折りたたみ可能な本体を備えた自己封止式雄コネクタ装置
雌ルアーコネクタとの連結のための自己封止式雄コネクタ装置。この装置は、長さ方向の比較的剛性のある壁部分と比較的可撓性のある壁部分とが協働して、拡張形状から収縮形状へと本体が径方向に圧縮されるように構成された、細長い雄本体を有する。再封止可能な開口を備えた閉鎖キャップが、雄本体部分の圧縮に応答するように、雄本体部分の遠位端部に配設される。比較的可撓性のある壁部分は、雄本体の切欠き内に取り付けられるか、又は、比較的剛性のある壁部分と一体的に形成されることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療用流体を送るのに用いられる医療用コネクタに関し、さらに詳細には、自己封止式の雄コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野で現在知られ、使用されている自己封止式の医療用コネクタは、コネクタの封止材が、患者又は他の装置に向かうすべての流体をコネクタの側で閉じ込めるように働くように、患者の静脈注射(IV)路又はガス採取路、薬剤又は溶液源、或いは他の医療用装置に連結されるように、一般に構成されている。このように、一般的なコネクタは、患者のIV路、流体源、又は他の装置に連結されたままである封止されていない雄ルアーコネクタを一方の端部に有し、シリンジ又は他の同様の装置がそれを介して係合されてよい、自己封止式の雌コネクタをコネクタの反対側の自由端部に有する。自己封止式の雌コネクタは、一般に、雄コネクタとの連結時に開かれ、雄コネクタからの分離時に自動的に閉じる内部バルブを有する。
【0003】
使用時には、雄コネクタを有するシリンジ又は他の装置がコネクタの雌端部に連結され、薬剤が患者の静脈路内に投与されると、雌コネクタを介して流体を押したり、又は引いたりする。シリンジ又は他の装置は、雄コネクタを備えた構成になされており、それによって自己封止式の雌コネクタを係合し、雄コネクタの中央ボスが雌コネクタの封止膜に接触し、雌コネクタの内部バルブを開き、雌コネクタを介して流体通路を作る。必要な流体が与えられた又は抜かれた後、シリンジが外されて、針のない雌コネクタの内部バルブが閉じて、雌コネクタを再封止し、投与されたばかりのすべての薬剤を含むすべての体液をコネクタの患者の側に閉じ込める。しかしながら、シリンジの雄コネクタは、一般に内部バルブを含まず、その中に残っているすべての残留流体は、封止されずに露出されている。
【0004】
医療業界では、シリンジ又は他の装置若しくは容器から与えられたり、或いは、シリンジ又は他の装置若しくは容器に抜かれたりする流体が、それ自体、常に封止されて、介護者のそのような流体への暴露が防止されなければならない、又は少なくとも最小限にされなければならない用途がある。たとえば、放射性同位体が患者に施される核医学の分野では、この同位体への暴露が最小限にされることが、介護者及び患者の両者の安全のために重要である。さらなる例は、患者から血液を採取することを含み、ここでは、採取装置に残っている血液の介護者への暴露が防止されることが重要である。
【0005】
さらなる例は、一定の薬剤が、患者の循環器系に制限されている時には、非常に有益な効果を有するが、患者の皮膚又は他の組織には有害であるという、腫瘍学の分野においてである。そのような薬剤は、害が及ぼされる恐れのある組織に至らないように、注意深く管理されなければならない。そのような薬剤を、ある容器から別の容器、又は患者の流体路に移すことは、封止材が存在しない場合、有害になる恐れがある。
【0006】
これらの目的のために、自己封止式の針なし雄ルアーコネクタの異なる構成が望まれる。このような強い医療用流体と医療従事者又は患者の外部組織との間のほんのわずかな量の接触も回避されなければならない場合、その外表面におけるこのような流体の存在を最小限にできる雄コネクタを提供することは非常に有益であろう。このような流体がそのような外表面に偶然存在する場合、このようなコネクタは、その表面から流体を除去する手段を備えなければならない。
【0007】
コネクタにルアー形状を使用することが、より一層一般的になってきている。これは、そのような形状に国際規格が採用されてきているからである(ISO No.594を参照のこと)。そのようなルアー形状は、雄コネクタに先細の外表面を、雌コネクタに相補形の先細の内表面を有する。そのような先細形によって、寸法の精密さに劣るコネクタでも、流体の移動のために、うまく勘合することができる。さらに確実な連結のために、雌コネクタの開口部を囲む外表面にねじ又はねじ要素が加えられ、雄ルアーコネクタの回りにねじ付きのつばが加えられている。ねじ付きのつばは、自由に回転することができるか、又は雄ルアーコネクタの回りの適所に固定されてもよい。雌コネクタ及び雌バルブポートは広く入手可能であるため、ルアー形状を有する自己封止式の雄コネクタを提供することが望ましいであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、雌コネクタへの接続の前及び後に、その中に残留している流体を封止する自己封止式の雄コネクタが必要であることを、当業者は認識している。そのような自己封止式の雄コネクタは、シリンジ若しくは他の装置の一部に接続されるか、又はその一部として形成される、又は血液採取装置に形成されてよく、或いは、有毒性もしく腐食性である、より危険な流体を含む医療用流体を管理的に送るためのチューブ若しくは他の装置とともに用いられてよい。本発明は、これらの必要性及び他の必要性を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、雌連結装置への針なし連結のための自己封止式の雄コネクタ装置に関する。雄コネクタ装置は、第1端部及び第2端部を有する雄形の筒状の壁によって形成される雄形本体を含み、その第1及び第2端部を互いに流体連通させる内部流体路を備える。完全に作成された筒状の壁は、第1端部から第2端部へ連続しており、それは、筒状の壁自体にまったく隙間がないことを意味する。筒状の壁の第1端部すなわち遠位端部は、開口部を画定する縁部を含み、その縁部が、雌コネクタ装置に係合していない時の、平常の静止した拡張形状と、雌コネクタ装置と係合している時の収縮形状との間で撓む。キャップが縁部に配設され、縁部が平常の拡張形状にある時には閉じられ、縁部が収縮形状にある時には開かれる、スリットなどの再封止可能な開口を備えて形成される。縁部は、雄本体が雌コネクタ装置の中に挿入されると、平常の形状から収縮形状へと撓む。
【0010】
別の態様では、雄本体の連続した筒状の壁が、少なくとも第1の軸方向部分及び第2の軸方向部分を備えて形成され、第2の軸方向部分が第1の軸方向部分よりも、より可撓性を有する。第2の軸方向部分は、第1の軸方向部分よりも壁厚が薄く、それによって第2の軸方向部分が第1の軸方向部分よりも、より可撓性となり、それによって雌コネクタ装置に係合される際に、雄本体が収縮できる。別の態様では、第2の軸方向部分は、第1の軸方向部分よりも、より可撓性を有する繋ぎ部分をなす、弾性の材料から形成されてよい。
【0011】
別の態様では、連続した筒状の壁が、第2端部すなわち近位端部を含むベース部に取り付けられ、少なくとも2つの離間した比較的剛性のある壁部分が、このベース部に取り付けられ、片持ち式のやり方で、第1方向すなわち遠位方向に軸方向に突出する。雄本体は、剛性の壁部分同士の間に形成された切欠きの隙間を備え、その切欠きが可撓性の壁部分で埋められて、剛性の壁部分を互いに連結し、流体を送るための連続的な筒状の本体を形成する。可撓性の壁部分によって、剛性の壁部分が、雌コネクタ装置に係合する時、径方向内向きに収縮形状まで撓むことができる。
【0012】
さらに別の態様では、雄コネクタ装置の第2端部すなわち近位端部にコネクタが形成される。コネクタは、雌ルアーコネクタ、血液採取装置、又は医療業界で用いられる他のコネクタとして構成されてよい。このコネクタは、シリンジ又は他のそのような医療用装置を雄コネクタ装置に取り付けるのに使用可能である。
【0013】
使用時には、雄コネクタは、雌ルアーコネクタの中に挿入される雄ルアー本体を有してよい。雌コネクタに係合されていない時には、雄コネクタ装置は、一態様において、雌コネクタの内径より大きい外径を有する平常形状にある。平常形状では、雄コネクタ装置の閉鎖キャップの再封止可能な開口が閉じられ、流体がそれを介して流れるのを防止する。雄コネクタ装置が雌コネクタに挿入されると、雌コネクタの、より小さい内径によって、雄コネクタの縁部分が内向きに収縮又は撓んで、それによって、キャップの再封止可能な開口を開いて、流体がその中を流れることができるようになる。その後、雄コネクタ装置は、雌コネクタから外されるか、又は抜かれ、それによって、縁部分が平常形状に向かって外向きに拡張し、閉鎖キャップの再封止可能な開口を閉じさせる。この構成によって、雄コネクタ装置が、雌ルアーコネクタとの連結の前及び後に、雄コネクタ装置の中に残留している流体を封止する。
【0014】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて、本発明の原理を例によって示す好ましい実施例の以下の詳細な説明から明らかになろう。
【実施例】
【0015】
ここで例示の目的のために、複数の図において同様の符号が対応する又は同様の構成要素を表す図面をさらに詳細にすると、図1に示されているのは、シリンジ32の遠位端部31に取り付けられ、IV路を介して流体を与える又は抜くための患者のIV流体投与セット34の近位端部に作動的に連結された、本発明の態様に従った自己封止式の雄ルアーコネクタ装置30である。本明細書全体において、「遠位」とは患者33に向かう方向を指し、「近位」とは患者から遠ざかる、又は採取若しくは分配装置に向かう方向を指すことに留意されたい。これらの相対的な方向は、図1及びその他の図に示されており、参照及び本発明の実施例の例示をさらに明確にする目的のみのために与えられており、限定の目的のために与えられているのではない。
【0016】
図2を参照すると、図1の自己封止式の雄ルアーコネクタ装置30の一実施例が示されている。この実施例では、雄コネクタ装置が、第1端部すなわち遠位端部38及び第2端部すなわち近位端部40を備えた細長い雄本体部分36を有する。雄コネクタ装置は、また、第1端部に配設された可撓式の閉鎖キャップ42を含む。雄本体部分は、ベース部46から軸方向に延在し、閉鎖キャップを支持するように協働する縁要素48において遠位の第1端部で終わる複数の比較的剛性のある壁部分44を備えて形成されている。縁要素は、図3によりはっきりと示されるように、外側の遠位縁部47に丸みがつけられるか、又は面取りされており、雄コネクタ装置が容易に雌ルアーコネクタに入るようにする。図2を参照して、比較的剛性のある壁要素同士の間に配置されてそれらを連結しているのは、筒状の本体を完成させ、耐密封止材を形成する、比較的可撓性のある壁要素50である。壁部分44及び50はともに、雄本体部分の遠位端部から近位端部まで連続した筒状の壁52を形成する。好ましい実施例では、閉鎖キャップ及び可撓性の壁部分は、同時複合射出成形法によって、1つの連続した部品として製造されるが、キャップと壁部分とを別々に製造して、接合することも可能である。
【0017】
雄コネクタ装置30の近位端部すなわち第2端部40に配設されているのは、従来式の雌ルアーコネクタ56であるが、単なるチューブ連結又はシリンジなどの様々な他のコネクタ及び装置を代わりに用いてもよいことが理解されよう。ベース部46は、遠位に延在する雄本体部分と近位に延在する雌ルアーコネクタとの間に配置される。ベース部は、雌コネクタのより大きい外径と、雄本体のより小さい直径との間に移行部分を与える。図2において雌コネクタに示された直径よりも、雄コネクタ装置の近位端部の直径がより小さい他の実施例では、ベース部が雄本体部分と同じ直径であってよいか、又は異なる形状を有していてもよい。雌ルアーコネクタ端部は、標準的な外側ねじ山58を含むが、いくつかの用途においては、ねじ山は必要ない場合もある。
【0018】
さらに図2を参照して、自己封止式の雄コネクタ装置30の閉鎖キャップ42は、本実施例では、雄本体部分36の遠位端部38に形成された開口部に対応する、概ね円形の外辺部を有する。閉鎖キャップは、図示のように本体が平常すなわち「静止」形状にある時、流体の流れに対して封止を形成するように閉じられる、再封止可能な開口54を含む膜から形成される。好ましい実施例では、再封止可能な開口は図に示されたようなスリットである。よく知られているように、スリットは、平常すなわち「静止」形状では流体を通過させない。雌コネクタとの係合に際して、スリットを開いて、流体が雄コネクタ装置を介して流れるようにするためには、スリットは、比較的剛性のある壁部分44に関して、スリットの一方の端部が一方の比較的剛性のある壁部分に隣接し、スリットの他方の端部が反対側の比較的剛性のある壁要素に隣接するように配置される。したがって、比較的剛性のある壁部分が、より小さい内径の雌コネクタに係合し、互いに向かって押し動かされると、スリットの両端部もやはり互いに向かって押し動かされ、それによってスリットを開かせる。
【0019】
一実施例では、閉鎖キャップ42は、図4において最もよく分かるように、剛性の壁部分44の遠位端部38に形成された隆起部60に沿って嵌るような寸法にされている。図4は、閉鎖キャップのない隆起部を示し、一方、図3は、雄本体部分36に取り付けられた閉鎖キャップの断面図を示す。図5は、図2に示す組み立てられた雄ルアーコネクタ装置30を形成するように、図4に示す雄本体部分36の剛性の壁44の遠位端部38に組み立て可能な、可撓性の閉鎖キャップ42の図を示す。閉鎖キャップは、図2に示すスリット54並びに可撓性の壁要素50を有する上表面62を含む。一実施例では、上表面の直径は、図4に示した隆起部60の開口部と同じになるように選択される。この場合、閉鎖キャップの再封止可能な開口54がスリットであるため、雄本体部分に閉鎖キャップが取り付けられている時には、この開口が流体の流れに対して閉じられたままとなる。上記のように、スリットを開き、流体が流れるようにするためには、外的な力が必要である。別の実施例では、隆起部にキャップを取り付けるためにわずかに伸ばすことが必要なように、閉鎖キャップは遠位端部38に対していくらか小さいサイズになっていてよい。したがって、キャップは、ある程度緊張状態にあることになり、それによって、スリットがより強く閉じられた状態に保たれる。したがって、図2の構成にある時、スリットは、スリットを介する流体の流れをより強く妨げることになる。
【0020】
