折り畳み式容器
【課題】安定感のある自立状態が得られると共に、容易に移動させることが可能で、移動させても底面シートが損傷することがない折り畳み式容器を提供する。
【解決手段】容器本体の側面における開口1k側の横辺部分に横枠部材3a〜3dが取り付けられるとともに、縦辺部分に縦枠部材4a〜4dが取り付けられ、横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dを底面側に折り畳むことにより折り畳み可能な折り畳み式容器において、底面側にキャスタC付きの底面板Tが配されている。
【解決手段】容器本体の側面における開口1k側の横辺部分に横枠部材3a〜3dが取り付けられるとともに、縦辺部分に縦枠部材4a〜4dが取り付けられ、横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dを底面側に折り畳むことにより折り畳み可能な折り畳み式容器において、底面側にキャスタC付きの底面板Tが配されている。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空缶・空ビン・ペットボトル・可燃ゴミ・草木屑といった廃棄物の回収や搬送、土木工事における土砂の搬送、工場内外での各種原料・資材・製品の搬送、魚介類の水揚げ、農作物の収穫や搬送などに使用される折り畳み式容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
空缶・空ビン・ペットボトル・可燃ゴミ・草木屑といった廃棄物の回収には、予め容器形状が定まったゴミ箱やコンテナ容器もあるが、単なる袋状のものや、自立能力を有していないが所定の大きさにすることができるフレキシブルコンテナ容器など種々のものがある。
【0003】
こうした問題点に鑑みて、近年、地方公共団体等で普及しつつあるゴミ容器、特に屋外用のごみ収集容器として、不使用時には折り畳みが可能で、使用時には、その自立能力により所定の大きさに容易に組み立てられ、風、その他の外力で容易には変形しない折り畳み式容器がある。
【0004】
すなわち、実用新案登録第2531230号公報や特許第2782500号公報に開示されるものがそれで、これらの容器は、上面側が開口した箱状の容器本体がシート又はネットにより組み立てられ、この容器本体の側面における上記開口側の横辺部分に横枠部材が取り付けられるとともに、縦辺部分に縦枠部材が取り付けられ、横枠部材と縦枠部材とを底面側に折り畳むことにより折り畳み可能に構成されている。すなわち、シート又はネット(以下、単に「シート」とも称する。)は、少なくとも四周側面の側面シートと底面シートよりなり、横枠部材と縦枠部材は、シート(又はネット)の各位置の個別ポケットに各々収納されていることから、自立状態が得られると共に、コンパクトに折り畳むことが可能になっている。これらは、アルミ缶やスチール缶の区別や、ペットボトルの分別回収等に市町村町では近年普及しつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来公報の折り畳み式のゴミ収集容器では、底面シートが移動により損傷する問題を有していた。すなわち、空き缶等のゴミが折り畳み式容器に収納されると、ゴミの量やゴミの形状により底面シートが膨らみ、折り畳み式容器を移動させると、底面シートが損傷し易くなるばかりか、底面シートが汚れる問題を有していた。他方、ゴミの収集が終了して、折り畳み式容器を折り畳んだ後、これを移動させるときも、折り畳み式容器が大きなものであると、手で持つことができず、移動させることが困難になる。
【0006】
また、上記従来公報の折り畳み式のゴミ収集容器では、通常、底面シートの上に縦枠部材を取り付けることから安定性に欠ける問題や、横枠部材と縦枠部材が丸棒状の部材である場合において、メッシュ状のシートから飛び出し、特に縦枠部材が地面に突き刺さる危険も有していた。
【0007】
そこで本発明の目的は、安定感のある自立状態が得られると共に、容易に移動させることが可能で、移動させても底面シートが損傷することがない折り畳み式容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1記載の折り畳み式容器は、上面側が開口した箱状の容器本体がシート又はネットにより組み立てられ、この容器本体の側面における上記開口側の横辺部分に横枠部材が取り付けられるとともに、側面における縦辺部分に縦枠部材が取り付けられ、横枠部材と縦枠部材を底面側に折り畳むことにより折り畳み可能な折り畳み式容器において、底面側にキャスタ付きの底面板が配されていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、折り畳み式容器の底面側にキャスタ付きの底面板が配されていることから、容易に移動させることができる。すなわち、空き缶等のゴミが収納された状態でも、容器が空の状態でも容易に移動させることができる。また、縦枠部材を底面側に折り畳むもので、つまり上記底面板の上方に折り畳むとができるので、折り畳み式容器を折り畳んだ状態でも容易に移動させることができる。そして、底面板の存在により、空き缶等のゴミが折り畳み式容器に収納されても、ゴミの量やゴミの形状により底面シートが膨むことがなくなるとともに、縦辺部材が底面板に支持されるために、シートからなる容器の安定感ある自立状態が得られる。
【0010】
本発明の請求項2記載の折り畳み式容器は、請求項1記載の発明を前提として、前記箱状の容器本体の底面側がシート又はネットを多層に重ね合わせたポケット状に構成され、このポケットに前記キャスタ付きの底面板が配されており、キャスタはポケットから突出していることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、前記箱状の容器本体の底面側がシートを多層に重ね合わせた開口を有するポケット状に構成されているので、前記キャスタ付きの底面板を、上記ポケットの二重シート(又は二重ネット)の開口から差し込むようにして容易に配することができる。キャスタは、既存のものを使用するが、キャスタは大小様々であり、他方、シート(又はネット)は、網目(メッシュ)状のものを使用すれば、その網目の間からキャスタを突出させたり、予めキャスタを突出させるための穴をシートに形成しておくことにより、キャスタを突出させたりすることができる。
