説明

投与装置用の作動インジケータ

【課題】 流体投与装置や、加圧式定量噴霧式吸入器などの加圧式流体投与装置用の作動インジケータと、そのような作動インジケータの構成部材を提供する。
【解決手段】 作動インジケータは、回転可能な作動インジケータ車(59)を含むドラム部分組立体(50)と、インジケータ車を設定された方向に回転させる揺れラチェットつめ(200)と、滑りクラッチ構成によって駆動されるつめ用の揺れ機構とを含み、滑りクラッチ機構は、一方の端部の所でラック・ピニオン組立体のピニオン(153)に係合し、第2の端部の所でラチェットつめに係合する滑りクラッチばね(167)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投与装置、たとえば、流体投与装置や、加圧式定量噴霧式吸入器(以下では「pMDI」と呼ぶ)などの加圧式流体投与装置用の作動インジケータと、かかる作動インジケータの構成部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2002年6月21日に出願された英国特許出願第0214360.0号、および2003年5月15日に出願された英国特許第0311191.1号に基づいて優先権を主張するものであり、かかる出願内容を全て含んだものである。
【0003】
「pMDI」は、吸入装置の分野で公知である。したがって、必須の場合を除いてpMDIの構成および動作について説明する必要はない。
【0004】
pMDIはエアロゾル・キャニスタと管状アクチュエータとからなる。
【0005】
エアロゾル・キャニスタは、通常、アルミニウムなどの金属で作られる加圧缶からなる。この缶の内部に、加圧式医薬エアロゾル製剤が入れられている。この缶は、以下でエアロゾル・キャニスタの「出口端部」と呼ばれる、計量弁組立体によって覆われて密封されている。弁組立体は、エアロゾル・キャニスタの出口端部から突き出る中空の投与部材または弁棒を含む。投与部材は、投与部材が弁組立体内のバイアス機構によって偏らされる伸長位置と、押下位置との間を、エアロゾル・キャニスタに対して滑り移動可能に取り付けられている。
【0006】
投与部材が伸長位置から押下位置まで移動すると、噴霧用量のエアロゾル製剤がキャニスタから投与部材を通して投与される。
【0007】
管状アクチュエータは、開放端部を有する内部通路を含む。エアロゾル・キャニスタは、まず出口端部が内部通路に挿入されることによって開放端部を通して内部通路に滑り込むことができる。
【0008】
アクチュエータは、エアロゾル・キャニスタがアクチュエータ内に「休止位置」で受け入れられたときにエアロゾル・キャニスタの投与部材を受けるスタンドまたはステム・ブロックを有する。このスタンドは、投与部材を受ける入口端部と、アクチュエータのマウスピースに面する出口端部とを含む通路を有する。スタンドは、投与部材をアクチュエータ内に静止状態に保持し、そのため、エアロゾル・キャニスタを、アクチュエータ内をその休止位置からさらに「作動位置」まで押し下げると、投与部材がキャニスタに対して伸長位置から押下位置まで変位される。これによって、噴霧用量のエアロゾル製剤が、スタンドの内部通路を介してアクチュエータのマウスピースから投与される。
【0009】
使用時には、医薬エアロゾル製剤の用量噴霧を必要とする患者は、その唇をアクチュエータのマウスピースに載せ、同時に吸入を行い、エアロゾル・キャニスタを休止位置から作動位置まで押し下げる。患者によって生成された吸気流は、エアロゾルの医薬成分を浮遊させ患者の呼吸管内に運ぶ。
【0010】
マウスピースの代わりに、鼻腔用のノズルを設けてもよい。
【0011】
これらのpMDIの改良には、たとえば、pMDIから投与された用量の総数を表示するようにpMDIを作動させるたびに増分するか、またはディスペンサに残った用量の数を表示するように作動のために減分する用量カウンタが含まれる。たとえば、国際公開公報第96/16686号、米国特許第A-4817822号、米国特許第5482030号を参照されたい。
【0012】
最近開発された用量カウンタは、参照することによって内容全体が本明細書に組み入れられる、Glaxo Group LimitedへのPCT特許出願第98/56444号に記載されている。この用量カウンタは、エアロゾル・キャニスタの出口端部に固定されており、エアロゾル・キャニスタ内に残った薬剤製剤の噴霧用量の数を示すディスプレイを含む。用量カウンタのディスプレイは、アクチュエータに設けられた窓を通じて患者から見ることができる。ディスプレイは、共通の車軸上に回転可能に取り付けられ、各車が周に沿って連続的に表示される「0」から「9」までの数字を有する複数のインジケータ車によって表示される。
【0013】
用量カウンタがエアロゾル・キャニスタに取り付けられる前に、表示車は、ディスプレイがエアロゾル・キャニスタで利用可能な用量の総数、いわゆる「ラベル・クレーム」を示すように配置される。作動のたびに、用量カウンタ内の、星形歯車、駆動ヨーク、およびラックを含む指標機構が、1つまたは複数のインジケータ車を回転させることによって、ディスプレイにより表示される数を減らすように動作する。
【0014】
取り付けられた用量カウンタを有するエアロゾル・キャニスタがアクチュエータ内で休止位置にあるとき、アクチュエータ内に形成されているラックが用量カウンタ内に突き出る。エアロゾル・キャニスタが休止位置から作動位置まで移動させられると、これによって用量カウンタとラックが相対的に移動する。この相対的な移動中に、ラックは指標機構のヨークに係合し、星形歯車を旋回させることにより、ディスプレイによって表示される数を減分するようにヨークを動作させる。
【0015】
国際公開公報第98/56444号で知られている機械的用量カウンタの指標機構は、エアロゾル・キャニスタがアクチュエータ内で休止位置と作動位置との間を往復する際にラックに対する用量カウンタの過剰走行を補償するための空動き継手を含む。
【0016】
用量カウンタをエアロゾル・キャニスタに取り付ける装置および方法が、やはりGlaxo Group LimitedへのPCT出願第01/28887号で開示されており、かかる内容全体は参照により本明細書に組み入れられるものである。用量カウンタは、割りリング・カラーを通してエアロゾル・キャニスタの出口端部に固定される。特に、用量カウンタ・ハウジングのスカート部がエアロゾル・キャニスタの缶上の首部を囲んでおり、割りリング・カラーは、スカートと首部の凹面との間にくさび留めされ、次いでスカートに超音波溶接される。これによって、用量カウンタとエアロゾル・キャニスタが実際には永続的に連結され、用量カウンタへの干渉が防止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記する先行技術の装置はすべて、その構成部材が正しく機能するように、各構成部材を公差に厳密に従って製造されることを必要とするか、または組立てが困難である。したがって、これらの装置は製造費用が比較的高い。さらに、これらの装置は、アクチュエータまたはエアロゾル・キャニスタの製造コストを削減するために広範囲の製造公差を持つように作られたキャニスタまたはアクチュエータに取り付けるのに適していない。
【0018】
したがって、厳密な製造公差を不要とすることで製造コストが安いアクチュエータおよび/または用量カウンタを提供することが望ましい。また、構成が簡素であり、したがって組立てコストが安いアクチュエータおよび/または用量カウンタを提供することも望ましい。また、複数のサイズのエアロゾル・キャニスタと一緒に使用できるアクチュエータおよび/または用量カウンタを提供することも望ましい。さらに、広範囲の製造公差を許容できる装置の構成部材を提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様によれば、作動インジケータ(たとえば、用量カウンタ)の回転可能な部材の車軸であって、該車軸は、使用時に、前記回転可能な部材を、作動インジケータにおける前記回転可能な部材が係合する他の部材の方へ偏らせるようになっているばねによって形成される車軸が提供される。回転可能な部材が係合する他の部材は、回転可能な部材を回転させる部材であっても、回転可能な部材によって回転させられる部材であってもよい。この偏りによって、2つの部材を広範囲の公差を持つように作ることができ、しかも2つの部材は正しく一緒に動作することができる。
【0020】
好ましくは、回転可能な部材はピニオンである。
【0021】
好ましくは、ピニオンが係合する他の部材は、たとえば用量カウンタを通って延びるラックである。
【0022】
好ましくは、回転可能な部材は、インジケータが関連付けされる装置の作動を示し、たとえば、投与装置内に残っているかまたは投与装置から投与される物質の用量の数のカウントの少なくとも一部を示すインジケータ車である。
【0023】
好ましくは、車軸上に少なくとも2つの回転可能な部材、たとえば、以下に説明する例示的な実施形態のように3つの回転可能な部材がある。回転可能な部材はそれぞれ、用量カウントを示す1の位の車および10の位の車と、第3の回転可能な部材がある場合には100の位の車とであってよい。
【0024】
好ましくは、ピニオンが係合する他の部材は、第2の、好ましくは平行な車軸上に取り付けられた回転可能な部材である。より好ましくは、第2の車軸もばねによって形成される。
【0025】
本発明は、車軸と、ばね車軸上の回転可能な部材と、その他の部材を含む車軸組立体をさらに提供する。
【0026】
好ましくは、ばねは、車軸同士を連結し、車軸同士を互いの方へ偏らせるバイアス部も含む。バイアス部は、(i)U字形であり、(ii)実質的に互いに平行な側面を有し、(iii)2つの車軸に対して実質的に垂直であってよい。
【0027】
本発明は、回転可能な作動インジケータ車を含むドラム部分組立体と、インジケータ車を設定された方向に回転させる揺れラチェットつめと、滑りクラッチ構成によって駆動されるつめ用の揺れ機構とを含み、滑りクラッチ機構が、一方の端部の所でラック・ピニオン組立体のピニオンに係合し、第2の端部の所でラチェットつめに係合する滑りクラッチばねを含む作動インジケータをさらに提供する。
【0028】
好ましくは、滑りクラッチばねは、略U字形(U字形も含む)の構成を有する。
【0029】
好ましくは、ばねの開放端部はピニオンのボスに係合し、ばねの閉鎖端部は、つめ上に設けられたボスに滑り係合するトラックを形成する。
【0030】
好ましくは、ラチェットつめは、インジケータ車に固定されたつめ車に係合する。
【0031】
好ましくは、弾性の逆止め脚部がラチェット車の歯に係合して、設定された方向以外の方向へのラチェット車の回転を防止し、逆止め脚部は歯を乗り越えて設定された方向への回転を可能にする。
【0032】
好ましくは、順次、設定された数字から零まで数えるように構成された少なくとも2つのインジケータ車があり、少なくとも10の位の車と1の位の車があり、インジケータ車は、零まで数えたときに設定された方向にそれ以上回転しないようにロックされ、次いで、さらに機構を回転させようとすると滑りクラッチばねが滑る。
