説明

折り畳みバッグ

【課題】コンパクトで容易に携行することができ、使用時には袋体の取り出し操作を行うと同時に袋体を展開状態にできて直ちに袋体を使用できる折り畳みバッグを提供する。
【解決手段】折り畳み状態の袋体10が、中間部に切取線3のある外袋2内に収納され、袋体10の一側縁部における一方の端部に第1取手部31が、他方の端部に第2取手部32が設けられ、前記折り畳み状態は、第2方向に沿って延びる偶数個の折目に沿って奇数折りされた第1折り畳み状態と、第1方向に沿って延びる1ないし複数個の折目に沿って複数折りされた第2折り畳み状態とを含み、前記折り畳み状態の袋体は、一方の端縁9bから第1取手部31が突出し、他方の端縁9aから第2取手部32が突出し、取手部31は、袋体の折り重ね方向の最外側に位置し、該折り畳み袋体が外袋内に配置され、取手部31が外袋2の一端部と接合され、取手部32が外袋2の他端部と接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば使い捨て携帯袋等として用いられる折り畳みバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば散歩中の犬がした糞を後始末する手法としては、糞を採取し、これを持参してきたポリ袋に入れて持ち帰るという手法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、川や山でバーベキューをして排出されるゴミや食べ残し食品を持ち帰る等、外出先でポリ袋が必要になることが予め想定される場合にはポリ袋を携行することも多く行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−310083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような袋は、ある程度のサイズを有しているので、これをそのまま携行するのは不便を強いられることも多い。また、袋を折り畳んで携行するとしてもきれいに折り畳むことは困難であるので、ある程度嵩張ってしまうし、使用時に展開するのに手間取ることも多かった。また、袋を携行する際にそのままバッグに入れた場合にはバッグ内の塵、ほこり、ゴミ等が付着して衛生的でないという問題もあった。
【0006】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、袋体が折り畳まれた状態のコンパクトな態様で収納外袋内に収納されていて容易に携行等することができると共に、使用時まで袋体を衛生的に維持することができ、使用時には収納外袋内からの袋体の取り出し操作を行うと同時に袋体を展開状態にすることができて直ちに袋体を使用することのできる折り畳みバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0008】
[1]展開状態にすることのできる袋体が折り畳み状態で平面視略矩形状の収納外袋内に収納されてなる折り畳みバッグであって、
前記袋体の一つの側縁部における一方の端部に第1取手部が設けられると共に他方の端部に第2取手部が設けられ、
前記展開状態の袋体における前記第1取手部と前記第2取手部を結ぶ方向を「第1方向」とし、前記展開状態の袋体における前記第1方向と直交する方向を「第2方向」としたとき、
前記袋体の折り畳み状態は、第1方向に互いに離間して第2方向に沿って延びる偶数個の折目に沿って奇数折りされた第1折り畳み状態と、第2方向に互いに離間して第1方向に沿って延びる1個ないし複数個の折目に沿って複数折りされた第2折り畳み状態とを含み、
前記第1折り畳み状態及び前記第2折り畳み状態となされた袋体は、その一方の端縁から前記第1取手部が外方に向けて突出し、他方の端縁から前記第2取手部が外方に向けて突出した状態にあり、かつ前記第1取手部及び前記第2取手部のうちの少なくとも一方の取手部は、袋体の折り畳みの重ね方向の最外側に位置した状態にあり、このような折り畳み状態の袋体が前記収納外袋内に配置され、前記第1取手部が前記収納外袋の一端部と接合されて第1接合部が形成されると共に、前記第2取手部が前記収納外袋の他端部と接合されて第2接合部が形成され、前記収納外袋における第1接合部と第2接合部の間に切り取り線が形成されていることを特徴とする折り畳みバッグ。
