抗肥満剤
【課題】 少数のエキスの組合せによって、抗肥満効果を有するものを提供すること。
【解決手段】 レンギョウ葉エキスと、シトラスエキスと、カンゾウエキス及びサンシシエキスからなる群から選択される少なくとも1つのエキスとを含む抗肥満剤によって達成される。このとき、抗肥満剤には、カンゾウエキスとサンシシエキスとの両者を含むことが好ましい。本抗肥満剤は、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという理想的な抗肥満効果を示すことが分かった。
【解決手段】 レンギョウ葉エキスと、シトラスエキスと、カンゾウエキス及びサンシシエキスからなる群から選択される少なくとも1つのエキスとを含む抗肥満剤によって達成される。このとき、抗肥満剤には、カンゾウエキスとサンシシエキスとの両者を含むことが好ましい。本抗肥満剤は、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという理想的な抗肥満効果を示すことが分かった。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗肥満剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、肥満を病因の一つとする疾患(例えば、心疾患、糖尿病など)が、多くの死因に関与していると言われている。これらの疾患は、生活習慣に関連するものが多いため生活習慣病と呼ばれ、この生活習慣病に対する意識が高まっている。生活習慣病とは、食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群と定義されており、2型糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、循環器病(先天性のものを除く)、高血圧症などが知られている。また、個人に対して、複数の危険因子(耐糖能異常、高血圧症、肥満、脂質代謝異常など)が重なり、致死的な心血管疾患を発症するメタボリックシンドロームも注目されている。
日本においてもライフスタイルの欧米化に伴い、700万人以上の糖尿病患者を含め、高血圧症・高脂血症などの生活習慣病の患者数が1000万人〜2000万人にも上ると言われている。このように肥満は、深刻な社会問題の一つとなっており、肥満対策は日本のみならず世界的な課題となっている。
【0003】
一方、漢方薬は、中国では2000年以上に渡り汎用されている多成分系の薬剤である。漢方薬には、西洋薬には認め難い生体の自然治癒力を高めるという作用を有するものが多いものの、漢方薬の使用は経験に基づくものが多く、作用メカニズムが十分に明らかにされていないものがある。漢方薬について、抗肥満効果を持つものの一つに防風通聖散(ボウフウツウショウサン)がある。防風通聖散は、体の熱をさまし、病因を発散させるような働きがあり、体の水分循環を改善する作用があるので、肥満症、便秘、尿量減少、むくみ、のぼせ、肩こりなどに用いられている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−277128号公報
【特許文献2】特開2005−179316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな成分であるレンギョウ葉エキスと少数の成分を組み合わせることにより、抗肥満効果が得られるものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討の結果、新規成分であるレンギョウ葉エキスの効果を確認するために、シトラスエキス、カンゾウエキス、サンシシエキス等と組み合わせることにより、抗肥満効果を奏することを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
こうして、上記目的を達成するための発明に係る抗肥満剤は、レンギョウ葉エキスと、シトラスエキスと、カンゾウエキス及びサンシシエキスからなる群から選択される少なくとも1つのエキスとを含むことを特徴とする。
上記発明においては、カンゾウエキスとサンシシエキスとの両者を含むことが好ましい。
また、抗肥満剤が、錠剤、顆粒剤、粉末剤、液剤のうちのいずれか一つであることが好ましい。
「レンギョウ葉エキス」とは、レンギョウ葉から抽出されたものを意味する。レンギョウ葉エキスの抽出方法については、必ずしも問われないが、例えば通常の漢方生薬を得る方法を用いることができる。レンギョウ葉エキスの形態は問われず、例えば粉末、顆粒、粒状、液体などが含まれる。レンギョウとは、中国原産のモクセイ科落葉低木(高さは約2メートル程度)である。古くから観賞用に栽培されており、枝は長く伸びて先端はやや垂れる。果実は、漢方生薬の連翹として用いられ、消炎・利尿・排膿・解毒などの効果がある。レンギョウ葉とは、レンギョウの葉を意味する。本発明では、漢方に用いられるレンギョウ果実ではなく、レンギョウ葉を用いる。
【0007】
「シトラスエキス」とは、シトラスから抽出されたものを意味する。シトラスエキスの抽出方法については、必ずしも問われないが、例えば通常の漢方生薬を得る方法を用いることができる。シトラスエキスの形態は問われず、例えば粉末、顆粒、粒状、液体などが含まれる。シトラスとは、かんきつ類を意味し、ミカン類の常緑樹、特に果樹・果実の総称のことを言う。分類学上は、ミカン属・キンカン属・カラタチ属に分けられる。
「カンゾウエキス」とは、カンゾウから抽出されたものを意味する。カンゾウエキスの抽出方法については、必ずしも問われないが、例えば通常の漢方生薬を得る方法を用いることができる。カンゾウエキスの形態は問われず、例えば粉末、顆粒、粒状、液体などが含まれる。カンゾウとは、甘草を意味し、中国北部に自生するマメ科の多年草である。高さ約1メートルで全体粘質であり、羽状複葉をもち、根は赤褐色で甘根・甘草と呼び、特殊の甘味をもつ。漢方生薬として鎮痛・鎮咳剤に使用される。
【0008】
「サンシシエキス」とは、クチナシから抽出されたものを意味する。サンシシエキスの抽出方法については、必ずしも問われないが、例えば通常の漢方生薬を得る方法を用いることができる。サンシシエキスの形態は問われず、例えば粉末、顆粒、粒状、液体などが含まれる。クチナシとは、梔子・巵子・山梔子などとも記載されるアカネ科の常緑低木(高さ1〜3メートル)である。葉は対生し革質で光沢があり、夏、白色の六弁花を開き、芳香が強い。果実は熟すと紅黄色となり、これから採った黄色色素は古くから染料として使用され、乾燥した果実は漢方生薬の山梔子(さんしし)として用いられ、鎮静・止血・消炎・利尿・解熱などの効果がある。
なお、本抗肥満剤については、各エキスをそれぞれ得た後に混合することもできるし、各成分を混合した後にエキスを得ることもできる。また、各エキスを錠剤等の形状とし、個別に形成したものを一時に摂取可能としたものも含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、3種類または4種類のエキスを含有した抗肥満剤が提供される。この抗肥満剤は、全て食品としても扱うことができるので、医薬品としてだけでなく、健康食品等としても提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】3ヶ月のMHE摂取による摂取量への影響を調べたグラフである。グラフの左より、C1群(陰性コントロール:ND H2O)、A1群(ND MHE0.2%)、A2群(ND MHE1%)、A3群(ND MHE5%)、C2群(陽性コントロール:HFD H2O)、B1群(HFD MHE0.2%)、B2群(HFD MHE1%)、及びB3群(HFD MHE5%)のデータを示す(図2〜図16においても同じ)。
