説明

抗菌剤としての4−(2−オキソ−オキサゾリジン−3イル)−フェノキシメチル誘導体

本発明は、式(I)



(式中、Rは、OH、OPO又はOCORであり;Rは、H、OH又はOPOであり;Rは、H又はハロゲンであり;Rは、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり;Rはピペリジン−4−イル又はRは天然に存在するアミノ酸、天然に存在するアミノ酸のエナンチオマー若しくはジメチルアミノグリシンの残基であり;nは0又は1である。)の新規なキメラ抗生物質及び式(I)の化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。これらのキメラ化合物は、感染症(例、細菌感染症)の治療のための医薬の製造に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スペーサーを介してキノロンに結合したオキサゾリジノン誘導体から得られる新規なキメラ抗生剤、それらを含有する医薬抗菌組成物、及び感染症(例、細菌感染症)の治療のための医薬の製造におけるそれらの使用に関する。これらのキメラ化合物は、中でもグラム陽性好気性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌及び好酸菌を含む多様なヒト及び動物の病原体に対して有効な、有用な抗菌剤である。
【背景技術】
【0002】
抗生剤の広範な使用は、微生物に対して選択的進化圧を与え、遺伝子ベースの耐性機構を生じてきた。現代の医療及び社会経済的挙動は、例えば人工関節内で、病原菌の遅延した増殖状態を形成し、また例えば免疫障害を有する患者における長期間宿主保有の支持により、耐性の発達の問題を悪化させている。
【0003】
病院の環境では、主な感染源である、益々多数のStaphylococcus aureus、Streptococcus pneumonia、Enterococcus spp.、及びPseudomonas aeruginosa株が多剤耐性となっており、従って治療が不可能ではなくとも困難である:
−S. aureusは、β-ラクタム、キノロン、及び現在はバンコマイシンにも耐性である;
−S. pneumoniaeは、ペニシリン、キノロン、及び新しいマクロライドに対してさえも、耐性となっている;
−Enteroccocciは、キノロン及びバンコマイシンに耐性であり、β-ラクタムは、これらの株に対して全く効果を有さなかった。
【0004】
さらに、現在使用されている抗生剤を用いた治療中に選択されたAcinetobacter spp.又はC. difficileのような新たに出現した生物が、実際に病院環境内で問題となっている。
【0005】
加えて、持続性感染症の原因となる微生物は、消化性潰瘍又は心疾病のような重篤な慢性疾病の原因物質又は補助因子として益々認識されている。
【0006】
キメラ分子においては、天然の状態で別々に存在する2個又はそれ以上の分子が、一緒になって、その構成要素分子の全ての所望の機能を有する単一の実体(即ち、分子)を形成している。
【0007】
2つの異なる作用モードを有する2種の抗生物質が結合した分子が、文献(例、非特許文献1)に報告されている。しかしながら、その多数は、2つの抗生物質部分が生物活性化(例、中央のエステル切断、β-ラクタム切断)後に解放される。そのようなものとして、2つの異なる標的に結合する化学的及び生化学的に安定なキメラ分子は、さらに報告数が少ない。例えば、オキサゾリジノン−キノロンハイブリッドが、多様な多剤耐性病原体に対して有効な、有用な抗菌剤として報告されている(特許文献1、2、3、4及び5:)。さらに、これらハイブリッドの合成及び生物学的評価(非特許文献2)、並びに抗菌活性上の中央スペーサーの影響も、一連のオキサゾリジノン−キノロンの構造と活性の関係において報告されている(非特許文献3)。これらの全誘導体は、オキサゾリジノン薬理作用団の一部として、4−アミノメチル−オキサゾリジノン残基を含む。
【0008】
【非特許文献1】Journal of Antimicrobial Chemotherapy(1994), 33, 197-200
【特許文献1】WO03/032962
【特許文献2】WO03/031443
【特許文献3】WO2004/096221
【特許文献4】WO2005/023801
【特許文献5】WO2005/058888
【非特許文献2】Bioorg. & Med. Chem.(2003), 11, 2313-2319
【非特許文献3】Bioorg. Med. Chem. Lett.(2003), 13, 4229-4233
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、以後定義する式Iのキメラ誘導体は、多様な多剤耐性菌に対して有効性を示す、有用な抗菌剤であることが見出された。
【0010】
従って、本発明は、式Iの化合物及び式Iの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する:
【0011】
【化1】

式中
は、OH、OPO又はOCORであり;
は、H、OH又はOPOであり;
は、H又はハロゲンであり;
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり;
は、ピペリジン−4−イル、又はRは、天然に存在するアミノ酸、天然に存在するアミノ酸のエナンチオマー若しくはジメチルアミノグリシンの残基であり;そして
nは、0又は1である。
【0012】
式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0013】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしている。他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用される。
【0014】
特に言及しない限り、「アルキル」という用語は(単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も)、1から6個の炭素原子、好ましくは、1から3個の炭素原子を含む飽和直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。アルキル基の代表的な例には、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソ−ペンチル、n−ヘキシル及びイソ−ヘキシルが含まれるが、これに制限されることはない。「(C−C)アルキル」(xは整数)という用語は、1〜x個の炭素原子を含む、飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。
【0015】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素又は塩素を意味する。
【0016】
「シクロアルキル」という用語は、単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も、3〜5個の炭素原子を含む、飽和の環式炭化水素基を意味する。シクロアルキル基の代表的な例には、シクロプロピル及びシクロペンチルが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0017】
「トリ−(C−C)アルキルシリル」という用語は、シリル基の3個の水素原子のそれぞれが、同一の又は異なる(C−C)アルキル基によって置換されたシリル基を意味する。トリ−(C−C)アルキルシリル基の代表的な例には、トリメチルシリル及びtert−ブチルジメチルシリルが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0018】
「ジフェニル−(C−C)アルキルシリル」という用語は、シリル基の3個の水素原子の2個がフェニル基によって置換され、シリル基の3番目の水素原子が(C−C)アルキル基によって置換されたシリル基を意味する。ジフェニル−(C−C)アルキルシリルの例は、tert−ブチルジフェニルシリルである。
【0019】
がアミノ酸の残基と記されている場合、R−COOHが、対応するアミノ酸であることを意味する。
【0020】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。"Salt selection for basic drugs", Int. J. Pharm. (1986), 33, 201-217を参照してもよい。
【0021】
温度に関して、他の記載がされていない場合、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す;さらに、室温は、本出願において、25℃を意味する。
【0022】
特に、本発明は、式ICEの化合物でもある式Iの化合物及び式ICEの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する:
【化2】

式中
は、OH、OPO又はOCORであり;
は、H、OH又はOPOであり;
は、ハロゲン(特にフッ素)であり;
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり;
はピペリジン−4−イルであり、又はRは天然に存在するアミノ酸若しくは天然に存在するアミノ酸のエナンチオマーの残基であり(特にD−Ala又はL−Alaの残基)であり;そして
nは、0又は1である。
【0023】
本発明の特定の態様は、式Iの化合物でもある式Iの化合物及び式Iの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する:
【化3】

式中
は、OH、OPO又はOCORであり;
は、H、OH又はOPOであり;
は、H又はハロゲンであり;
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり;
は、天然に存在するアミノ酸、天然に存在するアミノ酸のエナンチオマー又はジメチルアミノグリシンの残基であり;そして
nは、0又は1である。
【0024】
式Iの化合物は、特に式ICEPの化合物である:
【化4】

式中
は、OH、OPO又はOCORであり;
は、H、OH又はOPOであり;
は、ハロゲン(特に、フッ素)であり;
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり;
は、天然に存在するアミノ酸又は天然に存在するアミノ酸のエナンチオマーの残基(特にD−Ala又はL−Alaの残基)であり;そして
nは、0又は1である。
【0025】
本発明の第一の主態様によると、式I又はIの化合物は、nが0であるような化合物である。そのような化合物は、以降、「式Iの化合物」と記載される。
【0026】
本発明の第二の主態様によると、式I又はIの化合物は、nが1であるような化合物である。そのような化合物は、以降、「式Iの化合物」と記載される。
【0027】
本発明の変形によれば、式I又はIの化合物は、下記の立体化学を持つような化合物である:
【化5】

式IT1の化合物はnが0であるような化合物(そのような化合物は、以降、「式I5T1の化合物」と記載される。)であってもよく、又はnが1であるような化合物(そのような化合物は、以降、「式I6T1の化合物」と記載される。)であってもよい。
【0028】
本発明の別の変形によれば、式Iの化合物は、下記の立体化学を持つような化合物である:
【化6】

【0029】
式IT2の化合物はnが0であるような化合物(そのような化合物は、以降、「式I5T2の化合物」と記載される。)であってもよく、又はnが1であるような化合物(そのような化合物は、以降、「式I6T2の化合物」と記載される。)であってもよい。
【0030】
本発明の別の変形によれば、式I又はIの化合物は、下記の立体化学を持つような化合物である:
【化7】

【0031】
式IC1の化合物はnが0であるような化合物(そのような化合物は、以降、「式I5C1の化合物」と記載される。)であってもよく、又はnが1であるような化合物(そのような化合物は、以降、「式I6C1の化合物」と記載される。)であってもよい。
【0032】
本発明のさらに別の変形によれば、式I又はIの化合物は、下記の立体化学を持つような化合物である:
【化8】

【0033】
式IC2の化合物はnが0であるような化合物(そのような化合物は、以降、「式I5C2の化合物」と記載される。)であってもよく、又はnが1であるような化合物(そのような化合物は、以降、「式I6C2の化合物」と記載される。)であってもよい。
【0034】
本発明の一つの主態様は、式Iの化合物でもある式Iの化合物及び式Iの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する:
【化9】

式中
は、H又はOHであり;
は、H又はハロゲンであり;
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり;そして
nは、0又は1である。
【0035】
本発明の別の主態様は、式IPGDの化合物でもある式Iの化合物及び式IPGDの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する:
【化10】

式中
がOHで、かつRがOPOであるか、又は、RがOPO又はOCORで、かつRが、H、OH又はOPOであり;
は、H又はハロゲンであり;
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり;
はピペリジン−4−イルであり、又はRは天然に存在するアミノ酸、天然に存在するアミノ酸のエナンチオマー若しくはジメチルアミノグリシンの残基であり;そして
nは、0又は1である。
【0036】
本発明の重要な変形によれば、本発明の式I又はIの化合物は、RがOHであるような化合物である。
【0037】
本発明の別の重要な変形によれば、式I又はIの化合物は、RがOPO又はOCORであるような化合物である。当該重要な変形の一つの亜変形は、RがOPOである式Iの化合物に関する。当該重要な変形の他の亜変形は、RがOCORである式Iの化合物に関する;この場合、Rは、好ましくは、ピペリジン−4−イルであるか、又はR−COOHがL−Alaであるような場合であり、特に、ピペリジン−4−イルである。
【0038】
本発明のさらに別の重要な変形によれば、式I又はIの化合物は、RがHであるような化合物である。
【0039】
本発明のさらに別の重要な変形によれば、式I又はIの化合物は、RがOHであるような化合物である。
【0040】
本発明のさらなる重要な変形によれば、式I又はIの化合物は、RがOPOであるような化合物である。
【0041】
好ましくは、アミノ酸残基Rは、R−COOHが、天然に存在するアミノ酸(特に、L−Ala)又はそのエナンチオマー(特に、D−Ala)であるようなアミノ酸残基である。より好ましくは、アミノ酸残基Rは、R−COOHが、天然に存在するアミノ酸(特に、L−Ala)であるようなアミノ酸残基である。
【0042】
式Iの好ましい化合物は、下記の特徴の少なくとも一つを有する化合物でもある:
−RがOH、OPO又はOCORで、Rがピペリジン−4−イルである;
−RがH又はOHである;
−Rがハロゲンである。
【0043】
式Iの好ましい化合物は、下記の特徴の少なくとも一つを有する化合物でもある:
−RがOH又はOPOである;
−RがH又はOHである;
−Rがハロゲンである。
【0044】
式I又はIのより好ましい化合物は、下記の特徴の少なくとも一つを有する化合物である:
−nが0である;
−RがOHである;
−RがH又はOHである;
−Rがフッ素である;
−Rが(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキルである。
【0045】
式I又はIのさらにより好ましい化合物は、下記の特徴の少なくとも一つを有する化合物である:
−nが0である;
−RがOHである;
−RがH又はOH(特に、OH)である;
−Rがフッ素である;
−Rがシクロアルキル(特に、シクロプロピル)である;
−式Iの化合物が式IT1の化合物でもある。
【0046】
式Iの下記の化合物、及びそれらの塩(特にそれらの薬学的に許容される塩)が特に好ましい:
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((R)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−エチル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16R)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ヒドロキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((S)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−{2−フルオロ−4−[(R)−2−オキソ−5−(ピペリジン−4−カルボニルオキシメチル)−オキサゾリジン−3−イル]−フェノキシメチル}−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸。
【0047】
式Iの下記の化合物、及びそれらの塩(特にそれらの薬学的に許容される塩)が特に好ましい:
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((R)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−エチル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16R)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ヒドロキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((S)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸。
【0048】
式I又はIのキメラ誘導体は、ヒト医療において、医薬、特に抗菌剤としての使用に適切であるが、動物医療においても、豚、反芻動物、馬、犬、猫及び家禽のような種の治療に適切である。
【0049】
本発明による式I又はIのキメラ誘導体は、感染症(とりわけ細菌感染症又は原虫感染症)及び感染症に関連した疾患(とりわけ細菌感染症又は原虫感染症に関連した疾患)の治療のための医薬の製造にも有用である。
【0050】
本発明による化合物は、特に細菌及び細菌様生物に対して活性である。従って、それらは、ヒト及び動物における、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Moraxella catarrhalis、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、E.faecium、E.casseliflavus、S.epidermidis、S.haemolyticus、又はPeptostreptococcus spp.による感染に関連した肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、扁桃炎、及び乳突炎;Streptococcus pyogenes、Groups C及びG streptococci、Corynebacterium diphtheriae、又はActinobacillus haemolyticumによる感染に関連した咽頭炎、リウマチ熱、及び糸球体腎炎;Mycoplasma pneumoniae、Legionella pneumophila、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連した気道感染症;例えば非限定的にβ−ラクタム、バンコマイシン、アミノグリコシド、キノロン、クロランフェニコール、テトラサイクリン及びマクロライド等の公知の抗菌剤に耐性の株を含む、S.aureus、S.haemolyticus、E.faecalis、E.faecium、E.duransを原因とする心内膜炎及び骨髄炎を含む血液及び組織感染;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococci(即ち、S.epidermidis、S.haemolyticus等)、Streptococcus pyogenes、Streptococcus agalactiae、Streptococcal群C−F(minute colony streptococci)、viridans streptococci、Corynebacterium minutissimum、Clostridium spp.、又はBartonella henselaeによる感染に関連した非併発性皮膚及び軟組織感染症及び膿瘍、並びに産褥熱;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococcal種、又はEnterococcus spp.による感染に関連した非併発性急性尿路感染症;尿道炎及び子宮頚管炎;Chlamydia trachomatis、Haemophilus ducreyi、Treponema pallidum、Ureaplasma urealyticum、又はNeiserria gonorrhoeaeによる感染に関連した性感染症;S.aureusによる感染に関連した毒素疾患(食中毒及び毒素ショック症候群)、又はA、B、及びC群streptococci;Helicobacter pyloriによる感染に関連した潰瘍;Borrelia recurrentisによる感染に関連した全身性熱性症候群;Borrelia burgdorferiによる感染に関連したライム病;Chlamydia trachomatis、Neisseria gonorrhoeae、S.aureus、S.pneumoniae、S.pyogenes、H.influenzae、又はListeria spp.による感染に関連した結膜炎、角膜炎、及び涙嚢炎;Mycobacterium avium、又はMycobacterium intracellulareによる感染に関連した播種性鳥型結核菌複合体(MAC)病;Mycobacterium tuberculosis、M.leprae、M.paratuberculosis、M.kansasii、又はM.cheloneiを原因とする感染症;Campylobacter jejuniによる感染に関連した胃腸炎;Cryptosporidium spp.による感染に関連した消化管内原虫;viridans streptococciによる感染に関連した歯性感染症;Bordetella pertussisによる感染に関連した持続性の咳;Clostridium perfringens又はBacteroides spp.による感染に関連したガス壊疽;並びにHelicobacter pylori又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連したアテローム性動脈硬化症又は心血管系疾病を含む、これら病原体を原因とする局所及び全身感染症、並びに細菌感染症に関連した疾患の予防及び化学療法に特に適切である。
【0051】
本発明による式I又はIの化合物は、さらに、例えばE.coli、Klebsiella pneumoniae及び他のEnterobacteriaceae、Acinetobacter spp.、Stenothrophomonas maltophilia、Neisseriameningitidis、Bacillus cereus、Bacillus anthracis、Corynebacterium spp.、Propionibacterium acnes並びにbacteroide spp等の細菌により仲介される感染症の治療のための医薬の製造に有用である。加えて、本発明による式Iの化合物は、さらに、C.difficileにより仲介される感染症の治療のための医薬の製造に有用である。
【0052】
本発明による式I又はIの化合物は、さらに、Plasmodium malaria、Plasmodium falciparum、Toxoplasma gondii、Pneumocystis carinii、Trypanosoma brucei及びLeishmania sppを原
因とする原虫感染症の治療に有用である。
【0053】
上記した病原体のリストは、単なる例として解釈するべきであり、限定を意図するものでは全くない。
【0054】
ヒトと同様、細菌感染症は、豚、反芻動物、馬、犬、猫及び家禽のような他の種においても治療し得る。
【0055】
従って、式I又はIの化合物又はこれらの薬学的に許容される塩は、医薬の製造のために使用することができ、細菌感染(特に、上記のリストで言及した病原体によって引き起こされるもの)の予防又は治療に適している。
【0056】
式I又はIの化合物及びこれらの化合物の薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0057】
医薬組成物は、当業者に馴染みのある方法(例えばMark Gibson, Editor, Pharmaceutical Preformulation and Formulation, IHS Health Group, Englewood, CO, USA, 2001;Remington, Science and Practice of PharmacY20th Edition, Philadelphia College of Pharmacy and Science参照)により、記載した式I又はIの化合物、及びそれらの薬学的に許容される塩を、場合により治療的に価値のある他の物質と組み合わせて、適切な、無毒かつ不活性な、治療的に適合し得る固体又は液体担体材料、及び所望であれば通常の医薬補助剤と共に製剤投与形態に組み合わせることにより製造することができる。
【0058】
本発明の別の側面は、薬剤的に活性な量の式Iによる化合物、又はその薬剤的に許容される塩を患者に投与することを含む、感染症の治療方法に関する。
【0059】
さらに、式I又はIの化合物は、例えば外科器具から病原菌及び細菌を除去し、又は部屋若しくは領域を無菌にするための、清浄目的に使用することもできる。その目的のために、式Iの化合物を、溶液中又はスプレー製剤中に含有させることができる。
【0060】
最後に、本発明は、nが1を表すような化合物であることを条件に、本出願に記載された特定の新規な合成中間体、すなわち、「式Iの化合物の製造」と題された部分に記載されている式XIa、XIb、XIIPG、XII、III、III’PG、III’、III’、IIIac、IIIep、及びそのような化合物の塩にも関する。
【0061】
従って、本発明は、式IIIINTの化合物又はそのような化合物の塩にも関する。
【化11】

