折り畳み式情報標示具
【課題】標示内容の切替を容易に行うことができるとともに、保管・運搬時に場所を取らず、標示内容の一部が散逸する恐れが無く、誘導灯や旗を手にした誘導員でも使用することができる情報標示具を提供する。
【解決手段】複数の面で構成される表示面12を複数備え、複数の表示面12、・・・を、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面21、・・・の一の構成面をなすようにして連設し、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能とし、表示面の折り畳み状態において対向する各面には、対向する各面を係脱可能に係止するための係止部材121,211・・・を設けて折り畳み式情報標示具を構成する。
【解決手段】複数の面で構成される表示面12を複数備え、複数の表示面12、・・・を、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面21、・・・の一の構成面をなすようにして連設し、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能とし、表示面の折り畳み状態において対向する各面には、対向する各面を係脱可能に係止するための係止部材121,211・・・を設けて折り畳み式情報標示具を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工事案内、誘導案内、注意喚起などの目的で各種情報を標示するために使用される情報標示具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、工事現場などにおいて歩行者や通行車両などに対する工事案内、誘導案内、注意喚起などを行う場合、必要な情報が標示されたスタンド式の看板等を工事現場の近辺に設置したり、誘導灯や旗などを持たせた誘導員を工事現場に配置して案内、誘導させることにより行われている。
【0003】
ここで、スタンド式看板などの標示具を用いる場合には、設置される工事現場等における工事内容に応じて標示すべき情報の内容が異なるので、通常、事前にその内容を確認した上で目的に応じた標示内容の看板等を用意し、工事現場に持ち込んで設置している。この場合、誤って工事内容と異なる内容を標示する看板を用意してしまった場合には、その場で適切な標示内容に変更することができない。
【0004】
この点、特開平9−316832号公報には、手旗形状を模した標示板を着脱可能に備えた人形型の標識体が提案されている。この発明によれば、異なる情報が標示された複数の標示板を予め用意しておくことで、用途に応じてこれらを適宜取り替えて使用することができるので、実際の使用現場においてある程度臨機応変に標示内容を変更することができる。
【特許文献1】特開平9−316832号公報
【0005】
しかしながら、この発明の複数の標示板はそれぞれ別々に用意され、標識体に設けられた標示板支持部に標示板を抜き差しする形で取り替える構造となっているので、標示板を取り替える際には、必要な標示板を持参した上で不要な標示板を標示板支持部から抜き出して差し替えなければならず、標示板の取り替え作業に手間がかかるものとなっている。
また、標示板は、ある程度距離が離れた位置からも視認でき、多くの情報を標示できるようにするために、ある程度の大きさが要求されるところ、このような標示板が別々に存在すると、保管や運搬する際に嵩張って場所を取るばかりでなく、紛失してしまうおそれもある。
【0006】
他方、誘導員が案内や誘導を行う場合には、誘導灯や旗などを用いた合図により情報伝達が行われているために、誘導員の意図が正しく歩行者、通行車両に伝わらない場合がある。そのため、歩行者や通行車両の運転手が不足する情報を得ようと立ち止まったり車両を止めたりして誘導員と言葉を交わす必要が生じ、無用な渋滞を引き起こしたり、不慮の事故を起こしてしまう危険性もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、標示内容の切替を容易に行うことができるとともに、保管・運搬時に場所を取らず、標示内容の一部が散逸するおそれのない情報標示具を得ることを第1の課題とし、さらには、誘導灯や旗を手にした誘導員でも使用することができる情報標示具を得ることを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の折り畳み式情報標示具は、情報が表示された複数の面で構成される表示面を複数備え、前記複数の表示面を、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面の一の構成面をなすようにして連設し、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能とし、前記表示面の折り畳み状態において対向する各面には、前記対向する各面を係脱可能に係止するための係止部材を設けて構成されている。
前記複数の表示面は、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面の一の構成面をなすように連設され、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能なものとして設けられていればよい。具体的には、例えば、各表示面を左右二つの面で構成し、右側の面の裏面が他の表示面の左側の面となる片側開きの冊子状に構成したり、各表示面を左右二つの面で構成し、右側の面の裏面が他の表示面の右側の面に、左側の面の裏面が他の表示面の左側の面となる交互開きのつづら折り状に構成したり、前記片側開きの冊子状に構成した各表示面の右側構成面の右側にさらに構成面を折り畳み可能に連設して各表示面を観音開き状に展開できるように構成したり、前記交互開きのつづら折り状に構成した各表示面の展開時における構成面の展開方向とは逆側の構成面の外側にさらに構成面を折り畳み可能に連設して各表示面を観音開き状に展開できるように構成することが考えられる。
各表示面は、薄板状の硬質素材で構成した各構成面を蝶番などの連結部材で連結して構成したり、紙やフィルムなどのシート状素材、あるいは布等の軟質素材を折り畳み可能に構成することが考えられる。
この発明において「構成面」とは、前記各表示面を構成する個々の面をいう。
【0009】
折り畳み状態において対向する各面に設けられる係止部材としては、面ファスナー、マグネット、スナップボタン、フック、ボタン、紐、ゴム紐等が考えられるが、各表示面の折り畳み状態を展開可能に保持することができる部材であればこれに限られるものではない。
この発明において「各面」とは、前記表示面を折り畳んだ際に形成される複数の面をいい、各表示面を構成する構成面だけでなく、この構成面の裏面をも含む概念である。
【0010】
折り畳み状態における背面には装着対象へ装着するための装着部材を備えることができる(請求項2)。
この発明において「背面」とは、装着対象側に面する面をいう。
装着部材としては、面ファスナー、マグネット、スナップボタン、フック、ボタン、紐、ゴム紐等が考えられるが、装着対象へ着脱可能に装着することができる部材であればこれに限られるものではない。
装着対象としては、スタンド式看板などの各種標示具や誘導員の衣服等が考えられる。
また、一の表示面を展開した状態において背面を構成する各面に装着部材を設けることもできる(請求項3)。
【0011】
各表示面の周縁には、表示タブを設けることもできる(請求項4)。この表示タブは、表示面に表示されている内容の概要を示すためのものであり、薄板状の硬質素材を用いたり、紙やフィルムなどのシート素材あるいは布等の軟質素材を用いることが考えられるが、表示面の内容の概要を表示できるものであればこれに限られるものではない。
【発明の効果】
【0012】
この発明の折り畳み式情報標示具は、複数の面で構成される表示面を複数備え、前記複数の表示面を、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面の一の構成面をなすようにして連設し、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能とし、前記表示面の折り畳み状態において対向する各面には、前記対向する各面を係脱可能に係止するための係止部材を設けたので、複数の表示面を備えた標示具を一体的に構成し、その中から表示したい表示面のみ係止部材による係止を解除して展開させつつ、他の表示面の折り畳み状態を係止部材によって保持することができる。すなわち、表示面の切替を係止部材の係脱操作で行うものとしたので、標示内容の切替を容易に行うことができる。
また、不使用時には表示面を全て折り畳んだ状態で保持することができるので、保管時や運搬時に場所を取ることがないばかりか、一部の表示面が散逸してしまうおそれもない。
【0013】
請求項2の発明によれば、折り畳み状態における背面には、装着対象へ装着するための装着部材を設けたので、スタンド式看板などの各種標示具や誘導員の衣服等の装着対象に装着することができる。
また、請求項3の発明によれば、装着部材を一の表示面を展開した状態において背面を構成する各面に設けたので、一の表示面を展開させた状態で装着対象に装着することができ、一の表示面を定常的に展開して表示させたい場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の第1の実施例の概要を示す正面側斜視図
【図2】同じく背面側斜視図
【図3】同じく第1表示面を展開した状態を示す図
【図4】同じく第2表示面を展開した状態を示す図
【図5】同じくスタンド式看板に装着した状態を示す図
【図6】同じく誘導員の衣服に装着した状態を示す図
【図7】この発明の第2の実施例の概要を示す正面側斜視図
【図8】同じく背面側斜視図
【図9】同じく第1表示面を展開した状態を示す図
