説明

押し出し桁の後方支持装置及び押し出し架設方法

【課題】コンクリート桁の押し出し架設方法において、新たにコンクリートが打設された施工ブロックの重量を簡単な構造で支持し、既設の施工ブロックと一体となった橋桁を前方に押し出す。
【解決手段】新たにコンクリートが打設された新設ブロック3の上面に、後方突出ガーダー21を後方に突出させて固定する。新設ブロック3の後方には支持体24を設置し、上部ローラ26を介して後方突出ガーダーを支持する。これにより、新設ブロックの前方に支持されて連続する既設ブロック2と上記支持体とによって新設ブロックの重量が支持される。既設ブロックと新設ブロックとが連続して一体となった橋桁1は、既設ブロックを支持している桁送り出し装置10の駆動により前方に押し出され、後方突出ガーダーは支持体に支持された状態で上部ローラ上を移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリートからなる橋桁を施工ブロック毎に順次製作し、この橋桁を軸線方向に押し出して架設するために用いられる押し出し桁の後方支持装置、及びこれを用いた押し出し架設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート橋梁の架設方法のひとつに押し出し工法がある。この架設方法は、橋桁を架設する位置に近接して桁製作ヤードを設け、この桁製作ヤードでコンクリートを施工ブロック毎に順次に打ち継いで橋桁を製作する。そして、施工ブロックを打ち継ぐ毎に橋桁を押し出して所定の位置に設置するものである。
この橋桁を押し出す方法には、例えば、特許文献1に記載されているように、押し出す力の反力を集中させる反力集中式押し出し方法と反力を分散させる反力分散式押し出し方法との二つの方法が主に用いられている。
【0003】
反力集中式押し出し方法は、位置を固定して設けられた複数の滑り支承の上に橋桁を載置し、橋桁の所定の位置に押し出し方向の力を作用させる。これにより、滑り支承の上を滑らせて橋桁を所定位置まで移動させるものである。反力分散式押し出し方法は、橋桁を鉛直方向に持ち上げることができる鉛直ジャッキと、橋桁を支持した状態で水平方向に移動する移動支承と、この移動支承を駆動する水平ジャッキとからなる桁送り出し装置を複数用い、移動支承上に橋桁を載置して移動する。そして、複数の鉛直ジャッキで橋桁を一旦持ち上げた後、水平ジャッキ及び移動支承を後退させ、移動支承上に橋桁を乗せ換える。これらの工程を繰り返すことによって橋桁を押し出すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−52338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来の方法では、次のような問題点がある。
図8に示すように、桁製作ヤード105で新たに製作される新設ブロック101は、既にコンクリートが打設され硬化している既設ブロック102と連続するようにコンクリートが打設され、一体とされる。そして、コンクリートが硬化した後、この新設ブロック101の底部の型枠103を取り外すときに、新設ブロック部分の重量を支持するために、支承体を設ける必要がある。一般に、反力分散式押し出し工法では、鉛直ジャッキと水平ジャッキと移動支承とを有する桁送り出し装置104が支承体として用いられる。また、反力集中式押し出し工法では滑り支承が支承体とされる。
【0006】
このような支承体は、底部の型枠103を脱型する前、つまり底部の型枠103に新設ブロック101の重量が負荷されている状態で設置し、新設ブロック101の重量を型枠103に代えて負荷させるように設置しなければならない。したがって、底部型枠の一部を解体可能に形成しておき、コンクリートが硬化した後にこの部分のみを解体して支承体を設置する必要がある。つまり、型枠の一部を容易に解体可能に構成するとともに、その他の新設ブロックの重量を支持している部分はそのまま維持できる構造としなければならない。このような型枠では、支承体を設置するために解体する部分の剛性不足や、解体する領域と他の領域との目違い等が生じ易くなる。剛性不足によるたわみや目違いが型枠に生じると、形成された桁は下面の平坦性が確保されにくい。橋桁の下面が平坦でないと、押し出し架設中に反力が偏って作用し、コンクリートの剥落やクラックが生じやすくなる。
また、上記のように一部の型枠のみが解体可能となった構造の製作や一部の型枠を解体して支承体を設置する工程には多くの作業を要する。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たにコンクリートが打設された施工ブロックの重量を簡単な構造で支持し、既設の施工ブロックと一体となった橋桁を前方に押し出すことができる押し出し桁の後方支持装置、及びこれを用いた押し出し架設方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 既に形成されて桁製作ヤードの前方側で支持される既設ブロックと、前記桁製作ヤード上で前記既設ブロックと連続するようにコンクリートを打設して形成された新設ブロックとからなる橋桁を、前方へ押し出して所定の位置に架設する押し出し架設方法で用いられ、 前記新設ブロックの上面に固定され、該新設ブロックの後方へ突き出した後方突出ガーダーと、 前記新設ブロックの後端面より後方に設けられ、前記後方突出ガーダーが前記新設ブロックとともに前方へ移動することが可能となるように該後方突出ガーダーを支持する支持体と、を備えることを特徴とする押し出し桁の後方支持装置を提供する。
