説明

折り畳み椅子およびキャスター付き折り畳み椅子ならびに折り畳み椅子付き鞄

【課題】本発明が解決しようとする問題点は、主として、通勤・通学時等での電車待ちやイベントでの順番待ち等で疲れや体調の変調を来しその場に座りたくなる場合に、従来の簡易椅子の課題点を解決し、嵩張らず容易に携行し活用出来る折り畳み椅子を提供する。
【解決手段】椅子の脚部となる部位に一対をなすコの字形状部材10が2組用いられ且つ4個のコの字形状部材10の両端部が板状連結部材20により片側づつ連結されるとともに回動可能な状態で支承され、且つ、一対のコの字形状部材10を開脚状態にした場合に開脚形態を保持する為の開脚形態保持補助部材30がコの字形状部材10の側部に装着されているか装着出来る様になっていて、更に、2組の一対をなすコの字形状部材10を板状連結部材20の上下に開脚して椅子状にした場合に上部側の腰掛け時の尻受け部側に布状または網状に類する尻受け部材40が装着されていることを最も主要な特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳めば小型化出来るとともに開脚すれば椅子として活用出来て嵩張らず携行が容易な折り畳み椅子、および、椅子機能に付加して重量荷物等を持ち上げなくても移動することが出来る機能を有した嵩張らず携行が容易なキャスター付き折り畳み椅子、ならびに、前述の機能を有した嵩張らず携行が容易な折り畳み椅子付き鞄に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外において行動する場合において、途中で座りたくなる場合でも適当なベンチや椅子等が必ずしも近くに有るとは限らず、また、釣りやキャンプ等の屋外活動での腰掛けを必要とする場合を含めて、嵩張らず容易に持ち運べる簡易椅子の要望が有る。従来から、前述の要望に応えるいくつかの提案が既になされており、例えば、□型の部材を2個用いて中間部を回動可能に支承し脚部がX形状で上部側の腰掛け時の尻受け部に布状部材等を配設した簡易椅子が提案がなされ用いられて来ているが、□型部材を用いた簡易椅子では嵩張るという問題の解決策としては充分とは言えず、例えば、通勤・通学時等を含めた電車待ちやイベントでの順番待ち等で疲れていたり体調の変調を来し座りたくなっても其のために前述の□型部材を用いた簡易椅子を持ち運ぶことは負担感が大きく利用され難い。この様な要望を満たす提案として、例えば、非特許文献1,特許文献1等の様に、背負いの□型部材を用いた簡易椅子を付設したリュックサック、ナップサック等が提案され用いられて来てもいる。しかし、□型部材を用いた簡易椅子の嵩張るという短所は解消されていなく、背負い形態に留まっている様に見うけられる。また、別な観点から、例えば、特許文献2の様にステッキを利用した簡易組立椅子も提案されているが、ステッキは中高年や足等が不自由な人には必要であるが一般の通勤・通学者には必要が無く、また、非特許文献2,非特許文献3等の折り畳み傘の様な形態の折り畳み椅子も提案されているが、何れも携行が容易とは言い難く、前述の通勤・通学時等での座りたい要望への対応策としてわざわざ携行してその見返りの満足を得られる提案とは言い難いと考えられる。
【0003】
一方、海外旅行や営業での資料・サンプル等の携行の場合には荷物が多くなり嵩張り重量化するため、これを容易に移動させる手段が欲しいとの要望がある。その手段として、例えば、非特許文献4、特許文献3、特許文献4、等の幾多の提案が既になされていて、取っ手が伸縮可能で比較的大きなキャスター付きの鞄・バック等が評価され広く利用されて来ている。また、前述の手段に類似したものでキャスターと荷物受けと取っ手の骨組み部だけで鞄・バック等を着脱可能とした用具も提案されている。しかし、前述の用途は荷物が嵩張り重量化することが明確である用途であるため、従来の提案の多くは鞄・バック自体が嵩張る形態であり、非特許文献5の様な鞄部を折り畳み式にした様な嵩張りの課題を改善する提案もなされているが、何れの提案も嵩張る形態であり、通勤・通学等で用いられる鞄・バック等の代替とはなり難いとともに簡易椅子としても利用し難いと考えられ、通常の通勤・通学時等での時間・順番待ち等で近辺に座れる適当なベンチや椅子が無いが座りたくて椅子が欲しいという場合の要望に対応出来る提案とは言い難いと考えられる。
