説明

手動入力装置

【課題】1つの回転操作部材に3種類の操作感触を選択的に付与できると共に、装置全体の低背化が容易で大型化も回避できる手動入力装置を提供する。
【解決手段】入力時に回転操作部材2が回転操作される手動入力装置であり、表裏両面と外周面に第1乃至第3のカム部3a,3b,3cが個別に設けられたカム板3と、回転操作部材2と同心状に配置されたモード切換え用の回転操作体4と、回転操作体4を回転操作することで昇降動作する昇降部材6と、第1乃至第3のカム部3a〜3cと個別に係合可能な第1乃至第3の弾接部材7a,7b,7cを有する板ばね部材7とを備えている。カム板3は回転操作部材2に一体化されており、各カム部3a〜3cは形状が互いに異なる。また、板ばね部材7は昇降部材6に保持されており、昇降部材6の昇降位置に応じて第1乃至第3の弾接部材7a〜7cが対応するカム部3a〜3cと選択的に係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者が回転操作部材を回転操作することによって各種電子機器等を制御する手動入力装置に係り、特に、回転操作部材に対して3種類の操作フィーリングを選択的に付与できる操作感触切換え機能付きの手動入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアコンやオーディオあるいはカーナビ等の複数種類の電子機器を有する車載用制御機器において、これら電子機器の機能選択や機能調整を1つの回転操作部材に集約し、操作者がこの回転操作部材を回転操作することにより、機器の選択や選択された機器の機能調整等を行うようにした手動入力装置が知られている。通常、このような手動入力装置には、回転操作部材の操作フィーリングを良好にして操作を確実なものにするために、回転操作部材に所要の作動力やクリック感を選択的に付与できるようにした操作感触切換え手段が備えられている。かかる操作感触切換え手段としては、カム山のピッチや深さが異なる2種類のカム面に対して、弾接部材が選択的に係合できるように構成されたものが一般的である。
【0003】
また、最近は、車載用制御機器の多機能化が促進されている関係上、1つの回転操作部材に3種類の操作感触を選択的に付与可能な操作感触切換え手段も要望されている。なお、同一の操作部材を用いて4種類以上の操作を選択的に行えるようにした場合、不慣れなユーザが操作にとまどう等、却って操作性を悪化させる虞があるが、3種類の中からの選択であれば不慣れなユーザでも容易に対応できる。
【0004】
このように1つの回転操作部材に3種類の操作感触が選択的に付与される手動入力装置として、従来より、回転操作部材に一体化されてその軸線の相異なる3箇所を横切る3つの回転平面を含む位置に並設された3種類のカム部材と、回転操作部材と同心状の配置で回動可能に支持されたモード切換え用の回転操作体と、この回転操作体に駆動されて軸線方向に沿って昇降可能な昇降部材と、この昇降部材に保持されて各カム部材と選択的に係合可能な弾接部材とを備えた構成のものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来の手動入力装置では、モード切換え用の回転操作体と昇降部材のいずれか一方に設けられた駆動ピンが、他方に設けられた斜め方向に延びるガイド溝に摺動可能に挿入されており、回転操作体の回動操作によって昇降部材が昇降するため、弾接部材を軸線方向に沿って移動させて所望のカム部材に選択的に係合させることができる。したがって、カム山のピッチや深さを異にする3種類のカム部材を積層するように並設しておけば、昇降部材の昇降位置を切り換えることにより、1つの回転操作部材で3種類の異なる操作感触が選択的に得られるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−187876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来例では、回転操作部材に一体化された3種類のカム部材が互いに異なる高さ位置に配置されており、昇降部材を大きく昇降させないと弾接部材を各カム部材と選択的に係合させることができないため、手動入力装置の低背化が困難であるという問題があった。つまり、かかる従来例では、装置全体の軸線方向の高さ寸法を抑制することが困難であった。
【0007】
