説明

手術台に付属品を解放可能に取り付ける装置

記載されているのは、手術台(102)に付属品(12)を解放可能に取り付ける装置であり、互いに連結されることが可能な2つの結合部(10、100)とロックしかつロック解除する機構とを備える装置である。機構は、第1結合部(10)に配置された第1ロック要素(26)および第2結合部(100)に配置された第2ロック要素(114)と、第1結合部(10)に配置され、ロック位置に付勢され、それが2つのロック要素(26、114)のうちの一方(114)に作用するロック解除位置に、付勢に抗して移動が可能であり、それにより2つのロック要素(26、114)が互いから離脱する、ロック解除要素(28)と、第1結合部(10)に配置され、ロック解除要素(28)を付勢に抗してそのロック解除位置で維持する留め要素(40)と、第1結合部(10)に配置され、第1位置に付勢され、結合部(10、100)が互いに連結されると第2結合部(100)によって作用され、付勢に抗して第2位置に押し込まれる解放要素(46)と、を備える。解放要素(46)は、その第1位置において留め要素(40)に作用して、留め要素がロック解除要素(28)から離脱するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術台に付属品を解放可能に取り付ける装置であって、互いに連結することができる2つの結合部であって、そのうちの第1結合部が付属品に配置され第2結合部が手術台に配置される、結合部と、2つの結合部間の連結をロックしかつロック解除する機構と、を備える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、手術台システムには、手術中に骨折部位を離しておくための付属品を、たとえば脚板または裏板あるいは延長ユニットに解放可能に取り付ける装置が設けられている。こうした装置は、2つの結合部を備えている。これら結合部のうちの一方は付属品に配置されており、他方は手術台に取り付けられている。2つの結合部は、互いに連結されることが可能であり、それにより、手術台に付属品を取り付けるための機械的インタフェースを形成することができる。
【0003】
付属品を固定するために、2つの結合部の間の連結はロックされなければならない。これを、摩擦連結によって行うことができ、その場合、ロック要素が作動され、たとえばきざみ付きねじが締結されるか、または偏心レバーが入れられる。このタイプのロックには、操作者がロック要素を作動させるのを忘れ、付属品が不注意で手術台から離脱するという危険性がある。さらに、ロック要素が十分な力で作動されず、それにより十分な摩擦連結が確立されないということが起こることが多い。この場合もまた、付属品が不注意で手術台から離脱する可能性がある。
【0004】
2つの結合部の間の連結のロックを、ポジティブロックによって行うことも可能である。こうしたポジティブロックの一例は、2つの結合部が互いに連結される時に、一方の結合部に弾性的に取り付けられているピンが、他方の結合部に配置されている穴に自動的に係合する、という構成である。こうしたロックには、操作者が、ロック要素を能動的に作動させなくともよいという利点がある。さらに、操作者がロック操作を忘れる危険性がない。手術台から付属品を取り外すためには、操作者はピンと穴との間のポジティブロックを解除しなければならず、すなわち2つの結合部の間の連結をロック解除しなければならない。
【0005】
この目的のために、操作者が、ロック解除するために対応する要素、たとえば押しボタンまたはばね式レバーを作動させる機構が知られている。この場合、操作者がロック解除要素を作動させなければ、連結はロック解除されない。
【0006】
他の機構は、要素の作動によって2つのあり得る状態、すなわちロック状態およびロック解除状態のうちの一方がとられ、この状態はこの要素が再び作動されるまで維持される、というように機能する。しかしながら、ここでもまた、操作者が、一旦連結をロック解除し、たとえば付属品を交換すると、ロックを再度作動させることを忘れるという危険性がある。さらに、操作者が連結のロック解除だけでなくロックのためにも機構を作動させなければならないため、操作に比較的時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のロック解除およびロック機構は、それらの操作に関して問題があった。特に、たとえば、患者の両足が同時に載置され、そのため手術台の2つの箇所で固定される、幅の広い脚板がある場合のように、付属品が2つの機械的インタフェースに取り付けられ固定されなければならない場合である。これら2つの箇所の間の距離が非常に遠くて、操作者の両手がこれらの箇所に同時に届かない場合、付属品の取外しは特に困難である。これはまた、付属品が比較的かさばるかまたは重い場合にも当てはまる。こうした付属品では、単一の機械的インタフェースしか設けられていない場合、手術台からの取外しはすでに困難である。この場合、付属品を取り外すために、その重心近くかまたは可能な限り互いに離れている2つの箇所を掴まなければならず、それは、そうしなければ、付属品がてこ作用によって操作者の手から離れ、したがってもはやロック解除する可能性がなくなるためである。
