説明

手摺り

【課題】段差のある通路や階段で確実に足元の安全を確保でき、ベランダやバルコニーに照明を有効に取り入れることができる手摺りを提供する。
【解決手段】ベランダ、廊下、階段等の通路の端部に沿って支柱1を一定間隔に立設し、これら支柱1の上端部に手摺り笠木2を架け渡すと共に、支柱1の下端部どうしを下枠3により連結し、隣り合う両支柱1,1と手摺り笠木2と下枠3とで形成される区画4内にパネル5を嵌装し又は桟材を格子状に配設してなる手摺りにおいて、手摺り笠木2を、通路側端部2aが支柱1より通路T側へ出っ張るように形成し、手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2a下面側に多数のLED6を笠木長手方向に一定間隔に配設してなるLED照明装置7を設け、このLED照明装置7によって通路T部分を照らすようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベランダ、バルコニー、廊下、階段等の通路の端部沿いに支柱を一定間隔に立設し、これら支柱の上端部に手摺り笠木を架け渡すと共に、支柱の下端部どうしを下枠により連結し、隣り合う両支柱と手摺り笠木と下枠とで形成される区画内にパネルを嵌装し又は桟材を格子状に配設してなる手摺りに関する。
【背景技術】
【0002】
段差のある通路や階段では通常の照明では足元の安全が十分確保されず、夜間の歩行が困難となることがあり、またベランダで夜間に洗濯物を干すような場合に、室内の照明がカーテン等で遮断されていると、ベランダが暗闇となって、物干し作業が非常にやり難くなることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点に鑑み、段差のある通路や階段で確実に足元の安全を確保でき、またベランダやバルコニーに照明を有効に取り入れることができる手摺りを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、ベランダ、廊下、階段等の通路の端部に沿って支柱1を一定間隔に立設し、これら支柱1の上端部に手摺り笠木2を架け渡すと共に、支柱1の下端部どうしを下枠3により連結し、隣り合う両支柱1,1と手摺り笠木2と下枠3とで形成される区画4内にパネル5を嵌装し又は桟材を格子状に配設してなる手摺りにおいて、手摺り笠木2を、その通路側端部2aが支柱1より通路T側へ出っ張るように形成し、この手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2a下面側に多数のLED13を笠木長手方向に一定間隔に配設してなるLED照明装置7を設け、このLED照明装置7によって通路T部分を照らすようにしたことを特徴とする。
【0005】
請求項2は、請求項1に記載の手摺りにおいて、LED照明装置7は、手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aの下面に笠木長手方向に沿って凹設されたケース取付用凹溝10に嵌合固定される長尺状の本体ケース12と、本体ケース12内にその長手方向に一定間隔に保持されて、夫々複数のLED13を定位置に実装した複数のLED基板14と、これらLED基板14を電気的に接続する接続配線15と、この接続配線15の両端部に設けられたジョイントコネクター26,27とを備えたLEDユニット16からなることを特徴とする。
【0006】
請求項3は、請求項1又は2に記載の手摺りにおいて、本体ケース12は、両側壁部17,18と、両側壁部17,18の下端部側どうしをつなぐ連結壁部19と、連結壁部19の下面の両側端部にLED基板14の両側端部が嵌合するように形成された両側一対の嵌合凹部20,21と、両側壁部20,21の夫々上側端部に夫々外向きに突設されていて、ケース取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの夫々奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌する両側一対の係嵌突起24,25とからなるもので、連結壁部19の下面と両側一対の嵌合凹部20,21との間にLED基板14を嵌合保持して、LED基板14の下面に取り付けたLED13を両側一対の嵌合凹部20,21の間から発光できるようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項4は、請求項1〜3の何れかに記載の手摺りにおいて、手摺り笠木2は、その横断面形状において、通路側出っ張り端部2aが比較的細い流線型に形成され、その反対側の端部2bが比較的太い流線型に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の手摺りによれば、手摺り笠木2を、その通路側端部2aが支柱1よりベランダ通路T側へ出っ張るように形成し、この手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2a下面側に多数のLED6を笠木長手方向に一定間隔に配設してなるLED照明装置7を設け、このLED照明装置7によって通路T部分を照らすようにしたから、ベランダや階段等の通路を手摺りの全長に亘って一様に照らすことができると共に、段差のある廊下や階段では歩行者の足元を的確に照らすことができて、歩行者の安全を十分に確保できる。