【0009】
[2]前記収納外袋の第1接合部及び第2接合部は、いずれもヒートシールにより接合されて略閉塞され、前記収納外袋の第1接合部は、前記第1取手部を挟み込んでヒートシールにより接合され、前記収納外袋の第2接合部は、前記第2取手部を挟み込んでヒートシールにより接合されている前項1に記載の折り畳みバッグ。
【0010】
[3]前記袋体の折り畳み状態は、前記展開状態から前記第1折り畳み状態を経て前記第2折り畳み状態となされたものである前項1または2に記載の折り畳みバッグ。
【0011】
[4]前記第1折り畳み状態は、2個の折目に沿って3つ折りされた状態又は4個の折目に沿って5つ折りされた状態である前項1〜3のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【0012】
[5]前記第1折り畳み状態は、隣り合う折目のうちの一方が谷折りされ、他方が山折りされて形成された折り畳み状態である前項1〜4のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【0013】
[6]前記第2折り畳み状態は、隣り合う折目のうちの一方が谷折りされ、他方が山折りされて形成された折り畳み状態である前項1〜5のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【0014】
[7]前記収納外袋の切り取り線の両端のうち少なくともいずれか一方は切り込み目になっている前項1〜6のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【0015】
[8]前記袋体の開口部が設けられた側の一側縁部における一方の端部に第1取手部が設けられると共に他方の端部に第2取手部が設けられている前項1〜7のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【0016】
[9]前記袋体の開口部を形成する前後一対の側縁部のそれぞれに、両端が外部に開口された紐体挿通用筒状部が形成され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部に第1紐体が挿通配置され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部の一方の開口端部から第1紐体の一部が突出して前記第1取手部を構成し、前記前後一対の紐体挿通用筒状部に第2紐体が挿通配置され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部の他方の開口端部から第2紐体の一部が突出して前記第2取手部を構成していることを特徴とする前項8に記載の折り畳みバッグ。
【0017】
[10]前記袋体及び前記収納外袋は、生分解性樹脂で構成されている前項1〜9のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【発明の効果】
【0018】
[1]の発明では、袋体が折り畳まれた状態のコンパクトな態様で収納外袋内に収納されているから、嵩張らずに容易に携行等することができると共に、使用時まで袋体を衛生的に維持することができる。また、収納外袋における第1接合部と第2接合部の間に切り取り線が形成されているから、収納外袋の両端部を指でそれぞれ挟んで引っ張ると、収納外袋を切り取り線で容易に破断させることができる。
【0019】
また、袋体の一つの側縁部における一方の端部に第1取手部が設けられると共に他方の端部に第2取手部が設けられ、前記展開状態の袋体における前記第1取手部と前記第2取手部を結ぶ方向を「第1方向」とし、前記展開状態の袋体における前記第1方向と直交する方向を「第2方向」としたとき、前記袋体の折り畳み状態は、第1方向に互いに離間して第2方向に沿って延びる偶数個の折目に沿って奇数折りされた第1折り畳み状態と、第2方向に互いに離間して第1方向に沿って延びる1個ないし複数個の折目に沿って複数折りされた第2折り畳み状態とを含み、前記第1折り畳み状態及び前記第2折り畳み状態となされた袋体は、その一方の端縁から前記第1取手部が外方に向けて突出し、他方の端縁から前記第2取手部が外方に向けて突出した状態にあり、このような折り畳み状態の袋体が前記収納外袋内に配置され、前記第1取手部が前記収納外袋の一端部と接合されて第1接合部が形成されると共に、前記第2取手部が前記収納外袋の他端部と接合されて第2接合部が形成され、前記収納外袋における第1接合部と第2接合部の間に切り取り線が形成されているから、収納外袋の両端部を指でそれぞれ挟んで引っ張るだけで、収納外袋を切り取り線で容易に破断させることができる(即ち収納外袋内からの袋体の取り出し操作を行うことができる)と同時に袋体を展開状態にすることができ、袋体を直ちに使用することができる。