【0008】
通常、2つの結合部の間の連結のロック解除は、直接インタフェース自体においてのみ可能である。遠隔作動または2つのインタフェースの連結作動は、通常可能ではない。この理由は、空間の問題、費用の考慮、またはX線適用の際の輪郭に対する外乱の発生等の手術特有の環境である。この場合、ロック解除要素を、人間工学的に好適な作用点を形成する箇所に配置することができない。
【0009】
本発明の目的は、特に、2つの結合部の間の連結のロックおよびロック解除に関して操作が容易である、手術台に付属品を解放可能に取り付ける装置を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、2つの結合部間の連結をロックしかつロック解除する機構が、
−ロックするため互いに係合することができ、ロック解除するため互いに離脱することができる、第1結合部に配置された第1ロック要素および第2結合部に配置された第2ロック要素と、
−第1結合部に移動可能に配置された手動作動可能なロック解除要素であって、ロック位置に付勢され、それが2つのロック要素のうちの一方に作用するロック解除位置に、付勢に抗して移動が可能であり、それにより2つのロック要素が互いに離脱する、ロック解除要素と、
−第1結合部に移動可能に配置され、ロック解除要素を付勢に抗してそのロック解除位置で維持する留め要素と、
−第1結合部に移動可能に配置され、第1位置に付勢され、結合部が互いに連結されると第2結合部によって作用され、付勢に抗して第2位置に押し込まれる解放要素と、
を備え、
−解放要素が、その第1位置において留め要素に作用して、留め要素がロック解除要素から離脱するようにする、という点において、本発明によって解決される。
【0011】
本発明の装置では、3つの異なる状態、すなわち結合部が互いに連結されるロックおよびロック解除状態、ならびに結合部が離脱している場合のロック可能状態(ready−to−lock)、が考慮される。
【0012】
ロック状態であり、かつ結合部が互いに連結されている場合、2つのロック要素が互いに係合する。さらに、ロック解除要素がその機械的付勢によってロック位置に配置され、解放要素が第2結合部によってその第2位置に押し込まれる。第2位置では、解放要素は留め要素に作用しない。
【0013】
ロック解除状態であり、かつ結合部が互いに連結されている場合、ロック解除要素はその機械的付勢に抗してロック解除位置に移動し、その結果、2つのロック要素が互いから離脱するように2つのロック要素のうちの一方に作用する。
【0014】
ロック可能状態であり、かつ結合部が互いに離脱している場合、解放要素はその機械的付勢により第1位置に配置される。この第1位置では、解放要素が留め要素に対し、留め要素がロック解除要素から離脱するように作用する。これは、留め要素がもはやロック解除要素に作用せず、ロック解除要素がその機械的付勢によりロック位置に配置されていることを意味する。2つの結合部がこの状態で再び互いに連結されると、連結はロックされる。
【0015】
本発明により、2つの結合部のロック解除および取外しを局部的にかつ時間的に分離することが可能となる。ロック解除は、2つのロック要素のうちの一方に作用するために、したがって2つのロック要素を離脱させるためにそのロック解除位置まで移動する、ロック解除要素を介して行われる。このロック解除動作とは無関係に、2つの結合部を互いから分離することができ、その際、操作者は、人間工学的に掴むのに好適な箇所で付属品を掴む。この観点から、本発明を、手術台に付属品を取り付けるいくつかの機械的インタフェースが設けられる場合に、特に有利に使用することができる。1つの本発明の装置が、これらインタフェースの各々に対して設けられる。まず、これらの装置を連続してロック解除することができる。その後、2つの連結された結合部の各々を互いから分離することができる。
【0016】
本発明の装置には、特に、結合部が分離されている場合に常にロックされる用意ができている、という利点がある。これは、留め要素の効果、すなわちロック解除要素をそのロック解除状態で維持するという効果を、結合部が分離している場合に無効にする、解放要素によって確実になる。2つの結合部が互いから分離されるとすぐに、本発明の装置は、自動的にロック可能状態になる。したがって、このロック可能状態を確立するために、追加の操作は不要である。特に、この状態に戻すのを忘れる可能性があるという危険性がない。これにより、操作が大幅に容易になる。
【0017】
有利な実施形態では、第1ロック要素は穴であり、第2ロック要素は移動可能に取り付けられたピンであり、このピンは、結合部が互いに連結されると穴に係合するように、第1付勢要素を介して弾性的に付勢される。付勢要素は、たとえば圧力負荷コイルばねである。この実施形態では、穴およびそこに受け入れられるピンは、技術的な出費はほとんど不要であるがそれにも関わらず信頼できるポジティブロックを確立する。