また、例えばベランダで夜間に洗濯物を干すような場合に、LED6を発光させることによって、室内の照明がカーテン等で遮断されていても、ベランダが明るくなって、物干しが非常にやり易くなる。また、LED6が手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2a下面側に設けてあるため、多層階集合住宅の場合には、LED6からの光が、手摺りを越えて下階のベランダに漏れ出るような不都合がない。
【0009】
請求項2に係る発明の手摺りによれば、LED照明装置7が、手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aの下面に笠木長手方向に沿って凹設されたケース取付用凹溝10に嵌合固定される長尺状本体ケース12と、本体ケース12内にその長手方向に一定間隔に保持され、夫々複数のLED6を定位置に実装した複数のLED基板14と、これらLED基板14を電気的に接続する接続配線15と、接続配線15の両端部に設けられたジョイントコネクター26,27とを備えたLEDユニット16からなるため、このLEDユニット16を工場生産し、これを設置現場において、手摺りに取り付けた後、手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aに設けてあるケース取付用凹溝10にワンタッチで嵌め込みでき、また手摺り笠木2の長さに応じて、LEDユニット16を複数個使用すると共に、本体ケース12を適当長さにカットして、夫々両端部にあるジョイントコネクター26,27を接続すればよいから、簡単な施工によってLEDユニット16を一列状に連続的に設置することができる。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、LEDユニット16の本体ケース12は、両側壁部17,18と、両側壁部17,18の下端部側どうしをつなぐ連結壁部19と、連結壁部19の下面の両側端部にLED基板14の両側端部が嵌合するように形成された両側一対の嵌合凹部20,21と、両側壁部20,21の夫々上側端部に夫々外向きに突設されていて、ケース取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの夫々奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌する両側一対の係嵌突起24,25とからなるもので、連結壁部19の下面と両側一対の嵌合凹部20,21との間にLED基板14を嵌合して保持し、LED基板14の下面に取り付けたLED6を両側一対の嵌合凹部20,21の間から発光できるようにしたから、本体ケース12の両側壁部17,18を手摺り笠木2側のケース取付用凹溝10に押し込むことにより、係嵌突起24,25が壁面10a,10bの奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌して、本体ケース12を、凹溝10に対し抜け出し不能に簡単に固定することができる。
【0011】
請求項4に係る発明によれば、手摺り笠木2は、その横断面形状において、通路側出っ張り端部2aが比較的細い流線型に形成され、その反対側の端部2bが比較的太い流線型に形成されているから、通路内側からの体裁及び通路外からの体裁・見栄えが良好であると共に、通路内側から手摺り笠木2に触れるときの感触が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a) は本発明に係る手摺りを室外側から見た正面図、(b) は(a) のA−A線拡大断面図である。
【図2】図1の(a) のB−B線拡大断面図である。
【図3】(a) は図2の矢印Cで示す部分の拡大図、(b) は(a) に示すLEDユニットをケース取付用凹溝に嵌め込もうとしている状態を示す拡大斜視図である。
【図4】LEDユニットからなるLED照明装置を示す拡大斜視図である。
