折り畳み式電子機器
【課題】一対の筐体がヒンジ軸を介して互いに開閉可能に連結されている折り畳み式電子機器において、一方の筐体のヒンジ軸側の端部に形成される空間を有効活用する。
【解決手段】本発明に係る折り畳み式電子機器においては、第1筐体1を具えた第1本体と第2筐体を具えた第2本体とがヒンジ軸31を介して互いに開閉可能に連結され、第1筐体1の内部から第2筐体の内部へ向けてフレキシブルリード7が延びており、該フレキシブルリード7は、ヒンジ軸31の周囲に螺旋状に巻き付けられた巻き付け部72を有し、該巻き付け部72は、ヒンジ軸31の周囲に、第1筐体側から第2筐体側へ延びる経路において第2筐体が開くときの回転方向と同一方向に巻き付けられている。
【解決手段】本発明に係る折り畳み式電子機器においては、第1筐体1を具えた第1本体と第2筐体を具えた第2本体とがヒンジ軸31を介して互いに開閉可能に連結され、第1筐体1の内部から第2筐体の内部へ向けてフレキシブルリード7が延びており、該フレキシブルリード7は、ヒンジ軸31の周囲に螺旋状に巻き付けられた巻き付け部72を有し、該巻き付け部72は、ヒンジ軸31の周囲に、第1筐体側から第2筐体側へ延びる経路において第2筐体が開くときの回転方向と同一方向に巻き付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式携帯電話機の如く一対の筐体が互いに開閉可能に連結された折り畳み式電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折り畳み式携帯電話機は、一対の筐体を互いに開閉可能に連結して構成され、両筐体の間はフレキシブルリードによって互いに電気的に接続されている(特許文献1)。
【0003】
例えば図8に示す折り畳み式携帯電話機においては、第1筐体(9)と第2筐体(91)とがヒンジ部(92)を介して互いに連結されている。
第1筐体(9)は図9及び図10に示す如く、フロントキャビネット(9a)とバックキャビネット(9b)とを互いに接合して構成され、フロントキャビネット(9a)とバックキャビネット(9b)との間にはシャーシ(99)が挟持され、該シャーシ(99)上に回路基板(90)が設置されている。
【0004】
フレキシブルリード(94)は、回路基板(90)上から引き出され、第1筐体(9)のヒンジ部側の端部の内部に形成されたL字状屈曲部(95)を経て、ヒンジ軸(93)の周囲に螺旋状に巻き付けられた後、第2筐体へ向かって延びている。
ここで、フレキシブルリード(94)には、図10及び図11に示す様に、第1筐体側から第2筐体側へ向かう経路において第2筐体が閉じるときの回転方向と同じ方向に旋回する、螺旋状の巻き付け部(96)が形成されている。
【0005】
又、第1筐体(9)の内部には、フレキシブルリード(94)の引き出し経路に沿ってシャーシ(99)側へ水が浸入することを防止するべく、防水栓(97)が設置されており、該防水栓(97)をフレキシブルリード(94)が貫通している。
尚、防水栓(97)は固定部品(98)を用いて第1筐体(9)に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−82737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図8〜図11に示す従来の折り畳み式携帯電話機においては、図10の如く、第1筐体(9)のヒンジ部側の端部には、フレキシブルリード(94)のL字状屈曲部(95)が存在し、該L字状屈曲部(95)は、筐体の開閉に伴って変位するため、この空間Sには部品等を配置することが出来ず、この空間Sを有効に活用することが出来ない問題があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、一対の筐体が互いに開閉可能に連結されている折り畳み式電子機器において、一方の筐体のヒンジ部側の端部に形成される空間を有効活用することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る折り畳み式電子機器においては、第1筐体(1)を具えた第1本体と第2筐体(2)を具えた第2本体とがヒンジ軸(31)を介して互いに開閉可能に連結され、第1筐体(1)の内部から第2筐体(2)の内部へ向けてフレキシブルリード(7)が延びており、該フレキシブルリード(7)は、前記ヒンジ軸(31)の周囲に螺旋状に巻き付けられた巻き付け部(72)を有している。
ここで、フレキシブルリード(7)の巻き付け部(72)は、ヒンジ軸(31)の周囲に、第1筐体(1)側から第2筐体(2)側へ延びる経路において第2筐体(2)が開くときの回転方向と同一方向、即ち第2筐体(2)を開くことによって縮径することとなる方向に巻き付けられている。
