説明

把持および近接の検出のためのセンサデバイスおよび方法

センサデバイスは、送信電極(SE)、補償電極(KE)、および受信電極(EE)を含む第1の電極構造と、いくつかの電場感知電極(FE)を含む第2の電極構造と、が提供される。第1の電極構造および第2の電極構造は、評価デバイス(A)と結合される。評価デバイスは、送信電極および補償電極に、交流電気信号(WS1、WS2)を供給するための信号発生器(G)を含む。電極は、送信電極から放出される第1の交流電場が、受信電極および電場感知電極のうちの少なくとも1つに結合され、補償電極(KE)から放出される第2の交流電場が、実質的に、受信電極(EE)のみに結合され得るように、相互に対して配設される。また、ユーザによる携帯用デバイスの包含を検出するための方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体による電気デバイスの接近および把持を検出するためのセンサデバイスに関する。さらに、本発明は、人による電気デバイスの接近および接触の検出のための方法に関する。電気デバイスは、例えば、携帯電話、コンピュータマウス、遠隔制御、ゲームコンソールのための入力手段、ポータブルミニコンピュータ(PDA)、ヘッドホン、補聴器等であり得る。
【背景技術】
【0002】
手による携帯用デバイスへの接近を検出するために携帯用デバイスに配設され得るセンサデバイスは、先行技術から周知である。例えば、センサ電極への手の接近に応じたセンサ電極の面積内における誘電特性の変化に基づく効果を得るために、携帯用デバイスに容量センサを配設することが知られている。
【0003】
この点で、手によるセンサ電極の接近とセンサ電極の接触との間で明確に区別することができないことは、不利である。さらに、いったん携帯用デバイスが手によって包含され、その結果、センサデバイスがセンサ電極における誘電特性の変化を検出すると、例えば、第2の手が携帯用デバイスに接近しているかどうか、または、携帯用デバイスが接触されているかどうかをセンサデバイスによって判定することがもはやできなくなることは不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、例えば手による携帯用デバイスの接触または包含を確実に検出可能であり、それと同時に、例えば第2の手による携帯用デバイスへの接近を確実に検出可能である、解決策を提供するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は、本発明に従って、独立請求項による、携帯用デバイスに対する接近を同時に検出した場合における、携帯用デバイスの包含を検出するためのセンサデバイスならびに方法によって、達成される。本発明の有利な実施形態および改良点は、従属請求項に示される。
【0006】
したがって、センサデバイスが提供され、センサデバイスは、
少なくとも1つの第1の電極構造であって、第1の電極構造は、少なくとも1つの送信電極および少なくとも1つの受信電極を含み、少なくとも1つの受信電極は、少なくとも1つの送信電極と容量結合され得る、第1の電極構造と、
少なくとも1つの第2の電極構造であって、第2の電極構造は、少なくとも1つの電場感知電極を含み、少なくとも1つの電場感知電極は、少なくとも1つの第1の電極構造の少なくとも1つの送信電極と容量結合され得る、第2の電極構造と、
第1の電極構造および第2の電極構造と結合された評価デバイスであって、送信電極は、第1の交流電気信号を供給可能であり、評価デバイスは、受信電極からタップされた第1の電気信号および少なくとも1つの電場感知電極からタップされた第2の電気信号を評価するように適合される、評価デバイスと
を備える。
【0007】
したがって、特に、有利な方法では、手による、例えば、電気携帯用デバイスの包含の際、同時にまた、例えば、指の携帯用デバイスへの接近を検出することが可能である。
【0008】
第1の電極構造は、少なくとも1つの補償電極を備え得、少なくとも1つの受信電極は、少なくとも1つの補償電極と容量結合され得、少なくとも1つの補償電極は、第2の交流電気信号が供給され得る。
【0009】
評価デバイスは、信号発生器デバイスを備え、第1の交流電気信号および第2の交流電気信号を提供し得る。
【0010】
受信電極、送信電極、補償電極、および電場感知電極は、
送信電極によって放出される第1の交流電場が、受信電極に、および、電場感知電極のうちの少なくとも1つに結合され得、
補償電極によって放出される第2の交流電場が、実質的に、受信電極のみに結合され得る
ように、相互に対して相対的に配設され得る。
【0011】
したがって、例えば、手による携帯用デバイスの包含は、付加的な携帯用デバイスへの接近の同時検出に悪影響を及ぼすことなく、特に、明確に検出され得る。
【0012】
補償電極が、実質的に、送信電極と受信電極との間に配設されることが、有利であることが見出された。
【0013】
また、センサデバイスが提供され、センサデバイスは、
少なくとも1つの第1の電極構造および少なくとも1つの第2の電極構造であって、第1の電極構造は、送信電極、補償電極、および受信電極を備え、第2の電極構造は、いくつかの電場感知電極を備える、第1および第2の電極構造と、
第1の電極構造および第2の電極構造と連結される、評価デバイスであって、評価デバイスは、送信電極に、第1の交流電気信号を供給し、補償電極に、第2の交流電気信号を供給するための信号発生器デバイスを備え、受信電極からタップされた第1の電気信号および電場感知電極からタップされた少なくとも1つの第2の電気信号を評価するように構成される、評価デバイスと
を備え、受信電極、送信電極、補償電極、および電場感知電極は、
送信電極によって放出される第1の交流電場が、受信電極に、および、電場感知電極のうちの少なくとも1つに結合され、
補償電極によって放出される第2の交流電場が、実質的に、受信電極のみに結合され得る
