的アクセス部位から排出用の多数の組織通路の形成を可能にする。
【0020】
本発明の方法を実施するためには、シュレム管または脈絡膜上腔に、強膜表面からアクセスする。両組織領域は、強膜の下にあり、眼の表面の特徴との関連において、患者毎に位置が変化する。シュレム管および脈絡膜上腔は、両方とも、外科的切開、あるいは高周波超音波(HFU)または光干渉断層撮影(OCT)等の高解像度医学画像化方法により特定し得る。医学画像化の使用は、外傷を最小限に抑え、低侵襲の外科的方法の使用を可能にするために、医学的に最も好適なアクセス部位を選択し得る点において、理想的となり得る。被術者のシュレム管、脈絡膜上腔、あるいは全身的に送給される超音波または光造影剤の使用は、特定を容易にし得る。さらに、前房に加える圧力の変化も、好適な外科的アクセス部位の特定および選択を容易にし得る。
【0021】
HFUまたはOCTの使用は、組織通路の好適な配置を決定するためにも望ましい。外科医は、画像化手法を使用して、手術のルートを事前に計画し、処置中のツールおよびデバイスの位置、方向、および配置を検証してよい。一例として、外科医は、最初にシュレム管にアクセスし、その後、脈絡膜上腔内へ向かう通路を形成してよい。代替として、方法は、最初に脈絡膜上腔から、眼の組織を介して、シュレム管または前房へのアクセスを含む。
【0022】
微細手術ツールは、最初にシュレム管または脈絡膜上腔内へ方向付ける遠位先端部を有する細長いツールを備えてよい。ツールは、眼の組織に、制御された直径のトンネル通路を形成可能な、固体または中空のトロカール状部材のような機械的な切断先端部を備えてよい。代替実施形態において、ツールは、組織通路を形成するために、鈍的切開、粘弾性的切開、または組織貫通用の手段を備えてよい。別の実施形態において、ツールは、組織通路の中心を抜き取るのに使用される、尖った遠縁部を有する中空管を備えてよい。通路を形成するための組織の除去または切除は、通路の維持と、その後のインプラントまたは空間維持材料のチャネルへの配置とに役立ち得る。
【0023】
代替として、ツールは、柔軟な外鞘と内部部材とを備え、外鞘は、内部部材を中心に軸方向で配置される。内部部材は、トロカール、固体ロッド、中空ロッドすなわちシリンダ、針、ワイヤ、または光ファイバを備えてよい。こうした光ファイバは、鞘の先端部に位置するように設置して、強膜組織を介したツールの位置の直接的視覚化に使用し得るファイバの先端部に、可視光線を送るのに使用し得る。不透明な外鞘材料の場合、光ファイバの先端部を視覚化するために、鞘の遠位先端部近くにカットアウト区画または窓を設けてよい。説明した光ビーコンは、通路の形成を導く補助的方法を提供できる。代替として、光ファイバを使用して、通路を形成するために、レーザエネルギ等の組織切除のエネルギを伝えてもよい。先端部は、組織を切除するために高周波または熱エネルギに対応してもよい。
【0024】
微細手術ツールは、シュレム管および脈絡膜上腔へのアクセスと、制御された直径の組織通路の形成と、のためにサイズを定める。直径50ないし1000ミクロンが有用であり、特に直径100ないし500ミクロンが、シュレム管へのアクセスに好適である。鞘部材の外径は、こうした範囲に対応してよく、10ないし100ミクロンの壁厚を備えてよい。
【0025】
微細手術ツールは、組織通路の形成前にシュレム管または脈絡膜上腔内で遠位先端部を前進させることが可能な可撓性マイクロカニューレまたはマイクロカテーテルとして機能してよい。組織通路を外科的アクセス部位から離れて形成することで、外科的アクセス部位での創傷治癒および瘢痕化の刺激は、組織通路の開通性に干渉しなくなる。通常、シュレム管および脈絡膜上腔には、眼の外周での1ないし3ミリメートルの切開により外科的にアクセスする。外科的アクセス部位から眼の外周の4分の1、すなわち3時の方向まで移動させるために、微細手術ツールを最小約5ミリメートル前進させ、これにより、組織通路を外科的アクセス部位から充分に離れて形成できる。組織流路の湾曲に一致する湾曲等の適切な形状を備えた剛体のツールにより、第1の組織流路内での5ミリメートルの前進が可能となる。柔軟な微細手術ツールが使用された場合、柔軟なツールの長さは、シュレム管または脈絡膜上腔の外周の少なくとも半分、約22ないし40mmの挿管を可能にするのに充分な長さであることが好ましい。こうした長さの柔軟なツールにより、単一の外科的アクセスポイントから眼の全周を多数の部位で治療することが出来る。