【0004】
この様なことから、屋外において行動する場合で、通勤・通学時等を含めた電車待ちや何かのイベントでの順番待ち等で列を外れることが出来ないのに疲れていたり体調の変調を来し座りたくなる場合や、釣りやキャンプ等の屋外活動での腰掛けを必要とする場合を含めて、従来の簡易椅子の嵩張るため携行が容易でないという課題点が解決出来て嵩張らず小型化出来て容易に携行出来る簡易椅子が望まれていると考えられる。
【0005】
また、当初は重量携行物は無く途中から重量携行物が生じる場合、若しくは、当初は重量携行物があり途中から重量携行物から解放される場合等で、重量携行物を持ち上げて運搬移動するのは苦痛を感じる場合に、持ち上げ運搬することなく転がし移動が出来るキャスター付き台車の代替が出来て其の目的が終了した場合には小型化出来て嵩張らず携行が容易な移動台車代替用具が望まれていると考えられる。
【特許文献1】特開2001−112541号公報
【特許文献2】特開2002−345519号公報
【特許文献3】特開2002−209621号公報
【特許文献4】特開2007−516035号公報
【非特許文献1】実用新案登録第3059706号公報
【非特許文献2】実開平05−091452号公報
【非特許文献3】実開平07−000141号公報
【非特許文献4】実用新案登録第3069293号公報
【非特許文献5】実用新案登録第3084659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする問題点は、通勤・通学時等を含めた電車待ちや何かのイベントでの順番待ち等で列を外れることが出来ないのに疲れていたり体調の変調を来しその場に座りたくなる場合や釣りやキャンプ等の屋外活動での腰掛けを必要とする場合を含めて簡易椅子を必要とする場合に、従来の簡易椅子の嵩張るため携行が容易ではないという課題点を解決し、折り畳めば小型化出来て嵩張らず携行が容易であり且つ開脚すれば即座に椅子として活用出来る折り畳み椅子を提供することにある。
【0007】
そして、前述の椅子機能に付加して、携行する荷物が重量になる場合や、当初は重量携行物は無く途中から重量携行物が生じる場合、若しくは、当初は重量携行物があり途中から重量携行物から解放される場合等で、従来のキャスター付きの鞄・バック等では鞄・バック等自体が大きく嵩張る形態であり持ち運びには煩わしさと負担を感ずるとともに椅子としての利用は困難であるという課題点を解決し、簡易椅子としての機能が発揮出来て且つキャスター付き台車の代替機能も発揮出来るとともに其の目的が終了した場合には折り畳み小型化が可能であり嵩張らず携行が容易なキャスター付き折り畳み椅子を提供することにある。
【0008】
更には、通勤・通学時等に嵩張らず容易に携行出来て座りたい場合には即座に簡易椅子として活用出来るとともに予め椅子の必要性が無いと分かっている場合には折り畳み椅子を外して鞄のみとしても活用出来る折り畳み椅子付き鞄、および、必要に応じて前述の椅子機能に付加してキャスター付き台車の代替機能も発揮出来て嵩張らず携行が容易であり前述の機能の必要性が無い場合は外して鞄のみとしても活用出来る折り畳み椅子付き鞄を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明の折り畳み椅子は、椅子の脚部となる部位に一対をなすコの字形状部材が2組用いられ且つ前記4個のコの字形状部材の両端部が板状連結部材により片側づつ回動可能な状態で支承されるとともに連結され、且つ、一対のコの字形状部材を開脚状態にした場合に開脚形態を保持する為の開脚形態保持補助部材がコの字形状部材の側部に装着されているか装着出来る様になっていて、更に、2組の一対をなすコの字形状部材を板状連結部材の上下に開脚して椅子状にした場合に上部側の腰掛け時の尻受け部側に布状または網状に類する尻受け部材が装着されていることを最も主要な特徴とする。
【0010】
付加して、前記コの字形状部材の4個全てが少なくとも脚部となる両側部が長尺の板状部材からなるとともに2組のコの字形状部材が重ね合わされた形態で一対をなしていて、且つ、各々のコの字形状部材の両側部に開脚形態保持補助部材が連結出来る様にするための開脚形態保持補助部材連結用孔が施されているとともに開脚形態保持補助部材には前記開脚形態保持補助部材連結用孔に嵌合出来る突起部が付設されていることを特徴とする。