ように、相互に対して相対的に配設される。
【0014】
したがって、有利にも、例えば、携帯電話上において、手による携帯電話の包含(第1の電極構造によって)、同時にまた、例えば、他の手による携帯電話への接近(第2の電極構造によって)が、検出され得るように、センサデバイスによって、2つの観察面積が画定され得る。いくつかのセンサデバイスの提供が、回避され、これは、構造上の努力を大幅に低減させる。さらに、補償電極によって影響を受けない、第2の電極構造の提供によって、監視される総観察面積が拡大される。同様に、有利にも、送信電極への同時接近を伴わない、第2の電極構造への接近によって、第2の電極構造の割り当てられた機能の偶発的係脱につながることが回避される。
【0015】
第1の交流電気信号および2の交流電気信号は、相互に位相偏移され得る。
【0016】
第1の交流電気信号の振幅は、好ましくは、第2の交流電気信号の振幅より大きい。したがって、信号減衰は、有利にも、受信電極に到達され得る。
【0017】
第1の電極構造への物体の接近は、第1の電極構造への物体の接近を示す、受信電極からタップされた第1の信号のレベル変化につながり得る。
【0018】
物体の第2の電極構造へのさらなる接近は、電場感知電極からタップされた第2の電気信号のうちの少なくとも1つのレベル変化につながり得、第2の電気信号のレベル変化は、第1の電極構造および第2の電極構造の両方への物体の接近を示す。
【0019】
補助電極は、電場感知電極のうちの少なくとも1つに割り当てられ得、補助電極は、直流的または容量的に、少なくとも1つの電場感知電極と結合され得る。したがって、電場感知電極の感度は、大幅に増加され得、これは、伝送電極とそれぞれの電場感知電極との間の容量結合が小さい場合、有利である。
【0020】
同時に、第1の電極構造への物体の接近を伴う、物体による補助電極の接触は、補助電極に割り当てられた電場感知電極からタップされた第2の電気信号のレベルの急変につながり得る。したがって、ユーザは、接触によって、触知応答を得るため、機械的感知デバイスは、有利にも、「シミュレート」され得る。
【0021】
送信電極および受信電極は、手による携帯用デバイスの包含の場合、少なくとも部分的に、被覆されるように、携帯用デバイスにおいて、相互に対して配設されることが、特に、有利である。したがって、第1の電極構造は、携帯用デバイスが、手によって、実際に包含される時のみ、信号を提供することが保証される。
【0022】
また、本発明によって、センサデバイスを有するデバイスまたは携帯用デバイスに対するユーザの接近を同時に検出した場合における、ユーザによるデバイスまたは携帯用デバイスの包含を検出するための方法が提供され、センサデバイスは、少なくとも1つの第1の電極構造および少なくとも1つの第2の電極構造を含み、第1の電極構造は、送信電極、補償電極および受信電極を備え、第2の電極構造は、いくつかの電場感知電極を備え、
送信電極において、受信電極および電場感知電極のうちの少なくとも1つに結合され得る、第1の交流電場が放出され、補償電極において、実質的に、受信電極のみに結合される、第2の交流電場が放出されるように、送信電極は、第1の交流電気信号が供給され、補償電極は、第2の交流電気信号が供給され、
受信電極において、第1の電気信号が放出され、その信号レベルが評価され、第1の電気信号の信号レベルは、ユーザによる携帯用デバイスの包含を示し、
電場感知電極のうちの少なくとも1つにおいて、第2の電気信号が放出され、その信号レベルが評価され、第2の電気信号の信号レベルは、携帯用デバイスへのユーザの接近を示す、方法が提供される。
【0023】
第1の電気信号および第2の電気信号の信号レベルの評価の結果は、信号レベルに応じて、携帯用デバイスを動作モードに移行させるために使用され得る。
【0024】
また、本発明によって、本発明によるセンサデバイスを有する携帯用デバイスが提供される。携帯用デバイスは、例えば、携帯電話、コンピュータマウス、遠隔制御、ゲームコンソールのための入力手段、モバイルミニコンピュータ(PDA)、ヘッドホン、補聴器等であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明のさらなる詳細および特色ならびに具体的本発明の実施形態は、図面と併せて、以下の説明からもたらされる。
【図1】図1は、本発明による方法の明確化のための本発明による容量センサデバイスの電極配設である。
【図2】図2は、図1の本発明による電極配設ならびに容量近接場の力線に及ぼす電極配設への身体接近の影響である。
【図3】図3は、本発明によるセンサデバイスの可能性のある実施形態のブロック図である。
【図4】図4は、電気携帯用デバイスにおける本発明によるセンサデバイスの電極の配設である。
【図5】図5は、電気携帯用デバイス内の本発明によるセンサデバイスのいくつかの検出信号の評価のための用途の実施例である。
【図6】図6a、bは、2つの電場感知電極または3つの電場感知電極を伴う、電気携帯用デバイスにおける、本発明によるセンサデバイスの電極の配設の実施例である。
【図7】図7は、電場感知電極における2つの信号曲線であって、一方は、電場感知電極に接近する1本の指の場合であって、一方は、電場感知電極の表面に接触する1本の指の場合である。
【図8】図8は、図7からの信号曲線であるが、補助電極に割り当てられる、電場感知電極におけるものである。
【図9】図9は、携帯用デバイスにおける包含の検出のための電極の配設である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、例えば、携帯用デバイスのケースGの表面上の本発明によるセンサデバイスの電極の配設の実施例を示す。表面G上に配設される電極は、2つの電極構造によって形成される。
【0027】
第1の電極構造は、送信電極SEと、補償電極KEと、受信電極EEとを備える。補償電極KEは、図1に示される実施形態では、実質的に、送信電極SEと受信電極EEとの間に配設される。
