説明

抗ウイルス性付与組成物及びそれを用いた抗ウイルス性製品の製造方法

【課題】抗ウイルス性付与組成物及びそれを用いた抗ウイルス性製品の製造方法の提供
【解決手段】抗ウイルス性製品の製造に用いるための抗ウイルス性付与組成物であって、再生コラーゲン繊維又は再生コラーゲン粉末を含む組成物。抗ウイルス性製品の製造方法であって、本発明の抗ウイルス性付与組成物を成形、添加、混合、又は塗布する工程を含む製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
抗ウイルス性付与組成物及びそれを用いた抗ウイルス性製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルスは様々な疾患の原因となり得るものであり、これまでにもウイルスを排除する抗ウイルス手段が開発されている。従来の抗ウイルス手段は、ウイルスを死滅又は不活性化させる方法と、ウイルスを濾過又は吸着させる方法(例えば、特許文献1)とに大別できる。前者においては、煮沸や劇薬等を使用しないかぎりその効力は不十分といえる。また、後者においても、例えば、既存のマスクやフィルタでは十分にウイルス排除が行えているとはいえない。
【特許文献1】特開2007−190541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえ、抗ウイルス性を示す材料や、抗ウイルス性を付与できる材料のさらなる開発が望まれている。本発明は、抗ウイルス性付与組成物及びそれを用いた抗ウイルス性製品の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の抗ウイルス性付与組成物は、抗ウイルス性製品の製造に用いるためのものであって、再生コラーゲン繊維又は再生コラーゲン粉末を含む組成物である。また、本発明の抗ウイルス性製品の製造方法は、本発明の抗ウイルス性付与組成物を成形、添加、混合、又は塗布する工程を含む方法である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、例えば、抗ウイルス性が付与された製品を提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、再生コラーゲンが抗ウイルス性を示すという知見に基づく。再生コラーゲンによる抗ウイルス性のメカニズムは未だ不明な部分もあるが、再生コラーゲン繊維や再生コラーゲン粉末とウイルスとが接触すると、ウイルスが吸着及び/又は不活化され、その結果ウイルスが死滅に至ると推定される。しかしながら、本発明はこのメカニズムに限定されない。
【0007】
すなわち、本発明の抗ウイルス性付与組成物は、抗ウイルス性製品の製造に用いるためのものであって、再生コラーゲン繊維又は再生コラーゲン粉末を含む組成物である。本発明の抗ウイルス性付与組成物によれば、抗ウイルス性を発現させたい対象物に容易に抗ウイルス性を付与できる。
【0008】
[抗ウイルス性の評価方法]
本発明において「抗ウイルス性」は、例えば、気体又は液体中のウイルスの、抗ウイルス性が付与された対象物に接触した前後における、数及び/又は感染力価の変化(低減の程度)で評価することができる。本発明における抗ウイルス性の標的となるウイルスの種類は、特に制限されず、例えば、以下のウイルスが挙げられる。ヘルペスウイルス、B型肝炎ウイルスなどのDNAウイルス。麻疹ウイルス、インフルエンザウイルス、SARSウイルス、ラッサ熱ウイルス、AIDSウイルス、ロタウイルス、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、ノロウイルス、狂犬病ウイルス、日本脳炎ウイルス、ウエストナイルウイルス、デング熱ウイルス、C型肝炎ウイルス、ブタコレラウイルスなどのRNAウイルス。
【0009】
[再生コラーゲン繊維]
本発明の抗ウイルス性付与組成物に含まれる再生コラーゲン繊維は、例えば、特開2002−249982号公報に開示されるもの、又はこれに由来するものを好ましく使用できる。前記再生コラーゲン繊維は、例えば、以下のようにして製造できる。まず、原料として、動物由来のコラーゲン繊維の原料、好ましくは、床皮の部分を準備する。床皮は、例えば牛、豚、馬、鹿、兎、鳥、魚等の動物から得られるフレッシュな床皮が使用でき、また、塩漬けした生皮から得ることもできる。これら床皮は、大部分が不溶性コラーゲン繊維からなる。床皮は、通常、網状に付着している肉質部分を除去し、腐敗・変質防止のための塩分を除去したのちに用いられる。また、前記動物の骨、腱など他の材料も同様に原料として用いることができる。前記の不溶性コラーゲン繊維には、グリセライド、リン脂質、遊離脂肪酸等の脂質、糖タンパク質、アルブミン等のコラーゲン以外のタンパク質等、不純物が存在している。これらの不純物は、粉末化するにあたって光沢や強度等の品質、臭気等に多大な影響を及ぼしうる。したがって、例えば石灰漬けにして不溶性コラーゲン繊維中の脂肪分を加水分解し、コラーゲン繊維を解きほぐした後、酸・アルカリ処理、酵素処理、溶剤処理等のような一般に行われている皮革処理を施し、予めこれらの不純物を除去しておくことが好ましい。
