説明

抗アレルゲンカーペットとその製造方法。

【課題】本発明は、カーペットから発生するアレルゲン量を効率よく低減化し、従来よりも優れたアレルゲン低減化性能が発現でき、アレルギー疾患患者の方にも安心して使用頂ける廉価なカーペットを提供することを目的とする。
【解決手段】パイル糸と基布とバッキング層からなるカ−ペットにおいて、少なくとも前記基布のパイル糸側表面に、バインダー樹脂と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥して粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を固着し、該基布にパイル糸をタフティングし、バッキング層によってパイル糸と基布を固着することに特徴のある抗アレルゲンカ−ペットの製造方法を提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレルゲン低減化剤を塗布したカーペットに関するものであり、カーペットに付着した花粉やダニ等のアレルゲンを不活性化し、アレルギー疾患の症状を軽減化するカーペットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年建設される住宅は、断熱性、気密性が著しく向上しており、自然対流によって室内空気の入れ替わる時間が、従来住宅の数倍もかかるような高性能の省エネ住宅も誕生している。しかし、気密性が高いが故に、室内に臭いやハウスダストといわれる塵がこもりやすく、これらがアレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンとなり、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の症状を多く発症しているといわれている。
【0003】
アレルゲンには種々なタイプがあり、ダニ(虫体、死骸、抜け殻、糞)、カビ、ペット(毛、フケ)、花粉などがあげられ、アレルギー疾患の主な原因物質として考えられている。特にチリダニのアレルゲンは、チリダニを高熱や薬剤で駆除したとしても、死骸が畳やカーペットの中に残り、その死骸がさらにアレルゲン性の高い物質となってしまい、人が畳やカーペットの上を動くことにより、畳やカーペットの内部から室内空間にアレルゲンが放出されることが起こっていた。そのため、ダニの死骸、抜け殻、糞等のアレルゲンを畳やカーペットから取り除かない限り、アレルギー疾患の完全な解決には至ることはできなかった。
【0004】
これに対応するため、エアコンや空気清浄機等を使った消臭、脱臭、集塵が行なわれるようになり、フィルター等によって空気中のアレルゲンを捕集する方法が提案されている。しかし、これらの方法は、室内の空気中に浮遊するアレルギー疾患の原因物質には有効ではあるが、カーペット等の内部にある原因物質にまで効果が発揮されることはない。カーペットにおいては、掃除機などでカーペットのパイル糸の表層部を叩きながら何度も吸引してダニ駆除を行なうのが有効な方法といわれている。しかし、この方法ではカーペットの表層部のものは取れるものの、カーペットの内部に入り込んだダニやダニの死骸等を完全に取り除くことはできていない。
【0005】
特許文献1〜3においては、アレルゲン低減化成分を繊維に固着し、アレルゲンを低減する技術が提案されているが、いずれも繊維等にアレルゲン低減化成分を浸漬、噴霧、印刷等の方法で塗布して担持させる方法であって、カーペットという特殊な繊維集合体に効率的にアレルゲン低減化成分を担持させる技術ではない。
【0006】
また、出願人は特許文献4において、基布のパイル糸側の面にアレルゲン低減化成分を塗布し乾燥したカーペットを開示している。しかしながら、これらの中で開示されたアレルゲン低減化物質は、有機系のもので、カーペットを加工する工程で高温にさらされることがあり、その性能を減じたり、変色することから、さらにアレルゲン低減化性能を向上させたカーペットが求められていた。
【特許文献1】特開2003−10089
【特許文献2】特開2003−96670
【特許文献3】特開2003−313778
【特許文献4】特開2008−54898
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、カーペットから発生するアレルゲン量を効率よく低減化し、従来よりも優れたアレルゲン低減化性能が発現でき、アレルギー疾患患者の方にも安心して使用頂ける廉価なカーペットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤をカーペットの風合を損ねることなく固着できる技術を提案し、アレルゲン低減化が効率的に行なえ、従来よりも優れたアレルゲン低減化性能が発現できることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0009】
[1]パイル糸と基布とバッキング層とを有するカ−ペットにおいて、少なくとも前記基布のパイル糸側表面に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤をバインダー樹脂により固着していることに特徴のある抗アレルゲンカ−ペット。
【0010】
[2]パイル糸を有するカ−ペットにおいて、少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤をバインダー樹脂により固着していることに特徴のある抗アレルゲンカーペット。
