説明

抗腫瘍薬の形態でのスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンレダクターゼ擬似物の使用

本発明は、抗癌剤の形態でのスーパーオキシドジスムターゼ擬似物およびグルタチオンレダクターゼの使用に関する。上記の擬似物は、特に、腫瘍細胞に対して活性酸素形を発生する抗腫瘍剤の作用を強化しかつこの作用から非腫瘍細胞を保護することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍増殖を阻害しかつ腫瘍細胞への抗腫瘍治療の効果を高め同時に正常細胞へのその毒性効果を阻害するためのスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の化学擬似物(chemical mimetics)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
「活性酸素種」(reactive oxygen species:ROS)の用語は、スーパーオキシドアニオン(O2・-)、過酸化水素(H2O2)又はヒドロキシラジカル(OH・)のような一連の還元酸素誘導体を含む。これらの誘導体は、通常、細胞代謝により、特にミトコンドリア内で分子酸素のH2Oへの還元中に発生する。これらはまた、ある状況下で、例えば電離放射線又は紫外線への曝露の間、あるいはある化学物質への曝露の間に大量に産生される。
【0003】
活性酸素種は非常に毒性が高いので、細胞は種々の手段によりそれらを中和する。これらの解毒手段のうち、特に「抗酸化」酵素があり、そのような酵素としては、スーパーオキシドアニオンの過酸化水素 + O2への相互変換(dismutation)を触媒するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD;EC 1.15.1.1)、及び続いて過酸化水素の解毒に関与する酵素、例えば過酸化水素の相互変換(2 H2O2→O2 + 2 H2O)を触媒するカタラーゼ(EC 1.11.1.6)、還元グルタチオン(GSH)による過酸化水素の還元を触媒し、酸化グルタチオン(GSSG)及び水を産生する(2 GSH + H2O2→GSSG + 2 H2O)グルタチオンペルオキシダーゼ(EC 1.11.1.9)、並びにGSSG + NADPH + H+→2 GSH + NADP+の反応に従ってGSHを再生するグルタチオンレダクターゼ (EC 1.8.1.7)が挙げられる。
【0004】
活性酸素種の産生が細胞の解毒化能力を超えるとき、これらの誘導体の毒性作用が現れ、細胞構成物、例えばタンパク質、膜脂質又はDNAにかなりの損傷を誘導し得る。このようにして発生する酸化ストレスは、種々の疾患、特に炎症性及び自己免疫の病理並びに癌の出現及び進行において主要な役割を演じる。
【0005】
現在、活性酸素種が多くの癌の病因に関係することが一般に受け入れられている。しかし、それらの作用は複雑な機構を含むようであり、それらが明らかにされるには程遠い。
【0006】
致死量下では、ROSが癌の出現を、例えばコーディング領域又は調節領域に突然変異を引き起こすことにより、又は細胞増殖若しくは分化の調節に関係する遺伝子の発現又はアポトーシスを阻害又は逆に刺激することにより促進することができる。よって、種々の癌の治療又は予防の処置の関係において抗酸化剤を使用することが提案されている。例えば、抗酸化剤、特にビタミンEを補充した食餌が、癌の予防の目的で推奨されている。
【0007】
高濃度では、ROSは細胞死を、特に脂肪及びタンパク質の過酸化反応を引き起こして直接的に誘導することができ、これによりミトコンドリアの脱分極を促進し、アポトーシスのエフェクター相を加速することができる。ROSによるアポトーシスのこの活性化は、腫瘍細胞を破壊する手段を構成する。
【0008】
例えば、放射線治療の処置は、腫瘍細胞内のROSの過剰産生の誘導に本質的に基づいている。同様に、癌の化学療法に用いられる多くの分子が細胞内でのROSの過剰産生を誘導し、このことは少なくとも一部分において、これらの分子の抗腫瘍効果の原因である。
【0009】
ROS産生を誘導できる抗癌分子は、種々の治療のクラスに属することができる。特に、
インターコレーティング剤(intercollating agent)、例えば、複製を阻害しDNA損傷を誘導するドキソルビシンのようなアントラサイクリン;DNA破壊を誘導するエトポシドのようなトポイソメラーゼ-2阻害剤;5-フルオロウラシルのような代謝拮抗剤;マイトマイシンC及び白金誘導体[シスプラチン(YOKOMIZOら, Cancer Res, 55: 4293〜4296 1995)及びオキサリプラチン]のような求電子剤;タキサンのような紡錘体阻害剤;並びにタモキシフェンのようなアンチホルモンレセプター(FERLINIら, Br J Cancer, 79, 257〜263, 1999)が挙げられる。
【0010】
しかし、これらの抗癌分子の使用は、これらの分子の作用が正常細胞の死をも導きかつ時として回復不能の病変を引き起こし、有害な予後(consequence)をもたらすことが主な制限の一つとなっている。