【0018】
さらなる実施形態では、ロック解除要素は、穴に摺動可能に取り付けられ、第2付勢要素を介してロック位置に弾性的に付勢され、ピンとは反対側のその端部に外部から作動可能な押しボタンを有し、ピンに面するその端部に、押しボタンの作動時にピンを穴から押し出すシャフトを有する。第2付勢要素を、圧力負荷ばねとして形成することも可能である。押しボタンをこのコイルばねによって加えられるばね力に抗して押すことにより、ロック解除要素のシャフトが穴に係合するピンに当接し、ピンを穴から押し出す。その結果、ポジティブロックが解放される。
【0019】
本発明の装置の有利な発展形態は、押しボタンが実質的に中空シリンダとして形成されており、そのピンに面している端部は開放しており、そのピンと反対側の端部は閉鎖しており、中空シリンダの外面はシリンダ軸に対して垂直な環状溝を有しており、留め要素がシリンダ軸に対して平行に移動不可能に取り付けられ、シリンダ軸に対して垂直に移動可能に取り付けられている、という点にある。さらに、留め要素は、第3付勢要素を介して中空シリンダの外面に弾性的に付勢され、ロック解除要素のロック解除位置において溝に係合する。第3付勢要素、たとえば圧力負荷コイルばねは、中空シリンダの外面に留め要素を押すため、押しボタンがロック解除のために作動されると、中空シリンダの外面に形成された溝と係合する。溝に係合されている留め要素によって、留め要素が再び溝から離脱するまで、ロック解除状態が維持される。
【0020】
さらなる実施形態では、解放要素は、シリンダ軸に対して平行に移動可能なボルトであり、支持面を有し、支持面は、シリンダ軸に対して傾斜しており、かつロック解除要素が溝に係合すると、解放要素のその第2位置からその第1位置までの移動中に留め要素に当接し、したがって溝から留め要素を離脱されるように形成されている。したがって、シリンダ軸に対して平行である、解放要素を形成するボルトの移動は、傾斜した支持面により、シリンダ軸に対して垂直な留め要素の移動に変換され、その結果、留め要素は溝から離脱する。互いに垂直であるこれら2つの移動の結合により、ロックおよびロック解除用の機構の特に小型の構造が可能となる。
【0021】
留め要素が、解放要素が通過するシリンダ軸に対して平行な凹部を有するという点で、かつ解放要素の支持面が凹部の壁の一部に当接するという点で、この小型化をさらに促進することができる。開放要素が凹部を通過するため、特に、押しボタンを形成する中空シリンダのシリンダ軸に対して垂直な機構に対して必要な空間が低減される。
【0022】
さらなる有利な実施形態では、留め要素は、外部からアクセス可能な作動部を有し、これを介して、溝に係合する留め要素を溝から手動で離脱させることができる。この実施形態では、操作者は、結合部が互いに連結された時に押しボタンの作動によって一旦確立されたロック解除状態を解放することができ、その際、操作者は、留め要素を溝から手動で離脱させる。その結果、ロック解除要素は、第2付勢要素によって加えられる力によって再びロック位置まで移動し、連結がロックされる。したがって、緊急のロックが可能であり、その結果、安全性が向上する。
【0023】
第1結合部は、たとえば、一方の側が開放しておりかつ第2連結部を収容する箱型本体を有するように形成される。その結果、装置は特に小型構造となる。
【0024】
さらなる有利な実施形態では、第1結合部が本体の上部領域において対向する側壁間に延在するロッドを有し、第2結合部は、その上面にロッド受けを有し、そこに第1結合部のロッドが嵌合されることが可能であり、それにより第1結合部がロッド受けで枢動することができ、第1ロック要素を形成する穴が本体の下部領域に配置され、第2ロック要素を形成するピンが、第2結合部の下部領域に配置されている。この実施形態では、付属品を手術台に取り付けるために、まず、第1結合部が上方から第2結合部に嵌合され、その後、枢動により第2結合部に配置され、その枢軸は、ロッド受け内に嵌合されるロッドによって与えられる。その結果、各々がそれぞれの結合部の下部領域に配置されている第1ロック要素を形成する穴と第2ロック要素を形成するピンとは、互いに向かって枢動し、接触する。
【0025】
有利な発展形態では、第1ロック要素を形成する穴は第1結合部の側壁に形成され、本体の開放側に向かって穴に接する側壁の部分は、穴内に摺動する第2結合部のピンのための傾斜摺動面を有する。傾斜摺動面により、摺動面に沿って移動するピンが第1付勢要素によって加えられる力に抗していわば収縮し、それによりこの力によって穴内に伸長し、すなわちそこに係合することが確実になる。したがって、弾性的に取り付けられたピンを傾けることなく、連結を穏やかにロックすることができる。
【0026】