【0011】
[3]パイル糸と基布とバッキング層とを有するカ−ペットにおいて、少なくとも前記基布のパイル糸側表面に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を、バインダー樹脂と無機架橋剤により固着していることに特徴のある抗アレルゲンカ−ペット。
【0012】
[4]パイル糸を有するカ−ペットにおいて、少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を、バインダー樹脂と無機架橋剤により固着していることに特徴のある抗アレルゲンカーペット。
【0013】
[5]前記無機架橋剤は、ジルコニウム化合物、チタン化合物、ホウ酸類等の多価金属イオンを含む金属化合物と、シリカ化合物とから選ばれる1種または複数の無機架橋剤である請求項3または4に記載の抗アレルゲンカーペット。
【0014】
[6]前記カーペットにおいて、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を少なくとも0.1〜5.0g/m固着した前項1または2に記載の抗アレルゲンカーペット。
【0015】
[7]パイル糸と基布とバッキング層とを有するカ−ペットにおいて、前記基布の少なくともパイル糸側表面に、バインダー樹脂と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥して粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を基布に固着し、該基布にパイル糸をタフティングし、バッキング層によってパイル糸と基布を固着することに特徴のある抗アレルゲンカ−ペットの製造方法。
【0016】
[8]パイル糸を有するカ−ペットにおいて、前記パイル糸のカーペット表面側から、バインダー樹脂と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥して粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を少なくともパイル糸の表面側に固着したことに特徴のある抗アレルゲンカ−ペットの製造方法。
【0017】
[9]パイル糸と基布とバッキング層とを有するカ−ペットにおいて、前記基布の少なくともパイル糸側表面に、バインダー樹脂と無機架橋剤と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥して粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を基布に固着し、該基布にパイル糸をタフティングし、バッキング層によってパイル糸と基布を固着することに特徴のある抗アレルゲンカ−ペットの製造方法。
【0018】
[10]パイル糸を有するカ−ペットにおいて、前記パイル糸のカーペット表面側から、バインダー樹脂と無機架橋剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥して粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を少なくともパイル糸の表面側に固着したことに特徴のある抗アレルゲンカ−ペットの製造方法。
【発明の効果】
【0019】
[1]の発明では、少なくとも基布のパイル糸側の表面に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着されているので、カーペットを使用している間に、基布のパイル糸側の表面に落下し、パイル糸の根元近辺に集積するとされるアレルゲンに効果的に作用することができる。アレルゲン物質は、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤の吸着作用によって粘土鉱物内の細孔内に取り込まれ不活性化される。本発明では、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を使用するので、カーペットの加工中に高温な加工工程を通過させたとしても変色したり変性することがなく、安定した抗アレルゲン性能を発揮するカーペットとすることができる。また、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤がバインダー樹脂により強固に基布に固着されるので、洗濯などを行なったとしても持続的にその効果を継続することができる。
【0020】
[2]の発明では、少なくともパイル糸のカーペット表面側に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤がバインダー樹脂により固着されるので、カーペットの上方からカーペット内に進入する花粉やハウスダストといわれるアレルゲンに対して、カーペット内に進入する前にアレルゲンを不活化することができ、アレルゲン低減化を効率的に行なうことのできるカーペットとすることができる。
【0021】
[3]の発明では、[1]の発明の効果に加えて、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤がバインダー樹脂と無機架橋剤によりさらに強固に基布に固着されるので、バインダー樹脂が少量であっても確実に固着することができ、洗濯などを行なったとしても持続的にその効果を継続することができる。
【0022】