【0011】
ほとんどの抗癌分子は、迅速に分裂する細胞を優先的に破壊する。よって、正常細胞に対するそれらの毒性は、腫瘍細胞に対するものよりも一般的に小さい。しかし、ある組織では、分裂速度が非常に速い細胞が存在し、よってこれらは抗癌剤の毒性作用に特に感受性である。これらは特に骨髄の分化している造血細胞である。骨髄毒性(myelotoxicity)は、化学療法に関係する毒性において最も一般的でありかつ多くの抗腫瘍処置と関係する。これは、白血球と血小板とに本質的に影響し、特に白血球減少に反映され、これは処置された患者の感染の危険性を増大させる。
【0012】
ある抗癌分子は、ある組織又は器官をより特異的に標的する細胞毒性をも示す。例として、ドキソルビシンのようなアントラサイクリンは、ROSの産生をもたらすであろう心臓毒性作用を有し、筋小胞体及びミトコンドリアの脂質構造の過酸化及びこれらのオルガネラの機能不全に導く。また、ブレオマイシンは強い肺毒性を有し、ROSの産生をもたらし、回復不能な間質性肺線維症をもたらし得る。
【0013】
抗癌処置の副作用を低減させるための種々のストラテジが提案されている。
より具体的にある種類の細胞に関する細胞毒性の場合、細胞保護剤(cytoprotective agent)、特にROSを中和可能な剤、例えばN-アセチルシステイン(DOROSHOWら, J. Clin. Invest., 68, 1053〜1064, 1981)又はより最近ではSOD若しくはこの酵素の擬似物を用いることが提案されている。例えば、PCT出願WO 97/49390は、ジピリドキサル由来のマンガンキレートであるMnDPDPをアントラサイクリンの心臓毒性作用を妨げるために用いることを提案している。PCT出願WO 02/060383は、ポルフィリン由来の2種のマンガンキレートであるMnTBAP及びMnTM-4-PyPの、肺の上皮細胞を放射線治療及びブレオマイシンの毒性作用から保護する能力を報告している。この出願は、これらの誘導体が、肺の腺癌細胞の増殖を正常な上皮及び内皮細胞に影響することなく選択的に阻害し得ることも報告している。
【0014】
造血細胞に対する抗癌分子の細胞毒性作用の予後を減らすために、白血球減少の期間及びその後に起こる感染の危険性を減少させるために造血増殖因子が通常用いられている。細胞保護剤の使用は、造血細胞の早い分裂速度のために、これらの剤の選択性の欠如の危険性により制限される。現在、白血球減少を減らすのに用いられている細胞保護剤はアミフォスチンのみである。これはチオール基含有抗酸化剤のリン酸化された前駆体であり、その選択性は非腫瘍細胞へのその選択的な浸透に起因し、ここで活性分子が放出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者らは、種々の腫瘍細胞系統の増殖並びにこれらの腫瘍細胞及び正常ヒト白血球の生存力に対して、種々のレベルでROS産生を中和する能力が知られている種々の分子の影響を試験することに着手した。本発明者らは続いて、同様の様式で、ROS産生を誘導することが知られている抗腫瘍化学療法剤の細胞増殖抑制性及び細胞毒性の性質に対するこ
れらの分子の影響を試験した。
【0016】
試験した抗酸化分子は、次のとおりである。
- N-アセチルシステイン(NAC):これはフリーラジカルスカベンジャーであり細胞内グルタチオンの前駆体である抗酸化剤である。
- CuDIPS (Cu[II]-[ジイソプロピルサリチラート]):これはCuZn SODの化学擬似物である(MC KENZIEら, Br. J. Pharmacol. 127, 1159〜1164, 1999)。
- MnTBAP (Mn(III)テトラキス(5,10,15,20-安息香酸)ポルフィリン):これはMnSODの化学擬似物であり(PASTERNACKら, Inorg. Biochem., 15, 261〜267 1981)、カタラーゼ及びグルタチオンペルオキシダーゼでもある(PCT出願WO 01/12327)。
- MnDPDP (マンガンジピリドキシルホスフェート(Mn-DPDP)、マンガホジピル (INN)ともよばれる):これはMnSOD、カタラーゼ及びグルタチオンレダクターゼの化学擬似物である(PCT出願WO 02/087579)。
【0017】
本発明者らは、NACでの処置が、腫瘍細胞増殖の増加を誘導するが、MnTBAP、CuDIPS又はMnDPDPでの処置はこの増殖の減少を誘導することを観察した。細胞生存力については、NACは、腫瘍細胞又は正常ヒト白血球のいずれについても何の影響も有さなかった。MnTBAP又はCuDIPSは腫瘍細胞生存力を減少させ、また、より少ない程度ではあるが、正常ヒト白血球の生存力も減少させた。一方、MnDPDPは腫瘍細胞の生存力を減少させるが、驚くべきことに、正常ヒト白血球の生存力には影響しない。
【0018】
これらの抗酸化分子と抗腫瘍剤との組合わせの場合、本発明者らは、NACは腫瘍細胞に対するこれらの剤の細胞増殖抑制性及び細胞毒性の作用を阻害するが、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPはこれらを増加させることを観察した。
