投写型映像表示装置
【課題】光変調素子から不所望な光が出射されることを抑制可能な投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 光源制御部640は、素子制御部630によってDMD500が初期化されたことに応じて、固体光源111を起動させる。
【解決手段】 光源制御部640は、素子制御部630によってDMD500が初期化されたことに応じて、固体光源111を起動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源と、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射された光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、光源から出射された光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射された映像光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
ここで、投写型映像表示装置の起動時において、再生データが映像データを含まない場合、すなわち再生データが音声データである場合には、光源を起動する必要がない。一方で、投写レンズのシャッタがユーザによって開放されている場合には、再生データが映像データを含むことが予想される。そこで、投写レンズのシャッタがユーザによって開放されている場合には、再生データが映像データを含むことを確認せずに光源を起動させる手法が提案されている(特許文献1参照)。この手法によれば、再生データが映像データを実際に含むかどうかを確認しないので、光源を迅速に起動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−299274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の手法では、光源の迅速な起動だけに主眼がおかれており、光変調素子の制御について考慮されていない。そのため、光源から出射された光が初期化されていない光変調素子に入射することによって、光変調素子から不所望な光が出射されるおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、光変調素子から不所望な光が出射されることを抑制可能な投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る投写型映像表示装置は、光源と、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射された光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置であって、自装置の駆動開始を指示する駆動開始指示に応じて、光変調素子を初期化する素子制御部と、素子制御部によって光変調素子が初期化されたことに応じて、光源を起動させる光源制御部とを備えることを要旨とする。
【0008】
本発明に係る投写型映像表示装置は、光源の温度を調整する温度調整装置と、駆動開始指示に応じて、温度調整装置を起動させる温度調整装置制御部と、光源の温度の指標となる指標温度を検出する温度センサとをさらに備えていてもよい。光源制御部は、温度センサによって検出される環境温度が所定の温度範囲に入っている場合に、光源を起動させてもよい。
【0009】
本発明に係る投写型映像表示装置において、温度調整装置は、液媒体が循環され、光源に取付けられる液媒体ジャケットを含んでおり、温度センサは、指標温度として液媒体ジャケットに供給される液媒体の温度を検出してもよい。
【0010】
本発明に係る投写型映像表示装置は、投写ユニットから出射される光の進路上、又は前記進路近傍に物体が侵入したか否かを判定する侵入判定部をさらに備えており、光源制御部は、進路上に物体が侵入していないと侵入判定部によって判定されたことに応じて、光源を起動させてもよい。
【0011】
本発明に係る投写型映像表示装置は、光源の光出射側に設けられる遮光シャッタと、駆動開始指示に応じて、遮光シャッタを閉じることによって遮光シャッタを初期化する遮光シャッタ制御部とをさらに備えていてもよい。光源制御部は、遮光シャッタ制御部によって遮光シャッタが初期化されたことに応じて、光源を起動させてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光変調素子から不所望な光が出射されることを抑制可能な投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を側方から見た図である。
【図3】第1実施形態に係る光源ユニット110を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る色分離合成ユニット140及び投写ユニット150を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る制御ユニット600の構成を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る制御ユニット600の動作を説明するためのフロー図である
【図7】第2実施形態に係る制御ユニット600を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る制御ユニット600の動作を説明するためのフロー図である
【図9】第3実施形態に係る制御ユニット600を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る制御ユニット600の動作を説明するためのフロー図である
【図11】第4実施形態に係る投写ユニット150を示す図である。
【図12】第4実施形態に係る制御ユニット600を示す図である。
【図13】第4実施形態に係る制御ユニット600の動作を説明するためのフロー図である
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を側方から見た図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、投写型映像表示装置100は、筐体200を有しており、投写面300に映像を投写する。第1実施形態では、投写型映像表示装置100が壁面に設けられた投写面300に映像光を投写するケースについて例示する。
【0018】
なお、以下の説明において、投写面300に平行な水平方向を“幅方向”と称し、投写面300の垂線方向を“奥行き方向”と称する。幅方向及び奥行き方向の双方に直交する方向を“高さ方向”と称する。
【0019】
筐体200は、略直方体形状を有する。奥行き方向における筐体200のサイズ及び高さ方向における筐体200のサイズは、幅方向における筐体200のサイズよりも小さい。奥行き方向における筐体200のサイズは、反射ミラーである凹面ミラー151から投写面300までの投写距離と略等しい。幅方向における筐体200のサイズは、投写面300のサイズと略等しい。高さ方向における筐体200のサイズは、投写面300が設けられる位置に応じて定められる。
【0020】
筐体200は、光源ユニット110と、電源ユニット120と、冷却ユニット130と、色分離合成ユニット140と、投写ユニット150とを収容する。
【0021】
光源ユニット110は、複数の固体光源(図3に示す複数の固体光源111)によって構成されるユニットである。各固体光源は、LD(Laser Diode)などの光源である。第1実施形態では、光源ユニット110には、赤成分光Rを出射する赤固体光源(図3に示す赤固体光源111R)、緑成分光Gを出射する緑固体光源(図3に示す緑固体光源111G)、青成分光Bを出射する青固体光源(図3に示す青固体光源111B)を有する。光源ユニット110の詳細については後述する。
【0022】
電源ユニット120は、投写型映像表示装置100に電力を供給するユニットである。具体的には、電源ユニット120は、光源ユニット110及び冷却ユニット130などに電力を供給する。
【0023】
冷却ユニット130は、光源ユニット110に設けられた複数の固体光源111を冷却するユニットである。具体的には、冷却ユニット130は、各固体光源111に取付けられる液媒体ジャケット(図3に示す冷却ジャケット131)に冷媒を循環させることによって、各固体光源111を冷却する。なお、冷却ユニット130は、各固体光源111の温度を調整する「温度調整装置」の一例である。
【0024】
なお、冷却ユニット130は、各固体光源以外にも、電源ユニット120や光変調素子(図4に示すDMD500)などを冷却するように構成されている。
【0025】
色分離合成ユニット140は、赤固体光源から出射された赤成分光R、緑固体光源から出射された緑成分光G、青固体光源から出射された青成分光Bを合成する。また、色分離合成ユニット140は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む合成光を分離して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを変調する。さらに、色分離合成ユニット140は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを再合成して、光(映像光)を投写ユニット150に出射する。色分離合成ユニット140の詳細については後述する。
【0026】
投写ユニット150は、色分離合成ユニット140から出射された光(映像光)を投写面300に投写する。具体的には、投写ユニット150は、色分離合成ユニット140から出射された光(映像光)を投写面300側に向かって反射する凹面ミラー151と、色分離合成ユニット140から出射された光(映像光)を凹面ミラー151に向かって出射する投写レンズ群152(図4参照)とを有する。投写ユニット150の詳細については後述する。
【0027】
(光源ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る光源ユニットの構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る光源ユニット110を示す図である。
【0028】
図3に示すように、光源ユニット110は、複数の赤固体光源111R、複数の緑固体光源111G及び複数の青固体光源111Bによって構成される。
【0029】
赤固体光源111Rは、上述したように、赤成分光Rを出射するLDなどの赤固体光源である。赤固体光源111Rは、ヘッド112Rを有しており、ヘッド112Rには、光ファイバー113Rが接続される。
【0030】
各赤固体光源111Rのヘッド112Rに接続された光ファイバー113Rは、バンドル部114Rで束ねられる。すなわち、各赤固体光源111Rから出射された光は、各光ファイバー113Rによって伝達されて、バンドル部114Rに集められる。
【0031】
赤固体光源111Rは、冷却ジャケット131Rに取付けられる。例えば、赤固体光源111Rは、ネジ止めなどによって冷却ジャケット131Rに固定される。冷却ジャケット131Rの内部には冷媒が循環される流路(不図示)が形成されており、流路には冷却ユニット130から冷媒が送られる。これによって、赤固体光源111Rは、冷却ジャケット131Rによって冷却される。なお、冷媒は冷却ジャケット131内部に循環される「液媒体」の一例であり、冷却ジャケット131は液媒体が循環される「液媒体ジャケット」の一例である。
【0032】
緑固体光源111Gは、上述したように、緑成分光Gを出射するLDなどの緑固体光源である。緑固体光源111Gは、ヘッド112Gを有しており、ヘッド112Gには、光ファイバー113Gが接続される。
【0033】
各緑固体光源111Gのヘッド112Gに接続された光ファイバー113Gは、バンドル部114Gで束ねられる。すなわち、各緑固体光源111Gから出射された光は、各光ファイバー113Gによって伝達されて、バンドル部114Gに集められる。
【0034】
緑固体光源111Gは、冷却ジャケット131Gに取付けられる。例えば、緑固体光源111Gは、ネジ止めなどによって冷却ジャケット131Gに固定される。冷却ジャケット131Gの内部には冷媒が循環される流路(不図示)が形成されており、流路には冷却ユニット130から冷媒が送られる。これによって、緑固体光源111Gは、冷却ジャケット131Gによって冷却される。なお、冷却ジャケット131Gは、本発明に係る「液媒体ジャケット」の一例である。
【0035】
青固体光源111Bは、上述したように、青成分光Bを出射するLDなどの青固体光源である。青固体光源111Bは、ヘッド112Bを有しており、ヘッド112Bには、光ファイバー113Bが接続される。
【0036】
各青固体光源111Bのヘッド112Bに接続された光ファイバー113Bは、バンドル部114Bで束ねられる。すなわち、各青固体光源111Bから出射された光は、各光ファイバー113Bによって伝達されて、バンドル部114Bに集められる。
【0037】
青固体光源111Bは、冷却ジャケット131Bに取付けられる。例えば、青固体光源111Bは、ネジ止めなどによって冷却ジャケット131Bに固定される。冷却ジャケット131Bの内部には冷媒が循環される流路(不図示)が形成されており、流路には冷却ユニット130から冷媒が送られる。これによって、青固体光源111Bは、冷却ジャケット131Bによって冷却される。なお、冷却ジャケット131Bは、本発明に係る「液媒体ジャケット」の一例である。
【0038】
(色分離合成ユニット及び投写ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る色分離合成ユニット及び投写ユニットの構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る色分離合成ユニット140及び投写ユニット150を示す図である。第1実施形態では、DLP(Digital Light Processing)方式(登録商標)に対応する投写型映像表示装置100を例示する。
【0039】
図4に示すように、色分離合成ユニット140は、第1ユニット141と、第2ユニット142とを有する。また、図示しないが、色分離合成ユニット140は、第1ユニット141及び第2ユニット142の筐体を含む様々な部材を有している。特に、DMD500の周辺には、様々な部材が配置されていることに留意すべきである。
【0040】
