説明

押下げヘッド式噴出容器

【課題】容器体に対する押下げヘッドの回転を規制することができ、合せて容器体とそれ以外の部分との分別廃棄が容易な押下げヘッド式噴出容器を提供すること、及び特にエアゾール容器など既存の容器体の構造にそのまま適用することが可能な回動規制手段を含む押下げヘッド式容器を提供する。
【解決手段】容器体2と、筒状装着部材14とを具備し、容器体2の係合条と筒状装着部材14の下部との間に回動規制手段50を形成する。上記筒状装着部材14は、上記係合条6に装着するための筒状基体16と、この筒状基体16に回動自在に嵌合した筒状操作体40とで形成しており、回動規制手段50は、上記筒状基体16の下端部から係合条6の側面の傍らへ突出した弾性脚片28と、筒状操作体を筒状基体16に嵌め付けたときに各脚片28を係合条6側へ押し込む押圧壁部48とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、押下げヘッド式噴出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばエアゾール容器として、容器体の上面開口をマウンティングカップで閉塞するとともに、そのカップを貫通して起立するステムの上端に押下げヘッドを付設したものが広く使用されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平07−309382号
【特許文献2】特開2006−124002号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種容器では、容器体の胴部正面に模様などを印刷したり、或いは正面をデザインの中心として包装シールを施すことがある。この場合には、容器の体裁を考慮して、その正面に押下げヘッドのノズルが配向されるように設けることが通常である。しかしながら、使用している間にノズルの噴出し方向と包装の正面方向とがずれてしまう可能性がある。
【0004】
ここで容器の分野で、一方の部材に対して他方の部材の回り止めをするための手段としては、各部材に付設したリブ同士を噛み合わせるようにすることが広く行われている(特許文献2)。しかしながら、既存の容器体、例えば特許文献1に掲げたエアゾール容器では、定型的な構造が存在するため、回り止めのために噛み合わせ用のリブを新たに容器体の構造に組み込むことは困難であることが多い。
【0005】
そこで本発明は、容器体に対する押下げヘッドの回転を規制することができ、合せて容器体とそれ以外の部分との分別廃棄が容易な押下げヘッド式噴出容器を提供することを主たる目的とし、特にエアゾール容器など既存の容器体の構造にそのまま適用することが可能な回動規制手段を含む押下げヘッド式容器を提供せんとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、ノズル付き押下げヘッド10を上端に有するステム8を、上方付勢させて頂部4中央から起立し、かつこの頂部4外周部分に、周方向に延びると共に少なくとも内外片方に側面を有する係合条6を形成した容器体2と、
上記係合条6を介して容器体2に取り付けられ、内周面の上部を押下げヘッド10案内用のガイド面44とする筒状装着部材14とを具備し、
上記容器体2の係合条と筒状装着部材14の下部との間に、この筒状装着部材の回動を規制する回動規制手段50を形成し、
更に筒状装着部材14に対する押下げヘッド10の回り止め手段30を設けた押下げヘッド式噴出容器であって、
上記筒状装着部材14は、上記係合条6に装着するための筒状基体16と、この筒状基体16に回動自在に嵌合した筒状操作体40とで形成しており、また
回動規制手段50は、
上記筒状基体16の下端部から係合条6の側面の傍らへ突出した、弾性を有する複数の脚片28と、
筒状操作体40が有する筒壁で、この筒状操作体を筒状基体16に嵌め付けたときに各脚片28を係合条6側へ押し込むように形成した押圧壁部48とからなり、
この押込みにより押圧壁部48と係合条6との間に上記脚片28を締め付けるように構成している。
【0007】
本手段は、ノズル付き押下げヘッドを、筒状装着部材に対して回り止めし、かつ筒状装着部材を容器体に対して回動規制するという構成の押下げヘッド式容器体において、筒状装着部材を容器体への固定部と可動(回動)部とに分け、固定部から突出した脚片を、可動部の下部分と容器体が有する係合条との間で締め付け、その摩擦力で回動を規制するものである。摩擦力を利用することで前述のような噛み合い用の特別な構造を有しない既存の容器にも適用し易い。
【0008】
「頂部」は、水平な頂端部の他、頂端部と胴部との間の肩部を含むとしてもよい。
【0009】
