説明

抗菌剤およびキレート剤を含む創傷被覆材

創傷被覆材は、第1の抗菌剤と、キレート剤および第2の抗菌剤のうちの少なくとも1つとを含有する1つ以上の層を含む。あるいは、本発明に従う創傷被覆材は、少なくとも第1の層、第2の層、および第3の層を含むことが可能であり、この第1、第2、および第3の層のうちの少なくとも1つは、抗菌剤および/またはキレート剤を含有する。さらなる代替実施形態に従う創傷被覆材は、少なくとも第1の層、第2の層、および第3の層を含み、この第1、第2、および第3の層のうちの少なくとも1つは、抗菌剤を含有し、この第1、第2、および第3の層のうちの少なくとも別のものは、前記キレート剤を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の最新技術の説明において、特定の構造および/または方法について言及する。しかしながら、以下の言及は、これらの構造および/または方法が従来技術を構成するということを認めるものとして解釈されるべきではない。出願者は、このような構造および/または方法が従来技術として認めないことを実証する権利を明示的に留保する。
【背景技術】
【0002】
多種多様の創傷被覆材がこれまでに提案されている。しかしながら、このような創傷被覆材は、種々の欠陥および欠点を有する。
【0003】
例えば、種々の抗菌剤を含む多数の創傷被覆材がこれまでに提案されている。論理的には、創傷被覆材に含まれる抗菌剤の量の増加は、感染の抑制および/または防止における効果の増加をもたらし得る。しかしながら、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)などの一般的な特定の抗菌剤は、特に、高レベルまたは高濃度のCHGを適用する場合に、皮膚に刺激性作用を及ぼし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、当技術分野において、感染を抑制および/または防止する効果が増加するが、皮膚への刺激を増加させるなどの不利点の無い創傷被覆材の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の任意の一側面によると、PHMBなどの抗菌剤の濃度増加に頼ることなく、バイオバーデンの制御強化が提供される。本発明のさらなる任意の側面によると、既存の創傷治療プロトコルを変更することなく、感染のリスクを軽減し、または既存の感染を制御し易くする創傷被覆材が提供される。本発明のまたさらなる任意の側面によると、創傷被覆材に含有される抗菌剤の作用スペクトルを効果的に増加させる創傷被覆材が提供される。本発明の別の任意の側面によると、創傷被覆材に含有される抗菌剤および/または追加の添加剤の標的送達および/または制御送達を、創傷部位に提供する創傷被覆材が提供される。
【0006】
本発明の創傷被覆材は、第1の抗菌剤と、キレート剤および第2の抗菌剤のうちの少なくとも1つとを含有する1つ以上の層を含むことが可能である。
【0007】
あるいは、本発明に従う創傷被覆材は、少なくとも第1の層、第2の層、および第3の層を含むことが可能であり、前記第1、第2、および第3の層のうちの少なくとも1つは、抗菌剤および/またはキレート剤を含有する。
【0008】
さらなる代替実施形態に従う創傷被覆材は、少なくとも第1の層、第2の層、および第3の層を含み、前記第1、第2、および第3の層のうちの少なくとも1つは、抗菌剤を含有し、前記第1、第2、および第3の層のうちの少なくとも別のものは、前記キレート剤を含有する。
【0009】
本発明によると、抗菌剤を含有する第1の内層と、前記第1の層に隣接する第2および第3の外層であって、前記キレート剤を含有する第2または第3の層と、を含む創傷被覆材も提供可能である。
【0010】
別の代替実施形態に従い形成される創傷被覆材は、キレート剤を含有する第1の内層と、前記第1の層に隣接する第2および第3の外層であって、抗菌剤を含有する第2または第3の層と、を含むことが可能である。
【0011】
本発明は、また、第1の内層と、第2および第3の外層とを含み、第1、第2、および第3の各々が、抗菌剤および前記キレート剤を含む創傷被覆材も考慮する。
【0012】
さらに別の代替実施形態に従い形成される創傷被覆材は、繊維の組み合わせから形成される1つ以上の層を含むことが可能であり、前記繊維の組み合わせは、少なくとも第1の繊維および第2の繊維を含み、前記第1の繊維は、少なくとも前記第1の抗菌剤で処理され、前記第2の繊維は、少なくとも前記第2の抗菌剤で処理される。
【0013】
本発明の創傷被覆材は、繊維の均質混合から形成される1つ以上の層をさらに含んでもよく、前記繊維の組み合わせは、少なくとも第1の繊維および第2の繊維を含み、前記第1の繊維は、少なくとも前記第1の抗菌剤で処理され、前記第2の繊維は、少なくとも前記第2の抗菌剤で処理される。
【0014】