【0012】
本発明の請求項3記載の折り畳み式容器は、請求項1記載の発明を前提として、前記箱状の容器本体の底面側がシート又はネットを多層に重ね合わせた片側開口を有するポケット状に構成され、前記キャスタ付きの底面板は、前記ポケットに底面板が配されるとともにポケットの外側からシート又はネットを介して底面板にキャスタが取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、底面板がポケットの内側に配されるとポケットを構成するシート又はネットが底面板の下方に配されることとなるが、キャスタがポケットの外側から底面板の下方に配されるシート又はネットを介して底面板に取り付けられているため、このシート又はネットがキャスタにより底面板に押さえられ、垂れ下がる事態を防止することができる。また、キャスタがシート又はネットを介して底面板と容器本体とを固定するため、ポケットが片側に開口した状態でもその開口から底面板が飛び出すこともなく、底面板を容器本体に安定して固定させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を引用しながら説明す る。
【0015】
(第1の実施の形態)
本実施の形態の折り畳み式容器1は、図1及び図2に示すように、上面側が開口した箱状の容器本体がシート又はネットにより組み立てられている。すなわち、容器本体は、フレキシブルな正方形シートを熱融着や縫合によって箱状に組み立てて得られたものであり、上面は開口1kが設けられている。容器本体を構成するシートは、細かな網目(メッシュ構造)が形成されており(メッシュ構造のものがネットと呼ばれることが多い。)、これによって通気性や通水性が付与されている。すなわち、シート又はネットは、容器本体の四周側面を構成する側面シート1a〜1dと、容器本体の底面を構成する底面シート2A,2Bと、蓋シート13から構成されている。本実施例ではシート又はネットの素材としてポリエステル等の合成樹脂を用いているが、これ以外にも用途に応じて様々な素材が適宜採用される。液状の物質を収納する場合には、網目のない水密性の高い素材が用いられることがある。そして、側面シート1a〜1dには、一点鎖線で示すように対角線上に折り目が形成されている(図1、図9、図10)。これは、容器を折り畳む際、後述するように対角線を挟んで半折される(三角形状に折られる)ときの容器としての折り畳みの変形がスムーズに行われるようにすることと、折り畳みの目安のための目安の線である。なお、側面シート1dには、シート状の持ち手が設けられている。
【0016】
側面シート1a〜1dの開口側の横辺部分には、剛性が有るプラスチック製の横枠部材3a〜3dが4個取り付けられている。また、側面シート1a〜1dの片方側の縦辺部分にも、剛性が有るプラスチック製の縦枠部材4a〜4dが4個取り付けられている。すなわち、4個の縦枠部材4a〜4dは、それが配される四隅の各角部の片側に取り付けられ、折り畳むときに互いに衝突しないように配されている。
【0017】
横枠部材3a〜3d及び縦枠部材4a〜4dの取り付け状態について、側面シート1a部分(他の三面についても同様)を例に挙げて説明する。側面シート1aの外面における開口側の横辺部分及び片方側の縦辺部分には、それぞれ側面シート1aと同質の素材からなる細長いシート材が縫着され、これによってポケット5,6が構成されている。そして、横枠部材3a〜3d及び縦枠部材4a〜4dは、それぞれポケット5,6内に挿入されて側面シート1aに取り付けられている。ポケット5,6と横枠部材3a及び縦枠部材4aとの間隙は、少々の力で横枠部材3a及び縦枠部材4aが簡単に抜き取れない程度に密着した状態となっている。
【0018】
横枠部材3a(横枠部材3b〜3dについても同じ)の左端部(縦枠部材4a〜4dと隣接する側の端部)、及び縦枠部材4a(縦枠部材4b〜4dについても同じ)の上端部は斜めにカットされている。そして、端部を斜めにカットして形成された斜辺部は、側面シート1aが半折される際のガイドの役割を果たす。すなわち、横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dとは、容器本体の側面における開口1k側の横辺と片方側の縦辺を二辺とする三角形領域部分に対応して取り付けられた三角形平板状の部分を各々有する別部材である。更に、横枠部材3aの斜辺部と縦枠部材4aの斜辺部との間には折り代が設けられており、この折り代部分の寸法は、側面を構成するシートの剛さに応じて調整される。
【0019】
容器本体の開口縁部の一辺に、容器の開口1kを閉塞する蓋シート13が縫着されている。この蓋シート13は容器の開口1kの面積と略等しい大きさの正方形シートであって、その基端部は容器の側面シート1a〜1cのいずれかと(図1中では側面シート1c)の上方側と逢着されている、使用時には、上記開口1kに被せられられる。蓋シート13の面状ファスナと側面シート1a〜1dのいずれか(図1中では側面シート1a)に配される面状ファスナfと重ね合わされ連結状態におかれる。
【0020】
なお、ポケット5,6の一端側を解放し、横枠部材3a及び縦枠部材4aの取り外しが可能な構成としているが、このポケット5,6を設けず、側面シート1aに対して横枠部材3a及び縦枠部材4aを熱融着や縫着、更には接着剤を用いて直接取り付けても良い。
【0021】
