押出形材のカシメ装置
【課題】所要の断面形状を有する一対の押出形材同士を、強固且つ確実にカシメられる押出形材のカシメ装置を提供する。
【解決手段】一対の押出形材1a,1bをカシメする装置であって、一方の押出形材1aにおける一端部の押出方向にほぼ沿って配置し、前後一対のスプロケットローラ32,34、および、係るスプロケットローラ32,34の外周に沿って巻き付けられた無端ベルト40を備えるクローラC2と、他方の押出形材1bにおける一端部の押出方向にほぼ沿い且つ上記クローラC2とほぼ対称に配置され、スプロケットローラ30,33、および、無端ベルト41を備えるクローラ(ガイド体)C1と、を含む、押出形材のカシメ装置20。
【解決手段】一対の押出形材1a,1bをカシメする装置であって、一方の押出形材1aにおける一端部の押出方向にほぼ沿って配置し、前後一対のスプロケットローラ32,34、および、係るスプロケットローラ32,34の外周に沿って巻き付けられた無端ベルト40を備えるクローラC2と、他方の押出形材1bにおける一端部の押出方向にほぼ沿い且つ上記クローラC2とほぼ対称に配置され、スプロケットローラ30,33、および、無端ベルト41を備えるクローラ(ガイド体)C1と、を含む、押出形材のカシメ装置20。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金などからなる押出形材同士をカシメにより相互に連結するためのカシメ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金からなる押出形材は、断面形状が任意に設計できるため、各種分野で広く活用されている。例えば、断面が板形状の押出形材同士をそれらの端部に設けた雄形・雌形の嵌合部を嵌合することで、押出方向と垂直な方向に沿って幅の広いスペースを有するパネル状の構造体を容易に構成することができる。
しかし、上記雄・雌嵌合による連結では、断面が板形状で且つ隣接する押出形材同士の嵌合部において、かかる嵌合部が位置する表面側とその反対の裏面側とでは、連結強度が著しく相違する。このため、嵌合のみによる連結では、例えば野外に長期間にわたり設置する道路案内板や選挙告示板などに用いた場合、不用意な外力によりガタ付きなどを生じ易い、という問題があつた。
【0003】
押出形材の利点を生かし、溶接のような特別の設備を要することなく、押出形材同士をカシメる技術については、これまで十分に開発が行われていなかった。
例えば、アルミニウム合金からなる押出形材と板材とをカシメにより連結するため、押出形材の端面に開口する凹溝に金属板の端部辺を挿入し、前記押出形材における端面と垂直な両側面の一方を支持する受けロールと、係る受けローラと対向して上記押出形材の他方の側面を押圧しつつ転動し、且つ周面に放射状に突設した先尖状を呈する多数のポンチを上記形材の凹溝内付近に食い込ませるロール本体と、からなるカシメ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第3407551号公報(第1〜9頁、図4)
【0005】
前記特許文献1のカシメ装置では、薄肉の金属板が押出形材から抜け出すのを防止するため、前記凹溝の内側面の一方に金属板の端部辺が厚み方向に折り曲げられて押し込まれるカシメ溝を必須とし、係る押し込みを可能とするため、前記ロール本体の周面に先尖状を呈する多数のポンチを放射状に突設している。
しかし、押出形材同士をそれらの押出方向と垂直な方向に沿って順次カシメていく場合、カシメられる部分にも種々の厚みや凹凸形状があるため、前記特許文献1のような板材と押出形材とのカシメ装置によっては、強固なカシメが確実に行い難い、という問題点があった。
更に、前記受けロールとロール本体との組み合わせからなる前記特許文献1のカシメ装置では、上記一対のロールに挟まれた時点では、押出形材の端部同士が一時的にカシメられるが、何れかの押出形材の端部が弾性作用によりスプリングバックを生じると、上記一対のロールが通過した後で、カシメ部分に隙間やガタを生じるおそれがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、所要の断面形状を有する一対の押出形材同士を、強固且つ確実にカシメられる押出形材のカシメ装置を提供する、ことを課題とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
本発明は、押出形材同士の各端部を順次接近させると共に、かかる端部同士を所定の長さにわたって雄・雌嵌合させて、各端部が互いに噛み合うようにする、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の押出形材のカシメ装置(請求項1)は、一対の押出形材をカシメする装置であって、一方の押出形材における一端部の押出方向にほぼ沿って配置し、前後一対のスプロケットローラ、および、係るスプロケットローラの外周に沿って巻き付けられた無端ベルトを備えるクローラと、他方の押出形材における一端部の押出方向にほぼ沿い且つ上記クローラとほぼ対称に配置するガイド体と、を含む、ことを特徴とする。
【0008】
これによれば、前記カシメ装置を、一対の押出形材における一端部同士にまたがって移動させることで、各押出形材の一端部ごとに設けた相互にカシメ可能な部分同士を、前記クローラ側の無端ベルトと前記ガイド体とにより、徐々に接近させると共に、かかるクローラとガイド体との隙間が最少となる出口付近を通過する際に、上記部分同士を相互にカシメられたカシメ部にすることが可能となる。しかも、前記クローラは、スプロケットローラを前後の両端に有するので、かかるローラにより無端ベルトを回転させ、当該無端ベルトを介して、一対の押出形材の上記部分同士を連続的に押圧・接近させて確実にカシメることが可能となる。
【0009】
尚、上前押出形材は、主にアルミニウム合金からなるが、これに限定されない。
また、一対の押出形材は、一端部のみか、あるいは両端部に、隣接して連結させる他の押出形材とカシメ可能な部分を有する。かかる部分を両端部に有する押出形材を用いることで、複数の押出形材を相互にカシメることもできる。
更に、押出形材の一端部の前記押出方向とは、当該押出形材が押出成形された方向を指し、且つ当該押出形材の長手方向をも指す。
また、前記クローラおよびガイド体の前後方向は、上押出方向に対し、一方が平行であって他方が前端側で離間し且つ後端側が最接近するように傾斜しているか、双方が互いに前端側で離間し且つ後端側が最接近するように傾斜している。
更に、前記スプロケットローラは、周面にスプロケットを有するローラである。
加えて、前記ガイド体は、一方の押出形材の一端部を、その長手方向と直交する方向に押しつつ摺動するため、摩擦係数の小さい木材や樹脂製が推奨される。
【0010】
また、本発明には、前記一方の押出形材における基板の一端部に設けたL形片およびその先端に設けた曲げ片に囲まれ且つ上記基板側に開口する凹溝に、前記他方の押出形材における基板の一端部に設けた凸形部を挿入した状態で、上記L形片および凸形部の押出方向の少なくとも一方にほぼ沿って前記クローラが配置され、上記L形片および凸形部の押出方向の他方にほぼ沿い且つ上記クローラとほぼ対称に前記ガイド体が配置されると共に、上記クローラおよびガイド体の入口側は、上記L形片および曲げ片の通過を許容する隙間を有し、上記クローラおよびガイド体の出口側は、上記曲げ片をL形片寄りに曲げ変形させ、該曲げ片とL形片との間に上記凸形部を挟み込んだ断面の幅とほぼ同じ隙間を有する、押出形材のカシメ装置(請求項2)も含まれる。
【0011】
これによれば、前記クローラの無端ベルトと前記ガイド体との入口(前端)側の隙間は、隣接する押出形材における一方の押出形材のL形片と曲げ片との幅寸法を許容する隙間を有する。このため、他方の押出形材の凸形部を上記L形片と曲げ片とに囲まれた凹溝内に挿入した状態で、かかる一対の押出形材の位置決めを確実に行える。当該位置決めの直後に、上記L形片と曲げ片との幅寸法との間の隙間よりも狭い隙間を有する上記無端ベルトおよびガイド体の中間部分が、一方の押出形材のL形片と曲げ片とを接近させるように、曲げ片を他方の押出形材の凸形部寄りに徐々に折り曲げる。しかも、上記無端ベルトとガイド体との出口(後端)側は、両者の隙間が、上記曲げ片を凸形部およびL形片寄りにクリアランスがほぼ皆無になるカシメ状態の断面の幅寸法を許容する隙間を有するように設定されている。このため、上記出口側を通過と同時に、上記無端ベルトおよびガイド体の一方が、上記曲げ片を凸形部およびL形片寄りに押圧して曲げる。