本発明によると、繊維の組み合わせから形成される1つ以上の層を含む創傷被覆材が提供可能であり、前記繊維の組み合わせは、少なくとも第1の繊維および第2の繊維を含み、前記第1の繊維は、少なくとも前記第1の抗菌剤で処理され、前記第2の繊維は、少なくとも前記第2の抗菌剤で処理され、前記創傷被覆材に存在する前記第1の繊維の量は、前記創傷被覆材に存在する前記第2の繊維の量と異なる。
【0015】
さらに別の代替構成によると、本発明は、繊維の組み合わせから形成される1つ以上の層を含む創傷被覆材を提供し、前記繊維の組み合わせは、少なくとも第1の繊維および第2の繊維を含み、前記第1の繊維は、少なくとも第1の抗菌剤で処理され、前記第2の繊維は、少なくとも第2の抗菌剤で処理され、前記第1の繊維、第2の繊維のいずれか、またはその両方の密度は、濃度勾配によって変動する。
【0016】
さらに別の実施形態に従い形成される創傷被覆材は、前記創傷面に適用されるように構成される前記被覆材の第1の側に配置される第1の層であって、少なくとも1つの抗菌剤を含有する第1の層と、前記第1の層に隣接し、かつ前記被覆材の前記第1の側と反対側の前記第1の層の片側に配置される第2の層であって、細胞シグナリング剤を含有する第2の層と、を含むことが可能である。
【0017】
明細書で使用する際、「含有している」または「含有する」は、1つ以上の層自体および/またはその層を作製する材料が、そこに適用されるその他の材料/薬剤に含浸される、および/またはその他の材料/薬剤の被覆/処理を有することを意味するように広義に解釈される。含浸および/または被覆/処理を、層または層を形成する材料の全部または一部に適用してもよい。最後に、本用語は、材料/材料に適用する薬剤の状態(例えば、固体、液体、ガス、プラズマ等)に関わらず、含浸および/または被覆/処理に関する全ての方法または技術を包含する。添加材料/薬剤は、製造中またはその後に適用可能である(例えば、1つ以上の層を創傷部位に適用する前に、使用者/消費者によって)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の説明を分かり易くするために、図1〜2を参照してもよい。より広範な側面において、本発明は、第1の抗菌剤と、キレート剤および第2の抗菌剤のうちの少なくとも1つとを含有する1つ以上の層を含む創傷被覆材を提供する。
【0019】
本発明の原理に従い形成される創傷被覆材は、一般的に、1つ以上の分離層(例えば、20、30、40)から形成可能である。1つ以上の層のうちの各々は、任意の適切な材料および/または構造で形成可能である。例えば、1つ以上の層は、繊維状、膜状、または発泡材料から形成可能である。繊維状材料に関し、織布または不織布材料であることが可能である。繊維は、天然繊維、合成繊維、およびその2つの組み合わせから選択可能である。非限定的な例として、本発明の1つ以上の層の形成に利用可能である適切な材料には、セルロース,アルギン酸塩、綿、レーヨン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレタンフォーム、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0020】
本発明の創傷被覆材は、1つ以上の抗菌剤を含んでもよい。多数の代替抗菌剤が可能である。適切な抗菌剤には、クロルヘキシジン、クロルヘキダイン塩、トリクロサン、ポリミキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシンまたはトブラマイシンTM)、リファンピシン、バシトラシン、エリスロマイシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、キノロン、ペニシリン、ノノキシノール9、フシジン酸、セファロスポリン、ムピロシン、メトロニダゾール、セクロピン、プロテグリン、バクテリオシン、デフェンシン、ニトロフラゾン、マフェナイド、アシクロビル、バンコマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、スルホンアミド、ノルフロキサシン、ペフロキサシン、ナリジクス酸、シュウ酸、エノキサシン酸、シプロフロキサシン、ビグアニド、それらの組み合わせ、およびその同等物が含まれるがそれだけに限定されない。特定の実施形態において、抗菌剤は、ポリヘキサメチレンビクアナイド(PHMB)および/またはその誘導体を含む。
【0021】
本発明の創傷被覆材は、キレート剤をさらに含んでもよい。任意の適切なキレート剤を利用してもよい。非限定的な例として、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)などのキレート剤、例えば、EDTA2ナトリウムまたはEDTA4ナトリウムなどのEDTAの変形、それらの組み合わせ、およびその同等物が考えられる。キレート剤は、細菌およびその他の微生物の、抗菌剤の殺菌効果に対する感受性を増大させることが可能であるため、創傷被覆材に含有される抗菌剤のレベルを高める必要なく、感染の抑制および/または防止においてさらなる効果が創傷被覆材に提供される。本発明の本側面は、有利には、特に、高濃度レベルで皮膚に適用される場合の、CHGなどの特定の抗菌剤の刺激性作用によりもたらされる問題を回避する。
