説明

投与量およびスラッジ濃度の自動調節が可能なスラッジ濃縮システムおよび装置

高濃度有機廃水の浄化工程の際、脱水機の前段で沈殿スラッジの濃度が変わる場合にも、スラッジを、脱水するに適した一定濃度に維持しながら脱水機内に投入することにより、スラッジの処理効率と脱水効率を向上させ、凝集剤の投与量を節減することができるスラッジ濃縮工程および装置を開示する。本発明によると、高濃度有機廃水の浄化工程時、凝集混和槽内に濃縮脱離液自動排出装置を配設することにより、凝集混和槽でスラッジを凝集剤で凝集、撹拌させて形成したフロックから、水を凝集混和槽から直接排除させ、排除された水の量を調節して、脱水機に投入されるフロックの濃度を均一に維持させることにより、脱水機の安定的な運転を図る。また、凝集混和槽内に取り付けられる濃縮脱離液自動排出装置から排除された水の濃度を測定して、凝集混和槽に投入される凝集剤の量を自動に調節することにより、脱水効率を向上させ、スラッジ処理の利便性を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明のスラッジ濃縮工程および装置に係り、より詳しくは、スラッジの処理時、脱水機の前段で、凝集混和槽内に、スラッジから脱離液を自動に排出するための自動排出装置を配設することで、沈殿スラッジの濃度が変わる場合にも、スラッジを、脱水するのに適した一定濃度に維持しながら脱水機内に投入することにより、スラッジの処理効率と脱水効率を向上させ、凝集剤の投与量を節減することができ、人力節減が可能なスラッジ濃縮工程および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】

最近、廃水の量が急激に増加するにしたがい、廃水による環境汚染が深刻な問題になってきたことにより、産業廃水を効果的に処理するための多様な努力が注がれている。
一般に、物理/化学的廃水処理技術は、重金属に汚染された高濃度の産業廃水処理に使用され、各種薬品または高分子凝集剤などで水から分離し、この際に生成された重金属含有スラッジを各種の脱水装置で脱水した後、スラッジのケーキは乾燥させて埋め立てるか焼却され、一方、スラッジから分離された脱離液は生物学的処理技術と物理/化学的処理技術を用いて処理される。
【0003】
一方、生物学的処理方法の代表的な施設である下水処理場の場合、下水処理場に流入される下水のBOD濃度が生活水準の向上につれて高くなり、スラッジ中に占めている微生物の濃度が高くなって、スラッジの沈殿性が低下する問題が発生している。また、雨水と汚水が同時に流入される既存の管を、雨水と汚水が分離されて流入される管渠で交替工事を行っているため、スラッジ中に占めている無機性固形物の濃度が減少して沈殿性が低下する問題が発生している。その結果、既存の設置されて稼動されている下水処理場において、スラッジの濃度低下により、脱水機の性能低下および消化槽(スラッジ減量化装置)の性能低下が発生している。
【0004】
図12には、従来技術によるスラッジ濃縮システムの構成が概略的に示されている。
図12に示すように、沈殿池11で固体と液体の比重差により分離された上澄液は越流されて放流され、沈殿した固形物は、第1ポンプ21のポンピング作用により、第1移送管31を介してスラッジ貯留槽12に移送される。この際、スラッジ貯留槽12に移送された沈殿固形物は、水温、スラッジ濃度、季節、引抜回数などによって、濃度の変化が激しい。
【0005】
スラッジ貯留槽12に貯留されたスラッジは、第2ポンプ22のポンピング作用により、第2移送管32を介して凝集混和槽13に移送される。これとは別に、スラッジから水を分離させるために投与される凝集剤が、凝集剤溶解槽14で第1撹拌装置41により溶解された後、第3ポンプ23のポンピング作用により、第3移送管33を介して凝集混和槽13に移送される。凝集混和槽13に移送されたスラッジと凝集剤は第2撹拌装置42により撹拌混合され、その結果としてフロックが形成される。こうして形成されたフロックは第4移送管34を介して脱水機15に移送されて脱水される。この際、脱水機15の安定的な運転および自動化のため、脱水機15に流入されるフロック化したスラッジに、凝集混和槽13で、できるだけ一定の濃度および水分を持たせ、固形物がよく分離された状態にすることが必要である。
【0006】
しかし、凝集混和槽13に移送されたスラッジに適した凝集剤の投与量は、スラッジの濃度、温度、季節による沈殿したスラッジの粒径変化、微生物沈殿の場合は微生物の活性状態、貯留槽での貯留時間、および貯留状態など、いろいろの変数のため、適切な調節が難しいのが実情である。また、沈殿されたスラッジを沈殿池11から引き出す引抜回数、季節による沈殿池11の状態変化など、いろいろの理由により、スラッジ貯留槽12に移送されるスラッジの濃度が変わり、これにより、凝集混和槽13でフロック化されて脱水機15に投入されるスラッジの濃度変幅が激しくて、脱水機15の性能低下および適切な管理の困難をもたらした。
【0007】
図13には、従来技術による他のスラッジ処理システムの構成が概略的に示されている。
図13に示すように、沈殿池51で沈殿したスラッジは、第1ポンプ61のポンピング作用により、第1移送管71を介して遠心濃縮機52に移送される。遠心濃縮機52ではスラッジを一定の濃度に濃縮させ、このように濃縮されたスラッジは、第2ポンプ62のポンピング作用により、第2移送管72を介してスラッジ貯留槽53に移送される。
【0008】
スラッジ貯留槽53から排出されたスラッジは、第3ポンプ43のポンピング作用により、第3移送管73を介して、凝集混和槽37に移送される。この際、第3移送管73の中間には、スラッジの濃度を計測するための濃度計57が取り付けられる。
【0009】
これとは別に、凝集剤溶解槽54で第1撹拌装置81により溶解された凝集剤の一部は、第4ポンプ64のポンピング作用により、第4移送管75を介して凝集混和槽55に移送される。この際、移送される薬品は、濃度計57でスラッジの濃度を計測して、スラッジ濃度に応じてフィードバック制御方式で薬品移送量を制御する。凝集混和槽55に移送されたスラッジと凝集剤は第2撹拌装置82により撹拌混合されてフロックを形成し、このように形成されたフロックは第6移送管を介して脱水機56に移送されて脱水される。ところで、沈殿池51から第1移送管71を介して移送されたスラッジを遠心濃縮機53で濃縮するとき、沈殿池51で沈殿されたスラッジの濃度と沈殿特性によって遠心力を用いて濃縮を行うため、濃縮される濃度の変幅が大きく、さらに所望の濃縮濃度に設定して濃縮することができない。また、凝集混和槽55に投入される薬品が濃度計57で計測したスラッジの濃度にのみ相関関係を有し、前述したようないろいろの媒介変数によって可変的である。したがって、濃度計57が取り付けられているが、実効性がなくて現実的に適用し難い問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上に言及したような種々の理由で凝集混和槽への適正薬品の自動投入が難しく、凝集混和槽から脱水機に投入される固形物の濃度変動により、脱水機の適切な運転管理が難しいため、スラッジ処理系統が運営者の感覚に依存して運営されている実情である。その結果、薬品の使い過ぎ、脱水機の不適切な管理、固形物管理の不適切などのいろいろな問題が発生している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、本発明の第1目的は、スラッジの濃縮工程時、脱水機の前段で沈殿スラッジの濃度が変わる場合にも、スラッジを、脱水するのに適した一定濃度に維持しながら脱水機内に投入することにより、スラッジの処理効率と脱水効率を向上させ、凝集剤の投与量を節減することができる、スラッジ濃縮工程および装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第2目的は、スラッジの濃縮工程時、脱水機の前段で、凝集混和槽内に