容器本体の底面側には、底面板Tがセットされている。底面シート2A,2Bは二枚合わせとなっており、上下二枚を縫合することで底面板Tを収納するポケット9が構成されている。すなわち、箱状の容器本体の底面側が底面シート2A,2Bが二重構造(ポケット)9に構成され、このポケット9には、キャスタC付きの底面板Tを出し入れする片側開口9aが形成され(図1)、キャスタC付きの底面板Tがこの片側開口9aから出し入れすることが可能になっている(図4)。本実施の形態の底面シート2A,2Bは二重構造であるが三重構造等の多層構造にすることが可能である。底面板Tの素材は、木製、金属製や合成樹脂製等を問わない。キャスタCは、市販のものがネジで底面板の裏側に取り付けられている。市販のキャスタCとしては、大小様々なものが使用されており、本発明の容器や底面板の大きさ等に合わせて任意に選定され、取り付けられる。キャスタCの数や取り付け位置は問題とならず、何個いずれの箇所に配することも可能である。なお、底面板Tと横枠部材3a〜3d及び縦枠部材4a〜4dは連結されていない。
【0022】
ここで、本実施例では、底面板Tは、底面シート2A,2Bの全面積をカバーする一枚の正方形パネルであり、自立状態の安定性が高められている。すなわち、縦枠部材4a〜4dは、一枚の正方形パネルの四隅に安定して立設されることとなる。しかし、図3に示すように、容器本体の底面の四周辺に沿って4枚の底面板T1,T2,T3,T4をセットしても良い。図3に示す例では、4枚の底面板T1,T2,T3,T4に各々キャスタCが取り付けられている。4枚の底面板T1,T2,T3,T4を個別に収納する個別のポケット9を構成しても良い。なお、底面板Tを収納するポケット9は、容器本体に底面板Tを固定する役割も果たしている。
【0023】
上記底面板Tは、図2や図3に示すように、少なくとも底面シート2A,2Bの四周囲に位置する部分を有することが好ましい。縦枠部材4a〜4dと横枠部材3a〜3dが底面板Tの四隅に各々倒れ込み、底面板Tの上に重なり安定した重ね合わせが可能になるからである。なお、従来の底面板Tの有しないものでは、縦枠部材4a〜4dと横枠部材3a〜3dの二枚の部材を支持できず、特に持ち運ぶときに四周囲が各々ぐらつき、持ち運び難い状態になることがあった。
【0024】
キャスタCは、大小様々なものがあり、箱状の容器本体を網目(メッシュ)状のシート(ネット)を使用すれば、図6に示すように、その網目の間からキャスタCを突出させることができる。この場合も、上記二重シートのポケット9の片側開口9aから差し込むようにして配することができる。また、図7に示すように、予めキャスタCを突出させるための穴10をシートに形成しておき、この穴10から突出させることもできる。キャスタCとしては、底面板Tに対して着脱可能なものを取り付けても良い。容器本体を構成するシート(ネット)は伸縮性を有するものであり、キャスタC付きの底面板Tをポケット9に差し込むときは、シート(ネット)を伸ばして片側開口9aを広く開口させて差し込む。キャスタC付きの底面板Tがポケット9の所定の位置に配されると、キャスタCが上記網目の間や穴10から突出され、伸ばされていたシート(ネット)は縮んで底面板Tに密着する。
【0025】
図8に示すように、4個のキャスタCは、二重の底面シート2A,2Bの外側のシート2Bの上からネジ等により取り付けられるものでも良い。これにより、底面板Tがポケット9の内側に配されると、ポケット9を構成する底面シート(ネット)2Bが底面板の下方に配されることとなるが、キャスタCがポケット9の外側からポケット9を構成する外側(下側)の底面シート(ネット)2Bを介して底面板Tに取り付けられているため、底面シート(ネット)2BがキャスタCにより底面板Tに押さえられ、底面シート(ネット)2Bが垂れ下がることにより汚れたり損傷する事態が防止される。また、キャスタCがポケット9を構成する下側の底面シート(ネット)2Bを介して底面板Tと容器本体とを固定するため、ポケット9が片側に開口した状態でもその開口9aから底面板Tが飛び出すこともなく、底面板Tを容器本体に安定して固定させることができる。また、図5に示すように、底面シート2A,2Bをいずれかの一枚ものとして、リングR等(ネジや逢着等でも良い)でむき出し状態の底面板Tと連結させることも可能である。
【0026】
上記のように構成された折り畳み式容器1は、自立状態から次のようにして折り畳まれる。即ち、容器の底部を足で踏んで位置固定し、開口縁部を持って外方に向けて約90°捩じる。すると、各側面シート1a〜1dは、図9に示すように、一点鎖線で示す折り目を挟んで半折され、重なり合って底面シート2A,2Bの上に倒れ込む。そして、容器は図9R>9において一点鎖線で示す自立状態から実線で示す状態を経て、図10に示すように、平板状に折り畳まれ、一点鎖線で示す目安の線から折り畳まれて、三角形を重ね合わせたように綺麗に折り畳まれる。なお、蓋シート13は、最上部や最下部に位置したり、折り畳まれた側面シート1a〜1dの間に挟まれる。
【0027】
他方、折り畳まれた容器を自立させるには、上記の折り畳み操作と逆の操作を行えば良く、即ち容器の底部を足で踏んで位置固定し、開口縁部を持ち上げながら、折り畳み時とは逆方向に約90°捩じり戻す。これによって、半折状態の側面シート1a〜1dは起き上がって展張し(張設され)、耐力壁としての役割を果たし、自立状態となる。特に、縦枠部材4a〜4dは、底面板Tの上に立設するので、縦枠部材4a〜4dの安定した自立状態が得られる。
【0028】
この本発明の折り畳み式容器は、例えば廃棄物集積場所に設置され、内部に廃棄物が投入されるのであるが、簡単な操作で自立状態が得られるよう構成されているので、支持具等を準備し、組み付けるといった面倒な作業が不要であり、設置作業の簡略化、省力化が図れる。また、容器の安定性が高いので、風、その他の外力による変形が起き難く、廃棄物の投入ができなくなるといった不具合が生じない。また、コンパクトに折り畳み可能となっているから、嵩張らず、一度に多くの個数を重ね合わせて運ぶことができる。
【0029】