【0033】
本発明は、キャニスタの弁棒端部上に取り付けられキャニスタ・ユニットを形成するようになっているケーシングであって、スリーブ部の頂部からベース壁の方へ延びる略円筒状(円筒状も含む)の内側表面を有する略円筒状(円筒状も含む)の断面を備えたスリーブ部と、キャニスタの首部の周りに固定することができ、キャニスタの首部の周りにあるときにスリーブ部の頂部を通ってスリーブ部に嵌り、そこで、略円筒状の内側表面の少なくとも一部に接触するようなサイズを有するカラーとを含み、略円筒状の内側表面が、カラーを支持してカラーがスリーブ部にそれ以上挿入されるのを防止するショルダを有し、ショルダが、スリーブ部の頂部およびベース壁から間隔を置いて配置されているケーシングも提供される。
【0034】
本発明のすべての態様によれば、キャニスタ・ユニットは、たとえば加圧式定量噴霧式吸入器に用いられるエアロゾル・キャニスタ・ユニットなどの加圧式キャニスタ・ユニットであってよい。
【0035】
好ましくは、スリーブ部の頂部は、スリーブ部へのカラーの挿入を助ける面取りされた表面を含む。
【0036】
好ましくは、ショルダは、略円筒状(円筒状も含む)の内側表面における環状の段部によって形成される。
【0037】
好ましくは、ショルダは、略円筒状の内側表面に取り付けられたレッジによって形成される。
【0038】
好ましくは、カラーは割りリング・カラーである。
【0039】
好ましくは、組み立てられたキャニスタ・ユニット内のカラーは、スリーブ部に溶接される。
【0040】
本発明は、キャニスタの弁棒端部上に取り付けられキャニスタ・ユニットを形成するようになっているケーシングであって、キャニスタを受けるスリーブ部と、キャニスタ・ユニット用の用量カウンタのカウンタ組立体を受けるキャップ部とを含み、スリーブ部およびキャニスタとは別にキャップ部とカウンタ組立体を一緒に組み立てることができ、次にスリーブ部とキャップ部を連結して形成することができるケーシングも提供される。
【0041】
好ましくは、ケーシングは、ドラム部分組立体を含むカウンタ組立体をさらに含む。
【0042】
好ましくは、スリーブ部は、複数の形態または種類の弁棒端部、たとえば、様々な弁を備えた加圧式流体キャニスタを受けるようになっている。
【0043】
好ましくは、スリーブ部は、使用時にキャニスタの弁棒端部が挿入される頂部と、頂部から間隔を置いて配置され、各支持体がそれぞれ異なる形態の弁棒端部を支持する複数の支持体を有するベース壁とを含み、それによって複数の異なる弁棒端部をスリーブ部内に支持することができる。
【0044】
好ましくは、支持体は環状のレッジである。
【0045】
好ましくは、レッジ同士は同心である。
【0046】
好ましくは、第1の支持体はベース壁よりも上の第1の高さを有し、第2の支持体はベース壁よりも上で第1の高さよりも低い高さを有する。
【0047】
本発明は、キャップ部と、それぞれの異なる弁棒端部用のスリーブ部である少なくとも2つのスリーブ部とを含み、キャップ部を任意の1つのスリーブ部に連結して、選択された弁棒端部用のケーシングを形成することができる、上記のケーシング用の構成部材も提供する。
【0048】
本発明は、キャニスタの弁棒端部を受け、複数の形態の弁棒端部を受けるようになっているスリーブ部も提供する。
【0049】
好ましくは、スリーブ部は、使用時にキャニスタの弁棒端部が挿入される頂部と、頂部から間隔を置いて配置され、各支持体がそれぞれの異なる形態の弁棒端部を支持する複数の支持体を有するベース壁とを含み、それによって複数の異なる弁棒端部をスリーブ部内に支持することができる。
【0050】
好ましくは、支持体は環状のレッジである。
【0051】
好ましくは、レッジ同士は同心である。
【0052】
好ましくは、第1の支持体はベース壁よりも上の第1の高さを有し、第2の支持体はベース壁よりも上で第1の高さよりも低い高さを有する。
【0053】
本発明は、噴霧剤および薬剤を含む薬物製剤を投与する薬物製品であって、ハウジングと、薬物製剤を収容し、出口部材を備えて、ハウジング内で作動できるようになっている容器と、容器に固定的に取り付けられた作動表示組立体と、からなり、該作動表示組立体は、柱を有する本体クレードルと、柱に係合し、滑りクラッチに摩擦係合するようになっている駆動車と、滑りクラッチに係合するようになっているラチェットつめと、ラチェットつめに係合するようになっている星形歯車と、星形歯車に係合するようになっている1つまたは複数のドラムと、からなり、固定的に取り付けられた容器および作動表示組立体をハウジングから単一のユニットとして反転可能に取り外すことができる薬物製品をさらに提供する。
【0054】
好ましくは、000から999までのカウントを表示するようになっている3つのドラムがある。好ましくは、この製品は、100の位のドラムに固定され、停止部材に接触するようになっているアームをさらに含み、滑りクラッチは、カウントが000に達したときに摩擦によって滑るようになっている。
【0055】
好ましくは、薬物製品は、0、1、および2の数字を有する100の位のドラムと、0から9までの数字を有する10の位のドラムと、0から9までの数字を有する1の位のドラムとを含む。
【0056】
好ましくは、作動表示組立体は、容器の首部に固定的に係合するようになっている1つまたは複数のグリップ部材を含む。
【0057】
好ましくは、ハウジングはマウスピースを含む。
【0058】
好ましくは、ハウジングは、用量を容器からマウスピースに移すようになっている通路を含む。
【0059】
好ましくは、容器は、噴霧用量を投与するようになっている計量弁を含む。
【0060】
好ましくは、星形歯車に係合する1つまたは複数のドラム上に数字を表示するようになっている窓が設けられる。
【0061】
好ましくは、作動表示組立体は、接着剤、溶接収縮スリーブ、ヒート・フォーム、クリンプ、超音波溶接、Oリング・エラストマ、または割りリング・カラーによって容器に固定される。
【0062】
好ましくは、作動表示組立体は、容器に永続的に固定される。
【0063】
好ましくは、薬剤は、ベクロメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタソン、トリアムシノロン、ノスカピン、アルブテロール、サルメテロール、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、フォルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、テルブタリン、チオトロピウム、イプラトロピウム、フェニレフリン、フェニルプロパノルアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、イソエタリン、ツロブテロール、(-)-4-アミノ-3, 5-ジクロロ-α-{{{6-{2-(2-ピリジニル)エトキシ}ヘキシル}メチル}ベンゼンメタノール、それらのエステル、溶媒和物、および塩、ならびにそれらの組合せから成る群から選択される。
【0064】
好ましくは、薬剤は、硫酸アルブテロル、キシナホ酸サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、またはキシナホ酸サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの組合せである。薬剤は、キシナホ酸サルメテロールおよびイプラトロピウムの塩、エステル、または溶媒和物であってよい。
【0065】
好ましくは、ハウジングはポリプロピレンで構成される。
【0066】
好ましくは、作動表示組立体の1つまたは複数の構成部材はポリプロピレンで構成される。
【0067】
好ましくは、薬物製品は、1つまたは複数のドラムに係合するようになっている1つまたは複数のノック歯車をさらに含む。
【0068】
本発明は、患者服薬遵守方法であって、上述の薬剤製品を提供する行為と、薬物製剤を患者に投与する行為と、作動表示組立体で、容器内に残っている利用可能な用量の数を数える行為と、容器内に残っている利用可能な用量の数を患者に示す行為とを含む方法も提供される。
【0069】
好ましくは、容器は、40回まで作動できるように過剰充填される。
【0070】
好ましくは、作動表示組立体は、カウントが000に達したときにロックされ、薬剤製品は、その後40回まで作動し続けることができる。
【0071】
本発明は、噴霧剤および薬剤を含む薬物製剤を投与する薬物製品であって、ハウジングと、薬物製剤を収容し、出口部材を備えて、ハウジング内で作動できるようになっている容器と、容器に固定的に取り付けられた作動表示組立体と、からなり、該作動表示組立体は、柱を有する本体クレードルと、柱に係合し、かつ滑りクラッチに摩擦係合してラチェット手段を掴むようになっている滑りクラッチ手段を駆動する手段と、滑りクラッチ手段に係合するようになっている星形歯車を歯止めするつめ手段と、つめラチェット手段に係合するようになっている星形歯車と、星形歯車に係合するようになっている1つまたは複数のドラムと、からなり、固定的に取り付けられた容器および作動表示組立体をハウジングから単一のユニットとして反転可能に取り外すことができる薬物製品をさらに提供する。
【0072】
好ましくは、薬物製品は、第1、第2、および第3のドラムを含む。好ましくは、薬物製品は、第1のドラムを停止させる手段をさらに含む。
【0073】
好ましくは、薬物製品は、第1および第2のドラムをノック・ロックする第1の手段と、第2および第3のドラムをノック・ロックする第2の手段とをさらに含む。
【0074】
好ましくは、薬物製品はさらに、000から999までのカウントを示すようになっており、さらに、カウントが000を示すときにドラムをロックするようになっている。
【0075】
本発明は、本発明による作動インジケータまたは本発明の様々な態様のうちの1つまたは複数をその構成部材として有する作動インジケータが取り付けられた、たとえば流体を投与する投与装置をさらに提供する。作動インジケータは、投与装置が作動するたびに動作させられ、装置の作動を示すようになっている。好ましくは、作動インジケータは、投与すべき装置の内容物の用量の数、または投与された用量の数の数値カウントを表示する用量カウンタの形をとる。装置が作動すると、数値カウントは、カウントが残っている用量であるかそれとも投与された用量であるかに応じて増分または減分される。好ましくは、投与装置は、投与端部または出口端部を有し、この端部上に作動インジケータが取り付けられる。好ましくは、投与装置は、缶および弁組立体を出口端部に有するエアロゾル・キャニスタである。弁組立体は、たとえば、加圧式定量噴霧式吸入器に使用されるような計量弁組立体であってよい。
【0076】
次に、一例として添付の図面を参照して本発明のこれらおよび他の態様について説明する。
【発明の効果】
【0077】