【0009】
この押し出し桁の後方支持装置では、桁製作ヤード上で製作された新設ブロックの後部の重量を、後方突出ガーダー及び支持体を介して新設ブロックの後方で支持することができる。そして、新設ブロックの前方側に連続する既設ブロックは、従来の押し出し工法で用いられている滑り支承又は桁送り出し装置等によって支持され、新設ブロックとともに前方に押し出されることができる。このように新設ブロックが桁製作ヤード上で前方に移動するときにも、新設ブロックの後方部分は、支持体上を移動する後方突出ガーダーを介して桁製作ヤードの後方で支持される。したがって、型枠が設けられた領域では、新設ブロックを脱型するときに、新設ブロックを移動可能に支持するための支承体等を設ける必要はなく、型枠を簡単な構造とすることができる。これにより、型枠の組み立て及び脱型等が少ない労力で可能になるとともに、脱型前に支承体で新設ブロックの重量を受け換える等の作業も不要となる。また、底部の型枠を簡単な構造とすることができるので、コンクリートの打設によって形成された桁の下面の平坦性を向上することが容易となり、押し出し時に桁の重量を支持する位置が順次移動しても局部的に大きな応力が発生するのを抑制することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の押し出し桁の後方支持装置において、 前記橋桁は、上下方向に駆動されて前記橋桁を支持することができる鉛直ジャッキと、台座上で前方及び後方への往復移動が可能に設けられ、前記橋桁を支持して前方へ移動する移動支承と、該移動支承を駆動する水平ジャッキとを備える桁送り出し装置に支持されて、前方に押し出されるものであり、 前記支持体は、後端用鉛直ジャッキを介して前記後方突出ガーダーを支持するものであり、 該後端用鉛直ジャッキは、前記桁送り出し装置の前記鉛直ジャッキの駆動に連動して上下方向に駆動されるものであるものとする。
【0011】
上記桁送り出し装置で橋桁を押し出すときには、鉛直ジャッキで橋桁を押し上げて支持した状態で移動支承が後方へ移動する。そして、鉛直ジャッキを下降させて橋桁を移動支承上に支持させた状態で、水平ジャッキが移動支承を前方に移動させる。したがって、橋桁は上記鉛直ジャッキの動作にしたがって上下方向に変位する。
本請求項に係る後方支持装置は、後端用鉛直ジャッキが桁送り出し装置の鉛直ジャッキの駆動と連動して新設ブロックを上下に変位させるので、新設ブロックと既設ブロックとが連続した橋桁の支持位置に不等変位が生じるのを抑制することができる。したがって、橋桁に大きな不静定力が発生するのを防止し、安全に橋桁を押し出すことができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の押し出し桁の後方支持装置において、 前記支持体は、上部に上部ローラが備えられており、 該上部ローラを介して前記後方突出ガーダーを支持するものとする。
【0013】
この後方支持装置では、後方突出ガーダーが上部ローラの上を移動するので、既設ブロックの前方への押し出しに従動して新設ブロック及び後方突出ガーダーが円滑に軸線方向の前方へ移動する。したがって、支持体に大きな水平力が作用することはなく、新設ブロックの後方を安定して支持することができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、 既に形成されて桁製作ヤードの前方側で支持される既設ブロックと、前記桁製作ヤード上で前記既設ブロックと連続するようにコンクリートを打設して形成された新設ブロックとからなる橋桁を、前方へ押し出して所定の位置に架設する押し出し架設方法で用いられ、 前記新設ブロックの上面に固定され、該新設ブロックの後方へ突き出した後方突出ガーダーと、 前記新設ブロックの後端面より後方に設けられ、前記橋桁の前方への移動にともない、前記後方突出ガーダーを支持した状態で該後方突出ガーダーとともに前進移動する支持体と、を備えたことを特徴とする押し出し桁の後方支持装置を提供する。
【0015】
この後方支持装置では、請求項1に係る発明の後方支持装置と同様に、新設ブロックの後部を後方突出ガーダー及び支持体を介して新設ブロックの後方で支持することができる。これにより型枠が設けられた領域では、新設ブロックを脱型するときに、新設ブロックを移動可能に支持するための支承体等を設ける必要はなく、型枠を簡単な構造とすることができる。そして、新設ブロックと既設ブロックとが連続した橋桁を押し出すときには、支持体が後方突出ガーダーを介して新設ブロックの後部を支持したまま前方に走行移動する。したがって、後方突出ガーダーの張り出し長を短くすることができ、新設ブロックを安定した状態で支持することができる。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の押し出し桁の後方支持装置において、 前記支持体は、下部に下部ローラが備えられており、 該下部ローラが前記桁製作ヤード上を走行するものとする。