【0026】
一実施形態において、微細手術ツールは、柔軟な外鞘と、外鞘より高い曲げ剛性を有する内部部材とを備える。ツールは、外科的アクセス部位を介して、シュレム管または脈絡膜上腔などの眼の第1の流路へ挿入される。内部部材は、柔軟な外鞘を流路内で傷を付けずに前進させることができるように、ツールの遠位先端部から除去または引き出される。ツールの先端部を外科的アクセス部位から離れた位置に前進させた後、内部部材を外鞘内で遠位先端部まで前進させる。内部部材は使用中に取り外し、別のものに交換してよいため、この内部部材は、同じ内部部材または異なる内部部材にしてよい。より剛性が高くなったツール組立体は、シュレム管、脈絡膜上腔、または前房などの眼の第2の流路へ前進するために使用し得る。内部部材は、前述のように、ツールの遠位先端部における組織通路の形成を容易にするために、切断または組織切除構成要素に対応してもよい。微細手術ツールには、丸い無外傷性の先端部または滑らかな外面被覆といった、組織流路内での無外傷性の前進を支援する特徴を組み込んでもよい。
【0027】
シュレム管に配置された微細手術ツールによる組織通路の形成において、通路は、管内部から脈絡膜上腔へ向かって、半径方向外側へ配向してよい。このアプローチにより、2つの流路を接続する最短の長さの通路が形成される。この実施形態において、管内へ進むツールは、好ましくは、組織通路をツールの長軸と直角に、半径方向外側へ方向付け得るように、柔軟な先端部を有する。代替として、組織通路は、脈絡膜上腔と交差するように、ツールを管内部から接線方向へ前進させることで形成される。このように使用されるツールは、ツールの長軸に整合させた前方に向かう方向で、ツールの遠位先端部において通路を形成するための組織切断または切除構成要素を有する。
【0028】
図2を参照すると、シュレム管11から脈絡膜上腔12へ形成された組織通路11Aの図を示している。微細手術ツール13は、通路を形成するために、管11に挿入される。角膜9および強膜10も図示している。
【0029】
眼内で房水のための組織通路を外科的に形成する方法を例示すると、外科医は、シュレム管にアクセスし、微細手術ツールを管内に配置する。微細手術ツールは、鞘およびトロカールを備え、トロカールは、組織通路を形成するように構成された遠位先端部を有する。ツールは、組織通路の形成に望ましい位置まで、管内で前進させる。ツールを作動させ、脈絡膜上腔に接続する組織通路を形成する。ツールに取り付けたステント状デバイスを解放し、通路開口部を維持する。ツールを除去し、その後、外科的アクセス部位を、任意の必要な方法により密封する。
【0030】
図4Aおよび4Bを参照すると、本発明により使用し得る別の微細手術ツールを示している。ツールは、ルアーコネクタ19と、可撓性シャフト20と、組織内を前進するための無外傷性先端部21とを有する。ツールの遠位端部は、ツールに固定されたステント22に対応する。上述の組織通路の形成後、ステントを通路内で解放し、ステントは、図4Bのスタンドアロンの送給済みステント23として通路内に留まる。
【0031】
シュレム管に接続する組織通路を形成するために脈絡膜上腔内に最初に配置した微細手術ツールによる通路の形成において、通路は、半径方向で内側に向かって配向される。ツールは、眼の赤道と平行に整合させて使用してよく、ツールの長軸に直角な方向で通路を形成できる柔軟な先端部を有する。代替として、ツールは、少なくとも部分的にシュレム管に向かう方向で、脈絡膜上腔内において整合させてよく、ツールを前方向へ進ませることで組織通路を形成してよい。代替実施形態において、微細手術ツールは、脈絡膜上腔からシュレム管へ向けて前進させ、組織通路により脈絡膜上腔が前房に接続するまで、引き続き前進させてよい。通路は、シュレム管を通過してよく、あるいは代替として、前房に入る前に、角膜強膜接合部を通過してよい。緑内障の治療として房水の流出を最大化するために、一部の患者では、本実施形態を使用して、前房からシュレム管および脈絡膜上腔の両方への流体経路を形成することが有利となり得る。一例として、脈絡膜上腔に外科的にアクセスし、腔内にツールを配置する。鞘およびトロカールを備える微細手術ツールを使用し、トロカールは組織通路を形成するように構成された遠位先端部を有する。ツールは、組織通路の形成に望ましい位置まで、脈絡膜上腔内で前進させる。ツールを作動させ、シュレム管に接続する組織通路を形成する。ツールに取り付けたステント状デバイスを解放し、通路開口部を維持する。ツールを除去し、その後、アクセス部位を、任意の必要な方法により密封する。