【0020】
また、袋体の折り畳み状態において、第1取手部及び第2取手部のうちの少なくとも一方の取手部は、袋体の折り畳みの重ね方向の最外側に位置した状態にあるから、即ち少なくとも一方の取手部の外方側の面は収納外袋と接触する状態にある(即ち取手部の両面が折り畳み袋体に挟まれた状態ではない)から、収納外袋の長さ方向の両端部を指で挟んで引っ張って収納外袋を相互離間方向に向けて移動させる(破断させる)操作をスムーズに行うことができる。
【0021】
[2]の発明では、収納外袋の第1接合部は第1取手部を挟み込んでヒートシールにより接合され、収納外袋の第2接合部は第2取手部を挟み込んでヒートシールにより接合されているから、これら取手部を挟み込んでヒートシール接合された箇所は厚さが大きいものとなっており、これら挟み込み接合箇所を指でそれぞれ挟んで引っ張ると、滑りを生じ難いので、収納外袋を切り取り線で容易に破断させることができる。
【0022】
[3]の発明では、袋体の折り畳み状態は、展開状態から第1折り畳み状態とした後該第1折り畳み状態から第2折り畳み状態としたものであるから、収納外袋を切り取り線で破断させた際における袋体の折り畳み状態から展開状態への移行を速やかに行わしめることができる。
【0023】
[4]の発明では、第1折り畳み状態は、2個の折目に沿って3つ折りされた状態または4個の折目に沿って5つ折りされた状態であるから、収納外袋を切り取り線で破断させた際における袋体の折り畳み状態から展開状態への移行を速やかに行わしめることができる。
【0024】
[5]の発明では、第1折り畳み状態は、隣り合う折目のうちの一方が谷折りされ、他方が山折りされて形成された折り畳み状態であるから、収納外袋の長さ方向の両端部を指で挟んで引っ張ると、袋体に対しねじれる力が作用し、これにより収納外袋を切り取り線で破断させた際における袋体の折り畳み状態から展開状態への移行をより速やかに行わしめることができる。
【0025】
[6]の発明では、第2折り畳み状態は、隣り合う折目のうちの一方が谷折りされ、他方が山折りされて形成された折り畳み状態であるから、収納外袋を切り取り線で破断させた際に、第2折り畳み状態から一気に展開状態まで移行するものとなり、このように収納外袋を切り取り線で破断させた際における袋体の折り畳み状態から展開状態への移行をより一層速やかに行わしめることができる。
【0026】
[7]の発明では、収納外袋の切り取り線の両端のうち少なくともいずれか一方は切り込み目になっており、該切り込み目が破断の起点になり易いから、収納外袋を切り取り線で破断させる操作がより容易なものとなる。
【0027】
[8]の発明では、袋体の開口部が設けられた側の一側縁部における一方の端部に第1取手部が設けられると共に他方の端部に第2取手部が設けられているから、収納外袋の両端部を指で引っ張って収納外袋を破断させて袋体を展開させると、両手の間の位置に袋体の開口部が開口した状態になるから、袋体内への物の収容操作を非常にスムーズに行うことができる。
【0028】
[9]の発明では、袋体の開口部を形成する前後一対の側縁部のそれぞれに、両端が外部に開口された紐体挿通用筒状部が形成され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部に第1紐体が挿通配置され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部の一方の開口端部から第1紐体の一部が突出して前記第1取手部を構成し、前記前後一対の紐体挿通用筒状部に第2紐体が挿通配置され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部の他方の開口端部から第2紐体の一部が突出して前記第2取手部を構成しているから、第1取手部と第2取手部を互いに離間する方向に引っ張ることにより、袋体の開口部を閉塞することができ、袋体内に収容した収容物が袋体の外に出るのを防止できる。