ここで、図6の断面図を参照して、雄本体部分36、ベース部46、及び近位端部40は、コネクタ装置ハウジング64を形成すると考えられてよい。ハウジングは、その遠位端部38から近位端部40まで、流体路67を画定する。比較的剛性のある壁部分44は、図示のように片持ち式のやり方でベース部46に取り付けられる。この片持ち式の取り付け方を達成するためには、比較的剛性のある壁要素が、その中に、遠位端部から選択された長さだけ近位方向に延在して形成される切欠き66を有する。この実施例では、切欠きの位置は、2つの比較的剛性のある壁部分が互いに向き合うように選択されてよい。これらの切欠きのため、ハウジングの縦軸68に向かって内向きに向けられた外的な力にさらされた時に、向かい合う比較的剛性のある壁部分の遠位端部38が、互いに向かって動かされることができる。しかしながら、内向きの圧力にさらされていない時は、向かい合う比較的剛性のある壁部分は、図6に示す平常の静止形状に戻ろうとする。このように平常の形状に戻ろうとすることによって、遠位端部38に取り付けられた閉鎖キャップ42が、やはり平常の静止形状に戻り、それによって、図2に示すように、キャップのスリット54を閉じることになる。しかしながら、雄コネクタ装置30内に医療用流体を保持するために、この実施例では、可撓性の壁部分50が切欠き66の中に含まれている。図5に示す一実施例では、これらの可撓性の壁部分は、閉鎖キャップの部分によって設けられる。
【0021】
ここで図7から9を参照して、雄ルアーコネクタ装置30の、2つの異なるタイプの雌ルアーコネクタ装置との係合が示されている。図7では、本発明の態様に従った雄ルアーコネクタ装置が、第1のタイプの雌ルアーコネクタ装置70の開口部と位置合わせされている。雌ルアーコネクタ装置のこの実施例では、内部バルブ及びルアー開口部72がなく、チャンネルが標準的なルアーの先細形状及び直径のものである。とくに、雌ルアー開口部が、直径DF1を有し、遠位方向ではより小さい直径DF2まで先細になる。この開口部の直径DF1は、雄コネクタ装置の直径DMと等しい、又は雄コネクタ装置の直径DMより大きい。別の実施例では、雄コネクタ装置の直径DMは、雌コネクタ装置の開口部直径DF1より大きい。雄コネクタ装置の面取りされた、又は丸みのつけられた縁部47が、雄コネクタ装置の遠位端部38を、雌コネクタ装置の開口部に係合するのを助けることになる。図7及び8に示した特別な雌ルアーコネクタ装置は、開口部又はその近くにバルブを含まない。しかしながら、図9の雌ルアーコネクタ装置74はバルブを含み、その一部が示されている。
【0022】
図8では、雄ルアーコネクタ装置30は、雌コネクタ装置70に完全に係合されており、それによって、雄コネクタ装置のスリット54が開いて、雌コネクタ装置と雄コネクタ装置との間に流体が流れることができる。雄コネクタ装置の遠位端部38は、直径の小さい雌ルアーチャンネル72の中へ移動した結果として、収縮されている。雄コネクタ装置の比較的剛性のある壁部分44は、収縮形状まで内側に曲げられており、そこでスリット54が開いて、雄コネクタ装置を介して流体が流れることができる。
【0023】
図9では、本発明の態様に従った雄ルアーコネクタ装置30が、異なるタイプの雌コネクタ装置74に完全に係合されている。この形状の雌コネクタ装置は、内部バルブ機構76を含み、この内部バルブ機構76は、図9に示されるように、バルブ機構が雌コネクタ装置のハウジングの中へ移動された時に自動的に開いて、雌コネクタ装置を介する流れを可能にする。第2の雌コネクタ装置の開口部78は、すべての標準的なルアー雄コネクタ装置を受けるように、標準的な直径を有するが、標準的なルアー先細形状はあってもなくてもよい。図9に示す構成では、雌コネクタ装置の開口部78に、標準的な雌ルアー先細形状は存在しない。しかしながら、本発明の態様に従って、雄本体部分は、比較的剛性を有する壁部分50を含む。この壁部分50は、比較的剛性があり、片持ち式の形状であるため、雄コネクタ装置の直径よりも小さい直径の雌コネクタ装置の開口部に係合した時、雌ルアー先細部の長さが限られていても、互いに向かって内向きに図9に示す収縮形状まで押される。
【0024】
雄コネクタ装置30を、図7〜9の雌コネクタ装置70及び74のどちらかから外すと、雄本体部分36の細長い比較的剛性のある壁部分44の偏向効果が、縁要素48を、図2に示す平常又は「静止」形状に向かって径方向外向きにやはり押し、スリット54をその平常の閉鎖形状に戻し、それによって、閉鎖キャップの開口を再封止し、雄コネクタ装置を介する流体の流れを防ぐ。このように、本発明の自己封止式の雄コネクタ装置が閉じ、それを介する流れを雌コネクタなどとの連結の前及び後の両方において防ぎ、一方、連結している間は、雄コネクタ装置が開いて、流れが可能になることが理解されよう。また、図2に示す実施例は、ハウジング64及び閉鎖キャップ42の2つの部品のみを含むことが、理解されよう。しかしながら、別の実施例では、雄コネクタ装置30は、射出成形加工又は他の手段によって、1つの部品として製作されてもよい。
【0025】
再び図8を参照すると、雄コネクタ30が、作動形状を達成するように雌コネクタ70に挿入されており、雄ルアーの遠位端部38の直径が縮小している。先細になった雌コネクタの壁の、より小さい内径が、縁要素48及び剛性の壁部分44を押し、縮小形状へと径方向内向きに撓ませる。この実施例では、比較的剛性のある壁部分がこれ以上撓むことができない点まで雄コネクタが雌コネクタ装置に挿入された時、剛性の壁部分44及び可撓性の壁部分50が、雌コネクタ装置の内側の雌係合面80に対して実質的に面一になり、2つのコネクタ装置の間に概ね表面対表面の封止が達成されるように、雄本体部分36の直径及び切欠き66の長さが構成されている。
【0026】
図10、11、及び12を参照して、雄コネクタ装置30の遠位端部38をたたむスリット54の効果が示されている。図10は、雄コネクタ装置を図8の雌コネクタ70に挿入することなどによってスリットを圧縮することにより作られる開口部の全体形状を示している。しかしながら、雄コネクタ装置の遠位端部全体は縮小され、その結果、閉鎖キャップ42が、図11に示すように軸方向外向きに撓むか、又は図12に示すように軸方向内向きに撓む。雄コネクタ装置の遠位端部がいかなる別の装置にも当接しない図8に示す場合では、スリットは図11に示す形状、すなわち軸方向外向きにすぼむ形状を取るようになりやすい。雄コネクタ装置の遠位端部が別の装置、この場合は雌のバルブ機構に当接する図9に示す場合では、スリットは、図12に示す形状、すなわち軸方向内向きにすぼむ形状を取るようになりやすい。
【0027】
本明細書で用いられる「繋ぎ部分」又は「繋ぎ」は、剛性の部分を相互連結する、比較的剛性のある壁部分44同士の間に配置された可撓性の材料を意味し、相互連結する材料は剛性の壁と同じ材料から形成されるか、又は何らかのやり方で加えられ、取り付けられる。
【0028】
図2、3、4、及び6に示す雄本体部分36の形状は、射出成形法又は同時複合射出成形法の製造工程によく適していることが、当業者には理解されよう。そのような工程では、本体は、単一の線形コアプルを備えた比較的単純な2分割成形型の中で製作されてよい。ベース部46及び剛性の壁部分44を含む雄本体部分は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、UHMW、PVC、ABS、アクリル、ナイロン、POM、及びKレジンなどの多様なプラスチック材料から形成されてよい。その結果、比較的剛性のある壁部分の自由端部によって及ぼされる幅広い径方向の偏向力が、単に材料の選定の変更及び/又は本体の壁厚の調整を行うことにより達成可能になる。このように、本発明の範囲から逸脱することなく、多様な切欠き66のサイズ及び形状が用いられてよいことが理解されるであろう。さらに、従来式の雌ルアーコネクタ56などの、雄本体部分の近位端部40に形成されるコネクタは、同じ成形作業で単一の一体型ハウジング64を作るように形成されることもできる。
【0029】
可撓性の壁部分50及び閉鎖キャップ42は、成形又は押し出し及び打ち抜きの工程で単一の一体型構造として形成され、その後、溶剤接合、超音波溶接、或いは知られている又は今後開発される他の同様の組み立て技術を用いて雄本体部分36に取り付けられてよい。代替として、可撓性の壁部分50及び閉鎖キャップ42は、当技術分野で既知のオーバーモールド工程で雄本体部分の上に直接形成されるか、又は別途に形成されてよい。可撓性の壁部分50が、対応する切欠き66にわたり、その切欠きを係合して、閉鎖キャップが、雄本体部分の遠位端部38の縁要素48と面一になるように、図4に示す隆起部60を係合し、それよって、筒状の本体部分をその周囲全体にわたって連続させ、漏れのないようにする。可撓性の壁部分は、壁厚の薄い繋ぎ部分として構成されており、閉鎖キャップとともに、熱可塑性エラストマー、TPV、熱可塑性硬質ゴム、及び熱可塑性シリコーンなどの複数の弾性材料で形成されてよい。
【0030】
ここで図13〜23に移ると、雄本体部分36の溝66に配置される様々な形状の繋ぎ部分が示されている。別の実施例では、溝66は、剛性の壁部分44の全長にわたって延在してよいことを理解されたい。すなわち、溝は、ベース部46から遠位端部38まで延在してよい。図13では、雄本体部分の遠位端部の断面図が示され、比較的剛性のある壁部分及び可撓性のある壁部分が平常形状にあるのを示している。すなわち、それら壁部分が一部をなす雄ルアーコネクタ装置が、この図では、雌コネクタと係合されていない。一方、図14は、図13と同じ比較的剛性のある壁部分と可撓性のある壁部分が、雌ルアーコネクタと係合されたために、実際に収縮されている、同じ雄本体部分の断面図を示す。比較的剛性のある壁部分44は、概ね矢印68の方向に互いに向かって径方向内向きに撓まされており、可撓性の壁部分50の周囲が圧縮されて、雌ルアーコネクタ装置の内壁(図8を参照)と接触するように概ね径方向外向きに、及び径方向内向きに広がる。
【0031】
図13及び14では、可撓性の壁部分50が、剛性の壁部分44の中央に取り付けられている。図15では、可撓性の壁部分が、剛性の壁部分の外側端部及び内側端部に交互に取り付けられている。図15では、雄ルアーコネクタ装置が、平常形状では図7に示すような雌コネクタと係合していない(外れている)。図16では、同じ雄本体部分が、図8のように、雌ルアーコネクタと係合されたことによって収縮されている。図14と同様に、可撓性の壁部分が、剛性の壁部分の外表面と同一の広がりを持つ外表面を形成し、それによって雌コネクタ装置と雄コネクタ装置との間の界面が漏れないようになる。
【0032】
前述の実施例では一定の厚さを有するものとして示されているが、可撓性の壁部分は、実際は多様な厚さを有してよい。図17では、そのような構成が示されている。本実施例の可撓性の壁部分50は、より厚い、中央に位置する、径方向外向きに配置された突出部又は突起部86を含む、一様でない厚みを有する。可撓性の壁部分50は、実質的にその端部の内側部分88で切欠き66にわたるように取り付けられる。このようにして、切欠きを閉じるように雄コネクタ装置30が圧縮されるにつれて、可撓性の壁部分50bがその長さに沿って径方向外向きに広がり、それによって湾曲部80が径方向外向きに移動され、雌コネクタの内表面と接触する。特定の方向、ここでは径方向外向きにたたむ又は曲げるように予め偏向させられていることによって、可撓性の壁部分50bが求められていない方向にゆがんだり、撓んだりする危険性が最小限になることが理解されよう。
【0033】
上記は、可撓性の壁部分50が取ってよい径方向の向きの断面形状の例である。他の形状も可能であり、上記は単なる例である。
【0034】
ここで、可撓性の壁部分50の軸方向の形状が論じられ、示される。ここで図19を参照すると、可撓性の壁部分50が、長さに沿って実質的に一様な厚みを有して示されており、剛性の壁部分44の外側端部90と内側端部88との間に、概ね径方向中央に配置されている。
【0035】
図20では、可撓性の壁部分50の別の実施例の軸方向の形状が、剛性の壁部分44の内側端部88と位置合わせされた遠位上部分92と、中間の近位へ向かって傾斜した部分94と、剛性の壁部分の外側端部90と整列された近位下部分96を有するものとして示されている。可撓性の壁部分92、94、96はすべて、実質的に一様な厚みを有する。可撓性の壁部分は、雄本体部分の遠位端部に対応し、縁要素に隣接するように径方向に埋め込まれた上部分を有し、それが縁要素の収縮形状への内向きの動きを容易にし、雄コネクタの雌コネクタへの挿入を容易にする働きをするように構成されている。次に、可撓性の壁部分の近位へ向かって傾斜した部分が、壁を雄本体部分の外側端部までスムースに移行させ、それによって、切欠きの下近位部分に、より弾性を与えて圧縮を起こし、その結果、可撓性の壁部分が径方向に拡大して、雄コネクタを雌コネクタ内に封止する役割をする。
【0036】
図21では、可撓性の壁部分50の別の実施例が、遠位端部38から近い距離のところで軸方向外向きに突出する円周突起100を除いて、外側端部90と内側端部88との間の概ね中央に配置された、実質的に一様な長さ方向部分98を有するものとして、断面で示されている。図2に示されている雄本体部分36の平常の形状では、突起の外側の端が、外側端部90と実質的に整列されている。雄コネクタ装置30が雌コネクタ内に挿入され、縁要素が収縮形状に向かって移動されると、可撓性の繋ぎ部分50が圧縮され、それによって、突起を径方向外向きに広げ、雌コネクタの内表面に対する環状の封止を作ることが理解されよう。
【0037】
ここで図22に移ると、剛性の壁部分44の壁厚よりもわずかに薄い断面厚さを備えた近位下部分102を有する、可撓性の壁部分50のさらに別の実施例が示されている。可撓性の壁部分の遠位上部分104は、先細になった外表面を有して形成されており、それによって可撓性の壁部分が遠位端部38に向かって薄くなる。このようにして、可撓性の壁部分の径方向に埋め込まれた遠位部分が、雄本体部分36の遠位端部の圧縮を容易にする。
【0038】
同様に、ここで図23を参照して、可撓性の壁部分が遠位端部38に向かって細くなり、外側端部90及び内側端部88の間の概ね中央で終わる、先細になった内側及び外側表面を有する、下近位部分106と、遠位上部分108とを有する可撓性の壁部分50の別の実施例が示されている。本発明の可撓性の壁部分の遠位先細部分によって、雄本体部分36の遠位端部が収縮形状に向かって圧縮するのが容易になる。さらに、可撓性の壁部分の実質的に対称形の断面によって、一様な圧縮を確実にし、壁の不要なゆがみを防止する助けとなる。
【0039】
溝の中に様々な材料が可撓性の壁部分を形成する溝を有するものとして上記に示され、説明されてきたが、他の構成も可能である。ここで図24を参照すると、同じ材料を含むが厚い剛性の壁部分44の間に置かれた厚みの薄い断面50を有する、細長い雄本体部分36の別の実施例が示されている。厚みの薄くなった部分と厚くなった部分とが、別の実施例と同様にベース部46で終わる。一実施例では、剛性及び可撓性のすべての壁が、ベース部においては概ね一様の断面厚さのものである。このため、筒状の本体の近位端部において構造的に一体となる。筒状の雄本体に形成された厚みの薄い部分50が、その遠位端部38において、より大きな径方向の可撓性を与える。雄本体部分の壁内に、1つの連続した筒状構造として厚みの薄い部分を形成することで、所期の径方向の圧縮性が達成され、それによって、雌コネクタへの挿入に際して、縁要素48が遠位端部において径方向内向きに撓むことができる。雄本体部分36の外表面は、雌コネクタの内表面との表面から表面への係合を助ける連続した表面を有し、それによって、連結時に隙間のない封止を形成する。遠位端部の図が図25に示されている。