本発明によれば、厳密な製造公差が不要であり、したがって製造コストが安いアクチュエータおよび/または用量カウンタを提供することができる。また、構成が簡素であり、したがって組立てコストが安いアクチュエータおよび/または用量カウンタを提供することができる。また、複数のサイズのエアロゾル・キャニスタと一緒に使用できるアクチュエータおよび/または用量カウンタを提供することができる。さらに、広範囲の製造公差を許容するような装置の構成部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】加圧式医薬エアロゾル製剤を含むエアロゾル・キャニスタ・ユニットの出口端部上に取り付けられた用量カウンタ・モジュールを有する加圧式定量噴霧式吸入器(pMDI)の概略斜視図である。
【図2】用量カウンタの分解斜視図である。
【図3】用量カウンタのドラム部分組立体および駆動車部分組立体が組み立て済み形態である、用量カウンタ・モジュールの他の分解斜視図である。
【図4】ドラム部分組立体および駆動車部分組立体が取り付けられた用量カウンタ・モジュールのキャップ部の第1の斜視図である。
【図5】クラッチばねが取り付けられた、図4とは逆の方向から見たキャップ部の第2の斜視図である。
【図6】キャップ部の他の斜視図である。
【図7】ドラム組立体の斜視正面図である。
【図8】ドラム部分組立体および駆動車部分組立体と、駆動車部分組立体が駆動されるアクチュエータの内側に形成されたラックとを示す、pMDIのアクチュエータの内側の用量カウンタ・モジュールの概略斜視図である。
【図9】駆動車部分組立体からの駆動がドラム部分組立体に伝達されるトグル・リンク式から動き継手を示す、駆動車部分組立体の概略背面斜視図である。
【図10A】駆動車部分組立体がドラム部分組立体を駆動するためのステップのシーケンスを示す概略図である。
【図10B】駆動車部分組立体がドラム部分組立体を駆動するためのステップのシーケンスを示す概略図である。
【図11A】駆動車部分組立体がドラム部分組立体を駆動するためのステップのシーケンスを示す概略図である。
【図11B】駆動車部分組立体がドラム部分組立体を駆動するためのステップのシーケンスを示す概略図である。
【図12A】駆動車部分組立体がドラム部分組立体を駆動するためのステップのシーケンスを示す概略図である。
【図12B】駆動車部分組立体がドラム部分組立体を駆動するためのステップのシーケンスを示す概略図である。
【図13A】駆動車部分組立体がドラム部分組立体を駆動するためのステップのシーケンスを示す概略図である。
【図13B】駆動車部分組立体がドラム部分組立体を駆動するためのステップのシーケンスを示す概略図である。
【図14A】ドラム部分組立体のノック歯車がどのように、回転を1つのドラムから別のドラムに伝達して、ドラム部分組立体によって表示される数を減分するかを示す一連の図である。
【図14B】ドラム部分組立体のノック歯車がどのように、回転を1つのドラムから別のドラムに伝達して、ドラム部分組立体によって表示される数を減分するかを示す一連の図である。
【図14C】ドラム部分組立体のノック歯車がどのように、回転を1つのドラムから別のドラムに伝達して、ドラム部分組立体によって表示される数を減分するかを示す一連の図である。
【図14D】ドラム部分組立体のノック歯車がどのように、回転を1つのドラムから別のドラムに伝達して、ドラム部分組立体によって表示される数を減分するかを示す一連の図である。
【図14E】ドラム部分組立体のノック歯車がどのように、回転を1つのドラムから別のドラムに伝達して、ドラム部分組立体によって表示される数を減分するかを示す一連の図である。
【図14F】ドラム部分組立体のノック歯車がどのように、回転を1つのドラムから別のドラムに伝達して、ドラム部分組立体によって表示される数を減分するかを示す一連の図である。
【図15A】ノック歯車の動作を示す概略図である。
【図15B】ノック歯車の動作を示す概略図である。
【図16A】ドラム部分組立体が、カウンタによって表示される数を進めることができず、一方、引き続きエアロゾル・キャニスタを作動させることが可能である「ロックアウト」状態にどのように達するかを示す一連の図である。
【図16B】ドラム部分組立体が、カウンタによって表示される数を進めることができず、一方、引き続きエアロゾル・キャニスタを作動させることが可能である「ロックアウト」状態にどのように達するかを示す一連の図である。
【図16C】ドラム部分組立体が、カウンタによって表示される数を進めることができず、一方、引き続きエアロゾル・キャニスタを作動させることが可能である「ロックアウト」状態にどのように達するかを示す一連の図である。
【図16D】ドラム部分組立体が、カウンタによって表示される数を進めることができず、一方、引き続きエアロゾル・キャニスタを作動させることが可能である「ロックアウト」状態にどのように達するかを示す一連の図である。
【図16E】ドラム部分組立体が、カウンタによって表示される数を進めることができず、一方、引き続きエアロゾル・キャニスタを作動させることが可能である「ロックアウト」状態にどのように達するかを示す一連の図である。
【図16F】ドラム部分組立体が、カウンタによって表示される数を進めることができず、一方、引き続きエアロゾル・キャニスタを作動させることが可能である「ロックアウト」状態にどのように達するかを示す一連の図である。
【図17A】ロックアウト動作を示す概略図である。
【図17B】ロックアウト動作を示す概略図である。
【図18】直径が約22mmの、キャニスタ・ユニットのケーシング用の本発明によるスリーブ部の斜視図である。
【図19】矢印Aの方向から見た図18のスリーブ部の端面図である。
【図20】矢印B方向から見た図18のスリーブ部の端面図である。
【図21】図19の線Bに沿ったスリーブ部の断面図である。
【図22】アクチュエータに挿入された第1の構成の弁を備えたキャニスタを有するpMDIの断面図である。
【図23】アクチュエータに挿入された第2の構成の弁を備えたキャニスタを有するpMDIの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1は、加圧式定量噴霧式吸入器、すなわちpMDI1を示している。pMDI1は、概ねL字形の管状アクチュエータ3を含んでいる。アクチュエータ3は、上方開口部または開放端部7からマウスピース9の下方開口部(図示せず)まで延びている開放端部貫通通路または内部通路5を備えている。アクチュエータは、監視窓11も含んでいる。
【0080】
pMDI1は、エアロゾル・キャニスタ17を含み、想像線で示され、上記の背景技術に記載された標準構成を有するエアロゾル・キャニスタ・ユニット15と、キャニスタ17の出口端部に取り付けられた用量カウンタ・モジュール19とをさらに含んでいる。エアロゾル・キャニスタ17は、加圧式医薬エアロゾル・キャニスタ製剤、たとえば、液化ガス噴霧剤、通常HFA-134aやHFA-227などのヒドロフルオロアルカン(HFA)噴霧剤中に浮遊または溶解させられた治療薬剤を含んでいる。
【0081】
上記の背景技術から理解されるように、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15は、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15が反転させられ、すなわち、用量カウンタ・モジュール19が、最初にアクチュエータ3に挿入されるように先端に位置させられたときに、上方開口部7を通してアクチュエータ3の通路5に滑り込むようになっている。
【0082】
エアロゾル・キャニスタ・ユニット15は、用量カウンタ・モジュール19内に突き出るエアロゾル・キャニスタ17の投与部材(図示せず)が、通路5内のスタンド(図示せず)に係合し、投与部材がアクチュエータ3内に静止状態で保持される休止位置まで、通路5に沿って滑らされる。エアロゾル・キャニスタ・ユニット15を通路5内にさらに押し込むと、投与部材がエアロゾル・キャニスタ17内に押し込まれ、次いで、噴霧用量の医薬エアロゾル製剤がエアロゾル・キャニスタ17から投与される。これによって、この用量は、マウスピース9を通してアクチュエータ3から放出される。
【0083】
エアロゾル・キャニスタ・ユニット15をアクチュエータ3内で正しい角度に向けるために、通路5は、用量カウンタ・モジュール19の外周面上に補突起23を受ける長手方向内側トラック部21を形成している。この突起は、用量カウンタ・モジュールの表示窓25と揃う。アクチュエータ3の窓11は、突起23上の表示窓25がアクチュエータ3の窓11に揃うように長手方向トラック部21の壁に配置されている。これによって、患者は、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15がアクチュエータ3に取り付けられたときに用量カウンタ窓25から表示を見ることができる。
【0084】
図1および2を参照すると、用量カウンタ・モジュール19は、プラスチック材料、たとえばポリプロピレン(PP)で作られた中空の外側ケーシング30を有している。図2に示されているように、外側ケーシング30は、キャップ部31およびスリーブ部33で形成されている。キャップ部31は、キャップ部31の周囲から上向きに(反転方向に)突き出る複数の柱35を有している。柱は、スリーブ部33の位置合わせ穴(図示せず)を通って延びるように設けられる。柱35はその後、たとえば、超音波溶接などの溶接によってスリーブ部33の内側表面に接合または付着させられる。これによって、キャップ部31がスリーブ部33に永続的に連結される。
【0085】
キャップ部31とスリーブ部33はどちらも、用量カウンタ・モジュール19の突起23の各部材を含んでいる。窓25は、キャップ部31とスリーブ部33が噛み合わされたときに突起23の各部材に形成されるトラック39に保持される。窓は、透明なプラスチック材料、たとえばPERSPEX(RTM)などのポリメチルメタクリレート(PMMA)で作ることができる。
【0086】
図2から6に示されているように、キャップ部31は、概ねU字形の断面を有している。用量カウンタ・モジュール19がエアロゾル・キャニスタ17の出口端部に取り付けられると、エアロゾル・キャニスタ17の投与部材(図示せず)がU字形キャップ部31の凹状切欠き41に受け入れられる。さらに、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15がアクチュエータ3内にその休止位置まで滑り込むと、スタンドが切欠き41に受け入れられ、投与部材に係合する。言い換えれば、用量カウンタ・モジュール19のキャップ部31はスタンドの周りに配置される。投与部材およびそのスタンドの詳しい開示については、国際公開公報第98/56444号、特にその図1を参照されたい。
【0087】
図2を参照すると、用量カウンタ・モジュール19は、組立て時に、たとえばPPで作られ、上述の国際公開公報第A-0128887号に詳しく記載されているように、エアロゾル・キャニスタ17の缶上の首部に取り付けられ、次いで超音波溶接によって外側ケーシング30のスリーブ部33の内周面45に溶接される前に首部と内周面45との間に押し込まれる割りリング・カラー43を通してエアロゾル・キャニスタ17の出口端部に取り付けられる。
【0088】