、スラッジから排除された水の自動排出装置を配設することで、沈殿スラッジの濃度が変わる場合にも、スラッジを、脱水するのに適した一定濃度に維持しながら脱水機内に投入することにより、スラッジの処理効率と脱水効率を向上させ、凝集剤の投与量を節減することができるスラッジ濃縮工程および装置を提供することにある。
【0013】
前記のような第1目的を達成するため、本発明は、沈殿池、スラッジ貯留槽、凝集剤溶解槽、凝集混和槽、脱水機の順に配列し、前記沈殿池で沈殿された固形物は前記スラッジ貯留槽に移送させされ、前記スラッジ貯留槽に貯留されたスラッジは前記凝集混和槽内に流入させされ、前記凝集剤溶解槽から前記凝集混和槽内に凝集剤を投与し、前記凝集混和槽内に移送されたスラッジと凝集剤を前記凝集混和槽内で撹拌、混合させてフロックおよび脱離液を形成し、このように形成されたフロックを脱水機に移送させて脱水するスラッジ濃縮工程において、
前記凝集混和槽内でフロックおよび脱離液を、所望水準の排出量を調節するとともに濃度を維持させながら、前記凝集混和槽から延長されたドレインを介して、前記凝集混和槽から前記沈殿池に搬送させながら繰り返して運転することを特徴とするスラッジ濃縮工程を提供する。
【0014】
前記ドレインの中間に取り付けられた第2濃度計と第2流量計により測定される脱離液の濃度と流量に基づき、前記ドレインの中間に取り付けられたバルブの開閉動作を制御して、前記凝集混和槽から前記ドレインを介して排出される脱離液を調節するとともに、前記凝集剤溶解槽から前記凝集混和槽に投入される凝集剤の含量を調節して、最終には前記脱水機に供給されるスラッジの濃度を調節する。
【0015】
前記ドレインを介して排出されて廃水処理場流入部に搬送される水の量を一定に維持する状態で、前記スラッジ貯留槽と前記凝集混和槽との間のスラッジ移送管に取り付けられたポンプのポンピング動作を制御して、前記スラッジ貯留槽から前記凝集混和槽に投入されるスラッジの量を調節する。
【0016】
前記のような第1目的を達成するため、本発明は、沈殿池、スラッジ貯留槽、凝集剤溶解槽、凝集混和槽、および脱水機を含み、前記沈殿池と前記スラッジ貯留槽との間には第1移送管が延長され、前記スラッジ貯留槽と前記スラッジ貯留槽との間には第2移送管が延長され、前記第2移送管の中間には第2ポンプと第1濃度計が配設され、前記凝集剤溶解槽と前記凝集混和槽との間には第4移送管が延長され、前記凝集混和槽と前記脱水機との間には第5移送管が延長され、前記第2移送管の中間には第1濃度計が配設されたスラッジ濃縮装置において、
前記凝集混和槽内には、前記スラッジ貯留槽と前記凝集剤溶解槽から前記凝集混和槽に移送されたスラッジと凝集剤を撹拌、混合してフロックを形成し、このように形成されたフロックを前記脱水機側に排出させ、凝集されたフロックから水を排除させて外部に排出するための濃縮脱離液自動排出装置が設けられることを特徴とする、スラッジ濃縮装置を提供する。
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、スラッジ処理工程時、脱水機の前段で、凝集混和槽内に、濃縮脱離液自動排出装置を配設することで、凝集混和槽でスラッジを凝集剤で凝集撹拌させて形成されたフロックと脱離液のなかで、脱離液を凝集混和槽から直接排除させ、排除された脱離液の量を調節して、脱水機に投入されるフロックの濃度を均一に維持させることにより、脱水機の安定的運転を図る。
【発明を実施するための最良の様態】
【0018】
以下、添付素面に基づいて本発明の好ましい実施形態によるスラッジ濃縮装置について詳細に説明する。
図1には、本発明の好ましい実施形態によるスラッジ濃縮装置の構成が概略的に示されている。
【0019】
図1に示すように、本発明の好ましい実施形態によるスラッジ処理施設100の沈殿池111で固体と液体の比重差により分離された上澄液は越流されて放流され、沈殿された固形物は、第1ポンプ121のポンピング作用により、第1移送管131を介してスラッジ貯留槽112に移送される。スラッジ貯留槽112に貯留されたスラッジは、第2ポンプ122のポンピング作用により、第2移送管132を介して、凝集混和槽113に移送される。この際、第2移送管132の中間には第1濃度計157と第1流量計158が取り付けられる。スラッジを最終に脱水機115に投入する前、脱水機会社で提示する適当な濃度および流量を維持させるために、濃度計157と流量計158は、凝集混和槽113内に投入されるスラッジの濃度および流量をそれぞれ計測する。
【0020】
これとは別に、スラッジから水を分離させるために投与される凝集剤が凝集剤溶解槽114で第1撹拌装置141により溶解された後、第3ポンプ123のポンピング作用により、第3移送管133を介して凝集混和槽113に移送される。この際、移送される薬品の量は、第2濃度計175で計測しフィードバックでインターロック(interlock)させてポンプの回転数を調節することにより、調節する。
【0021】
凝集混和槽113に移送されたスラッジと凝集剤は、撹拌器が取り付けられた濃縮脱離液自動排出装置(参照符号省略)により攪拌混合され、その結果として、フロックと脱離液が形成される。このように形成されたフロックは第5移送管135を介して脱水機115に移送されて脱水される。
【0022】
この際、脱水機115の安定的な運転および自動化のため、脱水機115に流入されるフロック化したスラッジに、凝集混和槽113で、できるだけ、一定の濃度および水分を持たせ、固形物がよく分離された状態に作ることが必要である。
【0023】
このため、本発明の好ましい実施形態においては、凝集混和槽113内に、薬品の自動供給およびスラッジの一定濃度維持が可能な濃縮脱離液自動排出装置を配設する。
図2および図3には、凝集混和槽113内に設けられる本発明の好ましい第1実施例による濃縮脱離液自動排出装置160の構成が示されている。
【0024】
図2および図3に示すように、本発明の好ましい第1実施形態によるスラッジ排除水自動排出装置160は、角部を一定の曲率半径に加工した四角柱状または円筒状の外部ケーシング161を備えている。外部ケーシング161の上側には、スラッジと凝集剤が攪拌混合されて形成されたフロックを外部に排出させるためのフロック排出管162aが一定長さだけ外部に延設される。