【0028】
第2の電極構造は、4つの電場感知電極FEを備える。電場感知電極FEは、補償電極KEによって放出される交流電場WKが、実質的に、受信電極EEだけに結合され、電場感知電極FEには、結合されないように、第1の電極構造と相対的に配設される。
【0029】
第1の電極構造の受信電極EEは、評価デバイスまたは制御手段の信号入力に接続される。第1の電極構造の送信電極SEおよび補償電極KEは、その都度、特定の周波数および振幅の交流電気量が供給される。本交流電気量は、交流信号または交流電気信号として、以下に指定される。
【0030】
送信電極SEに供給される交流電気信号は、周波数約50kHzから300kHzを有する。送信電極SEに供給される交流電気信号は、好ましくは、周波数75kHzから150kHzを有する。
【0031】
補償電極KEに供給される交流電気信号は、好ましくは、送信電極SEに供給される、交流電気信号の波形および周波数を示す。補償電極KEに供給される交流電気信号は、送信電極SEの交流電気信号と位相偏移される。移相は、信号発生器と送信電極または補償電極との間に配設される、移相器によって行われ得る(図3参照)。
【0032】
送信電極SEならびにこれに供給される交流電気信号は、送信電極SEによって放出される交流電場WSが、受信電極EEに結合され得るように、構成される。補償電極KEならびにこれに供給される交流電気信号は、補償電極KEにおいて放出される交流電場WKもまた、受信電極EEに結合され得るように構成される。送信電極SEによって放出される電気交流場WKに位相偏移される、補償電極KEにおいて放出される交流電場WKによって、電気交流場WSおよびWKから生じる、受信電極EEにおいて作用する交流電場のレベルは、位相重畳、すなわち、180°(ほぼ)の移相だけ、低減または消去される。
【0033】
受信電極EEに結合された交流電場WKおよびWSは、評価電子機器によって監視ならびに評価され得る、電流を受信電極EE内に流動させる。本電流は、例えば、手の第1の電極構造への接近または手による第1の電極構造の接触を示す。手の不在下、すなわち、第1の電極構造への手の接近が存在しない、または第1の電極構造が手によって接触されない場合には、受信電極EE内を流動する電流は、所定の切替レベルを下回るレベルを呈する。物体(例えば、手)の第1の電極構造への十分な接近によってのみ、受信電極EE内を流動する電流は、第1の電極構造への接近が検出されるように、所定の切替レベルを超える。
【0034】
第1の電極構造の送信電極SE、補償電極KE、および受信電極EEは、第1の電極構造への接近の代わりに、第1の電極構造の接触が検出されるように、携帯用デバイスに配設され得る。携帯用デバイスにおけるそのような電極配設は、図9に関連して、より詳細に説明される。
【0035】
既に説明されたように、第2の電極構造の電場感知電極FEは、第1の電極構造の補償電極KEによって放出される交流電場WKが、第2の電極構造の電場感知電極FEに結合されないように、第1の電極構造に相対的に配設される。これを保証するために、補償電極KEに供給される交流電気信号もまた、補償電極KEにおいて放出される交流電場WKが、第2の電極構造の電場感知電極FEに結合されないように十分に小さくなるように、設定され得る。
【0036】
本発明によるセンサデバイスの用途の実施例では、第2の電極構造の電場感知電極FEが、第1の電極構造によって検出される第1の電極構の接触と同時に、また、第2の電極構造による接近または接触も検出するために提供され得る。本目的のためには、電場感知電極FEが、第1の電極構造の受信電極EEより小さい表面を備えることが、十分である。
【0037】
第1の電極構造の送信電極SEにおいて放出される交流電場WSは、第2の電極構造の電場感知電極FEに結合され得る。しかしながら、観察面積内の第1の電極構造と第2の電極構造との間の手の不在下、本容量結合は、非常に小さい、すなわち、取るに足らないほど小さい。電場感知電極FEに結合される交流電場WSは、評価デバイスによって検出または評価され得る、電流を電場感知電極FE内に流動させる。電場感知電極FE内を流動する本電流に対して、信号レベルがまた、定義され得、本信号レベルの超過は、電場感知電極FEへの物体の接近を示す。
【0038】
本発明によるセンサデバイスの使用または本発明による電極配設は、手による携帯用デバイスの包含と、また、第2の手による携帯用デバイスへの接近を同時に検出するために、特に有利であり得る。
【0039】
図2は、図1に表される電極配設を示し、単一電極間の力線は、身体Kによって影響を受ける。身体Kは、例えば、電極配設に接近する手であり得る。
【0040】
手が第1の電極構造KEに接近している間、送信電極SEにおいて放出される交流電場WSは、部分的に、接近する手Kを通して、受信電極EEに結合され、したがって、補償電極KEにおいて放出される交流電場WKの作用範囲を回避するので、送信電極SEと受信電極EEとの間の結合は、益々良好となる。送信電極SEと受信電極EEとの間のこのような益々良好となる結合は、受信電極内を流動する電流のレベルを大幅に拡大させる。図2に示されるように、接近する手Kは、ほぼ、補償電極KEのブリッジとして作用する。
【0041】
一方の送信電極と他方の受信電極または補償電極との間の距離は、送信電極SEと受信電極EEとの間のブリッジ効果が、単一の指によって生成され得ないように、選択され得る。そのような配設は、図9に関連して、より詳細に説明される。したがって、例えば、携帯用デバイスにおける受信電極に対する送信電極の対応する配設では、携帯用デバイスの包含が、確実に検出され得る。
【0042】
図2と区別され得るように、身体Kが電極に接近する際もまた、第1の電極構造の送信電極SEと第2の電極構造の電場感知電極FEとの間の結合が増加される。電場電極における身体Kのある接近から、電流が、流動し、その電流は、所定のレベルを超える。本レベルの超過は、電場感知電極および送信電極SEへの物体、例えば、手の接近の指標として使用され得る。