正常白血球についての抗腫瘍剤の細胞毒性に対するNAC、MnTBAP及びCuDIPSの効果は、腫瘍細胞に対して観察されたものと同様である。一方、MnDPDPは、正常ヒト白血球に対する抗腫瘍剤の細胞毒性を、腫瘍細胞の場合に観察された効果とは逆に、減少させる。
【0019】
よって、MnDPDPが、腫瘍細胞において化学誘導酸化ストレスを誘導又は増強し、同時に正常白血球の生存力を保存できることが明らかになった。
【0020】
本発明者らは、マウスのインビボでの腫瘍の進行に対する、それら自身で又は抗腫瘍化学療法剤との組み合わせで投与されたNAC、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPの作用についても試験した。
【0021】
本発明者らは、NACの投与が腫瘍容積の増加を誘導するが、一方、MnTBAP、CuDIPS又はMnDPDPの投与は腫瘍容積を減少させることを観察した。抗腫瘍剤との組み合わせでは、NACは腫瘍増殖に対するこの剤の阻害効果をブロックするが、MnTBAP、CuDIPS又はMnDPDPはこの阻害効果を増大させる。
【0022】
他の抗酸化剤、特に試験した他のSOD擬似物の性質と比較したマンガホジピルのこれらの希な性質は、そのスーパーオキシドジスムターゼ擬似物及びグルタチオンレダクターゼ擬似物の二重の活性と関係するようである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の主題は、抗癌医薬品を得るための、抗腫瘍及び白血球保護活性成分としてのスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンレダクターゼ擬似物の使用である。
【0024】
本発明に従って用い得るグルタチオンレダクターゼ擬似活性をも有するSOD擬似物は、特に、ジピリドキサルホスフェート誘導体、例えば特許EP 0936615号に記載されるもの、
その二価カチオンキレートの形態のもの、例えば銅キレート、亜鉛キレート又は有利にはマンガンキレートである。
より一般的には、SOD擬似活性を有しかつ酸化されたグルタチオンを還元することによりグルタチオンレダクターゼを模倣することもできるいずれの分子も用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の好ましい実施形態によると、上記のスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンレダクターゼ擬似物はマンガホジピル (MnDPDP)である。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によると、上記のスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンレダクターゼ擬似物は、別の抗腫瘍剤、好ましくは細胞内でROS産生を誘導し得る抗腫瘍剤との組み合わせで用いられる。
【0027】
本発明の関係において用い得る細胞内でROS産生を誘導し得る抗腫瘍剤の例としては、特に、上記の抗腫瘍剤(ドキソルビシン、マイトマイシンC、エトポシド、白金誘導体、タモキシフェン、タキサン、5-フルオロウラシル)に加えて、次の分子:イリノテカン(トポイソメラーゼ-1阻害剤)、ゲムシタビン(代謝拮抗剤)、エンドキサン(求電子アルキル化剤)、ストレプトゾトシン(求電子非アルキル化剤)、ブレオマイシン(DNA-開裂剤)及びビンクリスチン(紡錘体阻害剤)が挙げられる。
【0028】
腫瘍細胞に対する細胞毒性及び細胞増殖抑制性の効果が同時に起こる性質、並びに正常白血球に対する保護効果のために、スーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンレダクターゼ擬似物は、それと組み合わせる抗癌医薬品の治療係数を大きく増加させることができる。実際に、これらの抗癌医薬品と一緒に該擬似物は、相乗的な抗腫瘍作用を及ぼしながら同時に化学療法の有害な作用から白血球を保護する。
【0029】
本発明の主題は、上記で規定するその他の抗腫瘍剤と組み合わせてマンガホジピルを含む医薬組成物でもある。
【0030】
本発明の実施のために、マンガホジピルは、1〜100 mg/kg/日の有効成分の用量で投与剤形中に通常用いられる。しかし、この物質の低い毒性として、より高い用量を用いることもできる。各患者及び問題の病理の詳細に応じて当業者がこれらの用量を調節できることが明らかに理解される。
【0031】
これらの剤形は、種々の経路から、例えば経口的に、又は注入により、特に皮下、筋肉内若しくは静脈内の注入により投与され得る。物質の有効性、バイオアベイラビリティー又は許容性を増大させるのであれば他の投与経路も考えられる。最も適切な経路は、用いられる剤形によって当業者により選択され得る。
【0032】
本発明は、マンガホジピルの抗腫瘍特性及び正常白血球に対するその細胞保護作用を示す限定しない実施例に言及する以下に続くさらなる記載により、さらに明確に理解される。
【実施例】
【0033】