【0010】
次に、前記のような処理の施された不溶性コラーゲンに対して、架橋しているペプチド部を切断するために可溶化処理が施される。前記可溶化処理の方法としては、一般に採用されている公知のアルカリ可溶化法や酵素可溶化法等を適用することができる。前記アルカリ可溶化法を適用する場合には、例えば塩酸等の酸で中和することが好ましい。なお、従来から知られているアルカリ可溶化法の改善された方法として、特公昭46−15033号公報に記載された方法を用いても良い。前記酵素可溶化法は、分子量が均一な再生コラーゲンを得ることができるという利点を有するものであり、本発明において好適に採用しうる方法である。かかる酵素可溶化法としては、例えば特公昭43−25829号公報や特公昭43−27513号公報等に記載された方法を採用することができる。さらに、前記アルカリ可溶化法及び酵素可溶化法を併用しても良い。
【0011】
このように可溶化処理を施したコラーゲンにpHの調整、塩析、水洗や溶剤処理等の操作をさらに施した場合には、品質等の優れた再生コラーゲンを得ることが可能なため、これらの処理を施すことが好ましい。得られた可溶化コラーゲンは、例えば1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%程度の所定濃度の原液になるように塩酸、酢酸、乳酸等の酸でpH2〜4.5に調整した酸性溶液を用いて溶解される。なお、得られたコラーゲン水溶液には必要に応じて減圧攪拌下で脱泡を施し、水不溶分である細かいゴミを除去するために濾過を行ってもよい。得られる可溶化コラーゲン水溶液には、さらに必要に応じて例えば機械的強度の向上、耐水・耐熱性の向上、光沢性の改良、紡糸性の改良、着色の防止、防腐等を目的として安定剤、水溶性高分子化合物等の添加剤が適量配合されてもよい。
【0012】
前記可溶化コラーゲン水溶液を、例えば紡糸ノズルやスリットを通して無機塩水溶液に吐出することにより再生コラーゲン繊維を形成できる。無機塩水溶液としては、例えば硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム等の水溶性無機塩の水溶液が用いられる。通常これらの無機塩の濃度は10〜40重量%に調整される。無機塩水溶液のpHは、例えばホウ酸ナトリウムや酢酸ナトリウム等の金属塩や塩酸、ホウ酸、酢酸、水酸化ナトリウム等を配合することにより、通常pH2〜13、好ましくはpH4〜12となるように調整することが好ましい。pHが前記の範囲であれば、コラーゲンのペプチド結合が加水分解を受け難く、目的とする再生コラーゲン繊維が得られる。また、無機塩水溶液の温度は特に限定されないが、通常35℃以下であることが望ましい。温度が35℃以下であれば、可溶性コラーゲンが変性を起こさず、強度を高く維持でき、安定して再生コラーゲン繊維が得られる。なお、温度の下限は特に限定されないが、通常無機塩の溶解度に応じて適宜調整することができる。
【0013】
前記再生コラーゲン繊維の遊離アミノ基を、β−位又はγ−位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数主鎖が2〜20のアルキル基で修飾することが好ましい。前記炭素数主鎖とは、アミノ基に結合したアルキル基の連続した炭素鎖を示すものであり、他の原子を介在して存在する炭素数は考慮しないものとする。遊離アミノ基を修飾する反応としては、通常知られているアミノ基のアルキル化反応を用いることができる。反応性、反応後の処理の容易さ等から前記β−位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数2〜20のアルキル基は、下記式(I)で表わされる化合物であることが好ましい。
−CH2−CH(OX)−R (I)
(式中、Rは、R1−、R2−O−CH2−又はR2−COO−CH2−で表される置換基を示し、前記置換基中のR1は炭素数2以上の炭化水素基又はCH2Clであり、R2は炭素数4以上の炭化水素基を示し、Xは水素又は炭化水素基を示す。)