【0017】
この後方支持装置では、橋桁を前方に押し出すときに、下部ローラにより支持体が安定して小さな抵抗で走行し、安全に橋桁を押し出すことができる。
【0018】
請求項6に係る発明は、 既に形成されて桁製作ヤードの前方側で支持される既設ブロックと連続するようにコンクリートを打設して新設ブロックを形成し、該新設ブロックと前記既設ブロックとが一体となった橋桁を形成する工程と、 前記新設ブロックの上面に、後方突出ガーダーを該新設ブロックの後方へ突き出した状態で固定する工程と、 前記新設ブロックの後端面より後方に、前記新設ブロックとともに前記後方突出ガーダーが前方へ移動可能となるように該後方突出ガーダーを支持する支持体を設ける工程と、 前記新設ブロックの後部を前記後方突出ガーダーを介して前記支持体で支持するとともに、前記既設ブロックを支持した状態で、前記橋桁を前方に押し出す工程とを含むことを特徴とする押し出し架設方法を提供する。
【0019】
この押し出し架設方法では、既設ブロックと新設ブロックとが連続して一体となった橋桁の新設ブロックの後部は、この新設ブロックの後方に設けられた支持体により、後方突出ガーダーを介して支持される。そして、新設ブロックの後部が支持された状態で橋桁を押し出すことができる。したがって、新設ブロックのコンクリートを打設した後、桁製作ヤード上の型枠が設けられた範囲に支承体等を設けることなく、脱型することができる。したがって、型枠の組み立て及び脱型等が少ない労力で可能になるとともに、脱型前に支承体で新設ブロックの重量を受け換える等の作業も不要となる。また、底部の型枠を簡単な構造とすることができる。
【0020】
請求項7に係る発明は、 既に形成されて桁製作ヤードの前方側で支持される既設ブロックと連続するようにコンクリートを打設して新設ブロックを形成し、該新設ブロックと前記既設ブロックとが一体となった橋桁を形成する工程と、 前記新設ブロックの上面に、後方突出ガーダーを該新設ブロックの後方へ突き出した状態で固定する工程と、 前記新設ブロックの後端面より後方に、前記後方突出ガーダーを支持して前記製作ヤード上を走行可能な支持体を設ける工程と、 前記後方突出ガーダー及びこれを支持する支持体とともに、前記橋桁を前方に押し出す工程とを含むことを特徴とする押し出し架設方法を提供する。
【0021】
この押し出し架設方法では、請求項6に係る発明の桁押し出し工法と同様に、新設ブロックの後部の重量を後方突出ガーダー及び支持体を介して支持し、桁製作ヤード上の型枠が設けられた範囲に支承体等を設けることなく、脱型することができる。したがって、型枠の組み立て及び脱型等が少ない労力で可能になるとともに、脱型前に支承体で新設ブロックの重量を受け換える等の作業も不要となる。また、底部の型枠を簡単な構造とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
上記のように、本願発明に係る押し出し桁の後方支持装置及びこれを用いた押し出し架設方法では、既設ブロックに連続して一体となるように形成された新設ブロックを該新設ブロックの後方で支持して押し出すことができる。これにより、桁製作ヤード上の型枠を設ける範囲に支承体等を設ける必要がなく、新設ブロックを形成するための型枠を簡単な構造とすることができる。したがって、型枠の組み立て及び脱型等が少ない労力で可能になるとともに、脱型前に支承体で新設ブロックの重量を受け換える等の作業も不要となり、省力化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本願発明に係る後方支持装置を用いて橋桁を架設する状態を示す概略側面図である。
【図2】図1に示す橋桁及びこの橋桁を形成するための型枠の概略断面図である。
【図3】図1に示す橋桁を押し出すための桁送り出し装置の構成及び動作を示す概略図である。
【図4】本願発明の一実施形態である後方支持装置を示す概略側面図である。
【図5】図4に示す後方支持装置を用いて橋桁を押し出す状態を示す概略図である。
【図6】図4に示す後方支持装置を用いて橋桁を押し出す状態を示す概略図である。
【図7】本願発明の第2の実施形態である後方支持装置を示す概略側面図である。
【図8】従来の押し出し架設方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明に係る後方支持装置を用いて橋桁を架設する状態を示す概略側面図である。
この橋桁1は、プレストレストコンクリートで形成されるものであり、橋台Aとこれに対向するもう一つの橋台(図示しない)との間に複数の橋脚Pを設け、これらの上に押し出し架設工法により架設される。