式中、
は、H又はOHであり、
は、H若しくはSOであり、又は
及びR関し、RとORが、それらを保持する炭素原子とともに、アセトニド環を形成し、又は、
及びRに関し、RとORが、それらを保持する炭素原子とともに、エポキシド環を形成し(換言すれば、RとRが一緒になって結合を表し)、
は、H又はハロゲンであり、
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり、
は、H、(C−C)アルキル、アリル、ベンジル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、トリ−(C−C)アルキルシリル又はジフェニル−(C−C)アルキルシリルであり、そして
は、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、フェニル又はトリルである。
【0062】
式IIIINTの好ましい化合物は、下記の特徴の少なくとも一つ(好ましくは、組み合わせ)を有する化合物である:
−RはOHである;
−RはH又はSOであり、Rはメチル、トリフルオロメチル又はp−トリルである;
−Rはハロゲン(特に、フッ素)である;
−Rはシクロアルキル(特に、シクロプロピル)である;
−Rは、H又は(C−C)アルキルである。
【0063】
式IIIINTの化合物、及びそれらの塩は、好ましくは、以下の化合物から成る群より選択される:
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル;
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル。
【0064】
式I、I、ICE、ICEP、IT1、I5T1、I6T1、IT2、I5T2、I6T2、IC1、I5C1、I6C1、IC2、I5C2、I6C2、I又はIPDGの化合物へのいかなる言及も、適宜かつ好都合なように、それぞれ式I、I、ICE、ICEP、IT1、I5T1、I6T1、IT2、I5T2、I6T2、IC1、I5C1、I6C1、IC2、I5C2、I6C2、I及びIPDGの化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)にも言及しているものと理解されるべきである。また、式Iの化合物(化合物自体、その塩、化合物又はその塩を含有する組成物、化合物又はその塩の使用等のいずれかに関して)に示される優先性はいずれも、式I、ICE、ICEP、IT1、I5T1、I6T1、IT2、I5T2、I6T2、IC1、I5C1、I6C1、IC2、I5C2、I6C2、I又はIPDG.の化合物について準用される。
【0065】
本発明によれば、式Iの化合物は、下記の方法によって製造することができる。
【0066】
式Iの化合物の製造
略語
明細書及び実施例を通して、以下の略語が使われる:
【0067】
AcOH 酢酸
AD−mix α 1,4−ビス(ジヒドロキニン)フタラジン、
Fe(CN)、KCO及びKOsO.2H
AD−mix β 1,4−ビス(ジヒドロキニジン)フタラジン、
Fe(CN)、KCO及びKOsO.2H
Alloc アリルオキシカルボニル
aq. 水性
9−BBN 9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
BnBr 臭化ベンジル
Boc tert−ブトキシカルボニル
t−BuOK カリウムtert−ブチラート
Cbz ベンジルオキシカルボニル
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM ジクロロメタン
(DHQ)PHAL 1,4−ビス(ジヒドロキニン)フタラジン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMA ジメチルアセトアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
EDC 1−(ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
塩酸塩
ESI 電子スプレーイオン化
ether又はEtO ジエチルエーテル
EtOH エタノール
h 時間
Hex n−ヘキサン
Hept n−ヘプタン
HV 高真空条件
MeCN アセトニトリル
MCPBA メタ−クロロ過安息香酸
MeOH メタノール
ML 母液
MS 質量分析法
NaOMe ナトリウムメチラート
NMP N−メチルピロリジノン
org. 有機
Pd/C又はPd(OH)/C 木炭上パラジウム又は木炭上ジヒドロキシパラジウム
PPh トリフェニルホスフィン
Pt/C 木炭上白金
RF 保持係数
rt 室温
sat. 飽和した
SiO シリカゲル
TBDMS tert−ブチルジメチルシリル
TBDPS tert−ブチルジフェニルシリル
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
THP テトラヒドロピラニル
TMS トリメチルシリル
【0068】
一般的製造ルート
本発明に従い、式Iの新規な化合物は、
a) 式IIの化合物
【化12】

(式中、RはOH又はO−PGであり、PGはアセチル、ベンジル、THP、TBDMS、TBDPS又はTMS等の第一アルコールの保護基である。)を式IIIの化合物
【化13】

(式中、n、R及びRは式Iに定義された意味を有し、RはSOであり、Rは(C−C)アルキル(例えばメチル)、トリフルオロメチル、フェニル若しくはトリルであり、RはOH若しくはHであり、又はRとRは一緒になって結合(エポキシド)を形成し、又はRとORは環状カーボネート、サルフェート若しくはホスフェートを形成し、RはH、(C−C)アルキル(例えば、メチル、エチル又はtert−ブチル)、アリル、アリール−(C−C)アルキル(例えば、ベンジル、p−ニトロベンジル又はp−メトキシベンジル)、トリ−(C−C)アルキルシリル(例えば、TMS又はTBDMS)又はジアリール−(C−C)アルキルシリル(例えば、TBDPS)である。)と、有機溶媒(例えば、DMF)中、KCO等の無機塩基若しくはTEA等の有機塩基の存在下、好ましくは約10℃と100℃の間(より好ましくは、約40℃と80℃の間)で反応させることにより;又は

b) 式IVの化合物
【化14】

(式中、n、R、R及びRは式Iにおいて定義した意味を有し、Rは式IIにおいて定義した意味を有し、Yはハロゲンであり、R10は水素、(C−C)アルキル(例えば、メチル、エチル又はtert−ブチル)、アリル、アリール−(C−C)アルキル(例えば、ベンジル、p−ニトロベンジル又はp−メトキシベンジル)、トリ−(C−C)アルキルシリル(例えば、TMS又はTBDMS)又はジアリール−(C−C)アルキルシリル(例えば、TBDPS)である。)を、NMP等の有機溶媒中、TEA又はDIPEA等の有機塩基の存在下、好ましくは約10℃と100℃の間、より好ましくは約40℃と80℃の間で閉環させることにより;又は

c) 式Vの化合物
【化15】

(式中、n、R、R及びRは式Iにおいて定義した意味を有し、Rは式IIにおいて定義した意味を有し、Rは式IIIにおいて定義した意味を有し、Y’はOH又はハロゲンであり、R11はH又はNa若しくはKのようなアルカリ金属である。)を閉環させることにより;又は

d) 式VIの化合物
【化16】

(式中、n、R、R及びRは式Iにおいて定義した意味を有し、R12はH、アリール−(C−C)アルキル(例えば、ベンジル、p−ニトロベンジル又はp−メトキシベンジル)、トリ−(C−C)アルキルシリル(例えば、TMS又はTBDMS)又はジアリール−(C−C)アルキルシリル(例えば、TBDPS)であり、R13はOH又はOPO(OR)であり、Rはアリル、tert−ブチル又はベンジルである。)のR13基を、
d1) DCC、EDC、HOBT又はHATU等のカップリング剤の存在下、(G. Benz in Comprehensive Organic Synthesis, B.M. Trost, I. Fleming, Eds, Pergamon Press: New York (1991), vol. 6, p. 381)、20℃と60℃の間での、DCM、MeCN又はDMF等の乾燥非プロトン性溶媒中における、好ましくはDMAP等の塩基の存在下での、R13がOHである当該式IVの化合物の、式R−COOHの酸誘導体との反応により、若しくは
d2) R13がOPO(OR)である当該式VIの化合物の脱保護(例えば、Rがベンジルの場合には、パラジウム等の貴触媒上での触媒水素化、又はAcOH等の溶媒中における臭化水素酸での加水分解等、Protecting Groups, Kocienski, P., J., Thieme (1994)に概説されているように、Rの性質に応じて、種々の脱保護方法を用いることができる。)により、
式IのR基の一つに変換することにより;又は

e) 式VIIの化合物
【化17】


(式中、n、R及びRは、式Iにおいて定義した意味を有し、RはOHであり、PGはトリ−(C−C)アルキルシリル(例えば、TMS又はTBDMS)又はジアリール−(C−C)アルキルシリル(例えば、TBDPS)であり、PGは(C−C)アルキル(例えば、メチル、エチル又はtert−ブチル)、アリール−(C−C)アルキル(例えば、ベンジル、p−ニトロベンジル又はp−メトキシベンジル)、アリル、トリ−(C−C)アルキルシリル(例えば、TMS又はTBDMS)又はジアリール−(C−C)アルキルシリル(例えば、TBDPS)である。)を、上記の段落d)、パートd2)に記載した方法に従い、RがOPOである式Iの化合物に変換することにより;又は、
f) 式VIIIの化合物
【化18】

(式中、n、R、R、R及びRは、式Iにおいて定義した意味を有し、R14は(C−C)アルキル(例えば、メチル、エチル又はtert−ブチル)、アリール−(C−C)アルキル(例えば、ベンジル、p−ニトロベンジル又はp−メトキシベンジル)、アリル、トリ−(C−C)アルキルシリル(例えば、TMS又はTBDMS)又はジアリール−(C−C)アルキルシリル(例えば、TBDPS)である。)を、加水分解、けん化又は水素化分解により(例えば、Protecting Groups, Kocienski, P.J., Thieme(1994)に概説されているように)、式Iの化合物に変換することにより;又は

g) 式IXの化合物
【化19】

(式中、n、R及びRは、式Iにおいて定義された意味を有し、RはOH、トリ−(C−C)アルキルシリルオキシ(例えば、O−TMS又はO−TBDMS)又はジアリール−(C−C)アルキルシリルオキシ(例えば、O−TBDPS)であり、Rはシクロプロピルであり、R15はH、(C−C)アルキル(例えば、メチル、エチル又はtert−ブチル)、アリール−(C−C)アルキル(例えば、ベンジル、p−ニトロベンジル又はp−メトキシベンジル)、トリ−(C−C)アルキルシリル(例えば、TMS又はTBDMS)又はジアリール−(C−C)アルキルシリル(例えば、TBDPS)である。)を、20と120℃の間の温度(好ましくは、70と90℃の間の温度)での、DMA等の極性溶媒中におけるパラジウム又は白金等の貴金属触媒上での水素化分解により、RがHである式Iの化合物に変換することにより、
製造することができる。
【0069】
上記の方法に関して、以下を留意する必要がある:
−変形a)、b)及びc)に関し、RがO−PGである場合には、追加の脱保護工程が必要である(このような反応を行う一般的な方法は、Protecting groups, Kocienski, P.J., Thieme (1994)に概説されている。);
−変形a)、b)、c)及びd)に関し、R、R10又はR12がHでない場合には、追加の加水分解工程が必要であり、そのような工程は、変形e)について提案された方法の一つを適用することにより行われる;
−変形a)に関し、R=R=Hである場合には、反応は、(Synthesis (1981), 1, 1-28に記載されているように)Mitsunobu条件下で行われる;
−変形b)に関し、式IVの化合物は、その活性化された形態、すなわちR10がBF又はB(OC(=O)(C−C)アルキル)であることを除いては同一の化合物、で代替してもよい。
−変形c)に関し:
−R11がHであり、Y’がOHである場合には、反応は、、(Synthesis (1981), 1, 1-28に記載されているように)Mitsunobu条件下で行われ、
−R11がNa又はKであり、Y’がハロゲンである場合には、反応は、THF、N,N−ジメチルイミダゾリン−2−オン又はDMF等の溶媒中、約40℃と80℃の間の温度にて行われる;
−変形d)に関し、R12がHでない場合には、上記の方法の変形f)において記載した工程のような、追加の脱保護工程が必要である;
−変形e)に関しては、保護基PG及びPGを除くために、追加の脱保護工程が必要である(このような反応を行う一般的な方法は、Protecting groups, Kocienski, P.J., Thieme (1994)に概説されている。);
【0070】
上記の一般的製造方法に従って得られた式Iの化合物は、所望であれば、続いて、それらの塩、特にそれらの薬学的に許容される塩に変換してもよい。
【0071】
更に、式Iの化合物がエナンチオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、エナンチオマーは当業者に周知の方法を用いて(例えば、ジアステレオマー塩の形成及び分離、又はキラル固定相上でのクロマトグラフィーにより)分離することができる。式Iの化合物がジアステレオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、それらはシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC及び結晶化技術の適切な組み合わせにより分離することができる。
【0072】
本発明によれば、式Iの化合物は、以下に記載した方法により製造することができる。
【0073】
種々の合成中間体の製造
式IIの化合物の製造
式IIの化合物は、THF、MeOH若しくはAcOEt等の溶媒中、0℃と40℃の間での、Pd/C又はPt/C等の貴金属触媒上での式Xの化合物
【化20】

の水素化、又は、RがOHである式IIの化合物については、AcOH等の溶媒中、0℃と80℃の間における、HBrの水若しくはAcOH溶液の存在下での加水分解により得ることができる。RがOHである式Xの化合物は、WO2004/096221に従って得られた。RがOPO又はOCORである式Xの化合物は、「一般的製造ルート」の部のパートd)において提案された方法に従って製造することができる。
【0074】
式IIIの化合物の製造
式IIIの化合物は、以下のスキーム1に示される化学ルートに従って製造することができる。
【化21】