用量カウンタ・モジュール19の外側ケーシング30は、以下に詳述する機械的用量計数機構を収納している。
【0089】
図4に示されているように、外側ケーシング30のキャップ部31は、計数機構のドラム部分組立体50を保持している。図2も参照すると、ドラム部分組立体50は、上部車軸53と、上部車軸53に平行に延びている下部車軸55と、上部車軸53および下部車軸55に垂直に向けられたU字形コネクタ部57とを有する車軸ばね51を含んでいる。車軸ばね51は、ステンレスばね鋼などの金属で作られている。コネクタ部57は、上部車軸53および下部車軸55を閉鎖位置に、すなわち互いの方へ偏らせるように動作する。
【0090】
ドラム部分組立体50は、上部車軸53上で回転できるように上部車軸53上に同軸に取り付けられるようになっている1組の3つのインジケータ車59、61、63をさらに含んでいる。インジケータ車59、61、63は、理想的には射出成形によってプラスチック材料、たとえばアセタルから形成される。各インジケータ車59、61、63は、それらを車軸ばね51の上部車軸53上に滑らせるのを可能にする中央開口60、62、64を備えている。
【0091】
各インジケータ車59、61、63は、たとえば、やはりGlaxo Group Limitedへの国際公開公報第A-0108733号で開示されたように適用される車59、61、63のリム65、67、69上に周方向に順番に配置された数を有している。
【0092】
上部車軸53上の各インジケータ車59、61、63の回転位置は、用量カウンタ・モジュール19の窓25を通して各車のリム65、67、69上のどの数が表示されるかを決定する。インジケータ車59、61、63は、エアロゾル・キャニスタ17内に残っている医薬エアロゾル製剤の噴霧用量の数を識別する3桁の数を窓25内にまとめて表示する。したがって、最初、すなわち使用の前に、インジケータ車59、61、63は、窓25に表示される3桁の数がエアロゾル・キャニスタ17で利用可能な噴霧用量のラベル・クレームに相当するように上部車軸53上に配置される。
【0093】
(たとえば、図7で見たときの)右側インジケータ車59を「1の位の車」と呼び、中央のインジケータ車61を「10の位の車」と呼び、左側のインジケータ車63を「100の位の車」と呼ぶと好都合である。なぜなら、各車上に表示されている数は、窓25に表示される用量カウントの1の位、10の位、および100の位に対応するからである。
【0094】
3つのインジケータ車59、61、63を使用すると、用量カウンタ・モジュール19を100以上の噴霧用量の医薬エアロゾル製剤が充填されたエアロゾル・キャニスタと一緒に使用できることが理解されよう。理解されるように、インジケータ車の数は、エアロゾル・キャニスタ17内の噴霧用量の数に応じて増減させることができる。たとえば、「ラベル・クレーム」の噴霧用量が100よりも少ない場合、2つのインジケータ車のみを使用すると好都合である。もちろん、この場合も3つのインジケータ車を使用してよい。
【0095】
この実施形態では、1の位の車59および10の位の車61はそれぞれ、その上に等角度に連続的に配置された「0」から「9」までの数を有し、一方、100の位の車63は、その上に連続的に配置された「0」から「2」までの数を有するに過ぎない。ただし、数字間の角度間隔(36度)は、1の位の車59および10の位の車61上の数の場合と同じである。もちろん、100の位の車63上の一連の数は、所望の「開始カウント」に応じて増減させてよい。
【0096】
図2および5に示されているように、1の位の車59は、周73上に歯74を備えたラチェット車71をその右側に有している。ラチェット車71は、軸72(図7および14B参照)の端部上に支持されている。次に図7、14F、および15Aを参照すると、1の位の車59の左側に、2本の歯(「兎(bunny)」歯77)のみを備えたボス75が備えられている。
【0097】
図2に示されているように、10の位の車61および100の位の車63はそれぞれ、歯の付いた周83、85を持つボス79、81を右側に有している。図7は、歯の付いた周83、85が、先端が関連するインジケータ車61、63のリム67、69と同一平面内に位置する歯87、89を有することを示している。図7および14Fに示されているように、10の位の車61はさらに、やはり外周に兎歯93を備えたボス91をその左側に備えている。
【0098】
図7および14Fと図4にさらに示されているように、100の位の車63は、100の位の車63のリム69と同一平面内に位置する半径方向に突き出るセグメント101を備えた外周99を持つボス97を有している。
【0099】
図2を参照すると、ドラム部分組立体50は、ノック歯車103、105を車軸ばね51の下部車軸55上で回転できるように下部車軸55上に同軸に取り付けるのを可能にする軸線方向開口107、109を有する1組の2つのノック歯車103、105をさらに含んでいる。図7に示されているように、たとえば、各ノック歯車103、105は、歯付き車部111、113、関連する歯付き部111、113に平行であるが歯付き部111、113から軸線方向にずらして配置された円板部115、117と、関連する歯付き車と円板部111、113:115、117を連結する軸線方向に配置された中空の軸部119、121とを有している。ノック歯車は、プラスチック材料、たとえばアセタルで作られ、理想的には射出成形によって作られる。
【0100】
ノック歯車103、105の円板部115、117は、ノック歯車およびインジケータ車をキャップ部31内に正しく配置するように働く。特に、円板部115、117は、一方では1の位の車59および100の位の車63の外側表面と重なり合い、他方では、キャップ部31(図示せず)の表面形状と重なり合うことによって、車軸ばね51上でのインジケータ車およびノック歯車の軸線方向の遊びを抑制する。したがって、インジケータ車59、61、63もノック歯車103、105も、外側ケーシング30内に配置した後ばね車軸51上で外側軸線方向に変位することはできなくなる。
【0101】
さらに図7に示されているように、ノック歯車103、105の歯付き車部111、113は、2つの軸線方向部分、右側部分123、125、および左側部分127、129に分割されている。右側部分123、125が有する歯の数(4本)は、左側部分127、129が有する歯の数よりも少ない。
【0102】
図7から理解されるように、インジケータ車59、61、63およびノック歯車103、105がそれぞれ上部車軸53および下部車軸55上に取り付けられると、1の位の車59および10の位の車61のリム65、67は、ノック歯車103、105の歯付き車部111、113の右側部分123、125における互いに隣接する歯の間に回転可能に支持される。さらに、10の位の車61および100の位の車63上の歯87、89は、ノック歯車103、105の歯付き車部111、113の左側部分127、129の歯と噛み合う。
【0103】
たとえば、図7からさらに理解されるように、車軸ばね51における固有のバイアス力によって、インジケータ車59、61、63およびノック歯車103、105を互いの方へ偏らせ、したがって、それらの相互係合可能な周面が互いに係合する。言い換えれば、上部車軸53および下部車軸55をバイアス力の作用に対抗して分離させ、インジケータ車59、61、63およびノック歯車103、105を収容する必要がある。したがって、ドラム部分組立体50が組み立てられた状態では、上部車軸53と下部車軸55は、車軸ばね51の休止状態または戻り状態における車軸同士の間隔よりも長い距離にわたって離される。したがって、上部車軸53および下部車軸55はそれぞれインジケータ車59、61、63およびノック歯車103、105を互いの方へ押す。したがって、インジケータ車59、61、63とノック歯車103、105との良好な連結が得られる。
【0104】
用量カウンタ・モジュール19の外側ケーシング30のキャップ部31には、計数機構の駆動車部分組立体150を取り付けることもできる。図2および6を参照すると、駆動車部分組立体150は、一連の歯157によって形成される外周155を持つピニオン153を有する駆動車151を含んでいる。駆動車151は、(たとえば、図2で見たときに)ピニオン153の左側から軸線方向に延びているボス159をさらに含んでいる。軸線方向の通路161は、ピニオン153およびボス159を通って延びている。
【0105】
駆動車151は、たとえば射出成形によって作られた、たとえばアセタル製の、用量カウンタ・モジュール19のプラスチック構成部材である。駆動車部分組立体150は、ステンレススチールなどの金属で作られた駆動車支持ばね163をさらに含んでいる。駆動車支持ばね163は、駆動車151を回転可能に支持するように駆動車151の軸線方向通路161に挿入することのできる車軸部165を形成する。
【0106】
駆動車部分組立体150は、好ましくはステンレスばね鋼などの金属で形成された滑りクラッチばね167をさらに含んでいる。クラッチばね167は、U字形コネクタ部173によって連結された一対の互いに概ね平行なアーム部169、171を有する概ねU字形の構成を有している。コネクタ部173は、アーム部169、171を互いに接近するように偏らせ、それによって、アーム部169、171をたとえば図9に示されているように駆動車151のボス159上に固定することができる。特に、クラッチばね167の一方のアーム部169は、ボス159の外周面177と相補的なサイズおよび形状を有する湾曲部175をその自由端に隣接して備えている。
【0107】
したがって、駆動車151が駆動車支持ばね163の車軸部165上を回転すると、クラッチばねがそれと一緒に回転する。しかし、駆動車151によるクラッチばね167の回転に対抗する十分な力をクラッチばね167にかけた場合、クラッチばね167はボス159上を滑る。したがって、駆動車151の回転は滑りクラッチばね167には伝達されない。
【0108】
図2は、用量計数機構が、先端につめ歯203を持つつめアーム201を有する回転可能なプラスチックつめ200(たとえば、アセタル)と、1の位の車59の軸72上に回転可能に取り付けられるような形状を有するC字形ハブ205と、クラッチばね167のアーム部169、171間に形成されたトラック174に滑り可能に受け入れられるようになっている回転可能なつめ200の右側から軸線方向に延びているボス207とをさらに含むことを示している。つめは射出成形することができる。
【0109】
計数機構の組立て状態が図7に示されており、用量カウンタ・モジュール19の外側ケーシング30のキャップ部31が図4〜6に示されている。次に、残っている医薬エアロゾル製剤の噴霧用量の数を示す計数機構の動作について説明する。
【0110】
