折り畳みコンテナー
【解決手段】本発明は、上部フレーム1と、底部2と、上部分割側壁4と下部分割側壁5とからなる分割側壁3と、はね上げ側壁9とからなる折り畳みコンテナーにおいて、はね上げ側壁の下端水平リブの裏面には、接触用突起9cが形成されているとともに、はね上げ側壁の内壁面には、はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動の際に、接触用突起が接触する帯状平坦部92を形成したものである。
【効果】はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動を円滑に行うことができ、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【効果】はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動を円滑に行うことができ、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の物品の保管、輸送或いは搬送等に使用される折り畳みコンテナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、額縁状の上部フレームと、底部と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁と、あおり板とからなる折り畳みコンテナーが知られている。
【0003】
箱型に組み立てられた状態から、折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先ず最初に、垂直状態のあおり板を、上部フレーム方向に回動させ、あおり板を、水平状態とし、その後、上部分割側壁と下部分割側壁とを、互いに重ねることにより、折り畳みコンテナーを折り畳むことができるように構成されている。
【0004】
また、折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた状態においては、ヒンジ連結部を挟んで、ヒンジ連結部付近に位置する上部分割側壁の下部と、下部分割側壁の上部に、それぞれ形成された突出部が、あおり板に形成された凹部に嵌合するように構成されている。
【0005】
更に、あおり板の下端部に係合片を形成するとともに、底板に、係合片が係合する係合部を形成し、折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた際には、あおり板に形成された係合片が、底板に形成された係合部に係合し、垂直状態のあおり板が、簡単には、水平方向に回動しないようにロックするように構成されている。
【0006】
上述したような折り畳みコンテナーは、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】登録実用新案第3016828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
箱型に組み立てられた状態において、箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先ず最初に、相対するあおり板のうちの一方のあおり板を、水平方向に回動させ、次いで、相対するあおり板のうちのもう一方のあおり板を、水平方向に回動させることになる。一方のあおり板ともう一方のあおり板とを、略同時に回動させると、あおり板同士が当接し、あおり板の回動に支障を来すという問題があった。
【0009】
また、上述したように、一方のあおり板ともう一方のあおり板とを略同時に回動させると、あおり板に形成された係合片同士が当接し、係合片が損傷するという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、上述した従来の折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した目的を達成するために、上部フレームと、底部と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁と、はね上げ側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、はね上げ側壁の下端水平リブの裏面には、接触用突起が形成されているとともに、はね上げ側壁の内壁面には、はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動の際に、接触用突起が接触する帯状平坦部を形成したものである。
【発明の効果】
【0012】
上部フレームと、底部と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁と、はね上げ側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、はね上げ側壁の下端水平リブの裏面には、接触用突起が形成されているとともに、はね上げ側壁の内壁面には、はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動の際に、接触用突起が接触する帯状平坦部を形成したので、はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動を円滑に行うことができ、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図2】図2は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーの折り畳み途中或いは組み立て途中の斜視図である。
【図3】図3は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーの折り畳み途中或いは組み立て途中の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の外部側からの部分拡大斜視図である。
【図6】図6は、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の内部側からの部分拡大斜視図である。
【図7】図7は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の内部側からの部分拡大斜視図である。
【図8】図8は、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【図9】図9は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部の部分拡大斜視図である。