この結果、一対の押出形材同士の端部は、一方の押出形材におけるL形片と上記順次スムーズに曲げられた曲げ片との間に、他方の押出形材の凸形部が緻密に且つ緊密に挟持されてカシメられるため、強固に連結される。
従って、上記カシメにより端部同士を連結された一対の押出形材は、それらの基板とほぼ垂直な2つの各方向から外力を受けても、ガタ付いたりせず、高い連結強度を安定して呈するため、複数の押出形材を順次カシメることで、例えば、道路の案内表示板や選挙告示板などのサインボートに好適に用いられる。
【0012】
更に、本発明には、前記無端ベルトは、金属からなる複数の押圧板を揺動可能に連結してものであるか、あるいは、ゴムからなる一体物である、押出形材のカシメ装置(請求項3)も含まれる。
これによれば、上記無端ベルトは、前後一対のスプロケットに巻き付けられて無限軌道を形成するため、カシメるべき一対押出形材の一端部に位置する前記L形片や曲げ片などを広い面積で確実に押圧することができる。
尚、かかる無端ベルトを備えた前記クローラは、前記一方の押出形材における曲げ片に接触するように配置し、対向する前記ガイド体は、前記形材のL形片の側面に接触するように配置することが推奨される。また、前記ゴムには、合成ゴムのほか、天然ゴムや硬質の合成樹脂が含まれる。
【0013】
また、本発明には、前記無端ベルトを構成する前記金属からなる複数の押圧板における一部または全ての外周面には、対向する前記ガイド体に向かってピンが突設されている、押出形材のカシメ装置(請求項4)も含まれる。
これによれば、上記ピンが一方の押出形材における曲げ片の側面を局部的に押し込むことで、かかる曲げ片とL形片との間に位置する凹溝に挿入された他方の押出形材の凸形部に食い込むように、上記曲げ片を局部変形させることができる。従って、一方の押出形材における上記曲げ片とL形片との間に挟まれてカシメられた他方の押出形材の凸形部を、抜け出し不能にして当該カシメ部を一層強固にすることが可能となる。尚、上記ピンは、無端ベルトを形成する複数の押圧板に対し、1枚置き、あるいは複数枚置きに突設しても良い。
【0014】
更に、本発明には、前記ガイド体も、前記クローラである、押出形材のカシメ装置(請求項5)も含まれる。
これによれば、一対のクローラによって、一対の押出形材の一端部同士に対して、前記カシメ作用を無理なくスムースに行うことが可能となる。
尚、一方のクローラの無端ベルトを前記ピン付きの金属製である複数の押圧板からなるものとし、他方のクローラの無端ベルトを前記ゴムからなる一体ものとしても良い。特に、ピン付きの押圧板の無端ベルトを有するクローラは、前記一方の押出形材における曲げ片に接触するように配置し、ゴムからなる一体物の無端ベルトを有するクローラは、前記形材のL形片の側面に接触するように配置することが推奨される。
【0015】
付言すれば、本発明は、前記クローラにおける前後一対のスプロケットローラと前記無端ベルトとに囲まれた位置には、係る無端ベルトの内周面を押圧する単数または複数の押圧ローラが配設されている、押出形材のカシメ装置を含むことも可能である。これによる場合、無端ベルトの中間位置でも、上記押圧ローラにより前記押出形材の曲げ片やL形片を互いに確実に接近させることが可能となる。
また、本発明は、前記クローラにおける前後一対のスプロケットローラと前記無端ベルトとに囲まれ且つ対向する前記ガイド体または他方のクローラに近接する位置には、係る無端ベルトの内周面を押圧する押圧体が配設されている、押出形材のカシメ装置を含むことも可能である。これによっても、前記押出形材の曲げ片やL形片を互いに確実に接近させることが可能となる。尚、上記押圧体には、前後端にアールが付された摩擦係数の小さい木材や樹脂製のものが推奨される。
更に、本発明は、前記クローラにおける前後一対のスプロケットローラの少なくとも一方の回転軸、あるいは、互いに対称に配置された一対の前記クローラにおける一端側および他端側の少なくとも一方のスプロケットローラの回転軸は、モータによって回転可能とされている、押出形材のカシメ装置を含むことも可能である。これによる場合、電動式により押出形材同士をカシメられるため、半自動的あるいはタイマーやマイコンなどを付加して全自動による作業が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明による一形態の押出形材のカシメ装置(以下、単にカシメ装置という)20を示す平面図、図2は、その底面図、図3は、その一部を省略した側面図、図4は、その上部を省略した正面図である。
カシメ装置20は、図1〜図4に示すように、全体がほぼ直方体を呈する本体21と、その底面24において本体21の前面26と後面27との前後方向に沿って配置したクローラ(ガイド体)C1と、底面24にて本体21の前面26と後面27との前後方向に対し、前面26側が僅かに本体21の側面25寄りに傾斜して配置されたクローラC2と、を備えている。
上記本体21は、その上面23の前面26寄りに前後方向に沿ってほぼ逆U字形の持ち手28を突設している。また、本体21の内部には、モータM、その回転軸s、かかる回転軸sに固定した小径のギアg1、かかるギアg1と噛み合う同じ小径のギアg2と大径のギアg3、および小径のギアg2と噛み合う大径のギアg4を内蔵している。かかるギアg1〜g4は、減速機構を形成している。
【0017】
図2,図4に示すように、本体21の底面24におけるクローラC1,C2の外側には、前後一対ずつの支持脚29を介して、自由回転するボールbが取付けられている。これらのボールbは、その頂点がクローラC1,C2よりも下側に位置しているため、本体21およびクローラC1,C2を含むカシメ装置20を、後述する一対の押出形材1a,1bの基板2上において移動自在に支持する。
クローラC1,C2は、前後一対のスプロケットローラ31〜34、これらの間に位置する押圧ローラ35〜38、およびこれらの外周に沿って巻き付けられた無端ベルト40,41を備えている。スプロケットローラ31〜34の周面には、複数の爪30が放射状に突設されている。このうち、後面27側のスプロケットローラ31,32は、駆動輪であり、その回転軸s1,s2は、前記大径のギアg3,g4の回転軸と共通である。
尚、クローラC1,C2において、後面27側の押圧ローラ37,38は、駆動輪のスプロケットローラ31,32寄りに位置している。
【0018】
無端ベルト40,41は、複数の押圧板42同士をピン結合することで、無端で且つ揺動可能に連結したものである。押圧板42は、鋼などの金属製で、図5の斜視図で示すように、長方形の板体43、その一方の側辺における中央付近から突出する凸片44、および、板体43の他方の側辺に位置し且つ凸片44を受入れ可能な凹み45を有している。凸片44の上・下面と、凹み45の上・下面とには、図示しない連結ピンを挿入するための孔46,47が形成されている。
また、クローラC2の無端ベルト40を構成する板体43の外周面における中央付近には、ほぼ円錐形のピンpが突設されている。かかるピンpは、無端ベルト40を構成する全ての押圧板42に設けるほか、1枚置きまたは2枚置きごとの押圧板42に設けても良い。尚、無端ベルト40,41を構成する全ての板体43の内周面には、スプロケットローラ31〜34の前記爪30を受け入れる図示しない有底穴が形成されている。
【0019】
図2,図4に示すように、クローラC1,C2における本体21の前面26寄りの無端ベルト40,41は、比較的広い入口Iを形成し、両者の間には、隙間x1が位置している。一方、クローラC1,C2における本体21の後面27寄りの無端ベルト40,41は、比較的狭い出口Zを形成し、両者の間には、隙間x2が位置している。かかる隙間x1,x2の差によって、後述する一対の押出形材1a,1bをカシメ可能としている。
尚、本体21の内部に、前記モータMを駆動および停止させるスイッチやタイマー、かかるタイマーの機能を含むマイコン、更にこれらを外部からの無線信号などで制御する制御器や電池(何れも図示せず)などを設けることで、クローラC1,C2の無端ベルト40,41が回転するようにして、カシメ装置20を遠隔操作可能としても良い。
【0020】
図6は、前記カシメ装置20により、カシメを施す押出形材1の断面図である。
