説明

把持装置

【課題】 光学シートを損傷することなく、また光学シート同士を接合するなどの手段で一体化することなく、光学シート積層体を把持することのできる把持装置を提供する。
【解決手段】 把持装置1は、一対の把持部材11,12と、一対の把持部材11,12を変位方向Zに相互に近接および離反変位可能に支持する支持手段13とを含み、一対の把持部材11,12によって、光学シート積層体20を厚み方向両側から把持する。各把持部材11,12の光学シート積層体20に当接する当接表面部11a,12aは、弾性材料から成り、日本工業規格K6253に規定されるデュロメータ硬さがA50以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層された複数枚の光学シートをひとまとまりとして、その表裏面を挟んで把持し、移送する把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子を照明するために用いられる面状発光装置には、集光機能を有するプリズムシートと、出射された光を均一に拡散する拡散シートとが、それぞれ少なくとも1枚以上組込まれている。プリズムシートおよび拡散シートといった光学シートは、それぞれ搬送用シートに貼合せられた状態で、光学シートのみを所定の形状に打抜くことによって得られる。打抜かれた光学シートは、人手によって一枚ずつ取出され、面状発光装置に組込まれる。打抜かれた光学シートを取出す工程が自動化された場合には、光学シートの表面を吸着して一枚ずつ取出す方法が用いられる。
【0003】
複数枚の光学シートを積層した状態で所定の形状に裁断し、複数枚の光学シートを積層したままの状態で扱う方法が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の方法によれば、面状発光装置に組込まれる光学シートの枚数分だけ必要であった光学シートの裁断工程が各面状発光装置に対して一工程ずつで完了するので効率が良く、また複数枚の光学シートを積層した状態で扱うので、光学シート同士の間にごみが入る可能性が低く、製品の歩留まり向上が期待できる、などの効果がある。
【0004】
積層されたシートをひとまとまりとして扱う場合、人手ではシート同士がずれないように扱うことが困難であり、許容される負荷よりも大きい負荷をかけてシートを損傷してしまうおそれがある。また自動化してシートの表面を吸着する方法では、最上面に位置するシートだけしか扱うことができず、積層した状態のままで扱う優位性が損なわれる。複数枚の光学シートを積層した状態のままで扱うために、前述の特許文献1に開示の方法では、光学シートの積層体の周縁を接合している。
【0005】
接合することなく、積層されたシートをひとまとまりに扱う装置として、シート同士がずれることを防止するために、積層されたシートを把持する装置が用いられる。特に強く押さえて把持することができないシートを扱う装置が、たとえば特許文献2に開示されている。特許文献2に開示の装置では、複数のシートが積層されたシート体を挟持板によって弱い力で押さえるとともに、挟持板を旋回して移動するときに発生する慣性力および遠心力の作用によってシート同士がずれることを防ぐために、挟持板を傾斜させている。
【0006】
【特許文献1】特開2007−156014号公報
【特許文献2】特開2003−20135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示の方法において、積層された光学シートをひとまとまりとして扱うためには、前述のように光学シートの積層体の周縁を接合することが必要である。この接合された領域(以下「接合領域」という)では、光学シートにひずみが生じて光学シート積層体の平坦性が損なわれ、特に接合領域近傍において、要求される光学特性が得られないことがある。
【0008】
特許文献2に開示の装置では、積層されたシート同士がずれることを防ぐことが可能であり、またシートに対する負荷を制御することが可能であるが、特許文献2に開示の装置が取扱対象とするシート体は、エックス線フィルムのような表面が平面状のシートが積層されたシート体である。特許文献2に開示の技術では、プリズム山が形成されるプリズムシートと、このプリズムシートにプリズム山を介して積層される他の光学シートとを含む光学シート積層体、たとえば第1の拡散シート、第1のプリズムシート、第2のプリズムシートおよび第2の拡散シートの4枚がこの順に積層される光学シート積層体を扱うことは想定されていない。このようにプリズムシートに他の光学シートが積層される光学シート積層体を把持する場合、把持圧力によっては、プリズム山が他の光学シートに食い込んで、他の光学シートが損傷してしまうことがある。特許文献2に開示の技術では、光学シートを損傷することなく把持できる把持圧力を求めることはなされていない。
【0009】
また特許文献2には、シート体を把持しないで、シート体を支持する支持板を傾けるだけで扱う方法も開示されるが、この方法を光学シート積層体に適用すると、光学シートに反りがある場合に、光学シート同士のずれを生じさせることなく移送することはできない。
【0010】
本発明の目的は、複数枚の光学シートが積層された光学シート積層体を、光学シートを損傷することなく、また光学シート同士を接合するなどの手段で一体化することなく、ひとまとまりに把持することのできる把持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、厚み方向一方側に突出する突起部が形成される第1の光学シートと、第1の光学シートに形成される突起部を介して第1の光学シートの厚み方向一方側の表面部に積層される第2の光学シートとを含む光学シート積層体を厚み方向両側から把持する把持装置であって、
予め定める変位方向に相互に近接および離反変位可能に設けられ、光学シート積層体を把持する一対の把持部材と、
一対の把持部材を変位方向に相互に近接および離反変位可能に支持する支持手段とを含み、
各把持部材の光学シート積層体に当接する当接表面部は、弾性材料から成り、日本工業規格K6253に規定されるデュロメータ硬さがA50以下であることを特徴とする把持装置である。
【0012】
また本発明は、各把持部材の当接表面部は、ニトリルゴムから成り、日本工業規格K6253に規定されるデュロメータ硬さがA30以上A50以下であることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、各把持部材による光学シート積層体の表面部への把持圧力は、1N/cm以上3N/cm以下であることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、各把持部材は、当接表面部の表面の面積が、その把持部材が当接する光学シート積層体の表面部の表面の全面積の5%以上50%未満に形成されることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、一対の把持部材の当接表面部は、変位方向に垂直な仮想一平面に関して対称に形成されることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、各把持部材の当接表面部の外周縁部は、曲面状に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1の光学シートの厚み方向一方側の表面部に突起部を介して第2の光学シートが積層される光学シート積層体が、厚み方向両側から、支持手段によって変位方向に相互に近接および離反変位される一対の把持部材によって把持される。これによって、光学シート積層体を構成する光学シート同士を接合するなどの手段で一体化することなく、光学シート積層体を把持することができる。また各把持部材の光学シート積層体に当接する当接表面部は、弾性材料から成り、日本工業規格K6253に規定されるデュロメータ硬さがA50以下である。これによって、光学シート積層体の把持部材に当接する表面部である厚み方向両側の表面部が把持部材によって傷付くことを防ぐことができる。また一対の把持部材が光学シート積層体を把持するときの把持圧力が、第1の光学シートに形成される突起部に集中して加わることを防ぐことができるので、第2の光学シートの厚み方向他方側の表面部が第1の光学シートの突起部によって傷付くことを防ぐことができ、また突起部が変形することを防ぐことができる。したがって光学シート積層体を構成する各光学シートを損傷することなく、光学シート積層体を把持することができる。