「係合条」とは、一方向に長く延び、かつ摩擦面として利用できる側面を有する係合手段をいう。周囲から隆起させ、内側面及び外側面を有する係合突条の他、内向き又は外向きの段差面を側面として有する段差であっても良い。また係合条は頂部外周部分の全周に亘って形成してもよいが、その周方向の一部の適所に、好ましくは間欠的に配置させてもよい。
【0010】
「筒状装着部材」は、容器体の頂部に対して押下げヘッドの昇降自在にこの押下げヘッドの回動を規制する機能を有する。ここで本明細書で「筒状」というときは、単一筒に限らず、中心に空洞を有しかつ筒軸方向の長い形態であって、回動規制力を伝えることが可能なものを指すものとする。
【0011】
「回動規制手段」は、通常の使用状態で押下げヘッドを手で操作するときに加わってしまう程度の力で押下げヘッドが回動することを阻止する機能を有する。従ってその程度を超える力が作用すると押下げヘッドは回ってしまうが、押下げヘッドの本来の周方向位置から多少ずれても回動前とほぼ同程度の回動規制力が期待できる。この点は噛み合い用の一対のリブの一方が他方を不意に乗り越えてしまった場合に、殆ど回転止め力を失うのと異なる点である。従って、本願発明においては予想外の力が加わったときでも(例えば子供が悪戯して無理やり回そうとしたときでも回しても)、押下げヘッドが正しい周方向位置から極端にずれることはなく、また、その係合箇所が破損することもない。
【0012】
「筒状基体」は、筒状装着部材のうち容器体側に取り付けられる固定部であり、係合条へ固定するための手段としての脚片を有している。係合条が内外両側面を有する係合突条である場合、その内側面及び外側面のうちどちらに脚片が係合するように設けても良い(本願図1及び図5)。また必要により係合突条の内外両側面に係合するように本願図1の脚片及び押圧壁部の構造を図5の実施例に取り入れて内外の脚片を設けることも可能である。
【0013】
「脚片」は、筒状基体から一種のアンカーのように下方に突出しており、係合条と押圧壁部との間に挟持されるように形成している。通常のアンカーのように係合条と噛み合うような形態である必要はないが、後述の図示例のように係合条の係合側面に対応した形状として、この係合側面との摩擦力を大きくとることが望ましい。後述の図示例の脚片は、例えば基端部(筒状基体との連結部分)を薄肉として内外方向への揺動容易としているが、脚片の強度を高めるために薄肉部を省略して湾曲変形可能な板部としても良い。また、各脚片は筒状基体を経由して押圧壁部を押し込むことで側外方へ拡開し、その押圧壁部の上方抜き取りにより原位置へ復帰する程度の弾性を有する。
【0014】
「筒状操作体」は、筒状装着部材のうち可動部であり、利用者が手で触れることが可能となるように一部が外方へ露出している。この筒状操作体は、後述の好適な図示例では筒状基体に螺合させているが、単にフィット(嵌め合い)させても良い。
【0015】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記筒状操作体40を筒状基体16に螺合させておき、この筒状操作体40を筒状基体16から螺脱させることで、上記押圧壁部48と係合条6との間の脚片28の締め付けを解消することができるように構成している。
【0016】
押圧壁部48と係合条6との間に脚片28の締め付ける場合には、回動規制力を十分とするために過度に締め付けを強くすると、分別の際に筒状操作体を回転させることが困難となってしまうおそれがある。そこで本手段では螺合機構を利用して筒状基体から筒状操作体を強制離脱させることができるようにしている。
【0017】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ
上記脚片28を、筒状基体16の内周面下端部から突出して、上記係合条6の内側面の傍らへ延長させるとともに、
上記筒状操作体40が係合条6よりも内方に有する筒壁下部を、押圧壁部48とし、
この押圧壁部48の外面と係合条6の内側面との間に上記脚片28を挟持することができるようにしている。
【0018】
本手段では、外部から操作可能に組み付けた筒状操作体の一部を、筒状基体の内側へ延長して、筒状基体の脚片を内側から外方へ押圧するように構成したものである。
【0019】
第4の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ
上記脚片28を、筒状基体16の外周面下端部から突出して、上記係合条6の外側面の傍らへ延長させるとともに、
上記筒状操作体40が係合条6よりも外方に有する筒壁下部を、押圧壁部48とし、
この押圧壁部48の内面と係合条6の外側面との間に上記脚片28を挟持することができるようにしている。
【0020】