エアロゾル・キャニスタ・ユニット15がアクチュエータ3内のその休止位置に配置されると、用量カウンタ・モジュール19の計数機構は図8、9および10A〜10Bに示されている状態になる。特に、アクチュエータ3のベース面から上向きに突き出ているラック13は、用量カウンタ・モジュール19の外側ケーシング30のキャップ部31の開口20を通って延びており、したがって、ラック13上の1組の歯14は駆動車151のピニオン153の歯157と噛み合う。このため、駆動車支持ばね163は駆動車151を窓25の方へ偏らせる。ラック13とピニオン153の相互作用によって、駆動車151は駆動車支持ばね163のバイアス力に対抗して変位される。このため、ピニオン歯157はラック歯14に接触するように偏らされ、それによってピニオン歯157とラック歯14との良好な係合が得られる。
【0111】
アクチュエータ3内のエアロゾル・キャニスタ・ユニット15の休止位置では、回転可能なつめ200は、つめ歯203を1本のラチェット歯74の後方に係合させる、ラチェット車71に対する角度方向を有している。
【0112】
エアロゾル・キャニスタ・ユニット15がまだ未使用である場合、インジケータ車59、61、63は、インジケータ車59、61、63上の数値インディシャ(indicia)が、エアロゾル・キャニスタ17において投与できる開始噴霧用量数をアクチュエータ3の窓25に示すように整列するように、車軸ばね51の上部車軸53上に配置される。この開始数は、エアロゾル・キャニスタ17のラベル、たとえば「ラベル・クレーム」上に示されている噴霧用量数に相当する。一例として、開始噴霧用量数は、図15Aに示されているように「160」であってよい。しかし、ラベル・クレームは、実際の利用可能な用量数に一致しなくてもよい。というのは、エアロゾル・キャニスタは、たとえば保存中の損失に備えて、通常わずかに過剰に充填されるからである。これによって、緊急の場合、カウンタが零に達した後にユーザに予備の用量が与えられる。
【0113】
患者が噴霧用量のエアロゾル製剤を投与することを望むとき、患者は、アクチュエータ3のマウスピース9に唇を当て、同時に吸入を行い、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15をアクチュエータ3に押し込む。このようなアクチュエータ3へのエアロゾル・キャニスタ・ユニット15の下降行程の開始は図11A〜11Bに示されている。これに対して、図10A〜10Bは、休止中の計数機構を示している。
【0114】
下降行程では、用量カウンタ・モジュール19は、下向きにアクチュエータ3のラック13に対して矢印Aの方向に移動する。この相対的な移動によって、ラック13の歯14は、駆動車151をピニオン153と相互作用させることによって矢印Bの方向へ回転させる。駆動車151が回転すると、ボス159上に取り付けられたクラッチばね167がそれと一緒に回転する。これによって、回転可能なつめ200が、1の位の車59の軸72上を、駆動車151の回転Bの方向と反対の方向である矢印Cの方向に回転する。
【0115】
図11Aから理解されるように、矢印Cの方向へのつめ200の回転は、つめ200のボス207をクラッチばね167に形成された案内トラック174に配置することによって生じる。
【0116】
図11Aからさらに理解されるように、つめ200が1の位の車59上を矢印Cの方向へ回転すると、つめアーム201が、休止位置で係合していたラチェット歯74の後端面の後方から外れ、次の隣接するラチェット歯74の先頭逃げ面に沿って滑る。
【0117】
エアロゾル・キャニスタ・ユニット15をアクチュエータ3に引き続き押し込むと、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15の弁が開き、噴霧用量の医薬エアロゾル製剤が、一般に使用時にマウスピース9から患者の呼吸管内に排出される。図12Aに示されているように、1の位の車59上でのつめ200の回転は、つめ歯203が次の隣接するラチェット歯74の後端逃げ面の後方に落ちるまで継続する。このことから、つめアーム201が弾性アームであり、そのため、下降行程中につめ歯203の自由端が1本のラチェット歯74の先端から次の隣接するラチェット歯に落ちることが理解されよう。
【0118】
1の位のドラム59上でのつめ200の回転は、用量カウンタ・モジュール19の外側ケーシング30のキャップ部31における固定つめまたは弾性逆止め脚部18が1の位の車59のラチェット車71の1本のラチェット歯74の後端逃げ面の後方に係合するため、1の位のドラム59には伝達されない。
【0119】
図12Aと図11Aを比較すると、つめ200のボス207がクラッチばね167に形成された案内トラック174内を滑ることができるため、駆動車151のピニオン153の回転を1の位の車59上でのつめ200の逆回転に変換できることが分かる。言い換えれば、駆動車151とつめ200との間に「トグル・リンク」式連結が存在する。
【0120】
さらに図12Aに示されているように、ラック13によってピニオン153が駆動車151を所定の角度だけ回転させると、つめ200は、用量カウンタ・モジュール19の外側ケーシング30のスリーブ部33から下向きに延びている端部停止部材221に当たる。これによって、つめ200が1の位の車59上で過剰に回転するのが防止されると共に、つめ歯203がエアロゾル・キャニスタ・ユニット15の下降行程時に複数のラチェット歯74にわたって位置合わせされるのが防止される。つめ200が端部停止部材221に接触した後、(たとえば、弁を開くための)アクチュエータ3へのエアロゾル・キャニスタ・ユニット15のその後の押込みは、(摩擦力によってクラッチばね167のみが駆動車151のボス159上に保持される結果として)クラッチばね167が駆動車151のボス159上を滑ることによって対処される。すなわち、駆動車151は、つめ200が端部停止部材221に当たった後引き続き自由に回転するが、駆動車151がクラッチばね167に対して回転し、すなわち、空動き継手があるためにこの回転がつめに伝達されることはない。
【0121】
エアロゾル・キャニスタ・ユニット15がその下降行程の1番下まで押し込まれ、噴霧用量の医薬エアロゾル製剤が放出された後、患者は、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15に対する下向きの圧力を逃がすかまたは減らし、それによって、エアロゾル・キャニスタ17の弁組立体内のバイアス機構がエアロゾル・キャニスタ・ユニット15を後方にその休止位置の方へ偏らせる。アクチュエータ3内でのエアロゾル・キャニスタ・ユニット15の戻り行程は、図13A〜13Bに概略的に示されている。
【0122】
図示のように、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15が上向きに矢印Dの方向に並進すると、ラック13がピニオン153と係合することによって駆動車151が逆方向(矢印E)に回転する。駆動車151とつめ200とのトグル・リンク継手は、つめ200を逆方向(矢印F)に回転させる。つめ200が矢印Fの方向へ回転すると、つめ歯203がアクチュエータ3内でのエアロゾル・キャニスタ・ユニット15の下降行程時に落とされたラチェット歯74の後端逃げ面に係合することによって、つめアーム201が1の位の車59を矢印Fの方向と同じ方向に引く。このため、固定つめ18は、1本のラチェット歯74によってずれてたわまされ、次いでその歯74の後方に落ちて、アクチュエータ3内でのエアロゾル・キャニスタ・ユニット15の戻り行程の終了時の1の位の車59の逆回転を防止することができるように弾性的に形成されている。
【0123】
図9に示されているように、ラック13が駆動車151を所定の角度範囲にわたって回転させた後、つめ200は、この場合、外側ケーシング30のキャップ部31によって形成された別の端部停止部材66に当たる。これによって、つめ200が、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15の戻り行程時に複数のラチェット歯74に固定つめ18を通過させるのを防止する。この段階でエアロゾル・キャニスタ・ユニットの戻り行程が完了し、すなわち、休止位置に達した場合、駆動車151は、(ラック13がピニオン153に係合することによって)滑りクラッチばね167に対して矢印Eの方向に引き続き自由に回転する。
【0124】
1の位の車59が矢印Fの方向へ回転すると、1の位の車59が窓25内に表示する数値インディシャが1少なくなり、それによって、エアロゾル・キャニスタ17に残っている噴霧用量が1つ少なくなったことを患者に示す。
【0125】
したがって、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15の各作動サイクルで、1の位の車59は、窓25内に表示されている1の位の前の数字を進め、前の数字よりも1少ない、1の位の一連の数字における次の数字で置き換えるのに十分な量だけ回転可能に位置合わせされる。1の位の車59上の数値インディシャが車59の周に沿って等角度の間隔を置いて配置されており、1の位の車59がエアロゾル・キャニスタ・ユニット15の各作動サイクルで36度回転することによって位置合わせされることに留意されたい。したがって、ラチェット車71上のラチェット歯74の数が1の位の車59上の数値インディシャの数に相当し、すなわち10であることが理解されよう。さらに、1の位の車59が完全に1回転するたびに、窓25に1の位の同じ数字が表示されることが理解されよう。
【0126】
1の位の車59がつめ・ラチェット機構により回転させられることによって位置あわせされる際、1の位の車59の兎歯77が、1の位の車59が上部車軸53上で1回転した場合と同じ点で右側ノック歯車103の歯付き車部111の左側部分127に係合する。図15Aに示されているように、兎歯77は1の位の車59上に配置されており、したがって、それが右側ノック歯車103の歯付き車部111の左側部分127に係合すると、同時に、1の位の車59によって数字「0」が窓25に表示される。エアロゾル・キャニスタ・ユニット15の次の作動サイクルでは、兎歯77が、その歯付き車部111の左側部分127に係合することによって回転力を右側ノック歯車103に伝達する。1の位の車59の兎歯77によって右側ノック歯車103に加えられた回転は、歯付き車部111の左側部分127が10の位の車61の歯87と噛み合うことによって10の位の車61に伝達される。この最終結果として、1の位の車59と10の位の車61によって表示される数値インディシャが同時に1減分する。図15A〜15Bに示されている場合、結果として、窓25に表示される数が「160」から「159」に減分する。このことは図14A〜14Fにも示されている。
【0127】
1の位の車59を右側ノック歯車103によって回転させることによって10の位の車61に位置合わせする間、右側ノック歯車103の歯付き車部111の右側部分123が、兎歯77の耳部同士の間の隙間と同一の空間に位置する1の位の車59のリム65に形成されたくぼみ78(図15A)に受け入れられる。
【0128】