【0025】
内部にスラッジと凝集剤の混合空間である第1空間S1を限定する外部ケーシング161の底部には、外部、つまりスラッジ貯留槽112からスラッジを外部ケーシング161の第1空間S1内に導入するためのスラッジ流入管163が一定長さだけ外部に延設される。スラッジ流入管163は、スラッジ貯留槽112から延長された第2移送管132と連通する。また、外部ケーシング161の底部において、スラッジ流入管163の隣接位置には、凝集剤流入管164が一定長さだけ外部に延設される。凝集剤流入管164は、凝集剤溶解槽114から延設された第4移送管134と連通する。
【0026】
一方、外部ケーシング161の内部中央には、モータに連結された主軸165が縦方向に配設され、外部ケーシング161の上側外部には、主軸165を回転駆動させるための駆動モータ166が配設される。この際、駆動モータ166は外部ケーシング161の上
部壁(図示せず)の中央位置に固定され、外部の電気供給源(図示せず)から動力を受けて作動する。
【0027】
主軸165は外部ケーシング161の内部を垂直方向に横切って延長される。この際、主軸165の周囲には、パドルタイプの攪拌器168が配設される。攪拌器168は、外部ケーシング161内で主軸165に平行な方向、つまり外部ケーシング161の縦方向に延長される垂直ロッド168a、およびこれを支持するため、垂直ロッド168aの上端間に延長され主軸165に固定された水平ロッド168bとからなる。撹拌器168は、水平ロッド168bの中間部が主軸165に一体的に固定されているので、主軸165が回転すると、主軸165と同一回転方向にともに回転する。撹拌器168は、主軸165の回転作動の際、ともに回転して第1空間S1内のスラッジと凝集材を凝集撹拌させる作用をする。
【0028】
一方、撹拌器168の半径方向内側の主軸165には回転バー169が一体的に装着される。回転バー169はパドルタイプ撹拌器168と類似した構成を有する。詳細に説明すると、回転バー169は、主軸165に対して平行方向、つまり外部ケーシング161の縦方向に延長された垂直ロッド169a、およびこれを支持するため、垂直ロッド169aの上部と下部からそれぞれ水平に延長されて主軸165に固定された水平ロッド169bからなる。回転バー169は、水平ロッド169bの内側端部が主軸165に固定されているので、主軸165が回転すると、主軸165と同一回転方向に回転する。
【0029】
主軸165に内側端部が固定された回転バー169の水平ロッド169bの内側の主軸165の周囲には、上部板181、可動円板167bおよび固定円板167aが積層配置され、回転バー169の下側の主軸165の周囲には、円筒体形状の下部支持構造物182が配設される。この際、一体的に結合された上部板181、可動円板167bおよび固定円板167a、下部支持構造物182は一定の隙間Gを有するスクリーン状の円筒構造物180を形成し、内部には排水空間である第2空間S2が限定される。
【0030】
駆動モータ166から延長された主軸165は、上部板181の中央に穿設された上部板貫通孔183を介して環状の可動円板167bおよび固定円板167aを通過し、下部支持構造物182内に延長される。この際、可動円板167bと固定円板167aは垂直方向に交互に配置され、これらの間に配置された多数のスペーサ167fにより互いに離隔され、その結果として、これらの間に隙間Gが形成される。
【0031】
固定円板167aの半径方向内側には多数の締結突起167cが突設され、この締結突起167cの中央にはピン挿入孔167dが形成される。固定円板167aと可動円板167bとの間には多数の環状スペーサ167fが配置され、これらにより、固定円板167aと可動円板167bは互いに一定距離だけ離隔される。
【0032】
固定円板167aと可動円板167bは、上部板181のピン貫通孔(参照符号省略)、固定円板167aのピン挿入孔167d、およびスペーサ167fを貫通する多数の締結ピン167gおよび締結ナット167hにより一体的に結合される。
【0033】
凝集混和槽113内にスラッジと凝集剤が投入された状態で、主軸165が回転すると、可動円板167bはスペーサ167fにより固定円板167aから一定の隙間を維持している円形スクリーン構造物となり、可動円板167bの外径が固定円板167aの外径より大きく、回転バー169の回転半径が固定円板の外径と同じようにして回転バーを回転させると、固定円板167aに対して可動円板167bが回転方向に揺動することになる。
【0034】
一方、下部支持構造物182の側壁には、排水管162bが一定長さだけ外部に延長して形成される。排水管162bは下部支持構造物182の側壁から延長され、混合空間および外部ケーシング161を通過して外部に突出され、凝集混和槽113の下部に配設されたドレイン136に連通する。
【0035】
以下では、前述したように構成された本発明の好ましい第1実施例による濃縮脱離液自動放出装置160を備えたスラッジ濃縮装置の作動過程について、添付図面を参照して説明する。
【0036】
まず、沈殿池111で沈殿された固形物は、第1ポンプ121のポンピング作用により、第1移送管131を介してスラッジ貯留槽112に移送される。スラッジ貯留槽112に貯留されたスラッジは、第2ポンプ122のポンピング作用により、第2移送管132を介して凝集混和槽113に移送される。
【0037】
これとは別に、水からスラッジを分離させるために投与される凝集剤が凝集剤溶解槽114で溶解された後、第3ポンプ123のポンピング作用により、第4移送管134を介して凝集混和槽113に移送される。
【0038】
凝集混和槽113に移送されたスラッジと凝集剤は濃縮脱離液自動排出装置160に撹拌混合され、その結果として、フロックおよび脱離液が形成される。この際、脱水機115の安定的な運転および自動化のため、本発明の好ましい第1実施形態による濃縮脱離液自動排出装置160により、スラッジの濃度を一定に維持させる。
【0039】
濃縮脱離液自動排出装置160内での動作を説明すると、スラッジ流入管163と凝集剤流入管164を介して凝集混和槽113の内部、すなわち濃縮脱離液自動排出装置160の外部ケーシング161内に流入されたスラッジおよび凝集剤は、駆動モータ166により主軸165が回転されることにより、主軸165を中心に回転運動する撹拌器168により、第1空間S1の下層部から凝集、撹拌されながら混合空間の上層部に徐々に移動される。
【0040】
主軸165が回転するにしたがい、第1空間S1の下層部から上層部に徐々に移動しながら固定円板167aおよび可動円板167bの半径方向外面上に付くフロックは回転バー169の垂直ロッド169aにより離脱され、主軸165とともに回転する回転バー169の垂直ロッド169aが固定円板167aの半径方向外面と接触することにより、固定円板167aに対して可動円板167bが回転方向に揺動作用することにより、固定円板と可動円板との間の隙間Gを詰める微細フロックを自動にクリーニングする。これにより、隙間Gの詰まり現象が発生しなく、円滑な脱離液の排除が可能になる。凝集混和槽の脱離液は隙間Gを介して第2空間S2内に流入されてから落下し、下部支持構造物182の排水口162bを介して外部ケーシング161の外部に排出された後、ドレイン136を介して廃水流入水として自然流下する。