第1ユニット141は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを合成して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む合成光を第2ユニット142に出射する。
【0041】
具体的には、第1ユニット141は、複数のロッドインテグレータ(ロッドインテグレータ10R、ロッドインテグレータ10G及びロッドインテグレータ10B)と、レンズ群(レンズ21R、レンズ21G、レンズ21B、レンズ22、レンズ23)と、ミラー群(ミラー31、ミラー32、ミラー33、ミラー34及びミラー35)とを有する。
【0042】
ロッドインテグレータ10Rは、光入射面と、光出射面と、光入射面の外周から光出射面の外周に亘って設けられる光反射側面とを有する。ロッドインテグレータ10Rは、バンドル部114Rで束ねられた光ファイバー113Rから出射される赤成分光Rを均一化する。すなわち、ロッドインテグレータ10Rは、光反射側面で赤成分光Rを反射することによって、赤成分光Rを均一化する。
【0043】
ロッドインテグレータ10Gは、光入射面と、光出射面と、光入射面の外周から光出射面の外周に亘って設けられる光反射側面とを有する。ロッドインテグレータ10Gは、バンドル部114Gで束ねられた光ファイバー113Gから出射される緑成分光Gを均一化する。すなわち、ロッドインテグレータ10Gは、光反射側面で緑成分光Gを反射することによって、緑成分光Gを均一化する。
【0044】
ロッドインテグレータ10Bは、光入射面と、光出射面と、光入射面の外周から光出射面の外周に亘って設けられる光反射側面とを有する。ロッドインテグレータ10Bは、バンドル部114Bで束ねられた光ファイバー113Bから出射される青成分光Bを均一化する。すなわち、ロッドインテグレータ10Bは、光反射側面で青成分光Bを反射することによって、青成分光Bを均一化する。
【0045】
レンズ21Rは、赤成分光RがDMD500Rに照射されるように、赤成分光Rを略平行光化するレンズである。レンズ21Gは、緑成分光GがDMD500Gに照射されるように、緑成分光Gを略平行光化するレンズである。レンズ21Bは、青成分光BがDMD500Bに照射されるように、青成分光Bを略平行光化するレンズである。
【0046】
レンズ22は、赤成分光R及び緑成分光Gの拡大を抑制しながら、DMD500R及びDMD500G上に赤成分光R及び緑成分光Gを略結像するためのレンズである。レンズ23は、青成分光Bの拡大を抑制しながら、青成分光BをDMD500Bに略結像するためのレンズである。
【0047】
ミラー31は、ロッドインテグレータ10Rから出射された赤成分光Rを反射する。ミラー32は、ロッドインテグレータ10Gから出射された緑成分光Gを反射して、赤成分光Rを透過するダイクロイックミラーである。ミラー33は、ロッドインテグレータ10Bから出射された青成分光Bを透過して、赤成分光R及び緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。
【0048】
ミラー34は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを反射する。ミラー35は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを第2ユニット142側に反射する。なお、図4では、説明を簡易にするために、各構成が平面図で示されているが、ミラー35は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを高さ方向において斜めに反射する。
【0049】
第2ユニット142は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む合成光を分離して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを変調する。続いて、第2ユニット142は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを再合成して、映像光を投写ユニット150側に出射する。
【0050】
具体的には、第2ユニット142は、レンズ40と、プリズム50と、プリズム60と、プリズム70と、プリズム80と、プリズム90と、複数のDMD;Digital Micromirror Device(DMD500R、DMD500G及びDMD500B)とを有する。
【0051】
レンズ40は、各色成分光が各DMD500に照射されるように、第1ユニット141から出射された光を略平行光化するレンズである。
【0052】
プリズム50は、透光性部材によって構成されており、面51及び面52を有する。プリズム50(面51)とプリズム60(面61)との間にはエアギャップが設けられており、第1ユニット141から出射される光が面51に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、第1ユニット141から出射される光は面51で反射される。一方で、プリズム50(面52)とプリズム70(面71)との間にはエアギャップが設けられるが、第1ユニット141から出射される光が面52に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、面51で反射された光は面52を透過する。
【0053】
プリズム60は、透光性部材によって構成されており、面61を有する。
【0054】
プリズム70は、透光性部材によって構成されており、面71及び面72を有する。プリズム50(面52)とプリズム70(面71)との間にはエアギャップが設けられており、面72で反射された青成分光B及びDMD500Bから出射された青成分光Bが面71に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、面72で反射された青成分光B及びDMD500Bから出射された青成分光Bは面71で反射される。
【0055】
面72は、赤成分光R及び緑成分光Gを透過して、青成分光Bを反射するダイクロイックミラー面である。従って、面51で反射された光のうち、赤成分光R及び緑成分光Gは面72を透過し、青成分光Bは面72で反射される。面71で反射された青成分光Bは面72で反射される。
【0056】
プリズム80は、透光性部材によって構成されており、面81及び面82を有する。プリズム70(面72)とプリズム80(面81)との間にはエアギャップが設けられており、面81を透過して面82で反射された赤成分光R及びDMD500Rから出射された赤成分光Rが再び面81に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、面81を透過して面82で反射された赤成分光R及びDMD500Rから出射された赤成分光Rは面81で反射される。一方で、DMD500Rから出射されて面81で反射された後に面82で反射された赤成分光Rが再び面81に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、DMD500Rから出射されて面81で反射された後に面82で反射された赤成分光Rは面81を透過する。
【0057】
面82は、緑成分光Gを透過して、赤成分光Rを反射するダイクロイックミラー面である。従って、面81を透過した光のうち、緑成分光Gは面82を透過し、赤成分光Rは面82で反射される。面81で反射された赤成分光Rは面82で反射される。DMD500Gから出射された緑成分光Gは面82を透過する。
【0058】
ここで、プリズム70は、赤成分光R及び緑成分光Gを含む合成光と青成分光Bとを面72によって分離する。プリズム80は、赤成分光Rと緑成分光Gとを面82によって分離する。すなわち、プリズム70及びプリズム80は、各色成分光を分離する色分離素子として機能する。
【0059】
なお、第1実施形態では、プリズム70の面72のカットオフ波長は、緑色に相当する波長帯と青色に相当する波長帯との間に設けられる。プリズム80の面82のカットオフ波長は、赤色に相当する波長帯と緑色に相当する波長帯との間に設けられる。
【0060】
一方で、プリズム70は、赤成分光R及び緑成分光Gを含む合成光と青成分光Bとを面72によって合成する。プリズム80は、赤成分光Rと緑成分光Gとを面82によって合成する。すなわち、プリズム70及びプリズム80は、各色成分光を合成する色合成素子として機能する。
【0061】
プリズム90は、透光性部材によって構成されており、面91を有する。面91は、緑成分光Gを透過するように構成されている。なお、DMD500Gへ入射する緑成分光G及びDMD500Gから出射された緑成分光Gは面91を透過する。
【0062】
DMD500R、DMD500G及びDMD500Bは、複数の微少ミラーによって構成されており、各微少ミラーは可動式である。各微少ミラーは、基本的に1画素に相当する。DMD500Rは、各微小ミラーへの電圧の印加によって、各微少ミラーの角度を制御する。これによって、投写ユニット150側に赤成分光Rを反射するか否かが切り替えられる。同様に、DMD500G及びDMD500Bは、各微小ミラーへの電圧の印加によって、各微少ミラーの角度を制御する。これによって、投写ユニット150側に緑成分光G及び青成分光Bを反射するか否かが切り替えられる。
【0063】
投写ユニット150は、凹面ミラー151と、投写レンズ群152とを有する。
【0064】
凹面ミラー151は、投写レンズ群152から出射された光(映像光)を反射する。凹面ミラー151は、映像光を集光した上で、映像光を広角化する。例えば、凹面ミラー151は、投写レンズ群152側に凹面を有する非球面ミラーである。
【0065】
投写レンズ群152は、色分離合成ユニット140から出射された光(映像光)を凹面ミラー151側に出射する。
【0066】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る制御ユニット600を示すブロック図である。制御ユニット600は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0067】
ここで、制御ユニット600は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号を出力する。映像入力信号は、フレーム毎の信号であり、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binを含む。映像出力信号は、フレーム毎の信号であり、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutを含む。
【0068】
図5に示すように、制御ユニット600は、映像信号受付部610と、操作受付部620と、素子制御部630と、光源制御部640とを有する。
【0069】
映像信号受付部610は、DVDやTVチューナなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0070】
操作受付部620は、操作I/F(不図示)などから、投写型映像表示装置100の駆動開始を指示する駆動開始指示SSTARTを受付ける。駆動開始指示SSTARTは、例えば、投写型映像表示装置100の電源投入指示や映像の表示開始指示である。操作受付部620は、駆動開始指示SSTARTを受付けた場合、駆動開始指示SSTARTを素子制御部630に送信する。
【0071】
また、操作受付部620は、操作I/Fなどから、投写型映像表示装置100の駆動終了を指示する駆動終了指示SSTOPを受付ける。駆動終了指示SSTOPは、例えば、電源切断指示や映像の表示終了指示などである。操作受付部620は、駆動終了指示SSTOPを受付けた場合、駆動終了指示SSTOPを光源制御部650に送信する。
【0072】
素子制御部630は、映像入力信号を取得した場合、映像入力信号に基づいてDMD500を制御する。具体的には、素子制御部630は、映像出力信号に基づいて各微小ミラーに印加される電圧を二値的に制御することによって、各微小ミラーの角度を二値的に調整する。
【0073】
素子制御部630は、各微小ミラーに印加される電圧を、第1電圧と第1電圧よりも低い第2電圧とで二値的に制御することによって、各微小ミラーの角度を二値的に調整する。
【0074】
本実施形態において、素子制御部630は、駆動開始指示SSTARTに応じて、DMD500を初期化する。具体的には、素子制御部630は、駆動開始指示SSTARTを受信した場合、所定電圧を各微小ミラーに印加することによって、DMD500を構成する各微小ミラーの角度を所定角度に揃える。所定電圧は、第1電圧又は第2電圧であってもよいし、第1及び第2電圧とは異なる電圧であってもよい。これによって、DMD500に入射する光を所望の方向、すなわち、DMD500の周辺に配置された部材とは異なる方向に反射する準備が整われる。
【0075】
素子制御部630は、DMD500を初期化した場合、DMD500が初期化されたことを示す素子初期化完了通知ESTARTを、光源制御部640に送信する。
【0076】
また、素子制御部630は、光源制御部640から送信される後述の光源消灯通知LSTOPに応じて、DMD500の制御を終了する。具体的には、素子制御部630は、光源消灯通知LSTOPを受信した場合、DMD500を構成する複数の微小ミラーそれぞれへの電圧の印加を停止する。これによって、各微少ミラーの角度の制御は解除され、各微小ミラーは振動や傾きなどによって揺動されうる状態となる。
【0077】
光源制御部640は、光源ユニット110に設けられた複数の固体光源111のそれぞれを制御する。具体的には、光源制御部640は、各固体光源111に印加される電圧を制御することによって、各固体光源111から出射される光量を制御する。
【0078】
本実施形態において、光源制御部640は、素子制御部630によってDMD500が初期化されたことに応じて、光源ユニット110を起動する。具体的には、光源制御部640は、素子制御部630から素子初期化完了通知ESTARTを受信した場合、各固体光源111への電圧の印加を開始する。これによって、各固体光源111は点灯し、各固体光源111から出射された光がDMD500に入射する。
【0079】
また、光源制御部640は、駆動終了指示SSTOPに応じて、各固体光源111を停止させる。具体的には、光源制御部640は、駆動終了指示SSTOPを受信した場合、各固体光源111への電圧の印加を停止する。これによって、各固体光源111の制御が終了され、各固体光源111は消灯する。
