説明

手術室台の再設計

固定基準設計に変更されることにより、体重の重い患者、急傾斜および感知レバー機能、台表面のさらなる延長(すなわち、頭からつま先までをカバーする)、および全体的な安定を可能にする患者台を説明する。手術室台の再設計は、設備源を前記台の構造に取り込むことを含み、よって配線、吸引、およびガスホースなどの設備は、前記台自体から生じる。前記台への全設備の源は(これらを前記台から発するのと逆に)、地下接続から生じてもよい。さらに、前記台は特定の処置に対してカスタマイズされた台と取り替え可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、本発明者により2005年7月20日に申請された暫定特許出願米国番号60/701,106の利益を請求する。米国整理番号60/701,106の内容は、その参照により、ここに援用する。
【0002】
本日付で本発明者により本出願とともに申請される出願の名称は、以下のとおりである。
(1)インシーリングフォーカスが配置された外科手術用照明;
(2)病院手術室再設計;
(3)病院外科環境における周辺照明;
(4)医療環境における紫外線殺菌照射の使用;
(5)病院および実験室環境用壁内廃棄物容器;
(6)無菌使い捨てカートリッジを備えるロボット床掃除;
(7)多機能フロアポッド。
【0003】
(発明の技術分野)
本発明は、医療処置中に患者を支持するための器具に概して関し、さらにとりわけ、ガス、電力、および液体などの設備への改善されたアクセスを提供する手術台に関する。
【背景技術】
【0004】
従来の手術台は、しばしば、平らな患者支持部および床からの所定距離で前記患者支持部を保持するための下基部を含む。従来の手術台の基部は一般に、一連の配向性を通して前記平坦患者支持部を傾けるための制御装置を含んで、特定の外科的処置を容易にする。そのようなものとして、手術室台が提供しなければならない多くの機能のうち、外科的処置が生じる患者の部位へのアクセスを可能にしなければならないことは明確である。手術台が患者支持プラットフォームを回転させ、または、プラットフォームを傾けて片持ちさせるための電動または手動で作動される手段を提供できることは周知である一方、特定の医療処置の緊急要件は、前記支持プラットフォーム自体が処置に対して手元で独自にカスタマイズされることを必要とする場合がある。回転、傾斜、およびその他の並進運動の能力は、全ての症例における必要な外科的アクセスを提供するには不十分である。例えば、オブストロメトリックテーブルは、関節鏡視下手術で使用される台からの独自の設計レイアウトを有する。結果として、現代の手術室は多数の手術台を活用するが、手術室の床スペースは典型的に乏しい。結果として、それぞれ特定種類の処置に対して構成される、多数の手術室台を提供することは不利である。
【0005】
シュネル(Schnelle)による米国特許第5,231,719号「取り外し可能な患者支持表面手段を備える手術台」という従来技術で示される一実施形態は、支持コラムを残して患者支持手段を取り外し、支持コラムの容易な再配置を可能にすることができる手術台を説明している。本技術は、特定の外科的処置に対してカスタマイズされる取り替え可能な一式の台の使用を説明していない。さらに、説明されている台は、位置決め可能である一方、手動で作動しなければならない。手動位置決めは時間がかかるため、医療処置の緊急事態が特定部位への素早いアクセスを必要とする場合があるので危険である。
【0006】
以下の参考文献は、その参照により、ここに援用する。
【特許文献1】米国特許第4,101,120号
【特許文献2】米国特許第5,048,071号
【特許文献3】米国特許第5,231,719号
【特許文献4】米国特許第6,170,102号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現代の手術台におけるもう1つの欠陥は、外科的処置に必要とされる設備への便利なアクセスの不足である。例えば、典型的な処置の間、外科医は、吸引を提供するためなどの掃気接続、または、酸素を提供するためなどのガス管線を必要とする場合がある。必要とされる多くの設備より、これらの多数のケーブル、ホース、およびワイヤの存在が引き起こす関連安全問題が生じる。ケーブルにつまずく外科医または付添い人が、外科医および患者へのけがを引き起こし得る。さらに、位置決めを可能にして患者へのアクセスを提供する台は、ケーブル、ワイヤ、およびホースが患者を再配置する外科医の能力を制限するので、処置中のさらなる調整がひどく制限される。
【0008】
