説明

扁平型振動モータ

【課題】主磁路の磁気抵抗を小さくして短絡磁束の発生を有効に抑制し、高い効率が得られる扁平型振動モータを提供する。
【解決手段】界磁マグネット2に対して偏心ロータ3を介して対向するハウジング1上面部(上ケース1b)の内面側に、界磁マグネット2から発生する磁束を吸引する磁束吸引部材としてのマグネットシート12を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器や腕時計などの機器に内蔵され、当該機器に振動を発生させる扁平型振動モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器や腕時計などの機器に振動を発生させる振動発生手段として、振動モータが用いられている。この種の振動モータとしては、円筒形状のモータのシャフト先端にアンバランスな錘をつけて、その回転により振動を発生させる円筒型振動モータや、ハウジング内部に収容した扁平なロータにアンバランスモーメントを持たせ、ロータの回転により振動を発生させる扁平型振動モータが知られている。このうち、特に扁平型振動モータは、それ自体がコンパクトな形状であり、小型化、薄型化が求められる携帯機器や腕時計などの機器に内蔵する振動モータとして好適である。
【0003】
扁平型振動モータは、磁性体よりなるハウジングの内部に界磁マグネットを固定して設けるとともに、この界磁マグネットに対して所定の隙間を存して対向するように、偏心したロータコイルを有するロータをハウジング内部に回転可能に軸支した構造のものが一般的である(例えば、特許文献1,2を参照。)。このような構造の扁平型振動モータでは、界磁マグネットとハウジングとにより磁気回路が構成され、この磁気回路中にロータコイルが位置することになる。そして、ロータコイルに対して通電することによって、ロータコイルに鎖交する界磁磁束とロータコイルを流れる電流とにより、フレミングの法則に従ってロータに回転力を生じさせ、ロータの回転とともに振動を発生させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−98458号公報
【特許文献2】特許第3572474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1や特許文献2にて開示される従来の一般的な扁平型振動モータでは、磁気回路を流れる磁束のうちロータコイルに鎖交せずに短絡してしまう短絡磁束が多く発生し、その分、ロータコイルに鎖交して回転方向のトルクに寄与する主磁束が少なくなってモータの効率低下を招く傾向にあり、特に、モータの小型化が進むとその傾向が顕著になる。
【0006】
すなわち、ロータコイルに鎖交する主磁束の磁路(主磁路)は、界磁マグネット→ロータコイル→ハウジング上面→ハウジング側面→ハウジング底面→界磁マグネット、といった経路となるが、界磁マグネットとロータコイルとの間、およびロータコイルとハウジング上面との間には空隙が存在するため、主磁路の磁気抵抗は比較的大きくなっている。これに対して、モータの小型化が進んで界磁マグネット外周部とハウジング側面との間の距離が短くなってくると、この間の磁気抵抗が小さくなり、界磁マグネットの外周側からハウジング側面へと磁束が短絡し易くなる。その結果、ロータコイルに鎖交する主磁束が減少して、モータの効率低下を招いてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、主磁路の磁気抵抗を小さくして短絡磁束の発生を有効に抑制し、高い効率が得られる扁平型振動モータを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる扁平型振動モータは、磁性体よりなるハウジングと、前記ハウジング内部に固定して設けられた界磁マグネットと、前記界磁マグネットに対して所定の隙間を存して対向するように前記ハウジング内部に回転可能に軸支され、回転中心に対して偏心して設けられたロータコイルを有するロータと、前記界磁マグネットに対して前記ロータを介して対向する前記ハウジングの内面に配設され、前記界磁マグネットから発生する磁束を吸引する磁束吸引部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる扁平型振動モータによれば、界磁マグネットに対してロータを介して対向するハウジング内面に磁束吸引部材が配設され、この磁束吸引部材によって界磁マグネットから発生する磁束が吸引されるので、ロータコイルに鎖交する主磁束が通る主磁路の磁気抵抗が小さくなる。その結果、ロータコイルに鎖交せずに短絡する短絡磁束の発生を有効に抑制することができ、モータとしての効率を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる扁平型振動モータの縦断面図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態にかかる扁平型振動モータにおける主磁路の概念図である。