【0018】
また本発明によれば、各把持部材の当接表面部は、ニトリルゴムから成り、日本工業規格K6253に規定されるデュロメータ硬さがA30以上A50以下である。これによって、光学シート積層体を構成する各光学シートの損傷を防ぐとともに、把持部材への光学シートの貼り付き、および光学シートへの把持部材の転写を防ぐことができる。したがって、光学シート積層体の把持動作をより安定して行うことができる。
【0019】
また本発明によれば、光学シート積層体は、1N/cm以上3N/cm以下の把持圧力で把持部材によって把持される。これによって、光学シート積層体の厚み方向両側の表面部が把持部材によって傷付くことをより確実に防ぐことができる。また光学シート積層体を把持して移送する場合、光学シート積層体を構成する光学シート同士のずれをより確実に防いで、光学シート積層体をより安定して移送することが可能である。
【0020】
また本発明によれば、各把持部材は、光学シート積層体を把持する部分である当接表面部の表面の面積が、その把持部材が当接する光学シート積層体の表面部の表面の全面積の5%以上50%未満に形成される。これによって、光学シート積層体を把持するときの各把持部材による把持面積、すなわち各把持部材の光学シート積層体に対する把持面積を、光学シート積層体の把持部材に当接する側の表面部の表面の全面積の5%以上50%未満にすることができる。これによって、光学シート積層体を把持装置によって把持するときに、光学シート積層体を構成する光学シート同士がずれることを防ぐことができる。たとえば、光学シート積層体を搬送用シートで搬送して、搬送用シートの折返し部分から把持装置側に突き出させた状態で把持装置に供給して、把持装置で把持させる場合、光学シート積層体の把持装置側への突き出し量を、光学シート積層体の把持部材に当接する側の表面部の表面の全面積の50%以上にすることなく、把持装置に把持させることが可能となるので、重力の影響で光学シート同士がずれることを防ぐことができる。また光学シート積層体を把持装置で把持して工程間を移送する場合、次の工程の装置への受け渡しを容易に行うことができる。
【0021】
また本発明によれば、一対の把持部材の当接表面部は、変位方向に垂直な仮想一平面に関して対称に形成されるので、光学シート積層体の厚み方向両側の表面部に対して、把持部材による把持圧力を均一に加えることができる。これによって、光学シート積層体に局所的に把持圧力が加わることを防ぐことができるので、光学シート積層体の変形および湾曲を防ぐことができる。
【0022】
また本発明によれば、各把持部材の当接表面部の外周縁部は、曲面状に形成される。これによって、把持部材によって光学シート積層体が把持されるとき、把持部材の曲面状の外周縁部に沿って、光学シート積層体および光学シート積層体を構成する各光学シートが曲面状に変形するので、光学シートに折れ目のような傷が付くことを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の実施の一形態の把持装置1を示す側面図である。把持装置1は、一対の把持部材、すなわち第1把持部材11および第2把持部材12と、一対の把持部材11,12を支持する支持手段13とを含む。把持装置1は、光学シート積層体20を把持する光学シート積層体把持装置である。把持装置1は、光学シート積層体20を厚み方向両側から把持する。光学シート積層体20は、複数枚の光学シート21〜24が厚み方向に積層されて構成される。
【0024】
一対の把持部材11,12は、予め定める変位方向Zに相互に近接および離反変位可能に設けられる。光学シート積層体20は、その厚み方向が、変位方向Zに平行になるように一対の把持部材11,12によって把持される。光学シート積層体20が一対の把持部材11,12に把持される状態において、第1把持部材11は、光学シート積層体20に関して変位方向Zの一方Z1側から、光学シート積層体20の厚み方向一方側の表面部(以下「一方側当接表面部」ということがある)20aに当接し、第2把持部材12は、光学シート積層体20に関して変位方向Zの他方Z2側から、光学シート積層体20の厚み方向他方側の表面部(以下「他方側当接表面部」ということがある)20bに当接する。以下、光学シート積層体の一方側当接表面部および他方側当接表面部を合わせて、「当接表面部」ということがある。本実施形態では、変位方向Zの他方Z2は鉛直方向に一致し、変位方向Zの一方Z1は、鉛直方向の反対方向に一致する。
【0025】
第1および第2把持部材11,12の光学シート積層体20に当接する表面部である当接表面部11a,12aはいずれも、弾性材料から成り、日本工業規格(略称JIS)K6253に規定されるデュロメータ硬さ(以下、単に「デュロメータ硬さ」ということがある)がA50以下である。具体的には、第1および第2把持部材11,12の当接表面部11a,12aはいずれも、ニトリルゴムから成り、デュロメータ硬さがA30以上A50以下である。
【0026】
本実施形態では、第1および第2把持部材11,12はいずれも、当接表面部11a,12aを含む全体が同一の材料で一体的に形成される。つまり、第1および第2把持部材11,12はいずれも、全体が弾性材料、具体的にはニトリルゴムから成り、その光学シート積層体20に当接する表面部である当接表面部11a,12aのデュロメータ硬さがA50以下、より詳細にはA30以上A50以下である。
【0027】
デュロメータ硬さは、以下のようにして測定される。
平坦な鉄板の上に試験片を置き、デュロメータの加圧板が試験片の表面と平行となるように維持しながら、デュロメータの押針の軸が試験片の表面に対して直角となるように保持し、前記加圧板が試験片の表面に接触するまで静かに押し付ける。このとき、デュロメータを含む質量が1kgとなるように重りを追加する。試験片の寸法は縦30mm、横30mmとし、厚さ1mmのシート、ゴム材料の場合にはゴムシートを、厚さ方向に6枚重ねて試験片とする。押針の先端は試験片の端から12mm以上離れた位置とし、デュロメータに表示された目盛を読み取る。デュロメータには、タイプAデュロメータを用いる。
【0028】
各把持部材11,12の当接表面部11a,12aは平面状であり、各把持部材11,12は、当接表面部11a,12a全体で光学シート積層体20を把持する。したがって各把持部材11,12の当接表面部11a,12aの表面の面積が、その把持部材11,12による光学シート積層体20の把持面積となる。各把持部材11,12の当接表面部11a,12aの表面の面積は、光学シート積層体20の当接表面部20a,20bの表面の面積に応じて選ばれる。具体的には、各把持部材11,12の当接表面部11a,12aの表面の面積、すなわち各把持部材11,12による光学シート積層体20の把持面積は、光学シート積層体20の把持部材11,12に当接する側の表面部である当接表面部20a,20bの表面の全面積の50%未満、より詳細には5%以上50%未満になるように選ばれる。したがって本実施形態では、各把持部材11,12による光学シート積層体20の把持面積は、光学シート積層体20の当接表面部20a,20bの表面の全面積の50%未満、より詳細には5%以上50%未満である。