[4]の発明では、[2]の発明の効果に加えて、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤がバインダー樹脂と無機架橋剤によりさらに強固にパイル糸の表面側に固着されるので、バインダー樹脂が少量であっても確実に固着することができ、洗濯などを行なったとしても持続的にその効果を継続することができる。
【0023】
[5]の発明では、前記無機架橋剤はジルコニウム化合物、チタン化合物、ホウ酸類等の多価金属イオンを含む金属化合物と、シリカ化合物とから選ばれる1種または複数の無機架橋剤からなるので、バインダー樹脂の加熱乾燥後の皮膜の耐水性を向上させることができ、洗濯などを行なったとしても持続的にその効果を一層継続することができる。
【0024】
[6]の発明では、カーペットに粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が少なくとも0.1〜5.0g/m固着されているので、十分なアレルゲン低減化効果を得ることが出来る。
【0025】
[7]の発明では、パイル糸と基布とバッキング層からなるカ−ペットにおいて、少なくとも前記基布のパイル糸側表面に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を固着さすので、パイル糸の根元に集積するといわれる多くのアレルゲンを効率的に不活化することができる。また、バインダー樹脂と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布するので、バインダー樹脂だけではアレルゲン低減化剤を固着しにくい基布にも、強固な固着をすることができる。さらに、加熱乾燥することにより基布への固着性がより高まり、アレルゲン低減化性能の持続耐久性が一段と向上した抗アレルゲンカ−ペットの製造方法とすることができる。また、アレルゲン吸着剤を固着した基布にパイル糸をタフティングし、バッキング層によってパイル糸と基布を固着する工程とするので、通常のタフテットカーペットの製造方法と同様にして製造する抗アレルゲンカ−ペットの製造方法とすることができる。
【0026】
[8]の発明では、パイル糸のカーペット表面側から、バインダー樹脂と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥するので、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤をパイル糸の表面側にしっかりと固着することができ、カーペットの上方から落下してカーペット内に進入する花粉やハウスダストといわれるアレルゲンに対して有効に作用し、カーペットに進入する前にアレルゲンを不活化することができる。また、一旦カーペット内に進入してしまった花粉やハウスダストのアレルゲンに対しても、カーペット外に出る前に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤によってアレルゲンを不活化することができ、アレルゲン低減化を効率的におこなう抗アレルゲンカ−ペットの製造方法とすることができる。この製造方法は、例えば段通、織・編カーペットのように、基布がなく、地組織を作りながら製造するカーペットに適した方法といえる。
【0027】
[9]の発明では、パイル糸と基布とバッキング層からなるカ−ペットにおいて、少なくとも前記基布のパイル糸側表面に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を固着さすので、パイル糸の根元に集積するといわれる多くのアレルゲンを効率的に不活化することができる。また、バインダー樹脂と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤と無機架橋剤とを含む溶液を塗布するので、バインダー樹脂だけではアレルゲン低減化剤を固着しにくい基布にも、一層強固な固着をすることができる。さらに、無機架橋剤によってバインダー樹脂の加熱乾燥後の皮膜の耐水性を向上させることができるので、洗濯などを行なったとしても持続的にその効果を一層継続することができる。そして、加熱乾燥することにより基布への固着性がより高まり、アレルゲン低減化性能の持続耐久性が格段と向上した抗アレルゲンカ−ペットの製造方法とすることができる。また、アレルゲン吸着剤を固着した基布にパイル糸をタフティングし、バッキング層によってパイル糸と基布を固着する工程とするので、通常のタフテットカーペットの製造方法と同様にして製造する抗アレルゲンカ−ペットの製造方法とすることができる。
【0028】
[10]の発明では、パイル糸のカーペット表面側から、バインダー樹脂と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤と無機架橋剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥するので、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤をパイル糸の表面側に一層しっかりと固着することができる。さらに、無機架橋剤によってバインダー樹脂の加熱乾燥後の皮膜の耐水性を向上させることができるので、洗濯などを行なったとしても持続的にその効果を一層継続することができる。そして、カーペットの上方から落下してカーペット内に進入する花粉やハウスダストといわれるアレルゲンに対して有効に作用し、カーペットに進入する前にアレルゲンを不活化することができる。