【0029】
[10]の発明では、袋体と収納外袋の両方が生分解性樹脂で構成されており、使用後に例えば川辺や海辺等の自然環境に廃棄されたとしても時間の経過と共に袋体と収納外袋が徐々に分解していくので、地球環境保全に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明に係る折り畳みバッグの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の折り畳みバッグを構成する袋体を展開状態で示す平面図である。
【図3】袋体を図2の展開状態から幅方向に折り畳んだ第1折り畳み状態を示す平面図である。
【図4】第1折り畳み状態から第2折り畳み状態への移行途中を示す斜視図である。
【図5】袋体の第2折り畳み状態を示す平面図である。
【図6】第2折り畳み状態の袋体を収納外袋内に収納する直前状態を示す斜視図である。
【図7】(イ)は第2折り畳み状態の袋体を収納外袋内に収納した状態を示す平面図、(ロ)は収納外袋の長さ方向の両端部をヒートシール接合して折り畳みバッグを得た状態を示す平面図である。
【図8】折り畳みバッグの収納外袋を長さ方向の両側に引っ張って切り取り線で破断して中に収納されている袋体を拡げた展開状態を示す斜視図である。
【図9】第1折り畳み状態から第2折り畳み状態にするための折目の他の例を示すための袋体の第1折り畳み状態の平面図である。
【図10】袋体の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この発明に係る折り畳みバッグの一実施形態を図1に示す。この折り畳みバッグ(1)は、展開状態において平面視略矩形状(図2参照)の袋体(10)が折り畳み状態で平面視矩形状の収納外袋(2)内に収納されてなる(図7(b)参照)。前記折り畳み状態の袋体(10)は、収納外袋(2)内での収納状態が解除されると、即ち収納外袋(2)が後述する切り取り線(3)で破断して開放されると、図8の展開状態にすることが可能なものである。
【0032】
前記収納外袋(2)は、図6に示すように、その長さ方向の両端が開口された合成樹脂製の筒状体からなる。前記収納外袋(2)の長さ方向の中間部に幅方向に沿って切り取り線(3)が形成されている。前記切り取り線(3)はミシン目状の切り取り線である。即ち、前記切り取り線(3)は、図1に示すように、長さ方向の一端側(左側)の外袋と長さ方向の他端側(右側)の外袋とを連結する連結部(3a)と、長さ方向の一端側(左側)の外袋と長さ方向の他端側(右側)の外袋とを分断する切り目(3b)とが外袋(2)の幅方向に交互に配置されたものからなり、本実施形態では、前記切り取り線(3)の両端は、いずれも一端(外方側の一端)が外部と連通する切り目である切り込み目(3c)になっている。前記収納外袋(2)の大きさとしては、特に限定されるものではないが、例えば長さ139mm×幅56mmなどを例示できる。
【0033】
前記袋体(10)は、合成樹脂製の袋からなり、図2に示すように、展開状態において平面視略矩形状である。前記袋体(10)の一つの側縁に開口部(11)が設けられている。この開口部(11)は、主に袋体(10)内に物を出し入れするためのものである。
【0034】
前記袋体(10)における前記開口部(11)が設けられた側の一側縁部の(該一側縁部の長さ方向の)両端部に切欠部(12)(13)が形成されている。
【0035】
前記袋体(10)の前記開口部(11)が設けられた側の一側縁部における一方の端部(該一側縁部を構成する一側辺16が延びる方向の一方の端部)に第1取手部(31)が設けられ、他方の端部(該一側縁部を構成する一側辺16が延びる方向の他方の端部)に第2取手部(32)が設けられている(図2参照)。前記第1取手部(31)の先端部は、前記展開状態の袋体(10)の幅方向(M)の一方の端縁(左側縁)(10a)よりも外方に向けて突出している。また、前記第2取手部(32)の先端部は、前記展開状態の袋体(10)の幅方向(M)の他方の端縁(右側縁)(10b)よりも外方に向けて突出している(図2参照)。