【図10】同じく第2表示面を展開した状態を示す図
【図11】この発明の第3の実施例の概要を示す正面側斜視図
【図12】同じく第1表示面を展開した状態を示す図
【図13】同じく第2表示面を展開した状態を示す図
【図14】この発明の第4の実施例の概要を示す正面側斜視図
【図15】同じく第1表示面を展開した状態を示す図
【図16】同じく第2表示面を展開した状態を示す図
【図17】この発明の第5の実施例の概要を示す背面側斜視図
【図18】同じく誘導員が着用した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1ないし図6は、この発明の折り畳み情報標示具の第1の実施例を示す図である。
折り畳み式情報標示具Sは、第1表示面ないし第6表示面を備えている。各表示面1ないし6(添付図面においては第1表示面及び第2表示面を代表例として図示する。以下の実施例においても同じ。)は、各表示面の見開き状態において、左面11(第1表示面)ないし61(第6表示面)及び右面12(第1表示面)ないし62(第6表示面)で構成されている。
そして、各表示面1ないし6は、第1表示面の右面12の裏面が第2表示面の右面22に、第2表示面の左面21が第3表示面の左面31に、第3表示面の右面32が第4表示面の右面42に、第4表示面の左面41が第5表示面5の左面51に、第5表示面の右面52が第6表示面の右面62になるようにして連設されており、第1表示面の左面11の裏面が表紙面Fに、第6表示面の左面61の裏面が裏表紙面Rとなっている。
上記のように構成された各表示面1ないし6は、各表示面における左右面の境界線1CLないし6CLで谷折りにすることができ、各表示面の左面11ないし61と右面12ないし62とをそれぞれ重ね合わせることによって、全ての表示面を内側にしてつづら折り状に折り畳むことができるようになっている。
【0016】
各表示面の左面11ないし61の左上角部と右面12ないし62の右上角部には、係止部材としての面ファスナー111ないし611及び121ないし621がそれぞれ設けられており、各表示面の左右面を重ね合わせて折り畳んだときに対向する面ファスナー同士を係止させることによって、折り畳み状態を保持できるようにしてある。
【0017】
また、各表示面1ないし6の側縁には、各表示面に表示された情報の内容の一部が表示された表示タブ1Tないし6Tが左右交互にかつ高さを変えて連設されており、この表示タブを目印にして展開すると表示タブの内容が表示された表示面を展開することができる。
【0018】
各表示面1ないし6を構成する各左面11ないし61及び各右面12ないし62にはそれぞれ情報の一部が表示してあり、各表示面をそれぞれ個別に展開して見開き状態にすると、左面と右面とで完結した情報が表示されるようにしてある。
【0019】
裏表紙面Rには、スタンド式看板Kや誘導員の衣服Cなどの装着対象へ装着するための装着部材としての面ファスナーR1が4つ取り付けられている。
また、表紙面Fの右上角部にも装着部材としての面ファスナーF1が取り付けられているが、この面ファスナーF1は、表示面を展開した状態で情報標示具Sを装着対象へ安定的に装着するための装着部材である。
なお、表紙面Fは情報を表示することにより、表示面として使用することもできる。
【0020】
この実施例において、折り畳み式情報標示具Sの各表示面1ないし6の素材には布を用いているが、紙やフィルムなどのシート状素材を用いることもでき、さらには、薄板状の硬質素材で構成した各構成面を蝶番など周知の連結部材で連結して構成することもできる。
【0021】
図3はこの折り畳み式標示具Sの第1表示面を展開した状態を、図4は同じく第2表示面を展開した状態を、それぞれ示す図である。
図1に示すつづら折りの折り畳み状態から、表紙面Fを左方へ展開することにより、第1表示面を表示することができる。
第1表示面は左面11及び右面12で構成されており、左面11の左上角部と右面12の右上角部には、面ファスナー111,121がそれぞれ取り付けられている。
そして、表示面1には「STOP」「止まってください」の文字が大きく表されており、表示面1の左側縁上部には、表示面1の表示内容を簡潔に示す「止まって」の文字が表示された表示タブ1Tが取り付けられている。表示タブ1Tにおける表示は、この実施例のように両面表示としてもよいが片面表示であってもよい。
【0022】
第1表示面の展開状態において、他の表示面2ないし6は折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は、各表示面に設けられた面ファスナー211ないし611と221ないし621とがそれぞれ係合して固定されている(図においては各構成を分かりやすく表すため、各面を密着させていない。以下同じ。)ので、他の表示面2ないし6が、使用者の意図しないところで展開してしまうおそれがない。すなわち、表示させる必要のない表示面の折り畳み状態を保持しつつ、表示したい表示面だけを展開して表示することができる。
第3表示面及び第5表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面と同様なので説明を省略する。
【0023】
第2表示面を展開する場合には、図1に示すつづら折りの折り畳み状態から、表示タブ2Tを持って折り畳まれた状態の表示面1(表紙面F及び第2表示面の右面22)を右方へ展開することにより、第2表示面を表示することができる。
第2表示面は左面21及び右面22で構成されており、左面21の左上角部と右面22の右上角部には、面ファスナー211,221がそれぞれ取り付けられている。
表示面2には「STOP」「止まってください」の文字が大きく描かれており、表示面2の右側縁上部には、表示面2の表示内容を簡潔に示す「止まって」の文字が表示された表示タブ2Tが取り付けられている。なお、表示タブ2Tにおける表示は表示タブ2の表裏両面になされているが、片面表示であってもよいことは表示タブ1Tと同様である。
ここで、この実施例において、第2表示面は第1表示面と同じ内容の表示がなされている(第3表示面と第4表示面、第5表示面と第6表示面も同じ内容の表示である。)。これは、左右どちら側からも同じ内容の表示面を展開させることができるようにするためであるが、表示したい情報量を増やしたい場合には、各表示面の内容を異なるものとしてもよい。
【0024】
第2表示面の展開状態において、表示面1は第2表示面の右面22の裏側において折り畳まれて面ファスナー111,121で係合され、表示面3ないし6は表示面2の左面21裏側において折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は、各表示面に設けられた面ファスナー311ないし611と321ないし621とがそれぞれ係合しているので、他の表示面1及び3ないし6が、使用者の意図しないところで展開してしまうおそれがない。
第2表示面、第4表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第2表示面と同様なので説明は省略する。
【0025】
図5は、この折り畳み式情報標示具Sをスタンド式看板Kに装着した状態を示す図である。
つづら折り状に折り畳み可能なこの実施例の情報標示具Sにあっては、複数の表示面1ないし6の中から何れか一つの表示面を展開すると、必ず裏表紙面Rと表紙面Fとが背面を構成することとなる。そして、裏表紙面Rには4つの面ファスナーR1が設けられ、表紙面Fの右上角部にも面ファスナーF1が設けられているので、スタンド式看板Kの装着予定位置に、面ファスナーR1,F1と係合させることができる面ファスナーを設けておけば、これら面ファスナー同士を係合させることで情報標示具Sを任意の表示面を展開した状態でスタンド式看板Kに着脱可能に取り付けることができる。
また、異なる内容の表示面を表示させたい場合には、情報標示具Sを看板Kに取り付けたままの状態で、表示させたい表示面の面ファスナーによる係合を解いて展開するとともに、従前に展開されていた表示面を折り畳んで面ファスナーで係合することにより、ページをめくるような感覚で、容易にかつ確実に表示面を切り替えることができる。
なお、スタンド式看板Kが鉄製のものであれば、情報標示具Sの係合部材として面ファスナーの代わりにマグネットを用いることもできる。この場合、看板K側において特に係合部材を設けておく必要はない。
【0026】
図6は、この折り畳み式情報標示具Sを誘導員の衣服Cに装着した状態を示す図である。
情報標示具Sの裏表紙面Rには4つの面ファスナーR1が設けられているので、誘導員の衣服Cの胴体部分など装着予定位置に面ファスナーR1と係合可能な面ファスナーを設けておけば、これらの面ファスナーを係合させることで情報標示具Sを衣服Cに着脱可能に取り付けることができる。
表示面を全て折り畳んだ状態で情報標示具Sを装着した誘導員は、必要に応じて表示させたい内容の表示面を展開して、歩行者や車両の運転手に情報を伝達することができる。そして、この実施例の情報標示具Sは左右交互に展開可能なつづら折り状に折り畳まれており、第1表示面と第2表示面、第3表示面と第4表示面、第5表示面と第6表示面の表示内容をそれぞれ同一のものとしてあるので、一つの情報を表示する際に左右どちら側からでも表示面を展開させることができ、誘導灯や旗などを手にして片手が塞がっている誘導員であっても、空いている側の手を使って表示面を展開することができる。
【0027】
図7ないし図10は、この発明の折り畳み式情報標示具の第2の実施例の概要を示す図である。
折り畳み式情報標示具Sは、第1表示面1ないし第4表示面4を備えている。各表示面1ないし4は、各表示面の見開き状態において左面11(第1表示面)ないし41(第4表示面)及び右面12(第1表示面)ないし42(第4表示面)で構成されている。そして、各表示面1ないし4は、第1表示面の右面12の裏面が第2表示面の左面21に、第2表示面の右面22が第3表示面の左面31に、第3表示面の右面31が第4表示面の左面41になるようにして連設されており、第1表示面の左面11の裏面が表紙面Fに、第4表示面の右面42の裏面が裏表紙面Rになっている。