また、一旦カーペット内に進入してしまった花粉やハウスダストのアレルゲンに対しても、カーペット外に出る前に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤によってアレルゲンを不活化することができ、アレルゲン低減化を効率的におこなう抗アレルゲンカ−ペットの製造方法とすることができる。この製造方法は、例えば段通、織・編カーペットのように、基布がなく、地組織を作りながら製造するカーペットに適した方法といえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、この発明に係る抗アレルゲンカーペットの一実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態の抗アレルゲンカーペット1は、パイル糸2と基布3とバッキング層5からなり、少なくとも基布3のパイル糸側に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤7がバインダー樹脂により固着されている。(図1参照)
【0030】
また、この発明に係る抗アレルゲンカーペット1の別の一実施形態として、カーペットのパイル糸2のカーペット表面側から、バインダー樹脂と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤7とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥した抗アレルゲンカーペット1を例示できる。(図2参照)
【0031】
図1における抗アレルゲンカーペットは、あらかじめ基布3に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を付与した後に、タフティング機により前記基布にパイル糸を植え込み、その後バッキング層5でパイル糸2と基布3を固定するものでタフテッドカーペットに好適な方法である。また、図2における抗アレルゲンカーペットは、タフテッドカーペット以外のカーペット、例えば段通、織・編カーペットのように、基布を使用しないで製造するカーペットに適した方法といえる。もちろんタフテッドカーペットにおいて、基布3に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を付与し、パイル糸にも粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を付与すれば、さらに優れたアレルゲン低減化性能を有するカーペットとすることができる。
【0032】
本発明に使用する基布3としては、織基布、不織布等特に限定はしないが、一般に家庭等で使用されるカーペットに用いられる基布としては、ポリプロピレン製の織基布が好ましく使用されている。ポリプロピレン製の織基布に機能性薬剤を直接塗布することは難しいとされており、そのため、基布上に一体化したウェブ層に薬剤を塗布したり、基布の糸にスプリットヤーンを使用して、スプリットヤーンのひだにバインダー樹脂で薬剤を物理的に固着する方法が考えられてきた。
【0033】
本発明では、バインダー樹脂と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布するのが好ましい。特に、ポリプロピレン製の織基布には、浸透剤が作用してポリプロピレン製のテープヤーンに濡れ性が付与されてバインダー樹脂との接着性が向上し、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を基布に強固に固着することができるものである。浸透剤としては特に限定されないが、陰イオン性界面活性剤が好適で、例えばアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等を挙げられる。浸透剤を混入する量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましい。0.5重量部を下回る量では浸透剤が不均一となり、基布とバインダー樹脂との接着にムラが発現する。30重量部を超えると徒にコストを増大することになり好ましくない。
【0034】
さらに、バインダー樹脂と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤と無機架橋剤とを含む溶液を塗布するのが好ましい。無機架橋剤によってバインダー樹脂の加熱乾燥後の皮膜の耐水性を向上させることができるので、洗濯などを行なったとしても持続的にその効果を一層継続することができる。
【0035】
バインダー樹脂としては、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を基布表面やパイル糸に固着することが出来れば特に限定されないが、例えばウレタン樹脂、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、シリコン樹脂、グリオキザール樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(SBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレート共重合体樹脂等を挙げることができる。
【0036】