なお、手動入力装置の低背化を実現するために、回転操作部材の横方向へのスライド移動によって弾接部材が別のカム面と係合するように構成することも考えられるが、こうすると装置全体が大型化してしまうため好ましくない。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、1つの回転操作部材に3種類の操作感触を選択的に付与できると共に、装置全体の低背化が容易で大型化も回避できる手動入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、入力時に回転操作部材が回転操作される手動入力装置であって、前記回転操作部材の軸線方向に沿って昇降可能に支持された昇降部材と、前記回転操作部材と前記昇降部材のいずれか一方に一体化されて第1のカム部と第2のカム部と第3のカム部が個別に設けられたカム板と、前記回転操作部材と前記昇降部材のいずれか他方に保持されて前記第1乃至第3のカム部にそれぞれ弾接して係合可能な第1の弾接部材と第2の弾接部材および第3の弾接部材と、前記回転操作部材と同心状の配置で回動可能に支持されたモード切換え用の回転操作体と、この回転操作体の回転動作を前記昇降部材の昇降動作に変換する動作変換機構とを備え、前記第1のカム部は前記カム板の表面に、前記第2のカム部は前記カム板の裏面に、前記第3のカム部は前記カム板の表面と裏面の間の外周面にそれぞれ設けられ、前記第1乃至第3のカム部の形状が互いに異なると共に、前記回転操作体の回転に伴って変化する前記昇降部材の昇降位置に応じて前記第1乃至第3の弾接部材が対応する前記第1乃至第3のカム部と選択的に係合するように構成した。
【0010】
このように構成された手動入力装置では、ユーザが回転操作体を回転させて昇降部材の昇降位置を変化させるというモード切換え操作を行うことにより、第1乃至第3の弾接部材のうちの1つを対応するカム部から離脱させて別の1つを対応するカム部に係合させることができる。これらのカム部は形状(カム山のピッチや深さ)が異なるため、かかるモード切換え操作を行うことによって、回転操作時に回転操作部材に付与される操作感触をそれまでとは異なったものに設定することができる。つまり、この手動入力装置は、第1の弾接部材を第1のカム部に係合させた状態と、第2の弾接部材を第2のカム部に係合させた状態と、第3の弾接部材を第3のカム部に係合させた状態とが、昇降部材の昇降位置に応じて選択できるため、1つの回転操作部材に3種類の操作感触を選択的に付与することができる。また、第1乃至第3の弾接部材には板ばね等の肉薄な材料を使用でき、第1乃至第3のカム部を有するカム板も板厚を特に厚くする必要がないため、装置全体の軸線方向の高さ寸法を抑制することは容易であり、装置全体を大型化する必要もない。
【0011】
上記の構成において、昇降部材がカム板の裏面側に寄った第1の位置にあるときに第1の弾接部材のみが第1のカム部に弾接し、昇降部材がカム板の表面側に寄った第2の位置にあるときに第2の弾接部材のみが第2のカム部に弾接し、昇降部材が第1の位置と第2の位置の中間の位置にあるときに第3の弾接部材のみが第3のカム部に弾接するように構成することが好ましい。
【0012】
また、上記の構成において、動作変換機構が、回転操作体と昇降部材のいずれか一方に設けられたガイド溝と、いずれか他方に設けられてガイド溝に摺動可能に挿入された駆動ピンとからなり、ガイド溝が回転操作部材の軸線方向に対して斜め方向に延びていると、回転操作体の回転動作を昇降部材の昇降動作にスムーズに変換させることができて好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の手動入力装置によれば、カム板の表裏両面と外周面に形状を互いに異にする第1乃至第3のカム部が個別に設けられており、モード切換え用の回転操作体の回転に伴って変化する昇降部材の昇降位置に応じて、第1乃至第3の弾接部材を対応するカム部と選択的に係合させることができるため、1つの回転操作部材に3種類の操作感触を選択的に付与することができる。また、第1乃至第3の弾接部材には板ばね等の肉薄な材料を使用でき、第1乃至第3のカム部が設けられたカム板も板厚を特に厚くする必要がないため、装置全体の低背化が容易で大型化も回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態例に係る手動入力装置の正面図である。
【図2】図1に示す手動入力装置の上面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図5】図3のC−C線に沿う断面図である。