【0011】
また、別の形態として、前述の最も主要な特徴に付加し、前記コの字形状部材の4個全てが少なくとも中間水平部の形状が円筒形状または円柱形状をなしているとともに板状連結部材にコの字形状部材支承部が一列状態で連結され且つ尻受け部側の一対が板状連結部材の中央側に配設されていて、且つ、前記形態保持補助部材の両端部近傍に孔が施されているとともにコの字形状部材の中間水平部側にある孔が回動可能な状態で支承され且つコの字形状部材の側部に付設されていて、更に、一対のコの字形状部材に付設される形態保持補助部材も一対をなしていて其の一対の形態保持補助部材を連結することにより開脚形態を保持する機能を発揮出来る形態であり且つ一対となる一方の形態保持補助部材には他方の形態保持補助部材の孔に対応する位置に突起部が追加して設けられていて開脚形態時には対応する孔と突起部を嵌合させて一体化して開脚形態保持機能を発揮出来る様になっており、更には、形態保持補助部材の支承されていない側の孔に対応するコの字形状部材の側部の位置に突起部が設けられていて閉脚した時には前記突起部と前記形態保持補助部材の孔とを嵌合させてコの字形状部材と形態保持補助部材とが一体化出来る様にもなっていることを特徴とする。
【0012】
そして、本発明のキャスター付き折り畳み椅子は、前記コの字形状部材の全てが少なくとも中間水平部の形状が円筒形状または円柱形状をなしているとともに板状連結部材に一列状態で連結され且つ尻受け部側の一対が板状連結部材の中央側に配設されている折り畳み椅子において、前記コの字形状部材の接地側の一対をなすコの字形状部材の中間水平部に外周を回動可能であり且つ一定位置で回動を止め固定出来る回動制御機構を有したキャスターが追加して各々の水平部分に2個ずつ配設されていることを特徴とする。
【0013】
そして、本発明の折り畳み椅子付き鞄は、鞄に前述の折り畳み椅子または前述のキャスター付き折り畳み椅子が着脱可能な形態で付設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通勤・通学時等を含めた電車待ちや何かのイベントでの順番待ち等で列を外れることが出来ないのに疲れていたり体調の変調を来しその場に座りたくなる場合や釣りやキャンプ等の屋外活動での腰掛けを必要とする場合を含めて簡易椅子を必要とする場合に、従来の簡易椅子の嵩張るため携行が容易ではないという課題点が解決出来て、折り畳めば小型化出来て嵩張らず携行が容易であり且つ開脚すれば即座に椅子として活用出来る折り畳み椅子が提供出来る様になる。
【0015】
そして、前述の椅子機能が発揮出来るとともに、携行する荷物が重量になる場合や、当初は重量携行物は無く途中から重量携行物が生じる場合、若しくは、当初は重量携行物があり途中から重量携行物から解放される場合等で、従来のキャスター付きの鞄・バック等では鞄・バック等自体が大きく嵩張る形態であり持ち運びには煩わしさと負担を感ずるとともに椅子としての利用は困難であるという課題点が解決出来て、簡易椅子としての機能が発揮出来て且つキャスター付き台車の代替機能も発揮出来るとともに其の目的が終了した場合には折り畳み小型化が可能であり嵩張らず携行が容易なキャスター付き折り畳み椅子が提供出来る様になる。
【0016】
更には、通勤・通学時等に嵩張らず容易に携行出来て座りたい場合には即座に簡易椅子として活用出来るとともに予め椅子の必要性が無いと分かっている場合には折り畳み椅子を外して鞄のみとしても活用出来る折り畳み椅子付き鞄、および、必要に応じて前述の椅子機能に付加してキャスター付き台車の代替機能も発揮出来て嵩張らず携行が容易であり前述の機能の必要性が無い場合は外して鞄のみとしても活用出来る折り畳み椅子付き鞄が提供出来る様になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態例を図を参照して説明する。
図1〜4は本発明の折り畳み椅子の一形態例の説明図であり、図5〜8は折り畳み椅子の他の一形態例の説明図である。図9〜12はキャスター付き折り畳み椅子の一形態例の説明図である。図13〜14は折り畳み椅子付き鞄の一形態例の説明図であり、図15〜16は折り畳み椅子付き鞄の他の一形態例の説明図である。