【0010】
上記本発明の折り畳み式電子機器によれば、フレキシブルリード(7)の巻き付け部(72)が、第2筐体(2)を開くときの回転方向と同じ方向に巻き付けられているので、第1筐体(1)の内部から巻き付け部(72)へ向けて延びるフレキシブルリード(7)を、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部よりも手前の位置で屈曲させて、巻き付け部(72)へ繋げることが出来る。
これによって、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部を迂回するフレキシブルリード(7)の経路が形成されることになる。
【0011】
具体的態様において、第1筐体(1)の内部には回路基板(5)が設置され、該回路基板(5)上から前記フレキシブルリード(7)が引き出され、フレキシブルリード(7)は、第1筐体(1)の内部にてヒンジ軸(31)と直交する面内でU字状に屈曲する折り返し部(71)を経て、前記巻き付け部(72)へ至っており、該折り返し部(71)は、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部よりも回路基板(5)側に離間して位置している。
【0012】
該具体的態様によれば、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部にフレキシブルリード(7)が存在しないため、例えば、該端部に部品を配置することが可能となる。
【0013】
更に具体的な態様において、第1筐体(1)には、回路基板(5)の収容空間を防水する防水栓(8)が設置され、該防水栓(8)は、第1筐体(1)を構成するフロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間に挟持され、該防水栓(8)をフレキシブルリード(7)がバックキャビネット(15)側からフロントキャビネット(14)側へ貫通している。
【0014】
該具体的態様によれば、防水栓(8)がフロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間に挟持されているので、防水栓(8)を固定するための特別な固定部品は不要である。
【0015】
更に又、具体的な態様において、前記防水栓(8)は、フレキシブルリード(7)の折り返し部(71)と巻き付け部(72)の間に配置されている。
該具体的態様によれば、第2筐体(2)の開閉に伴ってフレキシブルリード(7)の折り返し部(71)が変位することはない。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る折り畳み式電子機器において、一方の筐体のヒンジ部側の端部に形成される空間を有効活用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である折り畳み式携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、該折り畳み式携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、該折り畳み式携帯電話機の閉じた状態を異なる方向から見た斜視図である。
【図4】図4は、該折り畳み式携帯電話機の開いた状態を示す一部破断斜視図である。
【図5】図5は、該折り畳み式携帯電話機を構成する第1筐体の一部破断斜視図である。
【図6】図6は、第1筐体の分解状態を示す一部破断斜視図である。
【図7】図7は、第1筐体に配備されたシャーシとフレキシブルリードの一部破断分解斜視図である。
【図8】図8は、従来の開いた状態を示す一部破断斜視図である。
【図9】図9は、該折り畳み式携帯電話機を構成する第1筐体の一部破断斜視図である。
【図10】図10は、第1筐体の分解状態を示す一部破断斜視図である。
【図11】図11は、第1筐体に配備されたシャーシとフレキシブルリードの一部破断分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を折り畳み式携帯電話機に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明の一実施形態である折り畳み式携帯電話機は、図1及び図2に示す如く、第1筐体(1)と第2筐体(2)をヒンジ部(3)により互いに開閉可能に連結して構成され、第1筐体(1)の内面には複数の操作キー(11)が配備される一方、第2筐体(2)の内面と背面にはそれぞれメイン画面(21)とサブ画面(22)が配備されている。
【0019】