【0080】
光源制御部640は、各固体光源111を消灯させた場合、各固体光源111が消灯したことを示す光源消灯通知LSTOPを、素子制御部630に送信する。
【0081】
(制御ユニットの動作)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットの動作について、図面を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係る制御ユニット600の動作を示すフロー図である。
【0082】
ステップS10において、制御ユニット600は、駆動開始指示SSTARTを受付ける。
【0083】
ステップS11において、制御ユニット600は、DMD500を初期化する。具体的には、制御ユニット600は、DMD500を構成する各微小ミラーに所定電圧を印加することによって、各微小ミラーの角度を所定角度に揃える。
【0084】
ステップS12において、制御ユニット600は、各固体光源111を点灯する。
【0085】
ステップS13において、制御ユニット600は、駆動終了指示SSTOPを受付ける。
【0086】
ステップS14において、制御ユニット600は、各固体光源111を消灯する。
【0087】
ステップS15において、制御ユニット600は、DMD500の制御を終了する。具体的には、制御ユニット600は、DMD500を構成する各微小ミラーへの電圧の印加を停止する。
【0088】
(作用及び効果)
第1実施形態において、投写型映像表示装置100は、光変調素子としてDMD500を備えている。DMD500は複数の微小ミラーによって構成されており、各微小ミラーに電圧が二値的に印加されることによって、各微小ミラーの角度が二値的に調整される。
【0089】
ここで、DMD500が素子制御部630によって制御されていない場合、各微小ミラーの角度は調整されないので、各固体光源111から出射される光が各微小ミラーによって不特定の方向に反射されてしまう。その結果、DMD500の反射光で加熱されることによって、DMD500の周辺に配置された部材に不具合(変形や破壊など)が生じるおそれがあった。
【0090】
そこで、第1実施形態において、光源制御部640は、素子制御部630によってDMD500が初期化されたことに応じて、固体光源111を起動させる。
【0091】
従って、各固体光源111から出射される光は、DMD500を構成する各微少ミラーの角度が所定角度に揃えられた後に、DMD500に入射される。そのため、各固体光源111から出射される光が各微小ミラーによって不特定の方向に反射されることを回避できる。このように、DMD500から不所望な光が出射されることを抑制できるので、DMD500の反射光で加熱されることによって、DMD500の周辺に配置された部材に不具合が生じることを抑制することができる。
【0092】
また、第1実施形態において、素子制御部630は、光源制御部640によって各固体光源111が消灯されたことに応じて、DMD500を停止する。
【0093】
従って、DMD500への入射光が消灯された後に、各微少ミラーへの電圧の印加が終了される。そのため、各固体光源111が消灯される際、各微少ミラーは所定角度に揃えられているので、各固体光源111から出射される光がDMD500によって不特定の方向に反射されることを回避できる。すなわち、DMD500から不所望な光が出射されることを抑制できる。その結果、DMD500の反射光で加熱されることによって、反射型光変調素子の周辺に配置された部材に不具合が生じることをより抑制することができる。
【0094】
[第2実施形態]
以下において、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0095】
具体的には、第1実施形態では、冷却ユニット130が起動されるタイミングについては触れられていないが、第2実施形態では、冷却ユニット130が起動されるタイミングの詳細について説明する。
【0096】
(制御ユニットの構成)
以下において、第2実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態に係る制御ユニット600を示すブロック図である。
【0097】
図7に示すように、制御ユニット600は、映像信号受付部610、操作受付部620、素子制御部630及び光源制御部640に加えて、冷却制御部650を有する。
【0098】
操作受付部620は、駆動開始指示SSTARTを冷却制御部650に送信する。
【0099】
冷却制御部650は、各固体光源111の温度を調整する冷却ユニット130を制御する。具体的には、冷却制御部650は、冷却ユニット130に電力を供給することによって、冷却ジャケット131に冷媒を循環させる。
【0100】
冷却制御部650は、各固体光源111の表面温度及びDMD500の表面温度を検出する温度センサ700に接続されている。冷却制御部650は、温度センサ700から各固体光源111の表面温度及びDMD500の表面温度を取得する。なお、各固体光源111の表面温度は、各固体光源111の温度の指標となる「指標温度」の一例である。
【0101】
冷却制御部650は、駆動開始指示SSTARTに応じて、冷却ユニット130を起動させる。具体的には、冷却制御部650は、駆動開始指示SSTARTを受信した場合、冷却ユニット130へ電力を供給することによって、冷却ジャケット131に冷媒の供給を開始する。
【0102】
冷却制御部650は、冷却ユニット130を起動させた場合、各固体光源111の表面温度を温度センサ700から取得し、各固体光源111の表面温度が各固体光源111の起動に適した温度範囲に入っていることを確認する。また、冷却制御部650は、冷却ユニット130を起動させた場合、DMD500の表面温度を温度センサ700から取得し、DMD500の表面温度がDMD500の起動に適した温度範囲に入っていることを確認する。
【0103】
冷却制御部650は、各固体光源111の表面温度及びDMD500の表面温度それぞれが所定の温度範囲に入っていることが確認された場合、各固体光源111及びDMD500を起動する準備が完了したことを示す起動準備完了通知CSTARTを、素子制御部630に送信する。
【0104】
また、冷却制御部650は、素子制御部630によりDMD500の制御が終了したことに応じて、冷却ユニット130を停止させる。具体的には、冷却制御部650は、素子制御部630から送信される後述の素子停止完了通知ESTOPを受信した場合、冷却ユニット130への電力の供給を停止することによって、冷却ジャケット131への冷媒の循環を終了させる。
【0105】
本実施形態において、素子制御部630は、冷却制御部650によって冷却ユニット130が起動されたことに応じて、DMD500を初期化する。具体的には、素子制御部630は、冷却制御部650から起動準備完了通知CSTARTを受信した場合、所定電圧を各微小ミラーに印加することによって、DMD500を構成する各微小ミラーの角度を所定角度に揃える。
【0106】
また、素子制御部630は、光源制御部640から送信される光源消灯通知LSTOPに応じてDMD500の制御を終了した場合、DMD500の制御を終了したことを示す素子停止完了通知ESTOPを冷却制御部650に送信する。
【0107】
なお、光源制御部640は、上述の第1実施形態と同様に、起動準備完了通知CSTARTに応じて各固体光源111を点灯し、駆動終了指示SSTOPに応じて各固体光源111を消灯する。光源制御部640は、各固体光源111を消灯させた場合、光源消灯通知LSTOPを素子制御部630に送信する。
【0108】
(制御ユニットの動作)
以下において、第2実施形態に係る制御ユニットの動作について、図面を参照しながら説明する。図8は、第2実施形態に係る制御ユニット600の動作を示すフロー図である。
【0109】
ステップS20において、制御ユニット600は、駆動開始指示SSTARTを受付ける。
【0110】
ステップS21において、制御ユニット600は、冷却ユニット130を起動する。
【0111】
ステップS22において、制御ユニット600は、各固体光源111の表面温度及びDMD500の表面温度それぞれが所定の温度範囲に入っていることを確認する。
【0112】
ステップS23において、制御ユニット600は、DMD500を初期化する。
【0113】
ステップS24において、制御ユニット600は、各固体光源111を点灯する。
【0114】
ステップS25において、制御ユニット600は、駆動終了指示SSTOPを受付ける。
【0115】
ステップS26において、制御ユニット600は、各固体光源111を消灯する。
【0116】
ステップS27において、制御ユニット600は、DMD500の制御を終了する。
【0117】
ステップS28において、制御ユニット600は、冷却ユニット130を停止する。
【0118】
(作用及び効果)
第2実施形態において、光源制御部640は、冷却制御部650によって冷却ユニット130が起動されたことに応じて、固体光源111を起動させる。
【0119】
従って、各固体光源111は、冷却ユニット130が起動された後に点灯される。そのため、各固体光源111の点灯以後に冷却ユニット130が起動される場合に比べて、加熱によって各固体光源111が劣化することを抑制することができる。
【0120】
また、第2実施形態において、素子制御部630は、DMD500の温度が適正な温度範囲に入ったことが確認された後にDMD500を初期化する。従って、DMD500の温度が適正な温度範囲に入っていないときに初期化する場合に比べて、DMD500が加熱によって劣化されることを抑制できる。
【0121】
また、第2実施形態において、光源制御部640は、各固体光源111の温度が適正な温度範囲に入ったことが確認された後に各固体光源111を起動させる。従って、各固体光源111の温度が適正な温度範囲に入っていないときに各固体光源111を起動させる場合に比べて、各固体光源111が加熱によって劣化されることを抑制できる。
【0122】
また、第2実施形態において、冷却制御部650は、光源制御部640によって固体光源111が消灯されたことに応じて、冷却ユニット130を停止する。
【0123】
従って、DMD500への入射光が消灯された後に、冷却ユニット130が停止される。そのため、各固体光源111の消灯以前に冷却ユニット130が停止される場合に比べて、加熱によって各固体光源111が劣化することをより抑制することができる。
【0124】
また、第2実施形態において、冷却制御部650は、素子制御部630によるDMD500の制御が終了した後に、冷却ユニット130を停止する。従って、DMD500の制御が終了する以前に冷却ユニット130を停止する場合に比べて、DMD500が加熱によって劣化されることを抑制できる。
【0125】
[第3実施形態]
以下において、本発明の第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0126】
具体的には、第1実施形態では特に触れていないが、第3実施形態に係る投写型映像表示装置は、投写ユニットから出射される光の進路上に物体(例えば、人体)が侵入したことを検出することができる。
【0127】
(制御ユニットの構成)
以下において、第3実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図9は、第3実施形態に係る制御ユニット600を示すブロック図である。
【0128】
図9に示すように、制御ユニット600は、映像信号受付部610、操作受付部620、素子制御部630及び光源制御部640に加えて、侵入判定部660及び撮像制御部670を有する。
【0129】
侵入判定部660は、投写面300を撮像する撮像装置800に接続されている。ここで、撮像装置800の位置や視野角は、投写ユニット150から出射される光の進路上を撮像できるように定められている。
【0130】
なお、撮像装置800は、投写型映像表示装置100と一体に設けられていてもよく、投写型映像表示装置100とは別に設けられていてもよい。また、撮像装置800は、1台であってもよく、2台以上であってもよい。
【0131】
例えば、撮像装置800が1台であるケースでは、筐体200の幅方向における略中央に1台の撮像装置800が設けられる。このようなケースでは、撮像装置800の視野角は、投写ユニット150から出射される光の広がり角と略等しいことが好ましい。
【0132】
また、撮像装置800が2台であるケースでは、筐体200の幅方向における両端に撮像装置800がそれぞれ設けられる。このようなケースでは、2台の撮像装置800によって撮像可能な空間(撮像空間)が互いに交差することが好ましい。
【0133】
侵入判定部660は、撮像装置800によって撮像された画像に基づいて、少なくとも投写ユニット150から出射される光の進路上に物体(例えば、人体)が侵入したか否かを判定する。検出部660は、投写ユニット150から出射される光の進路上だけでなく、投写ユニット150から出射される光の進路近傍、すなわち、進路から一定範囲内に物体が侵入したか否かを判定してもよい。
【0134】
具体的には、物体(人体)の侵入を判定する方法としては、背景差分法やフレーム間差分法が考えられる。背景差分法では、予め取得された背景画像と撮像装置800によって撮像された画像との差分に基づいて、物体の侵入が判定される。フレーム間差分法では、撮像装置800によって連続的に撮像された2枚の画像の差分に基づいて、物体の侵入が判定される。
【0135】
侵入判定部660は、投写ユニット150から出射される光の進路上へ物体が侵入していないと判定した場合、進路上へ物体が侵入していないことを示す非侵入通知POKを、撮像制御部670に送信する。一方で、侵入判定部660は、投写ユニット150から出射される光の進路上へ物体が侵入したと判定した場合、進路上へ物体が侵入したことを示す侵入通知PNGを、撮像制御部670に送信する。
【0136】
撮像制御部670は、駆動開始指示SSTARTに応じて、侵入判定部660を起動させる。これによって、侵入判定部660による判定処理が開始される。
【0137】
本実施形態において、撮像制御部670は、侵入判定部660から受信する非侵入通知POK及び侵入通知PNGを、光源制御部640に転送する。
【0138】
また、撮像制御部670は、光源制御部640から光源消灯通知LSTOPを受信した場合、侵入判定部660を停止させる。これによって、侵入判定部660による判定処理が終了される。