【0040】
図示されていないさらに別の実施例では、細長い雄本体部36が、全長に沿って概ね均一な直径及び壁厚の筒状の壁44を備えて形成される。本体は、圧縮可能な弾性材料からなり、それによって連続した遠位縁部48が雌コネクタの内径に比べて大きくされ、雌コネクタに挿入された時に、収縮形状に向かって径方向内向きに圧縮されることができる。そのような材料、例として、医療用等級の熱可塑性ゴムは、概ね弾性があり、そのため、雌コネクタから取り外すと拡張された形状に戻るが、雌コネクタに挿入されるとその内面と一致し、それによって、係合されたコネクタ同士の間に確実な封止を維持する。閉鎖キャップがその一部として形成される可撓性の壁部分を有さない場合以外、他の図に示された閉鎖キャップを受けるための取り付け用隆起部が、遠位端部に含まれる。
【0041】
さらに別の実施例では、雄コネクタ装置の細長い雄本体部分が、離間した起伏を備えて形成され、本体の回りに厚みの薄い断面ができる。この起伏が協働して、残りの比較的剛性のある壁部分同士の間に可撓性の壁部分を形成し、それによって、雌コネクタ装置と係合している間、筒状の本体全体を径方向に圧縮できる。この起伏は、ベース部から離れたところで終わり、それによってベース部が、構造の一体性、及び厚みの薄くなった雄本体部分の偏向を与える。
【0042】
ここで図26を参照すると、平常の静止した拡張形状にある雄本体部分36の断面図が示されている。見て分かるように、閉鎖キャップ42の中央部110が、わずかに軸方向外向きに偏向又は屈曲を有する形状にされている。このように、雄コネクタ装置30が雌コネクタ装置に挿入され、スリットを開くように、比較的剛性のある壁部分44が径方向内向きに撓まされて閉鎖キャップを圧縮した時、閉鎖キャップの軸方向外向きの予備的偏向が、図11に示すように、キャップを凸形状まで軸方向外向きにさらに撓ませる又は屈曲させることが理解されよう。
【0043】
ここで図27を参照すると、細長い雄本体部分36の上に封止的に取り付けられた別の実施例の閉鎖キャップ42を有する、雄本体部分36が示されている。閉鎖キャップは、遠位端部38の隆起部60に沿って面一になり、可撓性の壁部分50と概ね平行に配置された単一のスリット開口54を有するように、やはり概ね環状に形成される。しかしながら、閉鎖キャップ42は、その中央部112にわずかな軸方向内向きの偏向又は屈曲を有して形成される。こうして、雄コネクタ装置30が雌コネクタ装置に挿入され、縁要素48の近傍の比較的剛性の壁部分44に対して径方向内向きの圧縮力が働かされた時、閉鎖キャップの軸方向内向きの予備的偏向が、キャップ42aを図12に示すように、凸形状まで軸方向内向きにさらに屈曲させる。
【0044】
ここで図28を参照して、閉鎖キャップ42の代替実施例が示されている。この実施例では、図2に示すように、雄本体部分36が平常の静止した拡張形状にある時、閉鎖キャップは概ね平坦である。再封止可能な開口部又はスリット54が、可撓性の壁部分50、及び図28に方向指示の矢印112によって示される径方向の圧縮力の向きと概ね平行になるように、キャップにやはり形成される。キャップは、圧縮に際して一方の側114が軸方向外向きに撓むように偏向され、キャップの反対側116が、圧縮に際して軸方向内向きに撓むように偏向されている。このようにして、雄本体部分36が径方向に圧縮された時、閉鎖キャップ42の側部102が、軸方向外向きに撓まされる又は屈曲され、反対側の側部104が軸方向内向きに撓まされる。スリット54がこのように開かれ、雄コネクタと雌コネクタとの間に流路が作られる。
【0045】
ここで図29に移ると、別の代替実施例の閉鎖キャップ118が、雄コネクタ装置30の細長い本体36に取り付けられているのが示されている。代替の閉鎖キャップは、やはり可撓性の壁部分50に概ね平行になるように配置された、2つの平行な離間したスリット120及び122を有して形成されている。2つの並置されたスリットを有することで、代替の閉鎖キャップは、2つの対向する側部に基本的に分割され、2つの側部の間には中央の膜124部分を備える。図29に見られるように、代替の閉鎖キャップは、平常の形状において概ね平坦になるように構成されている。その後、図30に示すように、雄本体部分の遠位端部が、矢印112の方向に径方向に圧縮され、代替の閉鎖キャップ118の中央部分124が軸方向内向きに撓み、一方、対向する側部126及び128が軸方向外向きに撓んで、2つのスリット120及び122を開いて、それらを介する2つの流路を作る。一実施例では、中央の膜部分124の領域において閉鎖キャップの厚さが増され、対向する隣接する側部に対して内向きに撓むことをさらに容易にする。
【0046】
図30aは、スリットを介する望まれない流体の流れを引き起こす可能性のある内部圧力に抵抗するように、スリット120及び122が角度を持って形成されている一実施例を示す。中央部124に対して内部圧力が高まると、角度のついたスリットのため、各外側部分が中央部の外側部分と材料の重なりを有するので、開こうとする中央部の動きが、2つの外側部分126及び128によって阻止される。
【0047】
図31に示された代替実施例では、閉鎖キャップ42は単一のスリット54を有するが、キャップが雄本体36に取り付けられた時に、スリットは、スリットの両端部が可撓性の壁部分50に隣接し、したがってスリットが、可撓性の壁部分50に対して概ね直角をなすように配置される。また、雄コネクタ装置30が雌コネクタ装置内に挿入された時、矢印112で示されるように、スリットは、比較的剛性のある壁部分44に及ぼされる径方向の圧縮力の方向に対してやはり概ね直角になされる。さらに、図31に示されるように、閉鎖キャップの中央130が、わずかに軸方向外向きに偏向又は屈曲を有するように構成され、それによって、雄本体部分及び閉鎖キャップが径方向に圧縮された時、閉鎖キャップの軸方向外向きの予備的偏向によって、キャップを凸形状まで軸方向外向きにさらに撓ませる又は屈曲させて、スリットを開く。矢印112で示すように、圧縮はスリットの軸に対して直角であるが、圧縮されるにつれて本体及び閉鎖キャップの環状の周囲が小さくなり、結果としてスリットを開く。
【0048】
図示されてはいないが、別の代替実施例では、図31に示すように、スリットの両端部が可撓性の壁部分50に隣接して配置され、したがって、剛性の壁部分44への力に対して概ね平行に配置されるように、スリット開口部54を有する閉鎖キャップ42が取り付けられてよい。しかしながら、この実施例では、閉鎖キャップの中央が、わずかに軸方向内向きに偏向又は屈曲を有するように構成され(図27に示すものと同様)、それによって、雄本体部分36及びキャップが径方向に圧縮された時、軸方向内向きの予備的偏向によって、図12に示すように、キャップを凹形状まで軸方向内向きにさらに撓ませる又は屈曲させる。圧縮されるにつれて、本体及び閉鎖キャップの環状の周囲が小さくなり、それによって、キャップの中央が内向きに変位され、スリットを開く。
【0049】
ここで図32に移ると、雄コネクタ装置の遠位端部38が断面で示されており、これによって、閉鎖キャップ42の縁要素48への取り付けを、よりはっきりと見ることができる。この実施例では、閉鎖キャップが、わずかに軸方向外向きに予備的偏向された撓みを有するが、取り付け用隆起部60内に取り付けられている。可撓性の壁部分50は、各切欠き66内に径方向外側に配置され、その遠位端部に、閉鎖キャップに隣接して径方向内向きに突出するすみ肉132を備えた形状にされている。すみ肉が可撓性の壁部分と閉鎖キャップとを相互接続するので、雌コネクタ装置との係合の際に、可撓性の壁部分が径方向内向きに移動するにつれ、閉鎖キャップを軸方向外向きに向ける圧力が増す。したがって、すみ肉は、可撓性の壁部分と協働して、閉鎖キャップを凸形状、ドーム状の形状まで撓ませ、それによって、図11に示すようにスリットを開く。
【0050】
雄コネクタ装置30が、雌コネクタ装置から抜かれると、可撓性の壁部分50、すみ肉132、及び閉鎖キャップ42の間に反対の動きが起こる。すなわち、径方向の圧縮力が雄本体36から除去されると、比較的剛性の壁部分44、可撓性の壁部分50、及びベース部46が協働して、本体を撓ませ、平常の拡張形状に戻す。可撓性の壁部分は、概ね径方向外向きに撓み、平常の形状に戻る。そのようにする際に、相互接続しているすみ肉132が、閉鎖キャップ42を、図32に示す静止形状に戻すように向けるのを助けるように働く。さらに、平常の静止した拡張形状へ本体が戻る際の可撓性の壁部分の径方向外向きの動きによって、雄コネクタ装置の体積も増し、それによって小規模な部分的な真空が生成することが理解されよう。この部分的な真空が、再封止可能な開口部54が再封止するにつれ、再封止可能な開口部54及びその周囲に残留している流体を雄コネクタの中へ引き戻すことのできる引き戻し効果を生み、それによって、流体を管理されたやり方にさらに保ち、介護者及び患者の両方への流体の暴露を防ぐ。
【0051】
図32に示した構成と同様に、閉鎖キャップ42が、軸方向内向きに偏向されて、可撓性の壁部分と閉鎖キャップとの間にすみ肉を有することができる。図27に示された形状などのように内向きに偏向されると、雄コネクタ装置30の遠位端部38は、雌コネクタ装置との係合のために収縮された時、図12に示す形状を取る。すると、それぞれの可撓性の壁部分の遠位端部を閉鎖キャップと相互接続するすみ肉が、閉鎖キャップを内向きに引く働きをして、スリットを開く。同様に、雄コネクタ装置30が雌コネクタから外され、雄本体部分36が平常の静止した拡張形状に戻ることができるように径方向の圧縮力が雄本体部分36から除去された時、可撓性の壁部分の径方向外向きの動きが、やはりすみ肉を径方向外向きに移動させ、閉鎖キャップを外向きに平常の静止形状に向かって撓ませるように協働し、開口54を再封止する。
【0052】
ここで図33に移ると、本発明に従った、医療用シリンジ140に連結された雄コネクタ装置30の部分的な斜視図及び実施例が示されている。シリンジの遠位端部142は、雄コネクタ装置の近位端部に形成された、雌ルアーコネクタ52を封止的に係合するように構成された雄ルアーコネクタ(図示せず)を備えて形成され、さらに、シリンジの雄ルアーコネクタの回りに同心上につば144を備え、雄コネクタ装置の雌コネクタの近位ベース部に形成された外側ねじ部分(図示せず)をねじ係合するように構成された内側ねじ(図示せず)を有して構成されてよい。雄コネクタ装置がシリンジに連結されると、コネクタ装置が外され、図示のように平常の静止した拡張形状にある間、自己封止式の閉鎖キャップ42が、シリンジからいかなる流体が漏れるのも防ぐ。
【0053】
図33を続けて参照すると、雄コネクタ装置30に隣接して、シリンジの中の流体が患者に投与される、又は患者からの流体がシリンジの中へ抜かれる時の、連結用定位置にある患者のIV路の雌コネクタ70が示されている。雌コネクタ装置は、外側ねじ要素134を含む。したがって、図7〜9について説明したように、大型の雄本体部分36が、雌コネクタ内に挿入された時、比較的剛性のある壁部分44が、可撓性の壁部分50が許す限り、径方向内向きに撓み、閉鎖キャップ42を圧縮して、スリット54を開き、それによって、雄コネクタ装置30を介し、雌コネクタ70との完全な流路を作る。次に、所期の流体が注入又は吸引された後、雄コネクタ装置が、雌コネクタから単に外されて、それによって雄本体部分が拡張形状に戻ることができ、スリットが閉じて、雄コネクタ装置を再封止して、シリンジから流体が漏れるのを防ぐ。このようにして、本発明に従った雄コネクタ装置は、鋭利な針を使用しないで、シリンジ又は他の同様の医療用装置若しくはディスペンサーから管理的に与える又は抜くことができる。さらに、すべての係合面が露出されており、装置の雌コネクタからの取り外しに際して、簡単に手が届くため、雄コネクタ装置を拭き取ったり、清潔に保ったりすることが容易であることが理解されよう。
【0054】
図34は、雄本体36を囲んで、内側ねじ152を有するねじ付きつば150を加えたこと以外は、図33と同じ雄コネクタ装置30を示す。つばのねじは、雄コネクタ装置と雌コネクタ装置とをともに確実に固定するように、雌コネクタ70の外側ねじ部分134を係合するために用いられる。
【0055】
図35は、雄コネクタ装置30が、従来式の雌ルアーコネクタではなく、雄本体部分36からベース部46の反対側に取り付けられた血液採取装置156を有する、さらに別の代替実施例を示す。当技術分野で知られ、使用されている血液採取システムは、鋭利な先端160を有するカニューレ158を備え、カニューレ取付け部162に確実に埋め込まれている。医療従事者及び患者を不慮の穿刺から保護し、ある場合では血液採取管を支持するために、保護材164が針の回りに取り付けられている。コネクタ装置30の雄本体部分36は、上述のように、閉鎖キャップのスリット54を開き、患者のIV路と血液採取部158との間に流路を作るように、患者のIV路の雌コネクタ装置に接続可能である。必要な量の血液が抜かれると、管が血液採取装置156から外され、雄本体部分36が雌コネクタ装置から外されてよい。雌コネクタからの取り外しに際して、雄本体部分が平常の静止した形状に拡張し、それによって、スリット54を再封止して、安全な処理のために、すべての血液及びあらゆる他の流体を雄コネクタ装置内に閉じ込める。このように、本発明のこの実施例では、流体を効果的且つ管理的に与える及び/又は抜くために、自己封止式の針のない大型の雄コネクタが、患者のIV路の雌ルアーコネクタから安全且つ確実に接続及び取り外しを行う働きをする。
【0056】
本発明は、特定の好ましい実施例について説明されてきたが、本発明の範囲内にある他の実施例も存在してよい。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照してのみ定義されることが意図されている。可撓性の壁部分、閉鎖キャップ、及び再封止可能な開口部の変形例が説明され、示されてきたが、これらの変形例は、本発明の単なる例であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の自己封止式雄ルアーコネクタ装置の例示的な実施例と連結して作動可能な患者のIVインタフェースの簡略化した図である。
【図2】細長い雄本体及び可撓性の閉鎖キャップを含む、本発明の自己封止式雄コネクタ装置の例示的な実施例の拡大斜視図である。
【図3】面取りされた外縁が見え、閉鎖キャップの取付け隆起部を示す、図2に示したコネクタ装置の雄本体の遠位すなわち第1の端部の断面図である。
【図4】図2に示した雄本体の遠位端部に形成された取付け隆起部の、閉鎖キャップを外した拡大斜視図である。
【図5】全体が1つの部品として形成された可撓性の壁部分を含む閉鎖キャップの斜視図である。
【図6】図2の雄コネクタ装置のハウジングの側面断面図である。
【図7】雌コネクタ装置を断面で示す、雌ルアーコネクタとの連結のために位置合わせされた本発明の態様に従った雄コネクタの部分的断面の側面図である。
【図8】完全に連結された、図7の雄コネクタ及び雌コネクタ装置の部分的な断面の側面図である。この図は、また、雌コネクタ装置が、雄コネクタ装置よりも直径の小さい内側係合面を含み、それによって雄コネクタ装置の遠位端部が収縮され、それにより流体が流れるように雄コネクタ装置を働かせることを示す。