上記式(I)の好ましい例としては、グリシジル基、1−クロル−2−ヒドロキシプロピル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基が挙げられる。加えて、グリシジル基がコラーゲン中の遊離アミノ基に付加した構造が挙げられる。さらには、前述の好ましい基に記載されたアルキル基に含まれる水酸基を開始点として、用いたエポキシ化合物が開環付加、及び/又は開環重合した構造が挙げられ、このときの付加及び又は重合の末端構造として、前述のアルキル基の構造を有しているものが挙げられる。前記再生コラーゲンの遊離アミノ基を構成するアミノ酸としては、リジン及びヒドロキシリジンが挙げられる。さらに、本来コラーゲンを構成するアミノ酸としてはアルギニンで存在するものの、前記再生コラーゲンを得るために、アルカリ条件下で加水分解を行う際に、一部加水分解が進行して生じたオルニチンのアミノ基もアルキル化反応される。加えて、ヒスチジンに含まれる2級アミンによっても反応が進行する。遊離アミノ基の修飾率は、アミノ酸分析により測定することが可能であり、アルキル化反応前の再生コラーゲン繊維のアミノ酸分析値、又は原料として用いたコラーゲンを構成する遊離アミノ酸の既知組成を基準に算出される。なお、本発明におけるアミノ基の修飾では、β−位又はγ−位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数2以上のアルキル基で修飾された構造が、遊離アミノ基の50%以上であれば良く、その他の部分は遊離アミノ基のままでもよいし他の置換基で修飾された構造であっても良い。再生コラーゲンの遊離アミノ酸の修飾率は50%以上である必要があり、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは80%以上である。反応率が低い場合、耐熱性で良好な特性が得られない。ここで、遊離アミノ基の修飾においては、通常、遊離アミノ基1つあたり1分子のアルキル化剤が反応する。もちろん2分子以上反応していてもよい。さらに、遊離アミノ基に結合したアルキル基のβ−位又はγ−位に存在する水酸基又はアルコキシ基又はその他の官能基を介して、分子内又は分子間での架橋反応が存在していても良い。アルキル化反応の具体例としては、エポキシ化合物の付加反応、α−位又はβ−位に水酸基又はこの誘導体を有するアルデヒド化合物の付加反応とこれに続く還元反応、β−位又はγ−位に水酸基又はアルコキシ基を有する炭素数2以上のハロゲン化物、アルコール及びアミン等の置換反応が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0014】
本発明において、アルキル化反応剤として使用しうる有機化合物としては、アルデヒド類、エポキシ類、フェノール誘導体等が挙げられる。この中では反応性・処理条件の容易さからエポキシ化合物による修飾反応が、優れた特性を示すことから好ましい。特に単官能エポキシ化合物が好ましい。ここで用いられる単官能エポキシ化合物としては、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化イソブチレン、酸化オクテン、酸化スチレン、酸化メチルスチレン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシドール等のオレフィン酸化物類、グリシジルメチルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、ポリエチレンオキシドグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、蟻酸グリシジル、酢酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、安息香酸グリシジル等のグリシジルエステル類、グリシジルアミド類等が挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。単官能エポキシ化合物のなかでも、再生コラーゲンの吸水率が低下するため、下記式(II)で表される単官能エポキシ化合物を用いて処理することが好ましい。
【0015】
【化1】

[上記式(II)中、RはR1−、R2−O−CH2−またはR2−COO−CH2−で表される置換基を示し、R1は炭素数2以上の炭化水素基またはCH2Clであり、R2は炭素数4以上の炭化水素基を示す。]
【0016】
このようにして得られた再生コラーゲン繊維は、水又は無機塩の水溶液で膨潤した状態になっている。この膨潤体は再生コラーゲン繊維の重量に対して4〜15倍の水又は無機塩の水溶液を含有した状態が良い。水又は無機塩の水溶液の含有量が4倍以上では再生コラーゲン繊維中のアルミニウム塩含有量が多いため、耐水性が充分となる。また15倍以下であれば、強度が低下せず、取扱い性は良好である。
【0017】