本手段では、容器の外側に筒状操作体の機能である操作部分と押圧壁部とを集めたものであり、それによりシンプルで無駄のない形状が期待できる。
【0021】
第5の手段は、第1の手段から第4の手段の何れかを有し、かつ
上記容器体2をエアゾール容器体とし、
このエアゾール容器体が有するマウンティングカップと頂部4とし、
更に、そのマウンティングカップの外周部に有する起立縁部を係合条6としている。
【0022】
本手段では、従来のエアゾール容器の既存の構造を本願の頂部や係合条として利用している。
【0023】
第6の手段は、第1の手段から第4の手段の何れかを有し、かつ
上記回り止め手段30を、上記筒状装着部材14のガイド面44及び押下げヘッドの外周面の一方に縦設した縦溝46と、他方に付設され、かつ縦溝内をスライド可能な係合突起12とで形成している。
【発明の効果】
【0024】
第1の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○容器体2の係合条と筒状装着部材14の下部との間に、この筒状装着部材の回動を規制する回動規制手段50を形成し、更に筒状装着部材14に対する押下げヘッド10の回り止め手段30を設けたから、容器体に対して押下げヘッド10が使っているうちに回ってしまうことを防止できる。
○回動規制手段50は、脚片28を押圧壁部48と係合条6との間に締め付けるように構成しているから、容器体2に対する筒状装着部材14の周方向の位置関係と関係なく締め付けが可能であり、容器体に筒状装着部材を装着する段階ではその向きに配慮する必要がないので、位置決め作業が容易である。
○締め付けによる摩擦力で回動を規制しており、予想外の回転力が加わったときに、押下げヘッドが正しい位置から少しずれてしまっても回動規制力が失われることがなく、また前述の噛み合いリブの場合の如く噛み合い箇所が破損することも少ない。
【0025】
第2の手段に係る発明によれば、筒状基体16からの筒状操作体40の螺脱により脚片28の締め付けを強制的に解除することができるから、始めの締め付け状態がきつくても簡単に分別作業を行うことができる。
【0026】
第3の手段に係る発明によれば、脚片28を、係合条6の内側面と筒状操作体40の押圧壁部48外面とで挟持して締め付けるようにしており、この押圧壁部には圧縮応力が作用するだけで伸び変形により弛むようなことがないので、経年変化により締め付け力が減退する可能性が少ない。
【0027】
第4の手段に係る発明によれば、脚片28を係合条6の外側面と押圧壁部48の内面との間に挟持したから、押圧壁部を容器の外側に、即ち利用者が操作し易い位置に配置することが可能であるので、筒状操作体40の構造が簡単となり、ひいては容器全体の構造をシンプルとすることができる。
【0028】
第5の手段に係る発明によれば、従来のエアゾール容器の既存の構造を本願の頂部や係合条として利用したから、既存のエアゾール容器にそのまま本願発明を適用することができ、経済的である。
【0029】
第6の手段に係る発明によれば、上記回り止め手段30を、上記筒状装着部材14のガイド面44及び押下げヘッドの外周面の一方に縦設した縦溝46と、他方に付設され、かつ縦溝内をスライド可能な係合突起12とで形成しているから、押下げヘッドの回動を確実に阻止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1〜図4は、本発明の第1実施形態に係る押下げヘッド式容器を示している。
【0031】
この容器は、容器体2と、筒状装着部材14と、カバー60とで構成されている。
【0032】
容器体2は、エアゾール式容器体であり、容器体の頂部4を金属製のマウンティングカップで形成している。このマウンティングカップの外縁部は、容器体の筒壁上端を巻き込んでカールしており、このカール部分で係合条6を形成している。また頂部の中央部分を貫通して導液管を兼ねるステム8を起立している。ステムの上端には、横向きのノズル11を有する押下げヘッド10を付設している。また押下げヘッドの外面下端部の前後両側には回り止め用の係合突部12を付設している。
【0033】
筒状装着部材14は、筒状基体16と、筒状操作体40とで形成されている。
【0034】
上記筒状基体16は、基筒18の下部から外向きフランジ20を外方突出するとともに、この外向きフランジの裏面外周部から内外2重筒状に短い係合筒22と長い支持筒24とを垂下している。そして支持筒24の下端を容器体の肩部上面に係止させるとともに、係合筒22の下端部内面を係合条6の外側面に嵌着させている。外向きフランジ上方の基筒部分は筒状操作体との螺合筒に形成している。また、外向きフランジ下方の基筒部分と係合筒22の上半部との間には補強壁26を架設している。
【0035】