上記のように構成された各表示面1ないし4は、各表示面における左右面の境界線1CLないし4CLで谷折りにすることができ、各表示面の左面11ないし41と右面12ないし42とをそれぞれ重ね合わせることによって、全ての表示面を内側にして左開きの冊子状に折り畳むことができるようになっている。
そして、各表示面の左面11ないし41の左上角部と右面12ないし42の右上角部には係止部材としての面ファスナー111ないし411及び121ないし421が設けられ、各表示面の左右面を重ね合わせて折り畳んだときに対向する面ファスナー同士を係止させて折り畳み状態を保持できるようにしてある点は、第1の実施例と同様である。
【0028】
各表示面1ないし4の側縁に各表示面に表示内容を示すための表示タブ1Tないし4Tが左右交互にかつ高さを変えて連設されている点、各左面11ないし41と各右面12ないし42とにそれぞれ情報の一部を表示し、各表示面の見開き状態において左面と右面とで完結した情報が表示されるようにした点も第1の実施例と同様である。
また、裏表紙面Rに装着対象へ装着するための係止部材としての面ファスナーR1が4つ取り付けられている点、表紙面Fの右上角部にも面ファスナーF1が取り付けられている点、その他この実施例において特段記載のない構成ならびに装着対象への装着方法は、第1の実施例と同様である。
【0029】
図9は、この折り畳み式標示具Sの第1表示面を展開した状態を、図10は、同じく第2表示面を展開した状態を、それぞれ示す図である。
図7に示す左開きの冊子状の折り畳み状態から、表紙面Fを左方へ展開することによって第1表示面を表示することができる。
第1表示面は左面11及び右面12で構成されており、左面11の左上角部と右面12の右上角部には、面ファスナー111,121がそれぞれ取り付けられている。
表示面1には「STOP」「止まってください」の文字が大きく表されており、表示面1の左側縁上部には、表示面1の表示内容を「止まって」のように簡潔に表した表示タブ1Tが取り付けられている。
【0030】
第1表示面の展開状態において、他の表示面2ないし4は折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は各表示面に設けられた面ファスナー211ないし411と221ないし421とが係合して保持されているので、使用者の意図しないところで表示面2ないし4が展開してしまうことはない。
【0031】
第2表示面を展開する場合には、図7に示す左開きの冊子状の折り畳み状態から、表示タブ2Tを持って第2表示面の左面21を左方へ展開する。
第2表示面は左面21及び右面22で構成されており、左面21の左上角部と右面22の右上角部には、係合部材としての面ファスナー211,221がそれぞれ取り付けられている。
表示面2には、車両進入禁止の交通標識と「この先車両は入れません」の文字が大きく表されており、表示面2の左側縁上部には、表示面2の表示内容が「この先車」のように簡潔に表された表示タブ2Tが取り付けられている。
【0032】
第2表示面の展開状態において、表示面1は第2表示面の左面21の裏側において折り畳まれた状態で面ファスナー111,121によって係合され、表示面3,4は表示面2の右面22の裏側においてそれぞれ折り畳まれた状態で面ファスナー311と321、411と421とが係合して固定されているので、他の表示面1、3,4が不用意に展開してしまうおそれはない。
第3表示面及び第4表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面及び第2表示面と同様なので説明を省略する。
【0033】
図11ないし13は、この発明の折り畳み式情報標示具の第3の実施例の概要を示す図である。この実施例の折り畳み情報標示具は、第1の実施例の折り畳み式標示具をベースとして、各表示面を構成する面を3面に増やし、各表示面を観音開き状に展開することができるようにしたものである。
【0034】
折り畳み式情報標示具Sは、第1表示面1ないし第6表示面6を備え、各表示面1ないし6は、各表示面の見開き状態においてそれぞれ左面11ないし61、右面12ないし62、中央面13ないし63で構成されている。
各表示面1ないし6は、第1表示面の中央面13の裏面が第2表示面の右面22に、第2表示面の中央面23が第3表示面の左面31に、第3表示面の中央面33が第4表示面の右面42に、第4表示面の中央面43が第5表示面5の左面51に、第5表示面の中央面53が第6表示面の右面62になるようにして連設されており、第1表示面の左面11の裏面は表紙面Fに、第6表示面の中央面63の裏面は裏表紙面Rとなっている。
第1表示面の右面12の裏面14、第2表示面の左面21の裏面24、第3表示面の右面32の裏面34、第4表示面の左面41の裏面44、第5表示面の右面52の裏面54、第6表示面の左面61の裏面64の各面は何れも表示面を構成していない。
【0035】
上記のように構成された各表示面1ないし6は、各表示面の構成面の境界となるる左側境界線1LLないし6LL及び右側境界線1RLないし6RLにおいてそれぞれ谷折りすることができ、表示面1、3,5にあっては各右面12,32,52を各中央面13,33,53に対向させて重ね合わせ、さらにその上から各左面11,31,51を重ね合わせることにより、表示面2,4,6にあっては各左面21,41,61を各中央面23,43,63に対向させて重ね合わせ、さらにその上から各右面22,42,62を重ね合わせることにより、全ての表示面を内側にして各表示面が観音開き状に展開可能な状態としながらつづら折り状に折り畳むことができるようになっている。
【0036】
各表示面の左面11ないし61の左上角部と右面12ないし62の右上角部には係止部材としての面ファスナー111ないし611及び121ないし621が設けられ、表示面1,3,5においては中央面13,33,53の左上角部に、表示面2,4,6においては中央面23,43,63の右上角部に、それぞれ面ファスナー131ないし631が設けられている。さらに、表示面1,3,5の右面12,32,52の各裏面14,34,54の右上角部と、表示面2,4,6の左面21,41,61の各裏面24,44,64の左上角部にも係合部材としての面ファスナー141ないし641が設けられている。そして、各表示面の左右面を中央面側に重ね合わせて折り畳んだときに、対向する面ファスナー同士を係止させることによって、折り畳み状態を保持できるようにしてある。
【0037】
また、表示面1,3,5の右面12,32,52の各裏面14,34,54及び表示面2,4,6の左面21,41,61の各裏面24,44,64は、各表示部の展開状態において、表紙面F、裏表紙面Rとともに情報標示具Sの背面を構成するところ、裏面14,34,54の右上角部と裏面24,44,64の左上角部には、各表示部を展開した状態で装着対象へ装着するための装着部材としての面ファスナー142ないし642が設けられている。
さらに、裏面14,34,54の右側縁上部と裏面24,44,64の左側縁上部には、各裏面を容易に展開にするための摘み143ないし643が設けられている。
【0038】
表示面1ないし6を構成する各左面11ないし61、各右面12ないし62、中央面13ないし63にはそれぞれ情報の一部が表示してあり、各表示面をそれぞれ個別に展開して見開き状態にすると、左面と右面と中央面とで完結した情報が表示されるようにしてある。
【0039】
各表示面の側縁に表示タブ1Tないし6Tを設けた点、裏表紙面R及び表紙面Fに装着部材としての面ファスナーR1,F1を設けた点、その他この実施例において特段記載のない構成ならびに装着対象への装着方法は第1の実施例と同様である。
【0040】
図12は、この折り畳み式標示具Sの第1表示面を展開した状態を、図13は同じく第2表示面を展開した状態を、それぞれ示す図である。
図11に示すつづら折りの折り畳み状態から、表紙面Fを左方へ展開し(図中矢示1)、次いで裏面14を右方へ展開する(図中矢示2)ことにより、第1表示面を表示することができる。
第1表示面は左面11、右面12、中央面13で構成されており、左面11及び中央面13の左上角部と右面12の右上角部には、それぞれ係合部材としての面ファスナー111,131,121が取り付けられている。
表示面1には「安全にお進みください」という文字が大きく表されており、表示面1の左側縁上部には、表示面1の表示内容を簡潔に示すよう「安全にお」と表示された表示タブ1Tが取り付けられている。
【0041】
第1表示面の展開状態において、他の表示面2ないし6は折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は、表示面2においては面ファスナー231と211並びに面ファスナー241と221とが、表示面3においては面ファスナー331と321並びに面ファスナー341と311とが、表示面4においては面ファスナー431と411並びに面ファスナー441と421とが、表示面5においては面ファスナー531と521並びに面ファスナー541と511とが、表示面6においては面ファスナー631と611並びに面ファスナー641と621とがそれぞれ係合して固定されているので、他の表示面2ないし6が、使用者の意図しないところで展開してしまうおそれがない。
第3表示面及び第5表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面と同様なので説明を省略する。
【0042】
第2表示面を展開する場合には、図11に示すつづら折りの折り畳み状態から、表示タブ2Tを持って折り畳まれた状態の第1表示面そのまま右方へ展開し(図中矢示1)、ついで裏面24を左方へ展開する(図中矢示2)ことによって、第2表示面を表示することができる。