解放要素は、第1結合部の本体の側壁に形成されたさらなる穴に移動可能に取り付けられることが好ましく、第4付勢要素、たとえば圧力負荷コイルばねを介して弾性的に付勢され、それにより側壁から本体の内部に突出する。結合部が互いに連結されると、解放要素が第2結合部の側壁からその第2位置に押し込まれる。したがって、解放要素は第2結合部と協働して、結合部が互いに連結されている時に留め要素に関して第2結合部により無効にされ、第2結合部がそれに対して作用していない時、留め要素に作用し溝からそれを離脱させる。
【0027】
有利な発展形態では、解放要素の、第1位置において第1結合部の本体の内部に突出する部分は、テーパ形態を有している。これにより、第2結合部の上述した側壁が解放要素と接触した時、第1結合部の本体の側壁に形成されたさらなる穴に、解放要素が穏やかに収縮することが保証される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1結合部の斜視図である。
【図2】第1結合部の斜視図である。
【図3】第2結合部の斜視図である。
【図4】ロックしロック解除する機構のいくつかの構成要素の斜視図である。
【図5】ロック状態にある本発明の装置の概略図である。
【図6】ロック解除状態にある本発明の装置の概略図である。
【図7】ロック可能状態にある本発明の装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を、図に関連して好ましい実施形態に基づいて説明する。
【0030】
図1〜図7において、本発明の装置の好ましい実施形態を例示しているが、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0031】
本装置は、図1および図2に示す第1結合部10と、図3に示す第2結合部100とを備えている。第1結合部10は付属品12に配置されており、図1には付属品12のわずかな部分のみを示し、図2にはまったく示していない。こうした付属品の例は、冒頭で説明したタイプの脚板、背板または延長ユニットである。第1結合部10を、付属品12と一体的に形成することができ、またはねじ等の好適な取付手段を用いて付属品12に取り付けることができる。
【0032】
第2結合部100は手術台102に配置されており、この場合もまた図3には手術台102のわずかな部分のみを示す。第2結合部100もまた、手術台102と一体的に形成することができ、またはねじ等の好適な取付手段を用いて手術台102に取り付けることができる。第2結合部100は、手術台102の側面に配置されることが好ましい。
【0033】
2つの結合部10および100を備えた装置は、手術台102に付属品12を解放可能に取り付ける機械的インタフェースを形成する。これに関連して、付属品12はいくつかの結合部10を有することができる、ということが特に指摘される。この場合、手術台102もまた、いくつかの結合部100を有し、それにより、付属品12はいくつかの機械的インタフェースを介して手術台102に取り付けられる。
【0034】
この実施形態では、第1結合部10は一方の側が開放している箱型本体14を有している。本体14は、2つの側壁16および18と上壁20と底壁22とから形成されている。
【0035】
第2結合部100は、第1結合部10の箱型本体14に受け入れられ得るように形成されている。これは、2つの結合部10および100が互いに対して非常に相補的な形状を有していることを意味する。
【0036】
図3に示す第2結合部100の実施形態では、端面104に連結パネル106が位置している。この連結パネル106はいくつかの接点108を備えている。
【0037】
図1および図2に示すように、第1結合部10の本体14の上部領域において、2つの対向する側壁16および18間にロッド24が延在している。図3に示すように、第2結合部100の上面には、ロッド24に適合されるロッド受け112がある。ロッド24およびロッド受け112は、後により詳細に説明するように、2つの結合部を互いに連結するために設けられている。
【0038】
以下、2つの結合部10および100の間の連結をロックしかつロック解除する役割を果たす機構について説明する。この機構は、第1結合部10に形成された構成要素と第2結合部100に形成された構成要素とを有している。
【0039】
結合部100はピン114を有しており、それは、図3による斜視図および特に図5〜図7による概略図に示すように、側面118に形成されている穴116に移動可能に取り付けられている。
【0040】
ピン114は、結合部10および100が互いに連結された時に側面118から突出するように、第1圧力負荷コイルばね120を介して付勢される。
【0041】
第1結合部10の側壁16には、ピン114に適合される穴26が形成されている。図5〜図7に示すように、穴26にはロック解除要素28が配置されている。ロック解除要素28は、特に図4から分かるように、押しボタン30およびシャフト32を備えている。図4には、第1結合部に配置されている上述した機構の構成要素の一部を示している。押しボタン30は、実質的に中空シリンダとして形成されている。この中空シリンダは、箱型本体14の内部に面した端部では開放しており、本体14の内部と反対側の端部では閉鎖している。この閉鎖端を図1に示す。