更に上記基筒18の下端からは、複数の脚片28を係合条6の内側面の傍らへ下内方にやや傾斜させて突出している。これら脚片は、筒状基体の下面図である図3に示す如く基筒18の下端から垂下した下端小径のテーパ筒に等間隔に切り込みを入れて分割させたような形態に配置されている。そして後述の押圧壁部の押込みにより、各脚片が側外方へ拡開して係合条6の内側面に押し付けられるように設けている。図示例では各脚片28の外側面を係合条6の内側面の窪みにフィットするような形状(縦断面で「くの字」の形状)にしている。
【0036】
上記筒状操作体40は、筒状基体の基筒18の上半部外面に操作筒42を螺合させるとともに、その操作筒下端に付設した鍔部43を上記外向きフランジ20上に載置させ、かつ上記操作筒42の上端から、内向きフランジを介して、操作筒42内面に沿って係合条6の下端部付近まで筒壁を垂下している。筒壁上半部は押下げヘッドのガイド筒であり、その筒部内面であるガイド面44には、上端開口の縦溝46を縦設している。また筒壁下半部は押圧壁部48に形成している。更にこの筒壁の中間部には仕切り板が横設されており、この仕切り板を貫通して前述のステムが起立している。
【0037】
ここで上記脚片と押圧壁部48とは、回動規制手段50を形成している。又縦溝46と係止突起12とは押下げヘッドの回り止め手段30を形成している。
【0038】
カバー60は、上記操作筒42外面へ嵌合されている。
【0039】
筒状装着部材とカバーとはそれぞれ合成樹脂材で形成することができる。
【0040】
上記構成において、図1の状態では、筒状装着部材14は、脚片28を係合条6と押圧壁部48との間に締め付けることにより、容器体2に対して回動し難くなっており、また押下げヘッド10は、縦溝46内への係合突部12の嵌め込みにより、筒状装着部材14に対して回動不能となっている。従って通常の使用状態では、容器体に対して押下げヘッド10のノズル11の位置がぶれることはない。
【0041】
容器を分別廃棄するときには、カバーを外したまま片手で筒状基体16の支持筒24を、他方の手で筒状操作体40の操作筒42を掴み、筒状基体に対して筒状操作筒を螺脱させると、押圧壁部48が筒状基体16の基筒18から抜け出すことで内側へ弾性復元し、これによって係合条との間の脚片28の締め付けが弛む。これにより容器体2の頂部から容易に筒状基体16を取り外すことができる。
【0042】
図4は、本実施形態の変形例であり、筒状基体及び筒状操作体の形状を変形して筒状操作体40の操作面を大きくしたものである。即ち、筒状操作体40は、第1の操作筒42aの下端から鍔部43を介して第2の操作筒42bを垂下している。これに対応して外向きフランジ20の位置を下方へ変更するとともに、係合筒22の下端から外方張出し部を介して支持筒24を垂下している。
【0043】
以下、本発明の他の実施形態及び実施例を説明する。これらの実施形態において第1の実施形態と同じ構成については、同一の符号を付することで説明を省略する。
【0044】
図5及び図6は、脚片を含む筒状基体及び筒状操作体の構造を変更したものである。即ち、筒状基体16は、基筒18の下端部を係合条6の上に載置させて、その基筒の上端から内向きフランジを介して基筒とほぼ等長のガイド筒を垂下し、このガイド筒のガイド面44に縦溝46を縦設している。また、上記基筒18の下半部外面から外方張出し部52を介して複数の脚片28を垂下している。これらの脚片は、一つのネジ山(又はネジ溝)をスパイラル状に形成した筒体に周方向に間欠的に下から上へ穿設したものである。従って上記ネジ山と同じピッチのネジ溝を有する筒体を嵌合させれば各脚片の外面にスムーズに嵌合するように設ける。もっとも、図5の脚片は、成形時の形状ではなく、もともとは各脚片が下外方へ拡開した形状であったものを、その外面への押圧壁部48の嵌め込みにより図示のような垂直状態になったものである。
【0045】
上記外方張出し部52の上端面外周部分は陥没させている。この陥没部に、筒状操作体40の操作筒42の上端に付設した内向きフランジ54を係合させている。またこの操作筒は押圧壁部48を兼ねている。本実施形態では、筒状操作体40は、ほぼ単一のシンプルな構成の構造体として構成されている。
【0046】
この実施形態において図5の各脚片は、もともとカバー60を外し、次に筒状操作体40を筒状基体から螺脱させると、図6に示すように各脚片が拡開した状態に弾性復帰する。これにより脚片の締め付けは解消されるので、筒状基体16を容器体2から容易に外すことができる。
【実施例】
【0047】
図7は、本発明の第2実施形態をポンプ容器に適用した例である。この例では、エアゾール容器のカール型の係合条に代えて、このポンプ容器の肩部に形成した段部を係合条とし、この段部の外側面と筒状操作体40との間に脚片を挟持させている。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る容器の縦断面図である。