【0036】
前記袋体(10)の前記開口部(11)が設けられた側の側縁部であって該開口部(11)を形成する前後一対の側縁部には、それぞれ紐体挿通用筒状部(14)(15)が形成されている(図8参照)。即ち、前記開口部(11)を形成する前方の側縁部に、両端(14a)(14b)が外部に開口した紐体挿通用筒状部(14)が形成され、前記開口部(11)を形成する後方の側縁部に、両端(15a)(15b)が外部に開口した紐体挿通用筒状部(15)が形成されている(図8参照)。前記前後一対の紐体挿通用筒状部(14)(15)に環状の第1紐体(41)が挿通配置され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部(14)(15)の一方側の開口端部(14a)(15a)から第1紐体の一部(41a)が突出して前記第1取手部(31)が構成されている。また、前記前後一対の紐体挿通用筒状部(14)(15)に環状の第2紐体(42)が挿通配置され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部(14)(15)の他方側の開口端部(14b)(15b)から第2紐体の一部(42a)が突出して前記第2取手部(32)が構成されている。
【0037】
本発明では、前記展開状態の袋体(10)における前記第1取手部(31)と前記第2取手部(32)を結ぶ方向を「第1方向(M)」とし、前記展開状態の袋体(10)における前記第1方向(M)と直交する方向を「第2方向(N)」としたとき、前記袋体(10)の折り畳み状態は、第1方向(M)に互いに離間して第2方向(N)に沿って延びる偶数個の折目に沿って奇数折りされた第1折り畳み状態と、第2方向(N)に互いに離間して第1方向(M)に沿って延びる1個ないし複数個の折目に沿って複数折りされた第2折り畳み状態とを含む。
【0038】
前記袋体(10)が、本実施形態のように展開状態で平面視略矩形状である場合には、前記展開状態の平面視略矩形状の袋体(10)における前記第1取手部(31)及び第2取手部(32)が設けられた一側縁部を構成する一側辺(16)の延びる方向を「第1方向(M)」とし、前記展開状態の平面視略矩形状の袋体における前記第1方向(M)と直交する方向を「第2方向(N)」としたとき、前記袋体(10)の折り畳み状態は、第1方向(M)に互いに離間して第2方向(N)に沿って延びる偶数個の折目に沿って奇数折りされた第1折り畳み状態と、第2方向(N)に互いに離間して第1方向(M)に沿って延びる1個ないし複数個の折目に沿って複数折りされた第2折り畳み状態とを含む。
【0039】
しかして、本実施形態では、前記袋体(10)の折り畳み状態は、袋体の幅方向(M)に互いに離間して長さ方向(N)に沿って延びる偶数個の折目に沿って奇数折りされた第1折り畳み状態と、袋体の長さ方向(N)に互いに離間して幅方向(M)に沿って延びる1ないし複数個の折目に沿って複数折りされた第2折り畳み状態とを含む。
【0040】
より具体的には、本実施形態では、前記袋体(10)の前記折り畳み状態としては次のような形態が採用されている。まず、図2に示す展開状態の袋体(10)を、幅方向(M)に互いに離間して長さ方向(N)に沿って延びる2個の折目(20a)(20b)のうち、第1折目(20a)で谷折りすると共に第2折目(20b)で山折りすることによって3つ折りされた第1折り畳み状態にする(図3参照)。
【0041】
次に、前記第1折り畳み状態の袋体(10)を、長さ方向(N)に互いに離間して幅方向(M)に沿って延びる7個の折目(21a)(21b)(21c)(21d)(21e)(21f)(21g)のうち、図4に示すように、第1折目(21a)で山折りし、第2折目(21b)で谷折りし、第3折目(21c)で山折りし、第4折目(21d)で谷折りし、第5折目(21e)で山折りし、第6折目(21f)で谷折りし、第7折目(21g)で山折りする(蛇腹折りする)ことによって8つ折りされた第2折り畳み状態にする(図5参照)。
【0042】