【0041】
この際、凝集状態のフロックは、凝集混和槽113から流入されたスラッジの性状と薬品の滴定性があれば、大部分の固形物が1mm以上の大きさのフロックに形成され、この際、脱離液の濃度はほぼ一定のSS濃度を有する。
【0042】
図4および図5には、凝集混和槽113内に取り付けられる本発明の好ましい第2実施形態による濃縮脱離液自動排出装置260の構成が示されている。
本発明の好ましい第2実施形態による濃縮脱離液自動排出装置260は、スクリーン状の構造物280の一部構成を除き、図2および図3に基づいて説明した本発明の好ましい第1実施形態による濃縮脱離液自動排出装置160の構成と同一である。したがって、同
一の構成および参照符号についての説明は省略する。
【0043】
図4および図5に示すように、本発明の好ましい第2実施形態による濃縮脱離液自動排出装置260の円形スクリーン構造物280において、固定円板267aの半径方向内側には多数の締結突起267cが突設され、締結突起267cの中央にはピン挿入孔267eが形成される。可動円板267bの半径方向外面の一側には環状の突出部267eが形成される。固定円板267aと可動円板267bとの間には多数の環状スペーサ267fが配設され、これにより、固定円板267aと可動円板267bは互いに一定距離だけ離隔される。
【0044】
固定円板267aと可動円板267bは、上部板281のピン貫通孔(参照符号省略)、固定円板267aのピン挿入孔267d、およびスペーサ267fを貫通する多数の締結ピン267gおよび締結ナット267hにより一体的に結合される。この際、本発明の好ましい第2実施形態による回転バー269の垂直ロッド269aが可動円板267bの環状突出部267eに挿入されるように配置される。これにより、可動円板267bは、主軸265の回転時、主軸265とともに回転する回転バー269の垂直ロッド269aに従属して運動する。この際、固定円板267aと可動円板267bの内径および外径は同一長に製作される。
【0045】
凝集混和槽113内にスラッジと凝集剤が投入された状態で主軸265が回転すると、可動円板267bはスペーサ267fにより固定円板267aから一定の間隔を維持し、回転バーが、主軸265の回転方向に、可動円板267bを固定円板267aに対して回転させることにより、微細フロックが隙間Gを詰めることを防止するように、自動クリーニングを行う。
【0046】
前述したように構成された本発明の好ましい第2実施形態による濃縮脱離液自動排出装置260を備えたスラッジ濃縮装置の作動過程は、前述したような本発明の好ましい第1実施形態とほぼ同一である。
【0047】
したがって、変形された可動円板267bに重点を置いて濃縮脱離液自動排出装置260内での動作を説明すると、駆動モータ266により主軸265が回転駆動するにしたがい、主軸265を中心に回転運動するパドル268により、スラッジと凝集剤は第1空間S1の下部層から凝集撹拌されながらフロックと脱離液状態で第1空間S1の上層部に徐々に移動する。
【0048】
可動円板267bは、可動円板267bの突出部267eを通過するように配設された回転バー269の垂直ロッド269aに従属して、垂直ロッド269aとともに主軸265を中心に回転する。これにより、固定円板267aと可動円板267bの半径方向外面上に付くフロックは、主軸265とともに回転する回転バー269の垂直ロッド269aが固定円板267aの半径方向外面と接触したままで回転することにより、円形スクリーン構造物280の隙間Gを介して第2空間S2内に流入されることが防止される。
【0049】
また、回転バーに連結されて回転する可動円板267bが固定円板267aに対して円周方向に移動することにより、微細フロックが隙間Gを詰めることを防止するように自動クリーニングを行う。
【0050】
第1空間S1でスラッジが凝集された状態であるフロックはフロック排出管262aを介して排出され、脱離液は隙間Gを介して第2空間S2内に流入されてから落下し、下部支持構造物282の排水口262bを介して外部ケーシング261の外部に排出された後、ドレイン136を介して廃水流入水として自然流下する。
【0051】
図6および図7には、凝集混和槽113内に取り付けられる本発明の好ましい第3実施形態による濃縮脱離液自動排出装置360の構成が示されている。
本発明の好ましい第3実施形態による濃縮脱離液自動排出装置360を説明するに当たって、図2および図3に基づいて説明した本発明の好ましい第1実施形態による濃縮脱離液自動排出装置160の構成と同一の構成および参照符号についての説明は省略する。
【0052】
図6および図7に示すように、本発明の好ましい第3実施形態による濃縮脱離液自動排出装置360の外部ケーシング361は第1空間S1を限定し、外部ケーシング361の上側には、スラッジと凝集剤が撹拌混合されてなったフロックを外部に排出させるためのフロック排出管362aが一定長さだけ外部に延設されている。
【0053】
濃縮脱離液自動排出装置360の外部ケーシング361の内部中央には主軸365が縦方向に配設され、主軸365の半径方向外面上には螺旋状のブレード365aが一体に装着される。
【0054】
ブレード365aを有する主軸365の周囲には、上部が開放された上部支持構造物381、多数の可動円板367bおよび固定円板367a、円筒体状の下部支持構造物382が配設される。この際、一体に結合された上部支持構造物381、多数の可動円板367bおよび固定円板367aが積層されて一定の間隔を有するスクリーン状の構造物と、下部支持構造物382は濃縮脱離液自動排出装置380を形成し、スラッジ排除構造物380の内部には第2空間S2が限定される。
【0055】
固定円板367aの半径方向外面の一側には環状の突出部367eが形成される。固定円板367aは、環状の突出部367eに挿入される締結ロッド370により一体に結合される。この際、固定円板367aと可動円板367bとの間には環状のスペーサ367fが配設され、これにより、固定円板367aと可動円板367bは互いに一定距離だけ離隔して一定間隔の隙間Gが形成される。この際、可動円板367bは固定円板367aの間に自由な状態で配設される。
【0056】
また、可動円板367bの内径が固定円板367aの内径より小さく製作されると、凝集混和槽113内にスラッジと凝集剤が投入された状態で主軸365が回転する場合、ブレード形状を有する軸365の回転および撹拌作用により、第2空間S2でフロックおよび脱離液の状態で上部に移動する。この際、可動円板367aの直径をブレードの直径より小さくして回転駆動させると、可動円板367aが固定円板367bに対して回転して、隙間Gに異物が詰まらないように自動クリーニングを行うことにより、脱離液が隙間Gを介してよく排出されるようにする。
【0057】