【0029】
第1把持部材11の当接表面部11aと第2把持部材12の当接表面部12aとは、変位方向Zに垂直な仮想一平面、すなわち変位方向Zに垂直な第1方向Xと変位方向Zおよび第1方向Xに垂直な第2方向Yとに平行な仮想一平面に関して対称に形成される。より詳細には、第1および第2把持部材11,12の当接表面部11a,12aは、各寸法が相互に同一に形成される。本実施形態において第1および第2把持部材11,12はいずれも、変位方向Zに垂直な一方向である第1方向Xに延びる帯状の板状形状であり、変位方向Zに平行な厚み方向の一表面部が、当接表面部11a,12aである。
【0030】
各把持部材11,12の第2方向Yにおける寸法(以下「幅方向寸法」ということがある)W1,W2は、把持対象の光学シート積層体20の幅方向寸法W3に応じて選ばれる。具体的には、各把持部材11,12の幅方向寸法W1,W2は、把持対象の光学シート積層体20の幅方向寸法W3の50%未満、より詳細には5%以上50%未満に選ばれる。
【0031】
支持手段13は、一対の把持部材11,12を変位方向Zに相互に近接および離反変位可能に支持する。支持手段13は、第1把持部材11を支持する第1支持部14と、第2把持部材12を支持する第2支持部15と、第1支持部14と第2支持部15とを連結する連結部16とを含む。第1および第2支持部14,15は、略平板状に形成される。第1把持部材11は、第1支持部14の厚み方向両側の表面部のうち、第2支持部15を臨む表面部に設けられる。第2把持部材12は、第2支持部15の厚み方向両側の表面部のうち、第1支持部14を臨む表面部に設けられる。
【0032】
第1および第2支持部14,15は、連結部16に接続され、一様な厚み寸法に形成される連結部分と、連結部分よりも小さい厚み寸法で一様な厚み寸法に形成され、表面部に把持部材11,12が設けられる支持部分と、連結部分と支持部分との間に介在され、連結部分側から支持部分側に向かうに従って、厚み寸法が小さく形成される中間部分とを含む。第1および第2支持部14,15は、把持部材11,12が設けられる側とは反対側の表面部が平面状に形成され、把持部材11,12が設けられる側の表面部が階段状、より詳細には中間部が斜面状に形成される階段状に形成される。
【0033】
第1および第2支持部14,15は、連結部16によって変位方向Zに近接および離反変位可能にして連結される。連結部16によって第1および第2支持部14,15を変位方向Zに近接または離反変位させることによって、一対の把持部材11,12が変位方向Zに近接または離反変位する。支持手段13は、図示しない制御手段によって制御される。
【0034】
各把持部材11,12による光学シート積層体20の表面部20a,20bへの把持圧力は、1N/cm以上3N/cm以下である。各把持部材11,12による把持圧力は、前記範囲に限定されないが、本実施形態のように1N/cm以上3N/cm以下であることが好ましい。各把持部材11,12による把持圧力は、支持手段13を介して制御手段によって制御される。
【0035】
光学シート積層体20は、本実施形態では4つの光学シート21〜24、すなわち第1拡散シート21、第1プリズムシート22、第2プリズムシート23および第2拡散シート24が積層された4枚構成である。4つの光学シート21〜24は、把持装置1に把持された状態において、第1拡散シート21、第1プリズムシート22、第2プリズムシート23、第2拡散シート24の順に、変位方向Zの一方Z1側から他方Z2側に向かって積層される。すなわち第1拡散シート21、第1プリズムシート22、第2プリズムシート23および第2拡散シート24は、この順に鉛直上方から下方に向かって配置される。第1拡散シート21の厚み方向一方Z1側の表面部が、光学シート積層体20の厚み方向一方Z1側の表面部である一方側当接表面部20aを構成し、第2拡散シート24の厚み方向他方Z2側の表面部が、光学シート積層体20の厚み方向他方Z2側の表面部である他方側当接表面部20bを構成する。
【0036】
光学シートの種類、積層する順番および積層する枚数は、これに限られたものではなく、たとえば第2拡散シート24を設けずに第1拡散シート21、第1プリズムシート22および第2プリズムシート23の3枚構成とし、第2プリズムシート23が光拡散機能を有するように構成されてもよい。また第2プリズムシート23を設けずに第1拡散シート21、第1プリズムシート22および第2拡散シート24が積層された3枚構成であってもよい。
【0037】
図2は、光学シート積層体20を分解して示す分解斜視図である。第1拡散シート21および第2拡散シート24はそれぞれ、シート状のベース基材21b,24bの片側表面、具体的には厚み方向一方である変位方向一方Z1側の表面に拡散層21a,24aが形成されて成り、所定の光拡散機能を有するものである。図1,2では、拡散層21a,24aを、ハッチングを付して示す。ベース基材21b,24bには、透光性を有する樹脂フィルムが用いられ、樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(略称PET)およびポリカーボネート(PC)が好適である。拡散層21a,24aは、本実施形態では、ベース基材21b,24bに接着固定されるビーズによって構成され、このビーズが光を拡散する機能を有する。ビーズには、たとえば透光性を有する樹脂粒子が用いられる。拡散層21a,24aは、これに限定されるものではなく、光を拡散する機能を有するものであればよい。本実施形態において第1および第2拡散シート21,24は、ベース基材21b,24bがPETから成るPETフィルムである拡散シートである。
【0038】
第1プリズムシート22および第2プリズムシート23は、シート状のベース基材22b,23bの片側表面、具体的には厚み方向一方である変位方向一方Z1側の表面にプリズム層22a,23aが形成されて成り、正面方向、すなわち鉛直上方である変位方向Zの一方Z1への集光機能を有するものである。プリズム層22a,23aは、厚み方向一方側に突出する複数のプリズム25,26を含んで構成される。各プリズム25,26は、突起部に相当し、光学シート積層体20の厚み方向一方側に突出する。各プリズム25,26には、平面状の2つの出射面が形成される。2つの出射面は、ベース基材22b,23bの片側表面に垂直な面から傾斜する平面であり、ベース基材22b,23bの片側表面から遠ざかるにしたがってベース基材22b,23bの片側表面と平行な断面積が小さくなるように形成される。
【0039】
本実施形態では、第1プリズムシート22のプリズム25は、光学シート積層体20の厚み方向に平行な変位方向Zに垂直な方向である第1方向Xに垂直な面に配置された三角形を第1方向Xに沿って延ばした三角柱状であり、2つの出射面は、各寸法が相互に同一に形成される。また第2プリズムシート23のプリズム26は、光学シート積層体20の厚み方向に平行な変位方向Zに垂直であって、第1方向Xに垂直な方向である第2方向Yに垂直な面に配置された三角形を第2方向Yに沿って延ばした三角柱状であり、2つの出射面は、各寸法が相互に同一に形成される。第1プリズムシート22と第2プリズムシート23とは、プリズム25,26の向き、すなわちプリズム25,26を構成する三角柱の頂部の向きが互いに略直交する向きに積層される。
【0040】