【図2】図1の容器の使用状態説明図である。
【図3】図1の容器に使用される部品(筒状基体)の底面図である。
【図4】図1の容器の変形例の縦断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る容器の縦断面図である。
【図6】図5の容器の縦断面図である。
【図7】本発明の容器の実施例である。
【符号の説明】
【0049】
2…容器体 4…頂部 6…係合条 8…ステム 10…押下げヘッド
11…ノズル 12…係合突部 14…筒状装着部材 16…筒状基体
18…基筒 20…外向きフランジ 22…係合筒 24…支持筒
26…補強壁 28…脚片 30…回り止め手段
40…筒状操作体 42…操作筒 43…鍔部 44…ガイド面 46…縦溝
48…押圧壁部 50…回動規制手段 52…外方張出し部
54…内向きフランジ
60…カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル付き押下げヘッド10を上端に有するステム8を、上方付勢させて頂部4中央から起立し、かつこの頂部4外周部分に、周方向に延びると共に少なくとも内外片方に側面を有する係合条6を形成した容器体2と、
上記係合条6を介して容器体2に取り付けられ、内周面の上部を押下げヘッド10案内用のガイド面44とする筒状装着部材14とを具備し、
上記容器体2の係合条と筒状装着部材14の下部との間に、この筒状装着部材の回動を規制する回動規制手段50を形成し、
更に筒状装着部材14に対する押下げヘッド10の回り止め手段30を設けた押下げヘッド式噴出容器であって、
上記筒状装着部材14は、上記係合条6に装着するための筒状基体16と、この筒状基体16に回動自在に嵌合した筒状操作体40とで形成しており、また
回動規制手段50は、
上記筒状基体16の下端部から係合条6の側面の傍らへ突出した、弾性を有する複数の脚片28と、
筒状操作体40が有する筒壁で、この筒状操作体を筒状基体16に嵌め付けたときに各脚片28を係合条6側へ押し込むように形成した押圧壁部48とからなり、
この押込みにより押圧壁部48と係合条6との間に上記脚片28を締め付けるように構成したことを特徴とする、押下げヘッド式噴出容器。
【請求項2】
上記筒状操作体40を筒状基体16に螺合させておき、この筒状操作体40を筒状基体16から螺脱させることで、上記押圧壁部48と係合条6との間の脚片28の締め付けを解消することができるように構成したことを特徴とする、請求項1記載の押下げヘッド式噴出容器。
【請求項3】
上記脚片28を、筒状基体16の内周面下端部から突出して、上記係合条6の内側面の傍らへ延長させるとともに、
上記筒状操作体40が係合条6よりも内方に有する筒壁下部を、押圧壁部48とし、
この押圧壁部48の外面と係合条6の内側面との間に上記脚片28を挟持することができるようにしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の押下げヘッド式噴出容器。
【請求項4】
上記脚片28を、筒状基体16の外周面下端部から突出して、上記係合条6の外側面の傍らへ延長させるとともに、
上記筒状操作体40が係合条6よりも外方に有する筒壁下部を、押圧壁部48とし、
この押圧壁部48の内面と係合条6の外側面との間に上記脚片28を挟持することができるようにしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の押下げヘッド式噴出容器。
【請求項5】
上記容器体2をエアゾール容器体とし、
このエアゾール容器体が有するマウンティングカップと頂部4とし、
更に、そのマウンティングカップの外周部に有する起立縁部を係合条6としたことを特徴とする、請求項1から請求項4の何れかに記載の押下げヘッド式噴出容器。
【請求項6】
上記回り止め手段30を、上記筒状装着部材14のガイド面44及び押下げヘッドの外周面の一方に縦設した縦溝46と、他方に付設され、かつ縦溝内をスライド可能な係合突起12とで形成したことを特徴とする、請求項1から請求項5の何れかに記載の押下げヘッド式噴出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−247470(P2008−247470A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94785(P2007−94785)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】