本技術分野におけるこれらの欠陥により、台自体から生じる多数の設備接続に接続される一方で、患者支持手段の電動再配置を可能にするであろう手術室台および支持コラムの組み合わせは、利益となるであろう。さらに、手術室台が取り外し可能でカスタマイズされた患者支持手段の取り付けを可能にする手術室台および支持コラムの組み合わせは、さらなる利益となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
固定基部設計を変更することにより、体重の重い患者、急傾斜および感知レバー機能、台表面のさらなる延長(すなわち、頭からつま先までをカバーする)、および全体的な安定を可能にする患者台を説明する。手術室台の再設計は、設備源を前記台の構造に取り込むことを含み、よって配線、吸気、および、ガスホースなどの設備は、手術室の床から追随するよりむしろ前期台自体から生じる。前記台への全設備の源は(これらを前記台から発するのと逆に)、地下接続から生じてもよい。さらに、前記台は特定の処置に対してカスタマイズされた台と取り替え可能である。
【0010】
典型的な使用において、前記患者台は支持アームの隣に位置付けられ、支持アームアンカーを通って挿入される棒および前記台上のアンカー、またはその他の手段によって所定の位置に固定される。そして前記棒は、一実施形態において、ボルトで締めてもよい。あるいは、前記患者台は前記支持アームまたはコラム上の支持構造の最上部に置かれる。前記支持構造上に置くことによって、前記台を所定の位置に安定的に固定するロックが作動される。上記過程のいずれか、または本発明によって熟考されるその他の連結手段の間、設備配管もまた、前記支持アームと前記台との間として接続される。簡素なコネクタ対レセプタクルインターフェースを使用してもよく、または前記支持構造、つまり支持アーム、シリンダ、または表面との前記台の接続中に前記台のドッキングによって、前記設備配管を接続してもよい。そして、前記台は、本技術分野で周知の構造を使用した電動手段によって位置付けてもよい。例えば、旋回軸によって接続されるアームに取り付けられるちょうつがいは、前記台を位置付ける能力を提供するアクチュエータによって電力を供給される。また、前記支持構造の基部、つまり上支持シリンダまたはアームの下の領域は、好ましくはどちらかの方向に180度、垂直軸に沿った回転の能力があり、それによって360度の運動を提供する。前記回転は好ましくは、それ自体がブッシングの上にある回転台座上に前記支持構造を設置することなどによって、油圧式電動手段によって提供される。全体構造は地面内に、好ましくは下地床に沿って走る鋼板にしっかりと固定され、下地床材内にしっかりと固定される。全ての設備接続は、下地床から前記支持構造内へ、そして最終的に台表面内へと走る。
【0011】
手術室の処置が変わると、前記台は、前記支持構造および支持構造設備とドッキングするよう構成されていれば、代替的台と交換することができる。前記台は、前記台に沿った様々な地点において設備接続を提供するようさらに構成され、それによって重要設備への容易な邪魔のないアクセスを可能にする。
【0012】
本発明に沿って、本発明の目的は、患者支持手段が支持コラムから分離され、かつ手元の外科処置に対して適合された代替的患者支持手段と取り替えられることを可能にする手術室台および支持コラムを提供することである。
【0013】
本発明の目的は、前記支持コラムが前記台の位置決めを可能にするように構成されることである。そのようなものとして、前記支持コラムは、例えば、旋回軸において接合され、かつ電動支柱によって動かされて前記台の位置決めを提供するアームから成ることができる。また、前記コラムの基部は回転可能にすることができる。
【0014】
本発明のさらにもう1つの目的は、上記の患者支持手段が医療処置において使用される様々な設備に対する容器およびコネクタを提供するようにさらに構成され、前記設備は前記支持コラムを通って前記台の内側から、そして、外部源から供給される、手術室台および支持コラムを提供することである。
【0015】
本発明のなおもう1つの目的は、体重の重い患者および取り付けられた機器を支持することができる手術室台および支持コラムを提供することである。
【0016】
上記目的の少なくとも1つは、本発明によって全体または一部において満たされる。さらなる目的は、下記の説明および請求項の考慮の後に明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、添付の図面と関連して最もよく理解できる。本発明は、以下の図面に示される正確な実施形態に限定されないことに留意されたい。
【0018】