【図9】雄コネクタ装置の遠位端部が収縮され、それによって流体が流れるように雄コネクタ装置を働かせる内部バルブ機構を有する雌コネクタ装置と完全に係合された、図7及び8の雄コネクタ装置の部分的断面の側面図である。
【図10】閉鎖キャップを介して流路が作られた一実施例を表す、収縮形状にある雄コネクタ装置の遠位端部の端面図である。
【図11】直径の小さい雌コネクタ装置に連結されたことで遠位端部が収縮された時の、本発明の態様に従った雄コネクタ装置の遠位端部の斜視図であり、第1端部の直径が収縮すると、閉鎖キャップの直径が収縮し、開口を含む閉鎖キャップの中央部が縦軸方向にずれ、この場合は、軸方向外向きにすぼまり、それによって開口が開かれて、閉鎖キャップを介して流体が流れることができることを示す。
【図12】小さい直径の雌コネクタ装置に連結されたことで遠位端部が収縮された時の、本発明の態様に従った雄コネクタ装置の遠位端部の斜視図であり、第1端部の直径が収縮すると、閉鎖キャップの直径が収縮し、開口を含む閉鎖キャップの中央部が縦軸方向にずれ、この場合は、軸方向内向きにすぼまり、それによって開口が開かれて、閉鎖キャップを介して流体が流れることができることを示す。
【図13】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図14】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図15】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図16】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図17】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図18】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図19】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図20】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図21】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図22】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図23】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図24】雌コネクタ装置と係合された時に、可撓性を高め、遠位端部の折りたたみができるように、厚さが減少された別の壁部分を有する、細長い雄本体の別の実施例の斜視図である。
【図25】より剛性のある壁部分と、より可撓性のある壁部分との交互になった部分が見えるように閉鎖キャップが外された、図24の雄本体部分の壁の形状の端面図である。
【図26】中央部が平常形状にある、軸方向外向きに偏向された閉鎖キャップを示す、雄コネクタ装置の遠位端部の側面断面図である。
【図27】中央部が平常形状にある、軸方向内向きに偏向された閉鎖キャップを示す、雄コネクタ装置の遠位端部の側面断面図である。
【図28】流体が流れるように、一方の側が軸方向内向きに、他方の側が軸方向外向きに偏向されて開かれた閉鎖キャップのスリットを示す、収縮形状にある図2の雄コネクタ装置の遠位端部の側面断面図である。
【図29】開かれた時に流体が流れるように、2つの平行な、ずらされたスリットを有する閉鎖キャップの端面図である。
【図30】流体が流れるように、軸方向外向きに偏向されて開かれたスリットの外側の膜材料、及び軸方向内向きに偏向されてやはり開かれたスリット同士の間の中央膜を示す、収縮形状にある図29の閉鎖キャップを有する、図2の雄コネクタ装置の遠位端部の側面断面図である。
【図30a】図30に用いられてよい、角度をつけられたスリットの実施例の断面図である。スリットに角度があるため、スリットが開いて不要な流体の流れを起こす恐れのある内部圧力に対する抵抗が防止される。
【図31】比較的剛性のある壁部分と平行になるように90度回転された、閉鎖キャップのスリットを備えた図2の雄コネクタ装置の図である。
【図32】可撓性の壁部分と閉鎖キャップとの間にすみ肉を有する、中央部で軸方向外向きにわずかに隆起された閉鎖キャップを示す、細長い雄本体の遠位端部の拡大断面図である。
【図33】本発明に従った雄コネクタ装置のシリンジへの適用例を示す図であり、係合のために、雄本体が雌コネクタ装置と位置合わせされているのを示す。
【図34】雌コネクタとのより堅固な係合のために、雄本体部分を囲むねじ付きつばを備えた、図33と同様の雄コネクタ装置の図である。
【図35】本発明に従った雄コネクタ装置の、血液採取管を使用するための、保護材及び保護材内の鋭利なカニューレを有する血液採取装置への適用例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療用流体を送るのに用いられる医療用コネクタに関し、さらに詳細には、自己封止式の雄コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野で現在知られ、使用されている自己封止式の医療用コネクタは、コネクタの封止材が、患者又は他の装置に向かうすべての流体をコネクタの側で閉じ込めるように働くように、患者の静脈注射(IV)路又はガス採取路、薬剤又は溶液源、或いは他の医療用装置に連結されるように、一般に構成されている。このように、一般的なコネクタは、患者のIV路、流体源、又は他の装置に連結されたままである封止されていない雄ルアーコネクタを一方の端部に有し、シリンジ又は他の同様の装置がそれを介して係合されてよい、自己封止式の雌コネクタをコネクタの反対側の自由端部に有する。自己封止式の雌コネクタは、一般に、雄コネクタとの連結時に開かれ、雄コネクタからの分離時に自動的に閉じる内部バルブを有する。
【0003】
使用時には、雄コネクタを有するシリンジ又は他の装置がコネクタの雌端部に連結され、薬剤が患者の静脈路内に投与されると、雌コネクタを介して流体を押したり、又は引いたりする。シリンジ又は他の装置は、雄コネクタを備えた構成になされており、それによって自己封止式の雌コネクタを係合し、雄コネクタの中央ボスが雌コネクタの封止膜に接触し、雌コネクタの内部バルブを開き、雌コネクタを介して流体通路を作る。必要な流体が与えられた又は抜かれた後、シリンジが外されて、針のない雌コネクタの内部バルブが閉じて、雌コネクタを再封止し、投与されたばかりのすべての薬剤を含むすべての体液をコネクタの患者の側に閉じ込める。しかしながら、シリンジの雄コネクタは、一般に内部バルブを含まず、その中に残っているすべての残留流体は、封止されずに露出されている。
【0004】
医療業界では、シリンジ又は他の装置若しくは容器から与えられたり、或いは、シリンジ又は他の装置若しくは容器に抜かれたりする流体が、それ自体、常に封止されて、介護者のそのような流体への暴露が防止されなければならない、又は少なくとも最小限にされなければならない用途がある。たとえば、放射性同位体が患者に施される核医学の分野では、この同位体への暴露が最小限にされることが、介護者及び患者の両者の安全のために重要である。さらなる例は、患者から血液を採取することを含み、ここでは、採取装置に残っている血液の介護者への暴露が防止されることが重要である。
【0005】
さらなる例は、一定の薬剤が、患者の循環器系に制限されている時には、非常に有益な効果を有するが、患者の皮膚又は他の組織には有害であるという、腫瘍学の分野においてである。そのような薬剤は、害が及ぼされる恐れのある組織に至らないように、注意深く管理されなければならない。そのような薬剤を、ある容器から別の容器、又は患者の流体路に移すことは、封止材が存在しない場合、有害になる恐れがある。
【0006】
これらの目的のために、自己封止式の針なし雄ルアーコネクタの異なる構成が望まれる。このような強い医療用流体と医療従事者又は患者の外部組織との間のほんのわずかな量の接触も回避されなければならない場合、その外表面におけるこのような流体の存在を最小限にできる雄コネクタを提供することは非常に有益であろう。このような流体がそのような外表面に偶然存在する場合、このようなコネクタは、その表面から流体を除去する手段を備えなければならない。
【0007】
コネクタにルアー形状を使用することが、より一層一般的になってきている。これは、そのような形状に国際規格が採用されてきているからである(ISO No.594を参照のこと)。そのようなルアー形状は、雄コネクタに先細の外表面を、雌コネクタに相補形の先細の内表面を有する。そのような先細形によって、寸法の精密さに劣るコネクタでも、流体の移動のために、うまく勘合することができる。さらに確実な連結のために、雌コネクタの開口部を囲む外表面にねじ又はねじ要素が加えられ、雄ルアーコネクタの回りにねじ付きのつばが加えられている。ねじ付きのつばは、自由に回転することができるか、又は雄ルアーコネクタの回りの適所に固定されてもよい。雌コネクタ及び雌バルブポートは広く入手可能であるため、ルアー形状を有する自己封止式の雄コネクタを提供することが望ましいであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、雌コネクタへの接続の前及び後に、その中に残留している流体を封止する自己封止式の雄コネクタが必要であることを、当業者は認識している。そのような自己封止式の雄コネクタは、シリンジ若しくは他の装置の一部に接続されるか、又はその一部として形成される、又は血液採取装置に形成されてよく、或いは、有毒性もしく腐食性である、より危険な流体を含む医療用流体を管理的に送るためのチューブ若しくは他の装置とともに用いられてよい。本発明は、これらの必要性及び他の必要性を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、雌連結装置への針なし連結のための自己封止式の雄コネクタ装置に関する。雄コネクタ装置は、第1端部及び第2端部を有する雄形の筒状の壁によって形成される雄形本体を含み、その第1及び第2端部を互いに流体連通させる内部流体路を備える。完全に作成された筒状の壁は、第1端部から第2端部へ連続しており、それは、筒状の壁自体にまったく隙間がないことを意味する。筒状の壁の第1端部すなわち遠位端部は、開口部を画定する縁部を含み、その縁部が、雌コネクタ装置に係合していない時の、平常の静止した拡張形状と、雌コネクタ装置と係合している時の収縮形状との間で撓む。キャップが縁部に配設され、縁部が平常の拡張形状にある時には閉じられ、縁部が収縮形状にある時には開かれる、スリットなどの再封止可能な開口を備えて形成される。縁部は、雄本体が雌コネクタ装置の中に挿入されると、平常の形状から収縮形状へと撓む。
【0010】
別の態様では、雄本体の連続した筒状の壁が、少なくとも第1の軸方向部分及び第2の軸方向部分を備えて形成され、第2の軸方向部分が第1の軸方向部分よりも、より可撓性を有する。第2の軸方向部分は、第1の軸方向部分よりも壁厚が薄く、それによって第2の軸方向部分が第1の軸方向部分よりも、より可撓性となり、それによって雌コネクタ装置に係合される際に、雄本体が収縮できる。別の態様では、第2の軸方向部分は、第1の軸方向部分よりも、より可撓性を有する繋ぎ部分をなす、弾性の材料から形成されてよい。
【0011】
別の態様では、連続した筒状の壁が、第2端部すなわち近位端部を含むベース部に取り付けられ、少なくとも2つの離間した比較的剛性のある壁部分が、このベース部に取り付けられ、片持ち式のやり方で、第1方向すなわち遠位方向に軸方向に突出する。雄本体は、剛性の壁部分同士の間に形成された切欠きの隙間を備え、その切欠きが可撓性の壁部分で埋められて、剛性の壁部分を互いに連結し、流体を送るための連続的な筒状の本体を形成する。可撓性の壁部分によって、剛性の壁部分が、雌コネクタ装置に係合する時、径方向内向きに収縮形状まで撓むことができる。
【0012】
さらに別の態様では、雄コネクタ装置の第2端部すなわち近位端部にコネクタが形成される。コネクタは、雌ルアーコネクタ、血液採取装置、又は医療業界で用いられる他のコネクタとして構成されてよい。このコネクタは、シリンジ又は他のそのような医療用装置を雄コネクタ装置に取り付けるのに使用可能である。
【0013】
使用時には、雄コネクタは、雌ルアーコネクタの中に挿入される雄ルアー本体を有してよい。雌コネクタに係合されていない時には、雄コネクタ装置は、一態様において、雌コネクタの内径より大きい外径を有する平常形状にある。平常形状では、雄コネクタ装置の閉鎖キャップの再封止可能な開口が閉じられ、流体がそれを介して流れるのを防止する。雄コネクタ装置が雌コネクタに挿入されると、雌コネクタの、より小さい内径によって、雄コネクタの縁部分が内向きに収縮又は撓んで、それによって、キャップの再封止可能な開口を開いて、流体がその中を流れることができるようになる。その後、雄コネクタ装置は、雌コネクタから外されるか、又は抜かれ、それによって、縁部分が平常形状に向かって外向きに拡張し、閉鎖キャップの再封止可能な開口を閉じさせる。この構成によって、雄コネクタ装置が、雌ルアーコネクタとの連結の前及び後に、雄コネクタ装置の中に残留している流体を封止する。
【0014】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて、本発明の原理を例によって示す好ましい実施例の以下の詳細な説明から明らかになろう。
【実施例】
【0015】
ここで例示の目的のために、複数の図において同様の符号が対応する又は同様の構成要素を表す図面をさらに詳細にすると、図1に示されているのは、シリンジ32の遠位端部31に取り付けられ、IV路を介して流体を与える又は抜くための患者のIV流体投与セット34の近位端部に作動的に連結された、本発明の態様に従った自己封止式の雄ルアーコネクタ装置30である。本明細書全体において、「遠位」とは患者33に向かう方向を指し、「近位」とは患者から遠ざかる、又は採取若しくは分配装置に向かう方向を指すことに留意されたい。これらの相対的な方向は、図1及びその他の図に示されており、参照及び本発明の実施例の例示をさらに明確にする目的のみのために与えられており、限定の目的のために与えられているのではない。
【0016】
図2を参照すると、図1の自己封止式の雄ルアーコネクタ装置30の一実施例が示されている。この実施例では、雄コネクタ装置が、第1端部すなわち遠位端部38及び第2端部すなわち近位端部40を備えた細長い雄本体部分36を有する。雄コネクタ装置は、また、第1端部に配設された可撓式の閉鎖キャップ42を含む。雄本体部分は、ベース部46から軸方向に延在し、閉鎖キャップを支持するように協働する縁要素48において遠位の第1端部で終わる複数の比較的剛性のある壁部分44を備えて形成されている。縁要素は、図3によりはっきりと示されるように、外側の遠位縁部47に丸みがつけられるか、又は面取りされており、雄コネクタ装置が容易に雌ルアーコネクタに入るようにする。図2を参照して、比較的剛性のある壁要素同士の間に配置されてそれらを連結しているのは、筒状の本体を完成させ、耐密封止材を形成する、比較的可撓性のある壁要素50である。壁部分44及び50はともに、雄本体部分の遠位端部から近位端部まで連続した筒状の壁52を形成する。好ましい実施例では、閉鎖キャップ及び可撓性の壁部分は、同時複合射出成形法によって、1つの連続した部品として製造されるが、キャップと壁部分とを別々に製造して、接合することも可能である。