【0139】
光源制御部640は、投写ユニット150から出射される光の進路上へ物体が侵入していないと侵入判定部660によって判定されたことに応じて、光源ユニット110を起動する。具体的には、光源制御部640は、撮像制御部670から非侵入通知POKを受信した場合、各固体光源111への電圧の印加を開始する。
【0140】
すなわち、本実施形態において、光源制御部640は、非侵入通知POK及び素子初期化完了通知ESTARTを受信した場合に、光源ユニット110を起動する。
【0141】
また、光源制御部640は、各固体光源111を消灯させた場合、各固体光源111が消灯したことを示す光源消灯通知LSTOPを、撮像制御部670に送信する。
【0142】
すなわち、本実施形態において、光源制御部640は、素子制御部630だけでなく撮像制御部670に対しても、各固体光源111が消灯されたことを通知する。
【0143】
また、光源制御部640は、撮像制御部670から侵入通知PNGを受信した場合には、各固体光源111に印加する電圧を低減する。これによって、光源制御部640は、各固体光源111の光量を低下させる。
【0144】
(制御ユニットの動作)
以下において、第3実施形態に係る制御ユニットの動作について、図面を参照しながら説明する。図10は、第3実施形態に係る制御ユニット600の動作を示すフロー図である。
【0145】
ステップS30において、制御ユニット600は、駆動開始指示SSTARTを受付ける。
【0146】
ステップS31において、制御ユニット600は、DMD500を初期化するとともに、侵入判定部660を起動する。
【0147】
ステップS32において、制御ユニット600は、投写ユニット150から出射される光の進路上に物体(例えば、人体)が侵入したか否かを判定する。進路上に物体が侵入していないと判定された場合、処理はステップS33に進む。進路上に物体が侵入したと判定された場合、処理はステップS32を繰り返す。
【0148】
ステップS33において、制御ユニット600は、各固体光源111を点灯する。
【0149】
ステップS34において、制御ユニット600は、駆動終了指示SSTOPを受付ける。
【0150】
ステップS35において、制御ユニット600は、各固体光源111を消灯する。
【0151】
ステップS36において、制御ユニット600は、DMD500の制御を終了するとともに、侵入判定部660を停止する。
【0152】
(作用及び効果)
第3実施形態において、光源制御部640は、投写ユニット150から出射される光の進路上へ物体が侵入していないと侵入判定部660によって判定されたことに応じて、光源ユニット110を起動させる。
【0153】
従って、各固体光源111は、進路上へ人体が侵入していないときに点灯される。そのため、投写ユニット150から出射される光が人体に照射されることを抑制することができる。
【0154】
[第4実施形態]
以下において、本発明の第4実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0155】
具体的には、第1実施形態では特に触れていないが、第4実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源の光出射側に設けられる遮光シャッタを備える。
【0156】
(色分離合成ユニット及び投写ユニットの構成)
以下において、第4実施形態に係る色分離合成ユニット及び投写ユニットの構成について、図面を参照しながら説明する。図11は、第4実施形態に係る投写ユニット150を示す図である。
【0157】
図11に示すように、投写ユニット150は、凹面ミラー151及び投写レンズ群152に加えて、遮光シャッタ153を備える。
【0158】
遮光シャッタ153は、投写レンズ群152の光入射側に設けられる。遮光シャッタ153が閉じられている場合、第2ユニット142から出射される光は、遮光シャッタ153によって遮光される。遮光シャッタ153が開かれている場合、第2ユニット142から出射される光は、投写レンズ群152に導かれる。
【0159】
遮光シャッタ153は、初期化された状態において閉じられており、その後、映像光が投写面300に投写される際に開かれる。
【0160】
(制御ユニットの構成)
以下において、第4実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図12は、第4実施形態に係る制御ユニット600を示すブロック図である。
【0161】
図12に示すように、制御ユニット600は、映像信号受付部610、操作受付部620、素子制御部630及び光源制御部640に加えて、遮光制御部680を有する。
【0162】
遮光制御部680は、遮光シャッタ153の開閉制御を実行する。まず、遮光制御部680は、駆動開始指示SSTARTに応じて、遮光シャッタ153を初期化する。遮光制御部680は、遮光シャッタ153を閉じることによって遮光シャッタ153を初期化する。その後、遮光制御部680は、映像出力信号がDMD500に入力された場合には遮光シャッタ153を開ける。
【0163】
遮光制御部680は、遮光シャッタ153を閉じることによって初期化した場合、遮光シャッタ153の初期化が完了したことを示す遮光初期化完了通知BSTARTを、光源制御部640に送信する。
【0164】
また、遮光制御部680は、光源制御部640から光源消灯通知LSTOPを受信した場合、遮光シャッタ153の開閉制御を終了する。
【0165】
光源制御部640は、遮光制御部680によって遮光シャッタ153が初期化されたことに応じて、光源ユニット110を起動する。具体的には、光源制御部640は、遮光制御部680から遮光初期化完了通知BSTARTを受信した場合、各固体光源111への電圧の印加を開始する。
【0166】
また、光源制御部640は、各固体光源111を消灯させた場合、各固体光源111が消灯したことを示す光源消灯通知LSTOPを、遮光制御部680に送信する。
【0167】
すなわち、本実施形態において、光源制御部640は、素子制御部630だけでなく遮光制御部680に対しても、各固体光源111が消灯されたことを通知する。
【0168】
(制御ユニットの動作)
以下において、第4実施形態に係る制御ユニットの動作について、図面を参照しながら説明する。図13は、第3実施形態に係る制御ユニット600の動作を示すフロー図である。
【0169】
ステップS40において、制御ユニット600は、駆動開始指示SSTARTを受付ける。
【0170】
ステップS41において、制御ユニット600は、DMD500を初期化するとともに、遮光シャッタ153を閉じることによって遮光シャッタ153を初期化する。
【0171】
ステップS42において、制御ユニット600は、各固体光源111を点灯する。
【0172】
ステップS43において、制御ユニット600は、駆動終了指示SSTOPを受付ける。
【0173】
ステップS44において、制御ユニット600は、各固体光源111を消灯する。
【0174】
ステップS45において、制御ユニット600は、DMD500の制御を終了するとともに、遮光シャッタ153の制御を終了する。
【0175】
(作用及び効果)
第4実施形態において、光源制御部640は、遮光制御部680によって遮光シャッタ153が初期化されたことに応じて、固体光源111を起動させる。遮光制御部680は、遮光シャッタ153を閉じることによって遮光シャッタ153を初期化する。
【0176】
従って、各固体光源111は、遮光シャッタ153が閉じられた後に点灯される。そのため、各固体光源111の点灯以後に遮光シャッタ153が閉じられる場合に比べて、投写面300が不要に照射されることを抑制することができる。
【0177】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0178】
上述した実施形態では、光変調素子としてDMD500が用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光変調素子としては、DMD以外の反射型光変調素子(例えば、反射型LCD(Liquid Crystal Display))や透過型光変調素子(例えば、透過型LCD(Liquid Crystal Display))を用いることができる。この場合、反射型LCDが初期化されていない状態において入射光の多くを反射されるケース、或いは、透過型LCDが初期化されていない状態において入射光の光量を調整することなく出射されるケースでは、光変調素子の初期化が完了する前に固体光源を起動すると、ユーザが眩しいと感じる程に投写面が照らされてしまう。このようなケースにおいても、本発明を適用することによって、固体光源から出射された光が入射する前に光変調素子を初期化できるので、光変調素子から不所望な光が出射されることを抑制することができる。
【0179】
また、上述した実施形態では、「温度調整装置」として冷却ユニット130が用いられるケースについて説明したが、これに限られるものではない。投写型映像表示装置100が寒冷な環境下で使用される場合には、温媒を循環させる加温ユニットを「温度調整装置」として用いてもよい。これによって、各個体光源111及びDMD500それぞれの温度が適正温度よりも低いことによって、各個体光源111及びDMD500それぞれの動作が不安定になることを抑制できる。
【0180】
また、上述した実施形態では、冷却ジャケット131は、冷媒が循環される流路を有することとしたが、これに限られるものではない。例えば、冷却ジャケット131は熱電変換素子(例えば、ペルチェ素子など)であってもよい。
【0181】
また、上述した第2実施形態では、温度センサ700は、各固体光源111の温度の指標となる「指標温度」の一例として、各固体光源111の表面温度を検出することとしたが、各固体光源111の内部温度を検出することとしてもよい。また、温度センサ700は、各固体光源111の温度の指標となる「指標温度」として、冷却ジャケット131に供給される冷媒の温度を検出してもよい。この場合、冷却制御部650は、冷媒の温度が所定の温度範囲内に安定していることを確認すればよい。
【0182】
また、上述した第3実施形態では、侵入判定部660は、撮像装置800によって撮像された画像に基づいて物体が侵入したか否かを判定することとしたが、これに限られるものではない。侵入判定部660は、レーザー距離センサによる検出結果に基づいて物体が侵入したか否かを判定してもよい。
【0183】
また、上述した第3実施形態では特に触れていないが、撮像装置800としては、赤外線を検知することによって熱画像を撮像する赤外線センサや、可視光線を検知することによって可視画像を撮像するCCDカメラなどを用いることができる。
【0184】
また、上述した第3実施形態では特に触れていないが、投写型映像表示装置100は、投写ユニット150から出射される光の光路上に物体が検出された場合に、警告音を出力するように構成されていてもよい。
【0185】
また、上述した第4実施形態では、遮光シャッタ153は投写レンズ群152の光入射側に設けられることとしたが、これに限られるものではない。遮光シャッタ153は固体光源111の光出射側に設けられていればよい。
【0186】
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0187】
10…ロッドインテグレータ、21〜23…レンズ、31〜35…ミラー、40…レンズ、50…プリズム、60…プリズム、70…プリズム、80…プリズム、90…プリズム、100…投写型映像表示装置、110…光源ユニット、111…固体光源、112…ヘッド、113…光ファイバー、114…バンドル部、120…電源ユニット、130…冷却ユニット、131…冷却ジャケット、140…色分離合成ユニット、141…第1ユニット、142…第2ユニット、150…投写ユニット、151…凹面ミラー、152…投写レンズ群、153…遮光シャッタ、200…筐体、300…投写面、500…DMD、600…制御ユニット、610…映像信号受付部、620…操作受付部、630…素子制御部、640…光源制御部、650…冷却制御部、660…侵入判定部、670…撮像制御部、680…遮光制御部、700…温度センサ、800…撮像装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源と、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射された光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、光源から出射された光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射された映像光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
ここで、投写型映像表示装置の起動時において、再生データが映像データを含まない場合、すなわち再生データが音声データである場合には、光源を起動する必要がない。一方で、投写レンズのシャッタがユーザによって開放されている場合には、再生データが映像データを含むことが予想される。そこで、投写レンズのシャッタがユーザによって開放されている場合には、再生データが映像データを含むことを確認せずに光源を起動させる手法が提案されている(特許文献1参照)。この手法によれば、再生データが映像データを実際に含むかどうかを確認しないので、光源を迅速に起動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−299274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の手法では、光源の迅速な起動だけに主眼がおかれており、光変調素子の制御について考慮されていない。そのため、光源から出射された光が初期化されていない光変調素子に入射することによって、光変調素子から不所望な光が出射されるおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、光変調素子から不所望な光が出射されることを抑制可能な投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る投写型映像表示装置は、光源と、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射された光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置であって、自装置の駆動開始を指示する駆動開始指示に応じて、光変調素子を初期化する素子制御部と、素子制御部によって光変調素子が初期化されたことに応じて、光源を起動させる光源制御部とを備えることを要旨とする。