図1は、手術室の床124の上で持ち上げた112位置または低くした位置114における手術台100の側面図である。筐体(ハウジング)136は、手術台100に対して提供される。手術ベッド102は、例えばコンクリートで作られる下地床(下124)にボルトで締められるか、または、他の方法で取り付けられる、例えば、鋼板140などの強力な基盤にしっかりと取り付けられる。電動支柱128および132を使用して、旋回軸116、122および126に乗るアーム120および130を介してパッド102を備える下最上部枠104を持ち上げたり低くしたりする。例えば、体重550ポンド(約250kg)の患者などの体重の重い患者を支持するよう頑丈に構築されて、台100は上支持リブ118を有し、前記台100の台表面は片持ち、回転、および摺動することができる。電力、吸気、電気、および、ガスなどの全ての設備は、図示されるように、配管134によって前記筐体136を通って送り込まれる。これらの配管は、頭またはつま先側の端のいずれかにおける排気口・吸気口106まで通る。必要であれば、設備排気口・吸気口106は設備接続108および110を有し、台100のどちらかの端においてアクセス可能である。手術台100は、ポッド筐体136内の回転基部138の周囲を360度回転することができる。
【0019】
図2では、前記支持コラムから供給される設備に対する接続を提供する一方で、前記患者支持台を交換できるようにするための可能な手段が示されている。構造200は、棒筐体212を備える一対の支持シートまたは格子204および206を取り囲む(点線矢印は棒240(図示せず)の経路を示す)。前記棒筐体は、ネジ式棒と一体化するようネジ式にすることができ、それによって、付加的な安定性を提供する。容器・アダプタ212もまた、陥凹切り込み208内に示され、それによって、接続が前記切り込み208内で、従って、210とドッキングすることを可能にする。前記筐体212は、前記棒240(図示せず)が前記支持コラム上の固定手段に進入して、それとしっかり固定することを可能にする。容器210および前記患者台100に対するコネクタは、棒240に取り付ける、または、棒240にしっかりと固定することができる。これは、図3でより明確に見ることができる。
【0020】
図3では、支持コラム・患者台接点手段202は、前記台アンカー230、支持アンカー214と、提供するコネクタ筐体218との間に挟まれた格子・シート216を伴って示され、それ自体は224において前記支持コラムアンカー228上にすでに固定されている前記棒の上に挿入されているアダプタ・コネクタ220を提供する。格子・シート204、206および216を通って挿入される棒240などの棒は、前記支持コラムと前記台との間に安定した接合部分を提供する。図3から分かるように、前記棒は、棒・ボルト224および影付きの棒・ボルト226としてボルトで締めることができる。前記支持コラムから供給される設備は、ケーブル222によって前記レセプタクルに送り込むことができる。さらなる支持を232などの付加的構造によって提供してもよい。
【0021】
図4は、図1で示される前記手術台4のほかの実施形態を示す。台100の本概念では、患者台支持手段150は、点152で、ちょうつがいで連結されることによって、前記台の傾斜を可能にする。設備ボックス154(台150のあらゆる場所に単独で、または他のボックスとともに配置することができる)はレセプタクル・接続156を提供する。
【0022】
全ての設備配管、接続、ワイヤ、ケーブル170は、支持手段150、支持コラム158および160、および、床下168の内側から前記ボックス154へ送り込まれる。前記台は、アクチュエータ・ピストンの組み合わせ162によって158を越えて、コラム160の動きによって垂直に変位可能である。前記支持コラムは、162からの支持により、ブロック166内に搭載されるブッシング・回転テーブル164にあり、それによって、回転を可能にする。テーブル、コラムの組み合わせ全体は、床168の下の材料に付けられるアンカー172によって、安定的にしっかりと固定される。患者台支持手段150は、ちょうつがい点、または、さらに、前記支持コラムへの接合のその他の点において取り外すことができ、それによって、特定の外科的処置に対して特別に構成される、再び取り付けられる類似の患者台支持手段を可能にする。前記患者台支持手段は、設備の内部源を備える設備ボックス154を有するという特徴を共有する。
【0023】
前述の記載、特定の用語、および視覚的記載は、好ましい実施形態を説明するために使用されるものである。ただし、用語および図は例示のためのみであって、本発明の範囲を限定することを意図していないため、使用される用語または描写される図面による、先行技術に示されるものを超える不必要な限定に解釈されるものではない。添付の請求項に記載される発明の範囲から逸脱することなく、本発明にその他の変更を加えてよいことは、さらに理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に従った患者台の側面図である。