【0042】
ロック解除要素28は、第2圧力負荷コイルばね34を介してロック位置に弾性的に付勢され、ロック位置では、シャフト32が穴26に埋められる。このロック位置では、箱型本体14の内部に面している穴26の部分は何もない状態である。第2結合部100の側壁118から突出するピン114の部分は、穴26のこの部分に係合することができる。
【0043】
コイルばね34は、ロック解除要素28をそのロック位置に、すなわち図4(そこでは特にコイルばねが省略されている)における右上側に向かって付勢するように、たとえば、シャフト32を包囲し、一端が中空シリンダとして形成されている押しボタン30に着座し、他端が穴26に形成された肩部を圧接するように、構成されることが可能である。この目的のために、穴26は、たとえば段付きである(図5〜図7参照)。
【0044】
図4に示すように、押しボタン30は、その外面に環状溝38を有しており、その溝は押しボタン30のシリンダ軸に対して垂直である。溝38は、ロック解除要素28がロック解除位置内に、すなわち図4において左側に向かって下方に押される時、留め要素40に係合するように構成されている。留め要素40は、中空シリンダとして形成されている押しボタン30のシリンダ軸に対して平行には移動不可能であるが、シリンダ軸に対して垂直に移動可能であるように取り付けられている。留め要素40は、図4に示さない第3圧力負荷コイルばね42によって押しボタン30の外面上に押される。特に図1に示すように、留め要素40は、操作者が手動で作動させることができる作動部43を有している。
【0045】
留め要素40は、ボルト46の形態の解放要素が通過する凹部44を有している。ボルト46は、押しボタン30のシリンダ軸に対して平行なさらなる穴48に取り付けられている。穴48に着座し圧力負荷がかけられる第4コイルばね50を介して、ボルト46は、特に図2に示すように、テーパ端52が箱型本体14内に突出する第1位置に付勢される。ボルト46を、第4コイルばね50によって加えられるばね力に抗して第2位置に移動させることができ、その第2位置では穴48に埋められる。
【0046】
ボルト46には凹部54が形成されており、それは、押しボタン30のシリンダ軸に対して傾斜している部分56と、上述したシリンダ軸に対して平行でありかつボルト46の端部52に向かって傾斜部分56と接する部分58と、を有している。後にさらに詳細に説明するように、傾斜部分56は支持面としての役割を果たし、それにより留め要素40が溝38から離脱する。
【0047】
図2に示すように、穴26、48、したがってロック解除要素28およびボルト46は本体14の下部領域に配置されている。側壁16はその内側に、本体14の開放側に向かって穴26と接し、ピン114のための傾斜摺動面を形成する部分60を有している。
【0048】
以下、いかに付属品12が手術台102に取り付けられ、そこにロックされ、再びロック解除され、最後に取り外されるかを連続して説明する。
【0049】
最初に、第1結合部10のロッド24が第2結合部100のロッド受け112に嵌合され、その結果、付属品12が手術台102に連結される。そうする際、第1結合部10は、第2結合部100に対し、第1結合部10の下部領域が最初は第2結合部100から間隔がまだ空けられているような角度で嵌合されることが好ましい。そして、第1結合部10のこの下部領域は、第2結合部100に向かって枢動で移動し、その枢軸はロッド受け112に取り付けられているロッド24によって与えられる。この枢動において、最初は、第1結合部10の側壁16に形成されている傾斜摺動面60がピン114と接触する。そして、摺動面60は、第1コイルばね120によって加えられる付勢力に抗して、ピン114を穴116内に押し込む。第1結合部10が、ピン114と第1結合部10の側壁16に形成された穴26とが互いに整列するほど第2結合部100に向かって枢動するとすぐに、この時点で圧力負荷が加えられているコイルばね120が伸長し、それによりピン114を穴26に押し込む。同時に、第2結合部100の側面118がボルト46のテーパ端52に当接する。その結果、ボルト46が、第4コイルばね50によって加えられるばね力に抗して穴48に押し込まれる。ピン114および穴26が互いに係合するとすぐに、2つの結合部10および100間の連結がポジティブロックされる。このロック状態を図5に概略的に示す。
【0050】