投入された廃棄物が規定の量に達すると、開口には蓋シート13が被せられ閉塞される。そして、キャスタCにより容易に移動可能であり、その場合、底面シート2A,2Bが地面に擦れて損傷することがない。本実施の形態の横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dは、いずれも板状であるが、丸棒状であっても良い。丸棒状の縦枠部材4a〜4dでは、従来の底面板Tのないものでは、丸棒がシートから飛び出し、地面に突き刺さる危険を有していたが、本実施の形態では、底面板Tの存在により、かかる危険を防止する。
【0030】
(第2の実施の形態)
本実施の形態の折り畳み式容器は、第1の実施の形態の折り畳み式容器の折り畳みの便宜を考慮したもので、図11と図12に示すように、上記底面板Tの外周の一辺毎に異なった模様(或いは色彩)B1が施され、その模様(或いは色彩)と同じ模様(或いは色彩)が容器本体の横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dが配される位置に施されている。具体的には、本実施の形態では横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dに施されているが、横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dが配されるシート(ネット)部分に施されていても良い。すなわち、本実施の形態の図11と図12では、上記底面板Tの外周の一辺毎が異なった模様(或いは色彩)B1とされ、折り畳みにより、この一辺の上に重ね合わされる横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dが配される辺、具体的には横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dの一つ(3cと4c)も同じ模様(或いは色彩)B2,B3が施されている。このような模様B2,B3等は、横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dの一つ(3cと4c)が配されるシート(ネット)部分に施されていても良い。このように底面板Tの各一辺に重ね合わされる模様(或いは色彩)や番号等の識別を有するものを定めておくことにより、定められた方向、つまりシートの折り目に沿って正確に折り畳まれることとなる。なお、このような重ね合わせ方向が定められていないと、誤った方向に折り畳まれ、シートの折り目に沿って正確に折り畳まれることがなくなる恐れがある。誤った方向に折り畳まれる場合の例としては、図13と図14に示すように、単に内側に縦枠部材4a〜4dを折り畳むようにする場合である。
【0031】
以上、上記実施の形態のいずれでも容器形状が立方体であるもので説明したが、本発明は立方体以外の直方体形状の容器も同様に構成することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の折り畳み式容器によれば、底面側にキャスタ付きの底面板が配されていることから、容易に移動させることができる。すなわち、空き缶等のゴミが折り畳み式容器に収納されても、底面板の存在により、ゴミの量やゴミの形状により底面シートが膨むことがなくなるとともに、底面シートが地面と接することがなく、汚れる心配がなくなる。また、底面板の上に縦枠部材が立設されるので、シートからなる容器の安定感も高められる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の折り畳み式容器を自立させた状態を示す斜視図である。
【図2】上記第1の実施の形態の底面側を示す斜視図である。
【図3】上記第1の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図4】底面シートと底面板との関係を示す底面図である。
【図5】底面シートと底面板との関係を示す底面図である。
【図6】底面シートとキャスタの関係を示す底面図である。
【図7】底面シートとキャスタの関係を示す底面図である。
【図8】底面シートとキャスタの関係を示す底面図である。
【図9】上記折り畳み式容器の折り畳み手順を示す斜視図である。
【図10】上記折り畳み式容器の折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の折り畳み式容器を自立させた状態を 示す斜視図である。
【図12】上記第2の実施の形態の折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図13】折り畳み式容器の誤った折り畳み状態を示す斜視図である。
【図14】折り畳み式容器の誤った折り畳みによる折り畳んだ状態を示す斜 視図である。
【符号の説明】
1 折り畳み式容器、
1a〜1d 側面シート(ネット)、1k 開口、
2A,2B 底面シート(ネット)、
3a〜3d 横枠部材、
4a〜4d 縦枠部材、
5,6 ポケット、
T,T1,T2,T3,T4 底面板、
9 ポケット、9a 片側開口、
13 蓋シート、
B1,B2,B3 模様(或いは色彩)等
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空缶・空ビン・ペットボトル・可燃ゴミ・草木屑といった廃棄物の回収や搬送、土木工事における土砂の搬送、工場内外での各種原料・資材・製品の搬送、魚介類の水揚げ、農作物の収穫や搬送などに使用される折り畳み式容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
空缶・空ビン・ペットボトル・可燃ゴミ・草木屑といった廃棄物の回収には、予め容器形状が定まったゴミ箱やコンテナ容器もあるが、単なる袋状のものや、自立能力を有していないが所定の大きさにすることができるフレキシブルコンテナ容器など種々のものがある。
【0003】
こうした問題点に鑑みて、近年、地方公共団体等で普及しつつあるゴミ容器、特に屋外用のごみ収集容器として、不使用時には折り畳みが可能で、使用時には、その自立能力により所定の大きさに容易に組み立てられ、風、その他の外力で容易には変形しない折り畳み式容器がある。
【0004】