【図2】1つの可能な患者台、支持コラム連動手段の側面図である。
【図3】支持コラムインターフェースのレセプタクルの詳細図である。
【図4】代替的支持手段を備える台を示す、本発明の付加的な実施形態の垂直断面図である。
【符号の説明】
【0025】
100 手術台および支持コラム
102 手術ベッドおよびパッド
104 最上部枠
106 排気口・吸気口
108 設備接続
110 設備接続
112 持ち上げた位置
114 低くした位置
116 旋回軸
118 上支持リブ
120 アーム
122 旋回軸
124 床
126 旋回軸
128 支柱
130 アーム
132 支柱
134 設備配管
136 筐体
138 回転基部
140 支持アンカー
150 患者支持手段
152 ちょうつがい、掛け金
154 設備ボックス
156 設備アクセスポイント
158 下支持コラム
160 上支持コラム
162 アクチュエータ、ピストン
164 回転テーブル、ブッシング
166 支持ブロック
168 床
170 設備ワイヤ、ケーブル、ホース
172 アンカー
200 設備接合点
202 設備接点手段
204 支持コラム接点支持部、後方格子
206 支持コラム接点支持部、前方格子
208 陥凹切り込み
210 設備容器
212 棒筐体
214 アンカー
216 台接点支持部、格子
218 コネクタ本体
220 設備コネクタ・アダプタ
222 設備ケーブル
224 ボルトおよび棒アセンブリ、支持コラム
226 ボルトおよび棒アセンブリ、台
228 アンカー板、支持コラム
230 アンカー板、台
232 支持構造
240 ネジ式棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置および手術の台であって、
支持コラムを備え、前記支持コラムは、取り付けられた患者支持表面が位置付けられることを可能にするよう構成されており、
前記患者支持表面は、前記支持コラム上に解放可能に搭載され、かつ、前記患者支持表面の内側から発する設備を提供するよう構成されており、
前記設備は、前記支持コラムから前記患者支持表面に進入し、前記設備は、床下地点から前記支持コラムに進入するようになっている、
ことを特徴とする台。
【請求項2】
前記支持コラムは、旋回軸上に搭載され、かつ、電動支柱によって作動されるアームを備えることを特徴とする、請求項1に記載の台。
【請求項3】
前記電動支柱は、モータ、電気機械式発電機、電気油圧式ポンプ、または、電気空気ポンプから作動されることを特徴とする、請求項2に記載の台。
【請求項4】
前記設備は、レセプタクル、コネクタ、または、レセプタクルおよびコネクタの組み合わせによって提供されることを特徴とする、請求項1に記載の台。
【請求項5】
ガスまたは掃気設備は、汎用アダプタとの接続を用いて提供されることを特徴とする、請求項4に記載の台。
【請求項6】
前記患者支持手段は、前記支持コラムの中または上にドッキングし、前記支持コラムから供給される前記設備は、それによって、前記患者支持表面へと供給されることを特徴とする、請求項1または請求項5のいずれか1項に記載の台。
【請求項7】
前記支持コラムは、前記床にしっかりと固定することによって、前記床内に永久的に搭載されることを特徴とする、請求項6に記載の台。
【請求項8】
前記位置決めは、回転による、前記床からの垂直変位によって、および、前記床に対するカンチレバーによることを特徴とする、請求項1に記載の台。
【請求項9】
前記支持コラムは、前記床にしっかりと固定することによって、前記床内に永久的に搭載されることを特徴とする、請求項1に記載の台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−502240(P2009−502240A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522967(P2008−522967)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/028233
【国際公開番号】WO2007/012044
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508018288)オプティマス サーヴィシーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (7)
【Fターム(参考)】