実施例1:腫瘍細胞の基礎的な増殖特性に対する種々の抗酸化分子の影響
インビトロ細胞増殖アッセイを、次の細胞系統:CT26 (マウス結腸癌腫、ATCC (アメリカンタイプカルチャーコレクション) No. 2638)、Hepa 1-6 (マウス肝臓ヘパトーム、ATCC No. 1830)、A549 (ヒト肺癌腫、ATCC No. 185)について行なった。これらの系統を、ダルベッコ改変イーグル培地(10%胎児ウシ血清及び抗生物質[ペニシリン(100 U/ml)/ストレ
プトマイシン(100μg/ml)]含有DMEM/Glutamax I (LIFE TECHNOLOGIES, Cergy Pontoise, France))中で、37℃で5% CO2下に湿式インキュベータ中で予め培養した。これらの全ての細胞系統を、いずれのマイコプラズマ感染をなくすために、定期的に試験した。
【0034】
増殖アッセイのために、細胞(2×104細胞/ウェル)を96ウェルプレート(COSTAR, Corning Inc. NY, USA)に播種し、0〜400μmの増加する濃度でN-アセチルシステイン(NAC, SIGMA, Saint-Quentin Fallavier, France)、MnTBAP (MnSOD擬似物;CALBIOCHEM, Paris, France)、CuDIPS (Cu/Zn SOD擬似物;SIGMA, Saint-Quentin Fallavier, France)又はマンガホジピル (MnDPDP又はTESLASCAN, AMERSHAM HEALTH, Amersham, UK)を補った完全培地中で48時間インキュベートした。
【0035】
細胞増殖を、細胞を[3H]-チミジン(1 μCi/ウェル)と16時間インキュベートすることにより測定する。
種々の腫瘍系統に対する、NAC、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPについてのこれらの実験の結果を、図1、2、3及び4にそれぞれ示す。
【0036】
図1、2、3及び4の凡例:
x軸に沿って:抗酸化剤の濃度(μM)、
y軸に沿って:cpmでの[3H]-チミジン放射活性。
【0037】
腫瘍細胞増殖の増加が、NACでの処置に応答して観察される(図1)。この増殖の増加は、NAC 100μMの存在下にHepa 1-6細胞について73%であり、NAC 400μMの存在下にA549及びCT26腫瘍細胞についてそれぞれ45%及び47%である。
【0038】
逆に、MnTBAP (図2)、CuDIPS (図3)又はMnDPDP (TESLASCAN、図4)を用いてHepa 1-6、CT26及びA549腫瘍細胞を処置すると、用量依存様式でそれらの増殖を減少する。この細胞増殖の減少は、これらの3つの分子のうちの1つが400μM存在すると90%近くに到達する。
【0039】
実施例2:腫瘍系統又は正常ヒト白血球の生存力に対するNAC、CuDIPS、MnTBAP及びMnDPDPの影響
NAC、CuDIPS、MnTBAP又はMnDPDPでの処理に応答してのインビトロ生存試験を、実施例1の細胞系統及び正常ヒト白血球に対して行なった。後者は、正常なボランティアから、インフォームドコンセントの後に静脈血サンプルを抗凝固剤(リチウムヘパリナート:lithium heparinate)に回収することにより得た。赤血球を、酢酸カリウムの低張溶液を用いた浸透圧ショックにより溶解し、白血球を実施例1に記載の条件下で培養した。
【0040】
生存試験のために、細胞(2×104細胞/ウェル)を96ウェルプレート(COSTAR, Corning Inc. NY, USA)に播種し、0〜400μmの増加する濃度のNAC、MnTBAP、CuDIPS又はMnDPDPを補った完全培地で48時間インキュベートした。細胞生存力は、メチルチアゾールテトラゾリウム塩(MTT; SIGMA)のフォルマザンへの還元により評価した。細胞を20μlのMTT (PBS中に5 mg/ml)に曝露し、37℃で4時間インキュベートした。各ウェルから培地150μlを回収し、100μlのDMSO (SIGMA)の添加により反応を視覚化した。ELISAプレートリーダーを用いて、各ウェルについて550 nm及び630 nmで吸光度を測定した。生細胞の数を、550 nmでの吸光度と630 nmでの吸光度との差により決定した。
【0041】
CT26、Hepa 16及びA549腫瘍系統並びに正常白血球についてのこれらの実験の結果を、NAC、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPについて、それぞれ図5、6、7及び8に示す。
【0042】
図5〜8の凡例
x軸に沿って:抗酸化剤の濃度(μM)、
y軸に沿って:550 nmでのOD−630 nmでのOD。
【0043】
Hepa 1-6、CT26及びA549腫瘍細胞又は正常ヒト白血球のNACでの処理は、細胞生存力に影響がない(図5)。