第2表示面は左面21、右面22,中央面23で構成されており、左面21の左上角部と、中央面23及び右面22の右上角部には、面ファスナー211,231,221がそれぞれ取り付けられている。
表示面2には「危険!止まってください」の文字が大きく表されており、表示面2の右側縁上部には、表示面2の表示内容を簡潔に示すよう「危険止ま」の文字が表示された表示タブ2Tが取り付けられている。
【0043】
第2表示面の展開状態において、表示面1は第2表示面の右面22の裏側において折り畳まれ面ファスナー121と131,141と111とで係合して固定されており、表示面3ないし6は表示面2の中央面23の裏側において折り畳まれた状態で、表示面3においては面ファスナー321と331並びに面ファスナー341と311とが、表示面5においては面ファスナー521と531並びに面ファスナー541と511とが、表示面4においては面ファスナー431と411並びに441と421とが、表示面6においては面ファスナー631と611並びに641と621とが、それぞれ係合して固定されているので、表示面1及び表示面3ないし6が、不用意に展開してしまうおそれがない。
第4表示面及び第6表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面と同様なので説明を省略する。
【0044】
図14ないし16は、この発明の折り畳み式情報標示具の第4の実施例の概要を示す図である。この実施例の折り畳み情報標示具は、第2の実施例の折り畳み式標示具をベースとして、各表示面を構成する面を3面に増やし、各表示面を観音開き状に展開することができるようにしたものである。
【0045】
折り畳み式情報標示具Sの表示面1ないし4は、各表示面の見開き状態において左面11ないし41、右面12ないし42、中央面13ないし43で構成されている。
そして、各表示面1ないし4は、第1表示面の中央面13の裏面が第2表示面の左面21に、第2表示面の中央面23が第3表示面の左面31に、第3表示面の中央面33が第4表示面の左面41になるようにして連設されており、第1表示面の左面11の裏面が表紙面Fに、第4表示面の中央面43の裏面が裏表紙面Rとなっている。
各表示面の右面12ないし42の裏面14ないし44は、何れも表示面を構成していない。
上記のように構成された各表示面1ないし4は、各表示面の構成面の境界となる左側境界線1LLないし4LL及び右側境界線1RLないし4RLにおいてそれぞれ谷折りすることができ、各右面12ないし42を各中央面13ないし43に対向させて重ね合わせ、その上から各左面11ないし41を重ね合わせることにより、全ての表示面を内側にして各表示面が観音開き状に展開可能な、左開きの冊子状に折り畳むことができるようになっている。
【0046】
各表示面の左面11ないし41並びに中央面13ないし43の左上角部と右面12ないし42の右上角部には、係止部材としての面ファスナー111ないし411、131ないし431、121ないし421が設けられている。
さらに、各表示面の右面12ないし42の各裏面14ないし44の右上角部にも係合部材としての面ファスナー141ないし441が設けられている。
そして、各表示面の左右面を中央面側に重ね合わせて折り畳んだときに、対向する面ファスナー同士を係止させることによって、折り畳み状態が保持されるようになっている。
【0047】
また、各表示面の右面12ないし42の各裏面14ないし44は、各表示部の展開状態において、表紙面F、裏表紙面Rとともに標示具Sの背面を構成するところ、各裏面14ないし44の左上角部には、各表示部を展開した状態で装着対象へ装着するための装着部材としての面ファスナー142ないし442が設けられている。
さらに、裏面14ないし44の左側縁上部には、各裏面を容易に展開にするための摘み143ないし443が設けられている。
【0048】
表示面1ないし4を構成する各左面11ないし41、各右面12ないし42、中央面13ないし43にはそれぞれ情報の一部が表示してあり、各表示面をそれぞれ個別に展開して見開き状態にすると、左面と右面と中央面とで完結した情報が表示されるようにしてある。
【0049】
各表示面の側縁に表示タブ1Tないし4Tを設けた点、裏表紙面R及び表紙面Fに装着部材としての面ファスナーR1,F1を設けた点、その他この実施例において特段記載のない構成ならびに装着対象への装着方法は第2の実施例と同様である。
【0050】
図15は、この折り畳み式標示具Sの第1表示面を展開した状態を、図16は同じく第2表示面を展開した状態を、それぞれ示す図である。
図14に示す左開きの冊子状の折り畳み状態から、表紙面Fを左方へ展開し(図中矢示1)、次いで裏面14を右方へ展開する(図中矢示2)ことにより、第1表示面を表示することができる。
第1表示面は左面11、右面12、中央面13で構成されており、左面11及び中央面13の左上角部と右面12の右上角部には、それぞれ面ファスナー111,131,121が取り付けられている。
表示面1には「安全にお進みください」という文字が大きく表されており、表示面1の左側縁上部には、表示面1の表示内容を簡潔に示すよう「安全にお」と表示された表示タブ1Tが取り付けられている。
【0051】
第1表示面の展開状態において、他の表示面2ないし4は折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は、表示面2において面ファスナー231と221並びに面ファスナー241と211とが、表示面3において面ファスナー331と321並びに面ファスナー341と311とが、表示面4において面ファスナー431と421並びに面ファスナー441と4111とが、それぞれ係合して固定されているので、他の表示面2ないし4が、使用者の意図しないところで展開してしまうおそれがない。
【0052】
第2表示面を展開する場合には、図14に示す折り畳み状態から、表示タブ2Tを持って折り畳まれた状態の第1表示面をそのまま左方へ展開し(図中矢示1)、ついで裏面24を右方へ展開する(図中矢示2)。
第2表示面の面構成は第1表示面と同様であり、左面21、右面22,中央面23で構成され、左面21及び中央面23の左上角部と右面22の右上角部に、面ファスナー211,231,221がそれぞれ取り付けられている。
表示面2には「危険!止まってください」の文字が大きく表されており、表示面2の左側縁上部には、表示面2の表示内容を簡潔に示す「危険止ま」の文字が表示された表示タブ2Tが、表示タブ1Tと重ならないように高さをずらして取り付けられている。
【0053】
第2表示面の展開状態において、表示面1は第2表示面の左面21の裏側において折り畳まれた状態で面ファスナー131と121並びに面ファスナー141と111とが係合して固定されており、表示面3及び4は表示面2の中央面23の裏側において折り畳まれた状態で、表示面3において面ファスナー331と321並びに面ファスナー341と311とが、表示面4において面ファスナー431と421並びに面ファスナー441と411とが、それぞれ係合して固定されているので、表示面1,3,4が不用意に展開してしまうおそれがない。
第3表示面及び第4表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面及び第2表示面と同様なので説明を省略する。
【0054】
図17及び図18は、この発明の折り畳み式情報標示具の第5の実施例の概要を示す図である。この実施例の折り畳み情報標示具は、第1の実施例の折り畳み式標示具をベースとし、裏表紙面Rに備える装着手段として面ファスナーの代わりに紐Hを用い、情報標示具Sをエプロン状に構成したものである。
この実施例においては、情報表示具Sの裏表紙面Rの両側縁上部に紐Hが取り付けられている点以外は、実施例1の構成と同じである。
この実施例によれば、図18に示すように、紐Hを用いてエプロンを着用するように情報標示具Sを使用者の腰に巻き付けることができる。各表示面の展開及び折り畳み方法は、実施例1と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
この発明は、工事現場などで、工事案内、誘導案内、注意喚起などの目的で各種情報を標示するために使用される情報標示具に関するものであり、産業上の利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0056】
1 第1表示面
2 第2表示面
11,21,31,41,51,61 左面
12,22,32,42,52,62 右面
13,23,33,43,53,63 中央面
14、24,34,44,54,64 裏面
111,211,311,411,511,611 左面の係合部材(面ファスナー)
121,221,321,421,521,621 右面の係合部材(面ファスナー)
131,231,331,431,531,631 中央面の係合部材(面ファスナー)
141,241,341,441,541,641 裏面の係合部材(面ファスナー)
142,242,342,442,542,642 装着部材(面ファスナー)
143,243,343,443,543,643 摘み
1T,2T,3T,4T,5T,6T 表示タブ
1CL,2CL 中央境界線
1LL,2LL 左側境界線
1RL,2RL 右側境界線
F 表紙面
R 裏表紙面
F1,R1 装着部材(面ファスナー)
H 装着部材(紐)
K スタンド式看板
C 衣服
S 折り畳み式情報標示具
【技術分野】
【0001】
この発明は、工事案内、誘導案内、注意喚起などの目的で各種情報を標示するために使用される情報標示具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、工事現場などにおいて歩行者や通行車両などに対する工事案内、誘導案内、注意喚起などを行う場合、必要な情報が標示されたスタンド式の看板等を工事現場の近辺に設置したり、誘導灯や旗などを持たせた誘導員を工事現場に配置して案内、誘導させることにより行われている。