【図5】(a) は他の形態のLED照明装置を備えた手摺りを示す図2と同様な断面図、(b) は(a) に示すLED照明装置であるLEDユニットをケース取付用凹溝から取り外した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1及び図2にはベランダの室外側端部に設置された本発明に係る手摺りを示す。この手摺りは、ベランダ通路Tの室外側端部に設けられた堰壁S上に沿って支柱1を一定間隔に立設し、これら支柱1・・・の上端部に手摺り笠木2を架け渡すと共に、隣り合う支柱1,1の下端部どうしを下枠3によって連結し、隣り合う両支柱1,1と手摺り笠木2と下枠3とで形成される区画4内にガラス板(パネル)5を嵌装してなるものである。
【0014】
手摺り笠木2は、図2に示すように、その通路T側端部2aが支柱1の通路側側面1aよりベランダ通路T側へ出っ張るように形成されると共に、通路Tと反対側の端部である屋外側端部2bが支柱1の屋外側側面1bよりも屋外側へ若干出っ張るように形成され、通路T側の出っ張り端部2aの下面側には、多数のLED6を笠木長手方向に一定間隔に配設してなるLED照明装置7が設けられ、このLED照明装置7によってベランダ通路Tを照らすことができるようになっている。手摺り笠木2の屋外側端部2bと下枠3と隣り合う両支柱1,1とで形成される区画4内に前記ガラス板5が嵌装されている。
【0015】
また手摺り笠木2は、図2に示すように、支柱1の上端面に載設固定されるアルミ押出形材製の基枠8と、この基枠8の上面側を覆うように流線型状に形成されてい、基枠8に対し取外し可能に係嵌固定されるアルミ押出形材製の笠木本体9とからなるもので、手摺り笠木2全体の横断面形状において、通路側出っ張り端部2aが比較的細い流線型に形成され、その反対側の屋外側端部2bが比較的太い流線型に形成されている。
【0016】
また図2に示すように、手摺り笠木2を形成する基枠8の下面には、手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aに、ケース取付用凹溝10が笠木長手方向に沿ってその全長にわたり凹設され、それと反対側の屋外側端部2bにはガラス板嵌合部11が凹設されている。基枠8の両側端部に被係嵌部8a,8bが形成され、笠木本体9の両側端には、基枠8の被係嵌部8a,8bに係嵌可能な係嵌部8a,8bが形成され、しかして笠木本体9は、その係嵌部8a,8bを基枠8の被係嵌部8a,8bに係嵌させることにより、基枠8に対し取外し可能に係嵌固定される。
【0017】
前記LED照明装置7は、図3の(a) ,(b) 及び図4に示すように、手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aの下面に笠木長手方向に沿って凹設されたケース取付用凹溝10に嵌合固定される長尺状の本体ケース12と、この本体ケース12内にその長手方向に一定間隔に保持されて、夫々複数のLED6を定位置に実装した複数のLED基板14と、これらLED基板14を電気的に接続する接続配線15と、この接続配線15の両端部に設けられたジョイントコネクター26,27とを備えたLEDユニット16からなるもので、図示しない電源用電線から前記接続配線15によって給電され、図示しない制御装置によって点灯/消灯制御されるようになっている。
【0018】
前記本体ケース12は、図3の(a) ,(b) 及び図4に示すように、両側壁部17,18と、両側壁部17,18の下端部側どうしをつなぐ連結壁部19と、この連結壁部19の下面側の両側端部にLED基板14の両側端部が嵌合するように対向形成された両側一対の嵌合凹部20,21と、両側壁部17,18の夫々上端部に夫々外向きに突設されていて、前記ケース取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの夫々奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌する両側一対の係嵌突起24,25とからなるもので、連結壁部19の下面と両側一対の嵌合凹部20,21との間にLED基板14を嵌合保持して、このLED基板14の下面側に取り付けられたLED6を、両側一対の嵌合凹部20,21の間から下方へ向けて発光できるようになっている。尚、両側壁部17,18は、図3の(b) に示すように、上端部に形成された両係嵌突起24,25の外法幅Waがケース取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの内法幅Wbよりも僅かに大きくなるように形成されている。
【0019】