2つの結合部10および100間の連結をロック解除するためには、操作者は、ロック解除要素28の押しボタン30を外側から押す。押しボタン30に接するシャフト32は、コイルばね34および120によって加えられるばね力に抗して、穴26に着座しているピン114に対して押され、その結果、ピンは穴26から押し出される。ロック解除要素28は、図5に示すそのロック位置から出てそのロック解除位置に移動する。ロック解除位置に達するとすぐに、第3コイルばね42が留め要素40を押しボタン30の溝38に押し込む。留め要素40が溝38に係合すると、ロック解除要素28は、コイルばね34および120によって加えられるばね力に抗してロック解除位置に維持される。その結果、ピン114と穴26との間のポジティブロックが解放され、2つの結合部10および100の連結がロック解除される。このロック解除状態を図6に概略的に示す。
【0051】
図6に示すようなロック解除状態から開始して、第1結合部10を、ロックに対して行った枢動と反対の動作で、第2結合部100から離れる方向に枢動させることができる。ボルト46のテーパ端52が第2結合部100の側面118から離脱するとすぐに、第4コイルばね50がボルト46を穴48から押し出して箱型本体14の内部に押し込む。図4では左下側に向けられ図7では上方に向けられるボルト46のこの移動中、留め要素40の凹部44の壁が、傾斜支持面56の領域においてボルト46に形成されている凹部54と接触する。したがって、この動作時、傾斜支持面56により、ロック解除要素28の溝38から留め要素40が離脱する。留め要素40が溝38から離脱するとすぐに、第2コイルばね34がロック解除要素28を再びそのロック位置に、すなわちロック解除要素28のシャフト32が穴26に埋められる位置に押し込み、それにより、穴26に、ピン114が係合する空間が得られる。第1結合部10を取り外すことにより、本発明の装置は、ロック可能状態になる。
【0052】
本実施形態で使用するコイルばね34、42、50および120は、上述した機能にしたがって寸法が決められるべきである。たとえば、圧力負荷第4コイルばね50に蓄積されるエネルギーは、留め要素40を第3コイルばね42によって加えられるばね力に抗して溝38から離脱させるために、十分高いということが、考慮されなければならない。
【0053】
結合部10および100が互いに連結されると、操作者がまた、作動部43を用いて留め要素40を溝38から離脱させることができる、ということが指摘される(図1を参照)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術台(102)に付属品(12)を解放可能に取り付ける装置であり、
互いに連結されることが可能な2つの結合部(10、100)であって、そのうちの第1結合部(10)が前記付属品(12)に配置され、そのうちの第2結合部(100)が前記手術台(102)に配置される、結合部(10、100)と、
前記2つの結合部(10、100)間の連結をロックしかつロック解除する機構と、
を備える装置であって、
前記機構が、
−ロックするため互いに係合することができ、ロック解除するため互いに離脱することができる、前記第1結合部(10)に配置された第1ロック要素(26)および前記第2結合部(100)に配置された第2ロック要素(114)と、
−前記第1結合部(10)に移動可能に配置された手動作動可能なロック解除要素(28)であって、ロック位置に付勢され、それが前記2つのロック要素(26、114)のうちの一方(114)に作用するロック解除位置に、前記付勢に抗して移動が可能であり、それにより前記2つのロック要素(26、114)が互いに離脱する、ロック解除要素(28)と、
−前記第1結合部(10)に移動可能に配置され、前記ロック解除要素(28)を前記付勢に抗してそのロック解除位置で維持する留め要素(40)と、
−前記第1結合部(10)に移動可能に配置され、第1位置に付勢され、前記結合部(10、100)が互いに連結されると前記第2結合部(100)によって作用され、前記付勢に抗して第2位置に押し込まれる解放要素(46)と、
を備え、
−前記解放要素(46)が、その第1位置において前記留め要素(40)に作用して、前記留め要素(40)が前記ロック解除要素(28)から離脱するようにすることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1ロック要素が穴(26)であり、前記第2ロック要素が移動可能に取り付けられたピン(114)であり、ピン(114)が、前記結合部(10、100)が互いに連結されると前記穴(26)に係合するように、第1付勢要素(120)を介して弾性的に付勢されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロック解除要素(28)が、
前記穴(26)に摺動可能に取り付けられ、
第2付勢要素(34)を介して前記ロック位置に弾性的に付勢され、
前記ピン(114)と反対側のその端部に外部から作動可能な押しボタン(30)と、前記ピン(114)に面するその端部にシャフト(32)と、を有し、前記シャフトが、前記押しボタン(30)の作動時に前記ピン(114)を前記穴(26)から押し出すことを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記押しボタン(30)が、実質的に中空シリンダとして形成され、前記ピン(114)に面するその端部が開放しており、前記ピン(114)とは反対側のその端部が閉鎖しており、