【0043】
携帯用デバイス上の第1および第2の電極構造の対応する配設では、手による携帯用デバイスの包含および携帯用デバイスにおける物体、例えば、第2の手の接近が、このように、確実に検出され得る。第1の電極構造の電極は、手による包含の場合、送信電極SEおよび受信電極EEが、少なくとも部分的に、手によって、被覆されるように、携帯用デバイスに配設され得る。第2の電極構造の電場感知電極は、携帯用デバイスを掴持する手によって被覆されないように、携帯用デバイスに配設され得る。したがって、第2の手が、手によって既に包含されている携帯用デバイスに接近するかどうかが、確実に検出され得る。
【0044】
図3は、本発明によるセンサデバイスのブロック図を示す。第1の電極構造および第2の電極構造は、その都度、評価デバイスと結合される。第2の電極構造の電場感知電極FEは、評価デバイスにおける電気信号S2が、それぞれの電場感知電極にフィードされるように、評価デバイスと結合される。
【0045】
第1の電極構造の受信電極EEはまた、受信電極EEで検出された電気信号S1が、評価デバイスにフィードされるように、評価デバイスと結合される。
【0046】
第1の電極構造の補償電極KEおよび送信電極SEは、その都度、評価デバイスによって、交流電気信号WS2またはWS1が供給される。好ましくは、交流電気信号WS1は、交流電気信号WS2に位相偏移される。評価デバイスは、本目的のために、交流電気信号の発生および提供のための信号発生器Gを提供し得る。信号発生器Gから提供される交流信号は、送信電極SEに直接供給され得る。補償電極KEを交流電気信号で充電するために、信号発生器によって提供される信号は、移相器Δφを通して、補償電極KEにフィードされ得る。
【0047】
評価デバイスは、受信電極EEにおける電気信号S1および電場感知電極FEの少なくとも1つの電気信号S2を測定および評価し得るように構成される。本評価の結果、評価デバイスは、第1の検出信号DS1および/または第2の検出信号DS2を提供し得る。評価デバイスによって提供される検出信号DS1、DS2は、物体が、第1の電極構造の観察面積および/または第2の電極構造の観察面積内にあるかどうかについての情報を含有する。検出信号は、例えば、検出信号DS1、DS2内に含有される情報に応じて、電気携帯用デバイスを適宜制御し得る、電気携帯用デバイスの制御デバイスにフィードされ得る。
【0048】
好ましくは、評価デバイスAは、各電場感知電極に対して、別個に、電場感知電極FEにおける電気信号S2を測定または評価し得るように形成される。これは、電場感知電極によって検出された電気信号S2に基づいて、どの電場感知電極FEに、手または指が接近しているかを判定し得るように、例えば、携帯用デバイスにおけるいくつかの電場感知電極が、異なる場所において、配設され得るという利点を有する。例えば、携帯用デバイスの上側における、電場感知電極の適切な配設の場合、電場感知電極に接近する物体の形状もまた、接触せずに、かつ良好な精度で判定され得る。
【0049】
本発明によるセンサデバイスの一実施形態では、電場感知電極FEにおいて検出された電気信号S2は、例えば、図3に示されるように、一時的に、時分割多重方式において、連続的に評価され得る。
【0050】
本発明によるセンサデバイスの電極に加え、依然として、さらなるセンサが、評価デバイスAに接続され得る。例えば、加速センサが提供され得、そのセンサ信号S3は、評価デバイスAに伝達され得る。評価デバイスAは、有利にも、受信電極EEまたは電場感知電極FEにおいて検出される、電気信号S1および/またはS2、ならびに加速センサによって提供されるセンサ信号S3に応じて構成され得、例えば、携帯用デバイスが、どのように接触されているか、そして、携帯用デバイスがどのように配向されているかについての情報を含有する検出信号DS3を提供するように構成され得る。
【0051】
代替として、別のセンサ、例えば、加速センサもまた、検出器信号DS1およびDS2もまたフィードされる、ここには図示されない、さらなる評価デバイスにフィードされ得る。次いで、検出器信号DS1、DS2ならびに加速センサのセンサ信号S3のさらなる評価は、ここには図示されない、このさらなる評価デバイスが行い得る。
【0052】
図4は、電気携帯用デバイス、例えば、携帯電話における本発明によるセンサデバイスの電極の配設の実施例を示す。携帯用デバイスの下側面積において、左縁ゾーンには、送信電極SEが、右縁ゾーンには、第1の電極構造の受信電極EEおよび補償電極KEが、配設される。電気携帯用デバイスの下側面積が、手によって、接触される場合、送信電極SEおよび受信電極EEは、手によって、少なくとも部分的に、被覆される。手による携帯用デバイスの包含は、受信電極EEを通して流動する電流に影響を及ぼす、送信電極SEと受信電極EEとの間の容量結合の大幅な拡大につながる。動作モードについては、既に、図2に関連してより詳細に説明されている。
【0053】
電気携帯用デバイスの上側面積には、第2の電極構造の電場感知電極FEが、配設される。電場感知電極FEは、手による携帯用デバイスの包含の場合、送信電極SEと電場感知電極FEとの間の容量結合が、大幅に影響を受けないように、または大幅に改善されないように、配設される。
【0054】
ここで、第2の手が、電場感知電極FEに接近すると、電場感知電極FEを通って流動する電流に影響を及ぼす送信電極SEと電場感知電極FEとの間の容量結合もまた、大幅に改善される。
【0055】
携帯用デバイスの下側面積は、本明細書では、「把持ゾーン」と称され、携帯用デバイスの上側面積は、「近位ゾーン」と称される。図4に示される電極配設の可能性のある使用シナリオは、携帯電話の場合、手による携帯電話の包含およびユーザの耳への携帯電話の接近が検出され得るという事実にある。