こうして前記第1折り畳み状態を経て前記第2折り畳み状態となされた袋体(10)は、図5、6に示すように、幅方向(第1方向)(M)の一方の端縁(左端縁)(9a)から第2取手部(32)の先端部が外方に向けて突出した状態にあり、幅方向(第1方向)(M)の他方の端縁(右端縁)(9b)から第1取手部(31)の先端部が外方に向けて突出した状態にある。また、前記第1取手部(31)は、袋体(10)の折り畳みの積み重ね方向の最外側(上面側)に露出した状態になっている(図5、6参照)。
【0043】
しかして、前記第1折り畳み状態を経て前記第2折り畳み状態となされた袋体(10)を、図6、7に示すように、前記収納外袋(2)内に挿通配置せしめ、前記第2取手部(32)の先端部を収納外袋(2)の長さ方向の一端部(左端部)と接合して第2接合部(5)を形成する共に、前記第1取手部(31)の先端部を収納外袋(2)の長さ方向の他端部(右端部)と接合して第1接合部(4)を形成することによって、本発明の折り畳みバッグ(1)が得られる(図1、図7(ロ)参照)。なお、前記収納外袋(2)における第1接合部(4)と第2接合部(5)の間に切り取り線(3)が形成されている。
【0044】
本実施形態では、前記収納外袋(2)の長さ方向の両端部は、いずれも開口を略閉塞するように幅方向の略全体にわたってヒートシール法により溶着接合されて接合部(4)(5)が形成されている。このように略閉塞状態であるから、収納外袋(2)内の空気が外部と僅かに連通された状態となっており、これにより例えば収納外袋(2)内の空気抜きを行う(空気による膨らみ状態を解除する)ことが可能である。また、図7(ロ)に示すように、収納外袋(2)の長さ方向の一端部(左端部)の第2接合部(5)において第2取手部(32)の先端部を挟み込んで接合した箇所(53)は該第2取手部(32)を挟まずに接合した箇所(54)よりも厚さが大きく、収納外袋(2)の長さ方向の他端部(右端部)の第1接合部(4)において第1取手部(31)の先端部を挟み込んで接合した箇所(51)は該第1取手部(31)を挟まずに接合した箇所(52)よりも厚さが大きいものとなっている。
【0045】
なお、前記折り畳みバッグ(1)の収納外袋(2)に開封方法等の説明文が印刷されているのが好ましい。また、前記折り畳みバッグ(1)を例えば街頭等で配布する販促用携帯袋として用いる場合には、収納外袋(2)及び/又は袋体(10)に企業名、商品名等の宣伝広告などを印刷しても良い。
【0046】
しかして、本発明の折り畳みバッグ(1)を使用する際には、図1に示す折り畳みバッグ(1)の両端の接合部(4)(5)を指で掴んで、好ましくは取手部(31)(32)を挟み込んで接合した箇所(51)(53)を指で掴んで、互いに離間する方向に引っ張ると、収納外袋(2)が切り取り線(3)で破断し、さらに離間する方向に引っ張ると、収納外袋(2)内から折り畳み状態の袋体(10)が開放されて該開放と同時に袋体(10)は一気に展開して図8に示すような展開状態になるので、袋体(10)を直ちに使用することができる。
【0047】
また、図8の展開状態から明らかなように、左右の両手の間の位置に袋体(10)の開口部(11)が上を向いて開口した状態になるので、袋体(10)内への物(例えばペットの糞、衣類、ゴミ等)の収容操作を極めてスムーズに行うことができる。
【0048】
また、図8の展開状態において、第1取手部(31)と第2取手部(32)とを互いに離間する方向に引っ張れば、袋体(10)の開口部(11)を閉じることができるので、袋体(10)の中に収容した収容物(ペットの糞、衣類、ゴミ等)が袋体(10)の外に出るのを防止できる。
【0049】
この発明において、前記袋体(10)の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば合成樹脂等が挙げられる。中でも、ポリ乳酸等の生分解性樹脂を用いるのが好ましい。また、前記袋体(10)は樹脂フィルムからなるのが好ましい。
【0050】
また、前記収納外袋(2)の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば合成樹脂等が挙げられる。中でも、ポリ乳酸等の生分解性樹脂を用いるのが好ましい。また、前記収納外袋(2)は樹脂フィルムからなるのが好ましい。
【0051】