【0003】
ここで、スタンド式看板などの標示具を用いる場合には、設置される工事現場等における工事内容に応じて標示すべき情報の内容が異なるので、通常、事前にその内容を確認した上で目的に応じた標示内容の看板等を用意し、工事現場に持ち込んで設置している。この場合、誤って工事内容と異なる内容を標示する看板を用意してしまった場合には、その場で適切な標示内容に変更することができない。
【0004】
この点、特開平9−316832号公報には、手旗形状を模した標示板を着脱可能に備えた人形型の標識体が提案されている。この発明によれば、異なる情報が標示された複数の標示板を予め用意しておくことで、用途に応じてこれらを適宜取り替えて使用することができるので、実際の使用現場においてある程度臨機応変に標示内容を変更することができる。
【特許文献1】特開平9−316832号公報
【0005】
しかしながら、この発明の複数の標示板はそれぞれ別々に用意され、標識体に設けられた標示板支持部に標示板を抜き差しする形で取り替える構造となっているので、標示板を取り替える際には、必要な標示板を持参した上で不要な標示板を標示板支持部から抜き出して差し替えなければならず、標示板の取り替え作業に手間がかかるものとなっている。
また、標示板は、ある程度距離が離れた位置からも視認でき、多くの情報を標示できるようにするために、ある程度の大きさが要求されるところ、このような標示板が別々に存在すると、保管や運搬する際に嵩張って場所を取るばかりでなく、紛失してしまうおそれもある。
【0006】
他方、誘導員が案内や誘導を行う場合には、誘導灯や旗などを用いた合図により情報伝達が行われているために、誘導員の意図が正しく歩行者、通行車両に伝わらない場合がある。そのため、歩行者や通行車両の運転手が不足する情報を得ようと立ち止まったり車両を止めたりして誘導員と言葉を交わす必要が生じ、無用な渋滞を引き起こしたり、不慮の事故を起こしてしまう危険性もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、標示内容の切替を容易に行うことができるとともに、保管・運搬時に場所を取らず、標示内容の一部が散逸するおそれのない情報標示具を得ることを第1の課題とし、さらには、誘導灯や旗を手にした誘導員でも使用することができる情報標示具を得ることを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の折り畳み式情報標示具は、情報が表示された複数の面で構成される表示面を複数備え、前記複数の表示面を、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面の一の構成面をなすようにして連設し、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能とし、前記表示面の折り畳み状態において対向する各面には、前記対向する各面を係脱可能に係止するための係止部材を設けて構成されている。
前記複数の表示面は、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面の一の構成面をなすように連設され、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能なものとして設けられていればよい。具体的には、例えば、各表示面を左右二つの面で構成し、右側の面の裏面が他の表示面の左側の面となる片側開きの冊子状に構成したり、各表示面を左右二つの面で構成し、右側の面の裏面が他の表示面の右側の面に、左側の面の裏面が他の表示面の左側の面となる交互開きのつづら折り状に構成したり、前記片側開きの冊子状に構成した各表示面の右側構成面の右側にさらに構成面を折り畳み可能に連設して各表示面を観音開き状に展開できるように構成したり、前記交互開きのつづら折り状に構成した各表示面の展開時における構成面の展開方向とは逆側の構成面の外側にさらに構成面を折り畳み可能に連設して各表示面を観音開き状に展開できるように構成することが考えられる。
各表示面は、薄板状の硬質素材で構成した各構成面を蝶番などの連結部材で連結して構成したり、紙やフィルムなどのシート状素材、あるいは布等の軟質素材を折り畳み可能に構成することが考えられる。
この発明において「構成面」とは、前記各表示面を構成する個々の面をいう。
【0009】
折り畳み状態において対向する各面に設けられる係止部材としては、面ファスナー、マグネット、スナップボタン、フック、ボタン、紐、ゴム紐等が考えられるが、各表示面の折り畳み状態を展開可能に保持することができる部材であればこれに限られるものではない。
この発明において「各面」とは、前記表示面を折り畳んだ際に形成される複数の面をいい、各表示面を構成する構成面だけでなく、この構成面の裏面をも含む概念である。
【0010】
折り畳み状態における背面には装着対象へ装着するための装着部材を備えることができる(請求項2)。
この発明において「背面」とは、装着対象側に面する面をいう。
装着部材としては、面ファスナー、マグネット、スナップボタン、フック、ボタン、紐、ゴム紐等が考えられるが、装着対象へ着脱可能に装着することができる部材であればこれに限られるものではない。
装着対象としては、スタンド式看板などの各種標示具や誘導員の衣服等が考えられる。
また、一の表示面を展開した状態において背面を構成する各面に装着部材を設けることもできる(請求項3)。
【0011】
各表示面の周縁には、表示タブを設けることもできる(請求項4)。この表示タブは、表示面に表示されている内容の概要を示すためのものであり、薄板状の硬質素材を用いたり、紙やフィルムなどのシート素材あるいは布等の軟質素材を用いることが考えられるが、表示面の内容の概要を表示できるものであればこれに限られるものではない。
【発明の効果】
【0012】
この発明の折り畳み式情報標示具は、複数の面で構成される表示面を複数備え、前記複数の表示面を、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面の一の構成面をなすようにして連設し、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能とし、前記表示面の折り畳み状態において対向する各面には、前記対向する各面を係脱可能に係止するための係止部材を設けたので、複数の表示面を備えた標示具を一体的に構成し、その中から表示したい表示面のみ係止部材による係止を解除して展開させつつ、他の表示面の折り畳み状態を係止部材によって保持することができる。すなわち、表示面の切替を係止部材の係脱操作で行うものとしたので、標示内容の切替を容易に行うことができる。
また、不使用時には表示面を全て折り畳んだ状態で保持することができるので、保管時や運搬時に場所を取ることがないばかりか、一部の表示面が散逸してしまうおそれもない。
【0013】
請求項2の発明によれば、折り畳み状態における背面には、装着対象へ装着するための装着部材を設けたので、スタンド式看板などの各種標示具や誘導員の衣服等の装着対象に装着することができる。
また、請求項3の発明によれば、装着部材を一の表示面を展開した状態において背面を構成する各面に設けたので、一の表示面を展開させた状態で装着対象に装着することができ、一の表示面を定常的に展開して表示させたい場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の第1の実施例の概要を示す正面側斜視図
【図2】同じく背面側斜視図
【図3】同じく第1表示面を展開した状態を示す図
【図4】同じく第2表示面を展開した状態を示す図
【図5】同じくスタンド式看板に装着した状態を示す図
【図6】同じく誘導員の衣服に装着した状態を示す図
【図7】この発明の第2の実施例の概要を示す正面側斜視図
【図8】同じく背面側斜視図
【図9】同じく第1表示面を展開した状態を示す図
【図10】同じく第2表示面を展開した状態を示す図
【図11】この発明の第3の実施例の概要を示す正面側斜視図
【図12】同じく第1表示面を展開した状態を示す図
【図13】同じく第2表示面を展開した状態を示す図
【図14】この発明の第4の実施例の概要を示す正面側斜視図
【図15】同じく第1表示面を展開した状態を示す図
【図16】同じく第2表示面を展開した状態を示す図
【図17】この発明の第5の実施例の概要を示す背面側斜視図
【図18】同じく誘導員が着用した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1ないし図6は、この発明の折り畳み情報標示具の第1の実施例を示す図である。
折り畳み式情報標示具Sは、第1表示面ないし第6表示面を備えている。各表示面1ないし6(添付図面においては第1表示面及び第2表示面を代表例として図示する。以下の実施例においても同じ。)は、各表示面の見開き状態において、左面11(第1表示面)ないし61(第6表示面)及び右面12(第1表示面)ないし62(第6表示面)で構成されている。
そして、各表示面1ないし6は、第1表示面の右面12の裏面が第2表示面の右面22に、第2表示面の左面21が第3表示面の左面31に、第3表示面の右面32が第4表示面の右面42に、第4表示面の左面41が第5表示面5の左面51に、第5表示面の右面52が第6表示面の右面62になるようにして連設されており、第1表示面の左面11の裏面が表紙面Fに、第6表示面の左面61の裏面が裏表紙面Rとなっている。
上記のように構成された各表示面1ないし6は、各表示面における左右面の境界線1CLないし6CLで谷折りにすることができ、各表示面の左面11ないし61と右面12ないし62とをそれぞれ重ね合わせることによって、全ての表示面を内側にしてつづら折り状に折り畳むことができるようになっている。
【0016】