ベース基材22b,23bには、第1拡散シート21および第2拡散シート24と同様に、透光性を有する樹脂フィルムが用いられ、樹脂フィルムの材料としては、PETが好適である。プリズム層22a,23aを構成する材料も透光性を有する樹脂であり、ポリメチルメタクリレート(略称PMMA)樹脂が好適である。第1および第2プリズムシート22,23の製造方法としては、ベース基材22b,23bにプリズム層22a,23aの凹凸形状を転写ローラで形成する方法などが用いられる。本実施形態において第1および第2プリズムシート22および23は、ベース基材22b,23bがPETから成るPETフィルムであり、プリズム層22a,23aがPMMAから成るプリズムシートである。
【0041】
光学シート積層体20において、第1拡散シート21は、第1プリズムシート22に形成されるプリズム25を介して第1プリズムシート22の厚み方向一方側の表面部に積層され、第1プリズムシート22は、第2プリズムシート23に形成されるプリズム26を介して第2プリズムシート23の厚み方向一方側の表面部に積層される。したがって第1拡散シート21は、第2の光学シートに相当し、第1プリズムシート22は、第1および第2の光学シートに相当し、第2プリズムシート23は、第1の光学シートに相当する。
【0042】
図3は、本発明の実施の一形態の把持装置1による把持動作を説明するための図である。前述の光学シート積層体20は、複数の光学シート積層体20を打ち抜くことが可能な寸法の光学シート21〜24を積層して、所定の形状に打ち抜くことによって得られる。積層された光学シート21〜24、すなわち光学シート積層体20は、積層されたままの状態で所定の形状に打ち抜きされた後、搬送用シート31に固定されたまま光学シート積層体20の供給位置である把持装置1の位置まで搬送される。
【0043】
光学シート積層体20の搬送用シート31への固定は、たとえば搬送用シート31の表面の粘着力といった軽微な力によるものである。したがって光学シート積層体20の供給位置で、搬送用シート31および積層された光学シート21〜24の打ち抜きカスが巻き取りローラ32で巻き取られるとき、打ち抜かれた光学シート積層体20は、搬送用シート31および打ち抜きカスに倣うことなく、巻き取りローラ31の部分から把持装置1側に突き出した状態となる。この突き出した部分の光学シート積層体20の厚み方向Zの両側の表面部20a,20bを、把持装置1によって挟んでひとまとまりに把持して次工程へ移送する。
【0044】
このように本実施形態の把持装置1によれば、支持手段13によって変位方向Zに相互に近接および離反変位される一対の把持部材11,12によって、光学シート積層体20が厚み方向両側から把持される。これによって、光学シート積層体20を構成する光学シート21〜24同士を接合するなどの手段で一体化することなく、光学シート積層体20をひとまとまりとして把持することができる。
【0045】
前述の図1に示すように、光学シート積層体20の表裏面、すなわち厚み方向両側の表面部20a,20bを挟んで把持する場合、各把持部材11,12が光学シート積層体20の表裏面20a,20bに接触することで、光学シート積層体20の表裏面20a,20bを傷付けることがある。
【0046】
また光学シート積層体20は、第1および第2プリズムシート22,23を含むので、プリズム25,26の頂部、すなわちプリズム山25A,26Aによって、第1および第2プリズムシート22,23に積層される光学シート21,22の裏面、すなわち厚み方向他方Z2側の表面部が傷付くことがある。
【0047】
図4は、プリズム山25A,26Aによって光学シート裏面に傷が発生する機構を説明するための図である。図4では、把持装置1を簡略化して示す。図4は、把持装置1を正面側、すなわち第2方向Yの一方側から見た正面図である。図4(a)は、プリズム山25A,26Aの食い込みが生じていない状態を示す図であり、図4(b)は、プリズム山25A,26Aの食い込みが生じている状態を示す図である。
【0048】
把持部材11,12に加えられた圧力、すなわち把持圧力は、プリズム山25A,26Aに集中する。図4では、矢符の数によって把持圧力の大小を表しており、矢符の数が多いほど、把持圧力が大きいことを意味する。把持圧力が適切であれば、図4(a)に示すように、プリズム山25A,26Aの食い込みは生じないので、第1および第2プリズムシート22,23に積層される光学シート21,22の裏面、すなわち第1拡散シート21および第2プリズムシート22のベース基材21b,22bには、傷は発生しない。
【0049】
これに対し、把持圧力が適切でないと、図4(b)に示すように、プリズム山25A,26Aの食い込みが生じ、第1および第2プリズムシート22,23に積層される光学シート21,22の裏面に傷が発生する。このように把持部材11,12に加えられた圧力がプリズム山25A,26Aに集中し、プリズム山25A,26A側に積層された光学シート21,22、すなわち第1拡散シート21および第1プリズムシート22のベース基材21b,22bにプリズム山25A,26Aが食い込むことで傷が発生し、光学シート21,22の機能を損なうことがある。
【0050】
本実施形態では、各把持部材11,12の光学シート積層体20に当接する当接表面部11a,12aは、弾性材料から成り、JIS K6253に規定されるデュロメータ硬さがA50以下であるので、光学シート積層体20の把持部材11,12に当接する表面部である厚み方向両側の表面部20a,20bが把持部材11,12によって傷付くことを防ぐことができる。また一対の把持部材11,12が光学シート積層体20を把持するときの把持圧力が、プリズム山25A,26Aに集中して加わることを防ぐことができるので、第1および第2プリズムシート22,23に積層される光学シート21,22の裏面が、第1および第2プリズムシート22,23のプリズム山25A,26Aによって傷付くことを防ぐことができ、またプリズム山25A,26Aが変形することを防ぐことができる。したがって光学シート積層体20を構成する各光学シート21〜24を損傷することなく、光学シート積層体20を把持することができる。
【0051】
各把持部材11,12の当接表面部11a,12aのデュロメータ硬さがA50を超えると、把持部材11,12への光学シート21,24の貼り付き、および光学シート21,24への把持部材11,12の転写が生じやすい。また把持部材11,12の当接表面部11a,12aの弾性変形が起こりにくいので、把持部材11,12と光学シート積層体20との間に、打ち抜きのときに発生するプリズムシート屑などの異物の噛み込みが生じた場合、把持圧力がプリズム山25A,26Aに集中しやすい。したがって、第1および第2プリズムシート22,23に積層される光学シート21,22の裏面が、プリズム山25A,26Aによって傷付きやすく、またプリズム山25A,26Aが変形しやすい。したがって各把持部材11,12の当接表面部11a,12aのデュロメータ硬さは、本実施形態のようにA50以下であることが好ましい。
【0052】
各把持部材11,12の当接表面部11a,12aのデュロメータ硬さの下限値は、その当接表面部11a,12aの材料によって異なる。本実施形態のように各把持部材11,12の当接表面部11a,12aがニトリルゴムから成る場合には、各把持部材11,12の当接表面部11a,12aのデュロメータ硬さは、A30以上A50以下であることが好ましい。デュロメータ硬度がA30未満のニトリルゴムで当接表面部11a,12aを構成すると、光学シート21〜24が把持部材11,12に貼り付いてしまうおそれがある。各把持部材11,12の当接表面部11a,12aをデュロメータ硬さがA30以上A50以下のニトリルゴムで形成することによって、光学シート積層体20を構成する各光学シート21〜24の損傷を防ぐとともに、把持部材11,12への光学シート21,24の貼り付き、および光学シート21,24への把持部材11,12の転写を防ぐことができる。したがって、光学シート積層体20の把持動作をより安定して行うことができる。