【0017】
雄コネクタ装置30の近位端部すなわち第2端部40に配設されているのは、従来式の雌ルアーコネクタ56であるが、単なるチューブ連結又はシリンジなどの様々な他のコネクタ及び装置を代わりに用いてもよいことが理解されよう。ベース部46は、遠位に延在する雄本体部分と近位に延在する雌ルアーコネクタとの間に配置される。ベース部は、雌コネクタのより大きい外径と、雄本体のより小さい直径との間に移行部分を与える。図2において雌コネクタに示された直径よりも、雄コネクタ装置の近位端部の直径がより小さい他の実施例では、ベース部が雄本体部分と同じ直径であってよいか、又は異なる形状を有していてもよい。雌ルアーコネクタ端部は、標準的な外側ねじ山58を含むが、いくつかの用途においては、ねじ山は必要ない場合もある。
【0018】
さらに図2を参照して、自己封止式の雄コネクタ装置30の閉鎖キャップ42は、本実施例では、雄本体部分36の遠位端部38に形成された開口部に対応する、概ね円形の外辺部を有する。閉鎖キャップは、図示のように本体が平常すなわち「静止」形状にある時、流体の流れに対して封止を形成するように閉じられる、再封止可能な開口54を含む膜から形成される。好ましい実施例では、再封止可能な開口は図に示されたようなスリットである。よく知られているように、スリットは、平常すなわち「静止」形状では流体を通過させない。雌コネクタとの係合に際して、スリットを開いて、流体が雄コネクタ装置を介して流れるようにするためには、スリットは、比較的剛性のある壁部分44に関して、スリットの一方の端部が一方の比較的剛性のある壁部分に隣接し、スリットの他方の端部が反対側の比較的剛性のある壁要素に隣接するように配置される。したがって、比較的剛性のある壁部分が、より小さい内径の雌コネクタに係合し、互いに向かって押し動かされると、スリットの両端部もやはり互いに向かって押し動かされ、それによってスリットを開かせる。
【0019】
一実施例では、閉鎖キャップ42は、図4において最もよく分かるように、剛性の壁部分44の遠位端部38に形成された隆起部60に沿って嵌るような寸法にされている。図4は、閉鎖キャップのない隆起部を示し、一方、図3は、雄本体部分36に取り付けられた閉鎖キャップの断面図を示す。図5は、図2に示す組み立てられた雄ルアーコネクタ装置30を形成するように、図4に示す雄本体部分36の剛性の壁44の遠位端部38に組み立て可能な、可撓性の閉鎖キャップ42の図を示す。閉鎖キャップは、図2に示すスリット54並びに可撓性の壁要素50を有する上表面62を含む。一実施例では、上表面の直径は、図4に示した隆起部60の開口部と同じになるように選択される。この場合、閉鎖キャップの再封止可能な開口54がスリットであるため、雄本体部分に閉鎖キャップが取り付けられている時には、この開口が流体の流れに対して閉じられたままとなる。上記のように、スリットを開き、流体が流れるようにするためには、外的な力が必要である。別の実施例では、隆起部にキャップを取り付けるためにわずかに伸ばすことが必要なように、閉鎖キャップは遠位端部38に対していくらか小さいサイズになっていてよい。したがって、キャップは、ある程度緊張状態にあることになり、それによって、スリットがより強く閉じられた状態に保たれる。したがって、図2の構成にある時、スリットは、スリットを介する流体の流れをより強く妨げることになる。
【0020】
ここで、図6の断面図を参照して、雄本体部分36、ベース部46、及び近位端部40は、コネクタ装置ハウジング64を形成すると考えられてよい。ハウジングは、その遠位端部38から近位端部40まで、流体路67を画定する。比較的剛性のある壁部分44は、図示のように片持ち式のやり方でベース部46に取り付けられる。この片持ち式の取り付け方を達成するためには、比較的剛性のある壁要素が、その中に、遠位端部から選択された長さだけ近位方向に延在して形成される切欠き66を有する。この実施例では、切欠きの位置は、2つの比較的剛性のある壁部分が互いに向き合うように選択されてよい。これらの切欠きのため、ハウジングの縦軸68に向かって内向きに向けられた外的な力にさらされた時に、向かい合う比較的剛性のある壁部分の遠位端部38が、互いに向かって動かされることができる。しかしながら、内向きの圧力にさらされていない時は、向かい合う比較的剛性のある壁部分は、図6に示す平常の静止形状に戻ろうとする。このように平常の形状に戻ろうとすることによって、遠位端部38に取り付けられた閉鎖キャップ42が、やはり平常の静止形状に戻り、それによって、図2に示すように、キャップのスリット54を閉じることになる。しかしながら、雄コネクタ装置30内に医療用流体を保持するために、この実施例では、可撓性の壁部分50が切欠き66の中に含まれている。図5に示す一実施例では、これらの可撓性の壁部分は、閉鎖キャップの部分によって設けられる。
【0021】
ここで図7から9を参照して、雄ルアーコネクタ装置30の、2つの異なるタイプの雌ルアーコネクタ装置との係合が示されている。図7では、本発明の態様に従った雄ルアーコネクタ装置が、第1のタイプの雌ルアーコネクタ装置70の開口部と位置合わせされている。雌ルアーコネクタ装置のこの実施例では、内部バルブ及びルアー開口部72がなく、チャンネルが標準的なルアーの先細形状及び直径のものである。とくに、雌ルアー開口部が、直径DF1を有し、遠位方向ではより小さい直径DF2まで先細になる。この開口部の直径DF1は、雄コネクタ装置の直径DMと等しい、又は雄コネクタ装置の直径DMより大きい。別の実施例では、雄コネクタ装置の直径DMは、雌コネクタ装置の開口部直径DF1より大きい。雄コネクタ装置の面取りされた、又は丸みのつけられた縁部47が、雄コネクタ装置の遠位端部38を、雌コネクタ装置の開口部に係合するのを助けることになる。図7及び8に示した特別な雌ルアーコネクタ装置は、開口部又はその近くにバルブを含まない。しかしながら、図9の雌ルアーコネクタ装置74はバルブを含み、その一部が示されている。
【0022】
図8では、雄ルアーコネクタ装置30は、雌コネクタ装置70に完全に係合されており、それによって、雄コネクタ装置のスリット54が開いて、雌コネクタ装置と雄コネクタ装置との間に流体が流れることができる。雄コネクタ装置の遠位端部38は、直径の小さい雌ルアーチャンネル72の中へ移動した結果として、収縮されている。雄コネクタ装置の比較的剛性のある壁部分44は、収縮形状まで内側に曲げられており、そこでスリット54が開いて、雄コネクタ装置を介して流体が流れることができる。
【0023】
図9では、本発明の態様に従った雄ルアーコネクタ装置30が、異なるタイプの雌コネクタ装置74に完全に係合されている。この形状の雌コネクタ装置は、内部バルブ機構76を含み、この内部バルブ機構76は、図9に示されるように、バルブ機構が雌コネクタ装置のハウジングの中へ移動された時に自動的に開いて、雌コネクタ装置を介する流れを可能にする。第2の雌コネクタ装置の開口部78は、すべての標準的なルアー雄コネクタ装置を受けるように、標準的な直径を有するが、標準的なルアー先細形状はあってもなくてもよい。図9に示す構成では、雌コネクタ装置の開口部78に、標準的な雌ルアー先細形状は存在しない。しかしながら、本発明の態様に従って、雄本体部分は、比較的剛性を有する壁部分50を含む。この壁部分50は、比較的剛性があり、片持ち式の形状であるため、雄コネクタ装置の直径よりも小さい直径の雌コネクタ装置の開口部に係合した時、雌ルアー先細部の長さが限られていても、互いに向かって内向きに図9に示す収縮形状まで押される。
【0024】
雄コネクタ装置30を、図7〜9の雌コネクタ装置70及び74のどちらかから外すと、雄本体部分36の細長い比較的剛性のある壁部分44の偏向効果が、縁要素48を、図2に示す平常又は「静止」形状に向かって径方向外向きにやはり押し、スリット54をその平常の閉鎖形状に戻し、それによって、閉鎖キャップの開口を再封止し、雄コネクタ装置を介する流体の流れを防ぐ。このように、本発明の自己封止式の雄コネクタ装置が閉じ、それを介する流れを雌コネクタなどとの連結の前及び後の両方において防ぎ、一方、連結している間は、雄コネクタ装置が開いて、流れが可能になることが理解されよう。また、図2に示す実施例は、ハウジング64及び閉鎖キャップ42の2つの部品のみを含むことが、理解されよう。しかしながら、別の実施例では、雄コネクタ装置30は、射出成形加工又は他の手段によって、1つの部品として製作されてもよい。
【0025】
再び図8を参照すると、雄コネクタ30が、作動形状を達成するように雌コネクタ70に挿入されており、雄ルアーの遠位端部38の直径が縮小している。先細になった雌コネクタの壁の、より小さい内径が、縁要素48及び剛性の壁部分44を押し、縮小形状へと径方向内向きに撓ませる。この実施例では、比較的剛性のある壁部分がこれ以上撓むことができない点まで雄コネクタが雌コネクタ装置に挿入された時、剛性の壁部分44及び可撓性の壁部分50が、雌コネクタ装置の内側の雌係合面80に対して実質的に面一になり、2つのコネクタ装置の間に概ね表面対表面の封止が達成されるように、雄本体部分36の直径及び切欠き66の長さが構成されている。
【0026】
図10、11、及び12を参照して、雄コネクタ装置30の遠位端部38をたたむスリット54の効果が示されている。図10は、雄コネクタ装置を図8の雌コネクタ70に挿入することなどによってスリットを圧縮することにより作られる開口部の全体形状を示している。しかしながら、雄コネクタ装置の遠位端部全体は縮小され、その結果、閉鎖キャップ42が、図11に示すように軸方向外向きに撓むか、又は図12に示すように軸方向内向きに撓む。雄コネクタ装置の遠位端部がいかなる別の装置にも当接しない図8に示す場合では、スリットは図11に示す形状、すなわち軸方向外向きにすぼむ形状を取るようになりやすい。雄コネクタ装置の遠位端部が別の装置、この場合は雌のバルブ機構に当接する図9に示す場合では、スリットは、図12に示す形状、すなわち軸方向内向きにすぼむ形状を取るようになりやすい。
【0027】
本明細書で用いられる「繋ぎ部分」又は「繋ぎ」は、剛性の部分を相互連結する、比較的剛性のある壁部分44同士の間に配置された可撓性の材料を意味し、相互連結する材料は剛性の壁と同じ材料から形成されるか、又は何らかのやり方で加えられ、取り付けられる。
【0028】
図2、3、4、及び6に示す雄本体部分36の形状は、射出成形法又は同時複合射出成形法の製造工程によく適していることが、当業者には理解されよう。そのような工程では、本体は、単一の線形コアプルを備えた比較的単純な2分割成形型の中で製作されてよい。ベース部46及び剛性の壁部分44を含む雄本体部分は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、UHMW、PVC、ABS、アクリル、ナイロン、POM、及びKレジンなどの多様なプラスチック材料から形成されてよい。その結果、比較的剛性のある壁部分の自由端部によって及ぼされる幅広い径方向の偏向力が、単に材料の選定の変更及び/又は本体の壁厚の調整を行うことにより達成可能になる。このように、本発明の範囲から逸脱することなく、多様な切欠き66のサイズ及び形状が用いられてよいことが理解されるであろう。さらに、従来式の雌ルアーコネクタ56などの、雄本体部分の近位端部40に形成されるコネクタは、同じ成形作業で単一の一体型ハウジング64を作るように形成されることもできる。
【0029】
可撓性の壁部分50及び閉鎖キャップ42は、成形又は押し出し及び打ち抜きの工程で単一の一体型構造として形成され、その後、溶剤接合、超音波溶接、或いは知られている又は今後開発される他の同様の組み立て技術を用いて雄本体部分36に取り付けられてよい。代替として、可撓性の壁部分50及び閉鎖キャップ42は、当技術分野で既知のオーバーモールド工程で雄本体部分の上に直接形成されるか、又は別途に形成されてよい。可撓性の壁部分50が、対応する切欠き66にわたり、その切欠きを係合して、閉鎖キャップが、雄本体部分の遠位端部38の縁要素48と面一になるように、図4に示す隆起部60を係合し、それよって、筒状の本体部分をその周囲全体にわたって連続させ、漏れのないようにする。可撓性の壁部分は、壁厚の薄い繋ぎ部分として構成されており、閉鎖キャップとともに、熱可塑性エラストマー、TPV、熱可塑性硬質ゴム、及び熱可塑性シリコーンなどの複数の弾性材料で形成されてよい。
【0030】
ここで図13〜23に移ると、雄本体部分36の溝66に配置される様々な形状の繋ぎ部分が示されている。別の実施例では、溝66は、剛性の壁部分44の全長にわたって延在してよいことを理解されたい。すなわち、溝は、ベース部46から遠位端部38まで延在してよい。図13では、雄本体部分の遠位端部の断面図が示され、比較的剛性のある壁部分及び可撓性のある壁部分が平常形状にあるのを示している。すなわち、それら壁部分が一部をなす雄ルアーコネクタ装置が、この図では、雌コネクタと係合されていない。一方、図14は、図13と同じ比較的剛性のある壁部分と可撓性のある壁部分が、雌ルアーコネクタと係合されたために、実際に収縮されている、同じ雄本体部分の断面図を示す。比較的剛性のある壁部分44は、概ね矢印68の方向に互いに向かって径方向内向きに撓まされており、可撓性の壁部分50の周囲が圧縮されて、雌ルアーコネクタ装置の内壁(図8を参照)と接触するように概ね径方向外向きに、及び径方向内向きに広がる。
【0031】
図13及び14では、可撓性の壁部分50が、剛性の壁部分44の中央に取り付けられている。図15では、可撓性の壁部分が、剛性の壁部分の外側端部及び内側端部に交互に取り付けられている。図15では、雄ルアーコネクタ装置が、平常形状では図7に示すような雌コネクタと係合していない(外れている)。図16では、同じ雄本体部分が、図8のように、雌ルアーコネクタと係合されたことによって収縮されている。図14と同様に、可撓性の壁部分が、剛性の壁部分の外表面と同一の広がりを持つ外表面を形成し、それによって雌コネクタ装置と雄コネクタ装置との間の界面が漏れないようになる。
【0032】
前述の実施例では一定の厚さを有するものとして示されているが、可撓性の壁部分は、実際は多様な厚さを有してよい。図17では、そのような構成が示されている。本実施例の可撓性の壁部分50は、より厚い、中央に位置する、径方向外向きに配置された突出部又は突起部86を含む、一様でない厚みを有する。可撓性の壁部分50は、実質的にその端部の内側部分88で切欠き66にわたるように取り付けられる。このようにして、切欠きを閉じるように雄コネクタ装置30が圧縮されるにつれて、可撓性の壁部分50bがその長さに沿って径方向外向きに広がり、それによって湾曲部80が径方向外向きに移動され、雌コネクタの内表面と接触する。特定の方向、ここでは径方向外向きにたたむ又は曲げるように予め偏向させられていることによって、可撓性の壁部分50bが求められていない方向にゆがんだり、撓んだりする危険性が最小限になることが理解されよう。