前記LED照明装置7をLEDユニット16として組み立てるには、各LED基板14の表面側所定位置に、例えば2個のLED6(図4参照)と1個の抵抗(図示省略)とを配置して、この基板14の裏面側にプリントされている配線(図示省略)と接続する。そして、本体ケース12を図4に示すように逆様に引っ繰り返した状態で、この本体ケース12の一端側から、所要数個のLED基板14・・・を、連結壁部19と両側一対の嵌合凹部20,21との間に挿入嵌合して、これらのLED基板14・・・を同図に示すように所定間隔に位置決めし、連結壁部19の背面側に逃がした接続配線15によってこれらのLED基板14・・・を電気的に接続する。また、図4に示すように、接続配線15の両端部には夫々、ジョイントコネクターのオス端子26とメス端子27を取り付ける。また、LED基板14を配設した本体ケース12の連結壁部19の下部側には、図3の(a) に少しだけ示すように、シール材36を、LED基板14が埋め尽くされると共にLED6の表面のみが下向きに露出する状態となるように装填して、防水処理を施す。このシール材36としては、液状又は半液状の硬化性シリコン樹脂等を使用する。この硬化性シリコン樹脂を使用する場合、シール材36は、LED基板14を連結壁部19の下部側に固定するための保持部材としても利用可能である。
【0020】
上記のようにして組み立てられるLEDユニット16は、例えば図1の(a) に示す手摺りの隣り合う支柱1,1間のピッチに相当する長さに形成されていて、所要本数のLED照明装置7を、手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aのケース取付用凹溝10に対して、この凹溝10の一端部側から順次、図3の(b) に示すような状態で嵌め込んでいき、手摺り笠木2の全長に亘ってそのケース取付用凹溝10内で本体ケース12の端面どうしが当接し合う状態に取り付ける。この取付けの際に、各LEDユニット16は、図4に示すようなジョイントコネクターのオス端子26とメス端子27とを、本体ケース12内で互いに他のLED照明装置7のジョイントコネクターのオス端子26とメス端子27とに凹凸嵌合することよって相互に電気的に接続し、手摺り笠木2の全長に形成されているケース取付用凹溝10に亘って一連のLEDユニット16・・・を間断なく連続的に取り付ける。そして、この一連のLEDユニット16・・・の一端側のジョイントコネクター26,27を電源側配線のメス端子とオス端子とに接続して給電可能な状態とする。尚、この一連のLED照明装置7の他端側では、ジョイントコネクターのオス端子26とメス端子27と互いに係合させればよい。
【0021】
LEDユニット16の本体ケース12を手摺り笠木2のケース取付用凹溝10に嵌合するにあたって、両側壁部17,18上端部の両係嵌突起24,25は図3の(b) に示すようにその外法幅Waがケース取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの内法幅Wbより僅かに大きいため、両側壁部17,18の上端部側を凹溝10の対向壁面10a,10bに対し若干傾斜させた状態からケース取付用凹溝10に突入させて、係嵌突起24,25を凹溝10の壁面10a,10bに添わせながら押し込むことにより、係嵌突起24,25が壁面10a,10bの奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌し、本体ケース12は、凹溝10に対し抜け出し不能に固定される。
【0022】
また図3に示すように、本体ケース12の連結壁部19は両側壁部17,18に対して斜交するように形成されていることから、この連結壁部19の下面に沿って取り付けられるLED基板14は水平面に対し所定角度(例えば水平面に対し室内側上り傾斜30°)傾斜し、従ってLED基板14の下面に配設されるLED6も水平面に対し所定角度傾斜することになるため、手摺りの使用においてLEDユニット16のLED基板14のLED6から発光される光は、図2に示すように、手摺り笠木2の通路出っ張り端部2aから室内側へ例えば30°の傾斜角度でベランダ通路を照らすようになる。後記のように本体ケース12の連結壁部19が水平になるように取り付ければ、LED6からの光は、ほぼ垂直下向きでベランダ通路Tの室外寄り部分を照らすことになる。
【0023】
以上、図1〜図4によって説明した実施形態の手摺りによれば、手摺り笠木2を、その通路側端部2aが支柱1よりベランダ通路T側へ出っ張るように形成し、この手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2a下面側に多数のLED6を笠木長手方向に一定間隔に配設してなるLED照明装置7を設け、このLED照明装置7によって通路T部分を照らすようにしたから、例えばベランダで夜間に洗濯物を干すような場合に、LED6を発光させることにより、室内の照明がカーテン等で遮断されていても、ベランダが明るくなって物干しが非常にやり易くなる。また、LED6が手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2a下面側に設けてあるため、多層階集合住宅の場合には、LED6からの光が、手摺りを越えて下階のベランダに漏れ出るような不都合がない。また手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2a下面側に設けたLED照明装置7の使用によって、ベランダ以外の段差のある通路や階段では、歩行者の足元を的確に照らすことができるため、歩行者の安全を十分に確保できる。