【図2】3ヶ月のMHE摂取による体重への影響を調べたグラフである。
【図3】3ヶ月のMHE摂取による腎臓周囲の白色脂肪細胞(WATr)重量への影響を調べたグラフである。
【図4】3ヶ月のMHE摂取による精巣周囲の白色脂肪細胞(WATt)重量への影響を調べたグラフである。
【図5】3ヶ月のMHE摂取による褐色脂肪細胞(BAT)重量への影響を調べたグラフである。
【図6】3ヶ月のMHE摂取によるヒラメ筋(Sol.M.)重量への影響を調べたグラフである。
【図7】3ヶ月のMHE摂取による血中GOT値への影響を調べたグラフである。
【図8】3ヶ月のMHE摂取による血中GPT値への影響を調べたグラフである。
【図9】3ヶ月のMHE摂取による血中総コレステロール値への影響を調べたグラフである。
【図10】3ヶ月のMHE摂取による血中中性脂肪値への影響を調べたグラフである。
【図11】3ヶ月のMHE摂取による血中遊離脂肪酸値への影響を調べたグラフである。
【図12】3ヶ月のMHE摂取による血中LDLコレステロール値への影響を調べたグラフである。
【図13】3ヶ月のMHE摂取による血中HDLコレステロール値への影響を調べたグラフである。
【図14】3ヶ月のMHE摂取による血中グルコース値への影響を調べたグラフである。
【図15】3ヶ月のMHE摂取による血中インスリン値への影響を調べたグラフである。
【図16】3ヶ月のMHE摂取による血中アディポネクチン値への影響を調べたグラフである。
【図17】4週間の抗肥満剤摂取による摂取量への影響を調べたグラフである。グラフの左側はC群(陽性コントロール:HFD H2O)、右側はD3群(HFD MHE5%)のデータを示す。
【図18】4週間の抗肥満剤摂取による飲水量への影響を調べたグラフである。グラフの左より、C群(陽性コントロール:HFD H2O)、D1群(HFD FCGr5%)、D2群(HFD FCGf5%)、及びD3群(HFD MHE5%)のデータを示す(図19〜図22においても同じ)。
【図19】4週間の抗肥満剤摂取による体重への影響を調べたグラフである。
【図20】4週間の抗肥満剤摂取による腎臓周囲の白色脂肪細胞(WATr)重量への影響を調べたグラフである。
【図21】4週間の抗肥満剤摂取による精巣周囲の白色脂肪細胞(WATt)重量への影響を調べたグラフである。
【図22】4週間の抗肥満剤摂取による褐色脂肪細胞(BAT)重量への影響を調べたグラフである。
【図23】4週間の抗肥満剤摂取による摂取量への影響を継時的に調べたグラフである。グラフ中、「HFD Cont.」はC1群(コントロール)、「HFDFCGf」はE1群、「HFD MHE」はE2群、「HFD BOFU」はC2群のデータをそれぞれ示す(図24〜図31においても同じ)。なお、各群の詳細については、<実施例4>に記載した。
【図24】4週間の抗肥満剤摂取による摂水量への影響を継時的に調べたグラフである。
【図25】4週間の抗肥満剤摂取による体重への影響を継時的に調べたグラフである。
【図26】4週間の抗肥満剤摂取による体重への影響を調べたグラフである。
【図27】4週間の抗肥満剤摂取による腎臓周囲の白色脂肪細胞(WATr)重量への影響を調べたグラフである。
【図28】4週間の抗肥満剤摂取による精巣周囲の白色脂肪細胞(WATt)重量への影響を調べたグラフである。
【図29】4週間の抗肥満剤摂取による褐色脂肪細胞(BAT)重量への影響を調べたグラフである。
【図30】4週間の抗肥満剤摂取によるヒラメ筋(Sol.M.)重量への影響を調べたグラフである。
【図31】4週間の抗肥満剤摂取による収縮期血圧(SBP)への影響を調べたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
【0012】
<実施例1> 抗肥満剤の調製
抗肥満剤の調製には、(A)レンギョウ葉エキス(タマ生化学株式会社製レンギョウ葉エキス)、(B)シトラスエキス(アルプス薬品工業株式会社製シトラスアウランティウム抽出物)、(C)カンゾウエキス(三國株式会社製カンゾウ水製エキス)、及び(D)サンシシエキス(アルプス薬品工業株式会社製サンシシ乾燥エキス)を用いた。上記(A)〜(D)のエキスは、全て粉末剤であった。抗肥満剤として、下記3種類のものを調製した。
抗肥満剤1として、質量比が(A):(B):(C)=3:3:5のものを調製した。
抗肥満剤2として、質量比が(A):(B):(D)=1:1:1のものを調製した。
抗肥満剤3として、質量比が(A):(B):(C):(D)=3:3:5:3のものを調製した。
本明細書中において、抗肥満剤1を「FCGr」と、抗肥満剤2を「FCGf」と、抗肥満剤3を「MHE」と記載することがある。
【0013】
<実施例2> 抗肥満剤3(MHE)の効果確認試験
4週齢オスSDラットを下記8群に分けて、MHEの効果確認試験を行った。
C1群(陰性コントロール:ND H2O):1週間の予備飼育後、5%ラードを含む通常食(ND)を自由摂取させた。飲料水として、水(H2O)を自由摂取させた。
C2群(陽性コントロール:HFD H2O):1週間の予備飼育後、35%ラードを含む高脂肪食(HFD)を自由摂取させた。飲料水として、水(H2O)を自由摂取させた。
A1群(ND MHE0.2%):1週間の予備飼育後、NDに0.2%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
A2群(ND MHE1%):1週間の予備飼育後、NDに1%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
A3群(ND MHE5%):1週間の予備飼育後、NDに5%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
B1群(HFD MHE0.2%):1週間の予備飼育後、HFDに0.2%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
B2群(HFD MHE1%):1週間の予備飼育後、HFDに1%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
B3群(HFD MHE5%):1週間の予備飼育後、HFDに5%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
上記C1群、A1群〜A3群については一群当り4匹のラットを、C2群、B1群〜B3群については一群当り6匹のラットをそれぞれ用いた。
【0014】
上記8群のいずれについても、3ヶ月間の飼育を行った後、一日あたり体重あたりの食餌摂取量(Food Intake mean(g/BW/day))、体重量(Body Weight(g))、体重あたりの腎臓周囲白色脂肪細胞の割合(WATr/BW(%))、体重あたりの精巣周囲白色脂肪細胞の割合(WATt/BW(%))、体重あたりの褐色脂肪細胞の割合(BAT/BW(%))、及び体重あたりのヒラメ筋の割合(Sol.M./BW(%))を計測した。