【図10】図10は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部の部分拡大斜視図である。
【図11】図11は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【図12】図12は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部とはね上げ側壁との一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図13】図13は、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の斜視図である。
【図14】図14は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の折り畳みコンテナーの相対するはね上げ側壁が水平方向に回動する過程の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【図16】図16は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーの相対するはね上げ側壁が水平方向に回動する過程の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0015】
先ず最初に、図1〜図4を用いて、本発明の全体構成について説明する。
【0016】
本発明の折り畳みコンテナーも、上部フレーム1と、底部2と、上部分割側壁4と下部分割側壁5とからなる分割側壁3と、はね上げ側壁9とから構成されている。
【0017】
折り畳みコンテナーを、図1に示されている箱型に組み立てられた状態から、図4に示されているように折り畳む際には、先ず最初に、はね上げ側壁9を、図2に示されているように、上部フレーム1方向に回動させ、はね上げ側壁9を、図3に示されているように、水平状態とし、その後、上部分割側壁4と下部分割側壁5とを、ヒンジ連結部6を中心に回動させて重ねることにより、折り畳むことができるように構成されている。
【0018】
折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた状態においては、ヒンジ連結部6を挟んで、ヒンジ連結部6付近に位置する上部分割側壁4の下部に形成された突出部4c及びヒンジ連結部6付近に位置する下部分割側壁5の上部に形成された突出部5cが、それぞれ、はね上げ側壁9に形成された嵌合凹部9aに嵌合するように構成されている。
【0019】
次に、図5〜図8を用いて、はね上げ側壁9について説明する。
【0020】
はね上げ側壁9の下端水平リブ9bの裏面の両端部付近には、接触用突起9cが垂設されており、接触用突起9cは、下端水平リブ9bの長手方向に沿った板状の本体9c1と、本体9c1の両端に形成された相対する側部9c2とから形成されており、接触用突起9cは、下端水平リブ9bの長手方向から見て、略二等辺三角形状に形成されており、接触用突起9cの内面(箱型に組み立てられた際に、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側に位置する面)は、傾斜面9c’として形成されている。
【0021】
9dは、下端水平リブ9bの裏面で、且つ、接触用突起9cより下端水平リブ9bの中央寄りに形成された一対の係合部である。係合部9dは、下端水平リブ9bの長手方向に沿って、下端水平リブ9bに垂設された垂直片9d1と、垂直片9d1の下端から、垂直片9d1に対して垂直方向に、且つ、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの外側方向に延在する係合片9d2とから構成されている。
【0022】
9eは、下端水平リブ9bの裏面で、且つ、係合部9dより下端水平リブ9bの中央寄りに形成された、所定の間隔を置いて形成された一対のガタ止め突起である。
【0023】
はね上げ側壁9には、下端水平リブ9bの上部近傍に、下部水平リブ9fが形成されており、また、下端水平リブ9bと下部水平リブ9f間に位置するはね上げ側壁9の板部90の中央部には、後述する底部2に形成された中央係合部が挿入される中央係合孔9gが穿設されている。更に、中央係合孔9gが位置する下端水平リブ9bの上面には、係合突起9g1が突設されている。なお、9hは、中央係合孔9gを挟持するように、下端水平リブ9bと下部水平リブ9fを架橋する補強垂直リブである。
【0024】
次に、図9〜図11を用いて、底部について説明する。
【0025】
2aは、底部2を構成する周辺側壁であり、周辺側壁2aは、箱型に組み立てられた状態において、あおり板9の下端部が位置する周辺側壁2a部分(以下、あおり板側周辺側壁部と称し、符号2a1を付す。)と、分割側壁3が位置する周辺側壁2a部分(以下、分割側壁側壁部と称し、符号2a2を付す。)とから形成されている。
【0026】
あおり板側周辺側壁部2a1と底板2bとにより形成される隅部には、相対する分割側壁側壁部2a2を架橋するように、基礎台座部2cが形成されている。基礎台座部2cの上面両端には、端部ブロック2dが形成されており、また、基礎台座部2cの上面中央部には、1つの中央ブロック2eが形成されており、更に、端部ブロック2dと中央ブロック2eとの間に位置する基礎台座部2cの上面には、中間ブロック2fが形成されている。
【0027】
基礎台座部2cの上面に形成された端部ブロック2dと中間ブロック2fとの間には、はね上げ側壁9の下端水平リブ9bの裏面の両端部付近に垂設された接触用突起9cが嵌合される、接触用突起用嵌合凹部2gが形成されている。接触用突起用係合凹部2gには、あおり板9が略垂直に立てられた際には、あおり板9に形成された接触用突起9cが嵌合されるように構成されている。
【0028】
また、基礎台座部2cの上面に形成された中間ブロック2fと中央ブロック2eとの間には、はね上げ側壁9の下端水平リブ9bの裏面に形成されたガタ止め突起9eが挿入されるガタ止め突起用凹部2hが形成されている。あおり板9が略垂直に立てられた際には、あおり板9に形成されたガタ止め突起9eが、ガタ止め突起用凹部2hに挿入されるとともに、ガタ止め突起9eが、中央ブロック2eの長手方向の側壁面2e1の近傍に位置するように構成されている。このように構成することにより、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、あおり板9が、周辺側壁2aの分割側壁側壁部2a2側に移動し、あおり板9が、ガタつくようなことを防止することができる。