【0022】
追加の成分として、あるいは上述の抗菌剤および/またはキレート剤のうちの1つ以上の代用として、本発明の原理に従い形成される創傷被覆材は、1つ以上の追加の抗菌剤を含んでもよい。非限定的な例として、適切な追加の抗菌剤には、ポリエチレンヘキサメチレンビグアニド(PEHMB)、銀、亜鉛、銅、およびそれらの組み合わせが含まれるがそれだけに限定されない。
【0023】
当然ながら、例示的な創傷被覆材は、例えば、治療剤、感覚刺激剤、成長因子、鎮痛剤、組織足場剤、止血剤、タンパク質阻害剤、コラーゲン、酵素、抗血栓症剤、麻酔剤、抗炎症剤、抗癌剤、血管拡張剤、創傷治癒剤、血管形成剤、抗血管新生剤、免疫増強剤、皮膚保護剤、方向性殺菌増殖誘発剤、殺菌剤または静菌剤、微生物の代謝作用および/または生物膜形成の不安定化または破壊のための電子伝達剤、それらの組み合わせ、ならびにその同等物などの、追加の活性成分または活性薬剤が含むことが可能である。活性薬剤の放出は、例えば、電界または電気信号、温度、時間、圧力、湿気、および光(例えば、紫外線)、超音波エネルギー、超音波処理、それらの組み合わせ、その同等物などの、多種多様の手段によって引き起こされてもよい。
【0024】
本発明によると、上述の抗菌剤、キレート剤、または追加の活性薬剤のうちのいずれもが、創傷被覆材の1つ以上の層を形成する材料と直接組み合わされてもよい。あるいは、上述の薬剤のうちのいずれもが送達剤によって含有され、その送達剤により後に放出されてもよい。任意の適切な送達剤を利用することができる。非限定的な例として、適切な送達剤には、ヒドロゲル、リン酸塩ガラス、粉末でんぷん、またはでんぷん膜が含まれる。
【0025】
本発明に従い形成される創傷被覆材は、多数の構成で提供可能であり、多数の異なる組み合わせの特徴を有する。以下の説明において、上述の薬剤または添加剤のうちのいずれもが、別段明記されない限り、後述の図示される構成に含めることが可能である。
【0026】
本発明の可能な一構成によると、少なくとも1つの抗菌剤および少なくとも1つのキレート剤を含有する1つ以上の層を含む創傷被覆材が提供される。任意の一変形例によると、創傷被覆材の全層は、抗菌剤およびキレート剤の組み合わせを含有してもよい。
【0027】
上記多層構成の別の代替変形例によると、抗菌剤およびキレート剤は、創傷被覆材の異なる層に別々に含有可能である。従って、例えば、創傷被覆材は、少なくとも3つの分離層(内層(例えば、30)、および2つの隣接外層(例えば、20、40))により形成可能である。抗菌剤は、皮膚または創傷と直接接触しない内層において含有可能であり、また、キレート剤は、1つ以上の外層に提供可能である。内層は、実質的に親水性であってもよく、一方、1つ以上の外層は、実質的に疎水性であってもよい。抗菌剤および恐らくキレート剤も、織物の内層材料から放出されてもよいが、織物の抗菌処理によって、主に、創傷外部の汚染源からの汚染に対する障壁として被覆材が機能することが可能になる。さらに、被覆材の吸収性により、内層内に吸収される微生物は、被覆材を通って抜けられない。用語の「実質的に親水性」は、内層材料の機能を記述する。また、この用語は、「実質的に疎水性」の外層材料の機能と内層材料とを区別し、この「実質的に疎水性」の外層材料は、抗菌性障壁特性を提供し、被覆材からの抗菌剤の放出を軽減または低減する。また、内層内における抗菌剤の保持力が改善されることによって、バイオバーデン、つまり使用中の被覆材内の細胞の成長および数が低下する。上記の任意変形例として、キレート剤は、内層に提供可能であり、また、抗菌剤は、1つ以上の隣接外層に提供可能である。
【0028】
本発明の創傷被覆材が繊維状材料から形成される場合、創傷被覆材は、異なる繊維を異なる薬剤で処理してから所望の方法で繊維を組み合わせて、創傷被覆材に特定の抗菌作用または反応を提供することによって、抗菌剤ならびに/もしくは抗菌剤およびキレート剤の組み合わせを提供されることが可能である。従って、例えば、創傷被覆材は、上述の処理繊維の均質な混合として形成される1つ以上の層を含んでもよい。あるいは、創傷被覆材は、様々な密度および抗菌処理レベルを有する繊維を含む1つ以上の層から形成可能である。非限定的な例として、セルロース、レーヨン等の適切な繊維は、種々の濃度のPHMBに処理および結合可能である。ナイロン、ポリプロピレン、または非晶質ポリエステルなどのその他の繊維は、ベース樹脂において銀抗菌剤と配合されて、繊維形状になり得る。ベース樹脂に添加される銀の量は、約0.5〜40重量%の間で変更可能である。代替として、繊維は、2つの主要成分から構成可能である。具体的には、繊維は、内核と、銀抗菌剤の量が比較的多い外側の鞘とを含むことが可能である。本代替によると、外側の鞘は、銀抗菌剤を最大70重量%含むことが可能であり、一方、構造的完全性を繊維に提供する内核は、約20重量%未満の、より少ない量の銀抗菌剤を含む。抗菌成分のこの組み合わせにより、PHMBは即効性を増し、銀抗菌剤の効果の持続性が増す。抗菌剤のその他の組み合わせが可能であることが考えられる。非限定的な例として、亜鉛または銅をベースとした抗菌剤などのその他の金属ベースの抗菌剤を、銀抗菌剤の代わりに利用してもよい。EDTAなどのキレート剤は、その効果を改善するため、上述の組み合わせの抗菌剤に添加可能である。