また、血中マーカーとして、血中GOT値(Serum GOT Levels(IU/L))、血中GPT値(Serum GPT Levels(IU/L))、総コレステロール値(Serum T-CHO Levels(mg/dL))、中性脂肪値(Serum TG Levels(mg/dL))、遊離脂肪酸(Serum FFA Levels(uEq/L))、低密度リポタンパク質コレステロール(Serum LDL-C Levels(mg/dL))、高密度リポタンパク質コレステロール(Serum HDL-C Levels(mg/dL))、グルコース(Serum Glucose Levels(mg/dL))、インスリン(Serum Insulin Levels(gm/mL))、及びアディポネクチン(Serum Adiponectin Levels(ng/mL))を測定した。
【0015】
結果を図1〜図16に示した。図中のデータについては、平均値±標準誤差で示した。表中の記号a)〜c)は、C1群(ND,H2O)またはC2群(HFD,H2O)との間で有意差(p<0.05)が認められたことを意味している。
図2に示すように、MHEを投与することにより、C1群及びC2群に比べると体重が減少することが示唆され、特にB3群では有意な体重減少が認められた。図3及び図4に示すように、WATr及びWATtは、MHEを投与することにより、C1群及びC2群に比べると減少することが分かった。図5に示すように、BATは、MHEを投与することにより、増加することが分かった。また、図6に示すように、MHEの投与によって、ヒラメ筋の重量は影響がないか、増加傾向があることが分かった。
【0016】
脂肪細胞は、細胞質内に脂肪滴を有する細胞であり、単胞性脂肪細胞(白色脂肪細胞:WATr、WATt)と多胞性脂肪細胞(褐色脂肪細胞:BAT)とに分類される。白色脂肪細胞は、大型の脂肪滴が存在し、核や細胞小器官は辺縁に圧迫されている貯蔵型の細胞であり、肥満を解消するためには減少することが好ましい。一方、褐色脂肪細胞は、小型あるいは中型の脂肪滴が多数存在し、細胞小器官が発達している代謝型の細胞であり、溜め込んだ脂肪を燃やしエネルギーに変える働きをする。このため、褐色脂肪細胞が増加すると、代謝系は肥満を解消する方向に向かう。
MHEは、白色脂肪細胞を減少させ、褐色脂肪細胞を増加させることから、肥満に対して非常に有効な効果があることが分かった。また、このときヒラメ筋の重量には影響がないか、増加傾向があることから、筋重量を減少させて代謝量を減少させるという悪影響は認められなかった。特に、B3群では、C2群に対して、有意な増加が認められたことから、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという非常に理想的な抗肥満効果を示した。
【0017】
図7及び図8に示すように、MHEを投与することにより、血中GOT及びGPTは、減少することが分かった。特に、A2,A3,B2,B3群については、C1,C2群との間で有意に減少することが分かった。幾つかの抗肥満剤については、肝障害によって血中GOT及びGPTが増加することが知られている。MHEでは、そのような障害は認められず、かえって肝保護機能があることが分かった。
図9〜図13に示すように、血中脂肪を示すパラメータ(T-CHO、TG、FFA、LDL-C、HDL-C)については、MHEを投与することにより、いずれも抗肥満に有効な変化(すなわち、T-CHO、TG、FFA、LDL-Cでは減少させ、HDL-Cでは増加させる)を示すことが分かった。いくつかの投与群については、C1群,C2群との間で有意に減少または増加した。
【0018】
図14〜図16に示すように、MHEは、血中グルコース値に対しては、影響を与えないか、やや減少させることが分かった。また、B1群〜B3群では、血中インスリン値はC2群に対して有意に減少し、血中アディポネクチン値はC2群に対して有意に増加した。これらのことからMHEは、通常食の場合には血中グルコース値及びインスリン濃度には大きな影響を与えず、高脂肪食によって血中グルコース値が増大したとしても、少量のインスリンで効果的に反応するような体質(インスリン抵抗性の減少)に変化させることが分かった。
【0019】
<実施例3> 抗肥満剤1(FCGr)、抗肥満剤2(FCGf)、及び抗肥満剤3(MHE)の効果確認試験
4週齢オスSDラットを用いて、FCGr、FCGf、及びMHEの効果確認試験を行った。下記いずれの群についても一群当り4匹のラットを用いた。
C群(陽性コントロール:HFD H2O):1週間の予備飼育後、35%ラードを含む高脂肪食(HFD)を与えた。飲料水として、水(H2O)を自由摂取させた。
D1群(HFD FCGr5%):1週間の予備飼育後、HFDに5%のFCGrを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
D2群(HFD FCGf5%):1週間の予備飼育後、HFDに5%のFCGfを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
D3群(HFD MHE5%):1週間の予備飼育後、HFDに5%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
【0020】
上記4群のいずれについても、4週間の飼育を行った後、一日あたり一匹あたりの食餌摂取量(Food Intake mean(g/rat/d))、一日あたり一匹あたりの飲水量(Water Intake mean(mL/rat/d))、体重量(Body Weight(g))、体重あたりの腎臓周囲白色脂肪細胞の割合(WATr/BW(%))、体重あたりの精巣周囲白色脂肪細胞の割合(WATt/BW(%))、及び体重あたりの褐色脂肪細胞の割合(BAT/BW(%))を計測した。
【0021】
結果を図17〜図22に示した。図中のデータについては、平均値±標準誤差で示した。表中の記号a)は、C群(HFD,H2O)との間で有意差(p<0.05)が認められたことを意味している。
図17に示すように、MHEを投与したD3群では、摂食量がC群に比べて有意に減少した。図18に示すように、FCGr、FCGf、またはMHEを投与したD1群〜D3群では、飲水量がC群に比べて有意に減少した。また、図19に示すように、D1群〜D3群では、C群に比べて有意に体重が減少した。
これらのデータのみを見ると、摂取量及び飲水量の減少が、体重減少に結びついているように思われる。しかしながら、図1は3ヶ月間の投与実験の結果で、図17は4週間の投与実験の結果である。このため、投与4週間では摂食抑制効果が見られたが、3ヶ月の長期投与によって、そのような摂食抑制効果は消失することが分かった。また、図20及び図21に示すように、白色脂肪細胞重量は、D1群〜D3群ではC群に比べて有意に少なく、約40%〜60%の減少を示した。一方、図22に示すように、褐色脂肪細胞は、D1群とD3群では、C群に比べて有意には減少しておらず、ほぼ同量程度と考えられる。また、D2群はC群に比べて有意に褐色脂肪細胞が減少したが、その程度は25%程度であり、白色脂肪細胞に見られるほどの減少ではなかった。実施例2では、MHEには、褐色脂肪細胞と筋重量の増加によって、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという抗肥満効果を示すことが分かっている。本実施例では、試験期間が4週間と実施例2の3ヶ月(12週間)に比べて短いこと、及びパラメータ数が少ないことから考えると、本実施例の抗肥満剤についても、実施例2の結果と同様に、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという理想的な抗肥満効果を示すものと考えられた。