【図3−1】図3−1は、マグネットシートが設けられていない場合における界磁マグネットから発生する磁束の流れを示す図である。
【図3−2】図3−2は、ハウジング上面部の内面側にマグネットシートを配設した場合における界磁マグネットから発生する磁束の流れを示す図である。
【図4】図4は、第2の実施の形態にかかる扁平型振動モータの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる扁平型振動モータの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、ロータにコアレスコイルを偏心して設けた扁平型コアレス振動モータに対して本発明を適用した例であるが、本発明は、この例に限らず、この種の振動モータに対して広く適用可能である。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる扁平型振動モータの縦断面図である。この扁平型振動モータは、薄型円柱状のハウジング1を備え、このハウジング1内部に、界磁マグネット2と偏心ロータ3とが収納されて構成される。ハウジング1は、磁性体よりなる円板状の下ケース1aと、磁性体よりなる円形カップ状の上ケース1bとを組み合わせてなり、下ケース1aによりハウジング1の底面部を構成し、上ケース1bによりハウジング1の側面部および上面部を構成している。これら下ケース1bと上ケース1aとを組み合わせてなるハウジング1は、界磁マグネット2とともに磁気回路を形成している。なお、下ケース1aの中心部には開口部が設けられており、この下ケース1bの開口部は非磁性体よりなる底板4により閉塞されている。
【0013】
界磁マグネット2は、N,Sの磁極が周方向に交互に複数個配置された円環状のマグネットとして形成され、ハウジング1を構成する下ケース1aの内面に固定して設けられている。具体的には、下ケース1a内面の中心部には、後述するシャフト5の一端が圧入されたベース6が設けられており、このベース6を円環の中心に挿入するようにして、円環状の界磁マグネット2が下ケース1aの内面に位置決めした状態で固定されている。
【0014】
ハウジング1内部の中心位置には、ハウジング1の底面部から上面部に亘って、シャフト5が固定して設けられている。シャフト1の一端部は上述したベース6に圧入されて下ケース1a側に固定され、他端部はストッパ7に支持されてハウジング1の上面部を構成する上ケース1b側に固定されている。このハウジング1内部に固定して設けられたシャフト5に対して、偏心ロータ3が、ベアリング8を介して回転可能に軸支されている。偏心ロータ3は、ハウジング1の内部において、界磁マグネット2に対してシャフト5の軸方向に所定の空隙を介して面対向するように配置されている。なお、本実施の形態においては、シャフト5をハウジング1に固定して、偏心ロータ3がシャフト5の軸周りに回転する構造としているが、偏心ロータ3をシャフト5に固定するとともに、シャフト5をハウジング1に対して回転可能に取り付けて、偏心ロータ3がシャフト5とともに回転する構造としてもよい。
【0015】
偏心ロータ3は、例えば、ベアリング8の外周面に固定された円板状のコイル支持板9によりコアレスロータコイル10を支持する構造である。コアレスロータコイル10は、巻回中心に磁性体のコアを持たないコイルであり、扁平な渦巻き型のコイルとしてコイル支持板9上に形成されている。ここで、コアレスロータコイル10は、偏心ロータ3の回転中心となるシャフト5に対して偏心して設けられている。つまり、コイル支持板9上におけるコアレスロータコイル10の配置は、シャフト5を基準に同心円状で、且つ、周方向において均等でない、アンバランスな配置とされている。
【0016】