【0053】
また本実施形態では、光学シート積層体20は、1N/cm以上3N/cm以下の把持圧力で把持部材11,12によって把持される。これによって、光学シート積層体20の厚み方向両側の表面部20a,20bが把持部材11,12によって傷付くことをより確実に防ぐことができる。また光学シート積層体20を把持して移送する場合、光学シート積層体20を構成する光学シート21〜24同士のずれをより確実に防いで、光学シート積層体20をより安定して移送することが可能である。
【0054】
把持部材11,12による把持圧力が1N/cm未満であると、光学シート積層体20の当接表面部20a,20bに対する静止摩擦力が小さくなりすぎ、光学シート積層体20を安定して保持できないおそれがある。光学シート積層体20を安定して保持するためには、把持部材11,12の光学シート積層体20の当接表面部20a,20bに対する静止摩擦力は、1.6N以上であることが好ましい。
【0055】
すなわち把持部材11,12による把持圧力は、その把持部材11,12の当接表面部11a,12aと光学シート積層体20の当接表面部20a,20bとの静止摩擦力が1.6N以上になるように選ばれることが好ましい。把持部材11,12の当接表面部11a,12aと光学シート積層体20の当接表面部20a,20bとの静止摩擦力が1.6N未満であると、光学シート積層体20を安定して把持できないおそれがある。また光学シート積層体20を把持して移送する場合、光学シート21〜24同士のずれが生じるおそれがある。把持部材11,12の当接表面部11a,12aと光学シート積層体20の当接表面部20a,20bとの静止摩擦力が1.6N以上になるように把持圧力を選ぶことによって、光学シート積層体20を安定して把持することができる。また光学シート積層体20を把持して移送する場合、光学シート積層体20を構成する光学シート21〜24同士のずれを生じさせることなく、光学シート積層体20を安定して移送することが可能である。
【0056】
把持部材11,12による把持圧力が3N/cmを超えると、把持部材11,12による光学シート積層体20の当接表面部20a,20bへの傷付きが生じるおそれがある。また第1および第2プリズムシート22,23に積層される光学シート21,22の裏面のプリズム山25A,26Aによる傷、およびプリズム山25A,26Aの変形が生じるおそれがある。したがって把持部材11,12による把持圧力は、1N/cm以上3N/cm以下であることが好ましい。
【0057】
また本実施形態では、各把持部材11,12は、光学シート積層体20に対する把持面積が、光学シート積層体20の把持部材11,12に当接する当接表面部20a,20bの表面の全面積の50%未満に形成される。
【0058】
本実施形態のように、複数枚の光学シート21〜24を積層した状態で所定の形状に打ち抜いた後、光学シート21〜24を積層したままの状態で取り出す場合、たとえば前述の図3に示すように、搬送用シート31で光学シート21〜24を積層したまま送り、搬送用シート31を適当な曲率半径Rおよび角度で折り返すと、搬送用シート31に微粘着固定されていた光学シート積層体20が、各光学シート21〜24の剛性によって搬送用シート31から剥離されて、搬送用シート31の折返し部分である屈曲部(以下「R部」ということがある)33において突き出した状態となる。光学シート積層体20の突き出し量が、光学シート積層体20の当接表面部20a,20bの表面の全面積の50%以上となると、光学シート積層体20の重心位置がR部33に到達し、重力の影響を受けて光学シート21〜24同士がずれることがある。
【0059】
この重力の影響による光学シート21〜24同士のずれは、本実施形態のように把持部材11,12の把持面積を光学シート積層体20の当接表面部20a,20bの表面の全面積の50%未満とすることによって防ぐことができる。さらに把持面積を光学シート積層体20の当接表面部20a,20bの表面の全面積の50%未満とし、かつ、第1把持部材11と第2把持部材12とが対向する領域に光学シート積層体20の重心位置が含まれないようにすることによって、重力の影響による光学シート21〜24同士のずれをより確実に防ぐことができる。
【0060】
また前述のように把持部材11,12の把持面積を光学シート積層体20の当接表面部20a,20bの表面の全面積の50%未満とすることによって、打ち抜き後に取り出した光学シート積層体20を把持して工程間を移送するときに、次の工程の装置への受け渡しを容易に行うことができる。また次の工程に受け渡すときに、受け取り側の把持装置の機構、把持部材および把持圧力などを共通化できるので好適である。
【0061】
各把持部材11,12による光学シート積層体20の把持面積は、光学シート積層体20の当接表面部20a,20bの表面の全面積の5%以上50%未満であることがより好ましい。把持面積が、光学シート積層体20の当接表面部20a,20bの表面の全面積の5%未満であると、光学シート積層体20を安定して把持できないおそれがある。
【0062】
また本実施形態では、一対の把持部材11,12の当接表面部11a,12aは、変位方向Zに垂直な仮想一平面に関して対称に形成される。図5は、把持部材11,12の配置を説明するための図である。図5は、把持装置1の一部を示す正面図である。図5(a)は、本実施形態の把持部材11,12の配置状態、すなわち一対の把持部材11,12の当接表面部11a,12aが変位方向Zに垂直な仮想一平面に関して対称に形成される場合を示す図であり、図5(b)は、一対の把持部材11,12が前記仮想一平面に関して対称に形成されていない場合を示す図である。
【0063】
図5(b)に示すように、一対の把持部材11,12が、互いに対向する位置にない、すなわち一対の把持部材11,12の当接表面部11a,12aが変位方向Zに垂直な仮想一平面に関して対称に形成されていない場合、把持圧力が局所的に加わって、光学シート積層体20が変形するおそれがある。光学シート積層体20が変形すると、把持部材11,12の端部に把持圧力が集中し、光学シート積層体20の当接表面部20a,20b、または第1および第2プリズムシート22,23に積層される光学シート21,22を損傷してしまう可能性が高くなるので、好ましくない。
【0064】
図5(a)に示すように、本実施形態では、積層された複数枚の光学シート21〜24で構成される光学シート積層体20の表裏面に当接する一対の把持部材11,12が、互いに対向する位置に設けられており、光学シート積層体20に接触する部分の形状および面積が略同一である。つまり、一対の把持部材11,12の当接表面部11a,12aは、変位方向Zに垂直な仮想一平面に関して対称に形成されている。これによって、光学シート積層体20の当接表面部20a,20bに対して、把持部材11,12による把持圧力を均一に加えることができるので、光学シート積層体20に局所的に把持圧力が加わることを防ぐことができる。したがって、把持圧力を受ける光学シート積層体20が、把持部材11,12の端部において局所的な圧力を受けて変形したり、湾曲したりすることを防ぐことができる。
【0065】