かかる押出形材1は、例えばJIS:A6065S−T5などのアルミニウム合金からなり、図6に示すように、平坦な基板2、その右端部(一端部)にほぼ垂直に設けた凸形部3を、左端部(一端部)に逆L字形に設けたL形片8、係るL形片8の先端に斜めに設けた曲げ片12、および、L形片8と曲げ片12とに囲まれた凹溝18を、図示の前後(押出)方向の全長に沿って連続して有する。尚、基板2の中間には、後述する底広凹溝19を、凸形部3などと同じ表面(裏面)側に設けても良い。
図6の右側に示すように、上記凸形部3の外側面には、断面台形の溝4と小溝5とが設けられ、かかる凸形部3寄りの基板2における当該凸形部3が延びる側の表面には、断面三角形の係止条6が突設され、かかる係止条6と凸形部3との間には、係止溝7が位置している。
【0021】
一方、図6の左側に示すように、L形片8の内側面には、上記溝4に嵌合する断面台形の凸条9と、前記小溝5と対向する小溝10とが設けられ、L形片8の底面壁の内側には、断面三角形の係止条11が設けられると共に、曲げ片12の内側面には、一対の小凸条14,16が突設されている。
尚、曲げ片12の凹溝18側の基端部には、その曲げ変形を誘発する断面V字形のノッチ13が形成されている。また、基板2における凸形部3とL形片8とが延びていない側の表面には、図示しない細条群が押出方向(図6の前後方向)に沿って、全面に形成されている。更に、押出形材1において、基板2は幅約150mm×厚み約1mm、凸形部3は長さ約8mm×厚み約1〜2mm、L形片8の側壁は長さ約9mm×厚み約1mm、L形片8の底面壁は長さ約5mm×厚み約1mm、曲げ片12は長さ約7mm×厚み約1mmのサイズである。
【0022】
図7は、一対の押出形材1a,1bを図示しない定盤の上に隣接して載置し、図示で左側の押出形材1aの凸形部3を、右側の押出形材1bの凹溝18内に挿入した状態を示す。尚、押出形材1a,1bは、前記押出形材1と同じものであり、両者を単に区別したものである。
図7に示すように、押出形材1bにおけるL形片8の外側面と曲げ片12の外側面との間の最大幅w1に対し、カシメ装置20におけるクローラ(ガイド体)C1とクローラC2との入口I側における隙間x1は、ほぼ同じか極く僅かに大きくなるように設定されている。かかるクローラC1,C2の入口I側の通過時において、L形片8の凸条9は、凸形部3の溝4に嵌合している。尚、図7は、クローラC1,C2を本体21の後面27側からの視角で示している。
【0023】
図8は、カシメ装置20を用いて、押出(長手)方向に垂直な方向に沿ってカシメられた押出形材1a,1bの端部を示す。尚、図8も、クローラC1,C2を本体21の後面27側からの視角で示している。
後述するように、クローラC1,C2の無端ベルト41,40の入口I側、無端ベルト41,40における入口Iと出口Zとの中間部分、および、無端ベルト41,40の出口Z側の順で、曲げ片12をL形片8寄りに順次押圧して曲げる。この結果、かかる曲げ片12は凸形部3に接近し、当該曲げ片12の小凸条14,16が凸形部3の側面に当接する。同時に、凸形部3の先端部は、係止条11とL形片8の内側面との間の内隅部に嵌合される。
【0024】
尚、この間において、曲げ片12の先端部は、予め係止条6の頂部を乗り越えた後、係止溝7内に進入している。
更に、上記カシメられた状態で、後述するように、無端ベルト40側のピンpが曲げ片12の中間部を凸形部3の側面に局部的に食い込ませるため、かかる凸形部3は、曲げ片12と凸条9を含むL形片8とにより、一層強固に挟持される。
以上のような図8に示すカシメ状態において、押出形材1bにおけるL形片8の外側面と曲げ片12の外側面との間における断面の幅w2に対し、カシメ装置20における無端ベルト41,40の出口Z側の隙間x2は、かかる幅w2とほぼ同じか極く僅かに大きくなるように設定されている。
【0025】
また、無端ベルト41,40における入口Iと出口Zとの中間部分での隙間(xm)は、前記隙間x1よりも小さく且つ上記隙間x2よりも大きく、これらの中間(x1>xm>x2)に設定されている。
更に、無端ベルト41,40の中間に位置する前記押圧ローラ35〜38は、押出形材1bにおける曲げ片12を徐々にL形片8寄りに押すため、当該カシメ作業を容易化している。
【0026】
ここで、カシメ装置20を用いて、押出形材1a,1bをそれらの押出(長手)方向に垂直な方向に沿って順次施すカシメの作用を説明する。
図9は、押出形材1aの凸形部3を押出形材1bの凹溝18内に挿入して、互いに隣接した押出形材1a,1bにおける後者のL形片8に沿って、カシメ装置20を移動させ、クローラC1,C2の無端ベルト40,41の入口I側、中間部分、出口Z側の順で、曲げ片12をL形片8寄りに順次押圧してカシメる状態の垂直断面図を示す。図10は、同様にしてカシメ中状態の概略平面図を示す。
予め、前記モータMを駆動し、小径ギアg1,g2と大径ギアg3,g4との減速機構を介して、クローラC1,C2のスプロケットローラ31,32を回転させることで、無端ベルト40,41を本体21の前後方向に沿って回転させる。
【0027】
図9の上段および図10に示すように、無端ベルト40,41の入口I側が押出形材1bのL形片8と曲げ片12とを挟むと、無端ベルト41とスプロケットローラ33とは、L形片8の外側面を転動して当該L形片8の位置を固定し、無端ベルト40とスプロケットローラ34とは、曲げ片12の外側面に接触し、かかる曲げ片12を位置決めし、且つ当該曲げ片12を僅かに押圧する。
次に、図9の中段および図10に示すように、無端ベルト40,41の中間部分が、押出形材1bのL形片8と曲げ片12とを挟む状態に至ると、曲げ片12は、無端ベルト40を介した押圧ローラ36,38の押圧力によって、押出形材1aの凸形部3寄りに徐々に曲げられると共に、当該曲げ片12の先端部は、係止条6に当接しつつこれを乗り越えようとする。同時に、無端ベルト41を介した押圧ローラ35,37は、L形片8の外側面を押して当該L形片8の位置を固定し、反対側の押圧ローラ36,38からの押圧力を受ける作用を果たしている。
【0028】
この間において、本体21の外周側に配置した4個の前記ホールbは、押出形材1a,1bの凸形部3やL形片8などが延びる側の基板2の表面に接触しつつ転動するため、カシメ装置20のL形片8に沿った移動をスムースにしている。
更に、図9の下段および図10に示すように、無端ベルト40,41の出口Z側が、押出形材1bのL形片8と曲げられた曲げ片12とを挟む状態に至ると、かかる曲げ片12は、無端ベルト40を介したスプロケットローラ32の押圧力によって、押出形材1aの凸形部3の内側面に接近すると共に、当該曲げ片12の先端部は、係止条6を乗り越えて、係止溝7内に進入する。
【0029】
この結果、曲げ片12の小凸条14,16は、凸形部3の内側面に当接し、L形片8の凸条9が凸形部3の溝4に嵌合すると共に、凸形部3の先端部は、係止条11とL形片8の内側面との間の内隅部に嵌合される。同時に、無端ベルト40の各ピンpが曲げ片12の中間付近に局部的に且つ等間隔で食い込むため、当該曲げ片12の内側面の一部が部分的に凸形部3寄りに突出する。
これにより、図9の下段に示すような連結構造のカシメ部kが押出(長手)方向に沿って順次形成され、押出形材1a,1bを、それらの押出方向と垂直な方向に沿ったカシメ力により、強固に連結することができる。
尚、無端ローラ40の各押圧板42の外周面に突設したピンpごとに、上記カシメ部kの長手方向に沿って、各ピンpによって曲げ片12の両側面に成形される窪みと突部とが等間隔に複数個形成される。
【0030】
図11は、前記カシメ装置20を用いて、3個の押出形材1をカシメ部kを介して連結したサインボードSBの側面図と概略の正面図とを示す。
図11中の側面図に示すように、各押出形材1における基板2の中間には、凸形部3やL形片8と同じ表面(裏面)側に、底広凹溝19を内設する箱形部17が形成されている。底広凹溝19内にボルト頭を嵌装したボルトBを平面視がH形を呈する左右一対の支柱Pのフランジに貫通させ、その雄ネジ部にナットNを締結することで、図11中で左下の正面図で示すように、上下3段の押出形材1の基板2からなる所定スペースのサイン面(表面)を有するサインボードSBが形成できる。
【0031】
また、図11中の一点鎖線部分の拡大図で示すように、前記無端ベルト40の前記各ピンpによって、各押出形材1における曲げ片12の中間には、窪みqと突部tとが、カシメ部kの長手(押出)方向に沿って等間隔に形成されている。