図3に示す如く、第1筐体(1)のヒンジ部(3)側の端面には、2つの操作キー(12)(13)が配備されており、第2筐体(2)を閉じた状態でこれらの操作キー(12)(13)を操作することによって、ブロードバンドを通じた双方向のコミュニケーション(チャット)が可能である。
【0020】
図4に示す如く、第1筐体(1)には、回路基板(5)が収容されている。又、第2筐体(2)には、メイン画面(21)とサブ画面(22)を形成するべく、メインディスプレイ(6)とサブディスプレイ(61)が内蔵されている。
そして、回路基板(5)から引き出されたフレキシブルリード(7)が、ヒンジ部(3)の内部を経て、メインディスプレイ(6)及びサブディスプレイ(61)に繋がっている。
【0021】
第1筐体(1)は、図5及び図6に示す如く、フロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)とを互いに接合して構成され、フロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間にはシャーシ(17)が挟持され、該シャーシ(17)上に回路基板(5)が設置されている。
【0022】
フレキシブルリード(7)は、回路基板(5)上から引き出された後、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部から回路基板(5)側へ離れた位置に形成されたU字状の折り返し部(71)を経て、ヒンジ軸(31)の周囲に螺旋状に巻き付けられた巻き付け部(72)に至り、更に第2筐体へ向かって延びている。
【0023】
フレキシブルリード(7)のU字状折り返し部(71)は、図6及び図7に示す様に、ヒンジ軸(31)側の端部、即ち操作キー(12)及びその関連部品が配備されている端部から回路基板(5)側に離れた位置に形成されており、ヒンジ軸(31)と直交する面内で、フロントキャビネット(14)側へ開口するU字状に屈曲している。
フレキシブルリード(7)の螺旋状巻き付け部(72)は、ヒンジ軸(31)の周囲に、第1筐体(1)側から第2筐体(2)側へ向かう経路において第2筐体(2)が開くときの回転方向と同一方向、即ち第2筐体(2)を開くことによって縮径することとなる方向に巻き付けられている。
【0024】
図7に示す如く、フレキシブルリード(7)の第1筐体側の端部には、コネクター(73)が設けられ、該コネクター(73)が第1筐体内の回路基板(5)に接続される。
フレキシブルリード(7)の第2筐体側の端部には、コネクター(74)が設けられ、該コネクター(74)が第2筐体内のメインディスプレイ及びサブディスプレイに接続される。
【0025】
又、第1筐体(1)には、図5及び図7に示す様に、回路基板(5)の収容空間を防水するための防水栓(8)が設置されている。
防水栓(8)は、第1筐体(1)を構成するフロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間に挟持されており、フレキシブルリード(7)が、U字状折り返し部(71)と螺旋状巻き付け部(72)の間にて、防水栓(8)をバックキャビネット(15)側からフロントキャビネット(14)側へ貫通している。
【0026】
上記折り畳み式携帯電話機によれば、フレキシブルリード(7)の巻き付け部(72)が、第2筐体(2)を開くときの回転方向と同じ方向に巻き付けられており、回路基板(5)から引き出されたフレキシブルリード(7)を巻き付け部(72)へ繋げるための経路を形成するべく、シャーシ(17)のヒンジ軸(31)側の端部から回路基板(5)側へ充分に離れた位置に、折り返し部(71)が形成されているので、折り返し部(71)は、操作キー(12)及びその関連部品から充分に離間することになる。
【0027】
然も、フレキシブルリード(7)は、折り返し部(71)と巻き付け部(72)の間で防水栓(8)によって保持されることになるので、第2筐体(2)の開閉に伴ってフレキシブルリード(7)の折り返し部(71)が変位することはない。
従って、フレキシブルリード(7)の折り返し部(71)が操作キー(12)及びその関連部品と干渉することはない。
【0028】
上述の如く、本発明の一実施形態である折り畳み式携帯電話機においては、フレキシブルリード(7)の巻き付け部(72)を従来とは逆向きに巻き付けることによって、回路基板(5)上から巻き付け部(72)に至るフレキシブルリード(7)の経路を、回路基板(5)側へ寄せ、これによって、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部に、操作キー(12)及びその関連部品を配備するための空間を確保している。
この様にして、第1筐体(1)の内部空間が有効に活用されている。