上部支持構造物381の側壁には、排水管362bが一定長さだけ外部に延長される。排水管362bは上部支持構造物381の側壁から延長され第1空間S1を横切った後、外部ケーシング361を通過して外部に突出し、凝集混和槽113の下部に配置されたドレイン136に連通する。
【0058】
一方、下部支持構造物382の底部には、外部、つまりスラッジ貯留槽112からスラッジを濃縮脱離液自動排出装置380の第2空間S2内に導入するためのスラッジ流入管363が一定長さだけ外部に延設される。スラッジ流入管363は外部ケーシング361の底部を通過してから外部に延長され、続いて、凝集剤溶解槽114から延長された第4移送管134に連通する。
【0059】
このように構成された本発明の好ましい第3実施形態による濃縮脱離液自動排出装置3
60を備えたスラッジ濃縮装置の作動過程について説明する。
一定の隙間Gを有するスクリーン状の構造物380に重点を置いて濃縮脱離液自動排出装置360内での動作を説明すると、スラッジ流入管363と凝集剤流入管364を介して濃縮脱離液自動排出装置380の内部、つまり第2空間S2内に流入されたスラッジおよび凝集剤は、駆動モータ366により主軸365が回転駆動されるにしたがい、主軸365のブレード365aにより、第2空間S2の下層部から凝集撹拌されながら第2空間S2の上層部に徐々に移動する。
【0060】
この際、第2空間でスラッジと凝集剤が作用して形成されたフロックおよび脱離液は、主軸365の螺旋状ブレード365aの回転および撹拌作用により、第2空間S2の下層部から上層部に移動した後、水は外部隙間Gを介して第1空間S1に排出され、フロックは上部支持構造物381のフロック排出管362bを介して外部に排出される。
【0061】
図8および図9には、凝集混和槽113内に取り付けられる本発明の好ましい第4実施例による濃縮脱離液自動排出装置460の構成が示されている。
図8および図9に示すように、本発明の好ましい第4実施形態によるスラッジ排除水自動排出装置460は、スクリーン状の構造物480の一部構成を除き、図6および図7に基づいて説明した本発明の好ましい第3実施例による濃縮脱離液自動排出装置360の構成と同一である。したがって、同一の構成および参照符号についての説明は省略する。
【0062】
本発明の好ましい第4実施例による濃縮脱離液自動排出装置460の外部ケーシング461の内部中央には主軸465が配設され、主軸465の半径方向外面上には螺旋状のブレード465aが一体に装着される。
【0063】
ブレード465aを有する主軸465の周囲には、上部の開放された上部支持構造物481、多数の可動円板467bおよび固定円板467a、円筒体状の下部支持構造物482が配設される。この際、一体に結合された上部支持構造物481、可動円板467bおよび固定円板467b、下部支持構造物482は一定の隙間Gを有するスクリーン状の構造物480を形成し、内部には排水空間S2が限定される。
【0064】
一方、スクリーン状の構造物480の半径方向内側の主軸465にはスラッジ回転バー469が一体に装着される。回転バー469は、本発明の好ましい第1実施形態による回転バー169と同一構成を有する。詳細に説明すると、主軸465に平行な方向、つまり垂直方向に延長された垂直ロッド469a、およびこれを支持するため、垂直ロッド469aの上部と下部からそれぞれ水平に延長されて主軸465に固定された水平ロッド469bからなる。回転バー469は、水平ロッド469bの内側端部が主軸465に固定されているので、主軸465が回転すると、主軸465と同一回転方向にともに回転する。
【0065】
固定円板467aの外面一側には環状の突出部467eが形成される。固定円板467aは、環状の突出部467eに挿入される締結ロッド470により、一体に結合され、固定円板467aと可動円板467bとの間には多数の環状スペーサ467fが配設され、これにより、固定円板467aと可動円板467bは互いに一定の距離だけ離隔されるので、その間に一定間隔の隙間Gが形成される。この際、可動円板467bは固定円板467aの間に自由な状態で配置される。上部支持構造物481、可動円板467bおよび固定円板467a、下部支持構造物482が一体に結合された状態で、回転バー469の垂直ロッド469aはこれらの内面に位置することになる。
【0066】
凝集混和槽113内にスラッジと凝集剤が投入された状態で、主軸465が回転すると、可動円板467bは、スペーサ467fにより、固定円板467aから一定間隔を維持しており、主軸465の回転時、回転バーの垂直ロッド469aにより、可動円板467
bが固定円板467aに対して回転、揺動することになる。
【0067】
このように構成された本発明の好ましい第4実施形態による濃縮脱離液自動排出装置460を備えたスラッジ濃縮装置の作動過程について説明する。
一定の隙間Gを有するスクリーン状の構造物480に重点を置いて濃縮脱離液自動排出装置460内での動作を説明すると、スラッジ流入管463と凝集剤流入管464を介してスクリーン状の排除構造物480の内部、つまり第2空間S2内に流入されたスラッジおよび凝集剤は、駆動モータ466により主軸465が回転、撹拌することにより、フロックと脱離液に区分され、ブレード465aにより第2空間S2の下層部から凝集、撹拌され、フロックは第2空間S2の上層部に徐々に移動して上部支持構造物481のフロック排出管462bを介して外部に排出され、脱離液は外部隙間Gを介して第1空間S1に流入される。
【0068】
固定円板467aの突出部467eを通過して配置された締結ロッド470により一体に結合された固定円板467aの間に可動円板467bが一定の間隔を置いて支持されるので、脱離液は固定円板467aと可動円板467bとの間に形成された隙間Gを介して外部に排出される。
【0069】
この際、主軸465とともに回転する回転バー469の垂直ロッド469aが固定円板467aおよび可動円板467bの半径方向内面と接触し、締結ロッド470の半径方向外面が可動円板467bの半径方向外面と接触したままでフロックを掻き落とすので、可動円板467bと固定円板467aとの間に形成された隙間Gがスラッジおよび凝集剤の混合物により詰まることを効率よく防止する。また、脱離液はスラッジ排除構造物480の隙間Gを介して第1空間S1の内部に円滑に流入される。第1空間S1内に流入された凝集状態のスラッジは外部ケーシング461の下部に配設されたフロック排出管462aを介して排出される。
【0070】
図10および図11には、凝集混和槽113内に取り付けられる本発明の第5実施例による濃縮脱離液自動排出装置560の構成が示されている。
図10および図11に示すように、本発明の好ましい第5実施形態による濃縮脱離液自動排出装置560は、スクリーン状の構造物580の一部構成を除き、図8および図9に基づいて説明した本発明の好ましい第4実施例による濃縮脱離液自動排出装置460の構成と同一である。したがって、同一の構成および参照符号についての説明は省略する。
【0071】
本発明の好ましい第5実施例による濃縮脱離液自動排出装置560の外部ケーシング561の内部中央には主軸565が配設され、主軸565の半径方向外面上には螺旋状のブレード565aが一体に装着される。