【0056】
携帯電話の包含は、第1の電極構造の送信電極SEおよび受信電極EEを利用して、検出される。耳への接近は、電場感知電極FEによって検出される。耳への携帯電話の接近によって、ユーザの身体を介する送信電極SEと電場感知電極FEとの間の容量結合は、容量結合が、電場感知電極FEを通って流動する電流が所定のレベルを超えるほど大きくなる電場感知電極FEの耳までのある距離まで、一定して増加し得る。
【0057】
そして、評価デバイスによって提供される検出信号は、例えば、着呼の場合、鳴動信号が、携帯電話が手によって包含されるとすぐに停止され、携帯電話のディスプレイ照明が、自動的に、携帯電話が耳の位置に保持されるとすぐに自動的にオフにされるように、使用され得る。同様に、携帯電話の包含によって、または携帯電話が耳に位置に保持されるとすぐに、着呼は、自動的に、応答され得る。したがって、着呼に応答するために、必ずしもキーを操作しなくてもよい。したがって、人間工学および使いやすさが、本発明によるセンサデバイスによって、明らかに改善される。
【0058】
図5は、携帯用デバイスにおける本発明によるセンサデバイスの別の使用シナリオを示す。第1の電極構造および第2の電極構造の電極は、ここでは、実質的に、図4に関連して既に示されたように配設される。本発明によるセンサデバイスによって提供される検出信号に加え、ここでは、携帯電話の状況も同様に評価される。携帯電話が、手によって、下側面積および上側面積の両方において接触され、携帯電話が、実質的に、水平配向に位置付けられる場合、携帯電話は、例えば、自動的に、カメラモードに切り替えられ得る。携帯電話の位置は、例えば、加速センサによって、判定され得る。
【0059】
図6aおよび図6bは、本発明によるセンサデバイスの電極の配設の2つのさらなる実施例を示す。図6aでは、送信電極SEおよび受信電極EEは、携帯用デバイスの下側面積に配設される。携帯用デバイスの上側面積には、両側にそれぞれ1つの電場感知電極FEが、配設される。
【0060】
本実施例では、電場感知電極FEは、従来の機械的感知デバイスまたはスイッチの代用として使用され得る。例えば、電場感知電極FEまたは電場感知電極FEに割り当てられる検出信号は、携帯電話の電話帳機能とリンクされ得る。ユーザが、手によって、携帯電話を包含しており、かつ、例えば、親指によって、右または左電場感知電極FEに接近する場合、携帯電話は、自動的に、電話帳モードに切り替えられ得る。
【0061】
右側電場感知電極の代わりに、右利きの人が取扱が簡単である、従来の感知デバイスもまた、提供され得る。左側電場感知電極は、右側に配設される感知デバイスと同一機能を有し得るが、左側電場感知電極は、左利きの人が取扱が簡単である。次いで、動作に応じて、右利き/左利きの区別が、簡単な方法で実現され得る。図7および8に示される実施形態とともに、電場感知電極は、左側の場合にも提供され得、それによって、感知デバイスは、「シミュレート」され得る。すなわち、適宜より高速な信号レベル上昇が測定可能であるように、左側電場感知電極に割り当てられる機能は、接近のみによってアクティブ化されることはなく、携帯用デバイスの表面が接触されたときにのみ、アクティブ化される(図7および8参照)。
【0062】
用途の実施例ととともに、図5に関して説明されたように、これらの両方の電場感知電極FEはまた、カメラモードがオンである間、トリガとして使用され得る。本目的のための電場感知電極FEの好適な配設は、図6bに関連して示される。
【0063】
図6bに示される電場感知電極FEの配設では、電場感知電極FEの電気信号S2はまた、携帯電話における呼の承諾のための検出精度をさらに向上させるために、使用され得る。これは、例えば、所定のレベルを超える、少なくとも2つの電場感知電極FEからの電気信号を提供することによって、達成され得る。
【0064】
本明細書に図示および説明されるセンサデバイスはまた、携帯用デバイス、例えば、携帯電話において、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えるために使用され得る。第1の動作モードは、例えば、スリーピングモードであり得、第2の動作モードは、アクティブモードであり得る。このように、携帯電話は、手によって実際に包含されるか、または、使用中であるときにのみアクティブモードにあるという点において、携帯電話のエネルギー消費は、明らかに低減され得る。
【0065】
別の使用シナリオでは、本発明によるセンサデバイスはまた、例えば、コンピュータマウス内に配設され得る。第1の電極構造の電極は、コンピュータマウスの包含が検出されるように、コンピュータマウスに配設され得る。第2の電極構造の電場感知電極は、例えば、左側マウスボタンおよび右側マウスボタンに対する面積の接近を定義するように提供され得る。コンピュータマウスが、手によって包含されていない場合、コンピュータマウスは、スリーピングモードに切り替えられ得る。送信電極と電場感知電極との間の必要な容量結合が理由で、同時に手によって包含されることなしに、コンピュータマウスが、2つの電場感知電極のうちの1つに接近することによってのみアクティブモードに切り替えられることもまた、回避され得る。
【0066】
さらなる使用シナリオでは、ビデオカメラ(カムコーダ)が、本発明によるセンサデバイスに装備され得る。したがって、例えば、手がカメラの保持のために導入されるカメラループの面積内に、第1の電極構造が配設され得る。このように、手がループ内にある場合、検出がなされ得る。本発明の一実施形態では、カメラまたはカムコーダの起動シーケンスは、手がループ内に入るとすぐに起動され得る。このように、ビデオ記録を開始するまでの経過時間は、大幅に短縮され得る。さらに、カメラシステムは、手をループから除去する際、例えば、カムコーダが停止される場合、少なくともカムコーダのディスプレイが、オフに切り替えられるように形成され得る。
【0067】