【0029】
更に、中間ブロック2fの底板2b側に位置する側壁面2f1には、あおり板9が略垂直に立てられた際に、あおり板9に形成された係合部9dの係合片9d2が嵌合される嵌合孔2f2が形成されている。
【0030】
なお更に、中央ブロック2eの中央部に位置するあおり板側周辺側壁部2a1には、あおり板側周辺側壁部2a1に垂直な係合片2iが形成されており、係合片2iの裏面先端部には、係合突起2i1が突設されている。あおり板9が略垂直に立てられた際には、あおり板9の下端部に形成された中央係合孔9gに、係合片2iが嵌合されるとともに、中央係合孔9gが位置する下端水平リブ9bの上面に突設された係合突起9g1と、係合片2iの裏面先端部に突設された係合突起2i1とが、図12に示されているように、係合し、略垂直に立てられたあおり板9が、簡単には、水平方向に回動しないように構成されている。
【0031】
次に、図13〜図15を用いて、はね上げ側壁9の他の構成について説明する。
【0032】
91は、ヒンジ部が形成されているはね上げ側壁9の上端部である。はね上げ側壁9の接触用突起9cが位置する上方の板部90の内壁面90bには、はね上げ側壁9の下端水平リブ9bから上端部91まで延在する垂直状の帯状平坦部92が形成されている。なお、帯状平坦部92は、実質的な平坦部を意味し、平坦部を、曲面部として形成することもできる。
【0033】
折り畳みコンテナーを折り畳む際には、相対するはね上げ側壁9を、上部フレーム1方向に回動させることになるが、はね上げ側壁9を、上部フレーム1方向に回動させる過程において、図15に示されているように、相対するはね上げ側壁9のうち、一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された接触用突起9cが、もう一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された帯状平坦部92に接触し、同様に、もう一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された接触用突起9cが、一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された帯状平坦部92に接触するように構成されているので、接触用突起9cが、はね上げ側壁9の内壁面90bに、引っ掛かるようなことがなく、従って、はね上げ側壁9の上部フレーム1方向への回動を円滑に行うことができ、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。また、接触用突起9c同士、及び、はね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された係合部9d同士が、当接するようなことがなく、従って、接触用突起9c及び係合部9dの損傷を防止することができる。
【0034】
上述したように、折り畳みコンテナーを折り畳む際には、一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された接触用突起9cが、もう一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された帯状平坦部92に接触することになるが、接触用突起9cの内面に形成された傾斜面9c’が、帯状平坦部92に接触するように構成されているので、接触用突起9cが、帯状平坦部92に引っ掛かるようなことがなく、はね上げ側壁9の上部フレーム1方向への回動を円滑に行うことができ、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【0035】
更に、図15に示されているように、帯状平坦部92には、はね上げ側壁9の上端部91方向に延在するテーパー部92aを形成することが好ましい。このように構成することにより、上部フレーム1方向に回動の後半の回動をより円滑に行なうことができる。従って、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性がより向上する。
【0036】
また、はね上げ側壁9の係合部9dが位置する上方の板部90を、はね上げ側壁9の上端部91から下端水平リブ9b方向に向かって、板部90の内壁面90bから外壁面90aに向かって膨出させることにより、内壁面90bには、縦長凹条部93が形成されており、また、外壁面90aには、縦長凸条部94が形成されている。
【0037】
上述したように、折り畳みコンテナーを折り畳む際には、相対するはね上げ側壁9を、上部フレーム1方向に回動させることになるが、はね上げ側壁9を、上部フレーム1方向に回動させる過程において、図16に示されているように、相対するはね上げ側壁9のうち、一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された係合部9dが、もう一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された縦長凹条部93に嵌合され、同様に、もう一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された係合部9dが、一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された縦長凹条部93に嵌合されるように構成されているので、係合部9dがはね上げ側壁9の内壁面90bに当接し、損傷するようなことを防止することができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・・・・・・・・・上部フレーム
2・・・・・・・・・・・底部
2a・・・・・・・・・・周辺側壁
2g・・・・・・・・・・接触用突起用嵌合凹部
2h・・・・・・・・・・ガタ止め突起用凹部
2i・・・・・・・・・・係合片
3・・・・・・・・・・・分割側壁
4・・・・・・・・・・・上部分割側壁
5・・・・・・・・・・・下部分割側壁
9・・・・・・・・・・・はね上げ側壁
9c・・・・・・・・・・接触用突起
9d・・・・・・・・・・係合部
9e・・・・・・・・・・ガタ止め突起
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の物品の保管、輸送或いは搬送等に使用される折り畳みコンテナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、額縁状の上部フレームと、底部と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁と、あおり板とからなる折り畳みコンテナーが知られている。