【0022】
<実施例4> 抗肥満剤2(FCGf)及び抗肥満剤3(MHE)の効果と、防風通聖散(BOFU)の効果の比較確認試験
4週齢オスSDラットを用いて、FCGf、MHE、及びBOFUの効果確認試験を行った。下記いずれの群についても一群当り8匹のラットを用いた。
C1群(コントロール:HFD Cont.):1週間の予備飼育後、35%ラードを含む高脂肪食(HFD)を与えた。飲料水として、水(H2O)を自由摂取させた。
E1群(HFD FCGf):1週間の予備飼育後、HFDに5%のFCGfを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
E2群(HFD MHE):1週間の予備飼育後、HFDに5%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
C2群(HFD BOFU):1週間の予備飼育語、HFDに5%のBOFUを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
【0023】
上記4群のいずれについても、4週間の飼育を行った後、一日あたり一匹あたりの食餌摂取量(Food intake (g/rat/day))、一日あたり一匹あたりの飲水量(Water intake (mL/rat/day))、体重(Body weight(g))、体重あたりの腎臓周囲白色脂肪細胞の割合(WATr/BW(%))、体重あたりの精巣周囲白色脂肪細胞の割合(WATt/BW(%))、体重あたりの褐色脂肪細胞の割合(BAT/BW(%))、体重あたりのヒラメ筋の割合(Sol.M/BW(%))、及び収縮期血圧(SBP)を計測した。
【0024】
結果を図23〜図31に示した。図中のデータについては、平均値±標準誤差で示した。表中の記号a)は、C1群(HFD Cont.)との間で有意差(p<0.05)が認められたことを意味している。
図23に示すように、MHEを投与したE2群では、第1週目〜第3週目には摂食量がC1群に比べて有意に増加したものの、第4週目にはC1群に比べて有意に減少した。また、同様にE1群及びC2群においても、第4週目にはC1群に比べて有意に減少した。
図24に示すように、FCGrを投与したE1群では、第1週目〜第3週目には摂水量がC1群に比べて有意に減少したものの、第4週目にはC1群との差違は見られなかった。
図25及び図26に示すように、E1群、E2群及びC2群では、第1週目〜第4週目の時点において、C1群に比べて有意に体重が減少した。この結果は、実施例3の結果と同様であった。
【0025】
図27及び図28に示すように、白色脂肪細胞重量は、E1群、E2群及びC2群では、C1群に比べて有意に少なく、約40%〜60%の減少を示した。一方、図29に示すように、褐色脂肪細胞は、E1群はC1群に比べて有意に減少したものの、E2群とC2群では減少しておらず、ほぼ同量程度と考えられる。但し、E1群の減少の程度は、約25%程度であり、白色脂肪細胞に見られるほどの減少ではなかった。
また、図30に示すように、ヒラメ筋重量は、E1群、E2群及びC2群のいずれも、C1群とは変化が認められなかった。これらの結果は、実施例3の結果と同様であった。
なお、図31に示すように、収縮期血圧は、E1群、E2群及びC2群のいずれも、C1群とは変化が認められなかった。このことから、本実施形態の抗肥満剤は、循環器に対して、悪影響を及ぼさない安全性の高いものであることが分かった。
こうして、本実施例の抗肥満剤についても、実施例2の結果と同様に、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという理想的な抗肥満効果を示すものと考えられた。
また特に、MHEと防風通聖散とは、抗肥満効果については、ほぼ同等のパラメータを有していることが分かった。
【0026】
<実施例5> 製剤例
次に、本実施形態の抗肥満剤を提供する際の製剤例について説明する。
錠剤として、50mgの抗肥満剤1〜3のいずれか一つと、178mgの乳糖と、30mgのコーンスターチと、30mgの結晶セルロースと、3mgのショ糖脂肪酸エステルとを良く混合し、従来周知の打錠装置(例えば、菊水製作所製LIBRA2)を用いることにより、1個が300mgのものを製造した。
顆粒剤として、300mgの抗肥満剤1〜3のいずれか一つと、216mgの乳糖と、60mgの結晶セルロースと、6mgのショ糖脂肪酸エステルとを良く混合し、従来周知の乾式造粒機(例えば、フロイント産業社製TF208)を用いることにより製造した。この顆粒剤を一包あたり600mgとして、一回分の投与顆粒剤とした。
散剤として、300mgの抗肥満剤1〜3のいずれか一つと、180mgのコーンスターチと、120mgの乳糖とを良く混合することにより製造した。この散剤を一包あたり600mgとして、一回分の投与散剤とした。
液剤として、600mgの抗肥満剤1〜3のいずれか一つと、1000mgのグリセリンと、100mgのD−ソルビトールと、500mgのクエン酸と、30mgの安息香酸ナトリウムとを良く混合し、全量が100mLになるよう精製水を加えることにより製造した。この液剤を一瓶あたり100mLとして、一回分の投与液剤とした。
【0027】
このように本実施形態によれば、3種類(レンギョウ葉、シトラス、カンゾウ、またはレンギョウ葉、シトラス、サンシシ)または4種類(レンギョウ葉、シトラス、カンゾウ、サンシシ)のエキスを含有した抗肥満剤を提供できた。これらの抗肥満剤は、レンギョウ葉と、シトラスと、カンゾウ又はサンシシのうちの少なくとも一方のエキスによって構成されているので、製造・提供が容易となる。また、本実施形態の抗肥満剤は、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという理想的な抗肥満効果を示すことが分かった。
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗肥満剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、肥満を病因の一つとする疾患(例えば、心疾患、糖尿病など)が、多くの死因に関与していると言われている。これらの疾患は、生活習慣に関連するものが多いため生活習慣病と呼ばれ、この生活習慣病に対する意識が高まっている。生活習慣病とは、食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群と定義されており、2型糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、循環器病(先天性のものを除く)、高血圧症などが知られている。また、個人に対して、複数の危険因子(耐糖能異常、高血圧症、肥満、脂質代謝異常など)が重なり、致死的な心血管疾患を発症するメタボリックシンドロームも注目されている。