無機架橋剤としては、ジルコニウム化合物、チタン化合物、ホウ酸類等の多価金属イオンを含む金属化合物と、シリカ化合物とから選ばれる1種または複数の無機架橋剤が必要である。ジルコニウム化合物としては、例えば酸化ジルコニウム、酸塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニルアンモニウム等を挙げることができる。チタン化合物としては、例えば酸化チタン、4四塩化チタン等を挙げることができる。ホウ酸類としては、例えば四ホウ酸、オルトホウ酸及びそれらの塩等を挙げることができる。シリカ化合物としては、例えば二酸化珪素等を挙げることができる。無機架橋剤を混入する量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.3〜5重量部が好ましい。0.3重量部を下回る量ではバインダー樹脂の架橋が十分に行われず、加熱乾燥後の皮膜の耐水性が不十分となる。5重量部を超えると風合いが硬くなる虞があるので好ましくない。
【0037】
基布3に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を付与する方法は、バインダー樹脂溶液、バインダー樹脂と無機架橋剤との溶液のいずれの溶液を用いる場合も、該溶液に浸透剤、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を均一に分散させ、スプレー法、コーティング法、浸漬法、プリント法など従来からある方法で基布に塗布し、乾燥処理して基布に固着する。バインダー樹脂の乾燥手段は、加熱処理により乾燥させる方が望ましい。この時の加熱処理温度は、基布の素材にもよるが、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理により基布への固着性がより高まり、粘土鉱物からなるアレルゲン低減化性能の持続耐久性が一段と向上する。
【0038】
また、前記粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤と浸透剤とバインダー樹脂、前記粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤と浸透剤とバインダー樹脂と無機架橋剤との溶液のいずれの溶液も、水に分散した水分散液として使用することができる。バインダー樹脂については水との間でエマルジョン状態を形成させるのがより好ましい。水に分散させる順序としては、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を水に分散させておいてから、浸透剤、バインダー樹脂、無機架橋剤を混入する場合は無機架橋剤を分散せしめるのが、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とバインダー樹脂をより均一に分散させる観点から好ましい。また、この水分散液に、分散剤、増粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。
【0039】
本発明における粘土鉱物からなるアレルゲン低減化成分は、アレルゲンを吸着させるなどして不活性化し、抗原抗体反応を抑制する成分であれば特に限定されるものではなく、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ノントロナイトから選ばれる少なくとも1種を含むアレルゲン吸着剤が好ましい。これらの粘土鉱物は、吸湿性能に優れ、空気中の水分を吸収するのと同様に花粉等のアレルゲンを吸着し粘土鉱物内の細孔にとりこむ。アレルゲン性を有する蛋白質は水に溶ける性質があり、粘土鉱物内の細孔に吸着して不活化される。
【0040】
本発明において、前記基布に固着された粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤は、少なくとも0.1〜5.0g/m基布のパイル糸側表面に固着されるのが好ましい。粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が0.1g/mを下回る場合はアレルゲン低減化効果が発揮されないので好ましくなく、5.0g/mを越えるとアレルゲン低減化効果が経済的に得られない。より好ましくは0.3〜3.0g/mがよい。
【0041】
本発明において、パイル糸2の素材としては特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レ−ヨン繊維等の繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。パイルの形態としてもカットパイルであっても、ル−プパイルであってもよい。パイル糸2の目付は200〜2000g/mに設定するのが好ましい。200g/m未満ではカ−ペットとしての機能の劣ったものとなり、好ましくない。また、2000g/mを超えるカーペットは、使用している間にアレルゲンが、基布表面に落下しにくく、パイル糸の根元に集積することが少なくなりアレルゲン低減化効果が十分発揮されないものとなる。
【0042】
また、例えば段通、織・編カーペットのように、基布を使用しないで製造するカーペットや、目付の大きいタフテッドカーペット等については、パイル糸のカーペット表面側から、バインダー樹脂と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液をスプレー法、コーティング法、プリント法など従来からある方法で塗布し、加熱乾燥すればよい。また、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤の担持量については、少なくとも0.1〜5.0g/mパイル糸に固着されるのが好ましく、担持する場所については、パイル表面からパイル糸の根元まで担持されるのがよい。