また、コアレスロータコイル10の両端は、ベアリング8の外周面に設けられた図示しないコミュテータ(整流子)に接続されており、対応するコミュテータに対してブラシベース11に支持されたブラシの先端が接触することで、外部の電源からコアレスロータコイル10に対して直流電流が通電される。なお、本実施の形態においては、コアレスロータコイル10をコイル支持板9上に形成しているが、例えば、コアレスロータコイル10を接着剤などで絶縁した状態で固めてベアリング5と一体化する構造としてもよく、このような構造を採用した場合には、コイル支持板9を不要とすることができる。
【0017】
以上が扁平型振動モータの基本的な構成であるが、本実施の形態にかかる扁平型振動モータでは、特に、ハウジング1の上面部を構成する上ケース1bの内面側、つまり、界磁マグネット2に対して偏心ロータ3を介して対向するハウジング1の内面に、界磁マグネット2から発生する磁束を吸引する磁束吸引部材として、マグネットシート(シート状マグネット)12が配設されている。マグネットシート12は、界磁マグネット2と同様に、複数のN,S磁極が周方向に交互に並ぶように形成されたシート状のマグネットであり、界磁マグネット2に対して異極同士が向かい合うように、上ケース1bの内面に固定して設けられている。つまり、界磁マグネット2のS極の直上にはマグネットシート12のN極が位置し、界磁マグネット2のN極の直上にはマグネットシート12のS極が位置している。本実施の形態にかかる扁平型振動モータでは、以上のように、界磁マグネット2に対して偏心ロータ3を介して対向するハウジング1の上ケース1b内面に、界磁マグネット2から発生する磁束を吸引するマグネットシート12が配設されていることで、界磁マグネット2から発生する磁束の直進性が増し、偏心ロータ3のコアレスロータコイル10に鎖交する主磁束の磁路(主磁路)の磁気抵抗が低減されている。
【0018】
図2は、本実施の形態にかかる扁平型振動モータにおける主磁路の概念図である。図2に示すように、界磁マグネット2から発生する磁束は、偏心ロータ3が配置されるスペースである空隙を介して磁性体よりなるハウジング1の上面部(上ケース1b)へ伝播し、ハウジング1の側面部(上ケース1b)、ハウジング1の底面部(下ケース1a)を通過して界磁マグネット2に戻る。ここで、界磁マグネット2に対してマグネットシート12が異極同士を向かい合わせるように対向配置されることで、偏心ロータ3が配置されるスペースである空隙の磁気抵抗が低減され、この空隙を伝播する磁束の直進性が増す。その結果、界磁マグネット2からハウジング1の側面部へと短絡する短絡磁束の発生が抑制され、その分、コアレスロータコイル10に鎖交して回転方向のトルクに寄与する主磁束が多くなり、モータとしての効率が向上する。
【0019】
図3−1および図3−2は、界磁マグネット2から発生する磁束の流れを、マグネットシート12を設けない場合と設けた場合とで対比して示す図であり、マグネットシート12が設けられていない場合の磁束の流れを図3−1中の一点鎖線で示し、ハウジング1の上面部を構成する上ケース1bの内面にマグネットシート12を配設した場合の磁束の流れを図3−2中の一点鎖線で示している。マグネットシート12が設けられていない場合には、図3−1に示すように、界磁マグネット2の外周側からハウジング1の側面部へと短絡する短絡磁束が多く見られ、特に、モータの小型化が進んで界磁マグネット2の外周部とハウジング1の側面部との間の距離が短くなってくると、このハウジング1側面部に短絡する短絡磁束が多くなる。これに対して、ハウジング1の上面部を構成する上ケース1bの内面にマグネットシート12を配設した場合には、このマグネットシート12により界磁マグネット2から発生する磁束が吸引されて空隙を伝播する磁束の直進性が増すことによって、図3−2に示すように、界磁マグネット2の外周側からハウジング1の側面部へと短絡する短絡磁束が低減されており、その分、コアレスロータコイル10に鎖交して回転方向のトルクに寄与する主磁束が多くなり、モータとしての効率が向上することになる。
【0020】