【0003】
箱型に組み立てられた状態から、折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先ず最初に、垂直状態のあおり板を、上部フレーム方向に回動させ、あおり板を、水平状態とし、その後、上部分割側壁と下部分割側壁とを、互いに重ねることにより、折り畳みコンテナーを折り畳むことができるように構成されている。
【0004】
また、折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた状態においては、ヒンジ連結部を挟んで、ヒンジ連結部付近に位置する上部分割側壁の下部と、下部分割側壁の上部に、それぞれ形成された突出部が、あおり板に形成された凹部に嵌合するように構成されている。
【0005】
更に、あおり板の下端部に係合片を形成するとともに、底板に、係合片が係合する係合部を形成し、折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた際には、あおり板に形成された係合片が、底板に形成された係合部に係合し、垂直状態のあおり板が、簡単には、水平方向に回動しないようにロックするように構成されている。
【0006】
上述したような折り畳みコンテナーは、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】登録実用新案第3016828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
箱型に組み立てられた状態において、箱型に組み立てられた状態の折り畳みコンテナーを折り畳む際には、先ず最初に、相対するあおり板のうちの一方のあおり板を、水平方向に回動させ、次いで、相対するあおり板のうちのもう一方のあおり板を、水平方向に回動させることになる。一方のあおり板ともう一方のあおり板とを、略同時に回動させると、あおり板同士が当接し、あおり板の回動に支障を来すという問題があった。
【0009】
また、上述したように、一方のあおり板ともう一方のあおり板とを略同時に回動させると、あおり板に形成された係合片同士が当接し、係合片が損傷するという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、上述した従来の折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した目的を達成するために、上部フレームと、底部と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁と、はね上げ側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、はね上げ側壁の下端水平リブの裏面には、接触用突起が形成されているとともに、はね上げ側壁の内壁面には、はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動の際に、接触用突起が接触する帯状平坦部を形成したものである。
【発明の効果】
【0012】
上部フレームと、底部と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁と、はね上げ側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、はね上げ側壁の下端水平リブの裏面には、接触用突起が形成されているとともに、はね上げ側壁の内壁面には、はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動の際に、接触用突起が接触する帯状平坦部を形成したので、はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動を円滑に行うことができ、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図2】図2は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーの折り畳み途中或いは組み立て途中の斜視図である。
【図3】図3は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーの折り畳み途中或いは組み立て途中の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の外部側からの部分拡大斜視図である。
【図6】図6は、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の内部側からの部分拡大斜視図である。
【図7】図7は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の内部側からの部分拡大斜視図である。
【図8】図8は、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【図9】図9は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部の部分拡大斜視図である。
【図10】図10は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部の部分拡大斜視図である。
【図11】図11は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【図12】図12は、本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部とはね上げ側壁との一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図13】図13は、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の斜視図である。
【図14】図14は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーを構成するはね上げ側壁の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の折り畳みコンテナーの相対するはね上げ側壁が水平方向に回動する過程の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【図16】図16は、同じく、本発明の折り畳みコンテナーの相対するはね上げ側壁が水平方向に回動する過程の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0015】