【0029】
又、防水栓(8)は、フロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間に挟持されているので、防水栓(8)を固定するための特別な固定部品は不要であり、これによって部品点数の削減が図られている。
【0030】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、第1筐体(1)と第2筐体(2)とが入れ替わった構成、即ち第2筐体(2)の内部に回路基板(5)が収容され、該回路基板(5)からフレキシブルリード(7)が引き出されている構成に本発明を実施することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
(1) 第1筐体
(14) フロントキャビネット
(15) バックキャビネット
(2) 第2筐体
(3) ヒンジ部
(31) ヒンジ軸
(5) 回路基板
(7) フレキシブルリード
(71) U字状折り返し部
(72) 螺旋状巻き付け部
(8) 防水栓
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式携帯電話機の如く一対の筐体が互いに開閉可能に連結された折り畳み式電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折り畳み式携帯電話機は、一対の筐体を互いに開閉可能に連結して構成され、両筐体の間はフレキシブルリードによって互いに電気的に接続されている(特許文献1)。
【0003】
例えば図8に示す折り畳み式携帯電話機においては、第1筐体(9)と第2筐体(91)とがヒンジ部(92)を介して互いに連結されている。
第1筐体(9)は図9及び図10に示す如く、フロントキャビネット(9a)とバックキャビネット(9b)とを互いに接合して構成され、フロントキャビネット(9a)とバックキャビネット(9b)との間にはシャーシ(99)が挟持され、該シャーシ(99)上に回路基板(90)が設置されている。
【0004】
フレキシブルリード(94)は、回路基板(90)上から引き出され、第1筐体(9)のヒンジ部側の端部の内部に形成されたL字状屈曲部(95)を経て、ヒンジ軸(93)の周囲に螺旋状に巻き付けられた後、第2筐体へ向かって延びている。
ここで、フレキシブルリード(94)には、図10及び図11に示す様に、第1筐体側から第2筐体側へ向かう経路において第2筐体が閉じるときの回転方向と同じ方向に旋回する、螺旋状の巻き付け部(96)が形成されている。
【0005】
又、第1筐体(9)の内部には、フレキシブルリード(94)の引き出し経路に沿ってシャーシ(99)側へ水が浸入することを防止するべく、防水栓(97)が設置されており、該防水栓(97)をフレキシブルリード(94)が貫通している。
尚、防水栓(97)は固定部品(98)を用いて第1筐体(9)に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−82737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図8〜図11に示す従来の折り畳み式携帯電話機においては、図10の如く、第1筐体(9)のヒンジ部側の端部には、フレキシブルリード(94)のL字状屈曲部(95)が存在し、該L字状屈曲部(95)は、筐体の開閉に伴って変位するため、この空間Sには部品等を配置することが出来ず、この空間Sを有効に活用することが出来ない問題があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、一対の筐体が互いに開閉可能に連結されている折り畳み式電子機器において、一方の筐体のヒンジ部側の端部に形成される空間を有効活用することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る折り畳み式電子機器においては、第1筐体(1)を具えた第1本体と第2筐体(2)を具えた第2本体とがヒンジ軸(31)を介して互いに開閉可能に連結され、第1筐体(1)の内部から第2筐体(2)の内部へ向けてフレキシブルリード(7)が延びており、該フレキシブルリード(7)は、前記ヒンジ軸(31)の周囲に螺旋状に巻き付けられた巻き付け部(72)を有している。
ここで、フレキシブルリード(7)の巻き付け部(72)は、ヒンジ軸(31)の周囲に、第1筐体(1)側から第2筐体(2)側へ延びる経路において第2筐体(2)が開くときの回転方向と同一方向、即ち第2筐体(2)を開くことによって縮径することとなる方向に巻き付けられている。
【0010】