【0033】
上記は、可撓性の壁部分50が取ってよい径方向の向きの断面形状の例である。他の形状も可能であり、上記は単なる例である。
【0034】
ここで、可撓性の壁部分50の軸方向の形状が論じられ、示される。ここで図19を参照すると、可撓性の壁部分50が、長さに沿って実質的に一様な厚みを有して示されており、剛性の壁部分44の外側端部90と内側端部88との間に、概ね径方向中央に配置されている。
【0035】
図20では、可撓性の壁部分50の別の実施例の軸方向の形状が、剛性の壁部分44の内側端部88と位置合わせされた遠位上部分92と、中間の近位へ向かって傾斜した部分94と、剛性の壁部分の外側端部90と整列された近位下部分96を有するものとして示されている。可撓性の壁部分92、94、96はすべて、実質的に一様な厚みを有する。可撓性の壁部分は、雄本体部分の遠位端部に対応し、縁要素に隣接するように径方向に埋め込まれた上部分を有し、それが縁要素の収縮形状への内向きの動きを容易にし、雄コネクタの雌コネクタへの挿入を容易にする働きをするように構成されている。次に、可撓性の壁部分の近位へ向かって傾斜した部分が、壁を雄本体部分の外側端部までスムースに移行させ、それによって、切欠きの下近位部分に、より弾性を与えて圧縮を起こし、その結果、可撓性の壁部分が径方向に拡大して、雄コネクタを雌コネクタ内に封止する役割をする。
【0036】
図21では、可撓性の壁部分50の別の実施例が、遠位端部38から近い距離のところで軸方向外向きに突出する円周突起100を除いて、外側端部90と内側端部88との間の概ね中央に配置された、実質的に一様な長さ方向部分98を有するものとして、断面で示されている。図2に示されている雄本体部分36の平常の形状では、突起の外側の端が、外側端部90と実質的に整列されている。雄コネクタ装置30が雌コネクタ内に挿入され、縁要素が収縮形状に向かって移動されると、可撓性の繋ぎ部分50が圧縮され、それによって、突起を径方向外向きに広げ、雌コネクタの内表面に対する環状の封止を作ることが理解されよう。
【0037】
ここで図22に移ると、剛性の壁部分44の壁厚よりもわずかに薄い断面厚さを備えた近位下部分102を有する、可撓性の壁部分50のさらに別の実施例が示されている。可撓性の壁部分の遠位上部分104は、先細になった外表面を有して形成されており、それによって可撓性の壁部分が遠位端部38に向かって薄くなる。このようにして、可撓性の壁部分の径方向に埋め込まれた遠位部分が、雄本体部分36の遠位端部の圧縮を容易にする。
【0038】
同様に、ここで図23を参照して、可撓性の壁部分が遠位端部38に向かって細くなり、外側端部90及び内側端部88の間の概ね中央で終わる、先細になった内側及び外側表面を有する、下近位部分106と、遠位上部分108とを有する可撓性の壁部分50の別の実施例が示されている。本発明の可撓性の壁部分の遠位先細部分によって、雄本体部分36の遠位端部が収縮形状に向かって圧縮するのが容易になる。さらに、可撓性の壁部分の実質的に対称形の断面によって、一様な圧縮を確実にし、壁の不要なゆがみを防止する助けとなる。
【0039】
溝の中に様々な材料が可撓性の壁部分を形成する溝を有するものとして上記に示され、説明されてきたが、他の構成も可能である。ここで図24を参照すると、同じ材料を含むが厚い剛性の壁部分44の間に置かれた厚みの薄い断面50を有する、細長い雄本体部分36の別の実施例が示されている。厚みの薄くなった部分と厚くなった部分とが、別の実施例と同様にベース部46で終わる。一実施例では、剛性及び可撓性のすべての壁が、ベース部においては概ね一様の断面厚さのものである。このため、筒状の本体の近位端部において構造的に一体となる。筒状の雄本体に形成された厚みの薄い部分50が、その遠位端部38において、より大きな径方向の可撓性を与える。雄本体部分の壁内に、1つの連続した筒状構造として厚みの薄い部分を形成することで、所期の径方向の圧縮性が達成され、それによって、雌コネクタへの挿入に際して、縁要素48が遠位端部において径方向内向きに撓むことができる。雄本体部分36の外表面は、雌コネクタの内表面との表面から表面への係合を助ける連続した表面を有し、それによって、連結時に隙間のない封止を形成する。遠位端部の図が図25に示されている。
【0040】
図示されていないさらに別の実施例では、細長い雄本体部36が、全長に沿って概ね均一な直径及び壁厚の筒状の壁44を備えて形成される。本体は、圧縮可能な弾性材料からなり、それによって連続した遠位縁部48が雌コネクタの内径に比べて大きくされ、雌コネクタに挿入された時に、収縮形状に向かって径方向内向きに圧縮されることができる。そのような材料、例として、医療用等級の熱可塑性ゴムは、概ね弾性があり、そのため、雌コネクタから取り外すと拡張された形状に戻るが、雌コネクタに挿入されるとその内面と一致し、それによって、係合されたコネクタ同士の間に確実な封止を維持する。閉鎖キャップがその一部として形成される可撓性の壁部分を有さない場合以外、他の図に示された閉鎖キャップを受けるための取り付け用隆起部が、遠位端部に含まれる。
【0041】
さらに別の実施例では、雄コネクタ装置の細長い雄本体部分が、離間した起伏を備えて形成され、本体の回りに厚みの薄い断面ができる。この起伏が協働して、残りの比較的剛性のある壁部分同士の間に可撓性の壁部分を形成し、それによって、雌コネクタ装置と係合している間、筒状の本体全体を径方向に圧縮できる。この起伏は、ベース部から離れたところで終わり、それによってベース部が、構造の一体性、及び厚みの薄くなった雄本体部分の偏向を与える。
【0042】
ここで図26を参照すると、平常の静止した拡張形状にある雄本体部分36の断面図が示されている。見て分かるように、閉鎖キャップ42の中央部110が、わずかに軸方向外向きに偏向又は屈曲を有する形状にされている。このように、雄コネクタ装置30が雌コネクタ装置に挿入され、スリットを開くように、比較的剛性のある壁部分44が径方向内向きに撓まされて閉鎖キャップを圧縮した時、閉鎖キャップの軸方向外向きの予備的偏向が、図11に示すように、キャップを凸形状まで軸方向外向きにさらに撓ませる又は屈曲させることが理解されよう。
【0043】
ここで図27を参照すると、細長い雄本体部分36の上に封止的に取り付けられた別の実施例の閉鎖キャップ42を有する、雄本体部分36が示されている。閉鎖キャップは、遠位端部38の隆起部60に沿って面一になり、可撓性の壁部分50と概ね平行に配置された単一のスリット開口54を有するように、やはり概ね環状に形成される。しかしながら、閉鎖キャップ42は、その中央部112にわずかな軸方向内向きの偏向又は屈曲を有して形成される。こうして、雄コネクタ装置30が雌コネクタ装置に挿入され、縁要素48の近傍の比較的剛性の壁部分44に対して径方向内向きの圧縮力が働かされた時、閉鎖キャップの軸方向内向きの予備的偏向が、キャップ42aを図12に示すように、凸形状まで軸方向内向きにさらに屈曲させる。
【0044】
ここで図28を参照して、閉鎖キャップ42の代替実施例が示されている。この実施例では、図2に示すように、雄本体部分36が平常の静止した拡張形状にある時、閉鎖キャップは概ね平坦である。再封止可能な開口部又はスリット54が、可撓性の壁部分50、及び図28に方向指示の矢印112によって示される径方向の圧縮力の向きと概ね平行になるように、キャップにやはり形成される。キャップは、圧縮に際して一方の側114が軸方向外向きに撓むように偏向され、キャップの反対側116が、圧縮に際して軸方向内向きに撓むように偏向されている。このようにして、雄本体部分36が径方向に圧縮された時、閉鎖キャップ42の側部102が、軸方向外向きに撓まされる又は屈曲され、反対側の側部104が軸方向内向きに撓まされる。スリット54がこのように開かれ、雄コネクタと雌コネクタとの間に流路が作られる。
【0045】
ここで図29に移ると、別の代替実施例の閉鎖キャップ118が、雄コネクタ装置30の細長い本体36に取り付けられているのが示されている。代替の閉鎖キャップは、やはり可撓性の壁部分50に概ね平行になるように配置された、2つの平行な離間したスリット120及び122を有して形成されている。2つの並置されたスリットを有することで、代替の閉鎖キャップは、2つの対向する側部に基本的に分割され、2つの側部の間には中央の膜124部分を備える。図29に見られるように、代替の閉鎖キャップは、平常の形状において概ね平坦になるように構成されている。その後、図30に示すように、雄本体部分の遠位端部が、矢印112の方向に径方向に圧縮され、代替の閉鎖キャップ118の中央部分124が軸方向内向きに撓み、一方、対向する側部126及び128が軸方向外向きに撓んで、2つのスリット120及び122を開いて、それらを介する2つの流路を作る。一実施例では、中央の膜部分124の領域において閉鎖キャップの厚さが増され、対向する隣接する側部に対して内向きに撓むことをさらに容易にする。
【0046】
図30aは、スリットを介する望まれない流体の流れを引き起こす可能性のある内部圧力に抵抗するように、スリット120及び122が角度を持って形成されている一実施例を示す。中央部124に対して内部圧力が高まると、角度のついたスリットのため、各外側部分が中央部の外側部分と材料の重なりを有するので、開こうとする中央部の動きが、2つの外側部分126及び128によって阻止される。
【0047】
図31に示された代替実施例では、閉鎖キャップ42は単一のスリット54を有するが、キャップが雄本体36に取り付けられた時に、スリットは、スリットの両端部が可撓性の壁部分50に隣接し、したがってスリットが、可撓性の壁部分50に対して概ね直角をなすように配置される。また、雄コネクタ装置30が雌コネクタ装置内に挿入された時、矢印112で示されるように、スリットは、比較的剛性のある壁部分44に及ぼされる径方向の圧縮力の方向に対してやはり概ね直角になされる。さらに、図31に示されるように、閉鎖キャップの中央130が、わずかに軸方向外向きに偏向又は屈曲を有するように構成され、それによって、雄本体部分及び閉鎖キャップが径方向に圧縮された時、閉鎖キャップの軸方向外向きの予備的偏向によって、キャップを凸形状まで軸方向外向きにさらに撓ませる又は屈曲させて、スリットを開く。矢印112で示すように、圧縮はスリットの軸に対して直角であるが、圧縮されるにつれて本体及び閉鎖キャップの環状の周囲が小さくなり、結果としてスリットを開く。
【0048】
図示されてはいないが、別の代替実施例では、図31に示すように、スリットの両端部が可撓性の壁部分50に隣接して配置され、したがって、剛性の壁部分44への力に対して概ね平行に配置されるように、スリット開口部54を有する閉鎖キャップ42が取り付けられてよい。しかしながら、この実施例では、閉鎖キャップの中央が、わずかに軸方向内向きに偏向又は屈曲を有するように構成され(図27に示すものと同様)、それによって、雄本体部分36及びキャップが径方向に圧縮された時、軸方向内向きの予備的偏向によって、図12に示すように、キャップを凹形状まで軸方向内向きにさらに撓ませる又は屈曲させる。圧縮されるにつれて、本体及び閉鎖キャップの環状の周囲が小さくなり、それによって、キャップの中央が内向きに変位され、スリットを開く。
【0049】
ここで図32に移ると、雄コネクタ装置の遠位端部38が断面で示されており、これによって、閉鎖キャップ42の縁要素48への取り付けを、よりはっきりと見ることができる。この実施例では、閉鎖キャップが、わずかに軸方向外向きに予備的偏向された撓みを有するが、取り付け用隆起部60内に取り付けられている。可撓性の壁部分50は、各切欠き66内に径方向外側に配置され、その遠位端部に、閉鎖キャップに隣接して径方向内向きに突出するすみ肉132を備えた形状にされている。すみ肉が可撓性の壁部分と閉鎖キャップとを相互接続するので、雌コネクタ装置との係合の際に、可撓性の壁部分が径方向内向きに移動するにつれ、閉鎖キャップを軸方向外向きに向ける圧力が増す。したがって、すみ肉は、可撓性の壁部分と協働して、閉鎖キャップを凸形状、ドーム状の形状まで撓ませ、それによって、図11に示すようにスリットを開く。
【0050】
雄コネクタ装置30が、雌コネクタ装置から抜かれると、可撓性の壁部分50、すみ肉132、及び閉鎖キャップ42の間に反対の動きが起こる。すなわち、径方向の圧縮力が雄本体36から除去されると、比較的剛性の壁部分44、可撓性の壁部分50、及びベース部46が協働して、本体を撓ませ、平常の拡張形状に戻す。可撓性の壁部分は、概ね径方向外向きに撓み、平常の形状に戻る。そのようにする際に、相互接続しているすみ肉132が、閉鎖キャップ42を、図32に示す静止形状に戻すように向けるのを助けるように働く。さらに、平常の静止した拡張形状へ本体が戻る際の可撓性の壁部分の径方向外向きの動きによって、雄コネクタ装置の体積も増し、それによって小規模な部分的な真空が生成することが理解されよう。この部分的な真空が、再封止可能な開口部54が再封止するにつれ、再封止可能な開口部54及びその周囲に残留している流体を雄コネクタの中へ引き戻すことのできる引き戻し効果を生み、それによって、流体を管理されたやり方にさらに保ち、介護者及び患者の両方への流体の暴露を防ぐ。
【0051】
図32に示した構成と同様に、閉鎖キャップ42が、軸方向内向きに偏向されて、可撓性の壁部分と閉鎖キャップとの間にすみ肉を有することができる。図27に示された形状などのように内向きに偏向されると、雄コネクタ装置30の遠位端部38は、雌コネクタ装置との係合のために収縮された時、図12に示す形状を取る。すると、それぞれの可撓性の壁部分の遠位端部を閉鎖キャップと相互接続するすみ肉が、閉鎖キャップを内向きに引く働きをして、スリットを開く。同様に、雄コネクタ装置30が雌コネクタから外され、雄本体部分36が平常の静止した拡張形状に戻ることができるように径方向の圧縮力が雄本体部分36から除去された時、可撓性の壁部分の径方向外向きの動きが、やはりすみ肉を径方向外向きに移動させ、閉鎖キャップを外向きに平常の静止形状に向かって撓ませるように協働し、開口54を再封止する。
【0052】
ここで図33に移ると、本発明に従った、医療用シリンジ140に連結された雄コネクタ装置30の部分的な斜視図及び実施例が示されている。シリンジの遠位端部142は、雄コネクタ装置の近位端部に形成された、雌ルアーコネクタ52を封止的に係合するように構成された雄ルアーコネクタ(図示せず)を備えて形成され、さらに、シリンジの雄ルアーコネクタの回りに同心上につば144を備え、雄コネクタ装置の雌コネクタの近位ベース部に形成された外側ねじ部分(図示せず)をねじ係合するように構成された内側ねじ(図示せず)を有して構成されてよい。雄コネクタ装置がシリンジに連結されると、コネクタ装置が外され、図示のように平常の静止した拡張形状にある間、自己封止式の閉鎖キャップ42が、シリンジからいかなる流体が漏れるのも防ぐ。
【0053】