【0043】
次に、バッキング層5としては、パイル糸2と基布3とを固定できる樹脂組成物やゴム組成物であれば特に限定されず、例えば樹脂組成物の樹脂成分としてはアクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。ゴム組成物のゴム成分としてはSBR(スチレン−ブタジエン)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)あるいは天然ゴム等が挙げられる。また、充填剤として炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、フライアッシュ等を添加してバッキング層として使用するのが一般的である。
【0044】
また、図1に示すようにバッキング層5の下側にクッション性とバッキング層の保護性能を付与すべく、セカンド基布として不織布層6を設けてもよい。不織布層6としては、特に限定されず、ニ−ドルパンチ不織布、スパンボント不織布等を例示できる。不織布層6の目付は50〜1000g/m、その厚さを0.5〜15mm、構成繊維の繊度を0.1〜30デシテックスの範囲に設定するのが好ましい。不織布層6の目付が、50g/m未満ではカ−ペットとしての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。1000g/mを超えると徒にコスト増大となるだけで好ましくない。素材としては、パイル糸、基布と同様に特に限定されないが、リサイクル性からみればポリエステル繊維に統一するのが望ましい。また、不織布層6の最下部表面に、樹脂組成物やゴム組成物で滑り止め層を形成してもよいし、不織布層6に消臭組成物をバインダー樹脂で固着し、さらに消臭機能のある不織布層6としてもよい。
【実施例】
【0045】
次に、この発明の実施例として使用したカーペットの材質、構造、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤の種類、加工方法、アレルゲン性能測定試験および判定方法は次の通りである。
【0046】
<使用材料>
基布・・・縦糸としてポリプロピレンテープヤーン(22.2dtex)、横糸としてポリプロピレンテープヤーン(60.0dtex)からなる織基布(縦糸密度18本/インチ、横糸密度16本/インチ、目付98g/m
パイル糸・・・ポリエステル繊維(2200dtex)からなるパイル糸をタフティング機で基布に植え込む(パイル目付700g/m
バッキング層・・・SBRラテックス(充填剤として炭酸カルシウム)
アレルゲン低減化剤・・・ベントナイト(京都和光純薬株式会社製)
バインダー樹脂・・・ウレタン樹脂
無機架橋剤・・・ジルコゾールAC−7(第一稀元素化学工業社製)
浸透剤・・・ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム
【0047】
<アレルゲン低減性能試験>
ELISA法のサンドイッチ法にて測定し、生成した発色物質の吸光度を吸光度計で読み取り、濃度既知の標準品を用いて作成した標準曲線から、サンプル中のアレルゲン量を定量して、アレルゲン低減化率を算出し、下記の4段階で評価し、評価「1」「2」を合格とした。
(判定基準)
「1」・・アレルゲンの汚染はない。(アレルゲン低減化率80%以上)
「2」・・ややアレルゲンに汚染されている程度である。(アレルゲン低減化率60%以上80%未満)
「3」・・アレルゲンに汚染されている。(アレルゲン低減化率40%以上60%未満)
「4」・・非常にアレルゲンに汚染されている。(アレルゲン低減化率40%未満)
【0048】
<洗濯耐久性試験>
JIS 0217 103法に準じる方法を10回、15回、20回行なった。
【0049】
<実施例1>
水100重量部に浸透剤0.3重量部分散させておいてから、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を1重量部、バインダー樹脂を2重量部分散した水溶液をスプレーにて基布の片側に塗布し、110℃、3分間乾燥処理して基布の片側表面に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を0.5g/m固着した基布を得た。つぎにこの基布をタフティング機に仕掛けてアレルゲン低減化剤の固着していない側からパイル糸を植え込み、アレルゲン低減化剤の固着している側にパイル長7mmのカットパイルを形成し、タフテッドカーペットの半製品を得た。次にこの半製品のパイル側の反対側にバッキング層を塗付し乾燥処理して抗アレルゲンカーペットを得た。
【0050】
次に3年間使用した一般カーペットから採取した塵ゴミ(5mg)を前記抗アレルゲンカーペット(5cm×5cm)に乗せ、表面に塵ゴミが見えなくなるように擦りつけ、25℃×70%R.H.で2日間放置した後、パイル根元のアレルゲン性を確認するため、パイル糸を刈り取った表面のアレルゲン低減性能を測定し、低減化率85%で「1」の判定結果を得た。次に、洗濯を10回、15回、20回行なった該カーペットに、同様にしてアレルゲン性を測定し、洗濯回数10回、15回、20回の順に「1」、「2」、「4」の判定結果を得た。
【0051】
<実施例2>