押し出し工法は、鉄道線路、交通量の多い道路、又は河川等、上方での作業を極力低減する必要がある位置を跨ぐように橋桁を架設する場合に適した工法であり、橋桁1は架設位置の後方に設けられた桁製作ヤード4で製作される。
本実施の形態では、桁製作ヤード4は橋台Aの後方に設けられた仮支柱6に隣接して設けられており、桁製作ヤード4の後方には鉄筋等を組み立てる後方ヤード5が設けられている。
【0025】
上記橋桁1は、施工ブロック毎にコンクリートを打設して順次に形成するものであり、押し出し架設中は、図1に示すように、橋桁1の先端に鋼製の手延べ桁7が取り付けられている。この手延べ桁7は、押し出し方向に橋桁の先端を張り出したときに、大きな曲げモーメントが生じるのを避けるために取り付けられるものであり、押し出し工程が完了した後には撤去されるものである。
【0026】
橋桁1の形成及び押し出しは、次のような工程で行われる
手延べ桁7又は既に形成された既設ブロック2を桁製作ヤード4の前方側に支持する。そして、桁製作ヤード4上で上記手延べ桁7又は既設ブロック2に連続して一体となるように新設ブロック3のコンクリートを打設する。コンクリートが硬化した新設ブロック3の後方を後方支持装置20で支持する。そして、手延べ桁7又は既設ブロック2と新設ブロック3とが連続した橋桁1を桁送り出し装置10によって前方に押し出し、桁製作ヤード4の前方まで移動する。その後、順次に新設ブロックを連続するように打ち足す工程、橋桁1を押し出す工程を繰り返す。
橋桁1の押し出しは、仮支柱6、橋台A、及び橋脚P上に配置された桁送り出し装置10によって行われ、所定の架設位置まで移動して押し出しを完了する。
【0027】
上記橋桁1は、図2に示すように、断面が箱形となっており、桁の軸線方向に緊張材(図示せず)が配置される。この緊張材を緊張して橋桁のコンクリートに定着することによりプレストレスが導入される。そして、上床版1aにも橋桁1の軸線と直角方向にプレストレスが導入される。
なお、本実施形態では、橋桁1は上床版1a、下床版1b及びウェブ1cのすべてがコンクリートで構成された箱桁となっているが、上下方向の折り曲げ線で波形に折り曲げた波形鋼板をウェブに用いるものであってもよい。
【0028】
上記桁送り出し装置10は、図3に示すように、橋桁1を持ち上げることができる鉛直ジャッキ11と、橋桁1が載置された状態で台座12上を移動する移動支承13と、この移動支承13を水平方向に駆動する水平ジャッキ14と、で主要部が構成されている。
この桁送り出し装置10による橋桁10を押し出す方法は、以下の通りである。
鉛直ジャッキ11で橋桁1を持ち上げて、移動支承13を押し出し方向の後方側に移動し[図3(a)]、鉛直ジャッキ11を降下させて橋桁1を移動支承13の上に載置する[図3(b)]。この状態で水平ジャッキ14を駆動し、移動支承13を台座12の上で滑動して橋桁1を前方に押し出す[図3(c)]。その後、鉛直ジャッキ11で桁を持ち上げ[図3(d)]、移動支承13を後方に移動し[図3(a)]、再び橋桁1をこの移動支承13に載置する。このような工程を繰り返し、橋桁1を前方へ押し出す。
なお、上記工程は、橋台A、橋脚P及び仮支柱6上に配置された各桁送り出し装置10において同時に行われ、橋桁1の全体が前方に移動するものである。
【0029】
次に、本願発明の一実施の形態である後方支持装置を図4及び図5に基づいて説明する。
図4は、本願発明の一実施形態である後方支持装置の概略側面図であり、図5はこの後方支持装置を用いて橋桁を押し出す状態を示す概略図である。
上記後方支持装置20は、桁製作ヤード上で形成された新設ブロック3の後部に取り付けられる後方突出ガーダー21と、新設ブロック3の後方に設けられて後方突出ガーダー21を支持する支持体24とで主要部が構成されている。
【0030】
上記後方突出ガーダー21は鋼からなり、図4に示すように、新設ブロック3の上面に配置されて新設ブロック3の後端より後方に突出している。この後方突出ガーダー21は、下端部が新設ブロック3内に定着されて上面より上方に突き出した複数の鉛直鋼棒23により、新設ブロック3に締め付けて固定されている。
なお、符号22は、後方突出ガーダー21と新設ブロック3との間に配置され、後方突出ガーダー21と支持体24との高さを調整する高さ調整材である。
【0031】
上記支持体24は、形鋼を組み立てて形成された枠体25を備えるものであり、新設ブロック3の後端より後方に突き出した上記後方突出ガーダー21を下側から支持するものとなっている。この支持体24は、橋桁1の軸線方向に配置された緊張材の定着具と対向する位置、例えば箱桁のウェブ1cに対向する位置を避けて配置されている。これにより、緊張材の緊張に支障が生じるのを回避するようになっている。
【0032】
上記枠体25の上部には、後方突出ガーダー21の軸線方向への移動を容易にする上部ローラ26が回転可能に備えられており、この上部ローラ26を介して後方突出ガーダー21を支持する。したがって、新設ブロック3の後部は後方突出ガーダー21を介して、橋桁1の軸線方向への移動が可能に支持されることになる。