【0029】
代替構成によると、創傷被覆材は、ポリウレタンフォームなどの材料から形成され、多数の抗菌剤および/またはキレート剤と組み合わすことによって、相乗的な利益がもたらされる。
【0030】
さらなる代替構造によると、創傷被覆材は、複数の異なる層および性能を強化する薬剤を含有する材料から形成される。細胞シグナリング薬剤または材料は、創傷床と、1つ以上の抗菌剤で処理された別の被覆材層との間の被覆材に提供可能である。本構造によると、細菌は、シグナル伝達機構に到達するためには抗菌剤を横切る必要がある。細胞シグナル機構は、このシグナルの方向に細胞成長または運動あるいはそれぞれの作用を促進する電気的、化学的、または生物学的手段によって、細胞と通信する手段である。このシグナルはまた、細菌性細胞の防衛機構を非活性化し得る。本構造によると、細菌成長は、創傷被覆材の効果の増加がもたらされるような好適な態様(つまり、創傷床から離れて)で促進される。例示的な一細胞信号伝達機構は、酸化窒素(NO)であり、これは、拡散し、細胞膜と結合して、創傷部位に所望の効果をもたらす。可能な細胞シグナリング物質の別の例としてステロイド分子が挙げられる。
【0031】
本明細書において前述される成分、構成物質、反応、状態などの量を表現する全ての数字は、全ての事例において、用語の「約」によって修正されることを理解されたい。記載の数値域およびパラメータにも関わらず、本明細書に提示される広範囲におよぶ主題は近似であるが、記載の数値は可能な限り正確に示されている。しかしながら、いかなる数値も、本質的に、それぞれの測定で認められる標準偏差により明らかであるように、一定の誤差を含み得る。
【0032】
本発明について、その好適な実施形態に関連して説明したが、特に説明されていない追加、削除、変形、および置換を、添付の請求項に規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく加えてもよいことを、当業者は理解するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明の抗菌性創傷被覆材の例示的な実施形態に関する概略図である。
【図2】図2は、本発明の抗菌性創傷被覆材の代替実施形態に関する、図1の線2−2に沿った概略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の抗菌剤と、キレート剤および第2の抗菌剤のうちの少なくとも1つとを含有する1つ以上の層を含む、創傷被覆材。
【請求項2】
前記被覆材は、少なくとも第1の層、第2の層、および第3の層を含み、該第1、第2、および第3の層のうちの少なくとも1つは、抗菌剤および/または前記キレート剤を含有する、請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項3】
前記第1、第2、および第3の層のうちの少なくとも1つは、抗菌剤を含有し、該第1、第2、および第3の層のうちの少なくとも別のものは、前記キレート剤を含有する、請求項2に記載の創傷被覆材。
【請求項4】
抗菌剤を含有する第1の内層と、
該第1の層に隣接する第2および第3の外層であって、前記キレート剤を含有する、第2および第3の層と
を含む、請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項5】
前記キレート剤を含有する第1の内層と、
該第1の層に隣接する第2および第3の外層であって、抗菌剤を含有する、第2および第3の層と
を含む、請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項6】
第1の内層と、
第2および第3の外層と
を含み、該第1、第2、および第3の層の各々が、抗菌剤および前記キレート剤を含む、請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項7】
前記第1の内層は実質的に親水性であり、前記第2および第3の外層は実質的に疎水性である、請求項4〜6のいずれかに記載の創傷被覆材。
【請求項8】
前記第2および第3の外層は、親水仕上げを含む、請求項7に記載の創傷被覆材。
【請求項9】