以上のように、複数個の突部tと窪みqとを含むカシメ部kを介して3個の押出形材1を連結したサインボードSBによれば、季節や気候の変化による寒暖差や温度差による熱的影響はもとより、不用意な外力を受けても各カシメ部kがガタ付いたりしない。従って、3つの基板2にまたがる平坦な表面に、例えば行き先案内などの道路情報、施設案内、各種の広告、あるいは選挙ポスターなどを描いたり貼り付けられ、且つ保守管理を殆ど皆無にして活用することが可能となる。
尚、前記支柱Pを縦材としたサインボードSBは、梁や歩道橋などから吊り下げて用いることができる。
【0032】
図12は、前記カシメ装置20の変形形態であるカシメ装置20aの概略を示す底面図である。尚、以下の形態では前記4個のボールbなどは、省略してある。
カシメ装置20aは、図12に示すように、前記本体21の底面24において、前面26および後面27の前後方向に沿って設けたクローラC1と、かかるクローラC1に対し前端が側面25寄りに僅かに傾斜して設けた前記と同じクローラC2と、を備えている。クローラC1において、前後一対のスプロケットローラ31,33の間には、これらの外周に巻き付けられた無端ベルト41の内周面に接する押圧体50が配置されている。かかる押圧体50は、例えば、摩擦係数の低い木材または硬質樹脂からなり、底面視で細長い長方形を呈すると共に、前・後端にはほぼ半円形のアール51,52が付されている。
【0033】
上記押圧体50は、図12に示すように、無端ベルト41における底面24の中央側の内周面を一定の長さで、対向する無端ベルト40との距離を入口I側から出口Z側に向かって徐々に狭くなるように、接触しつつ押している。前記図10で示したように、かかる押圧体50は、前記押圧ローラ35,37に替わって、無端ベルト41を押出形材1bのL形片8の外側面を、対向する無端ベルト40側に一定の長さで押し付け得る。このため、当該押圧体50と無端ベルト40側の押圧ローラ36,38とによって、押出形材1bの曲げ片12を押出形材1aの凸形部3寄りに接近するように徐々に曲げることができる。
尚、カシメ装置20aにおいて、クローラC2の無端ベルト40側にも、前記押圧ローラ36,38に替えて、上記押圧体50を用いても良い。
【0034】
図13は、異なる形態のカシメ装置20bの概略を示す底面図である。
カシメ装置20bは、図13に示すように、本体21の底面24において、前記カシメ装置20と同じく前面26と後面27との前後方向に対し前端側が僅か側面25寄りに傾斜して設けたクローラC2と、かかるクローラC2に対して左右(線)対称に設けたクローラC1′とを備えている。クローラC1′は、前後一対のスプロケットローラ31,33、これらの中間の押圧ローラ35,37、および、複数の押圧板42の外周面にピンpを突設した無端ベルト41′を備えている。
カシメ装置20bによれば、前記押出形材1a,1bのカシメは基より、異なる断面形状を端部同士に有する一対の押出形材に対しても、カシメ当初における無端ベルト40,41′の位置決めがやや甘くも、確実にカシメることが可能となる。尚、クローラC1′、C2の押圧ローラ35〜38に替えて、前記押圧体50を用いても良い。
【0035】
図14は、更に異なる形態のカシメ装置20cの概略を示す底面図である。
カシメ装置20cは、図14に示すように、本体21の底面24において、前面26および後面27の前後方向に沿って設けたクローラC3と、かかるクローラC3に対し前端が側面25寄りに僅かに傾斜して設けた前記と同じクローラC2と、を備えている。クローラC3は、前記クローラC1における無端ベルト41に替えて、合成ゴムからなる一体物の無端ベルト60を備えている。かかる無端ベルト60は、前記押出形材1a,1bにおける各部の厚み(約1〜2mm)の2倍以上の厚みを有している。
上記カシメ装置20cによれば、ゴム製で且つ厚めの無端ベルト60は、前記図10で示した押出形材1bのL形片8の外側面を、摩擦を伴って対向する無端ベルト40寄りに押すことができる。従って、前記押出形材1a,1bなどのカシメを確実に行うことができる。
尚、カシメ装置20cにおいて、クローラC2側にも、合成ゴムからなる一体物の無端ベルト60を用いても良い。また、無端ベルト60の外周面には、適宜の凹凸パターンを連続して形成しても良い。更に、クローラC3を前記クローラC2と対称になるように傾斜させて、本体21の底面24に取り付けても良い。加えて、クローラC2、C3の押圧ローラ35〜38に替えて、前記押圧体50を用いても良い。
【0036】
図15は、別異なる形態のカシメ装置20dの概略を示す底面図である。
カシメ装置20dは、図15に示すように、本体21の底面24において、前面26および後面27の前後方向に沿って設けたガイド体56と、かかるガイド体56に対し前端が側面25寄りに僅かに傾斜して設けた前記と同じクローラC2と、を備えている。上記ガイド体56は、例えば、摩擦係数の低い木材または硬質樹脂からなり、底面視が細長い長方形を呈すると共に、前端57および後端58の各コーナーには、アールが付されている。
上記カシメ装置20dによれば、摩擦係数の低いガイド体56は、前記図10で示した押出形材1bのL形片8の外側面に摺動ししつ、かかるL形片8を対向する無端ベルト40寄りに押すことができる。従って、前記押出形材1a,1bなどのカシメを確実に行うことができる。
尚、ガイド体56は、前記クローラC2と対称になるように傾斜して、本体21の底面24に取り付けても良い。また、前記クローラC2に、前記押圧体50や無端ベルト60を用いても良い。
【0037】
図16は、前記カシメ装置20,20a〜20dにより、カシメが可能な異なる形態の押出形材61における両端部の断面を示す。
押出形材61は、図16に示すように、平坦な基板62、その左端部(一端部)に直角に設けた凸形部63、右端部(一端部)にほぼL字形に設けたL形片68、かかるL形片68の先端に斜めに設けた曲げ片72、および、L形片68と曲げ片72とに囲まれた凹溝76を、図示の前後(押出)方向に沿って連続して有する。尚、基板62の中間には、前記図11で示した底広凹溝19を内設する箱形部17を、上記凸形部63などと同じ表面側に設けても良い。
図16に示すように、凸形部63の両側面には、断面が台形の凸条64と溝65とが2個ずつ左右対称に形成され、かかる凸形部63寄りの基板62における当該凸形部63が延びる側の表面には、断面三角形の係止条66が突設され、かかる係止条66と凸形部63との間には、係止溝67が位置している。
【0038】
更に、図16に示すように、L形片68の内側面には、上記溝65に嵌合する断面台形の凸条69と、上記凸条64が嵌合する溝70とが2個ずつ設けられると共に、曲げ片72の内側面には、上記溝65に嵌合する凸条74が突設されている。尚、曲げ片72の内側面の基端部には、その曲げ変形を誘発する断面V字形のノッチnが形成されている。
一対の押出形材61,61を前記同様に隣接させ、凸形部63を凹溝76に挿入して、予め凸条64を溝70に、凸条69を溝65にそれぞれ嵌合させる。かかる状態で、前記カシメ装置20,20a〜20dを用い、前記クローラC1,C2などの入口I側、これらの中間部分、出口Z側の順で、曲げ片72をL形片68寄りに順次曲げる。この結果、図17に示すように、曲げ片72は凸形部63に接近し、その先端部が係止溝67に進入する同時に、凸条74が溝65と嵌合する。更に、前記ピンpによって、曲げ片72に局部的な食い込み部を等間隔に形成できる。従って、一対の押出形材61,61を、それらの押出方向に沿って順次カシメることにより、緊密に連結することができる。
【0039】
図18は、前記カシメ装置20,20a〜20dにより、カシメが可能な更に異なる形態の押出形材81の両端部の断面を示す。
押出形材81は、図18に示すように、平坦な基板82、その左端部(一端部)に直角に設けた凸形部83、右端部(一端部)にほぼL字形に設けたL形片88、かかるL形片88の先端にノッチnを介して斜めに設けた曲げ片92、および、L形片88と曲げ片92とに囲まれた凹溝96などを、図示の前後(押出)方向に沿って連続して有する。尚、基板82の中間にも、前記図11で示した底広凹溝19を内設する箱形部17を、凸形部83などと同じ表面側に設けても良い。
図18に示すように、凸形部83の左(外)側面には、斜め下向きの溝84と断面ほぼ菱形の凸条85とが形成され、凸形部83の右(内)側面には、小凸条83aが突設されている。また、かかる凸形部83寄りの基板82における当該凸部83が延びる側の表面には、断面三角形の係止条86が突設され、かかる係止条86と凸形部83との間には、係止溝87が位置している。
【0040】