さらなる実施形態では、指が、対応する電場感知電極の十分に近くまで接近すると、ビデオカメラにおいて、異なる作用が生じ得る、1つまたはいくつかの電場感知電極FEが、ビデオカメラに配置され得る。好ましくは、手が、ビデオカメラのループ内にあるときにのみ生じるはずである、そのような作用は、ビデオカメラ上の電場感知電極によって、解除可能である。
【0068】
図7は、例えば、携帯用デバイスのケースへの接近およびケースへの接触による、電場感知電極FEからタップされた電気信号の信号曲線を示す。ここでの電場感知電極FEは、ケースGの外側に配設されず、ケースGの内側に配設される。したがって、電場感知電極は、一方では、外部影響から保護され、他方では、電場感知電極は、ケースの設計に影響を及ぼさない。
【0069】
指が、電場感知電極FEが配設される面積内のケースに接近する場合、電場感知電極FEにおける電気信号のレベルは、図7の左側に示されるように、連続して増加する。指Kが、ケースGの表面に接触する場合、指の結合表面は、送信電極SEと対応する電場電極FE間の容量結合が、急成長するように、急速に拡大される。本容量結合の急速成長は、ひいては、電場感知電極FEにおいて検出された電流をも同様に急成長させる。電場感知電極FEにおいて検出された本信号の急速レベル上昇は、電場感知電極FEへの接近を電場電極FEとの接触と区別するために、使用され得る。
【0070】
ケースGの内側に配設された電場感知電極FEに、接近する指に対するさらに良好な容量結合をもたらすために、補助電極HEが、ケース外側またはケース外側の表面直下に配設され得る。そのような配設は、図8に示される。
【0071】
それによって、補助電極HEは、ケース内側に配設された電場感知電極FEに関連してもたらされる。これは、補助電極HEと電場感知電極FEとの間の直流接続によって、行われ得る。直流接続は、補助電極HEが、電場感知電極FEに直接対向して配設されてはならないという利点を有する。別の実施形態では、補助電極HEと電場感知電極FEとの結合はまた、図8に示されるように、容量ベースで行われ得る。容量結合は、電場感知電極FEを補助電極HEと結合するために、筐体Gに、開口部が提供される必要はないという利点を有する。
【0072】
図7に示される信号または信号曲線と対照的に、接近する指の場合、補助電極HEは、電場感知電極FEと接近する指との間に良好な容量結合をもたらすため、電場感知電極FEにおいて検出された信号の信号レベルは、より大きくなる。同様に、指と電場感知電極FEとの間には、誘電体として作用するケースが存在しないため、指Kによる補助電極HEの接触によって、電場感知電極FEで検出された信号の信号レベルに及ぼすより強力な影響が達成される。したがって、指の結合表面の急速増幅は、依然として、電場感知電極FEで検出された信号のより大きなレベル上昇につながる。したがって、接近と接触との間のより精密な区別が、行われ得る。
【0073】
接近と接触との間の区別は、例えば、電場感知電極に接近することによって、カメラの焦点化(図5参照)をもたらし、電場感知電極に接触することによって、写真撮影をもたらすために、提供され得る。
【0074】
図9では、携帯用デバイスにおける第1の電極構造の電極の配設が、象徴的に示される。携帯用デバイスの左側には、送信電極SEが、配設される。携帯用デバイスの右側には、補償電極KEおよび受信電極EEが、配設され、受信電極EEは、補償電極KEにわたって配設される。
【0075】
このように、特定の利点を伴って、携帯用デバイスの包含を検出することが可能である一方、携帯用デバイスへの接近のみの検出が、効率的に回避される。
【0076】
本発明によるセンサデバイスの本明細書には図示されないさらなる実施形態では、第1の電極構造はまた、いくつかの送信電極、いくつかの補償電極、および/またはいくつかの受信電極を有し得る。同様に、センサデバイスはまた、例えば、携帯用デバイスにおいて、いくつかの第1の電極構造が、携帯用デバイスに配設されると、携帯用デバイスの包含が、携帯用デバイスの異なる面積で検出され得るように、いくつかの第1の電極構造を含んでもよい。代替として、また、携帯用デバイスが、2本の手によって包含または含有されるかどうかが、検出され得る。
【0077】
携帯用デバイスは、例えば、携帯電話、コンピュータマウス、遠隔制御、ゲームコンソールのための入力手段、可動式ミニコンピュータ(PDA)、ヘッドホン、補聴器等であり得る。本発明によるセンサデバイスはまた、例えば、デバイスの接触の検出と、同時に、デバイスへの接近を検出するのに必要である、より大型の電気器具のために提供され得る。本発明によるセンサデバイスはまた、第1の電極構造で検出された電気信号が、第2の電極構造で検出された電気信号から独立して評価されるように、動作され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1の電極構造であって、前記第1の電極構造は、少なくとも1つの送信電極(SE)および少なくとも1つの受信電極(EE)を含み、前記少なくとも1つの受信電極(EE)は、前記少なくとも1つの送信電極(SE)と容量結合可能である、第1の電極構造と、
少なくとも1つの第2の電極構造であって、前記第2の電極構造は、少なくとも1つの電場感知電極(FE)を含み、前記少なくとも1つの電場感知電極(FE)は、前記少なくとも1つの第1の電極構造の少なくとも1つの送信電極(SE)と容量結合可能である、第2の電極構造と、
前記第1の電極構造および前記第2の電極構造と結合された評価デバイス(A)であって、前記送信電極(SE)は、第1の交流電気信号(WS1)を供給可能であり、前記評価デバイス(A)は、前記受信電極(EE)からタップされた第1の電気信号(S1)および前記少なくとも1つの電場感知電極(FE)からタップされた第2の電気信号(S2)を評価するように構成される、評価デバイス(A)と
を含む、センサデバイス。
【請求項2】