各表示面の左面11ないし61の左上角部と右面12ないし62の右上角部には、係止部材としての面ファスナー111ないし611及び121ないし621がそれぞれ設けられており、各表示面の左右面を重ね合わせて折り畳んだときに対向する面ファスナー同士を係止させることによって、折り畳み状態を保持できるようにしてある。
【0017】
また、各表示面1ないし6の側縁には、各表示面に表示された情報の内容の一部が表示された表示タブ1Tないし6Tが左右交互にかつ高さを変えて連設されており、この表示タブを目印にして展開すると表示タブの内容が表示された表示面を展開することができる。
【0018】
各表示面1ないし6を構成する各左面11ないし61及び各右面12ないし62にはそれぞれ情報の一部が表示してあり、各表示面をそれぞれ個別に展開して見開き状態にすると、左面と右面とで完結した情報が表示されるようにしてある。
【0019】
裏表紙面Rには、スタンド式看板Kや誘導員の衣服Cなどの装着対象へ装着するための装着部材としての面ファスナーR1が4つ取り付けられている。
また、表紙面Fの右上角部にも装着部材としての面ファスナーF1が取り付けられているが、この面ファスナーF1は、表示面を展開した状態で情報標示具Sを装着対象へ安定的に装着するための装着部材である。
なお、表紙面Fは情報を表示することにより、表示面として使用することもできる。
【0020】
この実施例において、折り畳み式情報標示具Sの各表示面1ないし6の素材には布を用いているが、紙やフィルムなどのシート状素材を用いることもでき、さらには、薄板状の硬質素材で構成した各構成面を蝶番など周知の連結部材で連結して構成することもできる。
【0021】
図3はこの折り畳み式標示具Sの第1表示面を展開した状態を、図4は同じく第2表示面を展開した状態を、それぞれ示す図である。
図1に示すつづら折りの折り畳み状態から、表紙面Fを左方へ展開することにより、第1表示面を表示することができる。
第1表示面は左面11及び右面12で構成されており、左面11の左上角部と右面12の右上角部には、面ファスナー111,121がそれぞれ取り付けられている。
そして、表示面1には「STOP」「止まってください」の文字が大きく表されており、表示面1の左側縁上部には、表示面1の表示内容を簡潔に示す「止まって」の文字が表示された表示タブ1Tが取り付けられている。表示タブ1Tにおける表示は、この実施例のように両面表示としてもよいが片面表示であってもよい。
【0022】
第1表示面の展開状態において、他の表示面2ないし6は折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は、各表示面に設けられた面ファスナー211ないし611と221ないし621とがそれぞれ係合して固定されている(図においては各構成を分かりやすく表すため、各面を密着させていない。以下同じ。)ので、他の表示面2ないし6が、使用者の意図しないところで展開してしまうおそれがない。すなわち、表示させる必要のない表示面の折り畳み状態を保持しつつ、表示したい表示面だけを展開して表示することができる。
第3表示面及び第5表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面と同様なので説明を省略する。
【0023】
第2表示面を展開する場合には、図1に示すつづら折りの折り畳み状態から、表示タブ2Tを持って折り畳まれた状態の表示面1(表紙面F及び第2表示面の右面22)を右方へ展開することにより、第2表示面を表示することができる。
第2表示面は左面21及び右面22で構成されており、左面21の左上角部と右面22の右上角部には、面ファスナー211,221がそれぞれ取り付けられている。
表示面2には「STOP」「止まってください」の文字が大きく描かれており、表示面2の右側縁上部には、表示面2の表示内容を簡潔に示す「止まって」の文字が表示された表示タブ2Tが取り付けられている。なお、表示タブ2Tにおける表示は表示タブ2の表裏両面になされているが、片面表示であってもよいことは表示タブ1Tと同様である。
ここで、この実施例において、第2表示面は第1表示面と同じ内容の表示がなされている(第3表示面と第4表示面、第5表示面と第6表示面も同じ内容の表示である。)。これは、左右どちら側からも同じ内容の表示面を展開させることができるようにするためであるが、表示したい情報量を増やしたい場合には、各表示面の内容を異なるものとしてもよい。
【0024】
第2表示面の展開状態において、表示面1は第2表示面の右面22の裏側において折り畳まれて面ファスナー111,121で係合され、表示面3ないし6は表示面2の左面21裏側において折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は、各表示面に設けられた面ファスナー311ないし611と321ないし621とがそれぞれ係合しているので、他の表示面1及び3ないし6が、使用者の意図しないところで展開してしまうおそれがない。
第2表示面、第4表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第2表示面と同様なので説明は省略する。
【0025】
図5は、この折り畳み式情報標示具Sをスタンド式看板Kに装着した状態を示す図である。
つづら折り状に折り畳み可能なこの実施例の情報標示具Sにあっては、複数の表示面1ないし6の中から何れか一つの表示面を展開すると、必ず裏表紙面Rと表紙面Fとが背面を構成することとなる。そして、裏表紙面Rには4つの面ファスナーR1が設けられ、表紙面Fの右上角部にも面ファスナーF1が設けられているので、スタンド式看板Kの装着予定位置に、面ファスナーR1,F1と係合させることができる面ファスナーを設けておけば、これら面ファスナー同士を係合させることで情報標示具Sを任意の表示面を展開した状態でスタンド式看板Kに着脱可能に取り付けることができる。
また、異なる内容の表示面を表示させたい場合には、情報標示具Sを看板Kに取り付けたままの状態で、表示させたい表示面の面ファスナーによる係合を解いて展開するとともに、従前に展開されていた表示面を折り畳んで面ファスナーで係合することにより、ページをめくるような感覚で、容易にかつ確実に表示面を切り替えることができる。
なお、スタンド式看板Kが鉄製のものであれば、情報標示具Sの係合部材として面ファスナーの代わりにマグネットを用いることもできる。この場合、看板K側において特に係合部材を設けておく必要はない。
【0026】
図6は、この折り畳み式情報標示具Sを誘導員の衣服Cに装着した状態を示す図である。
情報標示具Sの裏表紙面Rには4つの面ファスナーR1が設けられているので、誘導員の衣服Cの胴体部分など装着予定位置に面ファスナーR1と係合可能な面ファスナーを設けておけば、これらの面ファスナーを係合させることで情報標示具Sを衣服Cに着脱可能に取り付けることができる。
表示面を全て折り畳んだ状態で情報標示具Sを装着した誘導員は、必要に応じて表示させたい内容の表示面を展開して、歩行者や車両の運転手に情報を伝達することができる。そして、この実施例の情報標示具Sは左右交互に展開可能なつづら折り状に折り畳まれており、第1表示面と第2表示面、第3表示面と第4表示面、第5表示面と第6表示面の表示内容をそれぞれ同一のものとしてあるので、一つの情報を表示する際に左右どちら側からでも表示面を展開させることができ、誘導灯や旗などを手にして片手が塞がっている誘導員であっても、空いている側の手を使って表示面を展開することができる。
【0027】
図7ないし図10は、この発明の折り畳み式情報標示具の第2の実施例の概要を示す図である。
折り畳み式情報標示具Sは、第1表示面1ないし第4表示面4を備えている。各表示面1ないし4は、各表示面の見開き状態において左面11(第1表示面)ないし41(第4表示面)及び右面12(第1表示面)ないし42(第4表示面)で構成されている。そして、各表示面1ないし4は、第1表示面の右面12の裏面が第2表示面の左面21に、第2表示面の右面22が第3表示面の左面31に、第3表示面の右面31が第4表示面の左面41になるようにして連設されており、第1表示面の左面11の裏面が表紙面Fに、第4表示面の右面42の裏面が裏表紙面Rになっている。
上記のように構成された各表示面1ないし4は、各表示面における左右面の境界線1CLないし4CLで谷折りにすることができ、各表示面の左面11ないし41と右面12ないし42とをそれぞれ重ね合わせることによって、全ての表示面を内側にして左開きの冊子状に折り畳むことができるようになっている。
そして、各表示面の左面11ないし41の左上角部と右面12ないし42の右上角部には係止部材としての面ファスナー111ないし411及び121ないし421が設けられ、各表示面の左右面を重ね合わせて折り畳んだときに対向する面ファスナー同士を係止させて折り畳み状態を保持できるようにしてある点は、第1の実施例と同様である。
【0028】
各表示面1ないし4の側縁に各表示面に表示内容を示すための表示タブ1Tないし4Tが左右交互にかつ高さを変えて連設されている点、各左面11ないし41と各右面12ないし42とにそれぞれ情報の一部を表示し、各表示面の見開き状態において左面と右面とで完結した情報が表示されるようにした点も第1の実施例と同様である。
また、裏表紙面Rに装着対象へ装着するための係止部材としての面ファスナーR1が4つ取り付けられている点、表紙面Fの右上角部にも面ファスナーF1が取り付けられている点、その他この実施例において特段記載のない構成ならびに装着対象への装着方法は、第1の実施例と同様である。
【0029】
図9は、この折り畳み式標示具Sの第1表示面を展開した状態を、図10は、同じく第2表示面を展開した状態を、それぞれ示す図である。
図7に示す左開きの冊子状の折り畳み状態から、表紙面Fを左方へ展開することによって第1表示面を表示することができる。