【0024】
またLED照明装置7は、手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aの下面に笠木長手方向に沿って凹設されたケース取付用凹溝10に嵌合固定される長尺状の本体ケース12と、本体ケース12内にその長手方向に一定間隔に保持されて、夫々複数のLED6を定位置に配設した複数のLED基板14と、これらLED基板14を電気的に接続する接続配線15と、この接続配線15の両端部に設けられたジョイントコネクター26,27とを備えたLEDユニット16からなるため、LED照明装置7の設置にあたっては、LEDユニット16を工場生産し、このLEDユニット16を設置現場において、手摺りの取付け後に、手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aに設けてあるケース取付用凹溝10にワンタッチで嵌合固定でき、従って作業性を損なうことなく、スムーズに取り付けることができる。また、LEDユニット16は、手摺り笠木2の長さに応じて、所要本数使用し、夫々の両端部のあるジョイントコネクター26,27を接続して、手摺り笠木2のケース取付用凹溝10に嵌合することにより、どのように長い手摺りに対しても、簡単に設置することができる。
【0025】
そして、上記LEDユニット16の本体ケース12は、両側壁部17,18と、両側壁部17,18の下端部側どうしをつなぐ連結壁部19と、連結壁部19の下面の両側端部にLED基板14の両側端部が嵌合するように形成された両側一対の嵌合凹部20,21と、両側壁部20,21の夫々上側端部に夫々外向きに突設されていて、ケース取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの夫々奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌する両側一対の係嵌突起24,25とからなるもので、連結壁部19の下面と両側一対の嵌合凹部20,21との間にLED基板14を嵌合して保持し、LED基板14の下面に取り付けたLED6を両側一対の嵌合凹部20,21の間から発光できるようにしたから、本体ケース12の両側壁部17,18を手摺り笠木2側のケース取付用凹溝10に押し込むことにより、係嵌突起24,25が壁面10a,10bの奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌して、本体ケース12を、凹溝10に対し抜け出し不能に簡単に固定することができる。
【0026】
上述した実施形態の手摺りにおいて隣り合う両支柱1,1と手摺り笠木2と下枠3とで形成される区画4内でのガラス板5の取付構造について説明すると、左右各支柱1は、図1の(b) 及び図2に示すように、角筒状の支柱本体28と、この支柱本体28の室外側面に突設された目地枠29とからなり、下枠3は、左右に対向する支柱1,1の目地枠29,29間に介装されていて、下枠3の端部が支柱本体28にビス30で固定され、しかして、ガラス板5は、その上端部が手摺り笠木2の基枠8のガラス嵌合部11に嵌合され、左右各端部が目地枠29のガラス嵌合部32に嵌合された状態で、区画4内に嵌装されている。尚、図1の(b) 及び図2において、33は、支柱1の目地枠29を挟んで対向する両側の区画4,4の両下枠3,3の対向端面間の隙間34を覆う化粧カバーで、ビス35によって両下枠3,3に固定されている。
【0027】
図5の(a) は他の形態のLED照明装置7を備えた手摺りを示す図2と同様な断面図、(b) は(a) に示すLED照明装置7であるLEDユニット16を手摺り笠木2側のケース取付用凹溝10から取り外した状態の断面図である。ここに示すLED照明装置7であるLEDユニット16は、図2〜図4によって説明した前記LEDユニット16とほとんど同様であって、図2〜図4に示すLEDユニット16では本体ケース12の連結壁部19がその両側壁部17,18と斜交するように形成されているのに対し、この図5の(a) に示すLEDユニット16では本体ケース12の連結壁部19が両側壁部17,18と直交するように形成されている点が異なっている。
【0028】
即ち、図5の(a) に示すLEDユニット16の本体ケース12は、両側壁部17,18と、両側壁部17,18と直交するように形成され、両側壁部17,18の下端部側どうしをつなぐ連結壁部19と、この連結壁部19の下面の両側端部にLED基板14の両側端部が嵌合するように対向形成された両側一対の嵌合凹部20,21と、両側壁部17,18の夫々上端部に夫々外向きに突設されていて、前記ケース取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの夫々奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌する両側一対の係嵌突起24,25とからなるもので、連結壁部19の下面と両側一対の嵌合凹部20,21との間にLED基板14を嵌合保持し、このLED基板14の下面側に取り付けられたLED6を、両側一対の嵌合凹部20,21の間から下方へ向けて発光できるようにしている。