【0008】
本発明に係る投写型映像表示装置は、光源の温度を調整する温度調整装置と、駆動開始指示に応じて、温度調整装置を起動させる温度調整装置制御部と、光源の温度の指標となる指標温度を検出する温度センサとをさらに備えていてもよい。光源制御部は、温度センサによって検出される環境温度が所定の温度範囲に入っている場合に、光源を起動させてもよい。
【0009】
本発明に係る投写型映像表示装置において、温度調整装置は、液媒体が循環され、光源に取付けられる液媒体ジャケットを含んでおり、温度センサは、指標温度として液媒体ジャケットに供給される液媒体の温度を検出してもよい。
【0010】
本発明に係る投写型映像表示装置は、投写ユニットから出射される光の進路上、又は前記進路近傍に物体が侵入したか否かを判定する侵入判定部をさらに備えており、光源制御部は、進路上に物体が侵入していないと侵入判定部によって判定されたことに応じて、光源を起動させてもよい。
【0011】
本発明に係る投写型映像表示装置は、光源の光出射側に設けられる遮光シャッタと、駆動開始指示に応じて、遮光シャッタを閉じることによって遮光シャッタを初期化する遮光シャッタ制御部とをさらに備えていてもよい。光源制御部は、遮光シャッタ制御部によって遮光シャッタが初期化されたことに応じて、光源を起動させてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光変調素子から不所望な光が出射されることを抑制可能な投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を側方から見た図である。
【図3】第1実施形態に係る光源ユニット110を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る色分離合成ユニット140及び投写ユニット150を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る制御ユニット600の構成を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る制御ユニット600の動作を説明するためのフロー図である
【図7】第2実施形態に係る制御ユニット600を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る制御ユニット600の動作を説明するためのフロー図である
【図9】第3実施形態に係る制御ユニット600を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る制御ユニット600の動作を説明するためのフロー図である
【図11】第4実施形態に係る投写ユニット150を示す図である。
【図12】第4実施形態に係る制御ユニット600を示す図である。
【図13】第4実施形態に係る制御ユニット600の動作を説明するためのフロー図である
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を側方から見た図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、投写型映像表示装置100は、筐体200を有しており、投写面300に映像を投写する。第1実施形態では、投写型映像表示装置100が壁面に設けられた投写面300に映像光を投写するケースについて例示する。
【0018】
なお、以下の説明において、投写面300に平行な水平方向を“幅方向”と称し、投写面300の垂線方向を“奥行き方向”と称する。幅方向及び奥行き方向の双方に直交する方向を“高さ方向”と称する。
【0019】
筐体200は、略直方体形状を有する。奥行き方向における筐体200のサイズ及び高さ方向における筐体200のサイズは、幅方向における筐体200のサイズよりも小さい。奥行き方向における筐体200のサイズは、反射ミラーである凹面ミラー151から投写面300までの投写距離と略等しい。幅方向における筐体200のサイズは、投写面300のサイズと略等しい。高さ方向における筐体200のサイズは、投写面300が設けられる位置に応じて定められる。
【0020】
筐体200は、光源ユニット110と、電源ユニット120と、冷却ユニット130と、色分離合成ユニット140と、投写ユニット150とを収容する。
【0021】
光源ユニット110は、複数の固体光源(図3に示す複数の固体光源111)によって構成されるユニットである。各固体光源は、LD(Laser Diode)などの光源である。第1実施形態では、光源ユニット110には、赤成分光Rを出射する赤固体光源(図3に示す赤固体光源111R)、緑成分光Gを出射する緑固体光源(図3に示す緑固体光源111G)、青成分光Bを出射する青固体光源(図3に示す青固体光源111B)を有する。光源ユニット110の詳細については後述する。
【0022】
電源ユニット120は、投写型映像表示装置100に電力を供給するユニットである。具体的には、電源ユニット120は、光源ユニット110及び冷却ユニット130などに電力を供給する。
【0023】
冷却ユニット130は、光源ユニット110に設けられた複数の固体光源111を冷却するユニットである。具体的には、冷却ユニット130は、各固体光源111に取付けられる液媒体ジャケット(図3に示す冷却ジャケット131)に冷媒を循環させることによって、各固体光源111を冷却する。なお、冷却ユニット130は、各固体光源111の温度を調整する「温度調整装置」の一例である。
【0024】
なお、冷却ユニット130は、各固体光源以外にも、電源ユニット120や光変調素子(図4に示すDMD500)などを冷却するように構成されている。
【0025】
色分離合成ユニット140は、赤固体光源から出射された赤成分光R、緑固体光源から出射された緑成分光G、青固体光源から出射された青成分光Bを合成する。また、色分離合成ユニット140は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む合成光を分離して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを変調する。さらに、色分離合成ユニット140は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを再合成して、光(映像光)を投写ユニット150に出射する。色分離合成ユニット140の詳細については後述する。
【0026】
投写ユニット150は、色分離合成ユニット140から出射された光(映像光)を投写面300に投写する。具体的には、投写ユニット150は、色分離合成ユニット140から出射された光(映像光)を投写面300側に向かって反射する凹面ミラー151と、色分離合成ユニット140から出射された光(映像光)を凹面ミラー151に向かって出射する投写レンズ群152(図4参照)とを有する。投写ユニット150の詳細については後述する。
【0027】
(光源ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る光源ユニットの構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る光源ユニット110を示す図である。
【0028】
図3に示すように、光源ユニット110は、複数の赤固体光源111R、複数の緑固体光源111G及び複数の青固体光源111Bによって構成される。
【0029】
赤固体光源111Rは、上述したように、赤成分光Rを出射するLDなどの赤固体光源である。赤固体光源111Rは、ヘッド112Rを有しており、ヘッド112Rには、光ファイバー113Rが接続される。
【0030】
各赤固体光源111Rのヘッド112Rに接続された光ファイバー113Rは、バンドル部114Rで束ねられる。すなわち、各赤固体光源111Rから出射された光は、各光ファイバー113Rによって伝達されて、バンドル部114Rに集められる。
【0031】
赤固体光源111Rは、冷却ジャケット131Rに取付けられる。例えば、赤固体光源111Rは、ネジ止めなどによって冷却ジャケット131Rに固定される。冷却ジャケット131Rの内部には冷媒が循環される流路(不図示)が形成されており、流路には冷却ユニット130から冷媒が送られる。これによって、赤固体光源111Rは、冷却ジャケット131Rによって冷却される。なお、冷媒は冷却ジャケット131内部に循環される「液媒体」の一例であり、冷却ジャケット131は液媒体が循環される「液媒体ジャケット」の一例である。
【0032】
緑固体光源111Gは、上述したように、緑成分光Gを出射するLDなどの緑固体光源である。緑固体光源111Gは、ヘッド112Gを有しており、ヘッド112Gには、光ファイバー113Gが接続される。
【0033】
各緑固体光源111Gのヘッド112Gに接続された光ファイバー113Gは、バンドル部114Gで束ねられる。すなわち、各緑固体光源111Gから出射された光は、各光ファイバー113Gによって伝達されて、バンドル部114Gに集められる。
【0034】
緑固体光源111Gは、冷却ジャケット131Gに取付けられる。例えば、緑固体光源111Gは、ネジ止めなどによって冷却ジャケット131Gに固定される。冷却ジャケット131Gの内部には冷媒が循環される流路(不図示)が形成されており、流路には冷却ユニット130から冷媒が送られる。これによって、緑固体光源111Gは、冷却ジャケット131Gによって冷却される。なお、冷却ジャケット131Gは、本発明に係る「液媒体ジャケット」の一例である。
【0035】
青固体光源111Bは、上述したように、青成分光Bを出射するLDなどの青固体光源である。青固体光源111Bは、ヘッド112Bを有しており、ヘッド112Bには、光ファイバー113Bが接続される。
【0036】
各青固体光源111Bのヘッド112Bに接続された光ファイバー113Bは、バンドル部114Bで束ねられる。すなわち、各青固体光源111Bから出射された光は、各光ファイバー113Bによって伝達されて、バンドル部114Bに集められる。
【0037】
青固体光源111Bは、冷却ジャケット131Bに取付けられる。例えば、青固体光源111Bは、ネジ止めなどによって冷却ジャケット131Bに固定される。冷却ジャケット131Bの内部には冷媒が循環される流路(不図示)が形成されており、流路には冷却ユニット130から冷媒が送られる。これによって、青固体光源111Bは、冷却ジャケット131Bによって冷却される。なお、冷却ジャケット131Bは、本発明に係る「液媒体ジャケット」の一例である。
【0038】
(色分離合成ユニット及び投写ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る色分離合成ユニット及び投写ユニットの構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る色分離合成ユニット140及び投写ユニット150を示す図である。第1実施形態では、DLP(Digital Light Processing)方式(登録商標)に対応する投写型映像表示装置100を例示する。
【0039】
図4に示すように、色分離合成ユニット140は、第1ユニット141と、第2ユニット142とを有する。また、図示しないが、色分離合成ユニット140は、第1ユニット141及び第2ユニット142の筐体を含む様々な部材を有している。特に、DMD500の周辺には、様々な部材が配置されていることに留意すべきである。
【0040】
第1ユニット141は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを合成して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む合成光を第2ユニット142に出射する。
【0041】
具体的には、第1ユニット141は、複数のロッドインテグレータ(ロッドインテグレータ10R、ロッドインテグレータ10G及びロッドインテグレータ10B)と、レンズ群(レンズ21R、レンズ21G、レンズ21B、レンズ22、レンズ23)と、ミラー群(ミラー31、ミラー32、ミラー33、ミラー34及びミラー35)とを有する。
【0042】
ロッドインテグレータ10Rは、光入射面と、光出射面と、光入射面の外周から光出射面の外周に亘って設けられる光反射側面とを有する。ロッドインテグレータ10Rは、バンドル部114Rで束ねられた光ファイバー113Rから出射される赤成分光Rを均一化する。すなわち、ロッドインテグレータ10Rは、光反射側面で赤成分光Rを反射することによって、赤成分光Rを均一化する。
【0043】
ロッドインテグレータ10Gは、光入射面と、光出射面と、光入射面の外周から光出射面の外周に亘って設けられる光反射側面とを有する。ロッドインテグレータ10Gは、バンドル部114Gで束ねられた光ファイバー113Gから出射される緑成分光Gを均一化する。すなわち、ロッドインテグレータ10Gは、光反射側面で緑成分光Gを反射することによって、緑成分光Gを均一化する。
【0044】
ロッドインテグレータ10Bは、光入射面と、光出射面と、光入射面の外周から光出射面の外周に亘って設けられる光反射側面とを有する。ロッドインテグレータ10Bは、バンドル部114Bで束ねられた光ファイバー113Bから出射される青成分光Bを均一化する。すなわち、ロッドインテグレータ10Bは、光反射側面で青成分光Bを反射することによって、青成分光Bを均一化する。
【0045】
レンズ21Rは、赤成分光RがDMD500Rに照射されるように、赤成分光Rを略平行光化するレンズである。レンズ21Gは、緑成分光GがDMD500Gに照射されるように、緑成分光Gを略平行光化するレンズである。レンズ21Bは、青成分光BがDMD500Bに照射されるように、青成分光Bを略平行光化するレンズである。
【0046】
レンズ22は、赤成分光R及び緑成分光Gの拡大を抑制しながら、DMD500R及びDMD500G上に赤成分光R及び緑成分光Gを略結像するためのレンズである。レンズ23は、青成分光Bの拡大を抑制しながら、青成分光BをDMD500Bに略結像するためのレンズである。
【0047】