図6は、搬送側押さえ機構40を示す側面図である。前述のように、積層された光学シート21〜24、すなわち光学シート積層体20は、積層されたままの状態で所定の形状に打ち抜きされた後、搬送用シート31に固定されたまま光学シート積層体20の供給位置である把持装置1の位置まで搬送される。打ち抜き後の光学シート積層体20は、その周囲を打ち抜きカスによって囲まれた状態にあるので、光学シート積層体20を構成する光学シート21〜24同士がずれることは起こりにくいが、光学シート21〜24同士のずれを防いで、光学シート積層体20を確実に搬送するためには、図6に示すように、光学シート積層体20を搬送用シート31の反対側、すなわち厚み方向一方Z1側から押さえる搬送側押さえ機構40を設けることが好ましい。
【0066】
搬送側押さえ機構40は、ロール状の押さえ部材(以下「押さえロール」という)41を含む。押さえロール41は、把持装置1の動作と干渉しない位置に配置される。押さえロール41は、複数、たとえば4つが設けられる。押さえロール41の個数は、4つに限定されず、1つでもよい。押さえロール41は、第1方向Xに平行であって、巻き取りローラ31の軸線に平行な軸線まわりに回転可能にして、図示しない支持手段に支持される。押さえロール41は、光学シート積層体20の厚み方向一方Z1側の表面部である一方側当接表面部20aに接するように設けられ、巻き取りローラ31の回転駆動による光学シート積層体20の移動に伴って、巻き取りローラ31の回転方向の反対方向に回転する。4つの押さえロール41は、第2方向Yに間隔をあけて設けられる。
【0067】
把持装置1と搬送側押さえ機構40とを含んで、把持機構30が構成される。把持機構30によれば、搬送側押さえ機構40によって光学シート積層体20を搬送用シート31の反対側から押さえることによって、光学シート21〜24が打ち抜き部分から把持装置1側に飛び出したり、打ち抜きカス側、すなわち打ち抜かれた光学シート積層体20同士の間に移動したりすることを防ぐことができる。つまり、光学シート21〜24同士のずれを防ぐことができる。したがって、より確実に、光学シート積層体20を打ち抜かれた状態で、つまり全ての光学シート21〜24の端部が揃った状態で、把持装置1で把持することができる。図6に示す例では、押さえ部材41は、ロール状であるが、これに限定されず、たとえば板状またはロープ状であってもよい。
【0068】
図7は、供給側押さえ機構45を示す側面図である。前述のように、光学シート積層体20の供給位置である把持装置1の位置では、打ち抜かれた光学シート積層体20は、巻き取りローラ31の部分から把持装置1側に突き出した状態となる。このとき、光学シート21〜24の反りまたは重力によって、光学シート積層体20の突き出し部分が反ったり垂れたりすることがある。この突き出し部分の反りおよび垂れを防ぐために、図7に示すように、供給位置の光学シート積層体20の上側および下側になる位置、すなわち光学シート積層体20の厚み方向両側の位置には、光学シート積層体20を押さえる供給側押さえ機構45を配置することが望ましい。
【0069】
供給側押さえ機構45は、光学シート積層体20を厚み方向一方Z1側から押さえる一対の第1押さえパッド46と、光学シート積層体20を厚み方向他方Z1側から押さえる一対の第2押さえパッド47とを含む。第1および第2押さえパッド46,47は、把持装置1の動作と干渉しない位置に配置される。具体的には、一対の第1押さえパッド46は、第1方向Xに関して、第1把持部材11の側方、より詳細には、第1支持部14の側方に設けられる。また一対の第2押さえパッド47は、第1方向Xに関して、第2把持部材12の側方、より詳細には、第2支持部15の側方に設けられる。第1および第2押さえパッド46,47は、図示しない支持手段によって支持される。
【0070】
把持装置1と供給側押さえ機構45とを含んで、把持機構30Aが構成される。把持機構30Aによれば、供給側押さえ機構45によって光学シート積層体20を厚み方向両側から押さえることによって、光学シート積層体20の突き出し部分が反ったり垂れたりすることを防ぐことができる。これによって、光学シート積層体20全体をより確実に把持することができる。把持機構30Aは、供給側押さえ機構45とともに、前述の図6に示す搬送側押さえ機構40を含んでもよい。
【0071】
図8は、把持部材の断面形状を説明するための図である。図8は、把持装置1,1Aの一部を示す正面図である。図8では、一対の把持部材のうち、一方の把持部材11,110のみを示す。他方の把持部材は、一方の把持部材11,110と同様に形成される。図8(a)は、本実施形態の把持部材11を示す図であり、図8(b)は、外周縁部が曲面状に形成された把持部材110を示す図である。
【0072】
図8(a)に示すように、本実施形態では、把持部材11の当接表面部11aの外周縁部は、角状であり、曲面状にはなっていない。つまり、把持部材11の当接表面部11aの外周縁部には、曲面状部分は形成されていない。したがって把持部材11の変位方向Zに平行な仮想一平面における断面において、把持部材11の外周縁部、少なくとも光学シート積層体20と接触する部分の端部100は、曲面状ではなく、角状になっている。この場合、把持部材11の端部100において、光学シート積層体20または各光学シート21〜24に、折り曲げられたような傷が付く可能性がある。
【0073】
図8(b)に示す把持部材110では、把持部材110の外周縁部、少なくとも光学シート積層体20と接触する部分の端部は、曲面状に形成されている。つまり、把持部材110の端部には、曲面状部分111が形成されている。したがって光学シート積層体20と把持部材110との接触面に対して垂直方向の断面、すなわち変位方向Zに平行な仮想一平面における断面において、把持部材110の外周縁部、少なくとも光学シート積層体20と接触する部分の端部111は、曲面状になっている。これによって、把持圧力を受ける光学シート積層体20または各光学シート21〜24が、把持部材110の曲面形状に倣って変形するので、各光学シート21〜24に折れ目のような傷が付くことを防ぐことができる。したがって、一対の把持部材11,12の当接表面部の外周縁部は、図8(b)に示すように曲面状に形成されることが好ましい。
【0074】
また把持装置1の把持部材11,12による把持位置は、光学シート積層体20の端部から可能な限り離れた部分であることが望ましい。光学シート積層体20を打ち抜くときに発生する打ち抜き屑は、光学シート積層体20の端部に付着しやすく、端部から離れるほど付着しにくくなる。本実施形態の把持装置1によれば、打ち抜き屑が付着した状態で把持した場合でも光学シート21〜24を損傷しないが、打ち抜き屑が付着した状態で光学シート積層体20を把持すると、把持部材11,12側に打ち抜き屑が転写され、把持動作を繰り返すうちに転写された異物が脱落してしまうおそれがある。脱落した打ち抜き屑は、二次的に他の製品を不良にしてしまうおそれがあるので、好ましくない。したがって把持部材11,12による把持位置は、光学シート積層体20の端部から可能な限り離れた部分であることが望ましい。
【0075】
以上の本実施形態では、把持部材11,12による把持位置は、単一箇所であるが、単一箇所である必要はなく、複数箇所あることが望ましい。把持位置を複数箇所とすることによって、把持位置を中心として回転する方向に、光学シート積層体20を構成する光学シート21〜24がずれることをより確実に防ぐことができる。
【0076】