上記本発明の折り畳み式電子機器によれば、フレキシブルリード(7)の巻き付け部(72)が、第2筐体(2)を開くときの回転方向と同じ方向に巻き付けられているので、第1筐体(1)の内部から巻き付け部(72)へ向けて延びるフレキシブルリード(7)を、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部よりも手前の位置で屈曲させて、巻き付け部(72)へ繋げることが出来る。
これによって、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部を迂回するフレキシブルリード(7)の経路が形成されることになる。
【0011】
具体的態様において、第1筐体(1)の内部には回路基板(5)が設置され、該回路基板(5)上から前記フレキシブルリード(7)が引き出され、フレキシブルリード(7)は、第1筐体(1)の内部にてヒンジ軸(31)と直交する面内でU字状に屈曲する折り返し部(71)を経て、前記巻き付け部(72)へ至っており、該折り返し部(71)は、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部よりも回路基板(5)側に離間して位置している。
【0012】
該具体的態様によれば、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部にフレキシブルリード(7)が存在しないため、例えば、該端部に部品を配置することが可能となる。
【0013】
更に具体的な態様において、第1筐体(1)には、回路基板(5)の収容空間を防水する防水栓(8)が設置され、該防水栓(8)は、第1筐体(1)を構成するフロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間に挟持され、該防水栓(8)をフレキシブルリード(7)がバックキャビネット(15)側からフロントキャビネット(14)側へ貫通している。
【0014】
該具体的態様によれば、防水栓(8)がフロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間に挟持されているので、防水栓(8)を固定するための特別な固定部品は不要である。
【0015】
更に又、具体的な態様において、前記防水栓(8)は、フレキシブルリード(7)の折り返し部(71)と巻き付け部(72)の間に配置されている。
該具体的態様によれば、第2筐体(2)の開閉に伴ってフレキシブルリード(7)の折り返し部(71)が変位することはない。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る折り畳み式電子機器において、一方の筐体のヒンジ部側の端部に形成される空間を有効活用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である折り畳み式携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、該折り畳み式携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、該折り畳み式携帯電話機の閉じた状態を異なる方向から見た斜視図である。
【図4】図4は、該折り畳み式携帯電話機の開いた状態を示す一部破断斜視図である。
【図5】図5は、該折り畳み式携帯電話機を構成する第1筐体の一部破断斜視図である。
【図6】図6は、第1筐体の分解状態を示す一部破断斜視図である。
【図7】図7は、第1筐体に配備されたシャーシとフレキシブルリードの一部破断分解斜視図である。
【図8】図8は、従来の開いた状態を示す一部破断斜視図である。
【図9】図9は、該折り畳み式携帯電話機を構成する第1筐体の一部破断斜視図である。
【図10】図10は、第1筐体の分解状態を示す一部破断斜視図である。
【図11】図11は、第1筐体に配備されたシャーシとフレキシブルリードの一部破断分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を折り畳み式携帯電話機に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明の一実施形態である折り畳み式携帯電話機は、図1及び図2に示す如く、第1筐体(1)と第2筐体(2)をヒンジ部(3)により互いに開閉可能に連結して構成され、第1筐体(1)の内面には複数の操作キー(11)が配備される一方、第2筐体(2)の内面と背面にはそれぞれメイン画面(21)とサブ画面(22)が配備されている。
【0019】
図3に示す如く、第1筐体(1)のヒンジ部(3)側の端面には、2つの操作キー(12)(13)が配備されており、第2筐体(2)を閉じた状態でこれらの操作キー(12)(13)を操作することによって、ブロードバンドを通じた双方向のコミュニケーション(チャット)が可能である。