【0072】
ブレード565aを有する主軸565の周囲には、上下部の開放された上部支持構造物581、多数の可動円板567bおよび固定円板567a、円筒体状の下部支持構造物582が配設される。この際、一体に結合された上部支持構造物581、可動円板567bおよび固定円板567b、下部支持構造物582はスクリーン状の構造物580を形成し、内部には排水空間S2が限定される。
【0073】
一方、スラッジ排除構造物580の半径方向内側の主軸565には回転バー569が一体に装着される。回転バー569は、本発明の好ましい第2実施形態による回転バー569と同一構成を有する。詳細に説明すると、主軸565に平行な方向、つまり垂直方向に延長された垂直ロッド569a、およびこれを支持するため、垂直ロッド569aの上部と下部からそれぞれ水平に延長されて主軸565に固定された水平ロッド569bからなる。回転バー569は、水平ロッド569bの内側端部が主軸565に固定されているの
で、主軸565が回転すると、主軸565と同一回転方向にともに回転する。
【0074】
固定円板567aの外面一側には環状の突出部567eが形成される。固定円板567aは、環状の突出部567eに挿入される締結ロッド570により、一体に結合され、固定円板567aと可動円板567bとの間には多数の環状スペーサ567fが配設され、これにより、固定円板567aと可動円板467bは互いに一定の距離だけ離隔されるので、その間に一定間隔の隙間Gが形成される。
【0075】
可動円板567aの外面一側には環状の突出部567fが形成される。突出部567fの貫通孔には、回転バー569の垂直ロッド569aが挿入される。可動円板567bは環状の突出部567fに挿入される垂直ロッド569aにより一体に結合され、固定円板567aの間に回転の自由な状態で配置される。上部支持構造物581、可動円板567bおよび固定円板567a、下部支持構造物582が一体に結合された状態で、回転バー569の垂直ロッド569aはこれらの内面に位置することになる。
【0076】
この際、可動円板567bと固定円板567aの内径および外径は同一大きさに製作する。
凝集混和槽113内にスラッジと凝集剤が投入された状態で、スクリュー軸565が回転すると、可動円板567bは、スペーサ567fにより、固定円板567aから一定間隔を維持しているため、スクリュー軸565の回転方向に移動して、固定円板567aに対して回転する方式で揺動することになる。
【0077】
このように構成された本発明の好ましい第5実施形態による濃縮脱離液自動排出装置560を備えたスラッジ濃縮装置の作動過程について説明する。
一定の隙間Gを有するスクリーン状の構造物580に重点を置いて濃縮脱離液自動排出装置560内での動作を説明すると、スラッジ流入管563と凝集剤流入管564を介してスクリーン状の排除構造物580の内部、つまり第2空間S2内に流入されたスラッジおよび凝集剤は、駆動モータ566により主軸565が回転されることにより、主軸565のブレード565aにより第2空間S2の下層部から凝集、撹拌され、第2空間S2の上層部に徐々に移動する。
【0078】
この際、主軸のブレード565aによる凝集、撹拌により、第2空間S2でフロックと脱離液に区分され、フロックは主軸565のブレード565aにより第2空間S2の下層部から上層部に移動した後、上部支持構造物581のフロック排出管562bを介して外部に排出され、脱離液は濃縮脱離液自動排出装置560の外部隙間Gを介して第1空間S1に流入される。
【0079】
固定円板567aの突出部567eを通過して配置された締結ロッド570により一体に結合された固定円板567aの間に可動円板567bが一定の間隔を置いて支持されるので、脱離液は固定円板567aと可動円板567bとの間に形成された隙間Gを介して外部に排出される。
【0080】
この際、固定円板567aの突出部567eに挿入された締結ロッド570の半径方向外面が、スラッジ排除ロッド569の垂直ロッド569aにより円滑に回転する可動円板567bの半径方向外面と接触したままで表面からフロックを除去し、可動円板567bが固定円板567aに対して回転方向に揺動することにより隙間Gのフロックを自動に除去するので、フロックで隙間Gが詰まることが効率よく防止される。したがって、スラッジと凝集剤の混合物はスラッジ排除構造物580の隙間Gを介して第1空間S1の内部に円滑に流入される。第1空間S1内に流入された凝集状態のスラッジは外部ケーシング561の下部に配設されたフロック排出管562aを介して排出される。
【0081】
凝集混和槽113に投入されるスラッジの濃度を第1濃度計157で測定した結果、10,000mg/Lであり、第2ポンプ122のポンピング作用により5m/hrで定量的に移送されるように設定されたと仮定する。脱水機115がスラッジの濃度20,000mg/Lで50kg・ds/hr(2.5m/hr)程度投入されるスラッジを最適に脱水する場合、凝集混和槽113で凝集剤とスラッジを凝集、撹拌して、スラッジから分離される水を水排出装置160160により2.5m/hrの流量で排出させる。この際、排出される水の濃度は凝集混和槽113に投入されるスラッジの濃度と比較すると、無視できる程度である200〜300mg/Lで、元濃度に比べて小さいので、計算で無視すると、脱水機115に投入される濃度は、結果として、スラッジ濃度20,000mg/Lのスラッジを脱水機に供給することができる。
【0082】
また、一般に、凝集混和槽113に投入されるスラッジは定量ポンプにより投入されるので、その投入量は一定である。この際、流量は5mmと一定で濃度が変化して流入されると仮定し、その変化した濃度が、第1濃度計157の計測結果、15,000mg/Lに変化して投入されれば、脱水機115に投入されるスラッジの濃度を20,000mg/Lで投入するためには、水排出装置160で水を1.25m/hrの流量で除去するとき、脱水機115に投入されるスラッジは20,000mg/Lの濃度で50kg・ds/hr(2.5m/hr)程度で投入される。このような方式により、簡単にスラッジ排除溝自動排出装置160での水排除量を調節して、脱水機115に投入される濃度を所望の通りに調節することができる。また、排除される水量を一定にするとともに、凝集混和槽113にスラッジを移送する第2ポンプ122のポンピング動作を調節しても同一結果が得られる。
【0083】
一般に、凝集剤薬品の選定および投与量はスラッジの凝集反応テスト、すなわちJARテスタで決定するが、供給されたスラッジと凝集剤を凝集、撹拌した後、凝集されたフロック状態の脱離液排除形態が最適になった状態が最良のフロック状態である。すなわち、最低の含水率で脱水可能な状態であって、このときに排除された水の濃度が低い状態である。また、このときの粘性を測定し、この点を基準点にすると、この基準点が最適量の凝集剤が投入された状態粘性である。
【0084】
この基準点はJARテストにより決定するが、一般に比較的適当な凝集剤を適量スラッジに投入して排除する水SS濃度は、mm程度の隙間に排除すると、凝集されたフロックが殆ど通過されなくて、スラッジの濃度が高濃度または低濃度であるかにかかわらず、200mg/L〜300mg/L程度排出され、定量より少なく投入される場合は、排除される水の濃度が急激に高くなる。