【0018】
[実施例1]
本発明の折り畳み椅子の実施の形態例を図を参照して説明する。先ず、折り畳んだ場合に嵩張らず小型化される優位性およびコスト優位性の観点からの実施の一形態例を説明する。
本発明折り畳み椅子1は、主要部が、図1〜4に示す様に、椅子の脚部となる部位に一対をなすコの字形状部材10、10が2組用いられていて、コの字形状部材10の4個全てが少なくとも脚部となる両側部が長尺の板状部材からなっている。そして、4個のコの字形状部材10の両端部が板状連結部材20により片側づつ連結されるとともに回動可能な状態で支承され且つ2組のコの字形状部材10が重ね合わされた形態で一対をなしている。そして、一対のコの字形状部材10を開脚状態にした場合に開脚形態を保持する為の開脚形態保持補助部材30がコの字形状部材10の側部に装着出来る様になっている。そして、2組の一対をなすコの字形状部材10を板状連結部材20の上下に開脚して椅子状にした場合に上部側の腰掛け時の尻受け部側に布状または網状に類する尻受け部材40が装着されている。そして、各々のコの字形状部材10の両側部に開脚形態保持補助部材30が連結出来る様にするための開脚形態保持補助部材連結用孔11が施されているとともに開脚形態保持補助部材30には開脚形態保持補助部材連結用孔11に嵌合出来る突起部32が付設されている。また、折り畳み椅子1が折り畳まれた状態の時には、開脚形態保持補助部材30は着脱機能部材80により着脱可能な形態でコの字形状部材10の中間水平部に付設出来る様になされていることが好ましい。着脱機能部材80としては、例えば、面ファスナー(例えば、マジックロック(商標)、スコッチメイト(商標)等)が考えられ、相対するコの字形状部材10の中間水平部と開脚形態保持補助部材30の一面に一対の面ファスナーを付設すれば着脱が可能となる。これにより、図1〜3に示す様に、折り畳めば非常に小型化出来て嵩張らず、しかも、図4に示す様に、開脚すれば開脚形態保持も出来るので簡易椅子となり所要の場所で椅子として容易に利用が出来るので、嵩張らず携行が容易な折り畳み椅子が提供出来る様になる。
【0019】
[実施例2]
実施例1の折り畳み椅子は折り畳んだ場合に嵩張らず小型化される優位性は有るが、コの字形状部材が板状部材のため座った場合に角張った感触を受けるのは否めないとともにコの字形状部材の横方向の外力への剛性を高めるためには部材の板厚等を大きくする必要が生じ重量が増大する可能性があるとともに他の機能を付加することは容易ではない。この様なことから、次に、剛性を高める観点や他の機能を付加することを容易にする観点からの実施の一形態例を説明する。
本発明折り畳み椅子1は、主要部が、図5〜8に示す様に、前述の実施例1と同様に椅子の脚部となる部位に一対をなすコの字形状部材10、10が2組用いられているとともに全てのコの字形状部材10が両端部近傍を以外の部分の形状が円筒形状または円柱形状をなしていて、4個のコの字形状部材10の両端部が板状連結部材20により片側づつ回動可能な状態で支承され連結されるとともに板状連結部材20にコの字形状部材支承部21が一列状態で連結され且つ尻受け部側の一対が板状連結部材20の中央側に配設されている。そして、一対のコの字形状部材10を開脚状態にした場合に開脚形態を保持する為の開脚形態保持補助部材30がコの字形状部材10の側部に装着されている。そして、開脚形態保持補助部材30には両端部近傍に孔31が施されているとともにコの字形状部材10の中間水平部側にある孔31が回動可能な状態で支承されていて且つコの字形状部材10の側部に付設されている。そして、一対のコの字形状部材10に付設される形態保持補助部材30も一対をなしていて其の一対の形態保持補助部材30、30を連結することにより開脚形態を保持する機能を発揮出来る形態であり一対となる一方の形態保持補助部材30に他方の形態保持補助部材30の孔31に対応する位置に突起部32が追加して設けられていて開脚形態時には対応する孔31と突起部32を嵌合させて一体化して開脚形態保持機能を発揮出来る様になっている。また、形態保持補助部材30の支承されていない側の孔31に対応するコの字形状部材10の側部の位置に突起部13を設けて、閉脚した場合には、該突起部13と形態保持補助部材の孔31とを嵌合させてコの字形状部材10と形態保持補助部材30とが一体化出来る様にもなっている。これにより、図5〜7に示す様に、折り畳めば小型化出来て嵩張らず、コの字形状部材10の剛性も容易に高めることが出来、しかも、図8に示す様に、開脚すれば開脚形態保持も出来るので簡易椅子となり所要の場所で椅子として容易に利用が出来るので、嵩張らず携行が容易な折り畳み椅子が提供出来る様になる。