先ず最初に、図1〜図4を用いて、本発明の全体構成について説明する。
【0016】
本発明の折り畳みコンテナーも、上部フレーム1と、底部2と、上部分割側壁4と下部分割側壁5とからなる分割側壁3と、はね上げ側壁9とから構成されている。
【0017】
折り畳みコンテナーを、図1に示されている箱型に組み立てられた状態から、図4に示されているように折り畳む際には、先ず最初に、はね上げ側壁9を、図2に示されているように、上部フレーム1方向に回動させ、はね上げ側壁9を、図3に示されているように、水平状態とし、その後、上部分割側壁4と下部分割側壁5とを、ヒンジ連結部6を中心に回動させて重ねることにより、折り畳むことができるように構成されている。
【0018】
折り畳みコンテナーが、箱型に組み立てられた状態においては、ヒンジ連結部6を挟んで、ヒンジ連結部6付近に位置する上部分割側壁4の下部に形成された突出部4c及びヒンジ連結部6付近に位置する下部分割側壁5の上部に形成された突出部5cが、それぞれ、はね上げ側壁9に形成された嵌合凹部9aに嵌合するように構成されている。
【0019】
次に、図5〜図8を用いて、はね上げ側壁9について説明する。
【0020】
はね上げ側壁9の下端水平リブ9bの裏面の両端部付近には、接触用突起9cが垂設されており、接触用突起9cは、下端水平リブ9bの長手方向に沿った板状の本体9c1と、本体9c1の両端に形成された相対する側部9c2とから形成されており、接触用突起9cは、下端水平リブ9bの長手方向から見て、略二等辺三角形状に形成されており、接触用突起9cの内面(箱型に組み立てられた際に、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側に位置する面)は、傾斜面9c’として形成されている。
【0021】
9dは、下端水平リブ9bの裏面で、且つ、接触用突起9cより下端水平リブ9bの中央寄りに形成された一対の係合部である。係合部9dは、下端水平リブ9bの長手方向に沿って、下端水平リブ9bに垂設された垂直片9d1と、垂直片9d1の下端から、垂直片9d1に対して垂直方向に、且つ、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの外側方向に延在する係合片9d2とから構成されている。
【0022】
9eは、下端水平リブ9bの裏面で、且つ、係合部9dより下端水平リブ9bの中央寄りに形成された、所定の間隔を置いて形成された一対のガタ止め突起である。
【0023】
はね上げ側壁9には、下端水平リブ9bの上部近傍に、下部水平リブ9fが形成されており、また、下端水平リブ9bと下部水平リブ9f間に位置するはね上げ側壁9の板部90の中央部には、後述する底部2に形成された中央係合部が挿入される中央係合孔9gが穿設されている。更に、中央係合孔9gが位置する下端水平リブ9bの上面には、係合突起9g1が突設されている。なお、9hは、中央係合孔9gを挟持するように、下端水平リブ9bと下部水平リブ9fを架橋する補強垂直リブである。
【0024】
次に、図9〜図11を用いて、底部について説明する。
【0025】
2aは、底部2を構成する周辺側壁であり、周辺側壁2aは、箱型に組み立てられた状態において、あおり板9の下端部が位置する周辺側壁2a部分(以下、あおり板側周辺側壁部と称し、符号2a1を付す。)と、分割側壁3が位置する周辺側壁2a部分(以下、分割側壁側壁部と称し、符号2a2を付す。)とから形成されている。
【0026】
あおり板側周辺側壁部2a1と底板2bとにより形成される隅部には、相対する分割側壁側壁部2a2を架橋するように、基礎台座部2cが形成されている。基礎台座部2cの上面両端には、端部ブロック2dが形成されており、また、基礎台座部2cの上面中央部には、1つの中央ブロック2eが形成されており、更に、端部ブロック2dと中央ブロック2eとの間に位置する基礎台座部2cの上面には、中間ブロック2fが形成されている。
【0027】
基礎台座部2cの上面に形成された端部ブロック2dと中間ブロック2fとの間には、はね上げ側壁9の下端水平リブ9bの裏面の両端部付近に垂設された接触用突起9cが嵌合される、接触用突起用嵌合凹部2gが形成されている。接触用突起用係合凹部2gには、あおり板9が略垂直に立てられた際には、あおり板9に形成された接触用突起9cが嵌合されるように構成されている。
【0028】
また、基礎台座部2cの上面に形成された中間ブロック2fと中央ブロック2eとの間には、はね上げ側壁9の下端水平リブ9bの裏面に形成されたガタ止め突起9eが挿入されるガタ止め突起用凹部2hが形成されている。あおり板9が略垂直に立てられた際には、あおり板9に形成されたガタ止め突起9eが、ガタ止め突起用凹部2hに挿入されるとともに、ガタ止め突起9eが、中央ブロック2eの長手方向の側壁面2e1の近傍に位置するように構成されている。このように構成することにより、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、あおり板9が、周辺側壁2aの分割側壁側壁部2a2側に移動し、あおり板9が、ガタつくようなことを防止することができる。
【0029】
更に、中間ブロック2fの底板2b側に位置する側壁面2f1には、あおり板9が略垂直に立てられた際に、あおり板9に形成された係合部9dの係合片9d2が嵌合される嵌合孔2f2が形成されている。
【0030】
なお更に、中央ブロック2eの中央部に位置するあおり板側周辺側壁部2a1には、あおり板側周辺側壁部2a1に垂直な係合片2iが形成されており、係合片2iの裏面先端部には、係合突起2i1が突設されている。あおり板9が略垂直に立てられた際には、あおり板9の下端部に形成された中央係合孔9gに、係合片2iが嵌合されるとともに、中央係合孔9gが位置する下端水平リブ9bの上面に突設された係合突起9g1と、係合片2iの裏面先端部に突設された係合突起2i1とが、図12に示されているように、係合し、略垂直に立てられたあおり板9が、簡単には、水平方向に回動しないように構成されている。
【0031】
次に、図13〜図15を用いて、はね上げ側壁9の他の構成について説明する。
【0032】
91は、ヒンジ部が形成されているはね上げ側壁9の上端部である。はね上げ側壁9の接触用突起9cが位置する上方の板部90の内壁面90bには、はね上げ側壁9の下端水平リブ9bから上端部91まで延在する垂直状の帯状平坦部92が形成されている。なお、帯状平坦部92は、実質的な平坦部を意味し、平坦部を、曲面部として形成することもできる。