前記第1の電極構造は、少なくとも1つの補償電極(KE)を含み、前記少なくとも1つの受信電極(EE)は、前記少なくとも1つの補償電極(KE)と容量結合可能であり、前記少なくとも1つの補償電極(KE)は、第2の交流電気信号(WS2)を供給可能である、請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項3】
前記評価デバイス(A)は、前記第1の交流電気信号(WS1)および前記第2の交流電気信号(WS2)を提供するための信号発生器(G)を含む、請求項1または2に記載のセンサデバイス。
【請求項4】
前記受信電極(EE)、前記送信電極(SE)、前記補償電極(KE)、前記電場感知電極(FE)は、
前記送信電極(SE)によって放出される第1の交流電場(WS)が、前記受信電極(EE)に、および、前記電場感知電極(FE)のうちの少なくとも1つに結合可能であり、
前記補償電極(KE)によって放出される第2の交流電場(WK)が、実質的に、前記受信電極(EE)のみに結合可能である
ように、相互に対して配設される、請求項2から3のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項5】
前記電場感知電極(FE)のうちの少なくとも1つは、補助電極(HE)に割り当てられ、前記補助電極(HE)は、直流的または容量的に、前記少なくとも1つの電場感知電極(FE)と結合可能である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項6】
物体による前記補助電極(HE)に対する接触は、前記第1の電極構造に対する前記物体の同時接近の場合、前記補助電極(HE)に割り当てられた前記電場感知電極(FE)からタップされた前記第2の電気信号(S2)のレベルの急変につながる、請求項5に記載のセンサデバイス。
【請求項7】
前記受信電極からの第1の電気信号をタップし、その信号レベルを評価することと、
前記少なくとも1つの電場感知電極からの第2の電気信号をタップし、その信号レベルを評価することと
を行うように構成され、
前記第1の電気信号および前記第2の電気信号の信号レベルの評価の結果は、前記信号レベルに応じて、電気携帯用デバイスを動作モードに移行させるために、使用可能である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項8】
前記補償電極は、実質的に、前記送信電極と前記受信電極との間に配設される、請求項2〜7のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項9】
前記電極(SE、KE、EE、FE)は、前記電極(SE、KE、EE、FE)間にある電場の挙動が、身体(K)によって影響を受けることが可能であるように、相互に対して配設される、請求項2〜8のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項10】
前記第1の電極構造の電極(SE、KE、EE)は、前記第1の電極構造の電極(SE、KE、EE)に対する身体接近が、前記補償電極(KE)において放出される前記第2の交流電場(WK)をブリッジし、それによって、前記送信電極(SE)において放出される前記第1の交流電場(WS)が、前記身体(K)を介して、前記受信電極(EE)に結合可能となるように、相互に対して配設される、請求項2〜9のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項11】
前記第2の信号(S2)は、前記少なくとも1つの電場感知電極(FE)から、多重方式、好ましくは、時分割多重方式においてタップ可能である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項12】
前記第1の交流電気信号(WS1)および前記第2の交流電気信号(WS2)は、相互に対して位相偏移される、請求項2〜11のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項13】
前記第1の交流電気信号(WS1)の振幅は、前記第2の交流電気信号(WS2)の振幅より大きい、請求項2〜12のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項14】
前記送信電極(SE)および前記受信電極(EE)は、手による前記携帯用デバイスの包含の場合、少なくとも部分的に、前記手によって被覆されるように、相互に対して、前記携帯用デバイスに配設可能である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの第1の電極構造(SE、KE、EE)および少なくとも1つの第2の電極構造(FE)であって、前記第1の電極構造(SE、KE、EE)は、送信電極(SE)、補償電極(KE)、受信電極(EE)を含み、前記第2の電極構造(FE)は、いくつかの電場感知電極(FE)を含む、第1の電極構造および第2の電極構造と、
前記第1の電極構造(SE、KE、EE)および前記第2の電極構造(FE)と結合された評価デバイス(A)であって、前記評価デバイス(A)は、前記送信電極(SE)に、第1の交流電気信号(WS1)を供給し、前記補償電極(KE)に、第2の交流電気信号(WS2)を供給するための信号発生器デバイス(G)を含み、前記評価デバイス(A)は、前記受信電極(EE)からタップされた第1の電気信号(S1)および前記電場感知電極(FE)からタップされた少なくとも1つの第2の電気信号(S2)を評価するように構成される、評価デバイス(A)と、
を含み、
前記受信電極(EE)、前記送信電極(SE)、前記補償電極(KE)、前記電場感知電極(FE)は、
前記送信電極によって放出される第1の交流電場(WS)が、前記受信電極(EE)に、および、前記電場感知電極のうちの少なくとも1つに結合可能であり、