また、枠体25の下部は後端用鉛直ジャッキ27を介して支持されており、新設ブロック3の後部を上方に押し上げ、又は下降させることができるものとなっている。
この後端用鉛直ジャッキ27は、橋台A、橋脚P及び仮支柱6の上に配置された桁送り出し装置10の鉛直ジャッキ11の駆動と連動するようになっている。これにより、橋桁1を前方に押し出すときの橋桁1を鉛直ジャッキ11で支持した状態では、後端用鉛直ジャッキ27も支持体24を上方に押し上げ、既設ブロック2と新設ブロック3との上下方向の変位をほぼ同じに維持する。また、桁送り出し装置10の鉛直ジャッキ11を下降して橋桁1を移動支承13上に載置するときには、後端用鉛直ジャッキ27も下降して、後方突出ガーダー21と橋桁1の既設ブロック2との上下方向の変位をほぼ等しく調整する。したがって、橋桁1に大きな曲げモーメント及びせん断力が生じるのが防止される。
【0033】
次に、上記後方支持装置24を用いて桁を押し出す方法について説明する。なお、この方法は、本願発明に係る押し出し架設方法の一実施形態である。
まず、桁製作ヤード4上で、既設ブロック2の後端に連続して新設ブロック3のコンクリートを打設するための型枠30を組み立てる。なお、最初の施工ブロックを製作するときには手延べ桁7と連続するようにコンクリートを打設する。また、手延べ桁が施工ブロックの上面に取り付けられる、いわゆる上載せタイプであるときには最初の施工ブロックは独立した状態でコンクリートを打設して製作する。
【0034】
上記新設ブロック3のコンクリートを打設するための型枠30は、一般に鋼によって形成され、図2に示すように、外型枠30a、底型枠30b及び内型枠30cからなっている。上記底型枠30bは、仮設基礎37の上にジャッキ32を介して支持された架台34上にメタルフォームを配列して形成されている。橋桁1の両側面となる位置に配設される外型枠30aは、底型枠30bと回動軸31を介して回動可能に連結されている。そして、上床版の張り出し部1dに該当する部分は、架台34上に立設された支柱33によって支持される。また、内型枠30cは、コンクリートを打設する新設ブロック3の後方側では架台34上に支持され、前方側では既にコンクリートが打設された既設ブロック2の下床版1b上にレール35を介して支持される。
なお、この時点では既設ブロック2は桁送り出し装置10の移動支承13上に支持されており、この既設ブロック2の高さに合わせて連続する新設ブロック3の型枠が形成される。
【0035】
上記型枠内にコンクリートを打設して硬化すると、橋桁1の軸線方向にプレストレスを導入し、新設ブロック3と既設ブロック2とが一体となるように連結するとともに、コンクリートに大きな引張応力が発生するのを防止する。
また、図4に示すように、コンクリートが打設された新設ブロック3の後方に支持体24を設置し、この支持体24の上に上方ローラ25を取り付ける。一方、新設ブロック3上には、高さ調整材22を配置し、この高さ調整材22と支持体24の上方ローラ25上に架け渡すように後方突出ガーダー21を配置する。後方突出ガーダー21及び高さ調整材22は、下端部が新設ブロック3のコンクリート内に予め埋め込まれた複数の鋼棒23によって固着される。これにより、後方突出ガーダー21は新設ブロック2の上面に固定され、後方突出ガーダー21の突き出した部分を支持体24で支持することにより、新設ブロック3の後方部の重量を支持することが可能となる。
【0036】
新設ブロック3の後部の重量が支持体24により支持可能な状態となると、新設ブロック3の脱型が行われる。
図2(b)に示すように、外型枠30aは上床版1aの張り出し部を支える支柱33を下降させ、回動軸31を中心に回動させることによって外型枠30aをコンクリートから後退させる。内型枠30cも、鉛直面の型枠を後退させるとともに全体を下降させて脱型する。外型枠30a及び内型枠30cの脱型は、プレストレスの導入及び支持体24と後方突出ガーダー21との設置より前に行うこともできる。
底型枠30bは、支持体24と後方突出ガーダー21とを設けた後、仮設基礎37上のジャッキ32の操作により架台34を下降させて脱型する。架台34が下降することにより、新設ブロック3の重量が後方突出ガーダー21を介して支持体24に負荷され、新設ブロック3の後部が支持される。また、新設ブロック3の前部は既設ブロック2と連続し、既設ブロック2は仮支柱6、橋台A及び橋脚P上の桁送り出し装置10で支持される。
【0037】
この状態で、橋台A、橋脚P及び仮支柱6の上に配置された桁送り出し装置10の各水平ジャッキ14を一斉に駆動することにより、各移動支承13が台座12上を滑動し、橋桁1を前方に押し出す。これにより、新設ブロック3は桁製作ヤード4上から前方に送り出され、図5(a)に示すように、この新設ブロック3に固定された後方突出ガーダー21は支持体24に支持されながら上方ローラ25上を前方に移動する。
【0038】