次に、以上のように構成される扁平型振動モータの動作について説明する。外部の電源からブラシベース11に支持されたブラシに電圧が印加されると、このブラシに接触しているコミュテータを介してコアレスロータコイル10に直流電流が流れ、コアレスロータコイル10に鎖交する界磁マグネット2からの磁束とコアレスロータコイル10を流れる電流とにより、フレミングの法則に従って偏心ロータ3に回転力が発生する。そして、偏心ロータ3の回転に伴ってブラシが接触するコミュテータが切り替わるため、界磁マグネット2が発生する界磁磁界中の回転位置に応じてコアレスロータコイル10を流れる電流の向きが切り替わり、これにより、界磁マグネット2の各磁極に対する吸引反発が繰り返されて、偏心ロータ3は持続的に回転する。この際、偏心ロータ3は、回転中心となるシャフト5に対してコアレスロータコイル10が偏心して設けられたことで偏重心を持っているため、偏心ロータ3の回転に伴って振動が発生する。ここで、特に本実施の形態にかかる扁平型振動モータでは、界磁マグネット2から発生する磁束がマグネットシート12により吸引されることで、コアレスロータコイル10に鎖交して回転方向のトルクに寄与する主磁束が多くなっているので、効率的に振動を発生させることができる。
【0021】
以上説明したように、本実施の形態にかかる扁平型振動モータは、界磁マグネット2に対して偏心ロータ3を介して対向するハウジング1上面部(上ケース1b)の内面側に、界磁マグネット2から発生する磁束を吸引する磁束吸引部材としてのマグネットシート12を配設するようにしているので、コアレスロータコイル10に鎖交する主磁束が通る主磁路の磁気抵抗を小さくして、ハウジング1側面部に短絡する短絡磁束の発生を有効に抑制することができ、効率的に振動を発生させることができる。なお、本実施の形態にかかる扁平型振動モータは、磁束吸引部材としてマグネットシート12を用いているが、磁束吸引部材としては、界磁マグネット2から発生する磁束を吸引する機能を持つものであれば、マグネットシート12以外のものを用いるようにしてもよく、例えば、粒(子)状マグネットやこれを任意の形状に加工したマグネット、フェライトなどを磁束吸引部材として用いてハウジング1上面部の内面側に配設した場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0022】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態にかかる扁平型振動モータについて説明する。本実施の形態にかかる扁平型振動モータは、コアレスロータコイル10が湾曲部を有しており、磁束吸引部材としてのマグネットシート12を、このコアレスロータコイル10の湾曲部に対して略平行となる傾斜部を有する形状としたものである。なお、本実施の形態にかかる扁平型振動モータの基本的な構成は上述した第1の実施形態と同様であるので、以下、第1の実施の形態と同様の構成については図中同一の符号を付して重複した説明を省略し、第1の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
【0023】
図4は、第2の実施の形態にかかる扁平型振動モータの縦断面図である。本実施の形態にかかる扁平型振動モータでは、偏心ロータ3のコアレスロータコイル10が、偏心ロータ3の回転中心となるシャフト5から離れた外周側に、界磁マグネット2側に湾曲した湾曲部10aを有している。コアレスロータコイル10の外周側にこのような湾曲部10aを設けることで、偏心ロータ3の偏心量が増大して偏心ロータ3の回転に伴う振動発生量が増加することになる。
【0024】
また、本実施の形態にかかる扁平型振動モータは、第1の実施形態にかかる扁平型振動モータと同様、界磁マグネット2に対して偏心ロータ3を介して対向するハウジング1上面部(上ケース1b)の内面側に磁束吸引部材としてマグネットシート12が配設されているが、このマグネットシート12は、コアレスロータコイル10の湾曲部10aに対応する外周側に、湾曲部10aと略平行となるように傾斜した傾斜部12aを有する形状とされている。つまり、磁束吸引部材としてのマグネットシート12は、湾曲部10aを有するコアレスロータコイル10に対して全ての面で略平行となるように、外周側を傾斜させた状態でハウジング1上面部の内面側に配設されている。
【0025】