【図6】図3のD矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1〜図6を参照しつつ、本発明の実施形態例について説明する。これらの図に示す手動入力装置は、車載用制御機器の機能選択や機能調整等を行うためのものであり、内底面中央部に中空状の支軸1aが立設された基台1と、支軸1aに嵌合する回転軸2aを有して基台1に回動可能に支持された回転操作部材2と、回転軸2aから径方向外側へ突出する鍔部として形成されたカム板3と、基台1の上端に形成された環状ガイド部1bに回動可能に支持されているモード切換え用の回転操作体4と、この回転操作体4の回転動作に伴い駆動ピン5に駆動されて昇降可能な昇降部材6と、この昇降部材6に取着されてカム板3と係脱可能な板ばね部材7と、基台1の内底面と昇降部材6との間に介設された圧縮コイルばね8と、昇降部材6の昇降動作を案内する一対のガイド軸9と、回転操作部材2の回転位置変化を検出可能な図示せぬ回転検出素子とによって主に構成されている。なお、基台1は車室内のセンターコンソール等の図示せぬ設置母材上に固定されるようになっている。
【0016】
回転操作部材2と回転操作体4は上下2段構造の互いに独立した操作ノブとして同軸状に配置されており、下段側の回転操作体4が上段側の回転操作部材2よりも大径形状となっているため、ユーザは回転操作部材2と回転操作体4を独立して操作し易くなっている。そして、ユーザが回転操作部材2を回転操作すると、その回転量や回転方向がロータリエンコーダやロータリボリューム等の前記回転検出素子によって検出されるようになっている。また、ユーザが回転操作体4を回転操作すると、それに伴って昇降部材6が昇降動作してカム板3に対する板ばね部材7の係合位置が変化するようになっている。
【0017】
図3に示すように、カム板3の上面には第1のカム部3aが設けられ、カム板3の下面には第2のカム部3bが設けられ、カム板3の外周面には第3のカム部3cが設けられている。これら第1乃至第3のカム部3a,3b,3cにはそれぞれカム山が列設されているが、各カム部3a,3b,3cのカム形状(カム山のピッチや深さ)は互いに異なっている。具体的には、カム山のピッチと深さが第1のカム部3aは最も大きく、第2のカム部3bは最も小さく、第3のカム部3はその中間という設定にしてある。
【0018】
昇降部材6は、カム板3の外周面と回転操作体4の内壁面との間の隙間を貫通する湾曲片として形成されており、圧縮コイルばね8によって上方へ常時付勢されている。図6に示すように、この昇降部材6には、回転操作部材2や回転操作体4の軸線方向(図3の上下方向)に対して斜め方向へ延びるガイド溝6aが形成されており、回転操作体4に固着された駆動ピン5がこのガイド溝6aに摺動可能に挿入されている。そして、回転操作体4が回転すると、ガイド溝6aに沿って移動する駆動ピン5が昇降部材6を駆動するため、回転操作体4の回転方向に応じて昇降部材6が軸線方向に沿って上昇または下降するようになっている。つまり、駆動ピン5とガイド溝6aとによって、回転操作体4の回転動作を昇降部材6の昇降動作に変換する動作変換機構が構成されている。その際、基台1の内底面に立設された一対のガイド軸9が昇降部材6を貫通しているため、これらガイド軸9によって昇降部材6は傾くことなく円滑に昇降することができる。また、前述したように昇降部材6には圧縮コイルばね8の付勢力が常時作用しているが、ガイド溝6aの上下両端部と中央部に凹溝部6bが形成され、これら凹溝部6bに駆動ピン5が係止可能となっているため、任意の凹溝部6bに駆動ピン5が入り込むことにより、昇降部材6の昇降位置が安定するようになっている。
【0019】
板ばね部材7は昇降部材6の内周部に固着されており、昇降部材6と一体的に昇降する。この板ばね部材7はばね性に富む1枚の金属板を所定形状(図3〜図5参照)に折曲加工して形成されたものであり、板ばね部材7には、昇降部材6の径方向内側へ突出する第1の弾接部材7aおよび第2の弾接部材7bと、昇降部材6の周方向に沿って突出する第3の弾接部材7cとが設けられている。図3に示すように、第1の弾接部材7aはカム板3の上面に設けられた第1のカム部3aと係合可能であり、第2の弾接部材7bはカム板3の下面に設けられた第2のカム部3bと係合可能である。また、図4と図5に示すように、第3の弾接部材7cはカム板3の外周面に設けられた第3のカム部3cと係合可能である。これら第1乃至第3の弾接部材7a〜7cは、回転操作体4の回転に伴って変化する昇降部材6の昇降位置に応じてカム板3と選択的に係合する。すなわち、昇降部材6に保持されて一体的に昇降する板ばね部材7の高さ位置に応じて、第1の弾接部材7aを第1のカム部3aに係合させた状態と、第2の弾接部材7bを第2のカム部3bに係合させた状態と、第3の弾接部材7cを第3のカム部3cに係合させた状態とが選択できるようになっている。