第1表示面は左面11及び右面12で構成されており、左面11の左上角部と右面12の右上角部には、面ファスナー111,121がそれぞれ取り付けられている。
表示面1には「STOP」「止まってください」の文字が大きく表されており、表示面1の左側縁上部には、表示面1の表示内容を「止まって」のように簡潔に表した表示タブ1Tが取り付けられている。
【0030】
第1表示面の展開状態において、他の表示面2ないし4は折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は各表示面に設けられた面ファスナー211ないし411と221ないし421とが係合して保持されているので、使用者の意図しないところで表示面2ないし4が展開してしまうことはない。
【0031】
第2表示面を展開する場合には、図7に示す左開きの冊子状の折り畳み状態から、表示タブ2Tを持って第2表示面の左面21を左方へ展開する。
第2表示面は左面21及び右面22で構成されており、左面21の左上角部と右面22の右上角部には、係合部材としての面ファスナー211,221がそれぞれ取り付けられている。
表示面2には、車両進入禁止の交通標識と「この先車両は入れません」の文字が大きく表されており、表示面2の左側縁上部には、表示面2の表示内容が「この先車」のように簡潔に表された表示タブ2Tが取り付けられている。
【0032】
第2表示面の展開状態において、表示面1は第2表示面の左面21の裏側において折り畳まれた状態で面ファスナー111,121によって係合され、表示面3,4は表示面2の右面22の裏側においてそれぞれ折り畳まれた状態で面ファスナー311と321、411と421とが係合して固定されているので、他の表示面1、3,4が不用意に展開してしまうおそれはない。
第3表示面及び第4表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面及び第2表示面と同様なので説明を省略する。
【0033】
図11ないし13は、この発明の折り畳み式情報標示具の第3の実施例の概要を示す図である。この実施例の折り畳み情報標示具は、第1の実施例の折り畳み式標示具をベースとして、各表示面を構成する面を3面に増やし、各表示面を観音開き状に展開することができるようにしたものである。
【0034】
折り畳み式情報標示具Sは、第1表示面1ないし第6表示面6を備え、各表示面1ないし6は、各表示面の見開き状態においてそれぞれ左面11ないし61、右面12ないし62、中央面13ないし63で構成されている。
各表示面1ないし6は、第1表示面の中央面13の裏面が第2表示面の右面22に、第2表示面の中央面23が第3表示面の左面31に、第3表示面の中央面33が第4表示面の右面42に、第4表示面の中央面43が第5表示面5の左面51に、第5表示面の中央面53が第6表示面の右面62になるようにして連設されており、第1表示面の左面11の裏面は表紙面Fに、第6表示面の中央面63の裏面は裏表紙面Rとなっている。
第1表示面の右面12の裏面14、第2表示面の左面21の裏面24、第3表示面の右面32の裏面34、第4表示面の左面41の裏面44、第5表示面の右面52の裏面54、第6表示面の左面61の裏面64の各面は何れも表示面を構成していない。
【0035】
上記のように構成された各表示面1ないし6は、各表示面の構成面の境界となるる左側境界線1LLないし6LL及び右側境界線1RLないし6RLにおいてそれぞれ谷折りすることができ、表示面1、3,5にあっては各右面12,32,52を各中央面13,33,53に対向させて重ね合わせ、さらにその上から各左面11,31,51を重ね合わせることにより、表示面2,4,6にあっては各左面21,41,61を各中央面23,43,63に対向させて重ね合わせ、さらにその上から各右面22,42,62を重ね合わせることにより、全ての表示面を内側にして各表示面が観音開き状に展開可能な状態としながらつづら折り状に折り畳むことができるようになっている。
【0036】
各表示面の左面11ないし61の左上角部と右面12ないし62の右上角部には係止部材としての面ファスナー111ないし611及び121ないし621が設けられ、表示面1,3,5においては中央面13,33,53の左上角部に、表示面2,4,6においては中央面23,43,63の右上角部に、それぞれ面ファスナー131ないし631が設けられている。さらに、表示面1,3,5の右面12,32,52の各裏面14,34,54の右上角部と、表示面2,4,6の左面21,41,61の各裏面24,44,64の左上角部にも係合部材としての面ファスナー141ないし641が設けられている。そして、各表示面の左右面を中央面側に重ね合わせて折り畳んだときに、対向する面ファスナー同士を係止させることによって、折り畳み状態を保持できるようにしてある。
【0037】
また、表示面1,3,5の右面12,32,52の各裏面14,34,54及び表示面2,4,6の左面21,41,61の各裏面24,44,64は、各表示部の展開状態において、表紙面F、裏表紙面Rとともに情報標示具Sの背面を構成するところ、裏面14,34,54の右上角部と裏面24,44,64の左上角部には、各表示部を展開した状態で装着対象へ装着するための装着部材としての面ファスナー142ないし642が設けられている。
さらに、裏面14,34,54の右側縁上部と裏面24,44,64の左側縁上部には、各裏面を容易に展開にするための摘み143ないし643が設けられている。
【0038】
表示面1ないし6を構成する各左面11ないし61、各右面12ないし62、中央面13ないし63にはそれぞれ情報の一部が表示してあり、各表示面をそれぞれ個別に展開して見開き状態にすると、左面と右面と中央面とで完結した情報が表示されるようにしてある。
【0039】
各表示面の側縁に表示タブ1Tないし6Tを設けた点、裏表紙面R及び表紙面Fに装着部材としての面ファスナーR1,F1を設けた点、その他この実施例において特段記載のない構成ならびに装着対象への装着方法は第1の実施例と同様である。
【0040】
図12は、この折り畳み式標示具Sの第1表示面を展開した状態を、図13は同じく第2表示面を展開した状態を、それぞれ示す図である。
図11に示すつづら折りの折り畳み状態から、表紙面Fを左方へ展開し(図中矢示1)、次いで裏面14を右方へ展開する(図中矢示2)ことにより、第1表示面を表示することができる。
第1表示面は左面11、右面12、中央面13で構成されており、左面11及び中央面13の左上角部と右面12の右上角部には、それぞれ係合部材としての面ファスナー111,131,121が取り付けられている。
表示面1には「安全にお進みください」という文字が大きく表されており、表示面1の左側縁上部には、表示面1の表示内容を簡潔に示すよう「安全にお」と表示された表示タブ1Tが取り付けられている。
【0041】
第1表示面の展開状態において、他の表示面2ないし6は折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は、表示面2においては面ファスナー231と211並びに面ファスナー241と221とが、表示面3においては面ファスナー331と321並びに面ファスナー341と311とが、表示面4においては面ファスナー431と411並びに面ファスナー441と421とが、表示面5においては面ファスナー531と521並びに面ファスナー541と511とが、表示面6においては面ファスナー631と611並びに面ファスナー641と621とがそれぞれ係合して固定されているので、他の表示面2ないし6が、使用者の意図しないところで展開してしまうおそれがない。
第3表示面及び第5表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面と同様なので説明を省略する。
【0042】
第2表示面を展開する場合には、図11に示すつづら折りの折り畳み状態から、表示タブ2Tを持って折り畳まれた状態の第1表示面そのまま右方へ展開し(図中矢示1)、ついで裏面24を左方へ展開する(図中矢示2)ことによって、第2表示面を表示することができる。
第2表示面は左面21、右面22,中央面23で構成されており、左面21の左上角部と、中央面23及び右面22の右上角部には、面ファスナー211,231,221がそれぞれ取り付けられている。
表示面2には「危険!止まってください」の文字が大きく表されており、表示面2の右側縁上部には、表示面2の表示内容を簡潔に示すよう「危険止ま」の文字が表示された表示タブ2Tが取り付けられている。
【0043】
第2表示面の展開状態において、表示面1は第2表示面の右面22の裏側において折り畳まれ面ファスナー121と131,141と111とで係合して固定されており、表示面3ないし6は表示面2の中央面23の裏側において折り畳まれた状態で、表示面3においては面ファスナー321と331並びに面ファスナー341と311とが、表示面5においては面ファスナー521と531並びに面ファスナー541と511とが、表示面4においては面ファスナー431と411並びに441と421とが、表示面6においては面ファスナー631と611並びに641と621とが、それぞれ係合して固定されているので、表示面1及び表示面3ないし6が、不用意に展開してしまうおそれがない。
第4表示面及び第6表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面と同様なので説明を省略する。
【0044】
図14ないし16は、この発明の折り畳み式情報標示具の第4の実施例の概要を示す図である。この実施例の折り畳み情報標示具は、第2の実施例の折り畳み式標示具をベースとして、各表示面を構成する面を3面に増やし、各表示面を観音開き状に展開することができるようにしたものである。
【0045】
折り畳み式情報標示具Sの表示面1ないし4は、各表示面の見開き状態において左面11ないし41、右面12ないし42、中央面13ないし43で構成されている。