ミラー31は、ロッドインテグレータ10Rから出射された赤成分光Rを反射する。ミラー32は、ロッドインテグレータ10Gから出射された緑成分光Gを反射して、赤成分光Rを透過するダイクロイックミラーである。ミラー33は、ロッドインテグレータ10Bから出射された青成分光Bを透過して、赤成分光R及び緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。
【0048】
ミラー34は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを反射する。ミラー35は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを第2ユニット142側に反射する。なお、図4では、説明を簡易にするために、各構成が平面図で示されているが、ミラー35は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを高さ方向において斜めに反射する。
【0049】
第2ユニット142は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む合成光を分離して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを変調する。続いて、第2ユニット142は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを再合成して、映像光を投写ユニット150側に出射する。
【0050】
具体的には、第2ユニット142は、レンズ40と、プリズム50と、プリズム60と、プリズム70と、プリズム80と、プリズム90と、複数のDMD;Digital Micromirror Device(DMD500R、DMD500G及びDMD500B)とを有する。
【0051】
レンズ40は、各色成分光が各DMD500に照射されるように、第1ユニット141から出射された光を略平行光化するレンズである。
【0052】
プリズム50は、透光性部材によって構成されており、面51及び面52を有する。プリズム50(面51)とプリズム60(面61)との間にはエアギャップが設けられており、第1ユニット141から出射される光が面51に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、第1ユニット141から出射される光は面51で反射される。一方で、プリズム50(面52)とプリズム70(面71)との間にはエアギャップが設けられるが、第1ユニット141から出射される光が面52に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、面51で反射された光は面52を透過する。
【0053】
プリズム60は、透光性部材によって構成されており、面61を有する。
【0054】
プリズム70は、透光性部材によって構成されており、面71及び面72を有する。プリズム50(面52)とプリズム70(面71)との間にはエアギャップが設けられており、面72で反射された青成分光B及びDMD500Bから出射された青成分光Bが面71に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、面72で反射された青成分光B及びDMD500Bから出射された青成分光Bは面71で反射される。
【0055】
面72は、赤成分光R及び緑成分光Gを透過して、青成分光Bを反射するダイクロイックミラー面である。従って、面51で反射された光のうち、赤成分光R及び緑成分光Gは面72を透過し、青成分光Bは面72で反射される。面71で反射された青成分光Bは面72で反射される。
【0056】
プリズム80は、透光性部材によって構成されており、面81及び面82を有する。プリズム70(面72)とプリズム80(面81)との間にはエアギャップが設けられており、面81を透過して面82で反射された赤成分光R及びDMD500Rから出射された赤成分光Rが再び面81に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、面81を透過して面82で反射された赤成分光R及びDMD500Rから出射された赤成分光Rは面81で反射される。一方で、DMD500Rから出射されて面81で反射された後に面82で反射された赤成分光Rが再び面81に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、DMD500Rから出射されて面81で反射された後に面82で反射された赤成分光Rは面81を透過する。
【0057】
面82は、緑成分光Gを透過して、赤成分光Rを反射するダイクロイックミラー面である。従って、面81を透過した光のうち、緑成分光Gは面82を透過し、赤成分光Rは面82で反射される。面81で反射された赤成分光Rは面82で反射される。DMD500Gから出射された緑成分光Gは面82を透過する。
【0058】
ここで、プリズム70は、赤成分光R及び緑成分光Gを含む合成光と青成分光Bとを面72によって分離する。プリズム80は、赤成分光Rと緑成分光Gとを面82によって分離する。すなわち、プリズム70及びプリズム80は、各色成分光を分離する色分離素子として機能する。
【0059】
なお、第1実施形態では、プリズム70の面72のカットオフ波長は、緑色に相当する波長帯と青色に相当する波長帯との間に設けられる。プリズム80の面82のカットオフ波長は、赤色に相当する波長帯と緑色に相当する波長帯との間に設けられる。
【0060】
一方で、プリズム70は、赤成分光R及び緑成分光Gを含む合成光と青成分光Bとを面72によって合成する。プリズム80は、赤成分光Rと緑成分光Gとを面82によって合成する。すなわち、プリズム70及びプリズム80は、各色成分光を合成する色合成素子として機能する。
【0061】
プリズム90は、透光性部材によって構成されており、面91を有する。面91は、緑成分光Gを透過するように構成されている。なお、DMD500Gへ入射する緑成分光G及びDMD500Gから出射された緑成分光Gは面91を透過する。
【0062】
DMD500R、DMD500G及びDMD500Bは、複数の微少ミラーによって構成されており、各微少ミラーは可動式である。各微少ミラーは、基本的に1画素に相当する。DMD500Rは、各微小ミラーへの電圧の印加によって、各微少ミラーの角度を制御する。これによって、投写ユニット150側に赤成分光Rを反射するか否かが切り替えられる。同様に、DMD500G及びDMD500Bは、各微小ミラーへの電圧の印加によって、各微少ミラーの角度を制御する。これによって、投写ユニット150側に緑成分光G及び青成分光Bを反射するか否かが切り替えられる。
【0063】
投写ユニット150は、凹面ミラー151と、投写レンズ群152とを有する。
【0064】
凹面ミラー151は、投写レンズ群152から出射された光(映像光)を反射する。凹面ミラー151は、映像光を集光した上で、映像光を広角化する。例えば、凹面ミラー151は、投写レンズ群152側に凹面を有する非球面ミラーである。
【0065】
投写レンズ群152は、色分離合成ユニット140から出射された光(映像光)を凹面ミラー151側に出射する。
【0066】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る制御ユニット600を示すブロック図である。制御ユニット600は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0067】
ここで、制御ユニット600は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号を出力する。映像入力信号は、フレーム毎の信号であり、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binを含む。映像出力信号は、フレーム毎の信号であり、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutを含む。
【0068】
図5に示すように、制御ユニット600は、映像信号受付部610と、操作受付部620と、素子制御部630と、光源制御部640とを有する。
【0069】
映像信号受付部610は、DVDやTVチューナなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0070】
操作受付部620は、操作I/F(不図示)などから、投写型映像表示装置100の駆動開始を指示する駆動開始指示SSTARTを受付ける。駆動開始指示SSTARTは、例えば、投写型映像表示装置100の電源投入指示や映像の表示開始指示である。操作受付部620は、駆動開始指示SSTARTを受付けた場合、駆動開始指示SSTARTを素子制御部630に送信する。
【0071】
また、操作受付部620は、操作I/Fなどから、投写型映像表示装置100の駆動終了を指示する駆動終了指示SSTOPを受付ける。駆動終了指示SSTOPは、例えば、電源切断指示や映像の表示終了指示などである。操作受付部620は、駆動終了指示SSTOPを受付けた場合、駆動終了指示SSTOPを光源制御部650に送信する。
【0072】
素子制御部630は、映像入力信号を取得した場合、映像入力信号に基づいてDMD500を制御する。具体的には、素子制御部630は、映像出力信号に基づいて各微小ミラーに印加される電圧を二値的に制御することによって、各微小ミラーの角度を二値的に調整する。
【0073】
素子制御部630は、各微小ミラーに印加される電圧を、第1電圧と第1電圧よりも低い第2電圧とで二値的に制御することによって、各微小ミラーの角度を二値的に調整する。
【0074】
本実施形態において、素子制御部630は、駆動開始指示SSTARTに応じて、DMD500を初期化する。具体的には、素子制御部630は、駆動開始指示SSTARTを受信した場合、所定電圧を各微小ミラーに印加することによって、DMD500を構成する各微小ミラーの角度を所定角度に揃える。所定電圧は、第1電圧又は第2電圧であってもよいし、第1及び第2電圧とは異なる電圧であってもよい。これによって、DMD500に入射する光を所望の方向、すなわち、DMD500の周辺に配置された部材とは異なる方向に反射する準備が整われる。
【0075】
素子制御部630は、DMD500を初期化した場合、DMD500が初期化されたことを示す素子初期化完了通知ESTARTを、光源制御部640に送信する。
【0076】
また、素子制御部630は、光源制御部640から送信される後述の光源消灯通知LSTOPに応じて、DMD500の制御を終了する。具体的には、素子制御部630は、光源消灯通知LSTOPを受信した場合、DMD500を構成する複数の微小ミラーそれぞれへの電圧の印加を停止する。これによって、各微少ミラーの角度の制御は解除され、各微小ミラーは振動や傾きなどによって揺動されうる状態となる。
【0077】
光源制御部640は、光源ユニット110に設けられた複数の固体光源111のそれぞれを制御する。具体的には、光源制御部640は、各固体光源111に印加される電圧を制御することによって、各固体光源111から出射される光量を制御する。
【0078】
本実施形態において、光源制御部640は、素子制御部630によってDMD500が初期化されたことに応じて、光源ユニット110を起動する。具体的には、光源制御部640は、素子制御部630から素子初期化完了通知ESTARTを受信した場合、各固体光源111への電圧の印加を開始する。これによって、各固体光源111は点灯し、各固体光源111から出射された光がDMD500に入射する。
【0079】
また、光源制御部640は、駆動終了指示SSTOPに応じて、各固体光源111を停止させる。具体的には、光源制御部640は、駆動終了指示SSTOPを受信した場合、各固体光源111への電圧の印加を停止する。これによって、各固体光源111の制御が終了され、各固体光源111は消灯する。
【0080】
光源制御部640は、各固体光源111を消灯させた場合、各固体光源111が消灯したことを示す光源消灯通知LSTOPを、素子制御部630に送信する。
【0081】
(制御ユニットの動作)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットの動作について、図面を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係る制御ユニット600の動作を示すフロー図である。
【0082】
ステップS10において、制御ユニット600は、駆動開始指示SSTARTを受付ける。
【0083】
ステップS11において、制御ユニット600は、DMD500を初期化する。具体的には、制御ユニット600は、DMD500を構成する各微小ミラーに所定電圧を印加することによって、各微小ミラーの角度を所定角度に揃える。
【0084】
ステップS12において、制御ユニット600は、各固体光源111を点灯する。
【0085】
ステップS13において、制御ユニット600は、駆動終了指示SSTOPを受付ける。
【0086】
ステップS14において、制御ユニット600は、各固体光源111を消灯する。
【0087】
ステップS15において、制御ユニット600は、DMD500の制御を終了する。具体的には、制御ユニット600は、DMD500を構成する各微小ミラーへの電圧の印加を停止する。
【0088】
(作用及び効果)
第1実施形態において、投写型映像表示装置100は、光変調素子としてDMD500を備えている。DMD500は複数の微小ミラーによって構成されており、各微小ミラーに電圧が二値的に印加されることによって、各微小ミラーの角度が二値的に調整される。
【0089】
ここで、DMD500が素子制御部630によって制御されていない場合、各微小ミラーの角度は調整されないので、各固体光源111から出射される光が各微小ミラーによって不特定の方向に反射されてしまう。その結果、DMD500の反射光で加熱されることによって、DMD500の周辺に配置された部材に不具合(変形や破壊など)が生じるおそれがあった。
【0090】
そこで、第1実施形態において、光源制御部640は、素子制御部630によってDMD500が初期化されたことに応じて、固体光源111を起動させる。
【0091】
従って、各固体光源111から出射される光は、DMD500を構成する各微少ミラーの角度が所定角度に揃えられた後に、DMD500に入射される。そのため、各固体光源111から出射される光が各微小ミラーによって不特定の方向に反射されることを回避できる。このように、DMD500から不所望な光が出射されることを抑制できるので、DMD500の反射光で加熱されることによって、DMD500の周辺に配置された部材に不具合が生じることを抑制することができる。