【0020】
例えば、昇降部材6が図3に示す中間位置で駆動ピン5と係合している場合、図6に示すように、駆動ピン5はガイド溝6aの中央の凹溝部6bに入り込んで係止されている。このとき、板ばね部材7の第3の弾接部材7cがカム板3の外周面の第3のカム部3cと係合しているため、板ばね部材7の他の第1および第2の弾接部材7a,7bはカム板3から離隔している。この状態でユーザが回転操作体4を図2の反時計回りに回転操作すると、駆動ピン5がガイド溝6a内を摺動しながら図6の右方へ移動するため、昇降部材6が駆動ピン5の駆動力と圧縮コイルばね8の付勢力とによって上昇する。そして、駆動ピン5がガイド溝6aの下端の凹溝部6bに入り込むまで昇降部材6を上昇させると、この昇降部材6は可動範囲内の最上位置(カム板3の表面側に寄った第2の位置)に保持された状態に移行する。こうして昇降部材6が最上位置まで上昇すると、昇降部材6と一体的に上昇する板ばね部材7は、第2の弾接部材7bがカム板3の下面の第2のカム部3bと係合するようになり、第3の弾接部材7cはカム板3から離隔し、第1の弾接部材7aはカム板3からさらに離隔する。
【0021】
また、昇降部材6が最上位置に保持されているときに、ユーザが回転操作体4を上記と逆向きに回転操作すると、昇降部材6が駆動ピン5に駆動されて下降するため、この駆動ピン5がガイド溝6aの中央の凹溝部6bに入り込むまで昇降部材6を下降させることによって、図3と図6に示す元の状態に移行させることができる。また、ユーザが回転操作体4を逆向きにさらに回転操作し、駆動ピン5がガイド溝6aの上端の凹溝部6bに入り込むまで昇降部材6を下降させると、この昇降部材6は可動範囲内の最下位置(カム板3の裏面側に寄った第1の位置)に保持された状態に移行するため、第1の弾接部材7aがカム板3の上面の第1のカム部3aと係合するようになり、第2および第3の弾接部材7b,7cはカム板3から離隔する。
【0022】
つまり、本実施形態例に係る手動入力装置は、回転操作体4を回転操作して昇降部材6の昇降位置を変えることにより、第1乃至第3の弾接部材7a〜7cを対応する第1乃至第3のカム部3a,3b,3cと選択的に係合させることができる。そして、回転操作部材2の回転操作に伴ってカム板3が一体的に回転するため、係合状態にあるいずれか1つの弾接部材が対応するカム部と係脱する。前述したように第1乃至第3のカム部3a,3b,3cの形状は互いに異なっているため、板ばね部材7がどのカム部3a,3b,3cと係脱するのかに応じて、回転操作時の回転操作部材2に付与される操作感触はそれぞれ異なったものになる。
【0023】
具体的には、昇降部材6が最下位置に保持されており、カム山のピッチと深さが最大の第1のカム部3aに第1の弾接部材7aが係合しているときには、回転操作部材2を回転操作するユーザの手指に作動力が重めでクリックの頻度が少ない操作感触が感得される。また、昇降部材6が最上位置に保持されており、カム山のピッチと深さが最小の第2のカム部3bに第2の弾接部材7bが係合しているときには、回転操作部材2を回転操作するユーザの手指に作動力が軽めでクリックの頻度が多い操作感触が感得される。また、昇降部材6が図3と図6に示す中間位置に保持されており、第3のカム部3cに第3の弾接部材7cが係合しているときには、回転操作部材2を回転操作するユーザの手指に作動力が中程度でクリックの頻度も中程度の操作感触が感得される。
【0024】
以上説明したように、本実施形態例に係る手動入力装置は、カム板3の上面と下面と外周面に、形状を互いに異にする第1乃至第3のカム部3a,3b,3cが個別に設けられており、モード切換え用の回転操作体4の回転に伴って変化する昇降部材6の昇降位置に応じて、第1乃至第3の弾接部材7a,7b,7cを対応する第1乃至第3のカム部3a,3b,3cと選択的に係合させることができるため、1つの回転操作部材2に3種類の操作感触〜選択的に付与することができる。また、第1乃至第3の弾接部材7a,7b,7cは金属板からなるものであり、第1乃至第3のカム部3a,3b,3cが設けられたカム板3も板厚を特に厚くする必要はないため、装置全体の低背化が容易で大型化も回避できる。