膨潤した再生コラーゲン繊維は、ついでアルミニウム塩の水溶液に浸漬することが好ましい。このアルミニウム塩水溶液のアルミニウム塩としては、次の式、Al(OH)nCl3-n、又はAl2(OH)2n(SO43-n(式中、nは0.5〜2.5である)で表される塩基性塩化アルミニウム又は塩基性硫酸アルミニウムが好ましい。具体的には、例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ミョウバン等が用いられる。これらのアルミニウムは単独で又は2種以上混合して用いることができる。このアルミニウム塩水溶液のアルミニウム塩濃度としては、酸化アルミニウムに換算して0.3〜5重量%であることが好ましい。アルミニウム塩の濃度が0.3重量%以上であれば、再生コラーゲン繊維中のアルミニウム塩含有量が高く、耐水性が充分となる。また5重量%以下であれば、処理後もそれほど硬くなく、取扱い性が良好である。このアルミニウム塩水溶液のpHは、例えば塩酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を用いて通常2.5〜5に調整してもよい。このpHは、2.5以上であればコラーゲンの構造を良好に維持できる。pHが5以下であれば、アルミニウム塩の沈殿も生じず、均一に浸透し易くなる。このpHは、最初は2.2〜3.5に調整して充分にアルミニウム塩水溶液を再生コラーゲン繊維内に浸透させ、その後に、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を添加して3.5〜5に調整して処理を完結させることが好ましい。塩基性の高いアルミニウム塩を用いる場合には、2.5〜5の最初のpH調整だけでもかまわない。また、このアルミニウム塩水溶液の液温は特に限定されないが、50℃以下が好ましい。この液温が50℃以下であれば、再生コラーゲン繊維の変性や変質は起きにくい。このアルミニウム塩水溶液に再生コラーゲン繊維を浸漬する時間は、例えば、3時間以上、好ましくは6〜25時間とする。この浸漬時間は、3時間以上であればアルミニウム塩の反応が進み、再生コラーゲン繊維の耐水性が充分となる。また、浸漬時間の上限には特に制限はないが、25時間以内でアルミニウム塩の反応は充分に進行し、耐水性も良好となる。なお、アルミニウム塩が再生コラーゲン中に急激に吸収されて濃度むらを生じないようにするため、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩を適宜前記アルミニウム塩の水溶液に添加しても良い。再生コラーゲン繊維の金属単体として換算したアルミニウムの含量は、0.1〜70重量%の範囲が好ましい。さらに好ましい範囲は0.2〜50重量%であり、特に好ましくは、1〜40重量%の範囲である。
【0018】
このようにアルミニウム塩で処理された架橋された再生コラーゲン繊維は、ついで水洗、オイリング、乾燥を行うことが好ましい。こうして得られた再生コラーゲン繊維は、従来法のクロム塩で処理されたような着色がほとんどなく、かつ、耐水性に優れたものとなる。一般にコラーゲンの変性(ゼラチン化)を防ぐため、加工時の温度履歴には注意が必要である。架橋後においても変性を防ぐためには、製造時、粉末化加工時・製品保管時の水分と温度の管理を再生コラーゲン繊維の変性条件以下に保持することが必要である。大部分がゼラチン化したものは特性が変化しているため、目的であるコラーゲンの特性を発現することは困難である。変性防止の点において前記の再生コラーゲン繊維を使用することは有利である。
【0019】
また、コラーゲン溶液から紡糸する場合には、溶液中又は紡出直前に顔料や染料を混合して着色することも公知の方法により容易である。使用する顔料や染料は用途に応じて、紡糸工程や粉末化工程での溶出分離が無いこと、また使用製品の要求品質に対応して種類や色相を選択することができる。また必要に応じて、充填剤、老化防止剤、難燃剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0020】
[再生コラーゲン粉末]
本発明の抗ウイルス性付与組成物に含まれる再生コラーゲン粉末は、例えば、上記の再生コラーゲン繊維を粉砕することで得ることができる。具体的には、再生コラーゲン繊維を粉砕に適した繊維長もしくはサイズに切断するか、この切断したものをさらに粉砕するか、又は、再生コラーゲン繊維を直接粉砕することにより再生コラーゲン粉末とすることができる。再生コラーゲン粉末の製造に使用できるカッターは特に制限は無い。例えば、繊維のカットに通常使われる回転刃カッター、ベルトカッター、シャーリングマシン、カッターミル等で0.1mm〜数mm程度に切断する。さらに、このカット綿を、ローラーミル、ロッドミル、ボールミル(乾式、湿式)、ジェットミル、ピンミル、振動ミル、セントリフューガル(CF)ミル、遊星型ボールミル、グラインダーミル等せん断型ミル等の粉砕機を用いて微粉砕、又は、媒体攪拌型超微粉砕機等を用い超微粉砕する。ジルコニア製ボール等の硬質のボールを使用することで粉末へのボール素材の混入を防ぐ点及び粉砕効率の点から好ましく使用することができる。アルミナ製ボール等他の素材のボールを用いることもできる。その他の粉砕方法として、冷凍粉砕も使用できる。このようにして得られた再生コラーゲン粉末の平均粒子径(レーザ回折散乱法で測定される体積中位径)は0.01〜80μmであることが好ましく、後述するコーティング剤に使用する場合には、触感及びハンドリング向上の観点から、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