1の位の車59が完全に1回転する(「0」が「9」に減分する)たびに10の位の車61が右側ノック歯車103を通じて1の位の車59によって増分的に駆動されるにつれて、10の位の車61上の兎歯93は、左側ノック歯車105、具体的にはその歯付き車部113の左側部分129に係合するように前進する。前述のように、10の位の車61が、窓25内に数字「0」を表示する(この時点で、1の位の車59も窓25にその数字「0」を表示する)ような角度に位置させられると、兎歯93は、左側ノック歯車105の歯付き車部113の左側部分129のある歯に隣接して配置される。エアロゾル・キャニスタ・ユニット15の次の作動サイクルの結果として、1の位の車59と右側ノック歯車103が協働することによって10の位の車61に加えられた回転または動きが同様に100の位の車63に伝達される。このため、100の位の車63によって窓25に表示される数値インディシャが1減分し、それによって、ドラム部分組立体50によって窓に表示される全数が、100の因数である数から1減分され、たとえば「100」から「099」に減分される。
【0129】
図8および14A〜14Fから理解されるように、10の位の車61が左側ノック歯車105によって100の位の車63を駆動すると、左側ノック歯車105の歯付き車部113の右側部分125が、兎歯93の耳部同士の間の空間と同一の空間に位置する10の位の車61のリム67に形成されたくぼみ94に受け入れられる。
【0130】
上述の計数機構の特徴に加えて、計数機構は、各インジケータ車59、61、63が、車軸ばね51の上部車軸53上に、表示が「000」になるような角度に位置させられたときに、ドラム部分組立体50を駆動されないようにロックする「ロックアウト」構成をさらに含んでいる。しかし、ロックアウト構成は、エアロゾル・キャニスタ・ユニット15を、まだエアロゾル・キャニスタ17内に残っている医薬エアロゾル製剤の用量を投与するように作動させるのを妨げないような構成である。このため、通常、医薬エアロゾル・キャニスタは安全のために(ラベル・クレームと比べて)過剰に充填される。たとえば、気管支拡張薬のような救急薬剤の場合、患者は、噴霧用量のラベル・クレームが使用された後でもエアロゾル・キャニスタ・ユニット15を使用できる必要がある。
【0131】
次に、たとえば図4、16A、および17Aを参照すると、100の位の車63は、100の位の車63が窓25に「0」を表示するような角度に向けられたときに、用量カウンタ・モジュール19の外側ケーシング30のキャップ部31に設けられた停止部材42に当たるペグ98を保持している。このようにペグ98が停止部材42に当たると、つめ・ラチェット駆動機構による100の位の車63のそれ以上の回転が防止される。さらに、左側ノック歯車105も、ロックされた100の位の車63と相互に係合するために、それ以上回転しないようにロックされる。したがって、100の位の車63が、ペグ98が停止部材42に当たることによってロックされると、10の位の車61は、兎歯93が左側ノック歯車105に係合することによってやはりそれ以上回転しないようロックされる前に、上部車軸53上でさらに1回転を完了することができる。10の位の車61をロックするとさらに、右側ノック歯車103は、その歯が10の位の車61に係合するために、それ以上回転しないようロックされる。理解されるように、10の位の車61は、やはり窓25に「0」を表示したときにロックされる。
【0132】
10の位の車61がロックされると、1の位の車59は、窓25に「0」を表示できるようにさらに1回転のみ完了することができる。次いで、1の位の車59は、その兎歯77が右側ノック歯車103と相互に係合することによってロックされる。図16A〜16Fを参照されたい。
【0133】
患者が、ドラム部分組立体50がロックされた後でエアロゾル・キャニスタ・ユニット15を使用することを望む場合、クラッチばね167が駆動車151のボス159上を滑ることによって依然として作動サイクルを完了することができる。言い換えれば、駆動システムは、滑りクラッチ167によってドラム部分組立体50から切り離される。このことは図17Bに概略的に示されている。
【0134】
次に図18〜21を参照すると、好ましいスリーブ部33が示されている。このスリーブ部33は、図1〜3に示されているスリーブ部と同様に、キャップ部31(図5参照)に取り付けられ用量カウンタ・モジュール19用のケーシングを形成するようになっている。スリーブ部33は、柱35を受け入れる穴131、132、133、134をキャップ部31上に有している。2つの穴131、132は、円筒状の柱35を受け入れるように円筒状である。他の2つの穴は概ね円筒状であるが、キャップ部31上の対応する形状の柱35を受け入れるように平坦な部分(すなわち、概ねD字形)を有している。
【0135】
非円筒状の2つの穴133、134は相対的に回転し、したがって、キャップ部31は、柱35が対称的に配置された場合でも1つの向きにしか嵌め込めない。様々な形状の穴を設けることができ、そのような穴を、図4(1本の柱35のみが非円筒状である)または図3(柱35は方形の断面を有し、その端部上にフック・クリップ37を有している)に示されているような様々な形状の柱35用に設ける必要がある。
【0136】
スリーブ部33上には、その底部137から延びている2本の柱135も設けられている。これらの柱135は、キャップ部31に設けられた穴136に係合する(図5参照)。スリーブ部33上の柱135は、キャップ部31の柱35よりも短い。
【0137】
スリーブ部33は、概ね円筒状である。しかし、底部137には、凹状切欠き41(たとえば、図4参照)によって形成されたキャップ部31のU字形構成に一致する概ねU字形の構成を有するベース・モールディングが成形されている。このU字形ベース・モールディングは、キャニスタの弁棒27(図22および23参照)および(上記に従来技術に関して説明した)スタンドまたはステム・ブロック13を嵌め込む位置をさらに形成している。さらに、U字形ベース・モールディングは、上述の突起23の一部を形成している(突起23は窓25を受ける)。
【0138】
ベース・モールディングは、スリーブ部33の底部137からベース壁139まで延びている。キャニスタ17の出口端部は、以下に図22および23を参照して説明するように、使用時にこのベース壁139の上面(またはその上に設けられた支持体上)に接触することができる。しかし、モールディングは、キャップ部31と組み合わされることにより、ドラム部分組立体50などの位置合わせ機構または計数機構を嵌め込むことができるキャビティをその下面に形成する。図22および23を参照されたい。
【0139】
スリーブ部33の円筒状部分140は、複数の形式のキャニスタ17、この実施形態では様々な形式の弁組立体を受け入れることができる。一例として、図22は、第1の種類の弁組立体250を備えたキャニスタ17を示している。図23は、第2の異なる種類の弁組立体300を備えたキャニスタ17を示している(すなわち、缶は同じであるが、弁組立体が異なる)。図を見ると分かるように、弁250、300は異なる形状の弁棒端部29(またはフェルール)を有している。第1の弁組立体250には、弁棒27に隣接する小さなノーズ49がある。しかし、第2の弁組立体300のノーズ49は、軸線方向において第1の弁組立体250のノーズ49よりもずっと長い。さらに、弁組立体250、300は、関連する缶から異なる距離D1、D2だけ突き出て、すなわち、弁組立体250、300は異なる厚さを有している。したがって、弁棒27は、缶から外側にそれぞれの異なる距離D1、D2だけ離して配置される。
【0140】
これらの違いのために、キャニスタ17は、スリーブ部33には異なるように配置される。しかし、各弁棒27の先端が用量カウンタ・モジュール19の基準面、たとえばベース壁139に対する共通の位置または実質的に共通の位置に位置することが重要である。言い換えれば、用量カウンタ・モジュール19内での各弁棒27の先端の空間位置は、それぞれのエアロゾル・キャニスタ17に組み付けられたときに同じまたは実質的に同じでなければならない。言い換えれば、弁棒27は用量カウンタ・モジュール19の基準面から同じ距離または実質的に同じ距離だけ離して配置しなければならない。
【0141】
このために、ベース壁139の上面は2つの異なるサイズの同心支持体またはレッジ141、142を有している。第1のレッジ141は、ベース壁139から上向きに延びている環状体(図20参照)を含んでいる。第1のレッジ141は、使用時に、図22に矢印143によって示されているように第1の弁組立体250を支持するのに適切な高さを有している。第2のレッジ142は、ベース壁139から上向きに延びているより小さな環状体を含んでいる。第2のレッジ142は第1のレッジ141と同心である。しかし、第2のレッジ142は、上向きに延びる距離が第1のレッジ141よりも短い。第2のレッジ142は、使用時に、図23に矢印144によって示されているように第2の弁組立体300を支持するようになっている。
【0142】
ベース壁139は、2つの環状体と同心の開口145もその中央に含んでいる。開口145は、キャニスタ17の弁棒27をスタンドまたはステム・ブロック333に挿入できるように弁棒27がベース壁139を通って延びるのを可能にする。
【0143】
図22および23に示されているように、レッジ141、142はそれぞれ、弁棒27が開口45を通って同じ距離または実質的に同じ距離だけ延びるように第1および第2の弁組立体250、300をスリーブ部33内に支持している。
【0144】
このようにして、それぞれの異なる弁組立体250、300を組み込んだエアロゾル・キャニスタ・ユニット15のアクチュエータ3内の休止位置は同じであるかまたは実質的に同じである。これは、それぞれの用量カウンタ・モジュール19内での弁棒先端の空間位置が同じであるからである。
【0145】
スリーブ部33は、環状の首部47を介したキャニスタ17へのスリーブ部33の連結を助ける、前述の割りリング・カラー43も含んでいる。スリーブ部33の円筒状部分140の壁147は、カラー43を位置させる段部またはショルダ146を有する内側表面を有している。図3は、これを、内壁表面に取り付けられた別個に作られたレッジとして示している。ショルダ146は、カラー43をスリーブ部33に付着させるかまたは溶接してキャニスタ17をスリーブ部33内の正しい挿入深さに固定できるようにカラー43を正しく配置するのを助ける。
【0146】
壁147の頂部138は、やはりスリーブ部33へのカラー43およびキャニスタ17の挿入を助けるように面取りされている。
【0147】
上述の構成部材はすべて、容易に製造することができ、かつ自動化装置を用いて組み立てることができる。したがって、これらの構成部材は従来技術よりも費用が有効となる解決策を提供する。
【0148】
上記に図面を参照して説明したpMDI1は、経口吸入用として示されているが、マウスピース9を患者の鼻腔に挿入されるノズル、すなわち鼻腔内用のノズルで置き換えてよい。
【0149】
エアロゾル・キャニスタ17に含まれる治療薬は、軽症または重症の急性または慢性の症状の治療、あるいは予防的治療用の薬剤であってよい。治療薬は好ましくは、呼吸疾患、たとえば、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療する薬剤であってよい。ただし、他の治療用の薬剤、たとえば、鼻炎を治療する薬剤であってもよい。