更に、図18に示すように、L形片88の内側面には、前記溝84に嵌合する断面ほぼ菱形の凸条89と、前記凸条85が嵌合する溝90とが設けられると共に、曲げ片92の内側面の先端には、前記係止溝87の一部に嵌入する小凸条94が突設されている。
一対の押出形材81,81を前記同様に隣接させ、凸形部83を凹溝96に挿入して、予め凸条85を溝90に、凸条89を溝84にそれぞれ嵌合させる。かかる状態で、前記カシメ装置20,20a〜20dを用い、前記クローラC1,C2などの入口I側、これらの中間部、出口Z側の順で、曲げ片92をL形片88寄りに順次曲げる。この結果、図19に示すように、曲げ片92は、凸形部83に接近し、先端の小凸条94が係止溝87に嵌入するため、当該曲げ片92は係止条86から抜け出し不能となる。更に、前記ピンpによって、曲げ片92に局部的な食い込み部を等間隔に形成できる。従って、一対の押出形材81,81を、それらの押出方向に沿って順次カシメることにより、緊密に連結することができる。
【0041】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではいない。
例えば、前記クローラにおいて、前後一対のスプロケットローラとそれらの間に配置する押圧ローラの位置とを、直線状とせずに、押圧ローラのみ対向する別のクローラ寄りに配置しても良い。これにより、上記各ローラの外周に巻き付ける無端ベルトの形態を、底面視で前記長円形状から上記押圧ローラの位置で屈曲したほぼ「ヘ」字形状にすることが可能となる。
また、前記本体を移動可能に支持する4個のボールに替えて、4個の車輪を本体の底面における外周側に設けても良い。あるいは、対向するクローラとガイド体との間、または対向する一対のクローラ間に位置する本体の底面に、複数のボールまたは車輪を直に取り付け、前記押出形材のL形片の上面を転動させることも可能である。
【0042】
更に、本発明のカシメ装置の対象となる押出形材は、前記平坦な基板を主体とする平板状の形態に限らず、断面が緩やかにカーブする基板の一端部に前記凸部を、他端部にL形片、曲げ片、および凹溝を有する全体が断面円弧形の形態としても良い。係る形態の押出形材を前記カシメ装置20などによってカシメることにより、断面アーチ形または断面半円形の構造物(例えば、通路の上方を覆う屋根)を、高い水密性をもって形成することが可能となる。
尚、本発明のカシメ装置の対象となる押出形材は、主にアルミニウム合金からなるものを対象とするが、同等の物理的特性を有するものであれば、樹脂製や他の金属製の形材も含まれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明における一形態のカシメ装置を示す平面図。
【図2】上記カシメ装置の底面図。
【図3】脚部などを省略した上記カシメ装置の側面図。
【図4】上部を省略した上記カシメ装置の正面図。
【図5】上記カシメ装置に用いる無端ベルトの押圧板を示す斜視図。
【図6】上記カシメ装置によりカシメられる押出形材を示す断面図。
【図7】押出形材とカシメ装置の無端ベルトの入口側との関係を示す概略図。
【図8】押出形材とカシメ装置の無端ベルトの出口側との関係を示す概略図。
【図9】上記カシメ装置による上記押出形材のカシメ工程を示す部分断面図。
【図10】上記カシメ装置による上記押出形材のカシメ工程を示す部分平面図。
【図11】上記カシメ装置を用いて得られたサインボートの正面図、側面図、およびその一部拡大図。
【図12】上記カシメ装置の変形形態の概略を示す底面図。
【図13】異なる形態のカシメ装置の概略を示す底面図。
【図14】更に異なる形態のカシメ装置の概略を示す底面図。
【図15】別異なる形態のカシメ装置の概略を示す底面図。
【図16】カシメるべき異なる形態の押出形材を示す部分断面図。
【図17】上記押出形材をカシメた状態を示す部分断面図。
【図18】カシメるべき更に異なる形態の押出形材を示す部分断面図。
【図19】上記押出形材をカシメた状態を示す部分断面図。
【符号の説明】
【0044】
1,1a,1b,61,81…押出形材
3,63,83……………凸形部
8,68,88……………L形片
12,72,92…………曲げ片
18,76,96…………凹溝
20,20a〜20d……カシメ装置
31〜34…………………スプロケットローラ
35〜38…………………押圧ローラ
40,41,41′,60……無端ベルト
42…………………………押圧板
56…………………………ガイド体
C1,C1′,C2,C3……クローラ
x1,x2…………………隙間
w1,w2…………………幅
p……………………………ピン
I……………………………入口
Z……………………………出口
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金などからなる押出形材同士をカシメにより相互に連結するためのカシメ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金からなる押出形材は、断面形状が任意に設計できるため、各種分野で広く活用されている。例えば、断面が板形状の押出形材同士をそれらの端部に設けた雄形・雌形の嵌合部を嵌合することで、押出方向と垂直な方向に沿って幅の広いスペースを有するパネル状の構造体を容易に構成することができる。
しかし、上記雄・雌嵌合による連結では、断面が板形状で且つ隣接する押出形材同士の嵌合部において、かかる嵌合部が位置する表面側とその反対の裏面側とでは、連結強度が著しく相違する。このため、嵌合のみによる連結では、例えば野外に長期間にわたり設置する道路案内板や選挙告示板などに用いた場合、不用意な外力によりガタ付きなどを生じ易い、という問題があつた。
【0003】
押出形材の利点を生かし、溶接のような特別の設備を要することなく、押出形材同士をカシメる技術については、これまで十分に開発が行われていなかった。
例えば、アルミニウム合金からなる押出形材と板材とをカシメにより連結するため、押出形材の端面に開口する凹溝に金属板の端部辺を挿入し、前記押出形材における端面と垂直な両側面の一方を支持する受けロールと、係る受けローラと対向して上記押出形材の他方の側面を押圧しつつ転動し、且つ周面に放射状に突設した先尖状を呈する多数のポンチを上記形材の凹溝内付近に食い込ませるロール本体と、からなるカシメ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第3407551号公報(第1〜9頁、図4)
【0005】
前記特許文献1のカシメ装置では、薄肉の金属板が押出形材から抜け出すのを防止するため、前記凹溝の内側面の一方に金属板の端部辺が厚み方向に折り曲げられて押し込まれるカシメ溝を必須とし、係る押し込みを可能とするため、前記ロール本体の周面に先尖状を呈する多数のポンチを放射状に突設している。
しかし、押出形材同士をそれらの押出方向と垂直な方向に沿って順次カシメていく場合、カシメられる部分にも種々の厚みや凹凸形状があるため、前記特許文献1のような板材と押出形材とのカシメ装置によっては、強固なカシメが確実に行い難い、という問題点があった。
更に、前記受けロールとロール本体との組み合わせからなる前記特許文献1のカシメ装置では、上記一対のロールに挟まれた時点では、押出形材の端部同士が一時的にカシメられるが、何れかの押出形材の端部が弾性作用によりスプリングバックを生じると、上記一対のロールが通過した後で、カシメ部分に隙間やガタを生じるおそれがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、所要の断面形状を有する一対の押出形材同士を、強固且つ確実にカシメられる押出形材のカシメ装置を提供する、ことを課題とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
本発明は、押出形材同士の各端部を順次接近させると共に、かかる端部同士を所定の長さにわたって雄・雌嵌合させて、各端部が互いに噛み合うようにする、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の押出形材のカシメ装置(請求項1)は、一対の押出形材をカシメする装置であって、一方の押出形材における一端部の押出方向にほぼ沿って配置し、前後一対のスプロケットローラ、および、係るスプロケットローラの外周に沿って巻き付けられた無端ベルトを備えるクローラと、他方の押出形材における一端部の押出方向にほぼ沿い且つ上記クローラとほぼ対称に配置するガイド体と、を含む、ことを特徴とする。
【0008】