【0075】
式IIIの化合物(スキーム1)(式中、RはOHであり、RはSOであり、Rはアルキル、トリフルオロメチル又はフェニル若しくはp−トリルのようなアリールである。)は、式III’の化合物(式中、RはHである。)から、DCM又はTHF等の溶媒中、TEA等の有機塩基の存在下、−10℃と50℃の間で、対応する塩化スルホニルと反応させることにより得られる。式IIIの化合物は、式IIIepのスピロオキシラン誘導体の製造に使用でき、当該反応は、塩基性条件下で(例えば、DMF等の溶媒中、NaCOを用いて)行われる。R7=Hである式III’の化合物は、RがPGである式III’PGの化合物から得られる。使用し得る典型的な保護基PGは、THPエーテル、メトキシメチル若しくは2−メトキシエトキシメチルエーテル、アリルエーテル、トリアルキルシリルエーテル又はアルキルエステルである;それらの形成及び除去は、Protecting Groups, Kocienski, P.J., Thieme(1994)に記載されている。式III’PGの化合物(式中、RはH、アルキル又はアリールアルキルである。)は、Mitsunobu条件下(YがOHのとき)での、又は式XI(式中、YはOHである)の化合物の第一級アルコール官能基を、そのアルキル−又はアリール−スルホネートに変換した後、THF若しくはDMF等の溶媒中、NaCO若しくはDBU等の塩基性条件下、20℃と100℃の間での分子内閉環により製造される。式III’PGの化合物は、Y=Fである式XIの化合物から、NaH、LDA、DBU又はアルカリアルコキシレート等の強塩基の存在下での分子内閉環によっても製造することができる。R16とRが一緒になってアセトニドを形成する場合、得られた式III’のアセトニド誘導体を酸で処理して、R=OHであり、R=Hである対応する式III’の化合物が得られる。また、式III’又はIII’PGの化合物は、式XIIの化合物(式中、RはH、アルキル又はアリールアルキルであり、R17はHである)から、THF、NMP又はDMF等の溶媒中、20℃と100℃の間での分子内閉環後に得ることもできる。Rがアルキル又はアリールアルキルの場合、式IIIacの遊離酸は、Protecting Groups, Kocienski, P.J., Thieme(1994)に記載されている標準的な手順(例えば、R=ベンジルについては、Pd/C上での水素化;R=tert−ブチルについては、TFA、又はHClのTHF若しくはMeOH等の有機溶媒溶液による酸性処理;R=メチル又はエチルについては、酸性又は塩基性加水分解)に従って解放される。
【0076】
式XIの化合物は、式XVの7,8−ジハロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸誘導体(式中、Y及びYは、共にハロゲン原子であり、RはH、アルキル又はアリールアルキルである。)から、NMP等の極性溶媒中、TEA又はDIPEA等の有機塩基の存在下での、約30℃と100℃の間、好ましくは約50℃と80℃の間における、式XIIIのピロリジン誘導体(式中、R16はO−PGであり、PGは式III’PGの化合物について定義した意味を有し、RはH若しくはOHであるか、又はR16とRは一緒になってアセトニドを形成し、他の記号は、前記した通りの意味を有する。)との反応により得られる(スキーム1)。式XVの化合物は、一時的に、それらの対応するボラン誘導体(すなわちRがBF又はB(OC(=O)(C−C)アルキル)であることを除いては同一の化合物)に変換することもできる。
【0077】
式XIIの化合物は、標準的な方法を用いて、式XIIPG(R17=PG)の化合物の保護基を除去することにより得られる。保護基の性質に応じて、アミノ基の脱遮蔽に、例えばBoc及びCbzの場合、TFAを使用して、又はCbz基の場合、Pd/C及び水素等の触媒を使用した水素化分解等の数個の戦略を使用することができる。
【0078】
式XIIPGの化合物は、式XVIの8−ヒドロキシ−7−ハロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸誘導体を、Mitsunobu条件下で、式XIV(式中、R16はO−PGであり、PGは式III’PGの化合物について定義した意味を有し、RはH若しくはOHであり、PGは、例えばBoc、Alloc又はCbzであり得るが、Protecting Groups, Kocienski, P.J., Thieme(1994)に概説される様々な他の保護基を使用し得る)のアルコール誘導体と反応させて、又はTHF若しくはDCM等の溶媒中、TEA若しくはピリジン等の有機塩基の存在下、約−30℃と60℃の間、好ましくは約−10℃と+30℃の間で、(C1−C3)アルキルスルホニルハライド(例えば、メチルスルホニルクロリド)若しくは(フェニル−又はp−トルエンスルホニルクロリドのような)アリール−スルホニルハライドとの反応後に得られる、式XIVのアルコールの対応するアルキル若しくはアリールスルホネートと反応させることにより得られる(スキーム1)。
【0079】
式XIIIの化合物は、式XIVの化合物の脱保護により得られる。R16及びRが共にOHである式XIVの化合物は、AD−mix α又はβを用いたSharpless不斉ジヒドロキシル化により、対応する4−メチリデン誘導体から製造される(J.Org. Chem.(1992), 57, 2768)。第一級アルコール官能基は、場合により、上述したように、アルキル又はアリールスルホニルクロリドとの反応により、その対応するスルホネートに変換される。
【0080】
がHであり、R12がOHである式XIVの化合物は、J. Am. Chem. Soc.(1968), 90, 5281に記載されているように、対応する4−メチリデン誘導体を、ボラン−ジメチルスルフィド複合体又はボラビシクロ[3.3.1]ノナンでヒドロホウ素化することにより得られる。
【0081】
式IVの化合物の製造
Y=Y=ハロゲンである式IVの化合物は、以下のスキーム2に要約されるように製造することができる。
【化22】

【0082】
Y=Y=ハロゲンである式IVの化合物は、標準的な条件(例えば、Bocに関しては、ニートの若しくはDCM等の有機溶媒中で希釈したTFA、又はエーテル若しくはTHF等の有機溶媒中で希釈したHCl)を用いて、式XVIIの化合物をN−脱保護することにより得られる(スキーム2)。式XVIIの化合物は、前記した式XVIの8−ヒドロキシ−7−ハロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸誘導体を、Mitsunobu条件下で、又はXVIIIの第一級アルコール官能基をその対応するメシレートに予め変換し、NaCO等の無機塩基、若しくはDBU等の有機塩基で処理した後、式XVIIIの化合物とカップリングすることにより得られる。
【0083】
式XVIIIの化合物は、式IIの化合物の式IIIの化合物との反応について記載した条件下で、式XIXの化合物(式中、R18はアルキル−、トリフルオロメチル−又はアリール−スルホニルであり、RはH若しくはOHであるか、又はRとR18はエポキシド環を閉じる。)を、式IIの化合物と反応させることにより得られる。
【0084】
式Vの化合物の製造
11がHである式Vの化合物は、以下のスキーム3に要約されるように製造することができる。
【化23】

【0085】
11がHである式Vの化合物は、式XIaの化合物の製造について前記した条件と同一条件下、式XXの化合物を、式XVの7,8−ジハロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸誘導体又は式XVIの7−ハロ−8−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸誘導体と反応させることにより得られる(スキーム3)。式XV又はXVIの化合物は、それらのボラン誘導体(すなわち、RがBF又はB(OC(=O)(C−C)アルキル)であることを除いては同一の化合物)で代替することも可能である。式XXの化合物は、標準的な方法を用いた式XVIIIの化合物の脱保護により製造される。
【0086】
11がアルカリ金属である式Vの化合物は、R11がHである式Vの化合物から、標準的な方法を用いて得ることができる。
【0087】
式VIの化合物の製造
13がOHである式VIの化合物は、下記のように得ることができる:
−R12がHである式VIの化合物については、RがOHである式Iの化合物を得るために、既に記載したいずれかのルートにより;
−R12がアリール−(C−C)アルキル、トリ−(C−C)アルキルシリル又はジアリール−(C−C)アルキルシリルである式VIの化合物については、RがO−PGである式IIの化合物を、RがH又はOHであり、Rがアリール−(C−C)アルキル、トリ−(C−C)アルキルシリル又はジアリール−(C−C)アルキルシリルである式IIIの化合物と、(一般的製造ルートの変形a)において記載したように)カップリングし、標準的な方法により、保護基O−PGを後で除去することにより。
【0088】
13がOPO(OR)である式VIの化合物は、テトラゾール又は4,5−ジシアノイミダゾールの存在下、DCM等の溶媒中で、-40℃と30℃の間にて、R13がOHである式VIの化合物を、式XXIのホスフォラミダイト誘導体
【化24】