【0032】
別の実施形態では、脈絡膜上腔に外科的にアクセスし、腔内にツールを配置する。鞘およびトロカールを備える微細手術ツールを使用し、トロカールは組織通路を形成するように構成された遠位先端部を有する。ツールは、組織通路の形成に望ましい位置まで、脈絡膜上腔内で前進させる。ツールを作動させ、シュレム管または角膜強膜接合部の領域を介して、前房に接続する組織通路を形成する。ツールに取り付けたステント状デバイスを解放し、通路開口部を維持する。ツールを除去し、その後、アクセス部位を、任意の必要な方法により密封する。
【0033】
図3を参照すると、脈絡膜上腔17をシュレム管16に接続する組織通路17Aの図を示している。微細手術ツール18は、通路を形成するために脈絡膜上腔17へ挿入する。角膜14および強膜15も図示している。
【0034】
微細手術ツールは、好ましくは、通路の向きを外科医が特定および制御可能にする特徴を提供するべきである。通路の位置および向きを調整および検証する公知の医学画像化システムの使用は、通路配置の精度および正確さを支援する。画像システムは、画像でのアーチファクトの形成を最少化しつつ、組織ターゲットおよびツール位置の特定を可能にするべきである。材料選択と、画像化の技術において公知である造影マーカの使用と、により、ツールに対して所望の画像特性を提供してよい。
【0035】
上記のように、通路の開通性および流体の流れの維持を助けるために、通路には、随意的にインプラントを充填してよい。インプラントは、鈍的切開、粘弾性的切開、または切開を介した貫通等、組織を通路から除去または切除せずに組織通路を形成するときに、特に有利である。インプラントは、脈絡膜上腔の開口部を維持して流体の流れを助けるために、脈絡膜上腔内へ延びてもよい。図5を参照すると、インプラント24は、一方の端部を前房またはシュレム管内部に固定するために、フランジ25等の特徴を有してよい。一般的なインプラントは、通路内での前進を助ける斜めの先端部26と、流体の流れの分布を助ける窓24とを有する。
【0036】
インプラントは、排出トンネルの開状態を確保するために、抗線維化剤、ヒアルロン酸等の空間維持材料、管状デバイス、ステント状デバイス、または同様のデバイスを含んでよい。インプラントは、永久材料または生体分解性材料を含んでよい。メトトレキサート、シロリムス、5−フルオロウラシル、およびパクリタキセル等の抗線維化剤をデバイスまたはインプラントから通路内に供給または放出してよい。インプラントは、ミクロスフィア、微粒子、マイクロファイバ、開または閉細胞マトリクス、フォーム、ゲル、チューブ状およびステント状デバイスの形態にしてよく、移植後に原位置で構成を変化させてよい。通路内に配置されたインプラントデバイスは、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金等の金属と、高分子材料と、セラミックと、ガラス質カーボン等のカーボン材料とを含む任意の適切なインプラント材料を含んでよい。インプラントは、インプラントの機械的固定を提供するために、組織内成長を促進する表面の多孔性、あるいは縫合固定を容易にする機械的特徴を有してもよい。さらに、管状デバイスは、流動特性を向上させるために、長さ方向に多数の流体出口または窓を組み込んでもよい。房水の流出を最大化するために、前房から両方の組織流路への流動経路が通路に組み込まれることから、これは、前房を脈絡膜上腔およびシュレム管の両方に接続する組織通路内に存在するインプラントにとって特に重要である。
【0037】
通路の直径を拡大するために、または、機械的手段による固定を提供するために、拡張可能なステント状インプラントを通路内に配置してよい。ステントインプラントは、圧縮して、組織通路内で解放してよく、あるいは、例えば微細手術ツールに取り付けたバルーンにより、原位置で拡張させてよい。ステントインプラントには、組織通路内での配置後に拡張を可能にする形状記憶機能を組み込んでもよい。さらに、微細手術ツールには、ツールのコアの除去後に残されるステントインプラントを備える外鞘を設けてよい。