また以上の本実施形態では、把持部材11,12を構成する弾性材料は、ニトリルゴムである。把持部材11,12を構成する弾性材料は、これに限定されず、他の弾性材料、たとえばブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン(略称EPDM)ゴムまたはクロロプレンゴムであってもよいが、本実施形態のようにニトリルゴムであることが好ましい。ニトリルゴム以外の弾性材料で把持部材11,12を構成すると、把持部材11,12への光学シート21,24の貼り付き、および光学シート21,24への把持部材11,12の転写が生じるおそれがある。ニトリルゴムで把持部材11,12を構成することによって、把持部材11,12への光学シート21,24の貼り付き、および光学シート21,24への把持部材11,12の転写を防ぎ、光学シート積層体20の把持動作をより安定して行うことができる。
【実施例】
【0077】
(実施例1)
把持部材11,12として、デュロメータ硬さA30のニトリルゴムからなる把持部材を備える把持装置を準備した。
【0078】
(実施例2)
ニトリルゴムとして、デュロメータ硬さA50のものを用いる以外は、実施例1と同様にしてニトリルゴムからなる把持部材を備える把持装置を準備した。
【0079】
(実施例3)
ニトリルゴムとして、デュロメータ硬さA20のものを用いる以外は、実施例1と同様にしてニトリルゴムからなる把持部材を備える把持装置を準備した。
【0080】
(実施例4)
ニトリルゴムに代えて、デュロメータ硬さA50のブチルゴムを用いる以外は、実施例1と同様にしてブチルゴムからなる把持部材を備える把持装置を準備した。
【0081】
(実施例5)
ニトリルゴムに代えて、デュロメータ硬さA50のエチレン−プロピレン−ジエン(略称EPDM)ゴムを用いる以外は、実施例1と同様にしてEPDMゴムからなる把持部材を備える把持装置を準備した。
【0082】
(実施例6)
ニトリルゴムに代えて、デュロメータ硬さA50のクロロプレンゴムを用いる以外は、実施例1と同様にしてクロロプレンゴムからなる把持部材を備える把持装置を準備した。
【0083】
(比較例1)
ニトリルゴムに代えて、硬質材料である、JIS B7730に規定されるロックウェル硬さR120のモノマーキャスト(略称MC)ナイロンを用いる以外は、実施例1と同様にしてMCナイロンからなる把持部材を備える把持装置を準備した。
【0084】
(比較例2)
ニトリルゴムに代えて、硬質材料である、JIS B7730に規定されるロックウェル硬さR56の超高分子ポリエチレン(略称PE)を用いる以外は、実施例1と同様にして超高分子PEからなる把持部材を備える把持装置を準備した。
【0085】
(比較例3)
ニトリルゴムとして、デュロメータ硬さA70のものを用いる以外は、実施例1と同様にしてニトリルゴムからなる把持部材を備える把持装置を準備した。
【0086】
<評価1>
実施例1〜3および比較例1,3の把持装置について、光学シートとして、第1拡散シート21、第1プリズムシート22、第2プリズムシート23および第2拡散シート24が積層された4枚構成の光学シート積層体20の表裏面を把持部材11,12によって挟み、把持圧力を変化させて、移送するときの光学シートのずれの有無を確認した。結果を表1に示す。表1において、記号「○」は、光学シートのずれが無かったことを示し、記号「×」は、光学シートのずれがあったことを示す。また表1の各欄中の数字は、各把持圧力によって得られた把持部材11,12と光学シート積層体20との静止摩擦力を示す。静止摩擦力は、以下のようにして測定した。
【0087】
<静止摩擦力の測定方法>
図1に示すように、一対の把持部材11,12で光学シート積層体20を厚み方向両側から挟んで把持する。把持部材11,12による把持位置は、光学シート積層体20の第1方向Xにおける両端部間の中心線に関して、把持部材11,12が対称となるようにした。このときの把持面積は1cmとし、把持圧力は任意の値に設定可能とした。また光学シート積層体20の把持部材11,12に把持される部分(以下「把持部分」という)とは反対側の端部を、別の把持ジグを用いて厚み方向両側から挟んで把持する。把持ジグによる把持圧力は設定しないが、ボルトナットで強固に締め付けて固定することで、光学シート積層体20の各光学シート21〜24がずれないようにした。把持ジグによる把持は、光学シート積層体20の第1方向Xの幅全体を覆うように行なった。光学シート積層体20の把持部分での把持圧力を任意の値に設定した状態で、把持部材11,12による把持面と平行な方向であって、かつ、光学シート積層体20の第1方向Xにおける中心線に沿う方向に、把持ジグを把持部材11,12と反対側に静かに引っ張る。光学シート積層体20がずれたときの引っ張り力をデジタルフォースゲージ(日本電産シンポ株式会社製、型式FGP−1およびFGP−10)で測定し、この値を静止摩擦力とした。
【0088】
【表1】

【0089】
表1の結果から、光学シート積層体20をずれることなく、安定して移送するためには、把持部材による静止摩擦力が1.6N以上であることが望ましいことがわかった。
【0090】
<評価2>
実施例1〜6および比較例1〜3の把持装置について、第1拡散シート21、第1プリズムシート22、第2プリズムシート23および第2拡散シート24が積層された4枚構成の光学シート積層体20の表裏面を把持部材11,12によって挟み、光学シート積層体20の表裏面への傷の発生の有無、プリズム山25A,26A側に積層された光学シート21,22の裏面の傷の有無を評価した。把持面積は1cmとし、把持圧力を変化させて繰返し評価を行なった。以上の評価結果を表2に示す。
【0091】
また実施例1〜3および比較例1,3の把持装置について、把持部材11,12によって把持される部分である把持部分の光学シート積層体20上、すなわち光学シート積層体20の一方側当接表面部20aにプリズムシート屑を配置した状態で同様の実験を行った。把持部分の光学シート積層体20上には異物が付着している場合がある。代表的な異物としては、たとえば打ち抜きのときに発生するプリズムシート屑がある。したがって、プリズムシート屑を把持部分の光学シート積層体20上に人為的に配置して前述の実験を行った。以上の評価結果を表3に示す。
【0092】
表2および表3において、記号「○」は、把持前後で光学シート積層体に変化がなかったことを示し、記号「×」は、プリズム山側に積層された光学シート21,22の裏面に傷があったことを示し、記号「△」は、プリズム山の変形があったことを示し、記号「●」は、把持部材11,12による光学シート積層体20の表裏面への転写汚染があったことを示し、記号「■」は、把持部材11,12への光学シートの貼り付きがあったことを示す。
【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

【0095】
表2に示すように、把持部材11,12がMCナイロンまたは超高分子PEから成る比較例1,2の場合、把持圧力が40N/cm以下では、光学シート積層体20の表裏面に傷は観察されず、把持圧力が50N/cm以上になると、傷付きが観察されるようになった。またプリズム山側に積層された光学シート21,22の裏面の傷は、把持圧力が3N/cm以下では観察されなかったが、5N/cm以上で観察されるようになった。
【0096】
また表3に示すように、比較例1,2のようにMCナイロンまたは超高分子PEを把持部材11,12に用いて、プリズムシート屑を把持部分の光学シート積層体20上に人為的に配置して把持すると、把持圧力が3N/cmでも光学シート積層体20の表裏面に傷付きが観察され、プリズム山側に積層された光学シート裏面21,22の傷は、1N/cmでも観察された。
【0097】