【0085】
したがって、本発明の好ましい実施形態においては、凝集混和槽113に投入されるスラッジと凝集剤を凝集、撹拌、混合させ、凝集混和されたスラッジから分離される水を、スラッジから水自動排出装置160から排出される水の濃度基準点を決めておき、第2濃度計175で計測して、排除される水のSS濃度が排除される水のSS濃度基準点に接近するように、濃度計と凝集剤ポンプをフィードバックでインターロックさせて凝集剤を投入する。水のSS濃度が高い状態である場合は、凝集混和槽113に投入される凝集剤の量を増加させると、排除される水の濃度が基準点に近い状態に接近するので、このような状態設定されたSS濃度基準点に基づいて薬品を投入させる。また、この状態が変化して、凝集剤の投入量が少なくてもよい状態に凝集混和槽113にスラッジが流入されると、既存の凝集剤投入量は過量で投入された状態であるので、凝集反応に不要な凝集剤は排除される水に混合されて出る。この際、粘度測定器で測定すると、提示した基準点から高い方向に動くので、この信号を受けて、凝集剤を少なく投入しながら排除される水のSS濃度を測定し、基準点から誤差範囲を外れない上体で薬品を投入すると、スラッジ処理系統
の薬品自動装置を自動化することができる。
【0086】
前述しような本発明による凝集剤投与量とスラッジ濃度の自動調節が可能なスラッジ濃縮工程と装置においては、凝集混和槽でスラッジを凝集剤と凝集、撹拌させて形成したフロックから水を凝集混和槽から直接排除させ、排除させた脱離液量を調節して、脱水機に投入されるフロックの濃度を均一に維持させることにより、脱水機の安定的運転が可能である。
【0087】
また、凝集混和槽内に取り付けられる濃縮脱離液自動排出装置から排除される水の濃度を測定し、凝集混和槽に投入される凝集剤の量を自動に調節することにより、スラッジ処理においての便利性を増大させ、低濃度スラッジよりは高濃度スラッジに薬品が少なく投入されるので、薬品の節減も可能である。
【0088】
さらに、自動化により労働人力を節減することができ、従来には脱水機から排除させなければならなかった水を凝集混和槽から排除させることにより、脱水機の負荷減少を誘導することができ、これにより、脱水効率の向上を期待することができる。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施形態に基づいて説明したが、当該技術分野の熟練した当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から外れない範囲内で本発明を多様に修正および変更させることが可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の好ましい実施例によるスラッジ濃縮装置の構成図。
【図2】図1の凝集混和槽内に設けられる自動のスラッジ/水の分離排および排出装置の構成を概略的に示す図。
【図3】図2に示す自動のスラッジ/水の分離および排出装置の部分分解図。
【図4】図2と類似した図であって、凝集混和槽内に設けられる他の自動のスラッジ/水の分離および排出装置の構成を概略的に示す図。
【図5】図4に示す自動のスラッジ/水の分離および排出装置の部分分解図。
【図6】図1の凝集混和槽内に設けられる他の自動のスラッジ/水の分離および排出装置の構成を概略的に示す図。
【図7】図6に示す自動のスラッジ/水の分離および排出装置の部分分解図。
【図8】図6と類似した図であって、凝集混和槽内に設けられる他の自動のスラッジ/水の分離および排出装置の構成を概略的に示す図。
【図9】図8に示す自動のスラッジ/水の分離および排出装置の部分分解図。
【図10】図8と類似した図であって、凝集混和槽内に設けられるさらに他の自動のスラッジ/水の分離および排出装置の構成を概略的に示す図。
【図11】図10に示すスラッジ自動排出装置の部分分解図。
【図12】従来技術によるスラッジ濃縮システムのスラッジ処理構成図。
【図13】従来技術によるほかのスラッジ濃縮システムのスラッジ処理構成図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
沈殿池、スラッジ貯留槽、凝集剤溶解槽、凝集混和槽、および脱水機をこの順に配列して、スラッジ凝集を行う方法であって、
前記沈殿池中に沈殿された固形物を前記スラッジ貯留槽に移送する工程と、
前記スラッジ貯留槽に貯留されたスラッジを前記凝集混和槽内に移送する工程と、
前記凝集剤溶解槽から前記凝集混和槽内に凝集剤を投与する工程と、
前記凝集混和槽内に移送されたスラッジと凝集剤を前記凝集混和槽内で撹拌、混合して、フロックおよび脱離液を形成する工程と、
前記脱水機中でフロックを脱水するために前記脱水機中にフロックを移送する工程と、からなり、
前記凝集混和槽から延長されたドレインを介して、脱離液を前記凝集混和槽から前記沈殿池に戻すことによって、前記フロックおよび脱離液の排出速度と濃度を制御する、方法。
【請求項2】
前記ドレインの中間部分に取り付けられた第2濃度計と第2流量計により測定される脱離液の濃度と流量に基づき、前記ドレインの中間部分に取り付けられたバルブの開閉動作を制御して、前記凝集混和槽から前記ドレインを介して排出される脱離液を調節する工程と、
前記凝集剤溶解槽から前記凝集混和槽に投入される凝集剤の量を調節して、それによって前記脱水機に供給されるスラッジの濃度を調節する工程と、
を特徴とする、請求項1に記載のスラッジ濃縮方法。
【請求項3】
前記ドレインを介して排出されて廃水処理場流入部に搬送される水の量を一定に維持する状態で、前記スラッジ貯留槽と前記凝集混和槽との間のスラッジ移送管に取り付けられたポンプのポンピング動作を制御して、前記スラッジ貯留槽から前記凝集混和槽に投入されるスラッジの量を調節する工程からなる、請求項1に記載のスラッジ濃縮工程。
【請求項4】
スラッジ濃縮装置であって、
沈殿池と、
スラッジ貯留槽と、
凝集剤溶解槽と、
凝集混和槽と、
脱水機と、
前記沈殿池と前記スラッジ貯留槽との間に取り付けられた第1移送管と、
前記スラッジ貯留槽と前記凝集混和槽との間に取り付けられた第2移送管と、
前記第2移送管の中間部分に配設された第2ポンプおよび第1濃度計と、
前記凝集剤溶解槽と前記凝集混和槽との間に取り付けられた第4移送管と、
前記凝集混和槽と前記脱水機との間に取り付けられた第5移送管と、
前記第2移送管の中間部分に配設された第1濃度計と、からなり、
前記凝集混和槽内には、前記スラッジ貯留槽と前記凝集剤溶解槽から前記凝集混和槽に移送されたスラッジと凝集剤を撹拌、混合してフロックを形成し、
同フロックを前記脱水機側に移送して、フロックから分離された脱離液を外部に排出するための濃縮脱離液自動排出装置が設けられることを特徴とする、装置。
【請求項5】
前記自動スラッジ/脱離液の分離排出装置が、
第1空間を形成する外部ケーシングと、
同外部ケーシングの上側から所定の長さだけ外部に延長されたフロック排出管と、
