説明

手動復帰型モータープロテクター.

【課題】手動復帰型 モータープロテクタースイッチは、多様なバイメタル材料を必要とし、拘束電流に対して許容最大出力電流の比率が小さい高効率モーター場合は、許容最大出力条件を確保すると拘束保護特性が満足できず、適合プロテクターの選定を難しくしている。また、短時間で電気回路をOFFすることが、特定のバイメタル材料の除動動作では対応が難しかった。
【解決手段】モーターに直列接続されたバイメタル片の最大定格運転電流時の発熱温度より高く、近似特定温度を設定した スナップアクション バイメタル2をバイメタル片1に密着熱結合する構造を採用する事で、スナップアクション バイメタルが特定温度を感知して瞬時に動作するので、適用が難しかった ▲1▼拘束電流に対して許容最大出力電流の比率が小さい高効率設計モーター及び ▲2▼高出力モーターへの安全保護適用が可能と成り、適応範囲の拡大が可能と成る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は、手動復帰型 モータープロテクタースイッチ構造に係る考案である。
【背景技術】
【0002】
従来のモータープロテクタースイッチ装置は、特定のバイメタル片を電気回路に採用し、バイメタル片の電熱に応じた変移動作に因り電気回路をOFFして保護する物が一般的であった。
バイメタル片の材質に因り電熱変移特性は決定され、主保護機能であるモーター過負荷電流特性及び拘束電流特性等に対してモーターの安全保護機能が要求されるが、特に高効率設計モーターや高出力モーターに成る程、対応要求特性が厳しく、必ずしも十分に満足できない場合が多く発生する。
【発明が解決しょうとする課題】
【0003】
従来のバイメタル片の変移に因るモータープロテクターには次の様な欠点が有った。
(イ)、モーター保護の主機能として、過負荷保護と拘束保護が要求されるが、対応両特性はバイメタル片の材質で特定され、材質選定では限界があり対応できないモーターがある。
(ロ)、対応が難しい傾向として、設計が高効率なモーターの場合や、適用が高出力モーターの場合に対応出来ない傾向が多発する。その様なケースでは、プロテクターの選定が可能に成るまで、モーターの効率を下げる設計変更を行ったり、高価なセンサーによるプログラム制御で対応しなければならない。
本考案は上記課題を解決し、対応品の選定が容易でしかも経済的なプロテクターの提供を目的とする。
【課題を解決する為の手段】
【0004】
〔図1〕は、本考案の構造断面図と、その平面図である。
目的機能を満足する所定材質の バイメタル アーム(1)に、目的の温度で反転動作する スナップアクション バイメタル(2)を密着接合させて熱的結合させる。バイメタル アーム(1)は、ターミナル 1(3)を介してモーター電気回路に直列に接続されてモーター運転電流が流れる。モーター運転時は、運転電流に応じた電熱と特有な変移が発生する。先端部分に密着接合された スナップアクション バイメタル(2)は目的の特定温度が設定され、バイメタル アーム(1)が目的温度に達すると瞬時にスナップアクション動作をする。バイメタル アーム(1)の温度が目的温度以下の場合は、バイメタル アーム(1)のみの特有な変移特性を生ずる。従って、バイメタル アーム(1)は、特定温度を境として二種類の動作特性を持つアクチュエーター機能を有する事で、広範囲の要求特性に対応可能と成る。バイメタル アーム(1)とスナップアクション バイメタル(2)の変移で、レバー 1(9)を動作させ、レバー 2(11)のムーバブル アーム(5)への押付力を解除、Mコンタクト(7)と S コンタクト(8)の対応接触をOFFさせる。アーム ターミナル(6)は、バイメタル アーム(1)と ムーバブル アーム(5)を中継接続する。ターミナル 2(4)は、S コンタクト(8)を所定の位置に固定してモータープロテクター装置のターミナル 1(3)の異極端子としてモーター電気回路に接続される。二種類の動作特性を持つバイメタル アーム(1)のアクチュエーター機能で電気回路がOFFすると、モーター負荷の問題と安全を確認して プッシュ ボタン(14)を手動で押し込み、電気回路をON状態に再復帰させる。スプリング 1(10)は、再復帰動作過程で所定の弾性力で レバ− 1(9)を自動的に定位置に戻す。スプリング 2(12)は、プッシュボタン(14)のON状態を所定の弾性力で保持する機能をする。フレーム(13)は、全体が絶縁材質から成りモータープロテクターの構成部品を所定の位置関係に保持する。カバー(15)は絶縁材から成り、構成部品全体を外力及び塵、水滴等から保護する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下に本発明の実施形態を説明する。