これによれば、前記カシメ装置を、一対の押出形材における一端部同士にまたがって移動させることで、各押出形材の一端部ごとに設けた相互にカシメ可能な部分同士を、前記クローラ側の無端ベルトと前記ガイド体とにより、徐々に接近させると共に、かかるクローラとガイド体との隙間が最少となる出口付近を通過する際に、上記部分同士を相互にカシメられたカシメ部にすることが可能となる。しかも、前記クローラは、スプロケットローラを前後の両端に有するので、かかるローラにより無端ベルトを回転させ、当該無端ベルトを介して、一対の押出形材の上記部分同士を連続的に押圧・接近させて確実にカシメることが可能となる。
【0009】
尚、上前押出形材は、主にアルミニウム合金からなるが、これに限定されない。
また、一対の押出形材は、一端部のみか、あるいは両端部に、隣接して連結させる他の押出形材とカシメ可能な部分を有する。かかる部分を両端部に有する押出形材を用いることで、複数の押出形材を相互にカシメることもできる。
更に、押出形材の一端部の前記押出方向とは、当該押出形材が押出成形された方向を指し、且つ当該押出形材の長手方向をも指す。
また、前記クローラおよびガイド体の前後方向は、上押出方向に対し、一方が平行であって他方が前端側で離間し且つ後端側が最接近するように傾斜しているか、双方が互いに前端側で離間し且つ後端側が最接近するように傾斜している。
更に、前記スプロケットローラは、周面にスプロケットを有するローラである。
加えて、前記ガイド体は、一方の押出形材の一端部を、その長手方向と直交する方向に押しつつ摺動するため、摩擦係数の小さい木材や樹脂製が推奨される。
【0010】
また、本発明には、前記一方の押出形材における基板の一端部に設けたL形片およびその先端に設けた曲げ片に囲まれ且つ上記基板側に開口する凹溝に、前記他方の押出形材における基板の一端部に設けた凸形部を挿入した状態で、上記L形片および凸形部の押出方向の少なくとも一方にほぼ沿って前記クローラが配置され、上記L形片および凸形部の押出方向の他方にほぼ沿い且つ上記クローラとほぼ対称に前記ガイド体が配置されると共に、上記クローラおよびガイド体の入口側は、上記L形片および曲げ片の通過を許容する隙間を有し、上記クローラおよびガイド体の出口側は、上記曲げ片をL形片寄りに曲げ変形させ、該曲げ片とL形片との間に上記凸形部を挟み込んだ断面の幅とほぼ同じ隙間を有する、押出形材のカシメ装置(請求項2)も含まれる。
【0011】
これによれば、前記クローラの無端ベルトと前記ガイド体との入口(前端)側の隙間は、隣接する押出形材における一方の押出形材のL形片と曲げ片との幅寸法を許容する隙間を有する。このため、他方の押出形材の凸形部を上記L形片と曲げ片とに囲まれた凹溝内に挿入した状態で、かかる一対の押出形材の位置決めを確実に行える。当該位置決めの直後に、上記L形片と曲げ片との幅寸法との間の隙間よりも狭い隙間を有する上記無端ベルトおよびガイド体の中間部分が、一方の押出形材のL形片と曲げ片とを接近させるように、曲げ片を他方の押出形材の凸形部寄りに徐々に折り曲げる。しかも、上記無端ベルトとガイド体との出口(後端)側は、両者の隙間が、上記曲げ片を凸形部およびL形片寄りにクリアランスがほぼ皆無になるカシメ状態の断面の幅寸法を許容する隙間を有するように設定されている。このため、上記出口側を通過と同時に、上記無端ベルトおよびガイド体の一方が、上記曲げ片を凸形部およびL形片寄りに押圧して曲げる。
この結果、一対の押出形材同士の端部は、一方の押出形材におけるL形片と上記順次スムーズに曲げられた曲げ片との間に、他方の押出形材の凸形部が緻密に且つ緊密に挟持されてカシメられるため、強固に連結される。
従って、上記カシメにより端部同士を連結された一対の押出形材は、それらの基板とほぼ垂直な2つの各方向から外力を受けても、ガタ付いたりせず、高い連結強度を安定して呈するため、複数の押出形材を順次カシメることで、例えば、道路の案内表示板や選挙告示板などのサインボートに好適に用いられる。
【0012】
更に、本発明には、前記無端ベルトは、金属からなる複数の押圧板を揺動可能に連結してものであるか、あるいは、ゴムからなる一体物である、押出形材のカシメ装置(請求項3)も含まれる。
これによれば、上記無端ベルトは、前後一対のスプロケットに巻き付けられて無限軌道を形成するため、カシメるべき一対押出形材の一端部に位置する前記L形片や曲げ片などを広い面積で確実に押圧することができる。
尚、かかる無端ベルトを備えた前記クローラは、前記一方の押出形材における曲げ片に接触するように配置し、対向する前記ガイド体は、前記形材のL形片の側面に接触するように配置することが推奨される。また、前記ゴムには、合成ゴムのほか、天然ゴムや硬質の合成樹脂が含まれる。
【0013】
また、本発明には、前記無端ベルトを構成する前記金属からなる複数の押圧板における一部または全ての外周面には、対向する前記ガイド体に向かってピンが突設されている、押出形材のカシメ装置(請求項4)も含まれる。
これによれば、上記ピンが一方の押出形材における曲げ片の側面を局部的に押し込むことで、かかる曲げ片とL形片との間に位置する凹溝に挿入された他方の押出形材の凸形部に食い込むように、上記曲げ片を局部変形させることができる。従って、一方の押出形材における上記曲げ片とL形片との間に挟まれてカシメられた他方の押出形材の凸形部を、抜け出し不能にして当該カシメ部を一層強固にすることが可能となる。尚、上記ピンは、無端ベルトを形成する複数の押圧板に対し、1枚置き、あるいは複数枚置きに突設しても良い。
【0014】
更に、本発明には、前記ガイド体も、前記クローラである、押出形材のカシメ装置(請求項5)も含まれる。
これによれば、一対のクローラによって、一対の押出形材の一端部同士に対して、前記カシメ作用を無理なくスムースに行うことが可能となる。
尚、一方のクローラの無端ベルトを前記ピン付きの金属製である複数の押圧板からなるものとし、他方のクローラの無端ベルトを前記ゴムからなる一体ものとしても良い。特に、ピン付きの押圧板の無端ベルトを有するクローラは、前記一方の押出形材における曲げ片に接触するように配置し、ゴムからなる一体物の無端ベルトを有するクローラは、前記形材のL形片の側面に接触するように配置することが推奨される。
【0015】
付言すれば、本発明は、前記クローラにおける前後一対のスプロケットローラと前記無端ベルトとに囲まれた位置には、係る無端ベルトの内周面を押圧する単数または複数の押圧ローラが配設されている、押出形材のカシメ装置を含むことも可能である。これによる場合、無端ベルトの中間位置でも、上記押圧ローラにより前記押出形材の曲げ片やL形片を互いに確実に接近させることが可能となる。
また、本発明は、前記クローラにおける前後一対のスプロケットローラと前記無端ベルトとに囲まれ且つ対向する前記ガイド体または他方のクローラに近接する位置には、係る無端ベルトの内周面を押圧する押圧体が配設されている、押出形材のカシメ装置を含むことも可能である。これによっても、前記押出形材の曲げ片やL形片を互いに確実に接近させることが可能となる。尚、上記押圧体には、前後端にアールが付された摩擦係数の小さい木材や樹脂製のものが推奨される。
更に、本発明は、前記クローラにおける前後一対のスプロケットローラの少なくとも一方の回転軸、あるいは、互いに対称に配置された一対の前記クローラにおける一端側および他端側の少なくとも一方のスプロケットローラの回転軸は、モータによって回転可能とされている、押出形材のカシメ装置を含むことも可能である。これによる場合、電動式により押出形材同士をカシメられるため、半自動的あるいはタイマーやマイコンなどを付加して全自動による作業が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明による一形態の押出形材のカシメ装置(以下、単にカシメ装置という)20を示す平面図、図2は、その底面図、図3は、その一部を省略した側面図、図4は、その上部を省略した正面図である。
カシメ装置20は、図1〜図4に示すように、全体がほぼ直方体を呈する本体21と、その底面24において本体21の前面26と後面27との前後方向に沿って配置したクローラ(ガイド体)C1と、底面24にて本体21の前面26と後面27との前後方向に対し、前面26側が僅かに本体21の側面25寄りに傾斜して配置されたクローラC2と、を備えている。
上記本体21は、その上面23の前面26寄りに前後方向に沿ってほぼ逆U字形の持ち手28を突設している。また、本体21の内部には、モータM、その回転軸s、かかる回転軸sに固定した小径のギアg1、かかるギアg1と噛み合う同じ小径のギアg2と大径のギアg3、および小径のギアg2と噛み合う大径のギアg4を内蔵している。かかるギアg1〜g4は、減速機構を形成している。