【0020】
図4に示す如く、第1筐体(1)には、回路基板(5)が収容されている。又、第2筐体(2)には、メイン画面(21)とサブ画面(22)を形成するべく、メインディスプレイ(6)とサブディスプレイ(61)が内蔵されている。
そして、回路基板(5)から引き出されたフレキシブルリード(7)が、ヒンジ部(3)の内部を経て、メインディスプレイ(6)及びサブディスプレイ(61)に繋がっている。
【0021】
第1筐体(1)は、図5及び図6に示す如く、フロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)とを互いに接合して構成され、フロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間にはシャーシ(17)が挟持され、該シャーシ(17)上に回路基板(5)が設置されている。
【0022】
フレキシブルリード(7)は、回路基板(5)上から引き出された後、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部から回路基板(5)側へ離れた位置に形成されたU字状の折り返し部(71)を経て、ヒンジ軸(31)の周囲に螺旋状に巻き付けられた巻き付け部(72)に至り、更に第2筐体へ向かって延びている。
【0023】
フレキシブルリード(7)のU字状折り返し部(71)は、図6及び図7に示す様に、ヒンジ軸(31)側の端部、即ち操作キー(12)及びその関連部品が配備されている端部から回路基板(5)側に離れた位置に形成されており、ヒンジ軸(31)と直交する面内で、フロントキャビネット(14)側へ開口するU字状に屈曲している。
フレキシブルリード(7)の螺旋状巻き付け部(72)は、ヒンジ軸(31)の周囲に、第1筐体(1)側から第2筐体(2)側へ向かう経路において第2筐体(2)が開くときの回転方向と同一方向、即ち第2筐体(2)を開くことによって縮径することとなる方向に巻き付けられている。
【0024】
図7に示す如く、フレキシブルリード(7)の第1筐体側の端部には、コネクター(73)が設けられ、該コネクター(73)が第1筐体内の回路基板(5)に接続される。
フレキシブルリード(7)の第2筐体側の端部には、コネクター(74)が設けられ、該コネクター(74)が第2筐体内のメインディスプレイ及びサブディスプレイに接続される。
【0025】
又、第1筐体(1)には、図5及び図7に示す様に、回路基板(5)の収容空間を防水するための防水栓(8)が設置されている。
防水栓(8)は、第1筐体(1)を構成するフロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間に挟持されており、フレキシブルリード(7)が、U字状折り返し部(71)と螺旋状巻き付け部(72)の間にて、防水栓(8)をバックキャビネット(15)側からフロントキャビネット(14)側へ貫通している。
【0026】
上記折り畳み式携帯電話機によれば、フレキシブルリード(7)の巻き付け部(72)が、第2筐体(2)を開くときの回転方向と同じ方向に巻き付けられており、回路基板(5)から引き出されたフレキシブルリード(7)を巻き付け部(72)へ繋げるための経路を形成するべく、シャーシ(17)のヒンジ軸(31)側の端部から回路基板(5)側へ充分に離れた位置に、折り返し部(71)が形成されているので、折り返し部(71)は、操作キー(12)及びその関連部品から充分に離間することになる。
【0027】
然も、フレキシブルリード(7)は、折り返し部(71)と巻き付け部(72)の間で防水栓(8)によって保持されることになるので、第2筐体(2)の開閉に伴ってフレキシブルリード(7)の折り返し部(71)が変位することはない。
従って、フレキシブルリード(7)の折り返し部(71)が操作キー(12)及びその関連部品と干渉することはない。
【0028】
上述の如く、本発明の一実施形態である折り畳み式携帯電話機においては、フレキシブルリード(7)の巻き付け部(72)を従来とは逆向きに巻き付けることによって、回路基板(5)上から巻き付け部(72)に至るフレキシブルリード(7)の経路を、回路基板(5)側へ寄せ、これによって、第1筐体(1)のヒンジ軸(31)側の端部に、操作キー(12)及びその関連部品を配備するための空間を確保している。
この様にして、第1筐体(1)の内部空間が有効に活用されている。
【0029】
又、防水栓(8)は、フロントキャビネット(14)とバックキャビネット(15)の間に挟持されているので、防水栓(8)を固定するための特別な固定部品は不要であり、これによって部品点数の削減が図られている。