【0021】
[本発明の抗ウイルス性付与組成物の形態]
本発明の抗ウイルス性付与組成物は、上述した再生コラーゲン繊維を含む繊維の形態であってもよく、上述した再生コラーゲン粉末を含む粉末の形態であってもよい。また、本発明の抗ウイルス性付与組成物は、例えば、前記再生コラーゲン繊維を含むシートや不織布の形態、あるいは、再生コラーゲン粉末を含むコーティング剤などの形態であってもよい。
【0022】
[コーティング剤]
本発明の抗ウイルス性付与組成物は、上述したとおり、再生コラーゲン粉末を含むコーティング剤の形態であってもよい。前記コーティング剤としては、マトリックス樹脂及び再生コラーゲン粉末などの有機フィラーを含有するものがあげられる。また、必要に応じて、有機溶剤又は水、シリカ粉末などの無機フィラー、着色剤(顔料)、可塑剤、老化防止剤等を加えることもできる。混合条件については、公知の条件であればよく、特に限定はない。前記マトリックス樹脂材料としては、一般の塗料に使用される樹脂であればどのようなものでも良い。例えば、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、エポキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマーからなる群から選ばれる樹脂を少なくとも一種含有する組成物とすることが好ましく、再生コラーゲン粉末の特性である吸放湿性や抗ウイルス性等の損なわない範囲で併用することも可能である。この中でも、耐磨耗性、耐寒性、耐屈曲性、耐油性等の点で、ポリウレタン系樹脂が好ましい。前記コーティング剤は、再生コラーゲン粉末と前記マトリックス樹脂材料とを有機溶媒又は水中で混合することで製造できる。前記コーティング剤は壁や天井等の固定物体に塗布してもよいし、基布シートに塗装して塗装シートとしても良い。前記基布シートとしては、壁紙や布、合成皮革、ポリ塩化ビニルレザー、人工皮革、又は合成樹脂成形品などが挙げられる。コーティングする方法は特に限定されず、例えば、グラビアプリンター法、スプレー法、ロールコーター法、リバースコーター法、ドクターナイフ法、刷毛塗り法、ディッピング法等を用いることができる。
【0023】
本発明の抗ウイルス性付与組成物は、それ自体を成形して不織布、成形物などの対象製品そのものとし、前記製品に抗ウイルス性を付与でき、好ましくは、前記製品にウイルスに対する吸着能力を付与できる。あるいは、本発明の抗ウイルス性付与組成物は、対象製品又はその材料若しくは部品に添加、混合、若しくは塗布することにより、前記製品に抗ウイルス性を付与でき、好ましくは、前記製品にウイルスに対する吸着能力を付与できる。したがって、本発明は、その他の態様として、対象製品にウイルスに対する吸着能力の付与に用いるための抗ウイルス性付与組成物であって、再生コラーゲン繊維又は再生コラーゲン粉末を含む抗ウイルス性付与組成物である。ここで、「対象製品」とは、抗ウイルス性及び/又はウイルスに対する吸着能力を付与する対象である製品をいう。
【0024】
本発明の抗ウイルス性付与組成物における抗ウイルス性付与の対象となる「対象製品」は、特に制限されない。繊維形態の本発明の抗ウイルス性付与組成物を添加又は混合する対象製品としては、例えば、布帛、衣服、不織布、フィルタ、及びエアフィルタなどを含む繊維製品、並びに、前記繊維製品を用いた以下のものが挙げられる。空調装置、空気洗浄機、掃除機などを含む電気製品;シート材、床材、天井材などを含む自動車・船舶・飛行機・電車等の乗り物の内装材料;壁紙、床材、天井材、カーテン、絨毯などを含む、病院、老人ホーム、養護施設、学校、幼稚園、公民館、体育館、駅、住宅、マンションなどの住宅・施設の内装材料;椅子、ソファーなどを含む家具;浄水器(カートリッジを含む)、マスク、タオル、靴、靴下、手袋、トイレカバー、トイレマット、バスマット、布団、シーツ、毛布、タオルケットなどを含む家庭用品や日用品;白衣、ベッドシーツ、ベッドカバーなどを含む病院関連製品。
【0025】
また、粉末形態及び/又はコーティング剤形態の本発明の抗ウイルス性付与組成物に浸漬する、又は、該本発明の抗ウイルス性付与組成物を塗布する対象製品としては、布帛、衣服、不織布、フィルタ、及びエアフィルタなどを含む繊維製品並びにこれらの繊維製品を用いた上述の製品が挙げられる。さらに、コーティング剤形態の本発明の抗ウイルス性付与組成物を塗布する製品としては、上述した塗装シート及びこの塗装シートを用いる製品が挙げられる。前記塗装シートを用いる製品としては、携帯電話、パソコンなどを含む電気製品;インパネ、シート材、床材、天井材などを含む自動車・船舶・飛行機・電車等の乗り物の内装材料;壁紙、床材、天井材、カーテン、絨毯などを含む、病院、老人ホーム、養護施設、学校、幼稚園、公民館、体育館、駅、住宅、マンションなどの住宅・施設の内装材料;壁、手すり、天井、ドア用の外装材料;手帳、筆記用具、かばん、パソコン関連製品などを含む文房具;椅子、ソファーなどを含む家具などが挙げられる。したがって、本発明は、その他の態様として、本発明の抗ウイルス性付与組成物を含む抗ウイルス性製品である。本発明の抗ウイルス性製品は、特に制限されないが、空調装置、空気洗浄機、掃除機等のエアフィルタ、自動車等の内装材料のほか、上述した対象製品を含む。