繊維の組み合わせから形成される1つ以上の層を含み、該繊維の組み合わせは、少なくとも第1の繊維および第2の繊維を含み、該第1の繊維は、少なくとも前記第1の抗菌剤で処理され、該第2の繊維は、少なくとも前記第2の抗菌剤で処理される、請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項10】
繊維の均質混合から形成される1つ以上の層を含み、繊維の組み合わせは、少なくとも第1の繊維および第2の繊維を含み、該第1の繊維は、少なくとも前記第1の抗菌剤で処理され、該第2の繊維は、少なくとも前記第2の抗菌剤で処理される、請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項11】
繊維の組み合わせから形成される1つ以上の層を含み、該繊維の組み合わせは、少なくとも第1の繊維および第2の繊維を含み、該第1の繊維は、少なくとも前記第1の抗菌剤で処理され、該第2の繊維は、少なくとも前記第2の抗菌剤で処理され、前記創傷被覆材に存在する該第1の繊維の量は、該創傷被覆材に存在する該第2の繊維の量と異なる、請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項12】
繊維の組み合わせを含み、該繊維の組み合わせは、少なくとも第1の繊維および第2の繊維を含み、該第1の繊維は、少なくとも前記第1の抗菌剤で処理され、該第2の繊維は、少なくとも前記第2の抗菌剤で処理され、該第1の繊維、第2の繊維のいずれか、またはその両方の密度は、濃度勾配によって変動する、請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項13】
創傷面に適用されるように構成される前記被覆材の第1の側に配置される第1の層であって、前記少なくとも1つの抗菌剤を含有する第1の層と、
該第1の層に隣接し、かつ該被覆材の該第1の側と反対側の該第1の層の片側に配置される第2の層であって、細胞シグナリング剤を含有する第2の層と
を含む、請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項14】
前記1つ以上の層は、天然繊維、合成繊維、セルロース、綿、レーヨン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレタンフォーム、ヒドロゲル、でんぷん、でんぷん膜、生分解性材料、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上によって、少なくとも部分的に形成される、請求項1〜13のいずれかに記載の創傷被覆材。
【請求項15】
前記抗菌剤は、PHMB、PHMB誘導体、PEHMB、銀、亜鉛、銅、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の創傷被覆材。
【請求項16】
キレート剤はEDTAを含む、請求項1〜15のいずれかに記載の創傷被覆材。
【請求項17】
止血剤、タンパク質阻害剤、成長因子、コラーゲン、酵素、方向性細菌増殖誘発剤、殺菌作用または静菌作用をもたらす手段、代謝作用不安定化のための薬剤、血管拡張剤、生物膜形成を阻止または破壊する薬剤、光活性化薬剤、超音波活性化薬剤、超音波処理活性化薬剤、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上をさらに含む、請求項1〜16のいずれかに記載の創傷被覆材。
【請求項18】
銀、亜鉛、または銅のうちの少なくとも1つと配合される繊維を含む、請求項1〜17のいずれかに記載の創傷被覆材。
【請求項19】
前記繊維は、約0.5重量%から約40重量%の銀と配合される、請求項18に記載の創傷被覆材。
【請求項20】
前記繊維は、核と、包囲する鞘とを含み、該核は、第1の量の銀と配合され、該包囲する鞘は、第2の量の銀と配合され、該第2の量は該第1の量よりも多い、請求項18に記載の創傷被覆材。
【請求項21】
前記第1の量は、約20重量%未満であり、前記第2の量は、約70重量%未満である、請求項20に記載の創傷被覆材。
【請求項22】
前記抗菌剤および前記キレート剤のうちの少なくとも1つを含有および放出するための送達剤をさらに含む、請求項1〜21のいずれかに記載の創傷被覆材。
【請求項23】
前記送達剤は、ヒドロゲル、リン酸塩ガラス、粉末でんぷん、またはでんぷん膜のうちの1つ以上を含む、請求項22に記載の創傷被覆材。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−533141(P2009−533141A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505418(P2009−505418)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/008755
【国際公開番号】WO2007/120608
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】