【0029】
従って、図5の(a) に示すようにLEDユニット16の本体ケース12を手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aに設けたケース取付用凹溝10に嵌合固定した状態において、本体ケース12の連結壁部19が両側壁部17,18と直交して、水平に位置するため、この連結壁部19の下面に沿って取り付けられるLED基板14も水平に位置し、このLED基板14の下面に配設されるLED6も水平に位置することになり、従ってLED基板14のLED6から発光される光は、図示のようにほとんど垂直下方に投射され、ベランダ通路Tの室外寄り部分を照らすことになる。この場合も、LED6が手摺り笠木2の通路側出っ張り端部2aに設けてあるため、多層階集合住宅の場合でも、LED6からの光が、手摺りを通って下階のベランダに漏れ出るような不都合がない。
【0030】
以上説明した実施形態の手摺りは、隣り合う両支柱1,1と手摺り笠木2と下枠3とで形成される区画4内にガラス板(パネル)5を嵌装したものであるが、本発明に係る手摺りとしては、各区画4内に縦桟又は横桟等の桟材を格子状に配設したものでもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 支柱
2 手摺り笠木
3 下枠
4 区画
5 ガラス板(パネル)
6 LED
7 LED照明装置
8 基枠
9 笠木本体
10 ケース取付用凹溝
12 本体ケース
14 LED基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベランダ、廊下、階段等の通路の端部に沿って支柱を一定間隔に立設し、これら支柱の上端部に手摺り笠木を架け渡すと共に、支柱の下端部どうしを下枠により連結し、隣り合う両支柱と手摺り笠木と下枠とで形成される区画内にパネルを嵌装し又は桟材を格子状に配設してなる手摺りにおいて、手摺り笠木を、その通路側端部が支柱より通路側へ出っ張るように形成し、この手摺り笠木の通路側出っ張り端部下面側に多数のLEDを笠木長手方向に一定間隔に配設してなるLED照明装置を設け、このLED照明装置によって通路部分を照らすようにしたことを特徴とする手摺り。
【請求項2】
LED照明装置は、手摺り笠木の通路側出っ張り端部の下面に笠木長手方向に沿って凹設されたケース取付用凹溝に嵌合固定される長尺状の本体ケースと、本体ケース内にその長手方向に一定間隔に保持されて、夫々複数のLEDを定位置に実装した複数のLED基板と、これらLED基板を電気的に接続する接続配線と、この接続配線の両端部に設けられたジョイントコネクターとを備えたLEDユニットからなることを特徴とする請求項1に記載の手摺り。
【請求項3】
本体ケースは、両側壁部と、両側壁部の下端部側どうしをつなぐ連結壁部と、連結壁部の下面の両側端部にLED基板の両側端部が嵌合するように形成された両側一対の嵌合凹部と、両側壁部の夫々上側端部に夫々外向きに突設されていて、ケース取付用凹溝の対向壁面の夫々奥部に設けられた係嵌凹部に係嵌する両側一対の係嵌突起とからなるもので、連結壁部の下面と両側一対の嵌合凹部との間にLED基板を嵌合保持して、LED基板の下面に取り付けたLEDを両側一対の嵌合凹部の間から発光できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のLED照明具。
【請求項4】
手摺り笠木は、その横断面形状において、通路側出っ張り端部が比較的細い流線型に形成され、その反対側の端部が比較的太い流線型に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の手摺り。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−149389(P2012−149389A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6880(P2011−6880)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成22年11月17日〜19日 社団法人日本能率協会主催の「第32回ジャパンホーム&ビルディングショー「ジャパンホームショー2010」」に出品
【出願人】(000131120)株式会社サンレール (23)
【Fターム(参考)】