【0038】
ステントインプラントは、脈絡膜上腔とシュレム管との間に形成された組織通路内に配置してよく、あるいは代替として、脈絡膜上腔と前房との間に形成された組織通路に配置してよい。ステントインプラントは、手術前の画像化に基づいて事前にサイズを定めてよく、あるいは、移植前または移植後に切断してサイズを定めるように設計してもよい。ステントは、インプラントの固定を提供するために、シュレム管、前房、または脈絡膜上腔に配置されるフランジを備えてもよい。
【0039】
さらに、インプラントは、通路内での最大の流動以下である制御された量の流動制限を提供するために、通路内の流れを部分的に制限するように形成可能である。これは、例えば、異なるサイズの内腔を有するインプラントを作成することで、あるいは、管壁の窓の量を変化させることで達成し得る。異なる流動値のインプラントは、外科医が房水の流れを最適化するために形成および選択してよい。さらに、ステントインプラントの流動特性は、処置後、患者のIOPの検査時に変化させてもよい。レーザ光、RF、またはマイクロ波等、様々なエネルギ源をインプラントの一部に送り、個別のセグメントを拡張または収縮させて、流動を制御してよい。熱収縮チューブと同様の光反応性ポリマまたはプレストレスポリマを利用して、この機能を実行してよい。
【0040】
処置は、適切な排出を提供する必要に応じて、1つの眼につき1つより多くの部位で実行してもよい。実際には、1つ以上の部位で処置を実行し、患者のIOPを手術後にモニタしてよい。更なる圧力の低減が必要である場合には、別の対象部位において、その後の処置を実行してよい。これにより、房水排出用に多数の組織通路を形成できる。組織通路は、微細手術ツールを前進させて複数回作動させ、単一の外科的アクセス部位を使用して、第1の流路から第2の流路への多数の組織通路を形成することで、全て単一の動作で形成し得る。以下の実施例は、例示の目的で提示され、いかなる形でも本発明を限定するものではない。
【0041】
実施例1
この試験には、摘出した人間の死体の眼を使用した。眼は、角膜輪部周囲の余分な組織を全て除去し、眼の手触りが固くなるまで、失われた流体を置き換えることで準備した。シュレム管を露出するために、幅約5mm、長さ4mmの長方形の強膜フラップを、角膜輪部から後方へ切開した。約220ミクロンの外径を有する可撓性マイクロカニューレのプロトタイプを使用した。マイクロカニューレは、直径0.006×0.008”のポリイミドチューブを含む連絡要素により製造した。連絡要素と同一直線上には、直径0.001”のステンレス鋼線と、直径0.004”のプラスチック光ファイバとを含む補強部材を配置した。ポリエチレンテレフタレート(PET)の熱収縮チューブを使用して、要素を単一の複合マイクロカニューレにまとめた。プラスチック光ファイバは、局在化のための照明ビーコン先端部を提供するために組み込んだ。ビーコン先端部は、電池式赤色光レーザダイオードソースを使用して照明した。マイクロカニューレをシュレム管口に挿入し、管に沿って前進させた。管に沿って約3時の方向まで前進させ、マイクロカニューレを後方の脈絡膜上腔内へ前進させ、房水の流動のための組織通路を形成した。マイクロカニューレのビーコン先端部は、処置中、強膜壁を介して外部表面から容易に確認され、誘導に役立った。
【0042】
実施例2
摘出した人間の死体の眼を実施例1のように準備した。出願者が開発した高解像度超音波画像化システムを使用して、組織の画像化スキャンを行い、脈絡膜上腔から前房への分路を配置するためのアクセスおよびルートを計画した。扁平部において半径方向の切開を行い、強膜を介して延ばし、脈絡膜を露出した。マイクロカニューレ(MicroFil、フロリダ州サラソタのWorld Precision Instruments)を利用した。マイクロカニューレは、ポリイミドによりコーティングされた34ゲージ溶融石英コアチューブを含む。マイクロカニューレは、前方に向かって、強膜表面に対して小さな角度を付けて、外科的切開に挿入した。マイクロカニューレは、遠位先端部が前房内に貫通するまで前進させた。高解像度超音波画像化により、脈絡膜上腔において、毛様体上方で延び、前方への角度で前房を貫通するカニューレの配置を確認した。次に、カニューレの末端15mmを切断し、前房と手術部位との間の所定の位置に残した。流体の流れが、カニューレ遠端部で確認された。遠端部は、その後、脈絡膜上腔に配置し、シアノアクリレート接着剤により切開を密封した。