図33を続けて参照すると、雄コネクタ装置30に隣接して、シリンジの中の流体が患者に投与される、又は患者からの流体がシリンジの中へ抜かれる時の、連結用定位置にある患者のIV路の雌コネクタ70が示されている。雌コネクタ装置は、外側ねじ要素134を含む。したがって、図7〜9について説明したように、大型の雄本体部分36が、雌コネクタ内に挿入された時、比較的剛性のある壁部分44が、可撓性の壁部分50が許す限り、径方向内向きに撓み、閉鎖キャップ42を圧縮して、スリット54を開き、それによって、雄コネクタ装置30を介し、雌コネクタ70との完全な流路を作る。次に、所期の流体が注入又は吸引された後、雄コネクタ装置が、雌コネクタから単に外されて、それによって雄本体部分が拡張形状に戻ることができ、スリットが閉じて、雄コネクタ装置を再封止して、シリンジから流体が漏れるのを防ぐ。このようにして、本発明に従った雄コネクタ装置は、鋭利な針を使用しないで、シリンジ又は他の同様の医療用装置若しくはディスペンサーから管理的に与える又は抜くことができる。さらに、すべての係合面が露出されており、装置の雌コネクタからの取り外しに際して、簡単に手が届くため、雄コネクタ装置を拭き取ったり、清潔に保ったりすることが容易であることが理解されよう。
【0054】
図34は、雄本体36を囲んで、内側ねじ152を有するねじ付きつば150を加えたこと以外は、図33と同じ雄コネクタ装置30を示す。つばのねじは、雄コネクタ装置と雌コネクタ装置とをともに確実に固定するように、雌コネクタ70の外側ねじ部分134を係合するために用いられる。
【0055】
図35は、雄コネクタ装置30が、従来式の雌ルアーコネクタではなく、雄本体部分36からベース部46の反対側に取り付けられた血液採取装置156を有する、さらに別の代替実施例を示す。当技術分野で知られ、使用されている血液採取システムは、鋭利な先端160を有するカニューレ158を備え、カニューレ取付け部162に確実に埋め込まれている。医療従事者及び患者を不慮の穿刺から保護し、ある場合では血液採取管を支持するために、保護材164が針の回りに取り付けられている。コネクタ装置30の雄本体部分36は、上述のように、閉鎖キャップのスリット54を開き、患者のIV路と血液採取部158との間に流路を作るように、患者のIV路の雌コネクタ装置に接続可能である。必要な量の血液が抜かれると、管が血液採取装置156から外され、雄本体部分36が雌コネクタ装置から外されてよい。雌コネクタからの取り外しに際して、雄本体部分が平常の静止した形状に拡張し、それによって、スリット54を再封止して、安全な処理のために、すべての血液及びあらゆる他の流体を雄コネクタ装置内に閉じ込める。このように、本発明のこの実施例では、流体を効果的且つ管理的に与える及び/又は抜くために、自己封止式の針のない大型の雄コネクタが、患者のIV路の雌ルアーコネクタから安全且つ確実に接続及び取り外しを行う働きをする。
【0056】
本発明は、特定の好ましい実施例について説明されてきたが、本発明の範囲内にある他の実施例も存在してよい。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照してのみ定義されることが意図されている。可撓性の壁部分、閉鎖キャップ、及び再封止可能な開口部の変形例が説明され、示されてきたが、これらの変形例は、本発明の単なる例であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の自己封止式雄ルアーコネクタ装置の例示的な実施例と連結して作動可能な患者のIVインタフェースの簡略化した図である。
【図2】細長い雄本体及び可撓性の閉鎖キャップを含む、本発明の自己封止式雄コネクタ装置の例示的な実施例の拡大斜視図である。
【図3】面取りされた外縁が見え、閉鎖キャップの取付け隆起部を示す、図2に示したコネクタ装置の雄本体の遠位すなわち第1の端部の断面図である。
【図4】図2に示した雄本体の遠位端部に形成された取付け隆起部の、閉鎖キャップを外した拡大斜視図である。
【図5】全体が1つの部品として形成された可撓性の壁部分を含む閉鎖キャップの斜視図である。
【図6】図2の雄コネクタ装置のハウジングの側面断面図である。
【図7】雌コネクタ装置を断面で示す、雌ルアーコネクタとの連結のために位置合わせされた本発明の態様に従った雄コネクタの部分的断面の側面図である。
【図8】完全に連結された、図7の雄コネクタ及び雌コネクタ装置の部分的な断面の側面図である。この図は、また、雌コネクタ装置が、雄コネクタ装置よりも直径の小さい内側係合面を含み、それによって雄コネクタ装置の遠位端部が収縮され、それにより流体が流れるように雄コネクタ装置を働かせることを示す。
【図9】雄コネクタ装置の遠位端部が収縮され、それによって流体が流れるように雄コネクタ装置を働かせる内部バルブ機構を有する雌コネクタ装置と完全に係合された、図7及び8の雄コネクタ装置の部分的断面の側面図である。
【図10】閉鎖キャップを介して流路が作られた一実施例を表す、収縮形状にある雄コネクタ装置の遠位端部の端面図である。
【図11】直径の小さい雌コネクタ装置に連結されたことで遠位端部が収縮された時の、本発明の態様に従った雄コネクタ装置の遠位端部の斜視図であり、第1端部の直径が収縮すると、閉鎖キャップの直径が収縮し、開口を含む閉鎖キャップの中央部が縦軸方向にずれ、この場合は、軸方向外向きにすぼまり、それによって開口が開かれて、閉鎖キャップを介して流体が流れることができることを示す。
【図12】小さい直径の雌コネクタ装置に連結されたことで遠位端部が収縮された時の、本発明の態様に従った雄コネクタ装置の遠位端部の斜視図であり、第1端部の直径が収縮すると、閉鎖キャップの直径が収縮し、開口を含む閉鎖キャップの中央部が縦軸方向にずれ、この場合は、軸方向内向きにすぼまり、それによって開口が開かれて、閉鎖キャップを介して流体が流れることができることを示す。
【図13】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図14】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図15】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図16】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図17】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図18】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の径方向の断面図である。
【図19】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図20】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図21】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図22】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図23】雄本体部材の比較的剛性のある壁同士の間に配設された様々な繋ぎ部分構成の軸方向の断面図である。
【図24】雌コネクタ装置と係合された時に、可撓性を高め、遠位端部の折りたたみができるように、厚さが減少された別の壁部分を有する、細長い雄本体の別の実施例の斜視図である。
【図25】より剛性のある壁部分と、より可撓性のある壁部分との交互になった部分が見えるように閉鎖キャップが外された、図24の雄本体部分の壁の形状の端面図である。
【図26】中央部が平常形状にある、軸方向外向きに偏向された閉鎖キャップを示す、雄コネクタ装置の遠位端部の側面断面図である。
【図27】中央部が平常形状にある、軸方向内向きに偏向された閉鎖キャップを示す、雄コネクタ装置の遠位端部の側面断面図である。
【図28】流体が流れるように、一方の側が軸方向内向きに、他方の側が軸方向外向きに偏向されて開かれた閉鎖キャップのスリットを示す、収縮形状にある図2の雄コネクタ装置の遠位端部の側面断面図である。
【図29】開かれた時に流体が流れるように、2つの平行な、ずらされたスリットを有する閉鎖キャップの端面図である。
【図30】流体が流れるように、軸方向外向きに偏向されて開かれたスリットの外側の膜材料、及び軸方向内向きに偏向されてやはり開かれたスリット同士の間の中央膜を示す、収縮形状にある図29の閉鎖キャップを有する、図2の雄コネクタ装置の遠位端部の側面断面図である。
【図30a】図30に用いられてよい、角度をつけられたスリットの実施例の断面図である。スリットに角度があるため、スリットが開いて不要な流体の流れを起こす恐れのある内部圧力に対する抵抗が防止される。
【図31】比較的剛性のある壁部分と平行になるように90度回転された、閉鎖キャップのスリットを備えた図2の雄コネクタ装置の図である。
【図32】可撓性の壁部分と閉鎖キャップとの間にすみ肉を有する、中央部で軸方向外向きにわずかに隆起された閉鎖キャップを示す、細長い雄本体の遠位端部の拡大断面図である。
【図33】本発明に従った雄コネクタ装置のシリンジへの適用例を示す図であり、係合のために、雄本体が雌コネクタ装置と位置合わせされているのを示す。
【図34】雌コネクタとのより堅固な係合のために、雄本体部分を囲むねじ付きつばを備えた、図33と同様の雄コネクタ装置の図である。
【図35】本発明に従った雄コネクタ装置の、血液採取管を使用するための、保護材及び保護材内の鋭利なカニューレを有する血液採取装置への適用例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌コネクタ装置との連結のための自己封止式の雄コネクタ装置であって、前記雌コネクタ装置が、前記雄コネクタ装置よりも直径の小さい内側係合面を有し、前記自己封止式の雄コネクタ装置が、
第1端部を有し、前記第1端部が、平常の未連結形状の時には第1直径を有し、前記第1端部が前記雌コネクタ装置の前記直径の小さい内側係合面に連結され、それによって収縮形状へと押される時には前記第1直径よりも小さい第2直径を有する雄本体と、
前記雄本体の前記第1端部に配設された、流体の流れに対して前記雄本体を閉鎖する閉鎖キャップとを備え、前記閉鎖キャップが、前記雄本体の前記第1端部の直径の変化とともに前記閉鎖キャップの直径が変化するように直径を有し、且つ前記雄本体に取り付けられ、前記閉鎖キャップが、前記雄本体が前記雌コネクタ装置から外されて平常の未連結形状になった時に閉鎖され、前記直径の小さい雌コネクタ装置と連結したために前記雄本体が収縮形状へと動かされるにつれて前記閉鎖キャップの直径が収縮された時に、前記閉鎖キャップを介して流体を流すために開くように形成された開口を有する、自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項2】
前記雄本体が、第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間に流体連通をもたらす流体通路とをさらに備える、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項3】
前記雄本体が、前記雄本体の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、前記筒状の壁が、第1部分と第2部分とから形成され、前記第2部分が前記第1部分よりも可撓性である、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項4】
前記第2部分が、前記第1部分の壁厚よりも薄い壁厚を有し、それによって前記第2部分が前記第1部分よりも可撓性である、請求項3に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項5】
前記第2部分が、繋ぎ部分をなす弾性材料からなる、請求項3に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項6】
前記閉鎖キャップ及び前記繋ぎ部分が1つの部品として形成される、請求項5に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項7】
前記雄本体が、前記雄本体の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、前記筒状の壁が、軸方向に突出し、且つ前記第1端部の縁部の少なくとも一部をなす、少なくとも2つの離間した比較的剛性のある壁部分を含む、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項8】
前記筒状の壁が、前記剛性の壁部分同士を連結する可撓性の壁部分を含み、前記可撓性の壁部分が、前記雄本体を前記収縮形状に動かすのを容易にする、請求項7に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項9】
前記閉鎖キャップが、前記第1端部の直径が収縮するにつれて前記閉鎖キャップの直径が収縮するように、前記第1端部に取り付けられ、前記開口を含む前記閉鎖キャップの中央部が縦軸方向に動かされ、それによって前記閉鎖キャップを介して流体を流すように前記開口が開かれる、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項10】
前記開口がスリットを含む、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項11】
前記雄本体が、前記雄本体部分の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、前記筒状の壁が、前記第1端部から軸方向に延在する長さ方向の切欠きを含み、それによって前記切欠きが、前記雄本体を前記収縮形状に動かすのを容易にする、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項12】
2つの長さ方向の切欠きが、実質的に互いに向かい合い、前記第1端部から軸方向に延在するように前記筒状の壁内に形成され、前記雄本体の中央縦軸を中心に実質的に対称形であるように構成された、請求項11に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項13】
前記雄本体が、シリンジに連結された第2端部をさらに備える、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項14】
前記雄本体が、血液採取装置として構成された第2端部をさらに備える、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項15】
前記雄本体が、前記雄本体の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、前記第1端部の前記筒状の壁の外縁が、開口部を画定する縁部を含み、
前記縁部が丸みのつけられた外側端部を有し、それによって前記第1端部の前記雌コネクタ装置との連結が容易になり、