(式中、Rはベンジル、アリル又はtert−ブチルである。)で変換し、続いてtert−ブチル ヒドロペルオキシド、過酸化水素又はMCPBA等の有機過酸のような酸化剤を用いて、0℃と30℃の間で、in situでの酸化を行うことにより得ることができる。
【0089】
式VIIの化合物の製造
式VIIの化合物は、RがO−PGである式IIの適宜な化合物を、RがHではない前記式IIIの適宜な化合物と、(一般的製造ルートの変形a)において記載したように)カップリングすることにより得ることができる。
【0090】
式VIIIの化合物の製造
【0091】
がOHである式VIIIの化合物は、RがOHである式IIの適宜な化合物を、RがHでない前記式IIIの適宜な化合物と、(一般的製造ルートの変形a)において記載したように)カップリングすることにより得ることができる。
【0092】
がOPOである式VIIIの化合物は、RがOHである式VIIIの化合物より、R13がOPO(OR)である式VIの化合物の製造について記載したように、式XXIの化合物との反応により得ることができる。
【0093】
がOCORである式VIIIの化合物は、RがOHである式VIIIの化合物より、一般的製造ルートの変形d2)において記載したように、式R−COOHの酸誘導体との反応により得ることができる。
【0094】
式IXの化合物の製造
式IXの化合物は、式VI又はVIIの化合物であり、又はこれらの化合物から、標準的な方法を用いることにより得ることができる。
【0095】
以下の実施例は、本発明の薬理学的に活性な化合物の製造についてさらに説明するが、発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0096】
全ての温度は、℃で表す。非キラル相に関する全ての分析及び調製HPLC検査は、RP−C18ベースのカラムを用いて行われる。分析HPLC検査は、2つの異なる機器上で、各々〜2.5分及び〜3.5分のサイクル時間で行う。特に示さない限り、MSに関して示す値は、ESI法を用いて得られた主ピーク(+/−0.5単位の変動を伴う(M+H))に対応する。NMRスペクトルにおいて、カップリング定数Jは、Hzで示す。
【0097】
標準の後処理手順
適宜な有機溶媒(対応する実施例の記述を見よ。)での希釈の後、有機相を分離し、水及び塩水で順に洗浄する。反応を水溶性溶媒(例えば、MeOH、THF又はDMF)中で行った場合には、合わせた水相を、後処理を行うために用いた溶媒と同じ溶媒にて再洗浄する。合わせた有機相は、MgSO上で乾燥し、ろ過する。ろ液は、減圧下で溶媒を蒸発させる。
【0098】
標準のクロマトグラフィー手順:
粗生成物を最小限の溶出液(対応する実施例の記述を見よ。)に溶解し、SiO上でクロマトグラフィーを行う。関連する画分をプールし、減圧下で溶媒を蒸発させる。
【0099】
実施例1
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
1.i. 1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−8−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸(13.02g)の、HBrのAcOH溶液(33%;100ml)中の溶液を、100℃で1日撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、水(400ml)で希釈した。得られた結晶をろ過により集め、乾燥後、12.4gの無色の物質を得た。.
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.09-1.23 (4H, m); 4.32 (1H, m); 7.70 (dd, 1H, J = 8及びJ = 10); 8.75 (1H, s); 11.66 (1H, ブロード); 14.78 (1H, s)。
【0100】
1.ii. 8−ベンジルオキシ−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
中間体1.i(1g)のDMF(15ml)溶液を、1N NaOH(3.56ml)で処理した。15分間の撹拌後、黄色の溶液をBnBr(486μl)で処理した。反応混合物をrtで1h撹拌し、水(50ml)で希釈し、得られた無色の結晶をろ過して乾燥した後、1gの固体を得た。MS: 372.1。
【0101】
1.iii. 8−ベンジルオキシ−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.ii(59.23g)のDMF(300ml)溶液を、KCO(24.24g)及び臭化エチル(14.28ml)で処理し、50℃で1h加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をDCMに溶解し、塩水で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下で溶媒を蒸発させた。残渣をEA/ether中に懸濁させ、0℃で撹拌した後、減圧下でろ過、乾燥し、51.7 gの無色の結晶を得た。MS: 399.8。
【0102】
1.iv. 1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸 エチルエステル:
中間体1.iii(52.38g)のTHF(900ml)及びEtOH(100ml)中の溶液を、Pd(OH)(3g)上で2h水素化した。懸濁液をDCM(1l)及びEtOH(100ml)で希釈し、35℃に加熱し、ろ過した。MLを真空濃縮し、結晶をろ過により集めた。固体を熱EA(300ml)中に懸濁し、1h撹拌した。懸濁液をろ過して、無色の結晶(37g)を得た。MS: 310.1。
【0103】
1.v. 8−((2S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−メチレン−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:
(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチレン−1−ピロリジンカルボン酸 tert−ブチルエステル(2.58g;J. Org. Chem. (2003), 68, 3923-3931)、中間体1.iv(3.56g)及びPPh(4.44g)のTHF(100ml)溶液に、DIAD(2.85ml)のTHF(7ml)溶液を、1.5時間以上かけて滴下した。反応液をrtでさらに16h撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をether/Hex(150ml、1/1)の混合物中で撹拌した。固体をろ過により除去し、ろ液を真空濃縮した。残渣を、同じ溶媒混合物中で再度撹拌し、2番目の結晶をろ過により除去した。ろ液を真空濃縮し、残渣をSiO(EA/Hex、1:9)上のクロマトグラフィーで精製した。関連画分をプールし、減圧下で溶媒を蒸発させ、EA/Hex(1:1)から結晶化して、4.48gの表題化合物を無色の固体として得た。MS: 505.5。
【0104】
1.vi. 8−((2S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−メチレン−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
中間体1.v(1.01g)のジオキサン(10ml)溶液を、水酸化リチウム一水和物(0.17mg)及び水(1.5ml)で処理した。反応混合物をrtで1日撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去し、水性の残渣を水(2mL)で希釈し、1N HClでpH2に酸性化した。得られた固体をろ過により集め、HV下で乾燥して、0.84gの無色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.08-1.25 (4H, m); 1.40 (9H, s); 2.70 (1H, m); 2.90 (1H, m); 3.83 (1H, m); 4.00 (1H, m); 4.10-4.24 (3H, m); 4.30 (1H, m); 5.07 (2H, m); 8.05 (1H, m); 8.78 (1H, s); 14.50 (1H, s)。MS: 477.2。
【0105】
1.vii. 8−((2S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−メチレン−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体1.vi(899mg)のDMF(5ml)溶液を、KCO(365mg)及びBnBr(0.23ml)で処理した。反応混合物を60℃で3h撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をDCM中に溶解し、塩水で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発させた。残渣をether/Hexから結晶化させ、薄黄色の固体(867mg)を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.00-1.15 (4H, m); 1.40 (9H, s); 2.65 (1H, m); 2.87 (1H, m); 3.80 (1H, m); 3.93-4.26 (4H, m); 4.3 (1H, m); 5.06 (2H, m); 5.28 (2H, s); 7.30-7.42 (3H, m); 7.45-7.51 (2H, m) 7.87 (1H, m); 8.57 (1H, s)。MS: 567.5。
【0106】
1.viii. 8−[(2S,4S))−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−2−イルメトキシ)]−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
tert−ブタノール(10ml)と水(10ml)の混合物を、フェリシアン化カリウム(1.51g)、無水オスミウム酸カリウム(0.006g)、KCO(0.64g)及び(DHQ)PHAL(0.024g)と共に、二つの澄んだ相が形成されるまで撹拌した。中間体1.vii(0.867g)を添加し、反応混合物を0℃で撹拌し、HPLCでモニターした。反応液を3日間撹拌し、rtにて、ピロ硫酸ナトリウム(2.3g)で注意深く処理した。混合物をDCMで希釈し、水相をDCMで2回洗浄した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、MgSO/フラー土上で乾燥し、ろ過した。ろ液を、減圧下にて蒸発乾固させた。残渣をクロマトグラフィーにて精製し(溶出液:DCM/MeOH、95/5)、泡状物(0.914g;収率98%)を得た。MS: 601.1。
【0107】
1.ix. 1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−8−[(2S,4S)−4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−2−イルメトキシ]−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 ベンジルエステル 塩酸塩:
中間体1.viii(900mg)を、3.7M HClのジオキサン(10ml)溶液に溶解した。溶液を数滴の水で処理し、混合物をrtで30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEA中で撹拌した。結晶をろ過により集め、HV下で乾燥し、無色の固体(802mg)を得た。MS: 501.2。
【0108】
1.x. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−16−ヒドロキシメチル−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体1.ix(802mg)のNMP(4ml)溶液を、NaHCO(313mg)及びDIPEA(0.256ml)で処理した。混合物を80℃で1h撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をDCM/MeOH(9:1)混合物に溶解し、水及び塩水で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣をMeCNから結晶化し、固体(215mg)を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.9-1.10 (4H, m); 1.65 (1H, dd, J = 13及びJ = 10); 2.34 (1H, dd, J = 13及びJ = 8); 3.35 (1H, m); 3.44 (2H, d, J = 4); 3.58 (1H, m); 3.75 (1H, m); 3.93 (1H, dd, J = 10及びJ = 7); 4.07 (1H, m); 4.48 (1H, dd, J = 10及びJ = 7); 4.86 (1H, s); 4.96 (1H, t, J = 4); 5.15 (2H, s); 7.26-7.50 (6H, m); 8.45 (1H, s)。MS: 481.3。
【0109】
1.xi. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−16−メタンスルホニルオキシメチル−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体1.x(215mg)のピリジン(0.7ml)溶液を、メタンスルホニルクロリド(56mg)で処理した。反応をHPLCでモニターした。ピリジンを減圧下で蒸発させ、残渣をDCMに溶解した。有機相を水、0.1N HCl及び塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、ろ液を蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(溶出液:DCM/MeOH、95/5)にて精製した。残渣をEA/Hex混合物から結晶化させ、205mg(収率82%)の無色の泡状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.9-1.10 (4H, m); 1.82 (1H, dd, J = 14及びJ = 3); 2.33 (1H, dd, J = 14及びJ = 8); 3.24 (3H, s); 3.47 (1H, dd, J = 10及びJ = 3); 3.65 (1H, m); 3.72 (1H, m); 3.93 (1H, dd, J = 14及びJ = 3); 4.07 (1H, m); 4.30 (2H, s); 4.51 (1H, dd, J = 10及びJ = 3); 5.16 (2H, s); 7.28-7.50 (6H, m); 8.47 (1H, s)。MS: 559.1。
【0110】
1.xii. (R)−3−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン:
(R)−3−(4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(6.34g、WO2004/096221に従って製造。)のTHF/MeOH(1:1;200ml)溶液を、Pd/C 10%(1g)上で、一晩水素化した。触媒をろ過により除去し、ろ液を減圧下で蒸発させ、残渣をEA中で撹拌した。結晶をろ過により集め、3.16g(収率70%)の無色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 3.5 (m, 1H), 3.64 (m, 1H), 3.74 (dd, J = 9及びJ = 6, 1H), 3.99 (t, J = 9, 1H), 4.64 (m, 1H), 5.16 (t, J = 6, 1H), 6.93 (dd, J = 10及びJ = 9, 1H), 7.08 (ddd, J = 9, J = 3及びJ = 1, 1H), 7.45 (dd, J = 14及びJ = 3, 1H), 9.66 (s, 1 H)。MS: 228.1。
【0111】
1.xiii. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体1.xi(1.12g)及び1.xii(477mg)の乾燥DMF(10ml)溶液をKCO(414mg)で処理した。反応液を80℃で5h撹拌した。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣をDCM/MeOH、9/1に溶解し、後処理及びクロマトグラフ(DCM/MeOH、95:5)を行い、0.923g(収率67%)のアモルファスフォームを得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.90−1.12 (4H, m); 1.86 (1H, dd, J = 4及びJ = 14); 2.45 (1H, dd, J = 9及びJ = 14); 3.51−3.60 (2H, m); 3.63−3.71 (2H, m); 3.78 (1H, t, J = 10); 3.81 (1H, dd, J = 6及びJ = 9); 4.01−4.10 (3H, m); 4.12 (2H, s); 4.53 (1H, dd, J = 3及びJ = 10); 4.66−4.73 (1H, m); 5.20 (1H, t, J = 6); 5.27 (2H, s); 5.35 (1H, s); 7.21−7.35 (3H, m); 7.37−7.42 (2H, m); 7.45−7.51 (3H, m); 7.57−7.53 (1H, m); 8.46 (1H, s)。MS: 689.8。
【0112】
1.xiv. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3 カルボン酸:
中間体1.xiii(920mg)のTHF/MeOH(50ml;1:1)溶液を、10% Pd(OH)/C(0.2g)上で一晩、水素化した。触媒をろ過により除去し、ろ液を蒸発させ、残渣をDCM/MeOH(8:2;200ml)で撹拌した。スラリーをろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させ、DCM(50ml)中で撹拌した。結晶を集め、0.468g(収率59%)の黄色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.98−1.15 (4H, m); 1.86 (1H, dd, J = 4及びJ = 14); 2.40−2.46 (1H, m); 3.50−3.82 (6H, m); 4.00−4.08 (2H, m); 4.11 (2H, s); 4.17−4.26 (1H, m); 4.59 (1H, dd, J = 2及びJ = 9); 4.63−4.71 (1H, m); 5.17 (1H, t, J = 6); 5.37 (1H, s); 7.19−7.28 (2H,m); 7.54−7.62 (2H, m); 8.59 (1H, s). 15.25 (1H,s)。MS: 600.5。
【0113】
実施例2
(13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((R)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
2.i. (13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体1.xiii(344mg)のDMF(3ml)溶液を、rtで2h、Boc−D−Ala−OH(122mg)、EDC(124mg)及びDMAP(31mg)で処理した。DMFを蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(DCM/MeOH 95:5)で精製した。残渣をether中で撹拌し、固体をろ過し、真空乾燥し、373mg(収率87%)の白色の固体を得た。MS: 861.2。
【0114】
2.ii. (13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
中間体2.i(373mg)のMeOH/ジオキサン、1:1(20ml)溶液を、10% Pd/C(100mg)上で6h水素化した。触媒をろ過により除去し、ろ液を減圧下で蒸発させた。残渣をMeOH中で撹拌し、固体をろ過し、真空乾燥して、242mg(収率72%)の黄色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.99−1.12 (4H, m); 1.20 (3H, d, J = 7); 1.35 (9H, s); 1.89 (1H, dd, J = 4及びJ = 14); 2.39−2.47 (1H, m); 3.65 (1H, dd, J = 5及びJ = 11); 3.70−3.83 (3H, m); 4.03 (1H, t, J = 7); 4.08 (1H, dd, J = 3及びJ = 11); 4.12−4.19 (3H, m); 4.21−4.27 (1H, m); 4.29−4.40 (2H, m); 4.62 (1H, dd, J = 3及びJ = 10); 4.90−4.96 (1H, m); 5.40 (1H, s); 7.20−7.32 (3H, m); 7.58 (1H, d, J = 3及びJ = 14); 7.60 (1H, d, J = 13); 8.63 (1H, s); 15.23 (1H, s)。
【0115】
2.iii. (13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((R)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
中間体2.ii(156mg)のジオキサン(2ml)中の懸濁液を5N HCl(0.24ml)で処理した。混合物をrtで一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をジオキサン中で撹拌し、ろ過により集め、真空乾燥し、143mg(収率99%)の黄色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.99−1.12 (4H, m); 1.35 (3H, d, J = 7); 1.89 (1H, dd, J = 4及びJ = 14); 2.43−2.49 (1H, m); 3.63 (1H, dd, J = 5及びJ = 11); 3.69−3.88 (3H, m); 4.08 (1H, dd, J = 3及びJ = 11); 4.10−4.26 (5H, m); 4.38−4.52 (2H, m); 4.59 (1H, dd, J = 2及びJ 9); 4.91−5.01 (1H, m); 7.19−7.31 (2H, m); 7.56 (1H, dd, J = 3及びJ = 14); 7.58 (1H, d, J = 13), 8.45 (2H, s ブロード ); 8.61 (1H, s)。MS: 671.2。
【0116】
実施例3
(13S,16S)−1−エチル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
3.i. 1−エチル−6,7−ジフルオロ−8−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
48%HBr(35ml)水溶液を、1−エチル−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル(9.34g;EP241206に従って製造。)のAcOH(30ml)溶液に添加した。オレンジ色の溶液を110℃で24h撹拌した。それを水(200ml)中に注ぎ、灰−白色の沈殿をろ過した。結晶を集め、真空乾燥し、6.37g(収率79%)のベージュ色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.43 (3H, t, J = 7); 4.85 (2H, q, J = 7); 7.76 (1H, dd, J = 8及びJ = 10); 8.91 (1H, s); 12.02 (1H, ブロード); 14.90 (1H, ブロード)。MS: 269.8。
【0117】
3.ii. 1−エチル−6,7−ジフルオロ−8−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:
クロロトリメチルシラン(30ml)を、中間体3.i(6.26g)のDCM(55ml)及びEtOH(55ml)中の懸濁液に添加した。反応混合物を60℃で6日間撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。残渣を水(100ml)中に取り、rtで撹拌し、ろ過した。結晶をエーテル(4x25ml)で洗浄し、集め、真空乾燥して、6.21g(収率90%)の茶色がかった固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.28 (3H, t, J = 7); 1.37 (3H, t, J = 7); 4.22 (2H, q, J = 7); 4.66 (2H, q, J = 7); 7.63 (1H, dd, J = 9及びJ = 11); 8.55 (1H, s); 11.51 (1H, s)。MS: 298.1。
【0118】
3.iii. 8−((S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−メチレン−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1−エチル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:

中間体3.ii(2.50g)、(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチレン−1−ピロリジンカルボン酸 tert−ブチルエステル(1.98g)、PPh(3.30g)及びDIAD(2.66ml)より、実施例1、工程1.vの手順を用いて、この化合物を、ベージュ色の固体として、52%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.29 (3H, t, J = 7); 1.33 (3H, t, J = 7); 1.42 (9H, s); 2.65−2.75 (1H, m); 2.85−2.99 (1H, m); 3.75−3.93 (1H, m); 3.95−4.35 (4H, m); 4.23 (2H, q, J = 7); 4.43−4.55 (2H, m); 5.06 (2H, s); 7.93 (1H, dd, J = 9及びJ = 10); 8.62 (1H, s); (40% PPh3Oにより汚染。)。MS: 492.8。
【0119】
3.iv. 8−((S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−メチレン−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1−エチル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
中間体3.iii(3.0g)及びLiOH(803mg)より、実施例1、工程1.viの手順を用いて、この化合物を無色の固体として、59%の収率で得た。酸性化する前に、粗反応生成物をジオキサン/EA(1:1;80ml)の混合物中で撹拌し、ろ過した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.38 (3H, t, J = 7); 1.42 (9H, s); 2.65−2.75 (1H, m); 2.87−3.02 (1H, m); 3.75−3.93 (1H, m); 3.95−4.38 (4H, m); 4.60−4.75 (2H, m); 5.06 (2H, s); 8.10 (1H, dd, J = 9及びJ = 10); 9.00 (1H, s); 14.71 (1H, s)。MS: 465.0。
【0120】
3.v. 8−((S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−メチレン−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1−エチル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体3.iv(1.67g)、KCO(747mg)及びBnBr(0.47ml)より、実施例1、工程1.viiの手順を用いて、この化合物を、オレンジ色の油状物として、100%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.32 (3H, t, J = 7); 1.42 (9H, s); 2.65−2.75 (1H, m); 2.82−3.00 (1H, m); 3.75−3.93 (1H, m); 3.95−4.35 (4H, m); 4.45−4.58 (2H, m); 5.06 (2H, s); 5.30 (2H, s); 7.30−7.44 (3H, m); 7.47−7.52 (2H, m); 7.96 (1H, dd, J = 9及びJ = 10); 8.68 (1H, s)。MS: 554.9。
【0121】
3.vi. 8−((2S,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1−エチル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体3.v(2.27g)及びAD−mix αより、実施例1、工程1.viiiの手順を用いて、この化合物を、ベージュ色の固体として、69%の収率(dr 93:7)で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.30−1.45 (12H, m); 1.85−1.98 (1H, m); 2.15−2.33 (1H, m); 3.07−3.18 (1H, m); 3.30−3.37 (2H, m); 3.43−3.50 (1H, m); 4.12−4.37 (2H, m); 4.46 (1H, t, J = 9); 4.50−4.65 (2H, m); 4.82−4.90 (1H, m); 4.93 (1H, t, J = 6); 5.31 (2H, s); 7.31−7.43 (3H, m); 7.48−7.52 (2H, m); 7.95 (1H, dd, J = 9及びJ = 10); 8.69 (1H, s)。MS: 588.8。
【0122】
3.vii. 1−エチル−6,7−ジフルオロ−8−((2S,4S)−4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−2−イルメトキシ)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 ベンジルエステル 塩酸塩:
中間体3.vi(1.66g)及び6M HClのジオキサン(2.3ml)溶液より、実施例1、工程1.ixの手順を用いて、この化合物を無色の固体として、81%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.35 (3H, t, J = 7); 1.64−1.73 (1H, m); 2.35−2.43 (1H, m); 3.08−3.51 (4H, m); 4.15 (1H, m); 4.43−4.84 (5H, m); 5.31 (2H, s); 5.44 (1H, m); 7.29−7.46 (3H, m); 7.49−7.53 (2H, m); 7.97 (1H, dd, J = 9及び = 11); 8.70 (1H, s), 9.52 (1H, ブロード); 10.03 (1H, ブロード)。MS: 489.0 (M+H−HCl)+
【0123】
3.viii. (13S,16S)−1−エチル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−16−ヒドロキシメチル−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体3.vii(1.20g)、NaHCO(383mg)及びMeCN(25ml)中のDIPEA(0.78ml)より、実施例1、工程1.xの手順を用いて、この化合物を無色の固体として、64%の収率で得た。EtOH(10ml)中で撹拌することにより、粗生成物を精製した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.32 (3H, t, J = 7); 1.65 (1H, dd, J = 3及びJ = 13); 2.34 (1H, dd, J = 9及びJ = 13); 3.30−3.40 (1H, m); 3.42 (2H, d, J = 6); 3.53−3.65 (1H, m); 3.79 (1H, t, J = 10); 3.93 (1H, dd, J = 4及びJ = 11); 4.45−4.65 (3H, m); 4.87 (1H, s); 4.97 (1H, t, J = 6); 5.28 (2H, s); 7.28−7.42 (3H, m); 7.45−7.55 (3H, m); 8.49 (1H, s)。MS: 468.8。
【0124】
3.ix. (13S,16S)−1−エチル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−16−メタンスルホニルオキシメチル−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体3.viii(265mg)のTHF(8ml)中の溶液を0℃に冷却し、TEA(0.16ml)で処理した。得られた溶液を、THF(1ml)中のメタンスルホン酸無水物(118mg)で処理した。30分間、rtに置いた後、反応混合物を、さらに、メタンスルホン酸無水物(30mg)のTHF(0.3ml)中の溶液で、少しずつ(0.1mlずつ)、出発物質が完全に消失するまで処理した。反応混合物を水(4ml)及びDCM(20ml)で、続いて飽和NaHCO水溶液で、pHが塩基性になるまで希釈した。後処理(DCM)後に得られた固体残渣をDCM(2ml)中に取り、rtで撹拌し、ろ過した。結晶を集め、真空乾燥し、149mg(収率48%)の無色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.32 (3H, t, J = 7); 1.82 (1H, dd, J = 4及びJ = 14); 2.34 (1H, dd, J = 9及びJ = 14); 3.24 (3H, s); 3.47 (1H, dd, J = 4及びJ = 11); 3.59−3.66 (1H, m); 3.77 (1H, t, J = 10); 3.93 (1H, dd, J = 3及びJ = 11); 4.29 (2H, s); 4.50−4.65 (3H, m); 5.28 (2H, s); 5.51 (1H, s); 7.26−7.42 (3H, m); 7.47−7.58 (3H, m); 8.50 (1H, s)。MS: 546.7。
【0125】
3.x. (13S,16S)−1−エチル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
中間体1.xii(42mg)及びKCO(51mg)を、中間体3.ix(100mg)のMeCN/ジオキサン(1:1;3ml)中の懸濁液に、rtにて添加した。反応混合物を80℃で30h撹拌し、真空濃縮した。後処理(DCM/MeOH、9:1)後に得られた残渣をクロマトグラフィー(DCM/MeOH、92:8)にて精製し、75mg(収率60%)のベージュ色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.30 (3H, t, J = 7); 1.86 (1H, dd, J = 4及びJ = 14); 2.44 (1H, dd, J = 9及びJ = 14); 3.48−3.56 (2H, m); 3.61−3.71 (2H, m); 3.75−3.85 (2H, m); 3.97−4.11 (4H, m); 4.45−4.72 (4H, m); 5.18 (1H, t, J = 6); 5.27 (2H, s); 5.35 (1H, s); 7.17−7.25 (2H, m); 7.26−7.43 (3H, m); 7.47−7.61 (4H, m); 8.49 (1H, s)。MS: 677.8。
【0126】
3.xi. (13S,16S)−1−エチル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2 オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3 カルボン酸:
実施例1、工程1.xivに記載された手順に従って、中間体3.x(50mg)を10% Pd/C(20mg)上で水素化することにより、この化合物を、27%の収率で、黄色の固体として製造した。粗生成物を、DCMの代わりに、EA(3ml)中で撹拌した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm; 微量の未知の副生成物を含有。): 1.34 (3H, t, J = 7); 1.86 (1H, dd, J = 3及びJ = 13); 2.47 (1H, m, DMSOのシグナルと重複); 3.48−3.83 (6H, m); 3.97−4.11 (4H, m); 4.45−4.76 (4H, m); 5.18 (1H, t, J = 6); 5.37 (1H, s); 7.21 (1H, d, J = 1); 7.23 (1H, t, J = 9); 7.56 (1H, dd, J = 3及びJ = 15); 7.62 (1H, d, J = 13); 8.74 (1H, s); 15.37 (1H, s)。MS: 587.8。
【0127】
実施例4
(13S,16R)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
4.i. (S)−2−(2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメチル)−4−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
(2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(660g;J. Org. Chem. (2003), 68, 3923−3931)のDCM(6.6l)中の無色の溶液を0℃に冷却し、TEA(510ml)で処理し、塩化ピバロイル(378ml)を滴下した。反応混合物を24h、rtで撹拌した。反応混合物を−8℃に冷却し、DIPEA(1506ml)で処理した。三酸化硫黄ピリジン錯体(1036g)のDMSO(4l)中の溶液を、90分以上かけて添加した。反応混合物を0℃で1h撹拌し、水(4l)の添加によりクェンチした。水相をEtO/Hex(1:1;2x1l)で抽出し、合わせた有機相を真空濃縮した。後処理(EtO/Hex、1:1)後に得られた残渣をHex(2l)から結晶化し、675g(74%)の無色の粉末を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.08 (9H, s); 1.42 (9H, s); 2.28−2.34 (1H, d, J = 18); 2.89−3.10 (1H, m); 3.52 (1H, m); 3.82−3.89 (1H, d, J = 18); 4.03−4.07 (1H, m); 4.22−4.25 (1H, m); 4.47 (1H, m)。MS: 300.5。
【0128】
4.ii. (S)−2−(2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメチル)−4−メチレン−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
t−BuOK(56.2g)を、メチルトリフェニルホスフォニウムブロミド(178.9g)のTHF(600ml)中の白色懸濁液に、窒素下、rtにて一度に添加した。得られた黄色の懸濁液を、rtで1h、撹拌した。中間体4.i(60g)のTHF(150ml)中の溶液を、温度が25℃未満に留まるような速度で滴下した。反応混合物をrtで1h撹拌し、水(20ml)の添加によりクェンチした。反応混合物を50mlの体積に濃縮し、EtO(100ml)及びHept(250ml)で希釈した。混合物を0℃で2h撹拌し、ろ過した。ろ液をMeOH/水(2:1;3x200ml)及び塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、ろ液を真空濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(溶出液:Hept及びHept/EA(97:3〜95:5))にて精製し、47.75g(収率80%)の黄色の液体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.12 (9H, s); 1.40 (9H,s); 2.32−2.43 (1H, t, J = 15); 2.72−2.84 (1H, m); 3.75−3.84 (1H, m); 3.95−4.03 (4H, m); 4.99 (2H, s)。MS: 298.2。
【0129】
4.iii. (2S,4RS)−2−(2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメチル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
9−BBNのTHF(85ml)中の0.5M溶液を、中間体4.ii(4.85g)のTHF(40ml)中の溶液に、窒素下、0℃にて添加した。オレンジ色の混合物をrtで2h、撹拌した。MeOH(20ml)及びpH7.2のリン酸緩衝液(20ml)、続いてH水溶液(35%;11.7M;7ml)を0℃にて滴下した。反応混合物をrtで16h撹拌した。飽和Na水溶液及びEAを添加し、混合物を15分間、激しく撹拌した。有機相を分離し、飽和NHCl水溶液、飽和NaHCO水溶液、水、塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過した。ろ液を真空濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(Hex/EA、8:2〜6:4)で精製し、4.60g(収率89%)の黄色がかった油状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.12−1.16 (9H, m); 1.39 (9H, s); 1.35−1.90 (1H, m); 2.00−2.50 (2H, m); 2.75−3.15 (1H, m); 3.22−3.50 (2H, m); 3.55−3.70 (1H, m); 3.80−4.30 (3H, m); 4.60−4.70 (1H, m)。MS: 338.1 (M+Na)+
【0130】
4.iv. (2S,4RS)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−(2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメチル)−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
イミダゾール(1.49g)を、中間体4.iii(4.60g)のDCM(50ml)中の無色の溶液に、0℃にて添加した。TBDMSCl(2.75g)のDCM(10ml)中の溶液を添加し、混合物をrtで16h撹拌した。後処理(DCM)後に得られた残渣をクロマトグラフィー(Hex/EA、95:5)にて精製し、5.52g(収率88%)の黄色がかった油状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.02−0.06 (6H, m); 0.84−0.88 (9H, m); 1.12−1.16 (9H, m); 1.39 (9H, s); 1.45−1.90 (1H, m); 2.00−2.50 (2H, m); 2.75−3.20 (1H, m); 3.45−3.65 (3H, m); 3.85−4.30 (3H, m)。MS: 429.9。
【0131】
4.v. (2S,4R)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル及び(2S,4S)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体4.iv(5.5g)のMeOH(50ml)中の溶液を、rtにて、NaOMe(700mg)で処理した。反応混合物をrtで60h撹拌し、続いて飽和NHCl水溶液でクェンチし、真空濃縮した。残渣をEAで希釈し、飽和NaHCO水溶液及び塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、黄色の油状物(4.70g)を得た。クロマトグラフィー(Hex/EA、85:15)を繰り返し、2つのジアステレオマーを分離することができた。
(R)−ジアステレオマー:0.98g(収率22%)、黄色がかった油状物として。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.03 (6H, s); 0.86 (9H, s); 1.38 (9H, s); 1.52−1.68 (1H, m); 1.83−1.99 (1H, m); 2.8 (1H, quint., J = 7); 2.98−3.12 (1H, m); 3.19−3.36 (2H, m); 3.39−3.58 (3H, m); 3.61−3.77 (1H, m); 4.62−4.73 (1H, ブロード)。MS: 346.4。
【0132】
(S)−ジアステレオマー:2.68g(収率61%)、黄色がかった油状物として。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.03 (6H, s); 0.86 (9H, s); 1.38 (9H, s); 1.48−1.66 (1H, m); 2.01 (1H, dt, J = 8及びJ = 13); 2.11−2.29 (1H, m); 2.70−2.93 (1H, m); 3.34 (1H, dd, J = 6及びJ = 10); 3.47−3.74 (5H, m); 4.62−4.73 (1H, ブロード)。MS: 346.4。
【0133】
4.vi. 8−[(2S,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピロリジン−2−イルメトキシ]−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:
中間体4.v((R)−ジアステレオマー;980mg)及び中間体1.iv(800mg)の乾燥THF(10ml)中の溶液を、PPh(1.02g)で処理した。白色の懸濁液に、DIAD(0.82ml)を2h以上かけて滴下した。澄んだオレンジ色の溶液をrtで、さらに16h撹拌し、反応混合物を真空濃縮した。残渣をSiO上のクロマトグラフィー(Hex/EA、8:2〜6:4)で精製し、1.73g(定量的収率)の白色の泡状物を得た。MS: 637.1。
【0134】
4.vii. 8−[(2S,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピロリジン−2−イルメトキシ]−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
中間体4.vi(1.65g)のジオキサン/水(9:1;18ml)中の溶液を、rtにて、16h、LiOH(342mg)で処理した。反応混合物を真空濃縮した。残渣を水(20ml)中に懸濁し、0℃にて、2M HCl(6ml)で処理した。懸濁液を0℃で2h撹拌し、ろ過した。白色の固体を真空乾燥し、1.34g(収率85%)の黄色の泡状物を得た。MS: 609.3。
【0135】
4.viii. 8−[(2S,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピロリジン−2−イルメトキシ]−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
CO(445mg)及びBnBr(0.28ml)を、中間体4.vii(1.31g)のDMF(6ml)中の溶液に添加した。懸濁液を60℃で3h撹拌した。反応混合物を真空濃縮した。後処理(DCM)後に得られた残渣をクロマトグラフィー(Hex/EA、85:15〜75:25)にて精製し、1.08g(収率72%)のオレンジ色の泡状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.04 (6H, s); 0.87 (9H, m); 0.98−1.14 (4H, m); 1.38 (9H, s); 1.77−1.95 (1H, m); 2.04−2.19 (1H, m); 3.03−3.20 (1H, m); 3.24−3.37 (1H, m, 水のシグナルと重複。); 3.45−3.64 (2H, m); 3.92−4.23 (4H, m); 4.69−4.84 (1H, m); 5.29 (2H, s); 7.27−7.43 (3H, m); 7.44−7.53 (2H, m); 7.82−7.92 (1H, m); 8.53 (1H, s)。MS: 699.3。
【0136】
4.ix. (13S,16R)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシメチル−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
純粋な中間体4.viii(1.08g)をTFA(4.8ml)で処理し、rtで1h撹拌した。水(3ml)を添加し、反応混合物をrtでさらに2h撹拌した。反応混合物を濃縮し、真空乾燥した。残渣をMeCN(10ml)中に取り、NaHCO(260mg)及びDIPEA(0.53ml)で処理し、80℃で2h撹拌した。反応混合物を真空濃縮した。後処理(DCM)後に得られた残渣をクロマトグラフィー(DCM/MeOH、98:2〜96:4)にて精製し、ベージュ色の固体を得た。それをEA(60ml)中に取り、スラリーを1h、rtにて撹拌し、ろ過した。結晶を集め、真空乾燥し、467mg(収率65%)の白色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.89−1.11 (4H, m); 1.65−1.78 (1H, m); 1.94−2.05 (1H, m); 2.31−2.44 (1H, m); 3.34−3.50 (4H, m); 3.51−3.60 (1H, m); 3.71−3.81 (1H, m); 4.02−4.09 (1H, m); 4.53 (1H, dd, J = 3及びJ = 10); 4.77 (1H, t, J = 5); 5.26 (2H, s); 7.29−7.52 (6H, m); 8.44 (1H, s)。MS: 465.0。
【0137】
4.x. (R)−3−(4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−フェニル)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−オキサゾリジン−2−オン:
TBDMSCl(3.77g)のDCM(5ml)中の溶液を、(R)−3−(4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン(6.35g、WO2004/096221に従って製造。)及びイミダゾール(2.04g)のDMF(15ml)中の溶液に、0℃にて滴下した。反応混合物をrtで16h撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCM中に溶解し、1N HCl、飽和NaHCO水溶液で洗浄し、後処理を施して、8.41g(収率97%)の無色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.04 (6H, s); 0.79 (9H, s); 3.69−3.78 (2H, m), 3.86 (1H, dd, J = 3及びJ = 12); 4.07 (1H, t, J = 9); 4.69−4.77 (1H, m); 5.15 (2H, s); 7.15−7.21 (1H, m); 7.25 (1H, t, J = 9); 7.30−7.36 (1H, m); 7.37−7.50 (4H, m); 7.57 (1H, dd, J = 3及びJ = 14)。MS: 432.4。
【0138】
4.xi. (R)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−3−(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン:
中間体4.x(7.22g)のTHF/MeOH(1:1;150ml)中の溶液を、10% Pd/C(150mg)上で3h、rtで水素化した。触媒をろ過により除去し、ろ液を真空濃縮して、5.51g(収率96%)の無色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.04 (6H, s); 0.80 (9H, s); 3.69−3.78 (2H, m), 3.86 (1H, dd, J = 3及びJ = 12); 4.07 (1H, t, J = 9); 4.68−4.75 (1H, m); 6.94 (1H, t, J = 9); 7.04−7.10 (1H, m); 7.45 (1H, dd, J = 3及びJ = 14); 9.65 (1H, s)。MS: 342.2。
【0139】
4.xii. (13S,16R)−16−{4−[(R)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体4.ix(150mg)及び中間体4.xi(105mg)の乾燥ジオキサン(2ml)中の懸濁液を、窒素下、rtで、PPh(121mg)により処理した。白色の懸濁液を60℃に加熱し、2h以上かけて、DIAD(0.10ml)を滴下した。澄んだオレンジ色の溶液を60℃で2h、さらに撹拌し、反応混合物を真空濃縮した。残渣をトルエン/ヘキサン(1:2、10ml)で希釈し、有機相をMeOH/水(2:1、3x5ml)で抽出した。水相をトルエン/ヘキサン(1:2、2x5ml)で再抽出し、合わせた有機相に後処理(DCM)を施した。残渣をクロマトグラフィー(DCM/MeOH、99:1〜98:2)にて精製し、黄色の固体を得、それをEA(5ml)中に取り、スラリーを1h、rtで撹拌し、ろ過した。結晶を集め、真空乾燥し、86mg(収率36%)の白色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.04 (6H, s); 0.79 (9H, s); 0.89−1.12 (4H, m); 1.81−1.94 (1H, m); 2.07−2.18 (1H, m); 2.70−2.82 (1H, m); 3.45 (1H, t, J = 10); 3.52−3.69 (2H, m); 3.69−3.79 (1H, m); 3.73 (1H, dd, J = 3及びJ = 12); 3.82−3.92 (1H, m); 3.87 (1H, dd, J = 3及びJ = 12); 4.02−4.14 (4H, m); 4.57 (1H, dd, J = 3及びJ = 10); 4.69−4.79 (1H, m); 5.26 (2H, s); 7.17−7.25 (2H, m); 7.29−7.43 (3H, m); 7.44−7.52 (3H, m); 7.58 (1H, dd, J = 3及びJ = 14); 8.46 (1H, s)。MS: 788.3。
【0140】
4.xiii. (13S,16R)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