桁送り出し装置10は、先に説明したように、水平ジャッキ14のストロークが限界位置に達すると、橋桁1の重量が鉛直ジャッキ11に負荷され、移動支承13を後方側へ移動した後、再び橋桁1を移動支承13上に載置して前方への押し出しを繰り返す。このとき鉛直ジャッキ11の動作に連動して後端用鉛直ジャッキ27が駆動され、新設ブロック3に過大な断面力が作用するのを防止している。
【0039】
このようにして、新設ブロック3が所定の位置まで前方に押し出されると、図5(b)に示すように、後方突出ガーダー21の後端は支持体24が設けられた位置より前方まで移動し、支持体24による支持が解除される。この位置は、桁製作ヤード4より前方に設けられた桁送り出し装置10で橋桁1を支持したときに、新設ブロック3の後方部が片持ち状に張り出しても、過大な断面力が生じないように定められたものである。つまり、後方突出ガーダー21の張り出し長によって支持体4による支持が解除される位置を調整することができ、張り出し長を長く設定することにより移動中の新設ブロック3に生じる断面力を低減することができる。
上記のように後方突出ガーダー21の支持体24による支持が解除されると、後方突出ガーダー21は新設ブロック3から取り外すことができる。
【0040】
橋桁1がさらに前方に送り出され、図6に示すように新設ブロック3の後端が桁製作ヤード4の前部の所定位置に到達すると、この新設ブロック3を既設ブロックとしてその後方に次の新設ブロックを形成する。そして、後端部を後方突出ガーダーと支持体とによって支持することができる。このように施工ブロック毎の橋桁の製作と橋桁の送り出しとを繰り返して所定の長さの橋桁を形成し、所定の位置まで押し出して橋桁の架設を完了する。
【0041】
なお、本実施の形態では、支持体24として枠体25の上部に上部ローラ26を有し、下端部に後端用鉛直ジャッキ27を設けた構造を採用したが、これに限定されるものではなく、後方突出ガーダー21の移動が可能に支持できるものであって、桁送り出し装置10の鉛直ジャッキ11の動作に対応して後方突出ガーダー21の支持位置を上下させることができるものであれば、他の構造を採用することができる。例えば、上部ローラ26に代えて、後方突出ガーダーが滑動する支承を設けてもよい。また、後端用鉛直ジャッキ27は枠体25の上部にローラと併設してもよい。この後端用鉛直ジャッキは、桁送り出し装置10の鉛直ジャッキ11と連動して後方突出ガーダー21を押し上げる。そして、下降して橋桁が桁送り出し装置10の移動支承上に載置されたときには、後方突出ガーダー21をローラ上に支持させ、前方への移動を可能とする。
【0042】
また、本実施の形態では、橋桁1の押し出しに図3に示すような桁送り出し装置10を用いたが、複数の滑り支承上に橋桁を支持し、橋桁を押し出す水平方向の力を集中して作用させるいわゆる水平反力集中方式においても本発明を適用することができる。
水平反力集中方式では、橋桁は常に滑り支承上に支持された状態で押し出されるため、支持体に後端用鉛直ジャッキを設ける必要はない。つまり、新設ブロックのコンクリートが硬化した後、底型枠を下降させて新設ブロックの後部を支持体で支持させると、滑り支承上に支持された既設ブロックとともに新設ブロックを前方に押し出すことができる。
【0043】
次に、本願発明の第2の実施形態である後方支持装置及びこれを用いた押し出し架設方法を説明する。
この実施の形態は、後方支持装置を除いて、第1の実施形態と同様であるので、橋桁の構成等については同じ符号をつけるとともに説明を省略する。
図7(a)は、本願発明の第2の実施形態である後方支持装置を示す概略側面図であり、図7(b)は、図7(a)中のA−A線における断面図である。
この後方支持装置40は、桁製作ヤード上で形成された新設ブロック3の上面に固定される後方突出ガーダー41と、この後方突出ガーダー41に取り付けられ、新設ブロック3の後方で後方突出ガーダー41を支持して新設ブロック3ともに前方へ走行移動する支持体44と、を備えている。支持体44は、後方突出ガーダー41を支持する支柱45と、この支柱45の上部に設けられ、後方突出ガーダー41を支持して上下に駆動可能な後端用鉛直ジャッキ46と、支柱45の下端に取り付けられ、桁製作ヤード上を走行するための下部ローラ47と、後端用鉛直ジャッキ46による支持位置を調整する高さ調整部材48と、支柱45が転倒しないように拘束する拘束部材49と、で主要部が構成されている。
【0044】
上記後方突出ガーダー41は鋼からなり、図7(a)に示すように、新設ブロック3上の後部に配置され、新設ブロック3の後方に突出している。そして、この後方突出ガーダー41は、下端部が新設ブロック3のコンクリート内に定着された鋼棒43により、新設ブロック3に緊結して固定されている。
なお、この後方突出ガーダー41は、支持体44に結合されるものであり、第1の実施形態の後方突出ガーダー21と比較して、後方への突出長が短くなっている。
上記支持体44は、断面が箱桁となった橋桁1のウェブ1cと対向する位置を避けて配置されており、ウェブ1cに配置された緊張材(図示せず)の緊張作業を阻害しないように設けるのが望ましい。