そして、各表示面1ないし4は、第1表示面の中央面13の裏面が第2表示面の左面21に、第2表示面の中央面23が第3表示面の左面31に、第3表示面の中央面33が第4表示面の左面41になるようにして連設されており、第1表示面の左面11の裏面が表紙面Fに、第4表示面の中央面43の裏面が裏表紙面Rとなっている。
各表示面の右面12ないし42の裏面14ないし44は、何れも表示面を構成していない。
上記のように構成された各表示面1ないし4は、各表示面の構成面の境界となる左側境界線1LLないし4LL及び右側境界線1RLないし4RLにおいてそれぞれ谷折りすることができ、各右面12ないし42を各中央面13ないし43に対向させて重ね合わせ、その上から各左面11ないし41を重ね合わせることにより、全ての表示面を内側にして各表示面が観音開き状に展開可能な、左開きの冊子状に折り畳むことができるようになっている。
【0046】
各表示面の左面11ないし41並びに中央面13ないし43の左上角部と右面12ないし42の右上角部には、係止部材としての面ファスナー111ないし411、131ないし431、121ないし421が設けられている。
さらに、各表示面の右面12ないし42の各裏面14ないし44の右上角部にも係合部材としての面ファスナー141ないし441が設けられている。
そして、各表示面の左右面を中央面側に重ね合わせて折り畳んだときに、対向する面ファスナー同士を係止させることによって、折り畳み状態が保持されるようになっている。
【0047】
また、各表示面の右面12ないし42の各裏面14ないし44は、各表示部の展開状態において、表紙面F、裏表紙面Rとともに標示具Sの背面を構成するところ、各裏面14ないし44の左上角部には、各表示部を展開した状態で装着対象へ装着するための装着部材としての面ファスナー142ないし442が設けられている。
さらに、裏面14ないし44の左側縁上部には、各裏面を容易に展開にするための摘み143ないし443が設けられている。
【0048】
表示面1ないし4を構成する各左面11ないし41、各右面12ないし42、中央面13ないし43にはそれぞれ情報の一部が表示してあり、各表示面をそれぞれ個別に展開して見開き状態にすると、左面と右面と中央面とで完結した情報が表示されるようにしてある。
【0049】
各表示面の側縁に表示タブ1Tないし4Tを設けた点、裏表紙面R及び表紙面Fに装着部材としての面ファスナーR1,F1を設けた点、その他この実施例において特段記載のない構成ならびに装着対象への装着方法は第2の実施例と同様である。
【0050】
図15は、この折り畳み式標示具Sの第1表示面を展開した状態を、図16は同じく第2表示面を展開した状態を、それぞれ示す図である。
図14に示す左開きの冊子状の折り畳み状態から、表紙面Fを左方へ展開し(図中矢示1)、次いで裏面14を右方へ展開する(図中矢示2)ことにより、第1表示面を表示することができる。
第1表示面は左面11、右面12、中央面13で構成されており、左面11及び中央面13の左上角部と右面12の右上角部には、それぞれ面ファスナー111,131,121が取り付けられている。
表示面1には「安全にお進みください」という文字が大きく表されており、表示面1の左側縁上部には、表示面1の表示内容を簡潔に示すよう「安全にお」と表示された表示タブ1Tが取り付けられている。
【0051】
第1表示面の展開状態において、他の表示面2ないし4は折り畳まれた状態のままであり、その折り畳み状態は、表示面2において面ファスナー231と221並びに面ファスナー241と211とが、表示面3において面ファスナー331と321並びに面ファスナー341と311とが、表示面4において面ファスナー431と421並びに面ファスナー441と4111とが、それぞれ係合して固定されているので、他の表示面2ないし4が、使用者の意図しないところで展開してしまうおそれがない。
【0052】
第2表示面を展開する場合には、図14に示す折り畳み状態から、表示タブ2Tを持って折り畳まれた状態の第1表示面をそのまま左方へ展開し(図中矢示1)、ついで裏面24を右方へ展開する(図中矢示2)。
第2表示面の面構成は第1表示面と同様であり、左面21、右面22,中央面23で構成され、左面21及び中央面23の左上角部と右面22の右上角部に、面ファスナー211,231,221がそれぞれ取り付けられている。
表示面2には「危険!止まってください」の文字が大きく表されており、表示面2の左側縁上部には、表示面2の表示内容を簡潔に示す「危険止ま」の文字が表示された表示タブ2Tが、表示タブ1Tと重ならないように高さをずらして取り付けられている。
【0053】
第2表示面の展開状態において、表示面1は第2表示面の左面21の裏側において折り畳まれた状態で面ファスナー131と121並びに面ファスナー141と111とが係合して固定されており、表示面3及び4は表示面2の中央面23の裏側において折り畳まれた状態で、表示面3において面ファスナー331と321並びに面ファスナー341と311とが、表示面4において面ファスナー431と421並びに面ファスナー441と411とが、それぞれ係合して固定されているので、表示面1,3,4が不用意に展開してしまうおそれがない。
第3表示面及び第4表示面の構成は、表示面に表示される内容を除いて第1表示面及び第2表示面と同様なので説明を省略する。
【0054】
図17及び図18は、この発明の折り畳み式情報標示具の第5の実施例の概要を示す図である。この実施例の折り畳み情報標示具は、第1の実施例の折り畳み式標示具をベースとし、裏表紙面Rに備える装着手段として面ファスナーの代わりに紐Hを用い、情報標示具Sをエプロン状に構成したものである。
この実施例においては、情報表示具Sの裏表紙面Rの両側縁上部に紐Hが取り付けられている点以外は、実施例1の構成と同じである。
この実施例によれば、図18に示すように、紐Hを用いてエプロンを着用するように情報標示具Sを使用者の腰に巻き付けることができる。各表示面の展開及び折り畳み方法は、実施例1と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
この発明は、工事現場などで、工事案内、誘導案内、注意喚起などの目的で各種情報を標示するために使用される情報標示具に関するものであり、産業上の利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0056】
1 第1表示面
2 第2表示面
11,21,31,41,51,61 左面
12,22,32,42,52,62 右面
13,23,33,43,53,63 中央面
14、24,34,44,54,64 裏面
111,211,311,411,511,611 左面の係合部材(面ファスナー)
121,221,321,421,521,621 右面の係合部材(面ファスナー)
131,231,331,431,531,631 中央面の係合部材(面ファスナー)
141,241,341,441,541,641 裏面の係合部材(面ファスナー)
142,242,342,442,542,642 装着部材(面ファスナー)
143,243,343,443,543,643 摘み
1T,2T,3T,4T,5T,6T 表示タブ
1CL,2CL 中央境界線
1LL,2LL 左側境界線
1RL,2RL 右側境界線
F 表紙面
R 裏表紙面
F1,R1 装着部材(面ファスナー)
H 装着部材(紐)
K スタンド式看板
C 衣服
S 折り畳み式情報標示具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が表示された複数の面で構成される表示面を複数備え、
前記複数の表示面は、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面の一の構成面をなすようにして連設され、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能とされ、
前記表示面の折り畳み状態において対向する各面には、前記対向する各面を係脱可能に係止するための係止部材が設けられた、
折り畳み式情報標示具。
【請求項2】
折り畳み状態における背面には、装着対象へ装着するための装着部材を備えた、請求項1記載の折り畳み式情報標示具。
【請求項3】
装着部材は、表示面を展開させた状態において背面を構成する各面に設けられた、請求項2記載の折り畳み式情報標示具。
【請求項1】
情報が表示された複数の面で構成される表示面を複数備え、
前記複数の表示面は、各表示面を構成する一の構成面の裏面が他の表示面の一の構成面をなすようにして連設され、各表示面の構成面を隣接する構成面側に重ね合わせて各表示面が内側となるように折り畳み可能とされ、
前記表示面の折り畳み状態において対向する各面には、前記対向する各面を係脱可能に係止するための係止部材が設けられた、
折り畳み式情報標示具。
【請求項2】
折り畳み状態における背面には、装着対象へ装着するための装着部材を備えた、請求項1記載の折り畳み式情報標示具。
【請求項3】
装着部材は、表示面を展開させた状態において背面を構成する各面に設けられた、請求項2記載の折り畳み式情報標示具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−60715(P2013−60715A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198491(P2011−198491)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(511173169)株式会社トップ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(511173169)株式会社トップ (1)
【Fターム(参考)】
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