【0033】
折り畳みコンテナーを折り畳む際には、相対するはね上げ側壁9を、上部フレーム1方向に回動させることになるが、はね上げ側壁9を、上部フレーム1方向に回動させる過程において、図15に示されているように、相対するはね上げ側壁9のうち、一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された接触用突起9cが、もう一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された帯状平坦部92に接触し、同様に、もう一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された接触用突起9cが、一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された帯状平坦部92に接触するように構成されているので、接触用突起9cが、はね上げ側壁9の内壁面90bに、引っ掛かるようなことがなく、従って、はね上げ側壁9の上部フレーム1方向への回動を円滑に行うことができ、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。また、接触用突起9c同士、及び、はね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された係合部9d同士が、当接するようなことがなく、従って、接触用突起9c及び係合部9dの損傷を防止することができる。
【0034】
上述したように、折り畳みコンテナーを折り畳む際には、一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された接触用突起9cが、もう一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された帯状平坦部92に接触することになるが、接触用突起9cの内面に形成された傾斜面9c’が、帯状平坦部92に接触するように構成されているので、接触用突起9cが、帯状平坦部92に引っ掛かるようなことがなく、はね上げ側壁9の上部フレーム1方向への回動を円滑に行うことができ、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性が向上する。
【0035】
更に、図15に示されているように、帯状平坦部92には、はね上げ側壁9の上端部91方向に延在するテーパー部92aを形成することが好ましい。このように構成することにより、上部フレーム1方向に回動の後半の回動をより円滑に行なうことができる。従って、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の作業性がより向上する。
【0036】
また、はね上げ側壁9の係合部9dが位置する上方の板部90を、はね上げ側壁9の上端部91から下端水平リブ9b方向に向かって、板部90の内壁面90bから外壁面90aに向かって膨出させることにより、内壁面90bには、縦長凹条部93が形成されており、また、外壁面90aには、縦長凸条部94が形成されている。
【0037】
上述したように、折り畳みコンテナーを折り畳む際には、相対するはね上げ側壁9を、上部フレーム1方向に回動させることになるが、はね上げ側壁9を、上部フレーム1方向に回動させる過程において、図16に示されているように、相対するはね上げ側壁9のうち、一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された係合部9dが、もう一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された縦長凹条部93に嵌合され、同様に、もう一方のはね上げ側壁9の下端水平リブ9bに形成された係合部9dが、一方のはね上げ側壁9の内壁面90bに形成された縦長凹条部93に嵌合されるように構成されているので、係合部9dがはね上げ側壁9の内壁面90bに当接し、損傷するようなことを防止することができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・・・・・・・・・上部フレーム
2・・・・・・・・・・・底部
2a・・・・・・・・・・周辺側壁
2g・・・・・・・・・・接触用突起用嵌合凹部
2h・・・・・・・・・・ガタ止め突起用凹部
2i・・・・・・・・・・係合片
3・・・・・・・・・・・分割側壁
4・・・・・・・・・・・上部分割側壁
5・・・・・・・・・・・下部分割側壁
9・・・・・・・・・・・はね上げ側壁
9c・・・・・・・・・・接触用突起
9d・・・・・・・・・・係合部
9e・・・・・・・・・・ガタ止め突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部フレームと、底部と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁と、はね上げ側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、はね上げ側壁の下端水平リブの裏面には、接触用突起が形成されているとともに、はね上げ側壁の内壁面には、はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動の際に、接触用突起が接触する帯状平坦部を形成したことを特徴とする折り畳みコンテナー。
【請求項1】
上部フレームと、底部と、上部分割側壁と下部分割側壁とからなる分割側壁と、はね上げ側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、はね上げ側壁の下端水平リブの裏面には、接触用突起が形成されているとともに、はね上げ側壁の内壁面には、はね上げ側壁の上部フレーム方向への回動の際に、接触用突起が接触する帯状平坦部を形成したことを特徴とする折り畳みコンテナー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−240702(P2012−240702A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112009(P2011−112009)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
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