すなわち、実用新案登録第2531230号公報や特許第2782500号公報に開示されるものがそれで、これらの容器は、上面側が開口した箱状の容器本体がシート又はネットにより組み立てられ、この容器本体の側面における上記開口側の横辺部分に横枠部材が取り付けられるとともに、縦辺部分に縦枠部材が取り付けられ、横枠部材と縦枠部材とを底面側に折り畳むことにより折り畳み可能に構成されている。すなわち、シート又はネット(以下、単に「シート」とも称する。)は、少なくとも四周側面の側面シートと底面シートよりなり、横枠部材と縦枠部材は、シート(又はネット)の各位置の個別ポケットに各々収納されていることから、自立状態が得られると共に、コンパクトに折り畳むことが可能になっている。これらは、アルミ缶やスチール缶の区別や、ペットボトルの分別回収等に市町村町では近年普及しつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来公報の折り畳み式のゴミ収集容器では、底面シートが移動により損傷する問題を有していた。すなわち、空き缶等のゴミが折り畳み式容器に収納されると、ゴミの量やゴミの形状により底面シートが膨らみ、折り畳み式容器を移動させると、底面シートが損傷し易くなるばかりか、底面シートが汚れる問題を有していた。他方、ゴミの収集が終了して、折り畳み式容器を折り畳んだ後、これを移動させるときも、折り畳み式容器が大きなものであると、手で持つことができず、移動させることが困難になる。
【0006】
また、上記従来公報の折り畳み式のゴミ収集容器では、通常、底面シートの上に縦枠部材を取り付けることから安定性に欠ける問題や、横枠部材と縦枠部材が丸棒状の部材である場合において、メッシュ状のシートから飛び出し、特に縦枠部材が地面に突き刺さる危険も有していた。
【0007】
そこで本発明の目的は、安定感のある自立状態が得られると共に、容易に移動させることが可能で、移動させても底面シートが損傷することがない折り畳み式容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1記載の折り畳み式容器は、上面側が開口した箱状の容器本体がシート又はネットにより組み立てられ、この容器本体の側面における上記開口側の横辺部分に横枠部材が取り付けられるとともに、側面における縦辺部分に縦枠部材が取り付けられ、横枠部材と縦枠部材を底面側に折り畳むことにより折り畳み可能な折り畳み式容器において、底面側にキャスタ付きの底面板が配されていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、折り畳み式容器の底面側にキャスタ付きの底面板が配されていることから、容易に移動させることができる。すなわち、空き缶等のゴミが収納された状態でも、容器が空の状態でも容易に移動させることができる。また、縦枠部材を底面側に折り畳むもので、つまり上記底面板の上方に折り畳むとができるので、折り畳み式容器を折り畳んだ状態でも容易に移動させることができる。そして、底面板の存在により、空き缶等のゴミが折り畳み式容器に収納されても、ゴミの量やゴミの形状により底面シートが膨むことがなくなるとともに、縦辺部材が底面板に支持されるために、シートからなる容器の安定感ある自立状態が得られる。
【0010】
本発明の請求項2記載の折り畳み式容器は、請求項1記載の発明を前提として、前記箱状の容器本体の底面側がシート又はネットを多層に重ね合わせたポケット状に構成され、このポケットに前記キャスタ付きの底面板が配されており、キャスタはポケットから突出していることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、前記箱状の容器本体の底面側がシートを多層に重ね合わせた開口を有するポケット状に構成されているので、前記キャスタ付きの底面板を、上記ポケットの二重シート(又は二重ネット)の開口から差し込むようにして容易に配することができる。キャスタは、既存のものを使用するが、キャスタは大小様々であり、他方、シート(又はネット)は、網目(メッシュ)状のものを使用すれば、その網目の間からキャスタを突出させたり、予めキャスタを突出させるための穴をシートに形成しておくことにより、キャスタを突出させたりすることができる。
【0012】
本発明の請求項3記載の折り畳み式容器は、請求項1記載の発明を前提として、前記箱状の容器本体の底面側がシート又はネットを多層に重ね合わせた片側開口を有するポケット状に構成され、前記キャスタ付きの底面板は、前記ポケットに底面板が配されるとともにポケットの外側からシート又はネットを介して底面板にキャスタが取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、底面板がポケットの内側に配されるとポケットを構成するシート又はネットが底面板の下方に配されることとなるが、キャスタがポケットの外側から底面板の下方に配されるシート又はネットを介して底面板に取り付けられているため、このシート又はネットがキャスタにより底面板に押さえられ、垂れ下がる事態を防止することができる。また、キャスタがシート又はネットを介して底面板と容器本体とを固定するため、ポケットが片側に開口した状態でもその開口から底面板が飛び出すこともなく、底面板を容器本体に安定して固定させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を引用しながら説明す る。
【0015】
(第1の実施の形態)