TFA(0.5ml)を、rtにて中間体4.xii(80mg)に添加し、反応混合物をrtで10分間撹拌した。続いて水(0.4ml)を添加し、rtでさらに2h撹拌した。反応混合物を濃縮乾固し、残渣をDCM(5ml)中に溶解した。溶液を飽和NaHCO水溶液(5ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。固体残渣をEA(5ml)中に取り、スラリーを1h、rtで撹拌し、ろ過した。結晶を集め、真空乾燥し、36mg(収率53%)の薄黄色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.90−1.14 (4H, m); 1.81−1.94 (1H, m); 2.08−2.20 (1H, m); 2.70−2.83 (1H, m); 3.46 (1H, t, J = 10); 3.51−3.73 (4H, m); 3.80 (1H, dd, J = 6及びJ = 9); 3.83−3.92 (1H, m); 4.01−4.16 (4H, m); 4.57 (1H, dd, J = 3及びJ = 10); 4.64−4.74 (1H, m); 5.20 (1H, t, J = 6); 5.26 (2H, s); 7.19−7.27 (2H, m); 7.29−7.43 (3H, m); 7.44−7.52 (3H, m); 7.60 (1H, dd, J = 3及びJ = 14); 8.47 (1H, s)。MS: 674.2。
【0141】
4.xiv. (13S,16R)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3 カルボン酸:
実施例1、工程1.xivの手順に従って、中間体4.xiii(32mg)を10% Pd/C(2mg)上で水素化することにより、この化合物を、43%の収率で、黄色の固体として得た。しかしながら、粗生成物をDCMの代わりに、EA(10ml)中で撹拌した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm;20%のデス−シクロプロピル生成物を含有。): 0.90−1.20 (4H, m); 1.82−1.96 (1H, m); 2.08−2.24 (1H, m); 2.74−2.88 (1H, m); 3.43−3.61 (2H, m); 3.62−3.75 (3H, m); 3.80 (1H, dd, J = 6及びJ = 9); 3.85−3.97 (1H, m); 4.05 (1H, t, J = 9); 4.13 (2H, d, J = 7); 4.17−4.29 (1H, s); 4.61−4.75 (2H, m); 5.20 (1H, t, J = 6); 7.19−7.31 (2H, m); 7.60 (2H, dd, J = 2及びJ = 12); 8.62 (1H, s), 15.20 (1H, s)。MS: 584.4。
【0142】
実施例5
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
5.i. 8−[(2S,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピロリジン−2−イルメトキシ]−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:
中間体4.v((S)−ジアステレオマー;2.60g)、中間体1.iv(2.12g)、PPh(2.69g)及びDIAD(2.16ml)より、実施例4、工程4.viの手順に強いたがって、この化合物を、白色の泡状物として、69%の収率で得た。MS: 637.5。
【0143】
5.ii. 8−[(2S,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピロリジン−2−イルメトキシ]−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸:
中間体5.i(3.00g)及びLiOH(593mg)より、実施例4、工程4.viiの手順に従って、この化合物を白色の粉末として、94%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.04 (6H, s); 0.85 (9H, s); 1.03−1.26 (4H, m); 1.38 (9H, s); 1.82−1.97 (1H, m); 2.17−2.38 (2H, m); 2.82−3.05 (1H, m); 3.55−3.74 (3H, m); 4.01−4.38 (4H, m); 7.99−8.11 (1H, m); 8.78 (1H, s); 14.50 (1H, s)。
【0144】
5.iii. 8−[(2S,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピロリジン−2−イルメトキシ]−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体5.ii(2.68g)、KCO(913mg)及びBnBr(0.58ml)より、実施例4、工程4.viiiの手順に従って、この化合物を白色の泡状物として、84%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.04 (6H, s); 0.85 (9H, s); 0.98−1.14 (4H, m); 1.38 (9H, s); 1.82−1.97 (1H, m); 2.14−2.41 (2H, m); 2.82−3.05 (1H, m); 3.55−3.73 (3H, m); 3.93−4.35 (4H, m); 5.31 (2H, s); 7.28−7.44 (3H, m); 7.46−7.54 (2H, m); 7.83−7.94 (1H, m ); 8.54 (1H, s)。MS: 699.2。
【0145】
5.iv. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシメチル−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体5.iii(2.11g)、TFA(9.27ml)、DIPEA(1.04ml)及びNaHCO(508mg)より、実施例4、工程4.ixの手順に従って、この化合物を白色の固体として、78%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.84−1.14 (4H, m); 1.19−1.35 (1H, m); 2.09−2.22 (1H, m); 2.41−2.57 (1H, m, DMSOのシグナルと重複。); 3.13 (1H, dt, J = 3及びJ = 10); 3.33−3.56 (3H, m); 3.56−3.70 (1H, m); 3.96−4.11 (2H, m); 4.60 (1H, dd, J 3及びJ = 10); 4.71 (1H, t, J = 5); 5.26 (2H, s); 7.30−7.52 (6H, m); 8.45 (1H, s)。MS: 465.0。
【0146】
5.v. (13S,16S)−16−{4−[(R)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体5.iv(71mg)、中間体4.xi(50mg)、PPh(58mg)及びDIAD(0.044ml)を出発物質として、実施例4、工程4.xiiの手順に従い、この化合物を白色の固体として、38%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.04 (6H, s); 0.79 (9H, s); 0.86−1.10 (4H, m); 1.34−1.48 (1H, m); 2.24−2.39 (1H, m); 2.77−2.93 (1H, m); 3.23 (1H, dt, J = 3及びJ = 10); 3.44 (1H, t, J = 10); 3.61−3.80 (3H, m); 3.85 (1H, dd, J = 3及びJ = 12); 3.99−4.22 (5H, m); 4.64 (1H, dd, J = 4及びJ = 11); 4.70−4.79 (1H, m); 5.26 (2H, s); 7.18−7.25 (2H, m); 7.27−7.51 (6H, m); 7.54−7.61 (1H, m); 8.46 (1H, s)。MS: 788.5。
【0147】
5.vi. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体5.v(40mg)及びTFA(0.19ml)より、実施例4、工程4.xiiiに記載された手順に従って、この化合物を黄色の固体として、76%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.87−1.12 (4H, m); 1.36−1.51 (1H, m); 2.25−2.39 (1H, m); 2.80−2.94 (1H, m); 3.25 (1H, dt, J = 2及びJ = 10); 3.46 (1H, t, J = 10); 3.51−3.60 (1H, m); 3.62−3.75 (2H, m); 3.79 (1H, dd, J = 6及びJ = 9); 3.99−4.23 (5H, m); 4.60−4.74 (2H, m); 5.16−5.22 (1H, m); 5.26 (2H, s); 7.19−7.27 (2H, m); 7.27−7.53 (6H, m); 7.59 (1H, dd, J = 2及びJ = 13); 8.46 (1H, s)。MS: 674.1。
【0148】
5.vii (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3 カルボン酸:
実施例1、工程1.xivに従って、中間体5.vi(20mg)を10% Pd/C(2mg)上で水素化することにより、この化合物を79%の収率で、黄色の固体として得た。粗生成物をDCMの代わりに、EA(5ml)中で撹拌した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.96−1.19 (4H, m); 1.37−1.52 (1H, m); 2.25−2.39 (1H, m); 2.81−2.96 (1H, m); 3.39 (1H, dt, J = 3及びJ = 10); 3.50 (1H, t, J = 10); 3.50−3.80 (3H, m); 3.80 (1H, dd, J = 6及びJ = 9); 4.05 (1H, t, J = 9); 4.11−4.28 (4H, m); 4.60−4.74 (1H, m); 4.72 (1H, dd, J = 3及びJ = 10); 5.16−5.25 (1H, m); 7.19−7.30 (2H, m); 7.55−7.63 (2H, m); 8.61 (1H, s); 15.20 (1H, s)。MS: 584.4。
【0149】
実施例6
(6aS,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸:
6.i. (2S,4R)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル 2−メチルエステル:
(1S,5R)−2−[(R)−2−フェニルエチル]−6−オキサ−2−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(13.36g;Gillardら, J. Org. Chem. (1996), 61, 2226−2231に従って製造。)のMeOH/ジオキサン(2:1;110ml)中の溶液をMeOH(50ml)中1.25M HClで処理し、10% Pd(OH)/C(6g)上で、一晩、rtにて水素化した。触媒をろ過により除去し、ろ液を真空濃縮した。残渣をDCM(200ml)中に懸濁させ、TEA(9.88ml)で処理し、rtで15分間撹拌した。溶液を二炭酸ジ−tert−ブチル(13.41g)で処理し、反応混合物をrtで一晩撹拌した。後処理後に得られた残渣(DCM)をクロマトグラフィー(Hex/EA、1:1)にて精製し、8.61g(収率65%)の無色の油状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.37 (9H, s, ブロード); 1.44−1.54 (2H, m); 1.77 (1H, dd, J = 14及びJ = 7); 2.16 (1H, d, J = 13); 3.19−3.35 (1H, m); 3.60 (4H, s); 3.87−3.88 (1H, m); 4.45−4.50 (1H, m); 4.58 (1H, d, J = 2)。MS: 260.3。
【0150】
6.ii. (2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体6.i(8.61g)のEtOH(400ml)中の溶液を、窒素下、NaBH(6.28g)で、0℃にて処理した。反応混合物を20h撹拌し、その間にrtに温めた。反応を1M NaOH水溶液(35ml)でクェンチし、反応混合物を真空濃縮した。後処理(EA)後に得られた残渣をクロマトグラフィー(Hex/EA、1:1)にて精製し、6.70g(収率87%)の無色の油状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.38 (9H, s); 1.48−1.52 (2H, m); 1.60−1.66 (2H, m); 3.03−3.13 (1H, m); 3.50−3.56 (1H, m); 3.61−3.69 (2H, m); 3.87−3.90 (1H, m); 3.98−4.02 (1H, m); 4.57−4.61 (1H, t, J = 6); 4.76 (1H, d, J = 3)。MS: 232.4。
【0151】
6.iii. (2S,4R)−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体6.ii(11.75g)のピリジン(60ml)中の溶液に、TBDMSCl(8.04g)のピリジン(17.5ml)中の溶液を、0℃にて滴下した。反応混合物を一晩撹拌し、その間にrtに温めた。後処理(EA)後に得られた残渣をクロマトグラフィー(Hex/EA、9:1〜8:2)にて精製し、17.94gの(収率100%)の無色の油状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.00 (6H, 2s, rotamers); 0.84 (9H, s); 1.36 (9H, s); 1.45−1.67 (4H, m); 2.98−3.07 (1H, m); 3.61−3.72 (2H, m); 3.85−3.90 (2H, m); 4.00−4.09 (1H, m); 4.59 (1H, d, J = 3)。
【0152】
6.iv. (S)−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体6.iii(17.94g)のDCM(115ml)中の溶液を−8℃に冷却し、DIPEA(26ml)で処理した。三酸化硫黄ピリジン錯体(18.4g)のDMSO(63ml)中の溶液を15分以上かけて滴下した。反応混合物を0℃で2h撹拌し、HO(70ml)を添加してクェンチした。水相をEtO/Hex(1:1;3x30ml)で抽出し、合わせた有機相を真空濃縮した。後処理(EtO/Hex、1:1)後に得られた残渣を乾燥し、15.69g(収率88%)の黄色の油状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.00 (6H, 2s, rotamers); 0.82 (9H, s); 1.41 (9H, s); 2.21−2.42 (3H, m); 2.63 (1H, dd, J = 15及びJ = 7); 3.42 (1H, s, ブロード); 3.57 (1H, dd, J = 10及びJ = 5); 3.66 (1H, dd, J = 10及びJ = 5); 3.91−3.99 (1H, m); 4.30 (1H, s, ブロード)。
【0153】
6.v. (S)−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−メチレン−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体6.iv(15.69g)、t−BuOK(12.80g)及びメチルトリフェニルホスフォニウムブロミド(40.80g)より、実施例4、工程4.iiの手順に従って、この化合物を黄色の油状物として、92%の収率で得た。残渣をクロマトグラフィー(Hex/EA、9:1〜8:2)にて精製した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.01 (6H, s); 0.84 (9H, s); 1.38 (9H, s); 1.98−2.30 (4H, m); 2.67−2.76 (1H, m); 3.45 (1H, dd, J = 10及びJ = 7); 3.51 (1H, dd, J = 10及びJ = 7); 3.91−3.97 (1H, m); 4.18 (1H, s, ブロード); 4.70 (1H, s); 4.80 (1H, s)。
【0154】
6.vi. ((S)−4−メチレン−ピペリジン−2−イル)−メタノール 塩酸塩:
中間体6.v(7.57g)の2M HCl、MeOH(60ml)溶液中の溶液を、40℃で4h撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、残渣をEA(50ml)中に取った。懸濁液をrtで1h撹拌し、ろ過した。結晶を集め、真空乾燥し、2.93g(収率81%)の白色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 2.27−2.48 (4H, m); 2.80−2.89 (1H, td, J = 12及びJ = 5); 3.04−3.13 (1H, m); 3.27−3.34 (1H, m); 3.57−3.70 (2H, m); 4.90 (2H, s); 5.48−5.51 (1H, t, J = 5); 9.25 (2H, s, ブロード)。
【0155】
6.vii. ((S)−1−ベンジル−4−メチレン−ピペリジン−2−イル)−メタノール:
中間体6.vi(2.93g)のDMF(35ml)中の溶液を、KCO(3.70g)及びBnBr(2.15ml)で処理した。反応混合物をrtで5h撹拌し、真空濃縮した。後処理(EA)後に得られた残渣をクロマトグラフィー(Hex/EA、1:1)にて精製し、3.56g(収率92%)の茶色の油状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.99−2.23 (4H, m); 2.31 (1H, dd, J = 13及びJ = 4); 2.40−2.55 (1H, m); 2.65−2.73 (1H, m); 3.39−3.50 (2H, m); 3.58−3.65 (1H, m); 3.99 (1H, d, J = 14); 4.46 (1H, t, J = 5); 4.66 (2H, d, J = 3); 7.19−7.45 (5H, m)。
【0156】
6.viii. 8−((S)−1−ベンジル−4−メチレン−ピペリジン−2−イルメトキシ)−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:
中間体6.vii(1.00g)、中間体1.iv(1.24g)及びPPh(1.37g)のTHF(16ml)中の溶液に、rtにて、2h以上かけて、DIAD(1.1ml)を滴下した。反応混合物をrtでさらに16h撹拌し、真空濃縮した。残渣をEA(10ml)中、0℃で1h撹拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、水/MeOH(2:1;20ml)に溶解し、Hex/トルエン(2:1;3x10ml)で抽出した。合わせた有機相に後処理を施し、残渣をクロマトグラフィー(Hex/EA、9:1〜1:1)にて精製し、1.57g(収率77%)の黄色の油状物を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm, 微量の未知の副生成物を含有。): 0.92−1.00 (4H, m); 1.23−1.28 (3H, m); 2.02−2.52 (5H, m); 2.55−2.83 (1H, m); 3.02−3.09 (1H, m); 3.43−3.63 (1H, m); 3.90−3.94 (1H, d, J = 13); 4.00−4.08 (1H, m); 4.16−4.24 (3H, m); 4.32−4.41 (1H, m); 4.70−4.81 (2H, d, J = 16); 7.13−7.30 (5H, m); 7.69−7.83 (1H, m); 8.40−8.47 (1H, s)。MS: 508.9。
【0157】
6.ix. 8−((2S,4RS)−1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピペリジン−2−イルメトキシ)−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:
中間体6.viii(1.57g)及びAD−mix α(4.33g)より、実施例1、工程1.viiiの手順に従い、この化合物を黄色の油状物として、59%の収率で得た。反応混合物をrtで8日間撹拌した。MS: 543.3。
【0158】
6.x. (6aS,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル:
中間体6.ix(993mg)のTHF/MeOH(8:2;100ml)中の溶液を、10% Pd(OH)/C(80mg)上で、一晩、rtにて水素化した。固体NaHCO(310.0mg)を添加し、反応混合物をrtで30分間撹拌し、真空濃縮した。残渣をDCM/MeOH(9:1;20ml)に取り、懸濁液をrtにて、30分間撹拌し、ろ過した。ろ液を真空濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5〜9:1)で精製し、412mg(収率52%)の黄色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.92−1.06 (4H, m); 1.24 (3H, 2t, 2ジアステレオマー, J = 7); 1.35−2.01 (4H, m); 3.07−3.53 (3H, m); 3.60−4.09 (3H, m); 4.09−4.35 (4H, m); 4.38 (1H, s, ブロード); 4.64 (1H, 2t, J = 6, 2ジアステレオマー); 7.37−7.43 (1H, 2d, 2ジアステレオマー); 8.37−8.41 (1H, 2s, 2ジアステレオマー)。MS: 433.4。
【0159】
6.xi. (6aS,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸:
中間体6.x(412mg)及び水酸化リチウム一水和物(180mg)より、実施例1、工程1.viの手順に従って、この化合物を黄色の固体として、66%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.05−1.98 (8H, m); 3.14−3.44 (3H, m); 3.57−3.80 (1H, m); 3.98−4.23 (3H, m); 4.31−4.38 (1H, m); 4.42−4.43 (1H, 2s, 2ジアステレオマー); 4.62−4.68 (1H, 2t, J = 6, 2ジアステレオマー); 7.52−7.58 (1H, 2d, 2ジアステレオマー); 8.58−8.62 (1H, 2s, 2ジアステレオマー); 15.00−15.10 (1H, 2s, , ブロード, 2ジアステレオマー)。MS: 405.2。
【0160】
6.xii. (6aS,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体6.xi(245mg)、KCO(126mg)及びBnBr(0.11ml)より、実施例1、工程1.viiの手順に従い、この化合物を黄色の固体として、54%の収率で得た。粗生成物は結晶化せずに、クロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5〜9:1)で精製した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.9−1.97 (8H, m); 3.07−3.38 (2H, m); 3.42−3.73 (1H, m); 3.92−4.09 (2H, m); 4.17−4.34 (2H, m); 4.38 (1H, s); 4.57 (1H, s); 4.61−4.69 (1H, m); 5.24 (2H, s); 7.28−7.60 (6H, m); 8.43−8.46 (1H, 2s, 2 ジアステレオマー)。MS: 495.4。
【0161】
6.xiii. (6aS,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体6.xii(163mg)、TEA(0.092ml)及びメタンスルホン酸無水物(70mg)より、実施例3、工程3に記載の手順に従って、この化合物を黄色の固体として、90%の収率で得た。生成物はDCMより結晶化せずに、粗製物のまま、次の工程で使用した。MS: 573.0。
【0162】
6.xiv. (6aS,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体6.xiii(169mg)、中間体1.xii(70mg)及びKCO(61mg)より、実施例1、工程1.xiiiの手順に従って、この化合物を黄色の泡状物として、56%の収率で得た。反応混合物を80℃で22h撹拌した後、濃縮と後処理を行った。MS: 704.3。
【0163】
6.xv. (6aS,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸:
実施例1、工程1.xivの手順に従って、中間体6.xiv(117mg)を10% Pd/C(20mg)上で水素化することにより、この化合物を、31%の収率で、黄色の固体として得た。粗生成物を、DCMの代わりに、EtOH(5ml)中で撹拌した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.01−1.18 (4H, m); 1.61−1.77 (3H, m); 1.97−2.16 (1H, m); 3.23−3.58 (3H, m); 3.61−3.84 (3H, m); 3.85−4.06 (2H, 2s, 2ジアステレオマー); 3.98−4.07 (1H, m); 4.12−4.21 (2H, m); 4.34−4.42 (1H, m); 4.62−4.71 (1H, m); 4.96−5.01 (1H, 2s, 2ジアステレオマー); 5.13−5.20 (1H, 2t, J = 6, 2ジアステレオマー); 7.15−7.26 (2H, m); 7.51−7.60 (2H, m); 8.58−8.62 (1H, 2s, 2ジアステレオマー); 15.00−15.10 (1H, 2s, ブロード, 2ジアステレオマー)。MS: 614.3。
【0164】
実施例7
(6aR,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸:
7.i. (2R,4S)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル 2−メチルエステル:
実施例6、工程6.iの手順に従って、(1R,5S)−2−[(R)−2−フェニルエチル]−6−オキサ−2−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(31.09g;Gillardら, J. Org. Chem.(1996), 61, 2226−2231に従って製造。)を5M HClのMeOH(31ml)溶液中、10% Pd(OH)/C(6g)上で水素化し、TEA(21ml)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(35.55g)で処理することにより、この化合物を黄色の固体として、87%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.36 (9H, s); 1.46−1.58 (2H, m); 1.76 (1H, dd, J = 14及びJ = 7); 2.14 (1H, d, J = 13); 3.12−3.38 (1H, m); 3.58 (4H, s); 3.83−3.89 (1H, m); 4.46 (1H, s, ブロード); 4.54 (1H, d, J = 2)。
【0165】
7.ii. (2R,4S)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体7.i(7.71g)及びNaBH(5.62g)より、実施例6、工程6.iiに記載された手順に従って、この化合物を、黄色の油状物として、86%の収率で得た。生成物はクロマトグラフィーで精製せずに、後処理(EA)の後に、粗生成物として次の工程で使用した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.37 (9H, s); 1.44−1.51 (2H, m); 1.55−1.68 (2H, m); 3.02−3.13 (1H, m); 3.46−3.55 (1H, m); 3.58−3.69 (2H, m); 3.83−3.91 (1H, m); 3.93−4.01 (1H, m); 4.56 (1H, t, J = 5); 4.73 (1H, d, J = 3)。
【0166】
7.iii. (2R,4S)−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体7.ii(33.23g)及びTBDMSCl(23.82g)より、実施例6、工程6.iiiの手順に従って、この化合物を、無色の油状物として、84%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.00 (6H, s); 0.83 (9H, s); 1.36 (9H,s); 1.45−1.49 (2H, m); 1.54−1.61 (2H, m); 3.00 (1H, m); 3.60−3.66 (2H, m); 3.85−3.92 (2H, m); 4.03 (1H, m); 4.60 (1H, d, J = 3)。
【0167】
7.iv. (R)−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体7.iii(41.81g)、DIPEA(60ml)、三酸化硫黄ピリジン錯体(43g)及びDMSO(148ml)より、実施例6、工程6.ivの手順に従って、この化合物を黄色の油状物として、98%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.01 (6H, s); 0.84 (9H, s); 1.41 (9H, s); 2.28−2.38 (3H, m); 2.64 (1H, dd, J = 15及びJ = 7); 3.40 (1H, s, ブロード); 3.58 (1H, dd, J = 10及びJ = 5); 3.66 (1H, dd, J = 10及びJ = 5); 3.95 (1H, s, ブロード); 4.30 (1H, s, ブロード)。MS: 344.0。