【0150】
したがって、適切な治療薬または薬剤は、たとえば、鎮痛薬、たとえば、コデイン、ジヒドロモルフィン、エルゴタミン、フェンタノール、またはモルフィネ;狭心症製剤、たとえば、ジルチアゼム、抗アレルギー薬、たとえば、クロモグリケート(たとえば、ナトリウム塩として)、ケトチフェンまたはネドクロミル(たとえば、ナトリウム塩として)、抗感染薬、たとえば、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルフォナミデス、テトラシクリン、およびペンタミジン;抗ヒスタミン薬、たとえば、ベクロメタソン(たとえば、二プロピオン酸エステルとして)、フルチカゾン(たとえば、プロピオン酸エステルとして)、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタソン(たとえば、フロ酸エステル)、シクレソニド、トリアムシノロン(たとえば、アセトニドとして)、6α, 9α-ジフロロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニロキシ-アンドロスタ-1, 4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-)2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル)エステル、または6α, 9α-ジフロロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1, 4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル;鎮咳薬、たとえば、ノスカピン;気管支拡張薬、たとえば、アルブテロール(たとえば、遊離塩基または硫酸塩として)、サルメテロール(たとえば、キシナホ酸塩として)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(たとえば、臭化水素酸として)、フェルモテロール(たとえば、フマル酸塩として)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノルアミン、ピルブテロール(たとえば、酢酸塩として)、レプロテロール(たとえば、塩酸塩として)、リミテロール、テルブタリン(たとえば、硫酸塩として)、イソエタリン、ツロブテロール、または4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニレトキシ)プロピル]スルフォニル]エチル]アミノ]エチル-2(3H)ベンゾ-チアゾロン;PDE4阻害薬、たとえば、シロミラストまたはロフルミラスト;ロイコトリエン拮抗薬、たとえば、モンテルカスト、プランルカスト、およびザフィルルカスト;[アデノシン2a2-フェニル-エチルアミノ]-プリン-9-イル]-5-(2-エチル-2H-テトラゾル-5-イル)-テトラヒドロ-フラン-3, 4-ジオル(たとえば、マレイン酸塩として);[α4インテグリン阻害薬、たとえば、(2S)-3-[4-({[4-アミノカルボニル]-1-ピペリジニル}カルボニル}オキシ)フェニル]-2-[((2S)-4-メチル-2-{[2-(2-エチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパノン酸(たとえば、遊離酸またはカリウム塩として)]、利尿薬、たとえば、アミロライド;抗コリン作用薬、たとえば、イプラトロピウム(たとえば、臭化物として)、チオトロピウム、アトロパイン、またはオキシトロピウム;ホルモン、たとえば、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、またはプレドニソロン;キサンチン、たとえば、アミノフェリン、コリンテオフィリネート、リジンテオフィリネート、またはテオフィリン;治療タンパク質およびペプチド、たとえば、インシュリンまたはグルカゴンから選択することができる。当業者には、必要に応じて、薬剤の活性および/または安定性を最適化し、かつ/または噴霧剤における薬剤の可溶性を最小限に抑えるために、薬剤を塩の形で(たとえば、アルカリ金属またはアミン塩としてあるいは酸添加塩として)、あるいはエステル(たとえば、低級アルキルエステル)として、あるいは溶媒和物(たとえば、水酸化物)として使用してよいことが明らかであろう。
【0151】
好ましくは、薬剤は、喘息や鼻炎などの炎症性障害または疾患の治療用の抗炎症化合物である。
【0152】
好ましくは、薬剤は、HFA-134aやHFA-227やそれらの組合せなどのヒドロフルオロアルカン噴霧剤で処方される。
【0153】
好ましくは、薬剤は、たとえばプロピオン酸エステルとしての、コルチコステロイド、たとえばフルチカゾンなどの抗炎症ステロイド、またはたとえばキシナホ酸塩としてのサルメテロールなどの長時間作用性β作用薬(LABA)、あるいはそれらに組合せである。
【0154】
好ましい薬剤は、サルメテロール、サルブタモル、アルブテロール、フルチカゾン、およびベクロメタソン、ならびにその塩、エステル、または溶媒和物、たとえばプロピオン酸フルチカゾン、硫酸アルブテロール、キシナホ酸サルメテロール、および二プロピオン酸ベクロメタソンである。
【0155】
薬剤は抗炎症性を有するグルココルチコイド化合物であってもよい。1つの適切なグルココルチコイド化合物は、薬品名6α, 9α-ジフロロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1, 4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(プロピオン酸フルチカゾン)を有する。他の適切なグルココルチコイド化合物は、薬品名6α, 9α-ジフロロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1, 4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(プロピオン酸フルチカゾン)を有する。他の適切なグルココルチコイド化合物は、薬品名6α, 9α-ジフロロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1, 3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1, 4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルを有する。
【0156】
他の適切な抗炎症化合物には、NSAID、たとえば、PDE4阻害薬、ロイコトリエン拮抗薬、iNOS阻害薬、トリプターゼ阻害薬およびエラスターゼ阻害薬、β-2-インテグリン拮抗薬、ならびにアデノシン2a作用薬が含まれる。
【0157】
薬剤同士を互いに組み合わせて供給してよい。一例として、サルブタモル(たとえば、硫酸塩の遊離塩基として)またはサルメテロール(たとえば、キシナホ酸塩として)をベクロメタソン(たとえば、エステル、好ましくは二プロピン酸塩として)やフルチカゾン(たとえば、エステル、好ましくはプロピオン酸)などの抗炎症ステロイドと組み合わせて与えることができる。
【0158】
本発明の作動インジケータは、図面を参照して説明した例のようにエアロゾル容器と一緒に使用されるものに制限されず、他の種類の投与装置と一緒に使用してよい。さらに、投与装置は必ずしも薬剤を投与するための装置でなくてもよい。
【0159】
本発明を上記に一例としてのみ説明した。しかし、添付の特許請求の範囲に定義されているように、本発明の範囲内で詳細な修正を施してよい。
【0160】
もちろん、本明細書における、パラメータや特性などに関する「実質的に」、「概ね(略)」、「約」などの語の使用は、絶対パラメータまたは特性と、その結果としての派生物を含むものである。
【符号の説明】
【0161】
1…pMDI、3…アクチュエータ、9…マウスピース、15…エアロゾル・キャニスタ・ユニット、17…エアロゾル・キャニスタ、19…用量カウンタ・モジュール、30…外側ケーシング、50…ドラム部分組立体、59,61,63…インジケータ車、71…ラチェット車、103,105…ノック歯車、150…駆動車部分組立体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動インジケータの回転可能な部材の車軸であって、該車軸は、使用時に、前記回転可能な部材を、作動インジケータにおける前記回転可能な部材が係合する他の部材の方へ偏らせるようになっているばねによって形成される車軸。
【請求項2】
前記回転可能な部材はピニオンである、請求項1に記載の車軸。
【請求項3】
前記ピニオンが係合する前記他の部材はラックである、請求項2に記載の車軸。
【請求項4】
前記回転可能な部材は、インジケータが関連付けされている装置の作動を示すインジケータ車である、請求項1に記載の車軸。
【請求項5】
少なくとも2つの回転可能な部材が同じ車軸上にある、請求項4に記載の車軸。
【請求項6】
前記他の部材は、前記ばねによって、適宜形成される第2の車軸上に取り付けられた回転可能な部材である、請求項4または5に記載の車軸。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の車軸と、車軸上の前記回転可能な部材、またはそれぞれの回転可能な部材と、前記他の部材とを含む組立体。
【請求項8】
前記ばねは、第2の車軸と、2つの車軸を連結して一緒に偏らせるバイアス部とを含む、請求項6に記載の車軸。
【請求項9】
キャニスタの弁棒端部上に取り付けられキャニスタ・ユニットを形成するようになっているケーシングであって、スリーブ部の頂部からベース壁の方へ延びる略円筒状の内側表面を有する略円筒状の断面を備えたスリーブ部と、前記キャニスタの首部の周りに固定することができ、該キャニスタの首部の周りにあるときにスリーブ部の頂部を通ってスリーブ部に嵌り、そこで、略円筒状の内側表面の少なくとも一部に接触するようなサイズを有するカラーとを含み、略円筒状の内側表面は、カラーを支持してカラーがスリーブ部にそれ以上挿入されるのを防止するショルダを有し、ショルダは、スリーブ部の頂部およびベース壁から間隔を置いて配置されているケーシング。
【請求項10】
前記スリーブ部の頂部は、該スリーブ部へのカラーの挿入を助ける面取りされた表面を含む、請求項9に記載のケーシング。
【請求項11】
前記ショルダは、略円筒状の内側表面における環状の段部によって形成されている、請求項9または10に記載のケーシング。
【請求項12】
前記ショルダは、略円筒状の内側表面に取り付けられたレッジによって形成されている、請求項9または10に記載のケーシング。
【請求項13】
前記カラーは割りリング・カラーである、請求項9から12のいずれか一項に記載のケーシング。
【請求項14】
組み立てられたキャニスタ・ユニット内の前記カラーがスリーブ部に溶接されている、請求項9から13のいずれか一項に記載のケーシング。
【請求項15】