【0043】
30ゲージ皮下注射針に接続した、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を充填した高架リザーバからなる潅流装置を使用して、眼を潅流した。注入圧力は、PBSリザーバの高さを設定することで、常に10mmHgに設定した。角膜を介して針を前房へ挿入して、眼を60分間潅流させ、平衡状態とした。メチレンブルー0.1ccの注入を、前房に対して行った。眼をさらに4時間潅流させた。強膜組織について、脈絡膜上の流路を中心とした範囲をメチレンブルーにより染色し、前房から脈絡膜上腔への流れを実証した。以前の半径方向の切開の周囲に、約3mmの余裕を持たせて長方形の外科的フラップを形成した。フラップを後退させ、組織を観察した。強膜内面と脈絡膜外面とは、メチレンブルーにより均一に染色されており、脈絡膜上腔への流れが実証された。
【0044】
実施例3
シュレム管を脈絡膜上腔に接続する管状インプラントを評価するために試験を行った。摘出した人間の死体の眼を実施例1のように使用および準備した。上側頭角膜輪部領域において半径方向の切開を行い、切開を約4mm、シュレム管の深さまで延ばした。切開の後端を内向きに延ばし、脈絡膜層を切断することなく、脈絡膜上部を露出した。強膜の拍車線維は、無傷で残した。0.0044”ID×0.0050”ODのポリイミドチューブを含む管状インプラントを製造した。分路チューブは、0.5mmの距離に渡って2つに割った。チューブの両半分を折り曲げ、遠端部に「T」字形のフランジを形成した。チューブの主部において、分割部に近い0.75mmに約30°の屈曲を形成した。「T」の基部の長さは2.5mmとした。分路の近端部を最初にSCS内に配置し、その後、遠端部を管内に配置し、インプラントを原位置で安定させるため、「T」のフランジを切開の口の内部に位置決めした。外科的切開をシアノアクリレート接着剤により密封した。
【0045】
オリフィス流量計および30ゲージ皮下注射針に接続した、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を充填した高架リザーバからなる潅流装置を使用して、眼を潅流し、房水の流出を判定した。移植した眼と同一だが、管状インプラントを配置しない疑似外科的処置を使用して、反対の側眼を準備した。注入圧力は、PBSリザーバの高さを設定することで、常に10mmHgに設定した。
【0046】
約24時間に渡って潅流を行い、この時点で、インプラントを有する試験用の眼の房水流出能力は、対照の眼のものより高くなった。
【0047】
実施例4
実施例3において説明した試験を実行した。24時間の潅流後、メチレンブルー染料を試験用の眼の前房に注入した。さらに24時間後、メチレンブルーは前房から除去されており、脈絡膜上腔の染色の明白な形跡が存在し、前房からの流れが実証された。
【0048】
実施例5
実施例3において説明した試験を実行した。この実験では、管状インプラントの寸法を増加させた。インプラントの寸法は、0.0062”ID×0.0080”ODとした。10mmHgの定圧での潅流を使用した。潅流を6日間継続させると、インプラントを有する試験用の眼の房水流出能力は、対照の眼より高くなった。
【0049】
実施例6
実施例3において説明した試験を実行した。72Shore Dのデュロメータと、0.006”ID×0.0080”ODの寸法とを有するPebaxポリマにより、フランジ付き管状インプラントを製造した。「T」の腕部は、長さ約0.02”とし、「T」の基部は、長さ約0.2”とした。分路の近端部には斜角を付け、「T」の基部の長さに沿って、流体の流れの分布を良好にするために小窓を作成した。インプラントは、図5に示したものに類似する。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4A】

【図4B】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の第1の流路内から前記眼の第2の流路に接続する組織通路を形成する装置であって、