上記実施形態では、第1折り畳み状態としては、2個の折目に沿って3つ折りされた状態が採用されていたが、特にこのような形態に限定されるものではなく、例えば4個の折目に沿って5つ折りされた状態を採用しても良く、第1方向(M)に互いに離間して第2方向(N)に沿って延びる偶数個の折目に沿って奇数折りされた折り畳み状態であれば良い。また、上記実施形態では、第1折り畳み状態としては、隣り合う折目のうちの一方が谷折りされ、他方が山折りされて形成された折り畳み状態が採用されていたが、特にこのような形態に限定されるものではなく、例えば巻き折りがなされた(即ち全折目が谷折りされた又は全折目が山折りされた)折り畳み状態を採用しても良い。
【0052】
また、上記実施形態では、第2折り畳み状態としては、隣り合う折目のうちの一方が谷折りされ、他方が山折りされて形成された折り畳み状態が採用されていたが、特にこのような形態に限定されるものではなく、例えば巻き折りがなされた(即ち全折目が谷折りされた又は全折目が山折りされた)折り畳み状態を採用しても良い。例えば、図9に示すように、前記第1折り畳み状態の袋体(10)を長さ方向(N)に互いに離間して幅方向(M)に沿って延びる7個の折目(21a)(21b)(21c)(21d)(21e)(21f)(21g)の全てで山折りする(巻き折りする)ことによって8つ折りされた第2折り畳み状態としても良い。
【0053】
また、上記実施形態では、袋体(10)は、紐体挿通用筒状部(14)(15)に挿通された第1紐体(41)及び第2紐体(42)を備えることにより開口部(11)の閉塞操作、開放操作が可能なように構成されていた(図8参照)が、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば図10に示すように、このような紐体(41)(42)を備えることなく開口部(11)側に左側握り部(61)及び右側握り部(62)が連接して突設された構成(例えばコンビニエンスストアで使用されているポリ袋等)であっても良い。
【0054】
また、上記実施形態では、袋体(10)は、展開状態で平面視略矩形状に形成されていたが(図2参照)、特にこのような形状に限定されるものではなく、例えば、平面視において矩形状の隣り合う2隅部(2つのコーナー部)が斜めにカットされたような形状(六角形形状)であっても良いし、平面視において矩形状の4隅部(4つのコーナー部)が斜めにカットされたような形状(八角形形状)であっても良いし、或いは平面視略半円形状であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0055】
この発明の折り畳みバッグは、例えば携帯袋等として用いられ、特に街頭等で配布される販促用携帯袋として好適であるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0056】
1…折り畳みバッグ
2…収納外袋
3…切り取り線
3c…切り込み目
4…第1接合部
5…第2接合部
9a…折り畳み状態の袋体の一方の端縁
9b…折り畳み状態の袋体の他方の端縁
10…袋体
11…開口部
14…紐体挿通用筒状部(前側)
14a…開口端部
14b…開口端部
15…紐体挿通用筒状部(後側)
15a…開口端部
15b…開口端部
16…一側辺
20a…第1折目
20b…第2折目
21a…第1折目
21b…第2折目
21c…第3折目
21d…第4折目
21e…第5折目
21f…第6折目
21g…第7折目
31…第1取手部
32…第2取手部
41…第1紐体
41a…第1紐体の一部
42…第2紐体
42a…第2紐体の一部
51…第1取手部を挟み込んで接合した箇所
53…第2取手部を挟み込んで接合した箇所
M…第1方向
N…第2方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態にすることのできる袋体が折り畳み状態で平面視略矩形状の収納外袋内に収納されてなる折り畳みバッグであって、
前記袋体の一つの側縁部における一方の端部に第1取手部が設けられると共に他方の端部に第2取手部が設けられ、
前記展開状態の袋体における前記第1取手部と前記第2取手部を結ぶ方向を「第1方向」とし、前記展開状態の袋体における前記第1方向と直交する方向を「第2方向」としたとき、
前記袋体の折り畳み状態は、第1方向に互いに離間して第2方向に沿って延びる偶数個の折目に沿って奇数折りされた第1折り畳み状態と、第2方向に互いに離間して第1方向に沿って延びる1個ないし複数個の折目に沿って複数折りされた第2折り畳み状態とを含み、