前記補償電極(KE)によって放出される第2の交流電場(WK)が、実質的に、前記受信電極(EE)のみに結合可能である
ように、相互に対して配設される、センサデバイス。
【請求項16】
前記第1の交流電気信号(WS1)および前記第2の交流電気信号(WS2)は、相互に対して位相偏移される、請求項15に記載のセンサデバイス。
【請求項17】
前記第1の交流電気信号(WS1)の振幅は、前記第2の交流電気信号(WS2)の振幅より大きい、請求項15または16のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項18】
前記第1の電極構造(SE、KE、EE)に対する物体の接近は、前記受信電極(EE)からタップされた前記第1の信号(S1)のレベル変化につながり、前記レベルの変化は、前記第1の電極構造(SE、KE、EE)に対する物体の接近を示す、請求項15〜17のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項19】
前記第2の電極構造(FE)に対する前記物体のさらなる接近は、前記電場感知電極(FE)からタップされた前記少なくとも1つの第2の電気信号(S2)のレベル変化につながり、前記第2の電気信号(S2)のレベル変化は、前記物体が、前記第1の電極構造(SE、KE、EE)および前記第2の電極構造(FE)の両方に接近していることを示す、請求項18に記載のセンサデバイス。
【請求項20】
補助電極(HE)は、前記電場感知電極(FE)のうちの1つに割り当てられ、前記補助電極(HE)は、直流的または容量的に、前記少なくとも1つの電場感知電極(FE)と結合可能である、請求項15〜19のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項21】
物体による前記補助電極(HE)に対する接触は、前記第1の電極構造(SE、KE、EE)に対する前記物体の同時接近によって、前記補助電極(HE)に割り当てられた前記電場感知電極(FE)からタップされた前記第2の電気信号(S2)のレベルの急変につながる、請求項20に記載のセンサデバイス。
【請求項22】
前記送信電極(SE)および前記受信電極(EE)は、手による前記携帯用デバイスの包含の場合、少なくとも部分的に、前記手によって被覆されるように、相互に対して、前記携帯用デバイスに配設可能である、請求項15〜21のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項23】
容量センサとして形成されないセンサと結合されたセンサデバイスであって、前記センサのセンサ信号(S3)は、前記評価デバイス(A)にフィードされる、請求項1〜22のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項24】
前記センサは、加速センサを含む、請求項23に記載のセンサデバイス。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載のセンサデバイスを有する、携帯用デバイス。
【請求項26】
前記センサデバイスの前記送信電極(SE)および前記受信電極(EE)は、手による前記携帯用デバイスの包含の場合、少なくとも部分的に、前記手によって、被覆されるように、前記携帯用デバイス上に配設される、請求項25に記載の携帯用デバイス。
【請求項27】
前記携帯用デバイスは、携帯電話、コンピュータマウス、遠隔制御、ゲームコンソールのための入力手段、モバイルミニコンピュータ(PDA)、ヘッドホン、補聴器のうちの少なくとも1つを含む、請求項25または26に記載の携帯用デバイス。
【請求項28】
センサデバイスを有する携帯用デバイスに対するユーザの接近を同時に検出した場合における、ユーザによる携帯用デバイスの包含を検出するための方法であって、前記センサデバイスは、少なくとも1つの第1の電極構造および少なくとも1つの第2の電極構造を含み、前記第1の電極構造は、送信電極(SE)、補償電極(KE)、受信電極(EE)を含み、前記第2の電極構造は、いくつかの電場感知電極(FE)を含み、
前記受信電極(EE)に結合可能であり、かつ、前記電場感知電極のうちの少なくとも1つ(FE)に結合可能である第1の交流電場(WS)が、前記送信電極(SE)において放出され、実質的に、前記受信電極(EE)のみに結合可能である第2の交流電場(WK)が、前記補償電極(KE)において放出されるように、前記送信電極(SE)は、第1の交流電気信号(WS1)が供給され、前記補償電極(KE)は、第2の交流電気信号(WS2)が供給され、
第1の電気信号(S1)は、前記受信電極(EE)からタップされ、その信号レベルが評価され、前記第1の電気信号(S1)の信号レベルは、ユーザによる前記携帯用デバイスの包含を示し、
第2の電気信号(S2)は、前記電場感知電極のうちの少なくとも1つ(FE)からタップされ、その信号レベルが評価され、前記第2の電気信号(S2)の信号レベルは、前記ユーザ前記携帯用デバイスへの前記ユーザの接近を示す、方法。
【請求項29】
前記第1の電気信号(S1)および前記第2の電気信号(S2)の信号レベルの評価の結果は、前記信号レベルに応じて、前記携帯用デバイスを動作モードに移行するために使用される、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−513840(P2013−513840A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542478(P2012−542478)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068885
【国際公開番号】WO2011/069926
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(511242328)アイデント・テクノロジー・アーゲー (6)
【Fターム(参考)】