【0026】
[抗ウイルス性製品の製造方法]
したがって、本発明は、その他の態様において、抗ウイルス性製品の製造方法であって、本発明の抗ウイルス性付与組成物を成形、添加、混合、又は塗布する工程を含む製造方法である。前記成形工程としては、本発明の抗ウイルス性付与組成物を成形して、例えば、不織布、成形物などの製品を製造する工程が挙げられる。また、前記添加、混合、又は塗布する工程としては、上述した「対象製品」又はその材料若しくは部品に本発明の抗ウイルス性付与組成物を添加、混合、若しくは塗布する工程を含む。本発明の製造方法におけるこれらの工程は、抗ウイルス性の付与を目的として行われることが好ましく、抗ウイルス性が発揮される十分量の本発明の抗ウイルス性付与組成物が使用されることが好ましい。
【0027】
[抗ウイルス性の付与方法]
本発明は、さらにその他の態様において、対象物に抗ウイルス性を付与する方法であって、前記対象物に本発明の抗ウイルス性付与組成物を添加、混合、又は塗布する工程を含む抗ウイルス性付与方法である。前記対象物としては、上述した「対象製品」又はその材料若しくは部品が挙げられ、前記添加、混合、又は塗布する工程としては、前記対象物に本発明の抗ウイルス性付与組成物を添加、混合、若しくは塗布する工程を含む。本発明の付与方法におけるこれらの工程は、抗ウイルス性の付与を目的として行われることが好ましく、抗ウイルス性が発揮される十分量の本発明の抗ウイルス性付与組成物が使用されることが好ましい。
【0028】
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。
【実施例1】
【0029】
1.再生コラーゲン粉末の作製
牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化した皮片1200kg(コラーゲン分180kg)に30重量%に希釈した過酸化水素水溶液30gを投入後、乳酸水溶液で溶解し、pH3.5、固形分7.5重量%に調整した原液を作製した。原液を減圧下で撹拌脱泡機((株)ダルトン製、8DMV型)により撹拌脱泡処理し、ピストン式紡糸原液タンクに移送し、さらに減圧下で静置し、脱泡を行った。かかる原液をピストンで押し出した後、ギアポンプで定量送液し、孔径10μmの焼結フィルタで濾過後、孔径0.275mm、孔長0.5mm、孔数300の紡糸ノズルを通し、硫酸ナトリウム20重量%を含有してなる25℃の凝固浴(ホウ酸及び水酸化ナトリウムでpH11に調整)へ紡出速度5m/分で吐出した。
【0030】
次に、得られた再生コラーゲン繊維(300本、20m)を、エピクロロヒドリン1.7重量%、水酸化ナトリウム0.0246重量%、及び硫酸ナトリウム17重量%を含有した水溶液1.32kgに25℃で4時間浸漬した後、さらに反応液温度を43℃に昇温して2時間含浸した。
【0031】
反応終了後に反応液を除去後、流動型装置にて1.32kgの25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行った。この後、硫酸アルミニウム5重量%、クエン酸三ナトリウム塩0.9重量%、水酸化ナトリウム1.2重量%を含有した水溶液1.32kgに30℃で含浸し、反応開始から2時間後、3時間後及び4時間にそれぞれ5重量%水酸化ナトリウム水溶液13.2gを反応液に添加し、合計6時間反応させた。反応終了後に反応液を除去後、流動型装置にて1.32kgの25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行った。
【0032】
ついで、作製した繊維の一部をアミノ変性シリコーンのエマルジョン及びプルロニック型ポリエーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽に浸漬して油剤を付着させた。50℃に設定した熱風対流式乾燥機内部で繊維束の一方の端を固定し、他方の端に繊維1本に対して2.8gの重りを吊り下げ2時間緊張下で乾燥させ、60deci texの再生コラーゲン繊維を得た。
【0033】