日本においてもライフスタイルの欧米化に伴い、700万人以上の糖尿病患者を含め、高血圧症・高脂血症などの生活習慣病の患者数が1000万人〜2000万人にも上ると言われている。このように肥満は、深刻な社会問題の一つとなっており、肥満対策は日本のみならず世界的な課題となっている。
【0003】
一方、漢方薬は、中国では2000年以上に渡り汎用されている多成分系の薬剤である。漢方薬には、西洋薬には認め難い生体の自然治癒力を高めるという作用を有するものが多いものの、漢方薬の使用は経験に基づくものが多く、作用メカニズムが十分に明らかにされていないものがある。漢方薬について、抗肥満効果を持つものの一つに防風通聖散(ボウフウツウショウサン)がある。防風通聖散は、体の熱をさまし、病因を発散させるような働きがあり、体の水分循環を改善する作用があるので、肥満症、便秘、尿量減少、むくみ、のぼせ、肩こりなどに用いられている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−277128号公報
【特許文献2】特開2005−179316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな成分であるレンギョウ葉エキスと少数の成分を組み合わせることにより、抗肥満効果が得られるものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討の結果、新規成分であるレンギョウ葉エキスの効果を確認するために、シトラスエキス、カンゾウエキス、サンシシエキス等と組み合わせることにより、抗肥満効果を奏することを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
こうして、上記目的を達成するための発明に係る抗肥満剤は、レンギョウ葉エキスと、シトラスエキスと、カンゾウエキス及びサンシシエキスからなる群から選択される少なくとも1つのエキスとを含むことを特徴とする。
上記発明においては、カンゾウエキスとサンシシエキスとの両者を含むことが好ましい。
また、抗肥満剤が、錠剤、顆粒剤、粉末剤、液剤のうちのいずれか一つであることが好ましい。
「レンギョウ葉エキス」とは、レンギョウ葉から抽出されたものを意味する。レンギョウ葉エキスの抽出方法については、必ずしも問われないが、例えば通常の漢方生薬を得る方法を用いることができる。レンギョウ葉エキスの形態は問われず、例えば粉末、顆粒、粒状、液体などが含まれる。レンギョウとは、中国原産のモクセイ科落葉低木(高さは約2メートル程度)である。古くから観賞用に栽培されており、枝は長く伸びて先端はやや垂れる。果実は、漢方生薬の連翹として用いられ、消炎・利尿・排膿・解毒などの効果がある。レンギョウ葉とは、レンギョウの葉を意味する。本発明では、漢方に用いられるレンギョウ果実ではなく、レンギョウ葉を用いる。
【0007】
「シトラスエキス」とは、シトラスから抽出されたものを意味する。シトラスエキスの抽出方法については、必ずしも問われないが、例えば通常の漢方生薬を得る方法を用いることができる。シトラスエキスの形態は問われず、例えば粉末、顆粒、粒状、液体などが含まれる。シトラスとは、かんきつ類を意味し、ミカン類の常緑樹、特に果樹・果実の総称のことを言う。分類学上は、ミカン属・キンカン属・カラタチ属に分けられる。
「カンゾウエキス」とは、カンゾウから抽出されたものを意味する。カンゾウエキスの抽出方法については、必ずしも問われないが、例えば通常の漢方生薬を得る方法を用いることができる。カンゾウエキスの形態は問われず、例えば粉末、顆粒、粒状、液体などが含まれる。カンゾウとは、甘草を意味し、中国北部に自生するマメ科の多年草である。高さ約1メートルで全体粘質であり、羽状複葉をもち、根は赤褐色で甘根・甘草と呼び、特殊の甘味をもつ。漢方生薬として鎮痛・鎮咳剤に使用される。
【0008】
「サンシシエキス」とは、クチナシから抽出されたものを意味する。サンシシエキスの抽出方法については、必ずしも問われないが、例えば通常の漢方生薬を得る方法を用いることができる。サンシシエキスの形態は問われず、例えば粉末、顆粒、粒状、液体などが含まれる。クチナシとは、梔子・巵子・山梔子などとも記載されるアカネ科の常緑低木(高さ1〜3メートル)である。葉は対生し革質で光沢があり、夏、白色の六弁花を開き、芳香が強い。果実は熟すと紅黄色となり、これから採った黄色色素は古くから染料として使用され、乾燥した果実は漢方生薬の山梔子(さんしし)として用いられ、鎮静・止血・消炎・利尿・解熱などの効果がある。
なお、本抗肥満剤については、各エキスをそれぞれ得た後に混合することもできるし、各成分を混合した後にエキスを得ることもできる。また、各エキスを錠剤等の形状とし、個別に形成したものを一時に摂取可能としたものも含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、3種類または4種類のエキスを含有した抗肥満剤が提供される。この抗肥満剤は、全て食品としても扱うことができるので、医薬品としてだけでなく、健康食品等としても提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】3ヶ月のMHE摂取による摂取量への影響を調べたグラフである。グラフの左より、C1群(陰性コントロール:ND H2O)、A1群(ND MHE0.2%)、A2群(ND MHE1%)、A3群(ND MHE5%)、C2群(陽性コントロール:HFD H2O)、B1群(HFD MHE0.2%)、B2群(HFD MHE1%)、及びB3群(HFD MHE5%)のデータを示す(図2〜図16においても同じ)。
【図2】3ヶ月のMHE摂取による体重への影響を調べたグラフである。
【図3】3ヶ月のMHE摂取による腎臓周囲の白色脂肪細胞(WATr)重量への影響を調べたグラフである。
【図4】3ヶ月のMHE摂取による精巣周囲の白色脂肪細胞(WATt)重量への影響を調べたグラフである。
【図5】3ヶ月のMHE摂取による褐色脂肪細胞(BAT)重量への影響を調べたグラフである。
【図6】3ヶ月のMHE摂取によるヒラメ筋(Sol.M.)重量への影響を調べたグラフである。
【図7】3ヶ月のMHE摂取による血中GOT値への影響を調べたグラフである。
【図8】3ヶ月のMHE摂取による血中GPT値への影響を調べたグラフである。
【図9】3ヶ月のMHE摂取による血中総コレステロール値への影響を調べたグラフである。
【図10】3ヶ月のMHE摂取による血中中性脂肪値への影響を調べたグラフである。
【図11】3ヶ月のMHE摂取による血中遊離脂肪酸値への影響を調べたグラフである。
【図12】3ヶ月のMHE摂取による血中LDLコレステロール値への影響を調べたグラフである。
【図13】3ヶ月のMHE摂取による血中HDLコレステロール値への影響を調べたグラフである。
【図14】3ヶ月のMHE摂取による血中グルコース値への影響を調べたグラフである。
【図15】3ヶ月のMHE摂取による血中インスリン値への影響を調べたグラフである。