同外部ケーシングの底部から外部に延長されたスラッジ流入管および凝集剤流入管と、
前記自動スラッジ/脱離液の分離排出装置の中央に縦方向に配設された主軸と、
同主軸の上側に配設された駆動モータと、
同主軸の周囲に配設された、上部ディスク、複数の可動ディスク、および複数の固定ディスクと、
回転バーの下側の前記主軸周囲に配設された円筒状の下部支持構造物と、
からなり、
前記上部ディスク、前記可動ディスクおよび前記固定ディスク、および下部支持構造物は結合されてスクリーン状構造物を形成して、その中に第2空間が形成され、
排水管が、前記下部支持構造物の側壁から外部に放射状に所定の長さで取り付けられ、それによって、前記排水管は前記下部支持構造物の側壁から放射状に取り付けられて、前記第1空間および前記外部ケーシングを通過して外部に突出し、前記凝集混和槽の下部に配置されたドレインに連通する、請求項4のスラッジ濃縮装置。
【請求項6】
前記主軸の周囲にはパドルタイプの撹拌器が配設され、
(前記)同撹拌器は、前記外部ケーシングの縦方向に取り付けられた垂直ロッドと、
同垂直ロッドを支持するため、前記垂直ロッドの上端部の間に延長されて前記主軸に固定された水平ロッドと、からなり、
前記スクリーン状構造物の前記上部板、前記可動円板および前記固定円板は前記撹拌器の半径方向内側に配設され、
前記撹拌器は、前記水平ロッドの中間部分が前記主軸に一体に固定されているので、前記主軸が回転すると、前記主軸と同一回転方向にともに回転して、前記第1空間内のスラッジと凝集剤を凝集、撹拌させること、を特徴とする請求項5に記載のスラッジ濃縮装置。
【請求項7】
前記撹拌器の半径方向内側の前記主軸には回転バーが一体に装着されており、
同回転バーは、前記外部ケーシングの縦方向に延長された垂直ロッドと、
前記垂直ロッドの上部および下部からそれぞれ水平に延長されて前記主軸に固定された水平ロッドと、を含み、
前記可動円板と前記固定円板は垂直方向に交互に配置され、これらの間に配置された多数のスペーサにより互いに離隔され、前記固定円板の半径方向内側には多数の締結突起が突設され、前記締結突起の中央にはピン挿入孔が形成され、前記固定円板と前記可動円板は、前記上部板のピン貫通孔、前記固定円板の前記ピン挿入孔、および前記スペーサを通過する多数の締結ピンおよび締結ナットにより一体に結合されることにより、前記固定円板と前記可動円板との間に隙間が形成されることを特徴とする、請求項6に記載のスラッジ濃縮装置。
【請求項8】
前記可動円板の半径方向外面の一側には環状の突出部が形成され、前記回転バーの前記垂直ロッドが前記突出部に挿入されるように配置されることにより、前記可動円板は、前記主軸の回転時、前記主軸とともに回転する前記回転バーの前記垂直ロッドに従属して運動しながら前記主軸の回転方向に移動して、前記固定円板に対して円周方向に前記垂直ロッドとともに回転、揺動し、これにより前記フロックが前記可動円板と前記固定円板の半径方向外面から離脱され、クリーニング作用により、可動円板と固定円板との間の隙間がフロックで詰まることを自動に防止することを特徴とする、請求項7に記載のスラッジ濃縮装置。
【請求項9】
前記濃縮脱離液自動排出装置は、第1空間を限定する外部ケーシングを含み、
同外部ケーシングの下側には脱離液排出管が所定の長さだけ外部に延長され、
前記濃縮脱離液自動排出装置の内部中央には主軸が縦方向に配置され、
前記主軸の上側には駆動モータが配置され、
前記主軸の周囲には、上下部の開放された上部構造物、多数の可動円板および固定円板が配置され、
前記回転バーの下側の前記主軸周囲には円筒体状の下部支持構造物が配置され、
一体に結合された前記上部構造物、前記可動円板、前記固定円板、および前記下部構造物は一定の隙間を有するスクリーン状の構造物を形成し、
前記スクリーン状の構造物の内部には第2空間が限定され、
前記スクリーン状の構造物の側壁には排水管が所定の長さだけ外部に延長され、
前記フロック排出管は前記上部支持構造物の側壁から延長されて前記第1空間および前記外部ケーシングを通過して外部に突出し、前記下部支持構造物の底部にはスラッジ流入管および凝集剤流入管が外部に延長されていること、
を特徴とする、請求項4に記載のスラッジ濃縮装置。
【請求項10】
前記主軸の半径方向外面には螺旋状ブレードが一体に装着され、前記スクリュー軸が回転すると、前記ブレードは前記スラッジ流入管と前記凝集剤流入管を介して前記第2空間内にそれぞれ流入されたスラッジと凝集剤を凝集、撹拌させることを特徴とする、請求項9に記載のスラッジ濃縮装置。
【請求項11】
前記可動円板と前記固定円板は垂直方向に交互に配置され、これらの間に配置された多数のスペーサにより互いに離隔され、前記固定円板の半径方向外面上には多数の締結突起が突設され、前記締結突起の中央にはピン挿入孔が形成され、前記固定円板と前記可動円板は、前記ピン挿入孔と前記スペーサを貫通する多数の締結ピンおよび締結ナットにより一体に結合され、その結果、前記固定円板と前記可動円板との間に隙間が形成されることを特徴とし、
主軸のブレードの先で可動円板を固定円板に対して円周方向に回転、揺動させて自動クリーニングを行うことを特徴とする、請求項10に記載のスラッジ濃縮装置。
【請求項12】
前記スクリーン状の構造物の放射状内側位置の前記主軸には回転バーが一体に装着され、
前記回転バーは、前記主軸に平行な方向に延長された垂直ロッド、およびこれを支持するため、前記垂直ロッドの上部と下部からそれぞれ水平に延長されて前記主軸に固定された水平ロッドからなり、
前記上部支持構造物、前記可動円板、前記固定円板、および前記下部支持構造物が一体に結合された状態で、前記回転バーの前記垂直ロッドはこれらの半径方向内側に位置することを特徴とする、請求項11に記載のスラッジ濃縮装置。
【請求項13】
前記可動円板の半径方向内面の一側には環状の突出部が形成され、
前記スラッジ濃縮装置の半径方向内側の前記主軸には回転バーが一体に装着され、
前記回転バーは、前記主軸に平行な方向に延長された垂直ロッド、およびこれを支持するため、前記垂直ロッドの上部と下部からそれぞれ水平に延長されて前記主軸に固定された水平ロッドからなり、
前記上部支持構造物、前記可動円板、前記固定円板、および前記下部支持構造物が一体に結合された状態で、前記回転バーの前記垂直ロッドは前記可動円板の前記突出部の貫通孔に挿入されることを特徴とする、請求項11に記載のスラッジ濃縮装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−522677(P2006−522677A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507784(P2006−507784)
【出願日】平成16年3月30日(2004.3.30)
【国際出願番号】PCT/KR2004/000719
【国際公開番号】WO2004/089834
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(505367981)
【氏名又は名称原語表記】HONG,Sang Hun
【Fターム(参考)】