逆に、MnTBAP (図6)又はCuDIPS (図7)でのHepa 1-6、CT26及びA549細胞の処理は、用量依存様式で腫瘍細胞の生存力を減少させる。Hepa 1-6、CT26及びA549腫瘍細胞の生存力は、400μM MnTBAPを用いてそれぞれ62%、75%及び37%減少し、400μM CuDIPSを用いてそれぞれ74%、85%及び50%減少する。しかし、MnTBAP及びCuDIPSでの正常ヒト白血球の処理は、細胞生存性の減少を誘導し、最大でそれぞれ18%及び50%に到達する。
【0044】
最後に、MnDPDP (マンガホジピル又はTESLASCAN、図8)も用量依存様式でHepa 1-6、CT26及びA549腫瘍細胞の生存力を減少させるが、いずれの用量のマンガホジピルを用いても正常ヒト白血球の生存力には影響しない。
【0045】
実施例3:癌化学療法に用いられる分子の増殖抑制性及び細胞毒性の特性に対するNAC、CuDIPS、MnTBAP及びMnDPDPの影響
腫瘍細胞においてROS産生を誘導することが知られている次の抗腫瘍分子:オキサリプラチン(シスプラチンファミリーに属する);タキソール;5-フルオロウラシルを用いた。これらの各分子について、細胞増殖アッセイ及び細胞生存力試験を、抗酸化分子の不在下又は増加する濃度のNAC、MnTBAP、CuDIPS若しくはMnDPDPの存在下に行った。
【0046】
1) 増殖抑制特性に対する影響:
実施例1に記載のプロトコルに従って、CT26、Hepa 16及びA549腫瘍系統について増殖アッセイを行った。
【0047】
オキサリプラチン:
オキサリプラチン(ELOXATIN又は[(1R,2R)-1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N'][オキサレート-(2-)-O,O']プラチナ(II);SANOFI-PHARMA, Paris, France)を、全てのアッセイにおいて10μMの濃度で用いた。
【0048】
CT26、Hepa 16及びA549腫瘍系統細胞増殖アッセイの結果を、NAC、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPについてそれぞれ図9、10、11及び12に示す。
図9〜12の凡例:
x軸に沿って:オキサリプラチンの存在(+)又は不在(−);抗酸化剤の濃度(μM)、y軸に沿って:cpmでの[3H]-チミジン放射活性。
【0049】
10μMのオキサリプラチンだけを用いたHepa 1-6、CT26及びA549腫瘍系統の処理は、腫瘍細胞増殖をそれぞれ70%、91%及び93%減少させる(図9〜12)。
NACは、用量依存様式で、いずれの種類の腫瘍細胞であってもオキサリプラチンの細胞増殖抑制効果を減少させる(図9)。
逆に、MnTBAP (図10)、CuDIPS (図11)及びMnDPDP (図12)は、用量依存様式で、オキサリプラチンの増殖抑制特性を増大させる。
【0050】
タキソール:
タキソール(PACLITAXEL; BRISTOL-MYERS-SQUIBB, Paris, France)を、全てのアッセイにおいて10μMの濃度で用いた。
CT26、Hepa 16及びA549腫瘍系統増殖アッセイの結果を、NAC、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPについてそれぞれ図13、14、15及び16に示す。
【0051】
図13〜16の凡例:
x軸に沿って:タキソールの存在(+)又は不在(−);抗酸化剤の濃度(μM)、
y軸に沿って:cpmでの[3H]-チミジン放射活性。
【0052】
タキソールとのインキュベーションは、A549、CT26又はHepa 1-6腫瘍細胞の増殖を、それぞれ85%、71%及び65%減少させる(図13〜16)。
NACの添加は、用量依存様式で、腫瘍細胞に対するタキソールの細胞増殖抑制効果を減少させる(図13)。
逆に、3種のSOD擬似物[MnTBAP (図14)、CuDIPS (図15)又はMnDPDP (図16)]の添加は、用量依存様式で、タキソールの細胞増殖抑制効果を増加させる。
【0053】
5-フルオロウラシル(5-FU):
5-フルオロウラシル(5-FU) (5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-2,5-ジオン又はフルオロウラシル;ICN PHARMACEUTICAL FRANCE, Orsay, France)を、全てのアッセイにおいて50μMの濃度で用いた。
CT26、Hepa 16及びA549腫瘍系統増殖アッセイの結果を、NAC、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPについてそれぞれ図17、18、19及び20に示す。
【0054】
図17〜20の凡例:
x軸に沿って:5-FUの存在(+)又は不在(−);抗酸化剤の濃度(μM)、
y軸に沿って:cpmでの[3H]-チミジン放射活性。
【0055】
5-FUを用いる腫瘍細胞のインキュベーションは、Hepa 1-6、CT26及びA549腫瘍細胞増殖をそれぞれ91%、91%及び85%減少させる(図17〜20)。
オキサリプラチン及びタキソールについて、NACは腫瘍細胞に対する5-FUの細胞増殖抑制効果を阻害する(図17)が、3種のSOD擬似物[MnTBAP (図18)、CuDIPS (図19)及びMnDPDP (TESLASCAN、図20)]はそれを増大させる。