【図16】3ヶ月のMHE摂取による血中アディポネクチン値への影響を調べたグラフである。
【図17】4週間の抗肥満剤摂取による摂取量への影響を調べたグラフである。グラフの左側はC群(陽性コントロール:HFD H2O)、右側はD3群(HFD MHE5%)のデータを示す。
【図18】4週間の抗肥満剤摂取による飲水量への影響を調べたグラフである。グラフの左より、C群(陽性コントロール:HFD H2O)、D1群(HFD FCGr5%)、D2群(HFD FCGf5%)、及びD3群(HFD MHE5%)のデータを示す(図19〜図22においても同じ)。
【図19】4週間の抗肥満剤摂取による体重への影響を調べたグラフである。
【図20】4週間の抗肥満剤摂取による腎臓周囲の白色脂肪細胞(WATr)重量への影響を調べたグラフである。
【図21】4週間の抗肥満剤摂取による精巣周囲の白色脂肪細胞(WATt)重量への影響を調べたグラフである。
【図22】4週間の抗肥満剤摂取による褐色脂肪細胞(BAT)重量への影響を調べたグラフである。
【図23】4週間の抗肥満剤摂取による摂取量への影響を継時的に調べたグラフである。グラフ中、「HFD Cont.」はC1群(コントロール)、「HFDFCGf」はE1群、「HFD MHE」はE2群、「HFD BOFU」はC2群のデータをそれぞれ示す(図24〜図31においても同じ)。なお、各群の詳細については、<実施例4>に記載した。
【図24】4週間の抗肥満剤摂取による摂水量への影響を継時的に調べたグラフである。
【図25】4週間の抗肥満剤摂取による体重への影響を継時的に調べたグラフである。
【図26】4週間の抗肥満剤摂取による体重への影響を調べたグラフである。
【図27】4週間の抗肥満剤摂取による腎臓周囲の白色脂肪細胞(WATr)重量への影響を調べたグラフである。
【図28】4週間の抗肥満剤摂取による精巣周囲の白色脂肪細胞(WATt)重量への影響を調べたグラフである。
【図29】4週間の抗肥満剤摂取による褐色脂肪細胞(BAT)重量への影響を調べたグラフである。
【図30】4週間の抗肥満剤摂取によるヒラメ筋(Sol.M.)重量への影響を調べたグラフである。
【図31】4週間の抗肥満剤摂取による収縮期血圧(SBP)への影響を調べたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
【0012】
<実施例1> 抗肥満剤の調製
抗肥満剤の調製には、(A)レンギョウ葉エキス(タマ生化学株式会社製レンギョウ葉エキス)、(B)シトラスエキス(アルプス薬品工業株式会社製シトラスアウランティウム抽出物)、(C)カンゾウエキス(三國株式会社製カンゾウ水製エキス)、及び(D)サンシシエキス(アルプス薬品工業株式会社製サンシシ乾燥エキス)を用いた。上記(A)〜(D)のエキスは、全て粉末剤であった。抗肥満剤として、下記3種類のものを調製した。
抗肥満剤1として、質量比が(A):(B):(C)=3:3:5のものを調製した。
抗肥満剤2として、質量比が(A):(B):(D)=1:1:1のものを調製した。
抗肥満剤3として、質量比が(A):(B):(C):(D)=3:3:5:3のものを調製した。
本明細書中において、抗肥満剤1を「FCGr」と、抗肥満剤2を「FCGf」と、抗肥満剤3を「MHE」と記載することがある。
【0013】
<実施例2> 抗肥満剤3(MHE)の効果確認試験
4週齢オスSDラットを下記8群に分けて、MHEの効果確認試験を行った。
C1群(陰性コントロール:ND H2O):1週間の予備飼育後、5%ラードを含む通常食(ND)を自由摂取させた。飲料水として、水(H2O)を自由摂取させた。
C2群(陽性コントロール:HFD H2O):1週間の予備飼育後、35%ラードを含む高脂肪食(HFD)を自由摂取させた。飲料水として、水(H2O)を自由摂取させた。
A1群(ND MHE0.2%):1週間の予備飼育後、NDに0.2%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
A2群(ND MHE1%):1週間の予備飼育後、NDに1%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
A3群(ND MHE5%):1週間の予備飼育後、NDに5%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
B1群(HFD MHE0.2%):1週間の予備飼育後、HFDに0.2%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
B2群(HFD MHE1%):1週間の予備飼育後、HFDに1%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
B3群(HFD MHE5%):1週間の予備飼育後、HFDに5%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
上記C1群、A1群〜A3群については一群当り4匹のラットを、C2群、B1群〜B3群については一群当り6匹のラットをそれぞれ用いた。
【0014】
上記8群のいずれについても、3ヶ月間の飼育を行った後、一日あたり体重あたりの食餌摂取量(Food Intake mean(g/BW/day))、体重量(Body Weight(g))、体重あたりの腎臓周囲白色脂肪細胞の割合(WATr/BW(%))、体重あたりの精巣周囲白色脂肪細胞の割合(WATt/BW(%))、体重あたりの褐色脂肪細胞の割合(BAT/BW(%))、及び体重あたりのヒラメ筋の割合(Sol.M./BW(%))を計測した。
また、血中マーカーとして、血中GOT値(Serum GOT Levels(IU/L))、血中GPT値(Serum GPT Levels(IU/L))、総コレステロール値(Serum T-CHO Levels(mg/dL))、中性脂肪値(Serum TG Levels(mg/dL))、遊離脂肪酸(Serum FFA Levels(uEq/L))、低密度リポタンパク質コレステロール(Serum LDL-C Levels(mg/dL))、高密度リポタンパク質コレステロール(Serum HDL-C Levels(mg/dL))、グルコース(Serum Glucose Levels(mg/dL))、インスリン(Serum Insulin Levels(gm/mL))、及びアディポネクチン(Serum Adiponectin Levels(ng/mL))を測定した。
【0015】
結果を図1〜図16に示した。図中のデータについては、平均値±標準誤差で示した。表中の記号a)〜c)は、C1群(ND,H2O)またはC2群(HFD,H2O)との間で有意差(p<0.05)が認められたことを意味している。
図2に示すように、MHEを投与することにより、C1群及びC2群に比べると体重が減少することが示唆され、特にB3群では有意な体重減少が認められた。図3及び図4に示すように、WATr及びWATtは、MHEを投与することにより、C1群及びC2群に比べると減少することが分かった。図5に示すように、BATは、MHEを投与することにより、増加することが分かった。また、図6に示すように、MHEの投与によって、ヒラメ筋の重量は影響がないか、増加傾向があることが分かった。
【0016】