【0168】
7.v. (R)−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−4−メチレン−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体7.iv(40.54g)、t−BuOK(33.10g)及びメチルトリフェニルホスフォニウムブロミド(105.38g)より、実施例4、工程4.iiの手順に従って、この化合物を黄色の油状物として、94%の収率で得た。残渣はクロマトグラフィーで精製せずに、粗生成物を次の工程で使用した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.00 (6H, s); 0.83 (9H, s); 1.37 (9H, s); 1.96−2.25 (4H, m); 2.67−2.76 (1H, m); 3.45 (1H, dd, J = 10及びJ = 7); 3.51 (1H, dd, J = 10及びJ = 7); 3.91−3.97 (1H, m); 4.20 (1H, s, ブロード); 4.70 (1H, s); 4.80 (1H, s)。MS: 342.1。
【0169】
7.vi. ((R)−4−メチレン−ピペリジン−2−イル)−メタノール 塩酸塩:
中間体7.v(37.91g)及び5M HCl、MeOH(120ml)溶液より、実施例6、工程6.viの手順に従って、この化合物を、白色の固体として、100%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 2.22−2.43 (4H, m); 2.72−2.73 (1H, m); 3.05 (1H, m); 3.25−3.29 (1H, m); 3.43−3.66 (2H, m); 4.87 (2H, s); 5.44 (1H, s, ブロード); 9.27 (2H, s, ブロード)。
【0170】
7.vii. ((R)−1−ベンジル−4−メチレン−ピペリジン−2−イル)−メタノール:
中間体7.vi(13.38g)、KCO(22g)及びBnBr(12.60ml)より、実施例6、工程6.viiの手順に従って、この化合物を茶色の油状物として、46%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.95−2.23 (4H, m); 2.30 (1H, dd, J = 13及びJ = 4); 2.40−2.55 (1H, m); 2.60−2.70 (1H, m); 3.37−3.49 (2H, m); 3.56−3.63 (1H, m); 3.97 (1H, d, J = 14); 4.42 (1H, t, J = 5); 4.64 (2H, d, J = 3); 7.16−7.33 (5H, m)。
【0171】
7.viii. 8−((R)−1−ベンジル−4−メチレン−ピペリジン−2−イルメトキシ)−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:
中間体7.vii(1.00g)、中間体1.iv(1.24g)、PPh(1.38g)及びDIAD(1.1ml)より、実施例6、工程6.viiiの手順に従って、この化合物を、黄色の油状物として、90%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm;微量の未知の副生成物を含有。): 0.90−1.02(4H, m); 1.26 (3H, t, J = 7); 2.02−2.12 (1H, m); 2.15−2.52 (4H, m); 2.61−2.73 (1H, m); 3.05 (1H, m); 3.61 (1H, d, J = 14); 3.92 (1H, d, J = 14); 4.00−4.09 (1H, m); 4.14−4.27 (3H, m); 4.34 (1H, dd, J = 9及びJ = 4); 4.72 (2H, d, J = 15); 7.12−7.30 (5H, m); 7.80 (1H, dd, J = 10及びJ = 9); 8.47 (1H, s)。MS: 509.0。
【0172】
7.ix. 8−((R)−1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピペリジン−2−イルメトキシ)−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸 エチルエステル:
中間体7.viii(1.84g)及びAD−mix α(5.06g)より、実施例6、工程6.ixに記載された手順に従って、この化合物を、ベージュ色の泡状物として、58%の収率で得た。MS: 543.3。
【0173】
7.x. (6aR,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル:
実施例6、工程6.xの手順に従って、中間体7.ix(1.13g)を、10% Pd(OH)/C(80mg)上で水素化することにより、この化合物を、黄色の固体として、45%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.89−1.11 (4H, m); 1.25 (3H, 2t, 2ジアステレオマー, J = 7); 1.32−2.01 (4H, m); 3.07−3.53 (3H, m); 3.61−4.09 (3H, m); 4.12−4.35 (4H, m); 4.38 (1H, s, ブロード); 4.64 (1H, 2t, J = 6, 2ジアステレオマー); 7.37−7.42 (1H, 2d, 2ジアステレオマー); 8.37−8.40 (1H, 2s, 2ジアステレオマー)。MS: 433.4。
【0174】
7.xi. (6aR,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸:
中間体7.x(410mg)及び水酸化リチウム一水和物(120mg)より、実施例1、工程1.viの手順に従って、この化合物を、黄色の固体として、55%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.01−2.02 (8H, m); 3.14−3.44 (3H, m); 3.55−3.81 (1H, m); 3.96−4.23 (3H, m); 4.31−4.38 (1H, m); 4.42−4.43 (1H, 2s, 2ジアステレオマー); 4.62−4.68 (1H, 2t, J = 6; 2 ジアステレオマー); 7.52−7.58 (1H, 2d, 2 ジアステレオマー); 8.58−8.62 (1H, 2s, 2ジアステレオマー); 15.0−15.1 (1H, s, ブロード)。MS: 405.1。
【0175】
7.xii. (6aR,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体7.xi(185mg)、KCO(95mg)及びBnBr(0.082ml)より、実施例6、工程6.xiiに記載された手順に従って、この化合物を、黄色の固体として、96%の収率で得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.89−1.99 (8H, m); 3.10−3.39 (2H, m); 3.42−3.73 (1H, m); 3.91−4.07 (2H, m ); 4.17−4.34 (2H, m); 4.38 (1H, s); 4.57 (1H, s) ; 4.61−4.68 (1H, m); 5.23 (2H, s); 7.28−7.60 (6H, m); 8.43−8.46 (1H, 2s, 2ジアステレオマー)。MS: 495.2。
【0176】
7.xiii (6aR,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体7.xii(217mg)、TEA(0.13ml)及びメタンスルホン酸無水物(93mg)より、実施例3、工程3.ixの手順に従って、この化合物を、茶色の固体として、83%の収率で得た。生成物はDCMから結晶化せずに、粗生成物を次の工程で使用した。MS: 573.2。
【0177】
7.xiv. (6aR,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体7.xiii(209mg)、中間体1.xii(87mg)及びKCO(76mg)より、実施例1、工程1.xiiiの手順に従って、この化合物を、黄色の泡状物として、56%の収率で得た。反応混合物を80℃で22h撹拌した後、濃縮し、後処理を行った。MS: 704.4。
【0178】
7.xv. (6aR,8RS)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸:
実施例1、工程1.xivの手順に従って、中間体7.xiv(143mg)を10% Pd/C(25mg)上で水素化することにより、この化合物を、28%の収率で、黄色の固体として得た。粗生成物を、DCMの代わりに、EtOH(10ml)中で撹拌した。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.99−1.24 (4H, m); 1.58−1.90 (3H, m); 1.96−2.19 (1H, m); 3.24−3.59 (3H, m); 3.60−3.82 (3H, m); 3.83−4.09 (2H, 2s, 2ジアステレオマー); 3.97−4.09 (1H, m); 4.09−4.32 (2H, m); 4.34−4.42 (1H, m); 4.60−4.73 (1H, m); 4.93−5.04 (1H, 2s, 2ジアステレオマー); 5.12−5.22 (1H, m); 7.15−7.26 (2H, m); 7.50−7.64 (2H, m); 8.55−8.66 (1H, 2s, 2ジアステレオマー); 15.0−15.1 (1H, 2s, ブロード, 2ジアステレオマー)。MS: 614.3。
【0179】
実施例8
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
8.i. (13S,16S)−16−{4−[(R)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステルシリル ベンジルエステル:
イミダゾール(75mg)及びTBDMSCl(181mg)を、中間体1.xiii.(689mg)のDMF(6ml)中の溶液に添加した。Rtで4h撹拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣に後処理(DCM)を施し、クロマトグラフィー(DCM/MeOH;97.5:2.5)で精製して、445mg(収率55%)の白色の粉末を得た。MS: 804.3。
【0180】
8.ii. (13S,16S)−16−(ビス−ベンジルオキシ−ホスフォリルオキシ)−16−{4−[(R)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザシクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体8.i(455mg)及び4,5−ジシアノイミダゾール(120mg)のDCM(3ml)中の懸濁液を、ジベンジル N,N−ジイソプロピルホスフォラミダイト(335μl)で処理した。rtで1h撹拌した後、反応混合物を、tert−ブチルヒドロペルオキシド(163μl)で、さらに1h処理した。溶媒の減圧下での留去、後処理(DCM)及びクロマトグラフィー(DCM/MeOH;95:5)による精製の後、459mg(収率77%)の黄色の粉末を単離した。MS: 1064.4。
【0181】
8.iii. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体8.iii(80mg)のAcOH(1ml)中の懸濁液を、HBr(AcOH中33%;1ml)で処理した。Rtで4h撹拌した後、減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を水(4ml)で処理した。得られた固体をろ過により集め、乾燥後、エーテルで処理して、54mg(収率93%)の黄色の粉末を得た。MS: 680.4及び770.3。
【0182】
8.iv. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16 ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
中間体8.iiiのジオキサン/MeOH/水(1:1:1;1.5ml)中の溶液を、酢酸ナトリウム(9mg)で処理し、rtにて、10% Pd/C(5mg)上で水素化した。触媒をろ過により除去し、いくらかの水で洗浄した。ろ液を、減圧下、約1mlに濃縮し、1N HCl(1ml)で処理した。ろ過後、29mgの固体を集め、それを2mlのMeOH中に取った。KCOを添加し、混合物をrtで1h、撹拌した。MeOHを(23℃にて)留去し、固体を集め、2mlの水中に取った。1M HClを、pHが0.5になるまで添加した。このように得られた沈殿をろ過により集め、HV下で乾燥し、23mg(収率58%)の黄色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.99−1.15 (4H, m); 2.24−2.46 (2H, m); 2.54−2.71 (2H, m); 3.51−3.56 (3H, m); 3.72−3.83 (3H,m); 4.04 (1H, t, J = 9); 4.17 (2H, d, J = 4); 4.23 (1H, m); 4.45 (2H, s); 4.62−4.71 (2H, m); 5.18 (1H, m); 7.22 (2H, m); 7.58 (1H, d, J = 13); 7.59 (1H, dd, J = 2及びJ = 13.8); 8.61 (1H, s)。MS: 680.3。
【0183】
実施例9
(13S,16S)−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
中間体1.xiv(200mg)のDMA(10ml)中の溶液を、10% Pd/C(60mg)上で16h、80℃にて水素化した。反応混合物を真空濃縮し、DCM/MeOH、90:10(25ml)中に取り、rtで30分間、撹拌した。触媒をろ過により除去し、ろ液真空濃縮した。残渣をEA(5ml)中に取り、rtで16h撹拌し、ろ過した。結晶を集め、真空乾燥し、136mg(収率73%)のベージュ色の固体を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 1.80−1.92 (1H, m); 2.39−2.54 (1H, m); 3.48−3.82 (5H, m); 3.89 (1H, t, J = 10); 3.97−4.09 (1H, m); 4.04 (1H, t, J = 9); 4.11 (2H, s); 4.62−4.72 (2H, m); 5.17 (1H, t, J = 6); 5.38 (1H, s); 7.18−7.29 (2H, m); 7.50 (1H, d, J = 13); 7.58 (1H, dd, J = 2及びJ = 14); 8.44 (1H, s); 12.75 (1H, ブロード); 15.45 (1H, s)。MS: 560.4。
【0184】
実施例10
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸及び(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ヒドロキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
10.i. (13S,16S)−16−(ビス−ベンジルオキシ−ホスフォリルオキシ)−16−{4−[(R)−5−(ビス−ベンジルオキシ−ホスフォリルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸(10.i.a)及び(13S,16S)−16−{4−[(R)−5−(ビス−ベンジルオキシ−ホスフォリルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸(10.i.b):
実施例1の化合物(695mg)のDCM(50ml)中の懸濁液及び4,5−ジシアノ−イミダゾール(220mg)に、ジベンジル N,N−ジイソプロピルホスフォラミダイト(0.56ml)を滴下した。反応液をrtで4h撹拌し、続いてtert−ブチルヒドロペルオキシドの水(0.177ml)中の溶液で処理し、さらに2h撹拌した。反応混合物を水及び塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、ろ液をクロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5)で精製して、822mg(収率83%)の薄黄色の油状物を得た。この油状物は、主生成物としてジホスフォリルオキシ誘導体10.i.aを含有し、微量のモノホスフォリルオキシ誘導体10.i.bも含んでいた。この混合物を、さらなる精製を行うことなく、次の工程で使用した。
【0185】
化合物10.i.a:
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.99−1.20 (4H, m); 2.30 (1H, dd, J = 5及びJ = 14); 2.60−2.77 (1H, m); 3.58 (1H, t, J = 10); 3.70−3.82 (2H, m); 4.06−4.32 (6H, m); 4.45−4.62 (3H, m); 4.78−5.09 (9H, m); 7.04−7.42 (22H, m); 7.49−7.61 (2H, m); 8.58 (1H, s)。MS: 1120.4。
【0186】
化合物10.i.b:
MS: 860.1。
【0187】
10.ii. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 (10.ii.a)及び(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ヒドロキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3 カルボン酸 (10.ii.b):
中間体10.i.a及び10.i.b(243mg)のジオキサン/MeOH/水(3:6:2;11ml)中の溶液を、酢酸ナトリウム(46.4mg)の存在下、Pd(OH)(10mg)上で、8℃にて8h、水素化した。触媒をろ過により除去し、ろ液の溶媒を蒸発させた。残渣を水(7ml)中に取り、沈殿(pH1)が生じるまで、1N HClを滴下した。得られた結晶をろ過により集め、水で洗浄し、乾燥して、100mg(収率61%)のオレンジ色の粉末を得た。この粉末は、ジホスフォリルオキシ誘導体10.ii.a及び微量のモノホスフォリルオキシ誘導体を10.ii.bを含んでいた。
【0188】
化合物10.ii.a:
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.97−1.23 (4H, m); 2.20−2.45 (1H, m); 2.50−2.70 (1H, m); 3.70−3.84 (3H, m); 3.92−4.24 (6H, m); 4.44 (2H, s); 4.55−4.66 (1H, m); 4.79−4.92 (1H, m); 7.18−7.26 (2H, m); 7.57 (2H, d, J = 13); 8.60 (1H, s)。MS: 740.4。
化合物10.ii.b:
MS: 680.4。
【0189】
実施例11
(13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((S)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 塩酸塩:
11.i. (13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
中間体1.xiii(1034mg)、Boc−L−Ala−OH(369mg)、EDC(373mg)及びDMAP(91mg)より、実施例2、工程2.iの手順に従って、この化合物を、白色の固体(1100mg;収率86%)として得た。
MS: 861.1。
【0190】
11.ii. (13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
中間体11.i(200mg)より、実施例2、工程2.iiの手順に従って、この化合物を黄色の固体(116mg;収率65%)として得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.99−1.12 (4H, m); 1.19 (3H, d, J = 7); 1.32 (9H, s); 1.87 (1H, dd, J = 4及びJ = 14), 2.40−2.45 (1H, m), 3.62 (1H, dd, J = 6及びJ = 12); 3.69−3.85 (3H, m); 3.95−4.25 (7H, m), 4.44 (1H, dd, J = 3及びJ = 13), 4.58 (1H, dd, J = 2及びJ = 9); 4.86−4.96 (1H, m); 5.37 (1H, s); 7.19−7.30 (3H, m); 7.56 (1H, dd, J = 3及びJ = 14); 7.58 (1H, d, J = 13); 8.60 (1H, s)。MS: 771.3。
【0191】
11.iii. (13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((S)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 塩酸塩:
実施例2、工程2.iiiの手順に従って、中間体11.ii(116mg)を酸性処理(5N HCl)することにより、この化合物を黄色の固体(96mg;収率95%)として得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.99−1.12 (m, 4 H); 1.36 (3H, d, J = 7); 1.87 (1H, dd, J = 4及びJ = 14); 2.42 (1H,m); 3.62 (1H, dd, J = 6及びJ = 12); 3.69−3.91 (3H, m); 4.05 (1H, dd, J = 3及びJ = 11); 4.10−4.25 (5H, m), 4.31−4.38 (1H, m); 4.52−4.61 (2H, m); 4.91−5.00 (1H, m); 7.19−7.30 (2H, m); 7.56 (1H, dd, J = 3及びJ = 14); 7.58 (1H, d, J = 13); 8.44 (2H, s ブロード); 8.60 (1H, s)。MS: 671.2。
【0192】
実施例12
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−{2−フルオロ−4−[(R)−2−オキソ−5−(ピペリジン−4−カルボニルオキシメチル)−オキサゾリジン−3−イル]−フェノキシメチル}−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
12.i. (13S,16S)−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸 1−ベンジルエステル 4−{(R)−3−[3−フルオロ−4−(7−フルオロ−16−ヒドロキシ−3−ベンジルオキシカルボニル−1−シクロプロピルyl−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−16−イルメトキシ)−フェニル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}エステル:
中間体1.xiii(689mg)のDMF(10ml)中の溶液に、N−カルボベンジルオキシ−4−ピペリジンカルボン酸(394mg)、EDC(249mg)及びDMAP(61mg)を滴下した。反応液をrtで一晩、撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残渣をSiO上のクロマトグラフィー(DCM/MeOH、95:5)で精製し、無色の固体(264mg,収率28%)を得た。
MS (ESI+): 985.5 (M+H)+
【0193】
12.ii. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−{2−フルオロ−4−[(R)−2−オキソ−5−(ピペリジン−4−カルボニルオキシメチル)−オキサゾリジン−3−イル]−フェノキシメチル}−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
中間体12.i(264mg)のDMF(15mL)中の溶液を、10% Pd/C(100mg)上で3h水素化した。触媒をろ過により除去し、ろ液をパラジウムスカベンジャー(Deloxan THP(商標名))で処理した。混合物をろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させ、残渣をDMF/MeOHから結晶化して、ろ過及び乾燥後に、薄灰色の固体(145mg、収率72%)を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.98−1.15 (4H, m); 1.29−1.44 (2H, m); 1.61−1.71 (2H, m); 1.82−1.90 (1H, m); 2.33−2.47 (4H, m); 2.78−2.85 (2H, m); 3.63 (1H, dd, J = 5及びJ = 10); 3.70−3.81 (3H, m); 4.05 (1H, dd, J = 3及びJ = 11); 4.1−4.36 (6H, m); 3.59 (1H, dd, J = 2及びJ = 9); 4.87−4.96 (1H, m); 5.37 (1H, m); 7.18−7.29 (2H, m); 7.55 (1H, dd, J = 2及びJ = 13); 7.58 (1H, d, J = 13); 8.6 (1H, s)。MS (ESI+): 985.5 (M+H)+
【0194】
実施例13
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
13.i. (13S,16S)−16−{4−[(R)5−(ビス−ベンジルオキシ−ホスフォリルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸 ベンジルエステル:
4,5−ジシアノイミダゾール(274mg)を、中間体1.xiii(1000mg)の乾燥DCM(10mL)中の乳濁液に添加した。澄んだ黄色の反応混合物を0℃に冷却し、ジベンジル N,N−ジイソプロピルホスフォラミダイト(0.548mL)を1h以上かけて滴下した。黄色の反応混合物を0℃で1h、さらに撹拌し、水(10mL)で希釈した。有機相を分離し、水(10mL)で洗浄し、tert−ブチルヒドロペルオキシドの水(0.25mL)中の70%溶液にて、0℃で処理した。反応液を0℃で1h撹拌し、さらにrtで一晩、撹拌した。反応混合物を水、飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させた。残渣をSiO上のクロマトグラフィーで、DCM/MeOH(95:5)混合物を溶出液として用いて、精製した。RFが0.4(DCM/MeOH、9:1)の画分を集め、溶媒を蒸発させた。残渣をether(100ml)中で撹拌し、0.650mg(収率47%)の黄色の物質を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.89−1.10 (4H, m); 1.89−1.90 (1H, m); 2.38−2.44 (1H, m); 3.52 (1H, dd, J = 5及びJ = 10); 3.60−3.70 (1H, m); 3.71−3.82 (2H, m); 3.98−4.31 (7H, m); 4.52 (1H, dd, J = 3及びJ = 10); 4.85−4.95 (1H, m); 5.00 (4H, t, J = 7.5); 5.24 (2H, s); 5.35 (2H, s); 7.15−7.57 (8H, m); 8.45 (1H, s)。MS (ESI+): 950.5 (M+H)+
【0195】
13.ii. (13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸:
0.65gの中間体13.iのDMF(15ml)中の溶液を、10% Pd/C(0.5g)上で2h、水素化した。DMFを蒸発させ、残渣をDMF(2ml)中に溶解し、MeOH(5ml)で希釈した。得られた固体をろ過し、MeOH及びエーテルで洗浄し、黄色の固体(372mg、収率81%)を得た。
1H NMR (DMSOd6; δ ppm): 0.98−1.14 (4H, m); 1.83−1.90 (1H, dd, J = 3及びJ = 13); 3.62 (1H, dd, J = 6及びJ = 11); 3.68−3.84 (4H, m); 3.94−4.14 (6H, dd, J = 6及びJ = 11); 4.17−4.27 (1H, m); 4.58 (1H, dd, J = 2及びJ = 9); 4,81−4.89 (1H, m); 7.20−7.25 (2H, m); 7.54−760 (2H, dd, J = 2及びJ = 12.5); 8.59 (1H, s)。MS (ESI+): 680.4 (M+H)+
【0196】
生物学的アッセイ
インビトロアッセイ
実験方法:
これらのアッセイは、“Methods for dilution Antimicrobial Susceptibility Testsfor Bacteria that Grow Aerobically, 4th ed.;Approved standard:NCCLS Document M7−A4;National Committee for Clinical Laboratory Standards:Villanova, PA, USA,1997”の記載に従って実施した。NCCLSガイドライン(National Committee for ClinicalLaboratory Standards. Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility)に従って、ミクロ希釈法によりカチオン調整Mueller Hinton Broth(BBL)中で、最小阻害濃度(MIC;mg/l)を測定した。試験培地のpHは、7.2〜7.3であった。
【0197】
結果:
上記の全実施例を、数種のGram陽性菌及びGram陰性菌に対して試験した。下の表に、典型的な抗菌剤スペクトルを示す(MICはmg/lで表す):
【表1】