【0017】
図2,図4に示すように、本体21の底面24におけるクローラC1,C2の外側には、前後一対ずつの支持脚29を介して、自由回転するボールbが取付けられている。これらのボールbは、その頂点がクローラC1,C2よりも下側に位置しているため、本体21およびクローラC1,C2を含むカシメ装置20を、後述する一対の押出形材1a,1bの基板2上において移動自在に支持する。
クローラC1,C2は、前後一対のスプロケットローラ31〜34、これらの間に位置する押圧ローラ35〜38、およびこれらの外周に沿って巻き付けられた無端ベルト40,41を備えている。スプロケットローラ31〜34の周面には、複数の爪30が放射状に突設されている。このうち、後面27側のスプロケットローラ31,32は、駆動輪であり、その回転軸s1,s2は、前記大径のギアg3,g4の回転軸と共通である。
尚、クローラC1,C2において、後面27側の押圧ローラ37,38は、駆動輪のスプロケットローラ31,32寄りに位置している。
【0018】
無端ベルト40,41は、複数の押圧板42同士をピン結合することで、無端で且つ揺動可能に連結したものである。押圧板42は、鋼などの金属製で、図5の斜視図で示すように、長方形の板体43、その一方の側辺における中央付近から突出する凸片44、および、板体43の他方の側辺に位置し且つ凸片44を受入れ可能な凹み45を有している。凸片44の上・下面と、凹み45の上・下面とには、図示しない連結ピンを挿入するための孔46,47が形成されている。
また、クローラC2の無端ベルト40を構成する板体43の外周面における中央付近には、ほぼ円錐形のピンpが突設されている。かかるピンpは、無端ベルト40を構成する全ての押圧板42に設けるほか、1枚置きまたは2枚置きごとの押圧板42に設けても良い。尚、無端ベルト40,41を構成する全ての板体43の内周面には、スプロケットローラ31〜34の前記爪30を受け入れる図示しない有底穴が形成されている。
【0019】
図2,図4に示すように、クローラC1,C2における本体21の前面26寄りの無端ベルト40,41は、比較的広い入口Iを形成し、両者の間には、隙間x1が位置している。一方、クローラC1,C2における本体21の後面27寄りの無端ベルト40,41は、比較的狭い出口Zを形成し、両者の間には、隙間x2が位置している。かかる隙間x1,x2の差によって、後述する一対の押出形材1a,1bをカシメ可能としている。
尚、本体21の内部に、前記モータMを駆動および停止させるスイッチやタイマー、かかるタイマーの機能を含むマイコン、更にこれらを外部からの無線信号などで制御する制御器や電池(何れも図示せず)などを設けることで、クローラC1,C2の無端ベルト40,41が回転するようにして、カシメ装置20を遠隔操作可能としても良い。
【0020】
図6は、前記カシメ装置20により、カシメを施す押出形材1の断面図である。
かかる押出形材1は、例えばJIS:A6065S−T5などのアルミニウム合金からなり、図6に示すように、平坦な基板2、その右端部(一端部)にほぼ垂直に設けた凸形部3を、左端部(一端部)に逆L字形に設けたL形片8、係るL形片8の先端に斜めに設けた曲げ片12、および、L形片8と曲げ片12とに囲まれた凹溝18を、図示の前後(押出)方向の全長に沿って連続して有する。尚、基板2の中間には、後述する底広凹溝19を、凸形部3などと同じ表面(裏面)側に設けても良い。
図6の右側に示すように、上記凸形部3の外側面には、断面台形の溝4と小溝5とが設けられ、かかる凸形部3寄りの基板2における当該凸形部3が延びる側の表面には、断面三角形の係止条6が突設され、かかる係止条6と凸形部3との間には、係止溝7が位置している。
【0021】
一方、図6の左側に示すように、L形片8の内側面には、上記溝4に嵌合する断面台形の凸条9と、前記小溝5と対向する小溝10とが設けられ、L形片8の底面壁の内側には、断面三角形の係止条11が設けられると共に、曲げ片12の内側面には、一対の小凸条14,16が突設されている。
尚、曲げ片12の凹溝18側の基端部には、その曲げ変形を誘発する断面V字形のノッチ13が形成されている。また、基板2における凸形部3とL形片8とが延びていない側の表面には、図示しない細条群が押出方向(図6の前後方向)に沿って、全面に形成されている。更に、押出形材1において、基板2は幅約150mm×厚み約1mm、凸形部3は長さ約8mm×厚み約1〜2mm、L形片8の側壁は長さ約9mm×厚み約1mm、L形片8の底面壁は長さ約5mm×厚み約1mm、曲げ片12は長さ約7mm×厚み約1mmのサイズである。
【0022】
図7は、一対の押出形材1a,1bを図示しない定盤の上に隣接して載置し、図示で左側の押出形材1aの凸形部3を、右側の押出形材1bの凹溝18内に挿入した状態を示す。尚、押出形材1a,1bは、前記押出形材1と同じものであり、両者を単に区別したものである。
図7に示すように、押出形材1bにおけるL形片8の外側面と曲げ片12の外側面との間の最大幅w1に対し、カシメ装置20におけるクローラ(ガイド体)C1とクローラC2との入口I側における隙間x1は、ほぼ同じか極く僅かに大きくなるように設定されている。かかるクローラC1,C2の入口I側の通過時において、L形片8の凸条9は、凸形部3の溝4に嵌合している。尚、図7は、クローラC1,C2を本体21の後面27側からの視角で示している。
【0023】
図8は、カシメ装置20を用いて、押出(長手)方向に垂直な方向に沿ってカシメられた押出形材1a,1bの端部を示す。尚、図8も、クローラC1,C2を本体21の後面27側からの視角で示している。
後述するように、クローラC1,C2の無端ベルト41,40の入口I側、無端ベルト41,40における入口Iと出口Zとの中間部分、および、無端ベルト41,40の出口Z側の順で、曲げ片12をL形片8寄りに順次押圧して曲げる。この結果、かかる曲げ片12は凸形部3に接近し、当該曲げ片12の小凸条14,16が凸形部3の側面に当接する。同時に、凸形部3の先端部は、係止条11とL形片8の内側面との間の内隅部に嵌合される。
【0024】
尚、この間において、曲げ片12の先端部は、予め係止条6の頂部を乗り越えた後、係止溝7内に進入している。
更に、上記カシメられた状態で、後述するように、無端ベルト40側のピンpが曲げ片12の中間部を凸形部3の側面に局部的に食い込ませるため、かかる凸形部3は、曲げ片12と凸条9を含むL形片8とにより、一層強固に挟持される。
以上のような図8に示すカシメ状態において、押出形材1bにおけるL形片8の外側面と曲げ片12の外側面との間における断面の幅w2に対し、カシメ装置20における無端ベルト41,40の出口Z側の隙間x2は、かかる幅w2とほぼ同じか極く僅かに大きくなるように設定されている。
【0025】
また、無端ベルト41,40における入口Iと出口Zとの中間部分での隙間(xm)は、前記隙間x1よりも小さく且つ上記隙間x2よりも大きく、これらの中間(x1>xm>x2)に設定されている。
更に、無端ベルト41,40の中間に位置する前記押圧ローラ35〜38は、押出形材1bにおける曲げ片12を徐々にL形片8寄りに押すため、当該カシメ作業を容易化している。
【0026】
ここで、カシメ装置20を用いて、押出形材1a,1bをそれらの押出(長手)方向に垂直な方向に沿って順次施すカシメの作用を説明する。
図9は、押出形材1aの凸形部3を押出形材1bの凹溝18内に挿入して、互いに隣接した押出形材1a,1bにおける後者のL形片8に沿って、カシメ装置20を移動させ、クローラC1,C2の無端ベルト40,41の入口I側、中間部分、出口Z側の順で、曲げ片12をL形片8寄りに順次押圧してカシメる状態の垂直断面図を示す。図10は、同様にしてカシメ中状態の概略平面図を示す。
予め、前記モータMを駆動し、小径ギアg1,g2と大径ギアg3,g4との減速機構を介して、クローラC1,C2のスプロケットローラ31,32を回転させることで、無端ベルト40,41を本体21の前後方向に沿って回転させる。
【0027】
図9の上段および図10に示すように、無端ベルト40,41の入口I側が押出形材1bのL形片8と曲げ片12とを挟むと、無端ベルト41とスプロケットローラ33とは、L形片8の外側面を転動して当該L形片8の位置を固定し、無端ベルト40とスプロケットローラ34とは、曲げ片12の外側面に接触し、かかる曲げ片12を位置決めし、且つ当該曲げ片12を僅かに押圧する。