【0045】
上記支持体44の支柱45は、鋼管からなるものであり、鉛直に支持されて上部に後端用鉛直ジャッキ46が取り付けられ、下端に下部ローラ47が取り付けられている。そして、高さ調整部材48を介して後方突出ガーダー41を桁製作ヤード上で支持するものとなっている。
上記後端用鉛直ジャッキ46は、既設ブロックを支持する桁送り出し装置10の鉛直ジャッキ11と連動するものとなっている。したがって、この後端用鉛直ジャッキ46を上昇させることにより、高さ調整部材48を介して後方突出ガーダー41及びこの後方突出ガーダーが固定された新設ブロック3を上昇させることができるものである。
支柱45の下端に設けられた下部ローラ48は、取り付けピン50により支柱45と接合されており、桁製作ヤード上を安定して走行し、橋桁の軸線方向への移動が可能となっている。
【0046】
上記拘束部材49は型鋼からなり、高さ調整部材48を介して後方突出ガーダー41に固定されたもので、支柱45に隣接して下方に突き出している。そして、支柱45の上部と下部とのそれぞれに連結部材51を備えている。この連結部材51は、図7(b)に示すように、拘束部材49に固着されて張り出した部分が、わずかな隙間をおいて支柱45を取り囲み、支柱45の水平方向の位置を拘束するものとなっている。これにより、支柱45に対して上下方向に相対的な移動が可能に連結され、水平方向には双方間の相対的な移動を拘束するようになっている。つまり、拘束部材49は後方突出ガーダー41に固定されていることにより、上記後端用鉛直ジャッキ46が動作したときに上下方向に変位するが、上下方向に変位しない支柱45との相対的な変位を許容するものである。そして、上端及び下端にそれぞれ後端用鉛直ジャッキ46及び下部ローラ47が取り付けられた支柱45が転倒しないように保持するものとしている。
【0047】
次に、第2の実施形態に係る後方支持装置40を用いて橋桁を押し出す方法について説明する。なお、この方法は、本願発明に係る押し出し架設方法の第2の実施形態である。
桁製作ヤード上で、第1の実施の形態と同様に、既設ブロックの後端に連続して新設ブロック3を形成するための型枠30を組み立てる。この型枠30は、図2に示した第1の実施の形態とほぼ同様の構成を備えるものであるが、下部ローラ47が走行する部分には、例えば型鋼52を用いて強固な構造とするのが望ましい。
その後、組み立てられた型枠30にコンクリートを打設し、硬化後にプレストレスを導入する。また、支持体44が取り付けられた後方突出ガーダー41を新設ブロックの後端部上に載置し、新設ブロック3のコンクリート内に下端部が定着されている鋼棒43によって後方突出ガーダー41を新設ブロックの上面で固定する。これにより、新設ブロック3の後部の重量は支持体44によって支持可能となる。
【0048】
新設ブロック3が支持体44によって支持されると、型枠30を取り外す。脱型は、第1の実施の形態とほぼ同様であるが、この実施の形態では、架台34を降下させて底型枠30bと外型枠30aとを脱型するときに、架台34上に設けられている支持体44が架台34とともに下降することになる。したがって、架台の下降とともに後端用鉛直ジャッキ46を上昇させ、新設ブロック3の高さを維持する。
【0049】
脱型が行われると、橋台A、橋脚P及び仮支柱6の上に配置された桁送り出し装置10を作動して第1の実施の形態と同様に橋桁1を前方に押し出すことができる。これにともない、新設ブロック3と連結された支持体44は、後方突出ガーダー41を介して新設ブロック3の後部を支持した状態で桁製作ヤード上を前方へ走行する。また、支持体44に設けられた後端用鉛直ジャッキ46は、桁送り出し装置10の鉛直ジャッキ11と連動し、新設ブロック3と既設ブロック2との変位差が大きくならないように調整する。
【0050】
このようにして橋桁1が前方に押し出され、新設ブロック3の後端が桁製作ヤードの前部の所定の位置に到達すると支持体44及び後方突出ガーダー41は取り外され、新設ブロックを既設ブロックとして次の新設ブロックを形成する工程が行われる。そして、順次施工ブロックを形成する工程及び橋桁1を押し出す工程を繰り返し、所定長の橋桁を形成して所定の位置に架設することができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、桁送り出し装置10を用いて橋桁1を押し出すものであるが、上記のように支持体44が新設ブロック3とともに走行するものであっても、滑り支承上に橋桁1を支持して押し出すこともできる。また、支持体の構造は、新設ブロック3の後部の重量を支持して走行できる他の構造を採用することもできる。
【符号の説明】
【0052】
1:橋桁、 1a:上床版、 1b:下床版、 1c:ウェブ、 1d:上床版の張り出し部、 2:橋桁の既設ブロック、 3:橋桁の新設ブロック、 4:桁製作ヤード、 5:後方ヤード、 6:仮支柱、 7:手延べ桁、
10:桁送り出し装置、 11:鉛直ジャッキ、 12:台座、 13:移動支承、 14:水平ジャッキ、