【0198】
さらに、式Iに対応する実施例化合物を、S.Pneumoniae49619に対して試験し、以下の結果が得られた(MICはmg/lで表す):
【表2】

【0199】
さらに、(ホスファターゼ及びエステラーゼを含む)生理的環境において、式IPDGの化合物は、急速に対応する式Iの化合物に変換された。実際:
−ヒトアルカリホスファターゼの存在下において、実施例8の化合物は、S.aureus A798に対し、0.25mg/lのMICを示すのに対し、ホスファターゼの非存在下においては、同じ化合物が、S.aureus A798に対し、4mg/lのMICを示した。また、
−実施例11の化合物は、ヒト血清非存在下においても、S.Pneumoniae49619に対し、£0.063mg/lのMICを示した。
−実施例12の化合物は、ヒト血清存在下において、S.aureus A798に対し、2mg/lのMICを示すのに対し、ヒト血清非存在下においては、同じ化合物が、S.aureus A798に対し、8mg/lのMICを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化1】

式中
は、OH、OPO又はOCORであり;
は、H、OH又はOPOであり;
は、H又はハロゲンであり;
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり;
は、ピペリジン−4−イル、又はRは、天然に存在するアミノ酸、天然に存在するアミノ酸のエナンチオマー若しくはジメチルアミノグリシンの残基であり;
nは、0又は1である。
【請求項2】
式Iの化合物でもある、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化2】

式中
は、OH、OPO又はOCORであり;
は、H、OH又はOPOであり;
は、H又はハロゲンであり;
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり;
は、天然に存在するアミノ酸、天然に存在するアミノ酸のエナンチオマー又はジメチルアミノグリシンの残基であり;
nは、0又は1である。
【請求項3】
nが0である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
nが1である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
がH又はOHである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
がフッ素である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項7】
がシクロアルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項8】
以下から選択される請求項1に記載の化合物:
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((R)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−エチル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16R)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−5−ヒドロキシメチル−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ホスフォノオキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−4−オキソ−16−ヒドロキシ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−16−{4−[(R)−5−((S)−2−アミノ−プロピオニルオキシメチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェノキシメチル}−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−{2−フルオロ−4−[(R)−2−オキソ−5−(ピペリジン−4−カルボニルオキシメチル)−オキサゾリジン−3−イル]−フェノキシメチル}−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
(13S,16S)−1−シクロプロピル−7−フルオロ−16−[2−フルオロ−4−((R)−2−オキソ−5−ホスフォノオキシメチル−オキサゾリジン−3−イル)−フェノキシメチル]−16−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4,13,15,16,17−ヘキサヒドロ−12H−11−オキサ−1,14−ジアザ−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−カルボン酸;
又はそのような化合物の塩。
【請求項9】
医薬としての、請求項1又は2に定義された式Iの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項10】
請求項1又は2に定義された式Iの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩を活性成分として、そして少なくとも1つの薬学的に不活性な賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項11】
細菌感染症の予防又は治療のための医薬を製造するための、請求項1又は2に定義された式Iの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩の使用。
【請求項12】
式IIIINTの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化3】

式中、
は、H又はOHであり、
は、H若しくはSOであり、又は
及びR関し、RとORが、それらを保持する炭素原子とともに、アセトニド環を形成し、又は、
及びRに関し、RとORが、それらを保持する炭素原子とともに、エポキシド環を形成し(換言すれば、RとRが一緒になって結合を表し)、
は、H又はハロゲンであり、
は、H、(C−C)アルキル又はシクロアルキルであり、
は、H、(C−C)アルキル、アリル、ベンジル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、トリ−(C−C)アルキルシリル又はジフェニル−(C−C)アルキルシリルであり、そして
は、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、フェニル又はトリルである。
【請求項13】
以下から選択される請求項12に記載の化合物:
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル;
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aS,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aS,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 エチルエステル;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−ヒドロキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aR,8R)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
(6aR,8S)−4−シクロプロピル−11−フルオロ−8−ヒドロキシ−8−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキソ−1,4,6,6a,7,8,9,10−オクタヒドロ−5−オキサ−4,10a−ジアザ−クリセン−2−カルボン酸 ベンジルエステル;
又はそのような化合物の塩。

【公表番号】特表2010−510977(P2010−510977A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537745(P2009−537745)
【出願日】平成19年11月23日(2007.11.23)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054759
【国際公開番号】WO2008/062379
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】