前記縁部が、平常の開放形状と前記収縮形状との間で撓み、
前記雄本体が前記雌コネクタに挿入された時、前記縁部が前記収縮形状にある、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項16】
雌コネクタ装置との連結のための自己封止式の雄コネクタ装置であって、前記雌コネクタ装置が、前記雄コネクタ装置よりも直径の小さい内側係合面を有し、前記自己封止式の雄コネクタ装置が、
第1端部を有し、前記第1端部が、平常の未連結形状の時には第1直径を有し、前記第1端部が前記雌コネクタ装置の前記直径の小さい内側係合面に連結され、それによって収縮形状へと押される時には、前記第1直径よりも小さい第2直径を有する雄本体であって、前記雄本体が、前記雄本体の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、2つの長さ方向の切欠きを備えた前記筒状の壁が、実質的に互いに向かい合い、前記第1端部から軸方向に延在するように前記筒状の壁内に形成され、前記切欠き内に形成された繋ぎ部分を備える前記雄本体の中央縦軸を中心に実質的に対称形であるように構成され、前記筒状の壁が、前記切欠き同士の間に第1壁部分を形成し、前記繋ぎ部分が、前記切欠き内に第2壁部分を形成し、前記第2壁部分が前記第1壁部分よりも可撓性であり、前記可撓性の壁部分が、前記雄本体が前記収縮形状に動くのを容易にし、第1端部の前記筒状の壁の外縁が、開口部を画定する縁部を含み、前記縁部が、丸みのつけられた外側縁部を有する縁部を備え、それによって前記第1端部の前記雌コネクタ装置との連結が容易になる雄本体と、
前記雄本体の前記第1端部に配設された、流体の流れに対して前記雄本体の前記開口部を閉鎖する閉鎖キャップとを備え、前記閉鎖キャップが、前記雄本体の前記第1端部の直径の変化とともに、前記閉鎖キャップの直径が変化するように直径を有し、且つ前記雄本体に取り付けられ、前記閉鎖キャップが、前記雄本体が前記雌コネクタ装置から外されて平常の未連結形状になった時に閉鎖され、前記直径の小さい雌コネクタ装置と連結したために前記雄本体が収縮形状へと動かされるにつれて、前記閉鎖キャップの前記直径が収縮された時に、前記閉鎖キャップを介して流体を流すために開くように形成された開口を有し、
前記閉鎖キャップと前記繋ぎ部分とが、1つの部品として形成される、自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項17】
前記開口がスリットを含む、請求項16に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項18】
前記雄本体が、シリンジに連結された第2端部をさらに備える、請求項16に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項19】
自己封止式の雄コネクタ装置を雌コネクタ装置に連結する方法において、前記雌コネクタ装置が、前記雄コネクタ装置よりも直径の小さい内側係合面を有する方法であって、
前記自己封止式の雄コネクタ装置の第1端部を前記直径の小さい雌係合面と係合し、それによって前記雄コネクタ装置の前記第1端部の直径を収縮させるように、前記雄コネクタ装置を十分奥まで前記雌コネクタに挿入するステップと、
前記第1端部の直径が収縮された結果として、前記自己封止式の雄コネクタ装置の前記第1端部の開口を介して流体が流れることのできるように、前記開口を開くステップとを含む方法。
【請求項20】
前記挿入するステップが、第1及び第2の壁部分が収縮できるように、前記第1及び第2の壁部分を互いに向かって収縮させ、前記第1及び第2の壁部分の間に配置された前記第3及び第4の壁部分を撓ませるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1端部に配置された閉鎖キャップ並びに前記第3及び第4の壁部分を1つの部品として形成するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項1】
雌コネクタ装置との連結のための自己封止式の雄コネクタ装置であって、前記雌コネクタ装置が、前記雄コネクタ装置よりも直径の小さい内側係合面を有し、前記自己封止式の雄コネクタ装置が、
第1端部を有し、前記第1端部が、平常の未連結形状の時には第1直径を有し、前記第1端部が前記雌コネクタ装置の前記直径の小さい内側係合面に連結され、それによって収縮形状へと押される時には前記第1直径よりも小さい第2直径を有する雄本体と、
前記雄本体の前記第1端部に配設された、流体の流れに対して前記雄本体を閉鎖する閉鎖キャップとを備え、前記閉鎖キャップが、前記雄本体の前記第1端部の直径の変化とともに前記閉鎖キャップの直径が変化するように直径を有し、且つ前記雄本体に取り付けられ、前記閉鎖キャップが、前記雄本体が前記雌コネクタ装置から外されて平常の未連結形状になった時に閉鎖され、前記直径の小さい雌コネクタ装置と連結したために前記雄本体が収縮形状へと動かされるにつれて前記閉鎖キャップの直径が収縮された時に、前記閉鎖キャップを介して流体を流すために開くように形成された開口を有する、自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項2】
前記雄本体が、第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間に流体連通をもたらす流体通路とをさらに備える、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項3】
前記雄本体が、前記雄本体の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、前記筒状の壁が、第1部分と第2部分とから形成され、前記第2部分が前記第1部分よりも可撓性である、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項4】
前記第2部分が、前記第1部分の壁厚よりも薄い壁厚を有し、それによって前記第2部分が前記第1部分よりも可撓性である、請求項3に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項5】
前記第2部分が、繋ぎ部分をなす弾性材料からなる、請求項3に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項6】
前記閉鎖キャップ及び前記繋ぎ部分が1つの部品として形成される、請求項5に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項7】
前記雄本体が、前記雄本体の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、前記筒状の壁が、軸方向に突出し、且つ前記第1端部の縁部の少なくとも一部をなす、少なくとも2つの離間した比較的剛性のある壁部分を含む、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項8】
前記筒状の壁が、前記剛性の壁部分同士を連結する可撓性の壁部分を含み、前記可撓性の壁部分が、前記雄本体を前記収縮形状に動かすのを容易にする、請求項7に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項9】
前記閉鎖キャップが、前記第1端部の直径が収縮するにつれて前記閉鎖キャップの直径が収縮するように、前記第1端部に取り付けられ、前記開口を含む前記閉鎖キャップの中央部が縦軸方向に動かされ、それによって前記閉鎖キャップを介して流体を流すように前記開口が開かれる、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項10】
前記開口がスリットを含む、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項11】
前記雄本体が、前記雄本体部分の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、前記筒状の壁が、前記第1端部から軸方向に延在する長さ方向の切欠きを含み、それによって前記切欠きが、前記雄本体を前記収縮形状に動かすのを容易にする、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項12】
2つの長さ方向の切欠きが、実質的に互いに向かい合い、前記第1端部から軸方向に延在するように前記筒状の壁内に形成され、前記雄本体の中央縦軸を中心に実質的に対称形であるように構成された、請求項11に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項13】
前記雄本体が、シリンジに連結された第2端部をさらに備える、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項14】
前記雄本体が、血液採取装置として構成された第2端部をさらに備える、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項15】
前記雄本体が、前記雄本体の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、前記第1端部の前記筒状の壁の外縁が、開口部を画定する縁部を含み、
前記縁部が丸みのつけられた外側端部を有し、それによって前記第1端部の前記雌コネクタ装置との連結が容易になり、
前記縁部が、平常の開放形状と前記収縮形状との間で撓み、
前記雄本体が前記雌コネクタに挿入された時、前記縁部が前記収縮形状にある、請求項1に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項16】
雌コネクタ装置との連結のための自己封止式の雄コネクタ装置であって、前記雌コネクタ装置が、前記雄コネクタ装置よりも直径の小さい内側係合面を有し、前記自己封止式の雄コネクタ装置が、
第1端部を有し、前記第1端部が、平常の未連結形状の時には第1直径を有し、前記第1端部が前記雌コネクタ装置の前記直径の小さい内側係合面に連結され、それによって収縮形状へと押される時には、前記第1直径よりも小さい第2直径を有する雄本体であって、前記雄本体が、前記雄本体の前記第1端部まで延在する筒状の壁を備え、2つの長さ方向の切欠きを備えた前記筒状の壁が、実質的に互いに向かい合い、前記第1端部から軸方向に延在するように前記筒状の壁内に形成され、前記切欠き内に形成された繋ぎ部分を備える前記雄本体の中央縦軸を中心に実質的に対称形であるように構成され、前記筒状の壁が、前記切欠き同士の間に第1壁部分を形成し、前記繋ぎ部分が、前記切欠き内に第2壁部分を形成し、前記第2壁部分が前記第1壁部分よりも可撓性であり、前記可撓性の壁部分が、前記雄本体が前記収縮形状に動くのを容易にし、第1端部の前記筒状の壁の外縁が、開口部を画定する縁部を含み、前記縁部が、丸みのつけられた外側縁部を有する縁部を備え、それによって前記第1端部の前記雌コネクタ装置との連結が容易になる雄本体と、
前記雄本体の前記第1端部に配設された、流体の流れに対して前記雄本体の前記開口部を閉鎖する閉鎖キャップとを備え、前記閉鎖キャップが、前記雄本体の前記第1端部の直径の変化とともに、前記閉鎖キャップの直径が変化するように直径を有し、且つ前記雄本体に取り付けられ、前記閉鎖キャップが、前記雄本体が前記雌コネクタ装置から外されて平常の未連結形状になった時に閉鎖され、前記直径の小さい雌コネクタ装置と連結したために前記雄本体が収縮形状へと動かされるにつれて、前記閉鎖キャップの前記直径が収縮された時に、前記閉鎖キャップを介して流体を流すために開くように形成された開口を有し、
前記閉鎖キャップと前記繋ぎ部分とが、1つの部品として形成される、自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項17】
前記開口がスリットを含む、請求項16に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項18】
前記雄本体が、シリンジに連結された第2端部をさらに備える、請求項16に記載の自己封止式の雄コネクタ装置。
【請求項19】
自己封止式の雄コネクタ装置を雌コネクタ装置に連結する方法において、前記雌コネクタ装置が、前記雄コネクタ装置よりも直径の小さい内側係合面を有する方法であって、
前記自己封止式の雄コネクタ装置の第1端部を前記直径の小さい雌係合面と係合し、それによって前記雄コネクタ装置の前記第1端部の直径を収縮させるように、前記雄コネクタ装置を十分奥まで前記雌コネクタに挿入するステップと、
前記第1端部の直径が収縮された結果として、前記自己封止式の雄コネクタ装置の前記第1端部の開口を介して流体が流れることのできるように、前記開口を開くステップとを含む方法。
【請求項20】
前記挿入するステップが、第1及び第2の壁部分が収縮できるように、前記第1及び第2の壁部分を互いに向かって収縮させ、前記第1及び第2の壁部分の間に配置された前記第3及び第4の壁部分を撓ませるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1端部に配置された閉鎖キャップ並びに前記第3及び第4の壁部分を1つの部品として形成するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図30a】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図30a】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公表番号】特表2008−526308(P2008−526308A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549459(P2007−549459)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/045924
【国際公開番号】WO2006/073778
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(505403186)カーディナル ヘルス 303 インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】Cardinal Health 303,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/045924
【国際公開番号】WO2006/073778
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(505403186)カーディナル ヘルス 303 インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】Cardinal Health 303,INC.
【Fターム(参考)】
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