【0056】
2) 細胞生存力に対する効果:
生存力試験を、実施例2に記載のプロトコルに従って、CT26、Hepa 16及びA549腫瘍系統並びに正常ヒト白血球に対して行なった。
【0057】
オキサリプラチン:
オキサリプラチンは、腫瘍細胞の場合は10μMの濃度で、正常白血球の場合は1 mMの濃度で用いた。
結果を、NAC、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPについてそれぞれ図21、22、23及び24に示す。
【0058】
図21〜24の凡例:
x軸に沿って:オキサリプラチンの存在(+)又は不在(−);抗酸化剤の濃度(μM)、y軸に沿って:550 nmでのOD−630 nmでのOD。
【0059】
オキサリプラチンのみを用いる処理は、平均して、Hepa 1-6、CT26及びA549腫瘍細胞生存力をそれぞれ50%、27%及び28%、正常白血球の生存力を約50%減少させる(図21〜24)。
NACは、用量依存様式で、全ての種類の腫瘍細胞及び正常白血球に対するオキサリプラチンの細胞毒性効果を減少させる(図21)。
MnTBAP (図22)、CuDIPS (図23)及びMnDPDP (図24)は、用量依存様式で、腫瘍細胞に対するオキサリプラチンの細胞毒性特性を増加させる。
正常白血球に対して、MnTBAP (図22)及びCuDIPS (図23)は、オキサリプラチンの細胞毒性特性を増加させるが、一方、MnDPDP (図24)はNACと同様に、オキサリプラチンの細胞毒性効果を阻害する。
【0060】
タキソール:
タキソールは、腫瘍細胞の場合は10μMの濃度で、正常白血球の場合は20μMの濃度で用いた。
結果を、NAC、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPについてそれぞれ図25、26、27及び28に示す。
【0061】
図25〜28の凡例:
x軸に沿って:タキソールの存在(+)又は不在(−);抗酸化剤の濃度(μM)、
y軸に沿って:550 nmでのOD−630 nmでのOD。
【0062】
タキソールのみを用いる処理は、平均して、Hepa 1-6、CT26及びA549腫瘍細胞生存力をそれぞれ25%、50%及び47%、正常白血球の生存力を約50%減少させる(図25〜28)。
NACの添加は、腫瘍細胞に対するタキソールの細胞毒性活性に影響を及ぼさず、正常白血球に対する該活性を減少させる(図25)。
【0063】
MnTBAP (図26)、CuDIPS (図27)又はMnDPDP (図28)の添加は、腫瘍細胞に対するタキソールの細胞毒性活性を増加させる。正常白血球に対しては、MnTBAPはタキソールの細胞毒性効果に対して実質的に影響を及ぼさず(図26)、CuDIPS (図27)は、この細胞毒性効果を増大させる。一方、MnDPDP (図28)はNACと同様に、タキソールの細胞毒性効果を阻害する。
【0064】
5-フルオロウラシル(5-FU):
5-FUは、腫瘍細胞の場合は50μMの濃度で、正常白血球の場合は40 mMの濃度で用いた。
結果を、NAC、MnTBAP、CuDIPS及びMnDPDPについてそれぞれ図29、30、31及び32に示す。
【0065】
図29〜32の凡例:
x軸に沿って:5-FUの存在(+)又は不在(−);抗酸化剤の濃度(μM)、
y軸に沿って:550 nmでのOD−630 nmでのOD。
【0066】
5-FUのみを用いる処理は、平均して、Hepa 1-6、CT26及びA549腫瘍細胞生存力をそれぞれ65%、85%及び25%、正常白血球の生存力を約19%減少させる(図29〜32)。
NACの添加は、腫瘍細胞に対する5-FUの細胞毒性活性を修飾せず、正常白血球に対する該活性を減少させる(図29)。
【0067】
MnTBAP (図30)、CuDIPS (図31)又はMnDPDP (図32)の添加は、腫瘍細胞に対する5-FUの細胞毒性活性を増加させる。正常白血球に対しては、MnTBAPは5-FUの細胞毒性効果に対して非常に弱い影響しか有さない(図30)。CuDIPS (図31)はこの細胞毒性効果を増加させる。一方、MnDPDP (図32)はそれを阻害する。
【0068】
実施例4:NAC、CuDIPS、MnTBAP又はMnDPDPによる、DNAに対する活性酸素種の効果の調節
DNA分子は、白金誘導体、例えばシスプラチン又はオキサリプラチンの抗腫瘍効果の主な標的の一つである。白金誘導体は、DNAに対してその三次構造を修飾することにより反応する。カチオン性メタロポルフィリンは、DNAと相互作用可能であることが知られた剤である。
【0069】
最近、SOD擬似特性を有するメタロポルフィリンがDNA構造に対するROSの有害な効果を増すことが証明された。
【0070】
精製プラスミドpcDNA3.1 (INVITROGEN)を用いて、抗酸化酵素修飾物質の存在下又は不在下での、癌の化学療法に用いられる分子の添加に応答する、可能性のあるDNA改変を分析した。このDNAを使用するまで10 mM TRIS、1 mM EDTA中に-20℃で保存した。