脂肪細胞は、細胞質内に脂肪滴を有する細胞であり、単胞性脂肪細胞(白色脂肪細胞:WATr、WATt)と多胞性脂肪細胞(褐色脂肪細胞:BAT)とに分類される。白色脂肪細胞は、大型の脂肪滴が存在し、核や細胞小器官は辺縁に圧迫されている貯蔵型の細胞であり、肥満を解消するためには減少することが好ましい。一方、褐色脂肪細胞は、小型あるいは中型の脂肪滴が多数存在し、細胞小器官が発達している代謝型の細胞であり、溜め込んだ脂肪を燃やしエネルギーに変える働きをする。このため、褐色脂肪細胞が増加すると、代謝系は肥満を解消する方向に向かう。
MHEは、白色脂肪細胞を減少させ、褐色脂肪細胞を増加させることから、肥満に対して非常に有効な効果があることが分かった。また、このときヒラメ筋の重量には影響がないか、増加傾向があることから、筋重量を減少させて代謝量を減少させるという悪影響は認められなかった。特に、B3群では、C2群に対して、有意な増加が認められたことから、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという非常に理想的な抗肥満効果を示した。
【0017】
図7及び図8に示すように、MHEを投与することにより、血中GOT及びGPTは、減少することが分かった。特に、A2,A3,B2,B3群については、C1,C2群との間で有意に減少することが分かった。幾つかの抗肥満剤については、肝障害によって血中GOT及びGPTが増加することが知られている。MHEでは、そのような障害は認められず、かえって肝保護機能があることが分かった。
図9〜図13に示すように、血中脂肪を示すパラメータ(T-CHO、TG、FFA、LDL-C、HDL-C)については、MHEを投与することにより、いずれも抗肥満に有効な変化(すなわち、T-CHO、TG、FFA、LDL-Cでは減少させ、HDL-Cでは増加させる)を示すことが分かった。いくつかの投与群については、C1群,C2群との間で有意に減少または増加した。
【0018】
図14〜図16に示すように、MHEは、血中グルコース値に対しては、影響を与えないか、やや減少させることが分かった。また、B1群〜B3群では、血中インスリン値はC2群に対して有意に減少し、血中アディポネクチン値はC2群に対して有意に増加した。これらのことからMHEは、通常食の場合には血中グルコース値及びインスリン濃度には大きな影響を与えず、高脂肪食によって血中グルコース値が増大したとしても、少量のインスリンで効果的に反応するような体質(インスリン抵抗性の減少)に変化させることが分かった。
【0019】
<実施例3> 抗肥満剤1(FCGr)、抗肥満剤2(FCGf)、及び抗肥満剤3(MHE)の効果確認試験
4週齢オスSDラットを用いて、FCGr、FCGf、及びMHEの効果確認試験を行った。下記いずれの群についても一群当り4匹のラットを用いた。
C群(陽性コントロール:HFD H2O):1週間の予備飼育後、35%ラードを含む高脂肪食(HFD)を与えた。飲料水として、水(H2O)を自由摂取させた。
D1群(HFD FCGr5%):1週間の予備飼育後、HFDに5%のFCGrを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
D2群(HFD FCGf5%):1週間の予備飼育後、HFDに5%のFCGfを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
D3群(HFD MHE5%):1週間の予備飼育後、HFDに5%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
【0020】
上記4群のいずれについても、4週間の飼育を行った後、一日あたり一匹あたりの食餌摂取量(Food Intake mean(g/rat/d))、一日あたり一匹あたりの飲水量(Water Intake mean(mL/rat/d))、体重量(Body Weight(g))、体重あたりの腎臓周囲白色脂肪細胞の割合(WATr/BW(%))、体重あたりの精巣周囲白色脂肪細胞の割合(WATt/BW(%))、及び体重あたりの褐色脂肪細胞の割合(BAT/BW(%))を計測した。
【0021】
結果を図17〜図22に示した。図中のデータについては、平均値±標準誤差で示した。表中の記号a)は、C群(HFD,H2O)との間で有意差(p<0.05)が認められたことを意味している。
図17に示すように、MHEを投与したD3群では、摂食量がC群に比べて有意に減少した。図18に示すように、FCGr、FCGf、またはMHEを投与したD1群〜D3群では、飲水量がC群に比べて有意に減少した。また、図19に示すように、D1群〜D3群では、C群に比べて有意に体重が減少した。
これらのデータのみを見ると、摂取量及び飲水量の減少が、体重減少に結びついているように思われる。しかしながら、図1は3ヶ月間の投与実験の結果で、図17は4週間の投与実験の結果である。このため、投与4週間では摂食抑制効果が見られたが、3ヶ月の長期投与によって、そのような摂食抑制効果は消失することが分かった。また、図20及び図21に示すように、白色脂肪細胞重量は、D1群〜D3群ではC群に比べて有意に少なく、約40%〜60%の減少を示した。一方、図22に示すように、褐色脂肪細胞は、D1群とD3群では、C群に比べて有意には減少しておらず、ほぼ同量程度と考えられる。また、D2群はC群に比べて有意に褐色脂肪細胞が減少したが、その程度は25%程度であり、白色脂肪細胞に見られるほどの減少ではなかった。実施例2では、MHEには、褐色脂肪細胞と筋重量の増加によって、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという抗肥満効果を示すことが分かっている。本実施例では、試験期間が4週間と実施例2の3ヶ月(12週間)に比べて短いこと、及びパラメータ数が少ないことから考えると、本実施例の抗肥満剤についても、実施例2の結果と同様に、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという理想的な抗肥満効果を示すものと考えられた。
【0022】
<実施例4> 抗肥満剤2(FCGf)及び抗肥満剤3(MHE)の効果と、防風通聖散(BOFU)の効果の比較確認試験
4週齢オスSDラットを用いて、FCGf、MHE、及びBOFUの効果確認試験を行った。下記いずれの群についても一群当り8匹のラットを用いた。
C1群(コントロール:HFD Cont.):1週間の予備飼育後、35%ラードを含む高脂肪食(HFD)を与えた。飲料水として、水(H2O)を自由摂取させた。
E1群(HFD FCGf):1週間の予備飼育後、HFDに5%のFCGfを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
E2群(HFD MHE):1週間の予備飼育後、HFDに5%のMHEを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
C2群(HFD BOFU):1週間の予備飼育語、HFDに5%のBOFUを含有したものを自由摂取させた。飲料水として、水を自由摂取させた。
【0023】