前述の表1に示すように、MCナイロンを把持部材11,12に用いた比較例1の場合、把持圧力が3N/cm以下では、静止摩擦力が1.2Nであり、光学シート積層体20を移送する場合に光学シート積層体20がずれることがあるが、把持圧力が4N/cmのときの静止摩擦力は1.6Nであり、把持圧力が4N/cm以上では、光学シート積層体20を安定して移送することができた。超高分子PEを把持部材11,12に用いた比較例2について、評価1と同様して評価したところ、MCナイロンを把持部材11,12に用いた比較例1と同様に、把持圧力が3N/cmのときの静止摩擦力は1.2N、把持圧力が4N/cmのときの静止摩擦力は1.6Nとなり、把持圧力が4N/cm以上であれば、光学シート積層体20を安定して移送することができた。このことから、比較例1,2のようにMCナイロンまたは超高分子PEなどの硬質材料を把持部材11,12に用いる場合、光学シート積層体20を安定して移送するためには、把持圧力が4N/cm以上であることが必要であることがわかる。
【0098】
しかし、前述の表3に示すように、プリズムシート屑を把持部分の光学シート積層体20上に人為的に配置して把持させると、把持圧力が1N/cmでも、光学シート積層体20の表裏面の傷付き、およびプリズム山側に積層された光学シート裏面21,22の傷が発生した。したがって、MCナイロンまたは超高分子PEなどの硬質材料を把持部材11,12に用いる場合、把持部分の光学シート積層体20上に異物があっても、光学シート積層体20の表裏面を傷付けることなく、かつ、光学シート積層体20のずれを生じさせることなく、安定して移送することができる把持圧力を求めることはできなかった。
【0099】
これに対し、実施例1〜6のゴム材料を把持部材11,12に用いた場合には、把持部分の光学シート積層体20上に異物があっても、光学シート積層体20の表裏面を傷付けることなく、かつ、光学シート積層体20のずれを生じさせることなく、安定して移送することができる把持圧力を求めることができた。
【0100】
ゴム材料の中でも、デュロメータ硬度がA70のニトリルゴムを用いた比較例3では、把持圧力が1N/cm以下で光学シートに傷が付かなかった。しかしながら、把持圧力が1N/cmのとき、得られた静止摩擦力は1.6Nに満たなかった。
【0101】
以上の結果より、把持部材11,12としては、少なくとも光学シート積層体20を構成する材料よりも低硬度で、かつ、各把持圧力に対して得られる静止摩擦力が比較的大きい、ゴム材料が適しており、特に、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムが好適であることがわかった。
【0102】
具体的には、デュロメータ硬度がA50のニトリルゴムを用いた実施例3では、把持圧力が3N/cm以下で光学シートに傷が付かなかった。また把持圧力が3N/cmのとき、得られた静止摩擦力は5Nであった。デュロメータ硬度がA30のニトリルゴムを用いた実施例1では、把持圧力が5N/cm以下で光学シートに傷が付かなかった。また把持圧力が5N/cmのとき、得られた静止摩擦力は9Nであった。この実施例1,3のデュロメータ硬度がA30およびA50のニトリルゴムを用いた場合、1.6N以上の静止摩擦力を得るには1N/cm以上の把持圧力が必要であった。
【0103】
デュロメータ硬度がA20のニトリルゴムを用いた実施例2の場合、把持圧力が5N/cm以下で光学シートに傷が付かなかった。また把持圧力が5N/cmのとき、得られた静止摩擦力は10Nであった。デュロメータ硬度がA20のニトリルゴムの場合、1.6N以上の静止摩擦力を得るには0.5N/cm以上の把持圧力が必要であった。しかしながら、0.5N/cmで把持すると、光学シートが把持部材に貼り付いてしまう問題があった。
【0104】
以上の結果から、把持部材としてニトリルゴムを用い、ニトリルゴムのデュロメータ硬さをA30以上かつA50以下とし、把持圧力を1N/cm以上かつ3N/cm以下とすることで、把持部分の光学シート積層体上に異物があっても、光学シート積層体の表裏面を傷付けることなく、かつ、光学シート積層体がずれることなく、安定して移送することができることがわかった。
【0105】
また把持部材としてニトリルゴム以外のゴム材料を用いた場合、本実施例では、それぞれ次の課題があり、適当な条件を求めることはできなかった。把持部材としてブチルゴムおよびエチレンプロピレンゴムを用いた場合は、光学シートが把持部材に貼り付く不具合が生じた。クロロプレンゴムを用いた場合は、光学シートへの転写汚染があった。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施の一形態の把持装置1を示す側面図である。
【図2】光学シート積層体20を分解して示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の一形態の把持装置1による把持動作を説明するための図である。
【図4】プリズム山25A,26Aによって光学シート裏面に傷が発生する機構を説明するための図である。
【図5】把持部材11,12の配置を説明するための図である。
【図6】搬送側押さえ機構40を示す側面図である。
【図7】供給側押さえ機構45を示す側面図である。
【図8】把持部材の断面形状を説明するための図である。
【符号の説明】
【0107】
1 把持装置
11 第1把持部材
12 第2把持部材
13 支持手段
14 第1支持部
15 第2支持部
16 連結部
20 光学シート積層体
21 第1拡散シート
22 第1プリズムシート
23 第2プリズムシート
24 第2拡散シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向一方側に突出する突起部が形成される第1の光学シートと、第1の光学シートに形成される突起部を介して第1の光学シートの厚み方向一方側の表面部に積層される第2の光学シートとを含む光学シート積層体を厚み方向両側から把持する把持装置であって、
予め定める変位方向に相互に近接および離反変位可能に設けられ、光学シート積層体を把持する一対の把持部材と、
一対の把持部材を変位方向に相互に近接および離反変位可能に支持する支持手段とを含み、
各把持部材の光学シート積層体に当接する当接表面部は、弾性材料から成り、日本工業規格K6253に規定されるデュロメータ硬さがA50以下であることを特徴とする把持装置。
【請求項2】
各把持部材の当接表面部は、ニトリルゴムから成り、日本工業規格K6253に規定されるデュロメータ硬さがA30以上A50以下であることを特徴とする請求項1に記載の把持装置。
【請求項3】
各把持部材による光学シート積層体の表面部への把持圧力は、1N/cm以上3N/cm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の把持装置。
【請求項4】
各把持部材は、当接表面部の表面の面積が、その把持部材が当接する光学シート積層体の表面部の表面の全面積の5%以上50%未満に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の把持装置。
【請求項5】
一対の把持部材の当接表面部は、変位方向に垂直な仮想一平面に関して対称に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の把持装置。
【請求項6】
各把持部材の当接表面部の外周縁部は、曲面状に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の把持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−196813(P2009−196813A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43640(P2008−43640)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】