20:後方支持装置、 21:後方突出ガーダー、 22:高さ調整材、 23:鋼棒、 24:支持体、 25:枠体、 26:上部ローラ、 27:後端用鉛直ジャッキ、
30:型枠、 30a:外型枠、 30b:底型枠、 30c:内型枠、 31:回動軸、 32:ジャッキ、 33:支柱、 34:架台、 35:レール、 37:仮設基礎、
40:後方支持装置、 41:後方突出ガーダー、 43:鋼棒、 44:支持体、 45:支柱、 46:後端用鉛直ジャッキ、 47:下部ローラ、 48:高さ調整部材、 49:拘束部材、 50:取り付けピン、 51:連結部材、
101:新設ブロック、 102:既設ブロック、 103:底部の型枠、 104:桁押し出し装置、 105:桁製作ヤード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
既に形成されて桁製作ヤードの前方側で支持される既設ブロックと、前記桁製作ヤード上で前記既設ブロックと連続するようにコンクリートを打設して形成された新設ブロックとからなる橋桁を、前方へ押し出して所定の位置に架設する押し出し架設方法で用いられ、
前記新設ブロックの上面に固定され、該新設ブロックの後方へ突き出した後方突出ガーダーと、
前記新設ブロックの後端面より後方に設けられ、前記後方突出ガーダーが前記新設ブロックとともに前方へ移動することが可能となるように該後方突出ガーダーを支持する支持体と、を備えることを特徴とする押し出し桁の後方支持装置。
【請求項2】
前記橋桁は、上下方向に駆動されて前記橋桁を支持することができる鉛直ジャッキと、台座上で前方及び後方への往復移動が可能に設けられ、前記橋桁を支持して前方へ移動する移動支承と、該移動支承を駆動する水平ジャッキとを備える桁送り出し装置に支持されて、前方に押し出されるものであり、
前記支持体は、後端用鉛直ジャッキを介して前記後方突出ガーダーを支持するものであり、
該後端用鉛直ジャッキは、前記桁送り出し装置の前記鉛直ジャッキの駆動に連動して上下方向に駆動されるものであることを特徴とする請求項1に記載の押し出し桁の後方支持装置。
【請求項3】
前記支持体は、上部に上部ローラが備えられており、
該上部ローラを介して前記後方突出ガーダーを支持するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の押し出し桁の後方支持装置。
【請求項4】
既に形成されて桁製作ヤードの前方側で支持される既設ブロックと、前記桁製作ヤード上で前記既設ブロックと連続するようにコンクリートを打設して形成された新設ブロックとからなる橋桁を、前方へ押し出して所定の位置に架設する押し出し架設方法で用いられ、
前記新設ブロックの上面に固定され、該新設ブロックの後方へ突き出した後方突出ガーダーと、
前記新設ブロックの後端面より後方に設けられ、前記橋桁の前方への移動にともない、前記後方突出ガーダーを支持した状態で該後方突出ガーダーとともに前進移動する支持体と、を備えたことを特徴とする押し出し桁の後方支持装置。
【請求項5】
前記支持体は、下部に下部ローラが備えられており、
該下部ローラが前記桁製作ヤード上を走行するものであることを特徴とする請求項4に記載の押し出し桁の後方支持装置。
【請求項6】
既に形成されて桁製作ヤードの前方側で支持される既設ブロックと連続するようにコンクリートを打設して新設ブロックを形成し、該新設ブロックと前記既設ブロックとが一体となった橋桁を形成する工程と、
前記新設ブロックの上面に、後方突出ガーダーを該新設ブロックの後方へ突き出した状態で固定する工程と、
前記新設ブロックの後端面より後方に、前記新設ブロックとともに前記後方突出ガーダーが前方へ移動可能となるように該後方突出ガーダーを支持する支持体を設ける工程と、
前記新設ブロックの後部を前記後方突出ガーダーを介して前記支持体で支持するとともに、前記既設ブロックを支持した状態で、前記橋桁を前方に押し出す工程とを含むことを特徴とする押し出し架設方法。
【請求項7】
既に形成されて桁製作ヤードの前方側で支持される既設ブロックと連続するようにコンクリートを打設して新設ブロックを形成し、該新設ブロックと前記既設ブロックとが一体となった橋桁を形成する工程と、
前記新設ブロックの上面に、後方突出ガーダーを該新設ブロックの後方へ突き出した状態で固定する工程と、
前記新設ブロックの後端面より後方に、前記後方突出ガーダーを支持して前記製作ヤード上を走行可能な支持体を設ける工程と、
前記後方突出ガーダー及びこれを支持する支持体とともに、前記橋桁を前方に押し出す工程とを含むことを特徴とする押し出し架設方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−52375(P2011−52375A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199382(P2009−199382)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【Fターム(参考)】