近端部および遠端部を有し、約50ないし約1000ミクロンの範囲の外径を有する細長いツールを備える、装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、
前記ツールは、可撓性マイクロカニューレを備える、装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置であって、
前記可撓性マイクロカニューレは、前記遠端部に近接して位置する、装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置であって、
前記ツールは、外鞘および内部部材を備える、装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置であって、
前記外鞘は、柔軟であり、前記内部部材は、前記外鞘より高い曲げ剛性を有する、装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置であって、
前記内部部材は、前記眼における前記装置の使用中に、除去されて、別の内部部材と交換される、装置。
【請求項7】
請求項3記載の装置であって、
前記可撓性マイクロカニューレは、前記ツールの前記遠端部を形成する丸い無外傷性の遠位終端を備える、装置。
【請求項8】
請求項1記載の装置であって、
前記可撓性マイクロカニューレは、追加として、滑らかな外面被覆を備える、装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置であって、
前記ツールは、前記遠端部に機械的な切断先端部を備える、装置。
【請求項10】
請求項1記載の装置であって、
前記ツールは、組織切除エネルギを前記遠端部から伝える能力を有する、装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置であって、
前記エネルギは、レーザ光、高周波エネルギ、または熱エネルギを含む、装置。
【請求項12】
請求項1記載の装置であって、
前記遠位先端部は、前記通路の形成中に画像の誘導を可能にするために、画像化により視覚化される、装置。
【請求項13】
請求項12記載の装置であって、
前記画像化は、超音波または光干渉断層撮影を含む、装置。
【請求項14】
請求項1記載の装置であって、
前記遠位先端部は、強膜の組織を介した直接的な観察により可視となる光ビーコンを備える、装置。
【請求項15】
請求項1記載の装置であって、さらに、
前記通路内に配置するための空間維持材料またはインプラントを備える、装置。
【請求項16】
請求項1記載の装置であって、
前記ツールは、鈍的切開、粘弾性的切開、または組織管通のための手段を備える、装置。
【請求項17】
請求項15記載の装置であって、
前記空間維持材料は、ヒアルロン酸を含む、装置。
【請求項18】
請求項15記載の装置であって、
前記空間維持材料は、抗線維化剤を含む、装置。
【請求項19】
請求項18記載の装置であって、
前記抗線維化剤は、メトトレキサート、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、またはシロリムスを含む、装置。
【請求項20】
請求項15記載の装置であって、
前記空間維持材料は、抗血栓剤を含む、装置。
【請求項21】
請求項20記載の装置であって、
前記抗血栓剤は、ヘパリンまたは組織プラスミノゲン活性化因子を含む、装置。
【請求項22】
請求項15記載の装置であって、
前記インプラントは、チューブ状またはステント状デバイスを備える、装置。
【請求項23】
請求項15記載の装置であって、
前記インプラントは、ステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金、セラミック、カーボン、または高分子材料を含む、装置。
【請求項24】
請求項15記載の装置であって、
前記インプラントは、前記装置から前記眼内への送給時に構造を変化させることが可能である、装置。
【請求項25】
眼内で脈絡膜上腔とシュレム管との間に外科的に形成された組織通路内に配置するためのインプラントであって、前記組織通路の空間を維持し、前記組織通路を介した房水の流動のための経路を提供する、インプラント。
【請求項26】