キャニスタの弁棒端部上に取り付けられてキャニスタ・ユニットを形成するようになっているケーシングであって、キャニスタを受けるスリーブ部と、キャニスタ・ユニット用の用量カウンタのカウンタ組立体を受けるキャップ部とを含み、スリーブ部およびキャニスタとは別にキャップ部とカウンタ組立体を一緒に組み立てることができ、次にスリーブ部とキャップ部を連結することで形成される、ケーシング。
【請求項16】
ドラム部分組立体からなるカウンタ組立体をさらに含む、請求項15に記載のケーシング。
【請求項17】
請求項9から14のいずれか一項のケーシングの構成をさらに備えた、請求項15または16に記載のケーシング。
【請求項18】
前記スリーブ部は、複数の形態の弁棒端部を受けるようになっている、請求項15、16、または17のいずれかに記載のケーシング。
【請求項19】
前記スリーブ部は、使用時にキャニスタの弁棒端部が挿入される頂部と、頂部から間隔を置いて配置され、複数の支持体を有するベース壁とを含み、各支持体は、それぞれ異なる形態の弁棒端部を支持するようになっており、それによって複数の異なる弁棒端部をスリーブ部内に支持することができる、請求項18に記載のケーシング。
【請求項20】
前記支持体は環状のレッジである、請求項19に記載のケーシング。
【請求項21】
前記レッジ同士は同心である、請求項20に記載のケーシング。
【請求項22】
第1の支持体はベース壁よりも上の第1の高さを有し、第2の支持体はベース壁よりも上で第1の高さより低い高さを有する、請求項19から21のいずれか一項に記載のケーシング。
【請求項23】
請求項9から22のいずれか一項に記載のケーシング用の構成部材であって、キャップ部と、それぞれが異なる形態の弁棒端部用の少なくとも2つのスリーブ部とを含み、該キャップ部を複数のスリーブ部の中の適宜の1つのスリーブ部に連結して、選択された弁棒端部用のケーシングを形成することができるケーシング用の構成部材。
【請求項24】
キャニスタの弁棒端部を受けるスリーブ部であって、複数の形態の弁棒端部を受けるようになっているスリーブ部。
【請求項25】
前記スリーブ部は、使用時にキャニスタの弁棒端部が挿入される頂部と、頂部から間隔を置いて配置され、各支持体がそれぞれの異なる形態の弁棒端部を支持する複数の支持体を有するベース壁とを含み、それによって複数の異なる弁棒端部をスリーブ部内に支持することができる、請求項24に記載のスリーブ部。
【請求項26】
前記支持体は環状のレッジである、請求項25に記載のスリーブ部。
【請求項27】
前記レッジ同士は同心である、請求項26に記載のスリーブ部。
【請求項28】
第1の支持体はベース壁よりも上の第1の高さを有し、第2の支持体はベース壁よりも上で第1の高さより低い高さを有する、請求項25から27のいずれか一項に記載のスリーブ部。
【請求項29】
噴霧剤および薬剤を含む薬物製剤を投与する薬物製品であって、
ハウジングと、薬物製剤を収容し、出口部材を備えて、ハウジング内で作動できるようになっている容器と、容器に固定的に取り付けられた作動表示組立体と、からなり、該作動表示組立体は、柱を有する本体クレードルと、柱に係合し、滑りクラッチに摩擦係合するようになっている駆動車と、滑りクラッチに係合するようになっているラチェットつめと、ラチェットつめに係合するようになっている星形歯車と、星形歯車に係合するようになっている1つまたは複数のドラムと、からなり、固定的に取り付けられた容器および作動表示組立体をハウジングから単一のユニットとして反転可能に取り外すことができる薬物製品。
【請求項30】
000から999までのカウントを表示するようになっている3つのドラムを含み、100の位のドラムに固定され、停止部材に接触するようになっているアームをさらに含み、滑りクラッチは、カウントが000に達したときに摩擦によって滑るようになっている、請求項29に記載の薬物製品。
【請求項31】
0、1、および2の数字を有する100の位のドラムと、0から9までの数字を有する10の位のドラムと、0から9までの数字を有する1の位のドラムとを含む、請求項29に記載の薬物製品。
【請求項32】
前記作動表示組立体は、前記容器の首部に固定的に係合するようになっている1つまたは複数のグリップ部材を含む、請求項29、30、または31のいずれかに記載の薬物製品。
【請求項33】
前記ハウジングはマウスピースを含む、請求項29から32のいずれか一項に記載の薬物製品。
【請求項34】
前記ハウジングは、用量を前記容器から前記マウスピースに移すようになっている通路を含む、請求項33に記載の薬物製品。
【請求項35】
前記容器は、噴霧用量を投与するようになっている計量弁を含む、請求項29から34のいずれか一項に記載の薬物製品。
【請求項36】
前記星形歯車に係合する1つまたは複数のドラム上に数字を表示するようになっている窓をさらに含む、請求項29から35のいずれか一項に記載の薬物製品。
【請求項37】
前記作動表示組立体は、接着剤、溶接された収縮スリーブ、ヒート・フォーム、クリンプ、超音波溶接、Oリング・エラストマ、または割りリング・カラーによって前記容器に固定される、請求項29から36のいずれか一項に記載の薬物製品。
【請求項38】
前記作動表示組立体は、容器に永続的に固定される、請求項29から37のいずれか一項に記載の薬物製品。
【請求項39】
前記薬剤は、ベクロメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタソン、トリアムシノロン、ノスカピン、アルブテロール、サルメテロール、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、フォルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、テルブタリン、チオトロピウム、イプラトロピウム、フェニレフリン、フェニルプロパノルアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、イソエタリン、ツロブテロール、(-)-4-アミノ-3, 5-ジクロロ-α-{{{6-{2-(2-ピリジニル)エトキシ}ヘキシル}メチル}ベンゼンメタノール、それらのエステル、溶媒和物、および塩、ならびにそれらの組合せから成る群から選択される、請求項29から38のいずれか一項に記載の薬物製品。
【請求項40】
前記薬剤は硫酸アルブテロールである、請求項39に記載の薬物製品。
【請求項41】
前記薬剤はキシナホ酸サルメテロールである、請求項39に記載の薬物製品。
【請求項42】
前記薬剤はプロピオン酸フルチカゾンである、請求項39に記載の薬物製品。
【請求項43】
前記薬剤は二プロピオン酸ベクロメタゾンである、請求項39に記載の薬物製品。
【請求項44】
前記薬剤はキシナホ酸サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの組合せである、請求項39に記載の薬物製品。
【請求項45】
前記薬剤は、キシナホ酸サルメテロールおよびイプラトロピウムの塩、エステル、または溶媒和物である、請求項39に記載の薬物製品。
【請求項46】
前記ハウジングはポリプロピレンで構成される、請求項29から45のいずれか一項に記載の薬物製品。
【請求項47】
前記作動表示組立体の1つまたは複数の構成部材はポリプロピレンで構成される、請求項29から46のいずれか一項に記載の薬物製品。
【請求項48】
前記薬物製品は、1つまたは複数のドラムに係合するようになっている1つまたは複数のノック歯車をさらに含む、請求項29から47のいずれか一項に記載の薬物製品。
【請求項49】
第1のドラムと第2のドラムと第3のドラムと、第1のノック歯車と第2のノック歯車とからなる請求項48に記載の薬物製品。
【請求項50】
患者服薬遵守方法であって、
請求項29から49のいずれか一項に記載の薬剤製品を提供する行為と、薬物製剤を患者に投与する行為と、作動表示組立体で、容器内に残っている利用可能な用量の数を数える行為と、容器内に残っている利用可能な用量の数を患者に示す行為とを含む方法。
【請求項51】
前記容器は、40回まで作動できるように過剰充填される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記作動表示組立体は、カウントが000に達したときにロックされ、薬剤製品は、その後40回まで作動し続けることができる、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
噴霧剤および薬剤を含む薬物製剤を投与する薬物製品であって、ハウジングと、薬物製剤を収容し、出口部材を備えて、ハウジング内で作動できるようになっている容器と、容器に固定的に取り付けられた作動表示組立体と、からなり、該作動表示組立体は、柱を有する本体クレードルと、柱に係合し、かつ滑りクラッチに摩擦係合してラチェット手段を掴むようになっている滑りクラッチ手段を駆動する手段と、滑りクラッチ手段に係合するようになっている星形歯車を歯止めするつめ手段と、つめラチェット手段に係合するようになっている星形歯車と、星形歯車に係合するようになっている1つまたは複数のドラムと、からなり、固定的に取り付けられた容器および作動表示組立体をハウジングから単一のユニットとして反転可能に取り外すことができる薬物製品。
【請求項54】
薬物製品は、第1、第2、および第3のドラムを含み、第1のドラムを停止させる手段をさらに含む、請求項53に記載の薬物製品。
【請求項55】
第1および第2のドラムをノック・ロックする第1の手段と、第2および第3のドラムをノック・ロックする第2の手段とをさらに含む、請求項53または54に記載の薬物製品。
【請求項56】
さらに、000から999までのカウントを示すようになっており、さらに、カウントが000を示すときにドラムをロックするようになっている、請求項53、54、または55のいずれかに記載の薬物製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図14C】
image rotate

【図14D】
image rotate

【図14E】
image rotate

【図14F】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate

【図16C】
image rotate

【図16D】
image rotate

【図16E】
image rotate

【図16F】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2009−273899(P2009−273899A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−170126(P2009−170126)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【分割の表示】特願2004−514781(P2004−514781)の分割
【原出願日】平成15年6月19日(2003.6.19)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】