得られた再生コラーゲン繊維を物理的に粉砕した。すなわち、まず再生コラーゲン繊維2kgをカッターミルSF−8(三力製作所製)にて1mm前後の長さに細断し、同社製サイクロンCYC−600型にて回収した。次に、振動ミル(株式会社トーケン製)を用い粉砕を行った。粉砕条件としては、容量4Lのアルミナ製容器に同じアルミナ製のボール(径19mm)を充填容量80%、細断したコラーゲン繊維を充填容量として40%(500g)で入れ、4〜12時間粉砕処理を実施した。その結果、4時間の粉砕では平均粒子径33μm、15時間の粉砕では平均粒子径(体積中位径)10μmの粉末を得ることができた。なお、前記平均粒子径は、レーザ回折散乱法によるマイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製“MT3300”)を用いて測定した。分散媒としては例えばメタノールを用い、粒子屈折率はコラーゲンの屈折率である1.44を用いた。
【0034】
2.再生コラーゲン粉末液の調製
前記再生コラーゲン粉末(平均粒子径10μm)と精製水とを混合して再生コラーゲン粉末液(1重量% 再生コラーゲン粉末)を調製した。
【0035】
3.ウイルス液の調製
0.06mg/mlカナマイシン、10%新生コウシ血清(FBS)を含むEagleMEM培地を細胞増殖培地として用い、CRFK細胞(大日本製薬株式会社製)を細胞培養用フラスコ中で単層培養した後、フラスコから細胞増殖培地を取り除いた。そこに、ノロウイルスの代替ウイルスであるネコカリシウイルス(Feline calicivirus vaccine strain)を接種し、細胞維持培地を加えた。37℃の炭酸ガスインキュベーター(CO2濃度5%)で2〜5日間培養した後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態を観察した。細胞に形態変化(細胞変性効果)が起こっていることを確認し、培養液を3000r/min、10分間遠心分離し、その上清をウイルス液とした。
【0036】
4.抗ウイルス試験
再生コラーゲン粉末液10mlとウイルス液0.2mlとを混合し、130〜140r/minで振とうしながら室温で1時間保存した。ついで、混合液をフィルタ(孔径:0.20μm)でろ過して再生コラーゲン粉末を除去した後、細胞維持培地を用いて10倍に希釈した。
【0037】
(ウイルス量(力価)の測定)
前記イーグル培地を用いてCRFK細胞を細胞培養用マイクロプレート(96穴)で単層培養した後、培地を取り除いた。各ウエルに前記細胞維持培地を0.1mlずつ加えた後、前記希釈液0.1mlを4穴ずつ接種した。37℃の炭酸ガスインキュベーター(CO2濃度5%)で4〜7日間培養した後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化(細胞変性効果)の有無を確認した。Reed−Muench法により50%組織培養感染価(medium tissue infections dose)(TCID50)を算出して再生コラーゲン粉末液1mlあたりのウイルス力価に換算した。得られた結果を下記表1に示す。
【0038】
(比較例1)
比較例1として、再生コラーゲン粉末液に替えて精製水を使用した以外は、実施例1と同様に行った。その結果を実施例1とあわせて下記表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
上記表1に示すように、再生コラーゲン粉末とともに培養した実施例1は、再生コラーゲン粉末を添加しない比較例1と比較してウイルス力価が40分の1に低下した。つまり、実施例1の再生コラーゲン粉末液による抗ウイルス性効果が示された。
【実施例2】
【0041】
1.ウイルス液の調製
宿主である大腸菌(E.coli (F+)、NBRC13965、NITEより入手)を培地A10mlで37℃一晩培養した。培養した大腸菌0.1mlと大腸菌ファージ(coliphageQβ(以下、「ウイルス」とよぶ)、NBRC20012、NITEより入手)とを新たな培地A10mlに接種し、37℃で一晩培養した後、得られた培養液のウイルス量を後述する測定方法で測定した。新たな培地A0.1mlに大腸菌を接種し、その大腸菌数の10分の1量(ウイルス力価)となるようにウイルスを接種し、37℃で一晩培養してウイルス液を調製した。得られたウイルス液のウイルス量は2.4×1010個/mlであった。
【0042】
(ウイルス量(力価)の測定)
培地A10mlで大腸菌を3〜4時間培養した。培養した大腸菌液0.1mlと適当に希釈したウイルス液0.1mlとを混合し、直ちにTOP−agar3.3mlを添加した後、bottom−agarに注ぎ、37℃で一晩培養した。そして、プレート上に出現した溶菌斑(プラーク)の数を計数してその個数をウイルス力価とした。
【0043】
【表2】

【0044】
2.抗ウイルス試験
実施例1で作製した再生コラーゲン粉末(VMS)を30重量%となるようにポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業社製)に混合し、これをPVC(軟質塩ビシート:龍田化学社製)にコーティングしたシートサンプル(PVC/PU/30%VMS、厚み30μm)を準備した。