前記中空シリンダの外面が、シリンダ軸に対して垂直な環状溝(38)を有し、
前記留め要素(40)が、前記シリンダ軸に対して平行に移動不可能に、かつ前記シリンダ軸に対して垂直に移動可能に取り付けられ、第3付勢要素(42)を介して前記中空シリンダの前記外面に弾性的に付勢され、前記ロック解除要素(28)の前記ロック解除位置において前記溝(38)に係合されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記解放要素(46)が、前記シリンダ軸に対して平行に移動可能なボルトであり、支持面(56)を有し、前記支持面(56)が、前記シリンダ軸に対して傾斜しており、かつ前記ロック解除要素(28)が前記溝(38)に係合すると、前記解放要素(46)のその第2位置からその第1位置への移動中に前記留め要素(40)に当接し、その結果、前記溝(38)から前記留め要素(40)を離脱させるように形成されたことを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記留め要素(40)が、前記解放要素(46)が通過する前記シリンダ軸に対して平行な凹部(44)を有し、
前記解放要素(46)の前記支持面(56)が前記凹部(44)の前記壁の一部に当接することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記留め要素(40)が外部からアクセス可能な作動部(43)を有し、それを介して、前記結合部(10、100)が互いに連結された時に、前記溝(38)に係合する前記留め要素(40)を前記溝(38)から手動で離脱することが可能であることを特徴とする、請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1結合部(10)が、一方の側が開放しておりかつ前記第2結合部(100)を収容する箱型本体(14)を有することを特徴とする、請求項2〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1結合部(10)が、前記本体(14)の上部領域において対向する側壁(16、18)間に延在するロッド(24)を有し、
前記第2結合部(100)がその上面にロッド受け(112)を有し、そこに前記第1結合部(10)のロッド(24)が嵌合されることが可能であり、それにより前記第1結合部(10)が前記ロッド受け(112)で枢動が可能であり、
前記第1ロック要素を形成する前記穴(26)が、前記第1結合部(10)の前記本体(14)の下部領域に配置され、前記第2ロック要素を形成する前記ピン(114)が、前記第2結合部(100)の前記下部領域に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1ロック要素を形成する前記穴(26)が、前記第1結合部(10)の側壁(16)に形成され、
前記本体(14)の前記開放側に向かって前記穴(26)に接する前記側壁の一部が、前記穴(26)内に摺動する前記ピン(114)のための傾斜摺動面(60)を有することを特徴とする、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記解放要素(46)が、前記第1結合部(10)の前記本体(14)の前記側壁(16)に形成されたさらなる穴(48)に移動可能に取り付けられ、前記側壁(16)から前記本体(14)の前記内部に突出するように、第4付勢要素(50)を介してその第1位置に弾性的に付勢され、前記結合部(10、100)が互いに連結されると、前記第2結合部(100)の側面(118)からその第2位置に押し込まれることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記解放要素(46)の、前記第1位置において前記第1結合部(10)の前記本体(14)の内部に突出する部分(52)が、テーパ形態であることを特徴とする、請求項11に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−512818(P2010−512818A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540791(P2009−540791)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064045
【国際公開番号】WO2008/074766
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(502163557)マッケ・ゲゼルシャフトミットベシュレンクターハフトゥング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (27)
【Fターム(参考)】