【0020】
[実施例3]
次に、本発明のキャスター付き折り畳み椅子の実施の一形態例を説明する。
本発明キャスター付き折り畳み椅子2は、図9〜12に示す様に、前述のコの字形状部材10が円筒形状または円柱形状をなしているとともに板状連結部材20にコの字形状部材支承部21が一列状態で連結され且つ尻受け部側の一対が板状連結部材20の中央側に配設されている折り畳み椅子1において、接地側の一対をなすコの字形状部材10の中間水平部に外周を回動可能であり且つ一定位置で回動を止め固定出来る回動制御機構51を有したキャスター50が追加して各々の水平部分に2個ずつ配設されている。これにより、図9に示す様に、折り畳んでキャスター50を内側の邪魔にならない位置で回動制御機構51により固定すれば小型化出来て嵩張らず、しかも、図10に示す様に、開脚してキャスター50を上向きで位置固定すれば、滑り移動の恐れの無い椅子として利用出来ると共に、図11〜12に示す様に、一対となる2組のコの字形状部材10を同方向で開脚し、キャスターを接地側で固定すれば、尻受け部側の一対のコの字形状部材10が受木の役目を果たし荷物・鞄等60を乗せることが出来るので移動台車代替用具として利用出来るし、移動時に荷物・鞄等60のずれる恐れがある場合には必要に応じてずれ防止対策として留め付けバンド61と緩衝部材62を用いれば良く、嵩張らず携行が容易でしかも複数の用途機能を発揮するキャスター付き折り畳み椅子が提供出来る様になる。
【0021】
[実施例4]
次に、本発明の折り畳み椅子付き鞄の実施の形態例を図を参照して説明する。先ず、折り畳んだ場合に嵩張らず小型化される優位点からの観点からの一形態例を説明する。
本発明折り畳み椅子付き鞄3は、図13〜14に示す様に、鞄70に前述の実施例1に示した折り畳み椅子1が着脱機能部材80により着脱可能な形態で付設されている。着脱機能部材80としては、例えば、面ファスナー(例えば、マジックロック(商標)、スコッチメイト(商標)等)が考えられ、相対する鞄70の表面と板状連結部材20の裏面の両面に一対の面ファスナーを付設すれば着脱が可能となる。これにより、通勤・通学時等にも嵩張ることなく容易に携行出来て座りたい時に即座に利用することが出来る折り畳み椅子付き鞄が提供出来る様になる。また、折り畳み椅子1の付設を着脱可能とすることにより、予め前述の機能を必要としないことが判断される場合には折り畳み椅子1を外して鞄70だけを携行することも出来る。そして、折り畳み椅子1を付設し露出のまま携行すると、見場も悪いし、コの字形状部材10の揺れ抑制も兼ねて、図14に示す様に、両端部に着脱機能部材80が付設されている着脱可能な形態の掩蔽部材90を用いて、少なくとも、コの字形状部材10の中間の水平部を掩蔽出来る様にすることが好ましい。脱機能部材80としては、前述の面ファスナーが用いられても良く、その他にも前述の着脱可能な形態の目的が達成出来るものであれば限定されない。
【0022】
[実施例5]
次に、次に、本発明の折り畳み椅子付き鞄の折り畳み椅子1の剛性を高める観点と複数の機能を発揮出来る様にする観点からの実施の一形態例を説明する。
本発明折り畳み椅子付き鞄3は、主要部が、図15〜16に示す様に、鞄70に前述の実施例3に示したキャスター付き折り畳み椅子2が付設されている。そして、鞄70へのキャスター付き折り畳み椅子2の付設は、着脱可能な機能を発揮する着脱機能部材80を用いて着脱可能な形態での付設されている。着脱機能部材80としては、例えば、前述の面ファスナーを用いれば良い。これにより、通勤・通学時等にも嵩張ることなく容易に携行出来て、座りたい時や鞄が重量になった場合には前述のキャスター付き折り畳み椅子2の機能を即座に利用することが出来る折り畳み椅子付き鞄が提供出来る様になる。また、キャスター付き折り畳み椅子2の付設を着脱可能とすることにより、予め前述の機能を必要としないことが判断される場合にはキャスター付き折り畳み椅子2を外して鞄70だけを携行することも出来る。そして、キャスター付き折り畳み椅子2を付設し露出のまま携行すると、見場も悪いし、コの字形状部材10の揺れ抑制も兼ねて、図16に示す様に、前述に実施例4に示したものと同様な着脱可能な形態の掩蔽部材90を用いて、少なくとも、コの字形状部材10の中間の水平部を掩蔽出来る様にすることが好ましい。