【0030】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、第1筐体(1)と第2筐体(2)とが入れ替わった構成、即ち第2筐体(2)の内部に回路基板(5)が収容され、該回路基板(5)からフレキシブルリード(7)が引き出されている構成に本発明を実施することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
(1) 第1筐体
(14) フロントキャビネット
(15) バックキャビネット
(2) 第2筐体
(3) ヒンジ部
(31) ヒンジ軸
(5) 回路基板
(7) フレキシブルリード
(71) U字状折り返し部
(72) 螺旋状巻き付け部
(8) 防水栓
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の筐体がヒンジ軸を介して互いに開閉可能に連結され、一方の筐体の内部から他方の筐体の内部へ向けてフレキシブルリードが延びており、該フレキシブルリードは、前記ヒンジ軸の周囲に螺旋状に巻き付けられた巻き付け部を有している折り畳み式電子機器において、前記フレキシブルリードの巻き付け部は、ヒンジ軸の周囲に、前記一方の筐体側から他方の筐体側へ延びる経路において他方の筐体が開くときの回転方向と同一方向に巻き付けられていることを特徴とする折り畳み式電子機器。
【請求項2】
前記一方の筐体の内部には回路基板が設置され、該回路基板上から前記フレキシブルリードが引き出され、フレキシブルリードは、前記一方の筐体の内部にてヒンジ軸と直交する面内でU字状に屈曲する折り返し部を経て、前記螺旋状巻き付け部へ至っており、U字状折り返し部は、前記一方の筐体のヒンジ軸側の端部よりも回路基板側に位置している請求項1に記載の折り畳み式電子機器。
【請求項3】
前記一方の筐体のヒンジ軸側の端部には、少なくとも1つの部品が配置されている請求項1又は請求項2に記載の折り畳み式電子機器。
【請求項4】
前記一方の筐体には、回路基板の収容空間を防水するための防水栓が設置され、該防水栓は、前記一方の筐体を構成するフロントキャビネットとバックキャビネットの間に挟持され、該防水栓をフレキシブルリードがバックキャビネット側からフロントキャビネット側へ貫通している請求項1乃至請求項3の何れかに記載の折り畳み式電子機器。
【請求項5】
前記防水栓は、フレキシブルリードのU字状折り返し部と螺旋状巻き付け部の間に配置されている請求項4に記載の折り畳み式電子機器。
【請求項1】
一対の筐体がヒンジ軸を介して互いに開閉可能に連結され、一方の筐体の内部から他方の筐体の内部へ向けてフレキシブルリードが延びており、該フレキシブルリードは、前記ヒンジ軸の周囲に螺旋状に巻き付けられた巻き付け部を有している折り畳み式電子機器において、前記フレキシブルリードの巻き付け部は、ヒンジ軸の周囲に、前記一方の筐体側から他方の筐体側へ延びる経路において他方の筐体が開くときの回転方向と同一方向に巻き付けられていることを特徴とする折り畳み式電子機器。
【請求項2】
前記一方の筐体の内部には回路基板が設置され、該回路基板上から前記フレキシブルリードが引き出され、フレキシブルリードは、前記一方の筐体の内部にてヒンジ軸と直交する面内でU字状に屈曲する折り返し部を経て、前記螺旋状巻き付け部へ至っており、U字状折り返し部は、前記一方の筐体のヒンジ軸側の端部よりも回路基板側に位置している請求項1に記載の折り畳み式電子機器。
【請求項3】
前記一方の筐体のヒンジ軸側の端部には、少なくとも1つの部品が配置されている請求項1又は請求項2に記載の折り畳み式電子機器。
【請求項4】
前記一方の筐体には、回路基板の収容空間を防水するための防水栓が設置され、該防水栓は、前記一方の筐体を構成するフロントキャビネットとバックキャビネットの間に挟持され、該防水栓をフレキシブルリードがバックキャビネット側からフロントキャビネット側へ貫通している請求項1乃至請求項3の何れかに記載の折り畳み式電子機器。
【請求項5】
前記防水栓は、フレキシブルリードのU字状折り返し部と螺旋状巻き付け部の間に配置されている請求項4に記載の折り畳み式電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−244565(P2012−244565A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115507(P2011−115507)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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