【0071】
プラスミドDNAを、50μlの最終容量中に0.50のモル比でのオキサリプラチンとインキュベートした。次いで、MnTBAP (5μM)、CuDIPS (5μM)、マンガホジピル (5μM)又はNAC (5 mM)を溶液に添加した。スーパーオキシドアニオンの産生は、200μMのキサンチン(SIGMA)及び1Uのキサンチンオキシダーゼ(SIGMA)の添加により認識した。インキュベーションは、暗所にて37℃で24時間行なった。インキュベーション期間の最後に、10μlの一定量を0.8%アガロースゲルの電気泳動に供し、エチジウムブロミド染色により検出した。次いで、ゲルをデンシトメトリ(VILBER LOURMAT, Marnes-la-Vallee, France)により分析した。
【0072】
結果を図33に示す。
図33の凡例:
A:プラスミドの存在(+)又は不在(0);オキサリプラチンの濃度(μM);キサンチン及びキサンチンオキシダーゼ(X/XO) の存在(+)又は不在(0);NACの存在(+)又は不在(0)。
B:プラスミドの存在(+)又は不在(0);オキサリプラチンの濃度(μM);キサンチン及びキサンチンオキシダーゼ(X/XO) の存在(+)又は不在(0);抗酸化剤(Teslascan、MnTBAP、CuDIPS又はNAC)の存在(+)又は不在(0)。
【0073】
キサンチン及びキサンチンオキシダーゼ(X/XO)とのプラスミドDNAのインキュベーションは、DNAの本来のスーパーコイルの形(I形DNA)を傷つけ、環状形(II形DNA)を助長するスーパーオキシドアニオンを発生する。この現象は、NACを用いるROS中和により阻害される。
【0074】
オキサリプラチンとのプラスミドDNAのインキュベーションは、DNA構造の用量依存性の損傷を誘導し、これは最大で0.5のDNA/オキサリプラチン比である。これらの条件下で、スーパーコイル形はもはや観察されず、III形(直線形)に相当するバンドが現れる。I形/II形の比は、プラスミドDNAがX/XO系及び低用量のオキサリプラチンと共インキュベート(coincubate)されるとさらに減少する。NACとのインキュベーションは、DNAに引き起こされる損傷を減少させる。
【0075】
第二の工程において、オキサリプラチン単独又はROSと組み合わせたオキサリプラチンにより誘導されたDNA損傷に対するSOD擬似物の効果を評価した。プラスミドDNAのマンガホジピルとのインキュベーションは、非処理のプラスミドと比較したII形の割合の増加により示されるように、本質的にDNA損傷を誘導する。この効果は、スーパーオキシドアニオン又はオキサリプラチンのいずれかが添加されるときに増幅され、マンガホジピル、ROS及びオキサリプラチンがプラスミドDNAと共インキュベートされると最大である。ここでまた、NACのようなある抗酸化剤はDNA損傷を部分的に阻害する。
SOD擬似物としてCuDIPSを用いたとき、及びMnTBAPをより少量で用いたときに同様の効果が観察される。
【0076】
実施例7:抗癌化学療法と組み合わせたか又は組み合わせずのNAC、CuDIPS、MnTBAP及びMnDPDPのマウスでの抗腫瘍効果
種々の抗酸化剤処置のインビボ抗腫瘍活性を評価した。これらの実験のために、雌性6〜8週齢のBALB/c (CT-26腫瘍細胞の注射のため)又はC57/BL6 (Hepa 1-6腫瘍細胞の注射のため)マウスを用いた(IFFA CREDO, L'Arbresles, France)。200万の腫瘍細胞を、動物の背部に皮下注射した。腫瘍のサイズが200〜500 mm3に達したときに、動物に20 mg/kgのオ
キサリプラチン(ELOXATIN (商標))又は生理食塩水の単独注射を与えた。
【0077】
次いで、マウスをオキサリプラチン又は生理食塩水の注入の2時間後にマンガホジピル、MnTBAP又はCuDIPS 10 mg/kgあるいはNAC 150 mg/kgあるいは生理食塩水で腹腔内処置した。種々の抗酸化剤の注射を1ヶ月間継続した(同じ用量で1週当たり3回の注射)。腫瘍細胞を接種されたマウスの群は処置しなかった。
【0078】
腫瘍のサイズを3日毎に測定した。腫瘍容積を次のようにして算出した。
VT (mm3) = (L×W2)/2
(式中、Lは腫瘍の最長寸法(mm)、Wは腫瘍の最短寸法(mm)である)。各群15匹のマウスを含んでいた。
【0079】
BALB/cマウスへのCT26癌腫細胞の注入に基づく実験の結果を図34に示す。
図34の凡例:
(◆) コントロール、
(■) オキサリプラチン、
(▲) テスラスカン、
(●) オキサリプラチン+テスラスカン、
(○) NAC、
(×) オキサリプラチン+NAC、
(△) MnTBAP、
(□) オキサリプラチン+MnTBAP、
(◇) CuDIPS、
(*) オキサリプラチン+CuDIPS。
腫瘍容積はy軸に示す。x軸はオキサリプラチン又は生理食塩水の注入後の日数である。
【0080】
オキサリプラチンで処置しなかったマウスへのNACの注射は、NACを注射されなかったマウスに比べて、1ヵ月後の腫瘍容積の44%の増加を誘導する。