前記第1折り畳み状態及び前記第2折り畳み状態となされた袋体は、その一方の端縁から前記第1取手部が外方に向けて突出し、他方の端縁から前記第2取手部が外方に向けて突出した状態にあり、かつ前記第1取手部及び前記第2取手部のうちの少なくとも一方の取手部は、袋体の折り畳みの重ね方向の最外側に位置した状態にあり、このような折り畳み状態の袋体が前記収納外袋内に配置され、前記第1取手部が前記収納外袋の一端部と接合されて第1接合部が形成されると共に、前記第2取手部が前記収納外袋の他端部と接合されて第2接合部が形成され、前記収納外袋における第1接合部と第2接合部の間に切り取り線が形成されていることを特徴とする折り畳みバッグ。
【請求項2】
前記収納外袋の第1接合部及び第2接合部は、いずれもヒートシールにより接合されて略閉塞され、前記収納外袋の第1接合部は、前記第1取手部を挟み込んでヒートシールにより接合され、前記収納外袋の第2接合部は、前記第2取手部を挟み込んでヒートシールにより接合されている請求項1に記載の折り畳みバッグ。
【請求項3】
前記袋体の折り畳み状態は、前記展開状態から前記第1折り畳み状態を経て前記第2折り畳み状態となされたものである請求項1または2に記載の折り畳みバッグ。
【請求項4】
前記第1折り畳み状態は、2個の折目に沿って3つ折りされた状態又は4個の折目に沿って5つ折りされた状態である請求項1〜3のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【請求項5】
前記第1折り畳み状態は、隣り合う折目のうちの一方が谷折りされ、他方が山折りされて形成された折り畳み状態である請求項1〜4のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【請求項6】
前記第2折り畳み状態は、隣り合う折目のうちの一方が谷折りされ、他方が山折りされて形成された折り畳み状態である請求項1〜5のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【請求項7】
前記収納外袋の切り取り線の両端のうち少なくともいずれか一方は切り込み目になっている請求項1〜6のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【請求項8】
前記袋体の開口部が設けられた側の一側縁部における一方の端部に第1取手部が設けられると共に他方の端部に第2取手部が設けられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。
【請求項9】
前記袋体の開口部を形成する前後一対の側縁部のそれぞれに、両端が外部に開口された紐体挿通用筒状部が形成され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部に第1紐体が挿通配置され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部の一方の開口端部から第1紐体の一部が突出して前記第1取手部を構成し、前記前後一対の紐体挿通用筒状部に第2紐体が挿通配置され、前記前後一対の紐体挿通用筒状部の他方の開口端部から第2紐体の一部が突出して前記第2取手部を構成していることを特徴とする請求項8に記載の折り畳みバッグ。
【請求項10】
前記袋体及び前記収納外袋は、生分解性樹脂で構成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の折り畳みバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−1091(P2011−1091A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145138(P2009−145138)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(509173085)株式会社コスゲン (2)
【出願人】(509172402)株式会社ワンワールド (3)
【出願人】(500104211)
【Fターム(参考)】