水100重量部に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を5重量部、バインダー樹脂を10重量部分散した水溶液をスプレーにて基布の片側に塗布し、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を4g/m固着した基布を得た以外は、実施例1と同様にして抗アレルゲンカーペットを得た。アレルゲン性の判定は低減化率95%で「1」の結果を得た。次に、洗濯を10回、15回、20回行なった該カーペットに、同様にしてアレルゲン性を測定し、洗濯回数10回、15回、20回の順に「1」、「2」、「3」の判定結果を得た。
【0052】
<実施例3>
粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を0.3g/m固着した基布を得た以外は、実施例1と同様にして抗アレルゲンカーペットを得た。アレルゲン性の判定は低減化率75%で「2」の結果を得た。次に、洗濯を10回、15回、20回行なった該カーペットに、同様にしてアレルゲン性を測定し、洗濯回数10回、15回、20回の順に「2」、「4」、「4」の判定結果を得た。
【0053】
<実施例4>
カーペットとして、ウール100%で目付3000g/mパイル長15mmの段通を用意し、水100重量部に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を1重量部、バインダー樹脂を2重量部分散した水溶液をスプレーにてパイル表面に塗布し、150℃、10分間乾燥処理してカーペットの表面に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を2.5g/m固着した段通を得た。実施例1と同様にして、塵ゴミ(5mg)を該段通(5cm×5cm)に乗せ、2日間放置した後、段通表面のアレルゲン性を測定し、低減化率90%で「1」の判定結果を得た。次に、洗濯を10回、15回、20回行なった該カーペットに、同様にしてアレルゲン性を測定し、洗濯回数10回、15回、20回の順に「1」、「2」、「4」の判定結果を得た。
【0054】
<実施例5>
実施例1で得た抗アレルゲンカーペットにさらに、実施例4で使用した抗アレルゲン吸着剤水溶液をスプレーにてパイル表面に薄く塗布し、150℃、8分間乾燥処理してパイル糸のカーペット表面側に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を1.5g/m固着した抗アレルゲンカーペットを得た。次に実施例1と同様な方法で、パイル根元のアレルゲン性を測定し、「1」の判定結果を得た。次に、洗濯を10回、15回、20回行なった該カーペットに、同様にしてアレルゲン性を測定し、洗濯回数10回では低減化率98%で「1」の判定結果を得た。さらに、洗濯回数15回、20回の順に「2」、「3」の判定結果を得た。
【0055】
<実施例6>
水100重量部に浸透剤0.3重量部分散させておいてから、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を1重量部、バインダー樹脂を2重量部、無機架橋剤0.05重量部分散した水溶液をスプレーにて基布の片側に塗布した以外は、実施例1と同様にして抗アレルゲンカーペットを得た。アレルゲン性の判定は低減化率87%で「1」の結果を得た。次に、洗濯を10回、15回、20回行なった該カーペットに、同様にしてアレルゲン性を測定し、洗濯回数10回、15回、20回の順に「1」、「1」、「2」の判定結果を得た。
【0056】
<実施例7>
水100重量部に浸透剤0.3重量部分散させておいてから、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を5重量部、バインダー樹脂を10重量部、無機架橋剤0.25重量部分散した水溶液をスプレーにて基布の片側に塗布し、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を4g/m固着した基布を得た以外は、実施例1と同様にして抗アレルゲンカーペットを得た。アレルゲン性の判定は低減化率96%で「1」の結果を得た。次に、洗濯を10回、15回、20回行なった該カーペットに、同様にしてアレルゲン性を測定し、洗濯回数10回、15回、20回とも「1」の判定結果を得た。
【0057】
<比較例1>
粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を固着していない基布を使用した以外は、実施例1と同様にしてカーペットを得、アレルゲン性を測定したところ「4」という結果を得た。
【0058】
<比較例2>
アレルゲン低減化剤としてチロシン(和光純薬工業株式会社製)を0.5g/m固着した基布を用いた以外は、実施例1と同様にして抗アレルゲンカーペットを得た。アレルゲン性を測定し判定は「2」の結果を得た。次に、洗濯を10回、15回、20回行なった該カーペットに、同様にしてアレルゲン性を測定し、洗濯回数10回、15回、20回の順に「3」、「4」、「4」の判定結果を得た。
【0059】