【0081】
オキサリプラチンの投与は、処置されなかった動物に比べて腫瘍容積を半分にするが、オキサリプラチンで処置されたマウスへのNACの投与は、腫瘍増殖に対するオキサリプラチンの阻害効果を完全にブロックする。
【0082】
逆に、MnTBAP、CuDIPS又はマンガホジピルのようなSOD化学擬似物の注入により、1ヵ月後の腫瘍容積が、処置しなかったマウスに比べてそれぞれ59%、28%及び54%減少する。さらに、オキサリプラチンで処置したマウスへの3種のSOD擬似物の投与により、1ヵ月後の腫瘍容積が、オキサリプラチンのみで処置した動物に比べてそれぞれ35%、31%及び63%減少した。
【0083】
C57BL/6マウスへのHepa 1-6細胞の注入に基づく実験の結果を図35に示す。
図35の凡例:
(◆) コントロール、
(■) オキサリプラチン、
(▲) テスラスカン、
(●) オキサリプラチン+テスラスカン、
(○) NAC、
(×) オキサリプラチン+NAC、
(△) MnTBAP、
(□) オキサリプラチン+MnTBAP、
(◇) CuDIPS、
(*) オキサリプラチン+CuDIPS。
腫瘍容積はy軸に示す。x軸はオキサリプラチン又は生理食塩水の注入後の日数である。
【0084】
ここで再び、NACの注射により、NACを注射されなかったマウスに比べて、1ヵ月後の腫瘍容積の50%増加が誘導されることが観察される。オキサリプラチンの投与は、処置されなかった動物に比べて腫瘍容積を4分の1にするが、オキサリプラチンで処置されたマウスへのNACの投与は、腫瘍増殖に対するオキサリプラチンの阻害効果を完全にブロックする。逆に、MnTBAP、CuDIPS又はマンガホジピルのようなSOD化学擬似物の注入により、1ヵ月後の腫瘍容積が、処置されなかったマウスに比べてそれぞれ42%、9%及び34%減少する。さらに、オキサリプラチンとのMnTBAP又はCuDIPSの共投与は、オキサリプラチンの抗腫瘍効果を大きくは増加させないが、オキサリプラチンで処置したマウスへのMnDPDPの投与は、1ヵ月後の腫瘍容積を、オキサリプラチンのみで処置した動物に比べて63%減少させる(図35)。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】

【図2】

【図3】

【図17】

【図18】

【図19】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗腫瘍医薬品を得るための、抗腫瘍及び白血球保護の活性成分としてのスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンレダクターゼ擬似物の使用。
【請求項2】
前記擬似物がマンガホジピルであることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記擬似物が、細胞内で活性酸素種の産生を誘導できる抗腫瘍剤と組み合わせて用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記抗腫瘍剤が、ドキソルビシン、マイトマイシンC、エトポシド、白金誘導体、タモキシフェン、タキソール、5-フルオロウラシル、イリノテカン、ゲムシタビン、エンドキサン、ストレプトゾトシン、ブレオマイシン及びビンクリスチンから選択されることを特徴とする請求項3に記載の使用。
【請求項5】
オキサリプラチン、5-フルオロウラシル及びタキソールから選択される抗腫瘍剤と組み合わせてスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオンレダクターゼ擬似物を含む医薬組成物。
【請求項6】
前記擬似物がマンガホジピルであることを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2007−514724(P2007−514724A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544504(P2006−544504)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/FR2004/003298
【国際公開番号】WO2005/060976
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(500283125)ユニヴェルシテ ルネ デカルト−パリ ヴェ (8)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE RENE DESCARTES − PARIS V
【住所又は居所原語表記】12,rue de l’Ecole de Medecine,F−75006 Paris FRANCE
【出願人】(506200588)
【氏名又は名称原語表記】PROTEXEL
【住所又は居所原語表記】Faculte de Medecine Cochin Port−Royal,24,rue du Faubourg Saint−Jacques,F−75014 PARIS,FRANCE
【Fターム(参考)】