【0023】
以下、主要な部位・部材等について特記すべきことを記載する。
コの字形状部材10は、材質としては、鋼材、ステンレス材又は非鉄金属材・合金材等が好適と考えられるが、高強度で耐久性を有するエンジニアリングプラスチック及びFRPやCFRP等のプラスチック複合材等も用いることが出来て、前述以外の材質でも本発明の目的を達成出来るものであれば限定されない。そして、寸法規模に関しては、用いる材質および荷重条件等を勘案し適宜設定されて良く、基本的には本発明の目的を達成出来れば限定されないが、例えば、断面が円形の場合には、直径で約10〜20mm程度の範囲で設定されることが好ましく、脚部となる両側部の長さは約15〜30cm程度の範囲で設定されることが好ましく、中間水平部の長さは鞄等に付設する場合には鞄等の寸法から導き出されるが通常においては約40〜60cm程度の範囲で設定されるのが好ましい。また、開脚時の開脚角度は両側に各々約20〜30度程度の範囲とすることが好ましい。そして、両端の支承部及び開脚形態保持補助部材30の支承・留め付け部には必要に応じて端部補強部材13および中間部補強部材14を付設して補強することも好ましい。また、形態保持補助部材支承部11の外部側は安全面の観点から球面の一部形状に類した形状とすることが好ましい。そして、突起部12は開脚形態保持補助部材30の孔31と連関するが、孔31への挿入の容易化と安全面の観点から球面の一部形状に類した形状とすることが好ましく円柱部は開脚形態保持補助部材30の厚み以上の寸法に設定される。
【0024】
板状連結部材20は、材質としてはコの字形状部材10に記載したものから適宜選定され用いられれば良い。また、寸法規模は荷重条件等を勘案して設定されコの字形状部材10寸法にも連関するが、巾は約25〜50mm程度の範囲で設定され長さは約70〜140mm程度の範囲で設定されることが好ましく、両端部は半円形状とするのが好適である。そして、板状連結部材20の用い方としては、図2(A)、図3(C)に示す様に、板状連結部材20を2枚を用いてコの字形状部材10の端部を両側から挟む様にしてコの字形状部材支承部21で連結し支承する形態が好ましいが、図2(B)、図3(D)に示す様に、板状連結部材20を1枚を用いてコの字形状部材支承部21をリベット留めの様な形態でコの字形状部材10の端部を連結し支承する形態も考えられる。また、コの字形状部材10の脚部となる両側部が長尺の板状部材からなっている場合には、図3に示す様に、内外のコの字形状部材10、10の端部の間にコの字形状部材間隔保持部材22を配設してコの字形状部材10、10の間に間隙を確保出来る様にすることが開脚・閉脚を容易にする観点から好ましい。
【0025】
開脚形態保持補助部材30は、材質としてはコの字形状部材10に記載したものから適宜選定され用いられれば良い。また、寸法規模はコの字形状部材10の寸法、材質、開脚角度、連結方法等にも連関し其れを勘案し適宜設定されて良いが、巾は約10〜20mm程度の範囲で設定されるのが好ましい。そして、孔31は直径が約3〜6mm程度の範囲で設定されるのが好ましく、突起部32は突端部は孔31への挿入の容易化と安全面の観点から球面の一部形状に類した形状とすることが好ましく円柱部は開脚形態保持補助部材30の厚み以上の寸法に設定される。また、コの字形状部材10の断面が円形の場合には、孔31と突起部32の嵌合箇所は1箇所でも良いが一体化を強固にする観点から2箇所とする方が好ましい。
【0026】
尻受け部材40は、両端部が一対のコの字形状部材10と連結されていて、折り畳める様な形態のものであり、シート状のものでも良く、材質としては植物性繊維、化学繊維、皮革、合成皮革等が考えられるが、本発明の目的を達成出来るものであれば限定されない。