上述のように、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を基布のパイル糸側や、パイル表面に固着しているものについては、未加工のものやチロシン(有機系アレルゲン吸着剤)を固着したものよりも、アレルゲン性能の判定は良好な結果を得ることが出来た。さらに、無機架橋剤によってバインダー樹脂の加熱乾燥後の皮膜の耐水性を向上させることができるので、洗濯などを行なったとしても持続的にその効果を一層継続することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の一実施形態に係る抗アレルゲンカーペットを示す概略断面図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る抗アレルゲンカーペットを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1・・・抗アレルゲンカーペット
2・・・パイル糸
3・・・基布
4・・・表皮層
5・・・バッキング層
6・・・不織布層
7・・・粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤
8・・・たて糸
9・・・しめ糸
10・・・たて糸
11・・・よこ糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイル糸と基布とバッキング層とを有するカ−ペットにおいて、少なくとも前記基布のパイル糸側表面に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤をバインダー樹脂により固着していることに特徴のある抗アレルゲンカ−ペット。
【請求項2】
パイル糸を有するカ−ペットにおいて、少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤をバインダー樹脂により固着していることに特徴のある抗アレルゲンカーペット。
【請求項3】
パイル糸と基布とバッキング層とを有するカ−ペットにおいて、少なくとも前記基布のパイル糸側表面に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を、バインダー樹脂と無機架橋剤により固着していることに特徴のある抗アレルゲンカ−ペット。
【請求項4】
パイル糸を有するカ−ペットにおいて、少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を、バインダー樹脂と無機架橋剤により固着していることに特徴のある抗アレルゲンカーペット。
【請求項5】
前記無機架橋剤は、ジルコニウム化合物、チタン化合物、ホウ酸類等の多価金属イオンを含む金属化合物と、シリカ化合物とから選ばれる1種または複数の無機架橋剤である請求項3または4に記載の抗アレルゲンカーペット。
【請求項6】
前記カーペットにおいて、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を少なくとも0.1〜5.0g/m固着した請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗アレルゲンカーペット。
【請求項7】
パイル糸と基布とバッキング層とを有するカ−ペットにおいて、前記基布の少なくともパイル糸側表面に、バインダー樹脂と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥して粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を基布に固着し、該基布にパイル糸をタフティングし、バッキング層によってパイル糸と基布を固着することに特徴のある抗アレルゲンカ−ペットの製造方法。
【請求項8】
パイル糸を有するカ−ペットにおいて、前記パイル糸のカーペット表面側から、バインダー樹脂と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥して粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を少なくともパイル糸の表面側に固着したことに特徴のある抗アレルゲンカ−ペットの製造方法。
【請求項9】
パイル糸と基布とバッキング層とを有するカ−ペットにおいて、前記基布の少なくともパイル糸側表面に、バインダー樹脂と無機架橋剤と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥して粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を基布に固着し、該基布にパイル糸をタフティングし、バッキング層によってパイル糸と基布を固着することに特徴のある抗アレルゲンカ−ペットの製造方法。
【請求項10】
パイル糸を有するカ−ペットにおいて、前記パイル糸のカーペット表面側から、バインダー樹脂と無機架橋剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布し、加熱乾燥して粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を少なくともパイル糸の表面側に固着したことに特徴のある抗アレルゲンカ−ペットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−245265(P2011−245265A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194695(P2010−194695)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(390014487)住江織物株式会社 (294)
【Fターム(参考)】