説明

手掛け扉

【課題】 表面材と手掛け部に一体感があり、製造工数が削減でき、耐久性の高い手掛け扉を得る。
【解決手段】 扉において、側面にフック状の凹部を形成し、該凹部に押し出し成形法等に基づくフック状の型材を接合する。押し出し成形にはABS、ポリエチレン、ポリスチレンなどを用い、表面材にはメラミン樹脂化粧板を用いる。フック状の型材の先端部に突起8を設けることにより、指が引っ掛かりやすいものとしてもよく、フック状の型材の先端部分に細溝を設けて粗面化してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は扉に関し、特に指を引っ掛けて開閉することが可能な手掛け扉に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチン、収納扉は取手を付け開閉するのが一般的に行われている。しかし、小スペース化や通路側への収納部を受けるなど、取っ手の出っ張りが邪魔になる、取っ手をなくし手掛け機能を有する需要が高まっている。
【0003】
具体的には、(1)基材と表面材を一体化した後、側面にフック状の金物を後付けしたもの、(2)本願と同様に基材と表面材を一体化した後、側面にフック状の凹部を形成し、基材が露出しないようにこの凹部に塗装を施したもの、(3)基材と表面材を一体化せず、側面に同様のフック状の凹部を形成し、この凹部及び基材表面を表面材で被覆したものなどがある。
【特許文献1】特開2004−19290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術(1)の場合、金物が高価な点、表面材と色、柄など意匠的な面から同調させること困難で、金物との一体感がないものになる、又寸法変更には、金属エッジ材を精度よくカットする必要があり、精度が要求され、カット設備は、金属カット設備の特殊な加工設備を必要とする。(2)の場合は、凹部を表面材の色、柄に合った塗装を施すことで一体感があるものになるが、エッジ部分へは、単色となり、木目柄等の意匠を施すことが出来ない。又、指を掛けた時、塗膜に爪が引っ掛かり塗膜が剥がれるといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記の状況を考慮し、表面材と手掛け部に一体感があり、製造工数が削減でき、耐久性の高い手掛け扉を得ることを目的としたもので、扉本体の側面にフック状の凹部を形成し、該凹部にフック状の型材1を接合することにより前記の課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、表面材と手掛け部に一体感があり、型材は、0.5mm〜3mm品の熱可塑性樹脂や金属で成形されているため、耐衝撃性、耐磨耗性など耐久性に優れた手掛け機能のある扉となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。図1は本発明で用いるフック状の型材1の側面図であり、図2は斜視図である。型材はフック状のダイを有する押し出し成形法や引き抜き成形法或いは注型法により熱可塑性樹脂や金属を用いておこなわれ、厚みは0.5〜3mm程度、色、柄は表面材と調和するように適宜調整される。本発明では押し出し成形法に基づき厚みが1mmで、茶色、木目柄のものを用いている。
【0008】
熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン、AS樹脂(アクリロルニトリル−スチレン共重合体)、ABS樹脂(アクリロルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ポリエチレン、EVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、MMA(メタクリル酸メチル)−スチレン共重合体などが挙げられる。本発明ではABS樹脂を用いている。金属としては、アルミニウム、銅、ステンレスなどが挙げられる。
【0009】
図3は本発明の手掛け扉の側面図であり、図4は斜視図である。基材と表面材5とを接着した扉本体と前記の樹脂にて押し出し成形したフック状の型材1とから構成される。扉本体に用いる基材としては、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、集成材、LVL(単板積層材)などの木質系基材、或いはこれらを複合化した複合材、更には、ペーパ−ハニカムコア、アルミニウムハニカムコア、ロールコアなどと木質系基材を複合化したものなどが挙げられる。本発明では厚み18mmのパーティクルボードを用いている。
【0010】
表面には化粧材として、メラミン樹脂化粧板や、ジアリルフタレート樹脂化粧板、ポリエステル合板、突板化粧板、金属箔貼り化粧板、押し出し成型、注型等により得られる合成樹脂板も使用することができる。本発明では耐熱性、耐摩耗性などの諸物性に優れるメラミン化粧板を用いている。
【0011】
型材1以外の木口面には同系色の木口材を接着したり塗装を施すことにより意匠的にも見栄えがし、一体感のあるものとなる。尚、このようにして得た手掛け扉の図面は省略する。
【0012】
該型材1と向き合う木口面が露出しない場合は、残りの2つの木口面に同系色の木口材を接着したり、塗装を施すことで一体感のあるものとなる。尚、このようにして得た手掛け扉の図面は省略する。
【0013】
基材に表面材5、木口材6を接着する場合は、特に限定されず、例えば、エポキシ系の接着剤、ゴム系の接着剤、ウレタン系の接着剤、アクリル系の接着剤、メラミン系の接着剤、フェノ−ル系の接着剤、ポリエステル系の接着剤、EVA系の接着剤、反応性ホットメルトなどを用いることができる。本発明では、ゴム系の接着剤を用いている。尚、木質基材の表面に化粧材2を接着する際にもこれら接着剤の中から適宜選択すればよい。本発明ではゴム系の接着剤が用いられている。
【0014】
本発明の手掛け扉は、基材に表面材5を、3方側面に木口材6を接着した後、側面をフック状の型材とフック形状が合うように切削加工して凹部を形成し、前述の接着剤から適宜選択し、フック状の型材1を接合させる。
【0015】
図5に示すようにフック状の型材の先端部に突起8を設けることにより、指が引っ掛かりやすいものとなる。また、図6に示すようにフック状の型材の先端部分に細溝を設けて粗面化してもよく、押し出し成形時ダイの形状を変更すれば容易に得ることができる。尚、図5、図6に示したフック状の型材を用いて得た手掛け扉の斜視図は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】フック状の型材の側面図。
【図2】フック状の型材の斜視図。
【図3】本発明の手掛け扉の側面図。
【図4】本発明の手掛け扉の斜視図。
【図5】他のフック状の型材の側面図。
【図6】他のフック状の型材の側面図。
【符号の説明】
【0017】
1 フック状の型材
2 フック状の型材
3 フック状の型材
5 表面材
6 木口材
7 手掛け扉
8 突起
9 粗面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手掛け扉において、扉本体の側面にフック状の凹部が形成され、該凹部にはフック状の型材1が接合されてなる手掛け扉。
【請求項2】
型材1以外の木口面には同系色の木口材が接着されていることを特徴とする請求項1記載の手掛け扉。
【請求項3】
該型材1と向き合う木口面を含まず残りの2つの木口面には同系色の木口材が接着されていることを特徴とする請求項1記載の手掛け扉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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