【0092】
また、第1実施形態において、素子制御部630は、光源制御部640によって各固体光源111が消灯されたことに応じて、DMD500を停止する。
【0093】
従って、DMD500への入射光が消灯された後に、各微少ミラーへの電圧の印加が終了される。そのため、各固体光源111が消灯される際、各微少ミラーは所定角度に揃えられているので、各固体光源111から出射される光がDMD500によって不特定の方向に反射されることを回避できる。すなわち、DMD500から不所望な光が出射されることを抑制できる。その結果、DMD500の反射光で加熱されることによって、反射型光変調素子の周辺に配置された部材に不具合が生じることをより抑制することができる。
【0094】
[第2実施形態]
以下において、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0095】
具体的には、第1実施形態では、冷却ユニット130が起動されるタイミングについては触れられていないが、第2実施形態では、冷却ユニット130が起動されるタイミングの詳細について説明する。
【0096】
(制御ユニットの構成)
以下において、第2実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態に係る制御ユニット600を示すブロック図である。
【0097】
図7に示すように、制御ユニット600は、映像信号受付部610、操作受付部620、素子制御部630及び光源制御部640に加えて、冷却制御部650を有する。
【0098】
操作受付部620は、駆動開始指示SSTARTを冷却制御部650に送信する。
【0099】
冷却制御部650は、各固体光源111の温度を調整する冷却ユニット130を制御する。具体的には、冷却制御部650は、冷却ユニット130に電力を供給することによって、冷却ジャケット131に冷媒を循環させる。
【0100】
冷却制御部650は、各固体光源111の表面温度及びDMD500の表面温度を検出する温度センサ700に接続されている。冷却制御部650は、温度センサ700から各固体光源111の表面温度及びDMD500の表面温度を取得する。なお、各固体光源111の表面温度は、各固体光源111の温度の指標となる「指標温度」の一例である。
【0101】
冷却制御部650は、駆動開始指示SSTARTに応じて、冷却ユニット130を起動させる。具体的には、冷却制御部650は、駆動開始指示SSTARTを受信した場合、冷却ユニット130へ電力を供給することによって、冷却ジャケット131に冷媒の供給を開始する。
【0102】
冷却制御部650は、冷却ユニット130を起動させた場合、各固体光源111の表面温度を温度センサ700から取得し、各固体光源111の表面温度が各固体光源111の起動に適した温度範囲に入っていることを確認する。また、冷却制御部650は、冷却ユニット130を起動させた場合、DMD500の表面温度を温度センサ700から取得し、DMD500の表面温度がDMD500の起動に適した温度範囲に入っていることを確認する。
【0103】
冷却制御部650は、各固体光源111の表面温度及びDMD500の表面温度それぞれが所定の温度範囲に入っていることが確認された場合、各固体光源111及びDMD500を起動する準備が完了したことを示す起動準備完了通知CSTARTを、素子制御部630に送信する。
【0104】
また、冷却制御部650は、素子制御部630によりDMD500の制御が終了したことに応じて、冷却ユニット130を停止させる。具体的には、冷却制御部650は、素子制御部630から送信される後述の素子停止完了通知ESTOPを受信した場合、冷却ユニット130への電力の供給を停止することによって、冷却ジャケット131への冷媒の循環を終了させる。
【0105】
本実施形態において、素子制御部630は、冷却制御部650によって冷却ユニット130が起動されたことに応じて、DMD500を初期化する。具体的には、素子制御部630は、冷却制御部650から起動準備完了通知CSTARTを受信した場合、所定電圧を各微小ミラーに印加することによって、DMD500を構成する各微小ミラーの角度を所定角度に揃える。
【0106】
また、素子制御部630は、光源制御部640から送信される光源消灯通知LSTOPに応じてDMD500の制御を終了した場合、DMD500の制御を終了したことを示す素子停止完了通知ESTOPを冷却制御部650に送信する。
【0107】
なお、光源制御部640は、上述の第1実施形態と同様に、起動準備完了通知CSTARTに応じて各固体光源111を点灯し、駆動終了指示SSTOPに応じて各固体光源111を消灯する。光源制御部640は、各固体光源111を消灯させた場合、光源消灯通知LSTOPを素子制御部630に送信する。
【0108】
(制御ユニットの動作)
以下において、第2実施形態に係る制御ユニットの動作について、図面を参照しながら説明する。図8は、第2実施形態に係る制御ユニット600の動作を示すフロー図である。
【0109】
ステップS20において、制御ユニット600は、駆動開始指示SSTARTを受付ける。
【0110】
ステップS21において、制御ユニット600は、冷却ユニット130を起動する。
【0111】
ステップS22において、制御ユニット600は、各固体光源111の表面温度及びDMD500の表面温度それぞれが所定の温度範囲に入っていることを確認する。
【0112】
ステップS23において、制御ユニット600は、DMD500を初期化する。
【0113】
ステップS24において、制御ユニット600は、各固体光源111を点灯する。
【0114】
ステップS25において、制御ユニット600は、駆動終了指示SSTOPを受付ける。
【0115】
ステップS26において、制御ユニット600は、各固体光源111を消灯する。
【0116】
ステップS27において、制御ユニット600は、DMD500の制御を終了する。
【0117】
ステップS28において、制御ユニット600は、冷却ユニット130を停止する。
【0118】
(作用及び効果)
第2実施形態において、光源制御部640は、冷却制御部650によって冷却ユニット130が起動されたことに応じて、固体光源111を起動させる。
【0119】
従って、各固体光源111は、冷却ユニット130が起動された後に点灯される。そのため、各固体光源111の点灯以後に冷却ユニット130が起動される場合に比べて、加熱によって各固体光源111が劣化することを抑制することができる。
【0120】
また、第2実施形態において、素子制御部630は、DMD500の温度が適正な温度範囲に入ったことが確認された後にDMD500を初期化する。従って、DMD500の温度が適正な温度範囲に入っていないときに初期化する場合に比べて、DMD500が加熱によって劣化されることを抑制できる。
【0121】
また、第2実施形態において、光源制御部640は、各固体光源111の温度が適正な温度範囲に入ったことが確認された後に各固体光源111を起動させる。従って、各固体光源111の温度が適正な温度範囲に入っていないときに各固体光源111を起動させる場合に比べて、各固体光源111が加熱によって劣化されることを抑制できる。
【0122】
また、第2実施形態において、冷却制御部650は、光源制御部640によって固体光源111が消灯されたことに応じて、冷却ユニット130を停止する。
【0123】
従って、DMD500への入射光が消灯された後に、冷却ユニット130が停止される。そのため、各固体光源111の消灯以前に冷却ユニット130が停止される場合に比べて、加熱によって各固体光源111が劣化することをより抑制することができる。
【0124】
また、第2実施形態において、冷却制御部650は、素子制御部630によるDMD500の制御が終了した後に、冷却ユニット130を停止する。従って、DMD500の制御が終了する以前に冷却ユニット130を停止する場合に比べて、DMD500が加熱によって劣化されることを抑制できる。
【0125】
[第3実施形態]
以下において、本発明の第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0126】
具体的には、第1実施形態では特に触れていないが、第3実施形態に係る投写型映像表示装置は、投写ユニットから出射される光の進路上に物体(例えば、人体)が侵入したことを検出することができる。
【0127】
(制御ユニットの構成)
以下において、第3実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図9は、第3実施形態に係る制御ユニット600を示すブロック図である。
【0128】
図9に示すように、制御ユニット600は、映像信号受付部610、操作受付部620、素子制御部630及び光源制御部640に加えて、侵入判定部660及び撮像制御部670を有する。
【0129】
侵入判定部660は、投写面300を撮像する撮像装置800に接続されている。ここで、撮像装置800の位置や視野角は、投写ユニット150から出射される光の進路上を撮像できるように定められている。
【0130】
なお、撮像装置800は、投写型映像表示装置100と一体に設けられていてもよく、投写型映像表示装置100とは別に設けられていてもよい。また、撮像装置800は、1台であってもよく、2台以上であってもよい。
【0131】
例えば、撮像装置800が1台であるケースでは、筐体200の幅方向における略中央に1台の撮像装置800が設けられる。このようなケースでは、撮像装置800の視野角は、投写ユニット150から出射される光の広がり角と略等しいことが好ましい。
【0132】
また、撮像装置800が2台であるケースでは、筐体200の幅方向における両端に撮像装置800がそれぞれ設けられる。このようなケースでは、2台の撮像装置800によって撮像可能な空間(撮像空間)が互いに交差することが好ましい。
【0133】
侵入判定部660は、撮像装置800によって撮像された画像に基づいて、少なくとも投写ユニット150から出射される光の進路上に物体(例えば、人体)が侵入したか否かを判定する。検出部660は、投写ユニット150から出射される光の進路上だけでなく、投写ユニット150から出射される光の進路近傍、すなわち、進路から一定範囲内に物体が侵入したか否かを判定してもよい。
【0134】
具体的には、物体(人体)の侵入を判定する方法としては、背景差分法やフレーム間差分法が考えられる。背景差分法では、予め取得された背景画像と撮像装置800によって撮像された画像との差分に基づいて、物体の侵入が判定される。フレーム間差分法では、撮像装置800によって連続的に撮像された2枚の画像の差分に基づいて、物体の侵入が判定される。
【0135】
侵入判定部660は、投写ユニット150から出射される光の進路上へ物体が侵入していないと判定した場合、進路上へ物体が侵入していないことを示す非侵入通知POKを、撮像制御部670に送信する。一方で、侵入判定部660は、投写ユニット150から出射される光の進路上へ物体が侵入したと判定した場合、進路上へ物体が侵入したことを示す侵入通知PNGを、撮像制御部670に送信する。
【0136】
撮像制御部670は、駆動開始指示SSTARTに応じて、侵入判定部660を起動させる。これによって、侵入判定部660による判定処理が開始される。
【0137】
本実施形態において、撮像制御部670は、侵入判定部660から受信する非侵入通知POK及び侵入通知PNGを、光源制御部640に転送する。
【0138】
また、撮像制御部670は、光源制御部640から光源消灯通知LSTOPを受信した場合、侵入判定部660を停止させる。これによって、侵入判定部660による判定処理が終了される。
【0139】
光源制御部640は、投写ユニット150から出射される光の進路上へ物体が侵入していないと侵入判定部660によって判定されたことに応じて、光源ユニット110を起動する。具体的には、光源制御部640は、撮像制御部670から非侵入通知POKを受信した場合、各固体光源111への電圧の印加を開始する。
【0140】
すなわち、本実施形態において、光源制御部640は、非侵入通知POK及び素子初期化完了通知ESTARTを受信した場合に、光源ユニット110を起動する。
【0141】
また、光源制御部640は、各固体光源111を消灯させた場合、各固体光源111が消灯したことを示す光源消灯通知LSTOPを、撮像制御部670に送信する。
【0142】
すなわち、本実施形態において、光源制御部640は、素子制御部630だけでなく撮像制御部670に対しても、各固体光源111が消灯されたことを通知する。
【0143】
また、光源制御部640は、撮像制御部670から侵入通知PNGを受信した場合には、各固体光源111に印加する電圧を低減する。これによって、光源制御部640は、各固体光源111の光量を低下させる。
【0144】
(制御ユニットの動作)
以下において、第3実施形態に係る制御ユニットの動作について、図面を参照しながら説明する。図10は、第3実施形態に係る制御ユニット600の動作を示すフロー図である。
【0145】
ステップS30において、制御ユニット600は、駆動開始指示SSTARTを受付ける。
【0146】
ステップS31において、制御ユニット600は、DMD500を初期化するとともに、侵入判定部660を起動する。
【0147】
ステップS32において、制御ユニット600は、投写ユニット150から出射される光の進路上に物体(例えば、人体)が侵入したか否かを判定する。進路上に物体が侵入していないと判定された場合、処理はステップS33に進む。進路上に物体が侵入したと判定された場合、処理はステップS32を繰り返す。
【0148】
ステップS33において、制御ユニット600は、各固体光源111を点灯する。
【0149】
ステップS34において、制御ユニット600は、駆動終了指示SSTOPを受付ける。
【0150】
ステップS35において、制御ユニット600は、各固体光源111を消灯する。
【0151】
ステップS36において、制御ユニット600は、DMD500の制御を終了するとともに、侵入判定部660を停止する。
【0152】
(作用及び効果)
第3実施形態において、光源制御部640は、投写ユニット150から出射される光の進路上へ物体が侵入していないと侵入判定部660によって判定されたことに応じて、光源ユニット110を起動させる。