上記4群のいずれについても、4週間の飼育を行った後、一日あたり一匹あたりの食餌摂取量(Food intake (g/rat/day))、一日あたり一匹あたりの飲水量(Water intake (mL/rat/day))、体重(Body weight(g))、体重あたりの腎臓周囲白色脂肪細胞の割合(WATr/BW(%))、体重あたりの精巣周囲白色脂肪細胞の割合(WATt/BW(%))、体重あたりの褐色脂肪細胞の割合(BAT/BW(%))、体重あたりのヒラメ筋の割合(Sol.M/BW(%))、及び収縮期血圧(SBP)を計測した。
【0024】
結果を図23〜図31に示した。図中のデータについては、平均値±標準誤差で示した。表中の記号a)は、C1群(HFD Cont.)との間で有意差(p<0.05)が認められたことを意味している。
図23に示すように、MHEを投与したE2群では、第1週目〜第3週目には摂食量がC1群に比べて有意に増加したものの、第4週目にはC1群に比べて有意に減少した。また、同様にE1群及びC2群においても、第4週目にはC1群に比べて有意に減少した。
図24に示すように、FCGrを投与したE1群では、第1週目〜第3週目には摂水量がC1群に比べて有意に減少したものの、第4週目にはC1群との差違は見られなかった。
図25及び図26に示すように、E1群、E2群及びC2群では、第1週目〜第4週目の時点において、C1群に比べて有意に体重が減少した。この結果は、実施例3の結果と同様であった。
【0025】
図27及び図28に示すように、白色脂肪細胞重量は、E1群、E2群及びC2群では、C1群に比べて有意に少なく、約40%〜60%の減少を示した。一方、図29に示すように、褐色脂肪細胞は、E1群はC1群に比べて有意に減少したものの、E2群とC2群では減少しておらず、ほぼ同量程度と考えられる。但し、E1群の減少の程度は、約25%程度であり、白色脂肪細胞に見られるほどの減少ではなかった。
また、図30に示すように、ヒラメ筋重量は、E1群、E2群及びC2群のいずれも、C1群とは変化が認められなかった。これらの結果は、実施例3の結果と同様であった。
なお、図31に示すように、収縮期血圧は、E1群、E2群及びC2群のいずれも、C1群とは変化が認められなかった。このことから、本実施形態の抗肥満剤は、循環器に対して、悪影響を及ぼさない安全性の高いものであることが分かった。
こうして、本実施例の抗肥満剤についても、実施例2の結果と同様に、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという理想的な抗肥満効果を示すものと考えられた。
また特に、MHEと防風通聖散とは、抗肥満効果については、ほぼ同等のパラメータを有していることが分かった。
【0026】
<実施例5> 製剤例
次に、本実施形態の抗肥満剤を提供する際の製剤例について説明する。
錠剤として、50mgの抗肥満剤1〜3のいずれか一つと、178mgの乳糖と、30mgのコーンスターチと、30mgの結晶セルロースと、3mgのショ糖脂肪酸エステルとを良く混合し、従来周知の打錠装置(例えば、菊水製作所製LIBRA2)を用いることにより、1個が300mgのものを製造した。
顆粒剤として、300mgの抗肥満剤1〜3のいずれか一つと、216mgの乳糖と、60mgの結晶セルロースと、6mgのショ糖脂肪酸エステルとを良く混合し、従来周知の乾式造粒機(例えば、フロイント産業社製TF208)を用いることにより製造した。この顆粒剤を一包あたり600mgとして、一回分の投与顆粒剤とした。
散剤として、300mgの抗肥満剤1〜3のいずれか一つと、180mgのコーンスターチと、120mgの乳糖とを良く混合することにより製造した。この散剤を一包あたり600mgとして、一回分の投与散剤とした。
液剤として、600mgの抗肥満剤1〜3のいずれか一つと、1000mgのグリセリンと、100mgのD−ソルビトールと、500mgのクエン酸と、30mgの安息香酸ナトリウムとを良く混合し、全量が100mLになるよう精製水を加えることにより製造した。この液剤を一瓶あたり100mLとして、一回分の投与液剤とした。
【0027】
このように本実施形態によれば、3種類(レンギョウ葉、シトラス、カンゾウ、またはレンギョウ葉、シトラス、サンシシ)または4種類(レンギョウ葉、シトラス、カンゾウ、サンシシ)のエキスを含有した抗肥満剤を提供できた。これらの抗肥満剤は、レンギョウ葉と、シトラスと、カンゾウ又はサンシシのうちの少なくとも一方のエキスによって構成されているので、製造・提供が容易となる。また、本実施形態の抗肥満剤は、褐色脂肪細胞と筋重量を増加させることにより、基礎代謝量を増加させ、白色脂肪細胞を減少させるという理想的な抗肥満効果を示すことが分かった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンギョウ葉エキスと、シトラスエキスと、カンゾウエキス及びサンシシエキスからなる群から選択される少なくとも1つのエキスとを含むことを特徴とする抗肥満剤。
【請求項2】
カンゾウエキスとサンシシエキスとの両者を含むことを特徴とする請求項1に記載の抗肥満剤。
【請求項3】
前記抗肥満剤が、錠剤、顆粒剤、粉末剤、液剤のうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1または2に記載の抗肥満剤。
【請求項1】
レンギョウ葉エキスと、シトラスエキスと、カンゾウエキス及びサンシシエキスからなる群から選択される少なくとも1つのエキスとを含むことを特徴とする抗肥満剤。
【請求項2】
カンゾウエキスとサンシシエキスとの両者を含むことを特徴とする請求項1に記載の抗肥満剤。
【請求項3】
前記抗肥満剤が、錠剤、顆粒剤、粉末剤、液剤のうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1または2に記載の抗肥満剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2009−292805(P2009−292805A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27902(P2009−27902)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年11月27日−12月1日 日本酸化ストレス学会主催の「機能性食品と健康増進作用に関する国際会議(International Conference on Food Factors for Health Promotion)−ICoFF2007−」に文書をもって発表
【出願人】(594054900)アスゲン製薬株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年11月27日−12月1日 日本酸化ストレス学会主催の「機能性食品と健康増進作用に関する国際会議(International Conference on Food Factors for Health Promotion)−ICoFF2007−」に文書をもって発表
【出願人】(594054900)アスゲン製薬株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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