【0025】
また、本実施形態例に係る手動入力装置は、1枚の金属板を折曲加工してなる板ばね部材7に第1乃至第3の弾接部材7a,7b,7cが設けられているため、部品点数と組立工数を低減できてコストダウンが図りやすくなっている。しかも、カム板3が回転操作部材2の回転軸2aの鍔部として形成されており、このカム板3の上下両面(表裏両面)と外周面に第1乃至第3のカム部3a,3b,3cが設けられているため、これらのカム部3a,3b,3cに選択的に係合させるための各弾接部材7a,7b,7cをコンパクトに配設することができて構造を簡素化し易くなっている。
【0026】
ただし、上記の実施形態例と反対に、昇降部材6に一体化されたカム板の表裏両面と周面に第1〜第3のカム部を設け、これらのカム部と選択的に係合可能な第1〜第3の弾接部材を回転操作部材2が保持することも可能である。
【0027】
また、上記の実施形態例では、回転操作体4の回転動作を昇降部材6の昇降動作にスムーズに変換させるために、回転操作体4に固着した駆動ピン5を昇降部材6に設けたガイド溝6aに摺動可能に挿入しているが、これとは反対に、昇降部材6に固着した駆動ピンを回転操作体4に設けたガイド溝に摺動可能に挿入するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 基台
2 回転操作部材
2a 回転軸
3 カム板
3a 第1のカム部
3b 第2のカム部
3c 第3のカム部
4 回転操作体
5 駆動ピン
6 昇降部材
6a ガイド溝
7 板ばね部材
7a 第1の弾接部材
7b 第2の弾接部材
7c 第3の弾接部材
8 圧縮コイルばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力時に回転操作部材が回転操作される手動入力装置であって、前記回転操作部材の軸線方向に沿って昇降可能に支持された昇降部材と、前記回転操作部材と前記昇降部材のいずれか一方に一体化されて第1のカム部と第2のカム部と第3のカム部が個別に設けられたカム板と、前記回転操作部材と前記昇降部材のいずれか他方に保持されて前記第1乃至第3のカム部にそれぞれ弾接して係合可能な第1の弾接部材と第2の弾接部材および第3の弾接部材と、前記回転操作部材と同心状の配置で回動可能に支持されたモード切換え用の回転操作体と、この回転操作体の回転動作を前記昇降部材の昇降動作に変換する動作変換機構とを備え、
前記第1のカム部は前記カム板の表面に、前記第2のカム部は前記カム板の裏面に、前記第3のカム部は前記カム板の表面と裏面の間の外周面にそれぞれ設けられ、前記第1乃至第3のカム部の形状が互いに異なると共に、前記回転操作体の回転に伴って変化する前記昇降部材の昇降位置に応じて前記第1乃至第3の弾接部材が対応する前記第1乃至第3のカム部と選択的に係合するようにしたことを特徴とする手動入力装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記昇降部材が前記カム板の裏面側に寄った第1の位置にあるときに前記第1の弾接部材のみが前記第1のカム部に弾接し、前記昇降部材が前記カム板の表面側に寄った第2の位置にあるときに前記第2の弾接部材のみが前記第2のカム部に弾接し、前記昇降部材が前記第1の位置と前記第2の位置の中間の位置にあるときに前記第3の弾接部材のみが前記第3のカム部に弾接することを特徴とする手動入力装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記カム板が前記回転操作部材の回転軸から径方向外側へ突出する鍔部として形成されており、このカム板の表裏両面と外周面に前記第1乃至第3のカム部が設けられていることを特徴とする手動入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記動作変換機構が、前記回転操作体と前記昇降部材のいずれか一方に設けられたガイド溝と、いずれか他方に設けられて前記ガイド溝に摺動可能に挿入された駆動ピンとからなり、前記ガイド溝が前記回転操作部材の軸線方向に対して斜め方向に延びていることを特徴とする手動入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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