本実施の形態の折り畳み式容器1は、図1及び図2に示すように、上面側が開口した箱状の容器本体がシート又はネットにより組み立てられている。すなわち、容器本体は、フレキシブルな正方形シートを熱融着や縫合によって箱状に組み立てて得られたものであり、上面は開口1kが設けられている。容器本体を構成するシートは、細かな網目(メッシュ構造)が形成されており(メッシュ構造のものがネットと呼ばれることが多い。)、これによって通気性や通水性が付与されている。すなわち、シート又はネットは、容器本体の四周側面を構成する側面シート1a〜1dと、容器本体の底面を構成する底面シート2A,2Bと、蓋シート13から構成されている。本実施例ではシート又はネットの素材としてポリエステル等の合成樹脂を用いているが、これ以外にも用途に応じて様々な素材が適宜採用される。液状の物質を収納する場合には、網目のない水密性の高い素材が用いられることがある。そして、側面シート1a〜1dには、一点鎖線で示すように対角線上に折り目が形成されている(図1、図9、図10)。これは、容器を折り畳む際、後述するように対角線を挟んで半折される(三角形状に折られる)ときの容器としての折り畳みの変形がスムーズに行われるようにすることと、折り畳みの目安のための目安の線である。なお、側面シート1dには、シート状の持ち手が設けられている。
【0016】
側面シート1a〜1dの開口側の横辺部分には、剛性が有るプラスチック製の横枠部材3a〜3dが4個取り付けられている。また、側面シート1a〜1dの片方側の縦辺部分にも、剛性が有るプラスチック製の縦枠部材4a〜4dが4個取り付けられている。すなわち、4個の縦枠部材4a〜4dは、それが配される四隅の各角部の片側に取り付けられ、折り畳むときに互いに衝突しないように配されている。
【0017】
横枠部材3a〜3d及び縦枠部材4a〜4dの取り付け状態について、側面シート1a部分(他の三面についても同様)を例に挙げて説明する。側面シート1aの外面における開口側の横辺部分及び片方側の縦辺部分には、それぞれ側面シート1aと同質の素材からなる細長いシート材が縫着され、これによってポケット5,6が構成されている。そして、横枠部材3a〜3d及び縦枠部材4a〜4dは、それぞれポケット5,6内に挿入されて側面シート1aに取り付けられている。ポケット5,6と横枠部材3a及び縦枠部材4aとの間隙は、少々の力で横枠部材3a及び縦枠部材4aが簡単に抜き取れない程度に密着した状態となっている。
【0018】
横枠部材3a(横枠部材3b〜3dについても同じ)の左端部(縦枠部材4a〜4dと隣接する側の端部)、及び縦枠部材4a(縦枠部材4b〜4dについても同じ)の上端部は斜めにカットされている。そして、端部を斜めにカットして形成された斜辺部は、側面シート1aが半折される際のガイドの役割を果たす。すなわち、横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dとは、容器本体の側面における開口1k側の横辺と片方側の縦辺を二辺とする三角形領域部分に対応して取り付けられた三角形平板状の部分を各々有する別部材である。更に、横枠部材3aの斜辺部と縦枠部材4aの斜辺部との間には折り代が設けられており、この折り代部分の寸法は、側面を構成するシートの剛さに応じて調整される。
【0019】
容器本体の開口縁部の一辺に、容器の開口1kを閉塞する蓋シート13が縫着されている。この蓋シート13は容器の開口1kの面積と略等しい大きさの正方形シートであって、その基端部は容器の側面シート1a〜1cのいずれかと(図1中では側面シート1c)の上方側と逢着されている、使用時には、上記開口1kに被せられられる。蓋シート13の面状ファスナと側面シート1a〜1dのいずれか(図1中では側面シート1a)に配される面状ファスナfと重ね合わされ連結状態におかれる。
【0020】
なお、ポケット5,6の一端側を解放し、横枠部材3a及び縦枠部材4aの取り外しが可能な構成としているが、このポケット5,6を設けず、側面シート1aに対して横枠部材3a及び縦枠部材4aを熱融着や縫着、更には接着剤を用いて直接取り付けても良い。
【0021】
容器本体の底面側には、底面板Tがセットされている。底面シート2A,2Bは二枚合わせとなっており、上下二枚を縫合することで底面板Tを収納するポケット9が構成されている。すなわち、箱状の容器本体の底面側が底面シート2A,2Bが二重構造(ポケット)9に構成され、このポケット9には、キャスタC付きの底面板Tを出し入れする片側開口9aが形成され(図1)、キャスタC付きの底面板Tがこの片側開口9aから出し入れすることが可能になっている(図4)。本実施の形態の底面シート2A,2Bは二重構造であるが三重構造等の多層構造にすることが可能である。底面板Tの素材は、木製、金属製や合成樹脂製等を問わない。キャスタCは、市販のものがネジで底面板の裏側に取り付けられている。市販のキャスタCとしては、大小様々なものが使用されており、本発明の容器や底面板の大きさ等に合わせて任意に選定され、取り付けられる。キャスタCの数や取り付け位置は問題とならず、何個いずれの箇所に配することも可能である。なお、底面板Tと横枠部材3a〜3d及び縦枠部材4a〜4dは連結されていない。
【0022】
ここで、本実施例では、底面板Tは、底面シート2A,2Bの全面積をカバーする一枚の正方形パネルであり、自立状態の安定性が高められている。すなわち、縦枠部材4a〜4dは、一枚の正方形パネルの四隅に安定して立設されることとなる。しかし、図3に示すように、容器本体の底面の四周辺に沿って4枚の底面板T1,T2,T3,T4をセットしても良い。図3に示す例では、4枚の底面板T1,T2,T3,T4に各々キャスタCが取り付けられている。4枚の底面板T1,T2,T3,T4を個別に収納する個別のポケット9を構成しても良い。なお、底面板Tを収納するポケット9は、容器本体に底面板Tを固定する役割も果たしている。
【0023】
上記底面板Tは、図2や図3に示すように、少なくとも底面シート2A,2Bの四周囲に位置する部分を有することが好ましい。縦枠部材4a〜4dと横枠部材3a〜3dが底面板Tの四隅に各々倒れ込み、底面板Tの上に重なり安定した重ね合わせが可能になるからである。なお、従来の底面板Tの有しないものでは、縦枠部材4a〜4dと横枠部材3a〜3dの二枚の部材を支持できず、特に持ち運ぶときに四周囲が各々ぐらつき、持ち運び難い状態になることがあった。
【0024】