【0045】
前記ウイルス液(力価:2.4×1010個/ml)を0.02%MgSO4及び0.09%CaCl2を含む溶液で希釈した。その希釈液(力価:2.4×108個/ml)0.4mlを前記シートサンプル(5cm四方)上に配置し、その上をポリエチレンフィルム(4cm四方)で覆い、30℃で1時間静置した。静置後、シート上の液を4.5mlの0.8%NaClで回収し、回収液中のウイルス力価を測定した。その結果を下記表3に示す。
【0046】
(比較例2)
比較例2として、PVC/PU/30%VMSに替えて、ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業社製)をPVC(軟質塩ビシート:龍田化学社製)にコーティングしたシート(PVC/PU、厚み30μm)を使用した以外は、実施例2と同様にして行った。その結果を実施例2とあわせて下記表3に示す。
【0047】
【表3】

【0048】
上記表3に示すように、比較例2では初期のウイルス力価の約500分の1程度までしか低下しなかったにも関わらず、再生コラーゲン粉末を含む実施例2のシートではウイルス力価が約3万分の1まで低下した。つまり、再生コラーゲン粉末を含む実施例2のシートによる抗ウイルス性効果が示された。
【実施例3】
【0049】
実施例1と同様にして作製したTS(再生コラーゲン)繊維(繊維径70μm)の表面をサンドペーパーによって10回程度処理した後、長さ3〜5cmに切断してTS繊維サンプルを得た。0.02%MgSO4及び0.09%CaCl2を含む溶液10mlを入れたポリスチレンチューブに、実施例2のウイルス液を接種してウイルス液を調製した(力価:2.4×108個/ml)。このウイルス液に前記TS繊維サンプル230mgを添加し、室温で1時間静置した後、溶液の一部を採取し、ウイルス力価を測定した。その結果を下記表4に示す。
【0050】
(比較例3)
比較例3として、前記TS繊維サンプルを前記ポリスチレンチューブに添加しない以外は、実施例3と同様にして行った。その結果を実施例3とあわせて下記表4に示す。
【0051】
【表4】

【0052】
上記表4に示すように、前記TS繊維サンプルを添加した実施例3では、ウイルス力価が10分の1に低下した。つまり、実施例3のTS繊維による抗ウイルス性効果が示された。
【0053】
また、ウイルス液への添加前後のTS繊維サンプルの表面を電子顕微鏡(30000倍及び5000倍)で観察した。その電子顕微鏡写真の一例を図1に示す。図1において、右図がウイルス液への添加前のTS繊維サンプルの写真であり、左図がウイルス液への添加後のTS繊維サンプルの写真である。これらの写真から、ウイルス液に添加した後のTS繊維サンプルの表面には微粒子が付着しており、この微粒子はファージ粒子であるものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、例えば、抗ウイルス性の製品の分野で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、TS繊維サンプルの電子顕微鏡写真の一例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗ウイルス性製品の製造に用いる抗ウイルス性付与組成物であって、再生コラーゲン繊維又は再生コラーゲン粉末を含む、抗ウイルス性付与組成物。
【請求項2】
前記再生コラーゲン繊維又は再生コラーゲン粉末が、単官能エポキシ化合物及びアルミニウム塩で処理されたものである、請求項1記載の抗ウイルス性付与組成物。
【請求項3】
繊維、粉末、又はコーティング剤の形態である、請求項1又は2記載の抗ウイルス性付与組成物。
【請求項4】
抗ウイルス性製品の製造方法であって、請求項1から3のいずれか一項に記載の抗ウイルス性付与組成物を成形、添加、混合、又は塗布する工程を含む、抗ウイルス性製品の製造方法。
【請求項5】
対象物に抗ウイルス性を付与する方法であって、前記対象物に請求項1から3のいずれか一項に記載の抗ウイルス性付与組成物を添加、混合、又は塗布する工程を含む、抗ウイルス性付与方法。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の抗ウイルス性付与組成物を含む抗ウイルス性製品。

【図1】
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【公開番号】特開2009−127163(P2009−127163A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306360(P2007−306360)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】