以上のように構成される本実施の形態にかかる扁平型振動モータは、第1の実施形態にかかる扁平型振動モータと同様に動作し、コアレスロータコイル10への通電によりフレミングの法則に従って偏心ロータ3に回転力が発生し、偏心ロータ3の回転に伴って振動を発生させる。このとき、界磁マグネット2から発生する磁束がマグネットシート12により吸引されることで、ハウジング1の側面部に短絡する短絡磁束が減少し、コアレスロータコイル10に鎖交して回転方向のトルクに寄与する主磁束が多くなるので、効率的に振動を発生させることができる。特に、本実施の形態にかかる扁平型振動モータでは、コアレスロータコイル10が湾曲部10aを有することで、偏心ロータ3の回転に伴う振動発生量が大きくなる。また、このコアレスロータコイル10の湾曲部10aを鎖交する磁束は、この湾曲部10aと略平行となるように配置されたマグネットシート12の傾斜部12aに引き寄せられるため、湾曲部10aに対して垂直に鎖交することとなり、ここで発生しうる最大限のトルクを発生させることができる。以上の相乗効果により、本実施の形態にかかる扁平型振動モータでは、極めて高い効率で振動を発生させることが可能となる。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態にかかる扁平型振動モータは、界磁マグネット2に対して偏心ロータ3を介して対向するハウジング1上面部の内面側に磁束吸引部材としてのマグネットシート12を配設しているので、第1の実施形態にかかる扁平型振動モータと同様に、コアレスロータコイル10に鎖交する主磁束が通る主磁路の磁気抵抗を小さくして、ハウジング1側面部に短絡する短絡磁束の発生を有効に抑制することができ、効率的に振動を発生させることができる。また、特に本実施の形態にかかる扁平型振動モータでは、コアレスロータコイル10が外周側に湾曲部10aを有しており、磁束吸引部材としてのマグネットシート12が、このコアレスロータコイル10の湾曲部10aと略平行となる傾斜部12aを有する形状とされているので、偏心ロータ3を回転させる最大限のトルクを発生させることができるとともに偏心ロータ3の回転に伴う振動発生量を増大させることができ、極めて高い効率で振動を発生させることができる。なお、本実施の形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、マグネットシート12の代わりに例えば粒(子)状マグネットやこれを任意の形状に加工したマグネット、フェライトなどを磁束吸引部材として用いるようにしても、同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように、本発明にかかる扁平型振動モータは、例えば携帯機器や腕時計などの機器に振動を発生させる振動発生手段として有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 ハウジング
1a 下ケース
1b 上ケース
2 界磁マグネット
3 偏心ロータ
5 シャフト
8 ベアリング
9 コイル支持板
10 コアレスロータコイル
10a 湾曲部
12 マグネットシート(磁束吸引部材)
12a 傾斜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体よりなるハウジングと、
前記ハウジング内部に固定して設けられた界磁マグネットと、
前記界磁マグネットに対して所定の隙間を存して対向するように前記ハウジング内部に回転可能に軸支され、回転中心に対して偏心して設けられたロータコイルを有するロータと、
前記界磁マグネットに対して前記ロータを介して対向する前記ハウジングの内面に配設され、前記界磁マグネットから発生する磁束を吸引する磁束吸引部材と、を備えることを特徴とする扁平型振動モータ。
【請求項2】
前記ロータコイルは、前記ロータの回転中心から離れた外周側に、前記界磁マグネットに近づく方向に湾曲した湾曲部を有し、
前記磁束吸引部材は、前記ロータコイルの湾曲部に対応する外周側に、当該湾曲部に対して略平行となるように傾斜した傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載の扁平型振動モータ。
【請求項3】
前記磁束吸引部材は、前記界磁マグネットに対して異極同士が向かい合うように前記ハウジングの内面に固定して設けられたシート状マグネットよりなることを特徴とする請求項1または2に記載の扁平型振動モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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