キャスタCは、大小様々なものがあり、箱状の容器本体を網目(メッシュ)状のシート(ネット)を使用すれば、図6に示すように、その網目の間からキャスタCを突出させることができる。この場合も、上記二重シートのポケット9の片側開口9aから差し込むようにして配することができる。また、図7に示すように、予めキャスタCを突出させるための穴10をシートに形成しておき、この穴10から突出させることもできる。キャスタCとしては、底面板Tに対して着脱可能なものを取り付けても良い。容器本体を構成するシート(ネット)は伸縮性を有するものであり、キャスタC付きの底面板Tをポケット9に差し込むときは、シート(ネット)を伸ばして片側開口9aを広く開口させて差し込む。キャスタC付きの底面板Tがポケット9の所定の位置に配されると、キャスタCが上記網目の間や穴10から突出され、伸ばされていたシート(ネット)は縮んで底面板Tに密着する。
【0025】
図8に示すように、4個のキャスタCは、二重の底面シート2A,2Bの外側のシート2Bの上からネジ等により取り付けられるものでも良い。これにより、底面板Tがポケット9の内側に配されると、ポケット9を構成する底面シート(ネット)2Bが底面板の下方に配されることとなるが、キャスタCがポケット9の外側からポケット9を構成する外側(下側)の底面シート(ネット)2Bを介して底面板Tに取り付けられているため、底面シート(ネット)2BがキャスタCにより底面板Tに押さえられ、底面シート(ネット)2Bが垂れ下がることにより汚れたり損傷する事態が防止される。また、キャスタCがポケット9を構成する下側の底面シート(ネット)2Bを介して底面板Tと容器本体とを固定するため、ポケット9が片側に開口した状態でもその開口9aから底面板Tが飛び出すこともなく、底面板Tを容器本体に安定して固定させることができる。また、図5に示すように、底面シート2A,2Bをいずれかの一枚ものとして、リングR等(ネジや逢着等でも良い)でむき出し状態の底面板Tと連結させることも可能である。
【0026】
上記のように構成された折り畳み式容器1は、自立状態から次のようにして折り畳まれる。即ち、容器の底部を足で踏んで位置固定し、開口縁部を持って外方に向けて約90°捩じる。すると、各側面シート1a〜1dは、図9に示すように、一点鎖線で示す折り目を挟んで半折され、重なり合って底面シート2A,2Bの上に倒れ込む。そして、容器は図9R>9において一点鎖線で示す自立状態から実線で示す状態を経て、図10に示すように、平板状に折り畳まれ、一点鎖線で示す目安の線から折り畳まれて、三角形を重ね合わせたように綺麗に折り畳まれる。なお、蓋シート13は、最上部や最下部に位置したり、折り畳まれた側面シート1a〜1dの間に挟まれる。
【0027】
他方、折り畳まれた容器を自立させるには、上記の折り畳み操作と逆の操作を行えば良く、即ち容器の底部を足で踏んで位置固定し、開口縁部を持ち上げながら、折り畳み時とは逆方向に約90°捩じり戻す。これによって、半折状態の側面シート1a〜1dは起き上がって展張し(張設され)、耐力壁としての役割を果たし、自立状態となる。特に、縦枠部材4a〜4dは、底面板Tの上に立設するので、縦枠部材4a〜4dの安定した自立状態が得られる。
【0028】
この本発明の折り畳み式容器は、例えば廃棄物集積場所に設置され、内部に廃棄物が投入されるのであるが、簡単な操作で自立状態が得られるよう構成されているので、支持具等を準備し、組み付けるといった面倒な作業が不要であり、設置作業の簡略化、省力化が図れる。また、容器の安定性が高いので、風、その他の外力による変形が起き難く、廃棄物の投入ができなくなるといった不具合が生じない。また、コンパクトに折り畳み可能となっているから、嵩張らず、一度に多くの個数を重ね合わせて運ぶことができる。
【0029】
投入された廃棄物が規定の量に達すると、開口には蓋シート13が被せられ閉塞される。そして、キャスタCにより容易に移動可能であり、その場合、底面シート2A,2Bが地面に擦れて損傷することがない。本実施の形態の横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dは、いずれも板状であるが、丸棒状であっても良い。丸棒状の縦枠部材4a〜4dでは、従来の底面板Tのないものでは、丸棒がシートから飛び出し、地面に突き刺さる危険を有していたが、本実施の形態では、底面板Tの存在により、かかる危険を防止する。
【0030】
(第2の実施の形態)
本実施の形態の折り畳み式容器は、第1の実施の形態の折り畳み式容器の折り畳みの便宜を考慮したもので、図11と図12に示すように、上記底面板Tの外周の一辺毎に異なった模様(或いは色彩)B1が施され、その模様(或いは色彩)と同じ模様(或いは色彩)が容器本体の横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dが配される位置に施されている。具体的には、本実施の形態では横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dに施されているが、横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dが配されるシート(ネット)部分に施されていても良い。すなわち、本実施の形態の図11と図12では、上記底面板Tの外周の一辺毎が異なった模様(或いは色彩)B1とされ、折り畳みにより、この一辺の上に重ね合わされる横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dが配される辺、具体的には横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dの一つ(3cと4c)も同じ模様(或いは色彩)B2,B3が施されている。このような模様B2,B3等は、横枠部材3a〜3dと縦枠部材4a〜4dの一つ(3cと4c)が配されるシート(ネット)部分に施されていても良い。このように底面板Tの各一辺に重ね合わされる模様(或いは色彩)や番号等の識別を有するものを定めておくことにより、定められた方向、つまりシートの折り目に沿って正確に折り畳まれることとなる。なお、このような重ね合わせ方向が定められていないと、誤った方向に折り畳まれ、シートの折り目に沿って正確に折り畳まれることがなくなる恐れがある。誤った方向に折り畳まれる場合の例としては、図13と図14に示すように、単に内側に縦枠部材4a〜4dを折り畳むようにする場合である。