本発明の構造〔図1〕CIRCUIT ON に於いて、ターミナル 1(3)及び ターミナル 2(4)は、モーター運転の電気回路でモーターと直列接続されて運転電流が流れる。モーター負荷が正常状態の場合は異常負荷時に対して運転電流及び電熱が比較的に低く、その変移量も少ない為 レバー 1(9)に作用せず M コンタクト(7)及び S コンタクト(8)は接点接触状態を継続して、許容最大負荷を超える迄は正常運転を行う。許容最大負荷運転を超えると、バイメタル アーム(1)の発熱温度とその変移量は特定値に達し、レバー 1(9)を動作させて レバー 2(11)のムーバブル アーム(5)に対する押し込み力を解除して〔図1〕CIRCUIT OFFの様に電気回路をOFFさせる。モーター拘束異常負荷の場合は、バイメタル アーム(1)の発熱温度及び変移量も許容最大負荷時の数倍と成るが、一方モーターも異常状態が発生してからより短時間で電気回路をOFFしないとコイル焼損及び構成部品の損傷等の危険状態を発生する。本考案では、最大許容負荷時の バイメタル アーム(1)の発熱温度より高い近似の特定温度を設定したスナップアクション バイメタル(2)をバイメタルアーム(1)に密着熱結合してる関係上、スナップアクション バイメタル(2)は 設定温度を感知すると瞬時に反転して レバー 1(9)を動作して電気回路を短時間でOFF動作させ、モーターを安全に保護する。従来のバイメタル アーム(1)のみの構造では、バイメタルアーム(1)が異常温度を発生しても変移動作が除動動作の関係で電気回路のOFFする時間が遅れて保護機能を満足できない適用例が多発している。以上の理由で、安全なモータープロテクターの選定が容易に成り、同時に対応可能域が拡大して、経済効果も期待される。
【発明の効果】
【0006】
本発明を採用する事で、
(イ)、モーターが異常負荷に成った場合、プロテクターが短時間で作動して安全に保護する。
(ロ)、高効率設計モーターの場合、拘束電流と最大定格運転電流の比率が小さく成る傾向があり、モーターの最大定格運転状態を確保すると、拘束保護が難しく成るが、本考案ではその対応能力が増大する。
(ハ)、高出力モーターの適用では、拘束電流と最大定格運転電流の比率は低出力モーターと同程度でも拘束電流が大きい関係上、短時間で電気回路をOFFする必要があるが、従来品に対して本考案は、より短時間動作が可能となり、適用範囲の拡大が期待できる。
(ニ)、構造が簡単で、最適プロテクターの選定がより容易に成り、経済的な 手動型 モータープロテクタースイッチが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、CIRCUIT:ON 及び CIRCUIT:OFF の構造断面と平面図である。
【図2】現存の構造断面の一例を示す。
【符号の説明】
本発明構成に対する符号を、下記に示す。
1 バイメタル アーム
2 スナップアクション バイメタル
3 ターミナル 1
4 ターミナル 2
5 ムーバブル アーム
6 アーム ターミナル
7 M コンタクト
8 S コンタクト
9 レバー 1
10 スプリング 1
11 レバー 2
12 スプリング 2
13 フレーム
14 プッシュ ボタン
15 カバー
16 アジャスト スクリュウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
〔図1〕は、本考案の電気回路ON 及び OFF時の構造断面図とその平面図を示す。モーターの電流特性に応じた材質の バイメタルアーム(1)に、特定温度設定された スナップアクション バイメタル(2)を密着結合して、電気回路を構成させ、モーターの回路電流特性に対応して変移動作するアクチュエーター機構を採用する手動復帰型モータープロテクター構造。
【請求項2】
請求項1の構造で、電気回路と成る バイメタルアーム(1)に発生する電熱による温度上昇で、特にモーター許容最大定格出力時の温度上昇値より高く、かつ近似の特定温度をスナップアクション バイメタル(2)に設定採用する事。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−32633(P2009−32633A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217598(P2007−217598)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(599121160)
【出願人】(593110580)株式会社シブヤ (18)
【Fターム(参考)】