脈絡膜上腔と前房との間に外科的に形成された組織通路内に配置するためのインプラントであって、前記組織通路の空間を維持し、前記組織通路を介した房水の流動のための経路を提供する、インプラント。
【請求項27】
請求項25または26記載のインプラントであって、
ミクロスフィア、微粒子、マイクロファイバ、開または閉細胞マトリクス、フォーム、ゲル、管状デバイス、またはステント状デバイスを含む、インプラント。
【請求項28】
請求項25または26記載のインプラントであって、
前記通路内での前記インプラントの組織固定を提供するために、縫合、フランジ、または組織内成長面を含む、インプラント。
【請求項29】
請求項25または26記載のインプラントであって、
ステンレス鋼、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、セラミック、カーボン、または高分子材料を含む、インプラント。
【請求項30】
請求項25または26記載のインプラントであって、
生体分解性または生体浸食性材料を含む、インプラント。
【請求項31】
請求項25または26記載のインプラントであって、
抗線維化材料を含む、インプラント。
【請求項32】
シュレム管を含む眼の第1の流路から脈絡膜上腔を含む第2の流路へ前記眼の房水の流体経路を形成する方法であって、
a)外科的アクセス部位から前記第1の流路内へ微細手術ツールを挿入するステップと、
b)前記流体経路用の組織通路の形成のために、前記ツールを前記第1の流路に沿って所望の部位へ前進させるステップと、
c)前記第1の流路から前記第2の流路への前記組織通路を形成するために、前記ツールを作動させるステップと、
d)前記ツールを除去するステップと、
e)前記外科的アクセス部位を閉鎖するステップと、
を備える方法。
【請求項33】
脈絡膜上腔を含む眼の第1の流路からシュレム管または前房から選択された第2の流路へ前記眼の房水の流体経路を形成する方法であって、
a)外科的アクセス部位から前記第1の流路内へ微細手術ツールを挿入するステップと、
b)前記流体経路用の組織通路の形成のために、前記ツールを前記第1の流路に沿って所望の部位へ前進させるステップと、
c)前記第1の流路から前記第2の流路への前記組織通路を形成するために、前記ツールを作動させるステップと、
d)前記ツールを除去するステップと、
e)前記外科的アクセス部位を閉鎖するステップと、
を備える方法。
【請求項34】
請求項32または33記載の方法であって、
前記ツールを前進させる前記ステップと、前記通路を形成するために前記ツールを作動させる前記ステップとは、画像化により方向付けされる、方法。
【請求項35】
請求項32または33記載の方法であって、
前記ツールは、可撓性マイクロカニューレを備える、方法。
【請求項36】
請求項32または33記載の方法であって、さらに、
前記通路内に空間維持材料またはインプラントを配置するステップを備える、方法。
【請求項37】
請求項32または33記載の方法であって、
前記空間維持材料は、ヒアルロン酸を含む、方法。
【請求項38】
請求項32または33記載の方法であって、
前記インプラントは、チューブ状またはステント状デバイスを備える、方法。
【請求項39】
請求項32または33記載の方法であって、
前記インプラントは、前記通路内での前記インプラントの組織固定を提供するために、縫合、フランジ、または組織内成長面を含む、方法。
【請求項40】
請求項32または33記載の方法であって、
前記ツールを前進させる前記ステップと、前記ツールを作動させる前記ステップとは、単一の外科的アクセス部位を使用して、前記第1の流路から前記第2の流路へ複数の組織通路を形成するために、複数回実行される、方法。

【公開番号】特開2012−196481(P2012−196481A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−125824(P2012−125824)
【出願日】平成24年6月1日(2012.6.1)
【分割の表示】特願2007−511094(P2007−511094)の分割
【原出願日】平成17年4月29日(2005.4.29)
【出願人】(505097125)アイサイエンス・インターベンショナル・コーポレーション (13)
【氏名又は名称原語表記】ISCIENCE INTERVENTIONAL CORPORATION
【Fターム(参考)】