【0031】
以上、上記実施の形態のいずれでも容器形状が立方体であるもので説明したが、本発明は立方体以外の直方体形状の容器も同様に構成することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の折り畳み式容器によれば、底面側にキャスタ付きの底面板が配されていることから、容易に移動させることができる。すなわち、空き缶等のゴミが折り畳み式容器に収納されても、底面板の存在により、ゴミの量やゴミの形状により底面シートが膨むことがなくなるとともに、底面シートが地面と接することがなく、汚れる心配がなくなる。また、底面板の上に縦枠部材が立設されるので、シートからなる容器の安定感も高められる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の折り畳み式容器を自立させた状態を示す斜視図である。
【図2】上記第1の実施の形態の底面側を示す斜視図である。
【図3】上記第1の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図4】底面シートと底面板との関係を示す底面図である。
【図5】底面シートと底面板との関係を示す底面図である。
【図6】底面シートとキャスタの関係を示す底面図である。
【図7】底面シートとキャスタの関係を示す底面図である。
【図8】底面シートとキャスタの関係を示す底面図である。
【図9】上記折り畳み式容器の折り畳み手順を示す斜視図である。
【図10】上記折り畳み式容器の折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の折り畳み式容器を自立させた状態を 示す斜視図である。
【図12】上記第2の実施の形態の折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図13】折り畳み式容器の誤った折り畳み状態を示す斜視図である。
【図14】折り畳み式容器の誤った折り畳みによる折り畳んだ状態を示す斜 視図である。
【符号の説明】
1 折り畳み式容器、
1a〜1d 側面シート(ネット)、1k 開口、
2A,2B 底面シート(ネット)、
3a〜3d 横枠部材、
4a〜4d 縦枠部材、
5,6 ポケット、
T,T1,T2,T3,T4 底面板、
9 ポケット、9a 片側開口、
13 蓋シート、
B1,B2,B3 模様(或いは色彩)等
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面側が開口した箱状の容器本体がシート又はネットにより組み立てられ、この容器本体の側面における上記開口側の横辺部分に横枠部材が取り付けられるとともに、側面における縦辺部分に縦枠部材が取り付けられ、横枠部材と縦枠部材を底面側に折り畳むことにより折り畳み可能な折り畳み式容器において、
底面側にキャスタ付きの底面板が配されていることを特徴とする折り畳み式容器。
【請求項2】
前記箱状の容器本体の底面側がシート又はネットを多層に重ね合わせた片側開口を有するポケット状に構成され、このポケットに前記キャスタ付きの底面板が配されており、キャスタはポケットから突出していることを特徴とする請求項1記載の折り畳み式容器。
【請求項3】
前記箱状の容器本体の底面側がシート又はネットを多層に重ね合わせた片側開口を有するポケット状に構成され、前記キャスタ付きの底面板は、前記ポケットに底面板が配されるとともにポケットの外側からシート又はネットを介して底面板にキャスタが取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の折り畳み式容器。
【請求項1】
上面側が開口した箱状の容器本体がシート又はネットにより組み立てられ、この容器本体の側面における上記開口側の横辺部分に横枠部材が取り付けられるとともに、側面における縦辺部分に縦枠部材が取り付けられ、横枠部材と縦枠部材を底面側に折り畳むことにより折り畳み可能な折り畳み式容器において、
底面側にキャスタ付きの底面板が配されていることを特徴とする折り畳み式容器。
【請求項2】
前記箱状の容器本体の底面側がシート又はネットを多層に重ね合わせた片側開口を有するポケット状に構成され、このポケットに前記キャスタ付きの底面板が配されており、キャスタはポケットから突出していることを特徴とする請求項1記載の折り畳み式容器。
【請求項3】
前記箱状の容器本体の底面側がシート又はネットを多層に重ね合わせた片側開口を有するポケット状に構成され、前記キャスタ付きの底面板は、前記ポケットに底面板が配されるとともにポケットの外側からシート又はネットを介して底面板にキャスタが取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の折り畳み式容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2004−99161(P2004−99161A)
【公開日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−267531(P2002−267531)
【出願日】平成14年9月13日(2002.9.13)
【出願人】(500412530)株式会社北国太陽テント (1)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年9月13日(2002.9.13)
【出願人】(500412530)株式会社北国太陽テント (1)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
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