【0027】
キャスター50は、車輪を有するもので本発明に適用出来るものであれば限定されない。そして、コの字形状部材10の中間水平部の外周を回動可能とするためには、例えば、二重管形態にして外部側管にキャスター50を固設する方法が考えられるが、他の方法でも本発明に適用出来るものであれば限定されない。また、キャスター50の回動と位置固定を自在とする回動制御機構51としては、前記外部側管に雄・雌螺子に類する一対のものを付設し雄螺子の突端部に対面する外部側管の部分に貫通孔を施し雄螺子の移動で制御する方法が考えられ、当該方法ではキャスター50を固定する必要のある位置で雄螺子の突端部に対面するコの字形状部材10の中間水平部にも貫通孔を設けことがキャスター50の位置固定を確実強固にする観点から好ましい。尚、回動制御機構51の本発明の目的を達成出来る制御機構であれば前述の例に限定されない。また、キャスター50の横ずれ防止策としては、図9〜12に示す様に、例えば、前記外部側管と同様な管形態をしたずれ止め部材52を両側に固設する方法が考えられるが、他の方法でも良く前述の方法には限定されない。
【0028】
荷物留め付けバンド61は、両端部にコの字形状部材10の突起部12に嵌合出来る孔が設けられたもので長さ調整出来る形態のものが好ましく、材質としては目的を達成出来る材質であれば限定されないが、出来れば、伸縮性を有するゴム材等が好ましい。また、緩衝部材62は、板状連結部材20と荷物・鞄等60の隙間を充填しずれ防止出来るものであれば限定されないが、緩衝部材62の脱落防止対策を考慮した形態のものが好ましく、簡便な脱落防止対策としては上部側に板状連結部材20へ乗せられる部分を設けることが簡単かつ有効であると考えられる。
【0029】
鞄70は、キャスター付き折り畳み椅子2が着設出来る形態のものなら限定はされないが厚み寸法が着設する板状連結部材20の長さより大きい方が好ましい。また、着設した板状連結部材20の上部に肩掛け用吊り輪72を付設し鞄を肩掛け出来る様にした形態のものが携行を容易にする観点から好ましい。
【0030】
着脱機能部材80としては、前述の面ファスナーだけに限らず、開脚形態保持補助部材30をコの字形状部材10の中間水平部着脱可能な形態で付設に付設する場合には、マグネット等利用した方式でも良く、鞄70に折り畳み椅子1またはキャスター付き折り畳み椅子2が着脱可能な形態で付設する場合には、嵌合出来る一対の凹凸部材の組み合わせ方式やホックとホック受け方式等でも良く、鞄70に掩蔽部材90を着脱可能な形態で付設する場合には、スライドファスナー方式、ボタンとボタン受け孔方式、ホックとホック受け方式等でも良く、本発明の目的を達成出来る着脱機能を発揮出来るものであれば限定されない。
【0031】
掩蔽部材90は、布状に類するものであれば限定されないが、出来るだけ透明でないものが好ましい。また、コの字形状部材10の側部の脚部となる部分の一部も掩蔽出来る様ににすることがより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の折り畳み椅子の一形態例の説明図であり、本装置を折り畳んだ形態の正面図である。
【図2】側面図であり、(A)は図1の例の側面図、(B)はコの字形状部材支承部をリベット留めの様な形態にした場合の側面図である。
【図3】平面図であり、(C)は図1の例の平面図、(D)はコの字形状部材支承部をリベット留めの様な形態にした場合の平面図である。
【図4】図1の例の開脚し椅子状にした形態の側面図
【図5】本発明の折り畳み椅子の他の一形態例の説明図であり、本装置を折り畳んだ形態の正面図である。
【図6】図5の例の側面図
【図7】図5の例の平面図
【図8】図5の例の開脚し椅子状にした形態の側面図
【図9】キャスター付き折り畳み椅子の一形態例の説明図であり、本装置を折り畳んだ形態の側面図である。
【図10】図5の例の開脚して椅子状にした形態の側面図
【図11】図5の例の開脚して荷物・鞄等を転がし移動する場合の形態の正面図
【図12】図11の場合の例の側面図
【図13】折り畳み椅子付き鞄の一形態例の説明図であり、正面図である。
【図14】図13の例の側面図