【0153】
従って、各固体光源111は、進路上へ人体が侵入していないときに点灯される。そのため、投写ユニット150から出射される光が人体に照射されることを抑制することができる。
【0154】
[第4実施形態]
以下において、本発明の第4実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0155】
具体的には、第1実施形態では特に触れていないが、第4実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源の光出射側に設けられる遮光シャッタを備える。
【0156】
(色分離合成ユニット及び投写ユニットの構成)
以下において、第4実施形態に係る色分離合成ユニット及び投写ユニットの構成について、図面を参照しながら説明する。図11は、第4実施形態に係る投写ユニット150を示す図である。
【0157】
図11に示すように、投写ユニット150は、凹面ミラー151及び投写レンズ群152に加えて、遮光シャッタ153を備える。
【0158】
遮光シャッタ153は、投写レンズ群152の光入射側に設けられる。遮光シャッタ153が閉じられている場合、第2ユニット142から出射される光は、遮光シャッタ153によって遮光される。遮光シャッタ153が開かれている場合、第2ユニット142から出射される光は、投写レンズ群152に導かれる。
【0159】
遮光シャッタ153は、初期化された状態において閉じられており、その後、映像光が投写面300に投写される際に開かれる。
【0160】
(制御ユニットの構成)
以下において、第4実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図12は、第4実施形態に係る制御ユニット600を示すブロック図である。
【0161】
図12に示すように、制御ユニット600は、映像信号受付部610、操作受付部620、素子制御部630及び光源制御部640に加えて、遮光制御部680を有する。
【0162】
遮光制御部680は、遮光シャッタ153の開閉制御を実行する。まず、遮光制御部680は、駆動開始指示SSTARTに応じて、遮光シャッタ153を初期化する。遮光制御部680は、遮光シャッタ153を閉じることによって遮光シャッタ153を初期化する。その後、遮光制御部680は、映像出力信号がDMD500に入力された場合には遮光シャッタ153を開ける。
【0163】
遮光制御部680は、遮光シャッタ153を閉じることによって初期化した場合、遮光シャッタ153の初期化が完了したことを示す遮光初期化完了通知BSTARTを、光源制御部640に送信する。
【0164】
また、遮光制御部680は、光源制御部640から光源消灯通知LSTOPを受信した場合、遮光シャッタ153の開閉制御を終了する。
【0165】
光源制御部640は、遮光制御部680によって遮光シャッタ153が初期化されたことに応じて、光源ユニット110を起動する。具体的には、光源制御部640は、遮光制御部680から遮光初期化完了通知BSTARTを受信した場合、各固体光源111への電圧の印加を開始する。
【0166】
また、光源制御部640は、各固体光源111を消灯させた場合、各固体光源111が消灯したことを示す光源消灯通知LSTOPを、遮光制御部680に送信する。
【0167】
すなわち、本実施形態において、光源制御部640は、素子制御部630だけでなく遮光制御部680に対しても、各固体光源111が消灯されたことを通知する。
【0168】
(制御ユニットの動作)
以下において、第4実施形態に係る制御ユニットの動作について、図面を参照しながら説明する。図13は、第3実施形態に係る制御ユニット600の動作を示すフロー図である。
【0169】
ステップS40において、制御ユニット600は、駆動開始指示SSTARTを受付ける。
【0170】
ステップS41において、制御ユニット600は、DMD500を初期化するとともに、遮光シャッタ153を閉じることによって遮光シャッタ153を初期化する。
【0171】
ステップS42において、制御ユニット600は、各固体光源111を点灯する。
【0172】
ステップS43において、制御ユニット600は、駆動終了指示SSTOPを受付ける。
【0173】
ステップS44において、制御ユニット600は、各固体光源111を消灯する。
【0174】
ステップS45において、制御ユニット600は、DMD500の制御を終了するとともに、遮光シャッタ153の制御を終了する。
【0175】
(作用及び効果)
第4実施形態において、光源制御部640は、遮光制御部680によって遮光シャッタ153が初期化されたことに応じて、固体光源111を起動させる。遮光制御部680は、遮光シャッタ153を閉じることによって遮光シャッタ153を初期化する。
【0176】
従って、各固体光源111は、遮光シャッタ153が閉じられた後に点灯される。そのため、各固体光源111の点灯以後に遮光シャッタ153が閉じられる場合に比べて、投写面300が不要に照射されることを抑制することができる。
【0177】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0178】
上述した実施形態では、光変調素子としてDMD500が用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光変調素子としては、DMD以外の反射型光変調素子(例えば、反射型LCD(Liquid Crystal Display))や透過型光変調素子(例えば、透過型LCD(Liquid Crystal Display))を用いることができる。この場合、反射型LCDが初期化されていない状態において入射光の多くを反射されるケース、或いは、透過型LCDが初期化されていない状態において入射光の光量を調整することなく出射されるケースでは、光変調素子の初期化が完了する前に固体光源を起動すると、ユーザが眩しいと感じる程に投写面が照らされてしまう。このようなケースにおいても、本発明を適用することによって、固体光源から出射された光が入射する前に光変調素子を初期化できるので、光変調素子から不所望な光が出射されることを抑制することができる。
【0179】
また、上述した実施形態では、「温度調整装置」として冷却ユニット130が用いられるケースについて説明したが、これに限られるものではない。投写型映像表示装置100が寒冷な環境下で使用される場合には、温媒を循環させる加温ユニットを「温度調整装置」として用いてもよい。これによって、各個体光源111及びDMD500それぞれの温度が適正温度よりも低いことによって、各個体光源111及びDMD500それぞれの動作が不安定になることを抑制できる。
【0180】
また、上述した実施形態では、冷却ジャケット131は、冷媒が循環される流路を有することとしたが、これに限られるものではない。例えば、冷却ジャケット131は熱電変換素子(例えば、ペルチェ素子など)であってもよい。
【0181】
また、上述した第2実施形態では、温度センサ700は、各固体光源111の温度の指標となる「指標温度」の一例として、各固体光源111の表面温度を検出することとしたが、各固体光源111の内部温度を検出することとしてもよい。また、温度センサ700は、各固体光源111の温度の指標となる「指標温度」として、冷却ジャケット131に供給される冷媒の温度を検出してもよい。この場合、冷却制御部650は、冷媒の温度が所定の温度範囲内に安定していることを確認すればよい。
【0182】
また、上述した第3実施形態では、侵入判定部660は、撮像装置800によって撮像された画像に基づいて物体が侵入したか否かを判定することとしたが、これに限られるものではない。侵入判定部660は、レーザー距離センサによる検出結果に基づいて物体が侵入したか否かを判定してもよい。
【0183】
また、上述した第3実施形態では特に触れていないが、撮像装置800としては、赤外線を検知することによって熱画像を撮像する赤外線センサや、可視光線を検知することによって可視画像を撮像するCCDカメラなどを用いることができる。
【0184】
また、上述した第3実施形態では特に触れていないが、投写型映像表示装置100は、投写ユニット150から出射される光の光路上に物体が検出された場合に、警告音を出力するように構成されていてもよい。
【0185】
また、上述した第4実施形態では、遮光シャッタ153は投写レンズ群152の光入射側に設けられることとしたが、これに限られるものではない。遮光シャッタ153は固体光源111の光出射側に設けられていればよい。
【0186】
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0187】
10…ロッドインテグレータ、21〜23…レンズ、31〜35…ミラー、40…レンズ、50…プリズム、60…プリズム、70…プリズム、80…プリズム、90…プリズム、100…投写型映像表示装置、110…光源ユニット、111…固体光源、112…ヘッド、113…光ファイバー、114…バンドル部、120…電源ユニット、130…冷却ユニット、131…冷却ジャケット、140…色分離合成ユニット、141…第1ユニット、142…第2ユニット、150…投写ユニット、151…凹面ミラー、152…投写レンズ群、153…遮光シャッタ、200…筐体、300…投写面、500…DMD、600…制御ユニット、610…映像信号受付部、620…操作受付部、630…素子制御部、640…光源制御部、650…冷却制御部、660…侵入判定部、670…撮像制御部、680…遮光制御部、700…温度センサ、800…撮像装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射された光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置であって、
自装置の駆動開始を指示する駆動開始指示に応じて、前記光変調素子を初期化する素子制御部と、
前記素子制御部によって前記光変調素子が初期化されたことに応じて、前記光源を起動させる光源制御部と
を備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記光源の温度を調整する温度調整装置と、
前記駆動開始指示に応じて、前記温度調整装置を起動させる温度調整装置制御部と、
前記光源の温度の指標となる指標温度を検出する温度センサと
をさらに備え、
前記光源制御部は、前記温度センサによって検出される前記環境温度が所定の温度範囲に入っている場合に、前記光源を起動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記温度調整装置は、液媒体が循環され、前記光源に取付けられる液媒体ジャケットを含んでおり、
前記温度センサは、前記指標温度として前記液媒体ジャケットに供給される前記液媒体の温度を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記投写ユニットから出射される光の進路上、又は前記進路近傍に物体が侵入したか否かを判定する侵入判定部をさらに備え、
前記光源制御部は、前記進路上に物体が侵入していないと前記侵入判定部によって判定されたことに応じて、前記光源を起動させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記光源の光出射側に設けられる遮光シャッタと、
前記駆動開始指示に応じて、前記遮光シャッタを閉じることによって前記遮光シャッタを初期化する遮光シャッタ制御部とをさらに備え、
前記光源制御部は、前記遮光シャッタ制御部によって前記遮光シャッタが初期化されたことに応じて、前記光源を起動させる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の投写型映像表示装置。
【請求項1】
光源と、前記光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射された光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置であって、
自装置の駆動開始を指示する駆動開始指示に応じて、前記光変調素子を初期化する素子制御部と、
前記素子制御部によって前記光変調素子が初期化されたことに応じて、前記光源を起動させる光源制御部と
を備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記光源の温度を調整する温度調整装置と、
前記駆動開始指示に応じて、前記温度調整装置を起動させる温度調整装置制御部と、
前記光源の温度の指標となる指標温度を検出する温度センサと
をさらに備え、
前記光源制御部は、前記温度センサによって検出される前記環境温度が所定の温度範囲に入っている場合に、前記光源を起動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記温度調整装置は、液媒体が循環され、前記光源に取付けられる液媒体ジャケットを含んでおり、
前記温度センサは、前記指標温度として前記液媒体ジャケットに供給される前記液媒体の温度を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記投写ユニットから出射される光の進路上、又は前記進路近傍に物体が侵入したか否かを判定する侵入判定部をさらに備え、
前記光源制御部は、前記進路上に物体が侵入していないと前記侵入判定部によって判定されたことに応じて、前記光源を起動させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記光源の光出射側に設けられる遮光シャッタと、
前記駆動開始指示に応じて、前記遮光シャッタを閉じることによって前記遮光シャッタを初期化する遮光シャッタ制御部とをさらに備え、
前記光源制御部は、前記遮光シャッタ制御部によって前記遮光シャッタが初期化されたことに応じて、前記光源を起動させる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−28099(P2011−28099A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175438(P2009−175438)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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