【図15】折り畳み椅子付き鞄の他の一形態例の説明図であり、正面図である。
【図16】図15の例の側面図
【符号の説明】
【0033】
1 ;本発明の折り畳み椅子
2 ;本発明のキャスター付き折り畳み椅子
3 ;本発明の折り畳み椅子付き鞄
10 ;コの字形状部材
11 ;開脚形態保持補助部材連結用孔
12 ;形態保持補助部材支承部
13 ;突起部
14 ;端部補強部材
15 ;中間部補強部材
20 ;板状連結部材
21 ;コの字形状部材支承部
22 ;コの字形状部材間隔保持部材
30 ;開脚形態保持補助部材
31 ;孔
32 ;突起部
40 ;尻受け部材
50 ;キャスター
51 ;回動制御機構
52 ;ずれ止め部材
60 ;荷物・鞄等
61 ;留め付けバンド
62 ;緩衝部材
70 ;鞄
71 ;手提げ取っ手
72 ;肩掛け用吊り輪
73 ;スライドファスナー
80 ;着脱機能部材(面ファスナー等)
90 ;掩蔽部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子の脚部となる部位に一対をなすコの字形状部材が2組用いられ且つ前記4個のコの字形状部材の両端部が板状連結部材により片側づつ回動可能な状態で支承されるとともに連結され、且つ、一対のコの字形状部材を開脚状態にした場合に開脚形態を保持する為の開脚形態保持補助部材がコの字形状部材の側部に装着されているか装着出来る様になっていて、更に、2組の一対をなすコの字形状部材を板状連結部材の上下に開脚して椅子状にした場合に上部側の腰掛け時の尻受け部側に布状または網状に類する尻受け部材が装着されていることを特徴とする折り畳み椅子。
【請求項2】
前記コの字形状部材の4個全てが少なくとも脚部となる両側部が長尺の板状部材からなるとともに2組のコの字形状部材が重ね合わされた形態で一対をなしていて、且つ、各々のコの字形状部材の両側部に開脚形態保持補助部材が連結出来る様にするための開脚形態保持補助部材連結用孔が施されているとともに開脚形態保持補助部材には前記開脚形態保持補助部材連結用孔に嵌合出来る突起部が付設されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み椅子。
【請求項3】
前記コの字形状部材の4個全てが少なくとも中間水平部の形状が円筒形状または円柱形状をなしているとともに板状連結部材にコの字形状部材支承部が一列状態で連結され且つ尻受け部側の一対が板状連結部材の中央側に配設されていて、且つ、前記形態保持補助部材の両端部近傍に孔が施されているとともにコの字形状部材の中間水平部側にある孔が回動可能な状態で支承され且つコの字形状部材の側部に付設されていて、更に、一対のコの字形状部材に付設される形態保持補助部材も一対をなしていて其の一対の形態保持補助部材を連結することにより開脚形態を保持する機能を発揮出来る形態であり且つ一対となる一方の形態保持補助部材には他方の形態保持補助部材の孔に対応する位置に突起部が追加して設けられていて開脚形態時には対応する孔と突起部を嵌合させて一体化して開脚形態保持機能を発揮出来る様になっており、更には、形態保持補助部材の支承されていない側の孔に対応するコの字形状部材の側部の位置に突起部が設けられていて閉脚した時には前記突起部と前記形態保持補助部材の孔とを嵌合させてコの字形状部材と形態保持補助部材とが一体化出来る様にもなっていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み椅子。
【請求項4】
請求項3に記載の折り畳み椅子において、前記コの字形状部材の接地側の一対をなすコの字形状部材の中間水平部に外周を回動可能であり且つ一定位置で回動を止め固定出来る回動制御機構を有したキャスターが追加して各々の水平部分に2個ずつ配設されていることを特徴とするキャスター付き折り畳み椅子。
【請求項5】
鞄に請求項2または請求項3に記載の折り畳み椅子もしくは請求項4に記載のキャスター付き折り畳み椅子が着脱可能な形態で付設されていることを特徴とする折り畳み椅子付き鞄。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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