次に、図9の中段および図10に示すように、無端ベルト40,41の中間部分が、押出形材1bのL形片8と曲げ片12とを挟む状態に至ると、曲げ片12は、無端ベルト40を介した押圧ローラ36,38の押圧力によって、押出形材1aの凸形部3寄りに徐々に曲げられると共に、当該曲げ片12の先端部は、係止条6に当接しつつこれを乗り越えようとする。同時に、無端ベルト41を介した押圧ローラ35,37は、L形片8の外側面を押して当該L形片8の位置を固定し、反対側の押圧ローラ36,38からの押圧力を受ける作用を果たしている。
【0028】
この間において、本体21の外周側に配置した4個の前記ホールbは、押出形材1a,1bの凸形部3やL形片8などが延びる側の基板2の表面に接触しつつ転動するため、カシメ装置20のL形片8に沿った移動をスムースにしている。
更に、図9の下段および図10に示すように、無端ベルト40,41の出口Z側が、押出形材1bのL形片8と曲げられた曲げ片12とを挟む状態に至ると、かかる曲げ片12は、無端ベルト40を介したスプロケットローラ32の押圧力によって、押出形材1aの凸形部3の内側面に接近すると共に、当該曲げ片12の先端部は、係止条6を乗り越えて、係止溝7内に進入する。
【0029】
この結果、曲げ片12の小凸条14,16は、凸形部3の内側面に当接し、L形片8の凸条9が凸形部3の溝4に嵌合すると共に、凸形部3の先端部は、係止条11とL形片8の内側面との間の内隅部に嵌合される。同時に、無端ベルト40の各ピンpが曲げ片12の中間付近に局部的に且つ等間隔で食い込むため、当該曲げ片12の内側面の一部が部分的に凸形部3寄りに突出する。
これにより、図9の下段に示すような連結構造のカシメ部kが押出(長手)方向に沿って順次形成され、押出形材1a,1bを、それらの押出方向と垂直な方向に沿ったカシメ力により、強固に連結することができる。
尚、無端ローラ40の各押圧板42の外周面に突設したピンpごとに、上記カシメ部kの長手方向に沿って、各ピンpによって曲げ片12の両側面に成形される窪みと突部とが等間隔に複数個形成される。
【0030】
図11は、前記カシメ装置20を用いて、3個の押出形材1をカシメ部kを介して連結したサインボードSBの側面図と概略の正面図とを示す。
図11中の側面図に示すように、各押出形材1における基板2の中間には、凸形部3やL形片8と同じ表面(裏面)側に、底広凹溝19を内設する箱形部17が形成されている。底広凹溝19内にボルト頭を嵌装したボルトBを平面視がH形を呈する左右一対の支柱Pのフランジに貫通させ、その雄ネジ部にナットNを締結することで、図11中で左下の正面図で示すように、上下3段の押出形材1の基板2からなる所定スペースのサイン面(表面)を有するサインボードSBが形成できる。
【0031】
また、図11中の一点鎖線部分の拡大図で示すように、前記無端ベルト40の前記各ピンpによって、各押出形材1における曲げ片12の中間には、窪みqと突部tとが、カシメ部kの長手(押出)方向に沿って等間隔に形成されている。
以上のように、複数個の突部tと窪みqとを含むカシメ部kを介して3個の押出形材1を連結したサインボードSBによれば、季節や気候の変化による寒暖差や温度差による熱的影響はもとより、不用意な外力を受けても各カシメ部kがガタ付いたりしない。従って、3つの基板2にまたがる平坦な表面に、例えば行き先案内などの道路情報、施設案内、各種の広告、あるいは選挙ポスターなどを描いたり貼り付けられ、且つ保守管理を殆ど皆無にして活用することが可能となる。
尚、前記支柱Pを縦材としたサインボードSBは、梁や歩道橋などから吊り下げて用いることができる。
【0032】
図12は、前記カシメ装置20の変形形態であるカシメ装置20aの概略を示す底面図である。尚、以下の形態では前記4個のボールbなどは、省略してある。
カシメ装置20aは、図12に示すように、前記本体21の底面24において、前面26および後面27の前後方向に沿って設けたクローラC1と、かかるクローラC1に対し前端が側面25寄りに僅かに傾斜して設けた前記と同じクローラC2と、を備えている。クローラC1において、前後一対のスプロケットローラ31,33の間には、これらの外周に巻き付けられた無端ベルト41の内周面に接する押圧体50が配置されている。かかる押圧体50は、例えば、摩擦係数の低い木材または硬質樹脂からなり、底面視で細長い長方形を呈すると共に、前・後端にはほぼ半円形のアール51,52が付されている。
【0033】
上記押圧体50は、図12に示すように、無端ベルト41における底面24の中央側の内周面を一定の長さで、対向する無端ベルト40との距離を入口I側から出口Z側に向かって徐々に狭くなるように、接触しつつ押している。前記図10で示したように、かかる押圧体50は、前記押圧ローラ35,37に替わって、無端ベルト41を押出形材1bのL形片8の外側面を、対向する無端ベルト40側に一定の長さで押し付け得る。このため、当該押圧体50と無端ベルト40側の押圧ローラ36,38とによって、押出形材1bの曲げ片12を押出形材1aの凸形部3寄りに接近するように徐々に曲げることができる。
尚、カシメ装置20aにおいて、クローラC2の無端ベルト40側にも、前記押圧ローラ36,38に替えて、上記押圧体50を用いても良い。
【0034】
図13は、異なる形態のカシメ装置20bの概略を示す底面図である。
カシメ装置20bは、図13に示すように、本体21の底面24において、前記カシメ装置20と同じく前面26と後面27との前後方向に対し前端側が僅か側面25寄りに傾斜して設けたクローラC2と、かかるクローラC2に対して左右(線)対称に設けたクローラC1′とを備えている。クローラC1′は、前後一対のスプロケットローラ31,33、これらの中間の押圧ローラ35,37、および、複数の押圧板42の外周面にピンpを突設した無端ベルト41′を備えている。
カシメ装置20bによれば、前記押出形材1a,1bのカシメは基より、異なる断面形状を端部同士に有する一対の押出形材に対しても、カシメ当初における無端ベルト40,41′の位置決めがやや甘くも、確実にカシメることが可能となる。尚、クローラC1′、C2の押圧ローラ35〜38に替えて、前記押圧体50を用いても良い。
【0035】
図14は、更に異なる形態のカシメ装置20cの概略を示す底面図である。
カシメ装置20cは、図14に示すように、本体21の底面24において、前面26および後面27の前後方向に沿って設けたクローラC3と、かかるクローラC3に対し前端が側面25寄りに僅かに傾斜して設けた前記と同じクローラC2と、を備えている。クローラC3は、前記クローラC1における無端ベルト41に替えて、合成ゴムからなる一体物の無端ベルト60を備えている。かかる無端ベルト60は、前記押出形材1a,1bにおける各部の厚み(約1〜2mm)の2倍以上の厚みを有している。
上記カシメ装置20cによれば、ゴム製で且つ厚めの無端ベルト60は、前記図10で示した押出形材1bのL形片8の外側面を、摩擦を伴って対向する無端ベルト40寄りに押すことができる。従って、前記押出形材1a,1bなどのカシメを確実に行うことができる。
尚、カシメ装置20cにおいて、クローラC2側にも、合成ゴムからなる一体物の無端ベルト60を用いても良い。また、無端ベルト60の外周面には、適宜の凹凸パターンを連続して形成しても良い。更に、クローラC3を前記クローラC2と対称になるように傾斜させて、本体21の底面24に取り付けても良い。加えて、クローラC2、C3の押圧ローラ35〜38に替えて、前記押圧体50を用いても良い。
【0036】
図15は、別異なる形態のカシメ装置20dの概略を示す底面図である。
カシメ装置20dは、図15に示すように、本体21の底面24において、前面26および後面27の前後方向に沿って設けたガイド体56と、かかるガイド体56に対し前端が側面25寄りに僅かに傾斜して設けた前記と同じクローラC2と、を備えている。上記ガイド体56は、例えば、摩擦係数の低い木材または硬質樹脂からなり、底面視が細長い長方形を呈すると共に、前端57および後端58の各コーナーには、アールが付されている。
上記カシメ装置20dによれば、摩擦係数の低いガイド体56は、前記図10で示した押出形材1bのL形片8の外側面に摺動ししつ、かかるL形片8を対向する無端ベルト40寄りに押すことができる。従って、前記押出形材1a,1bなどのカシメを確実に行うことができる。
尚、ガイド体56は、前記クローラC2と対称になるように傾斜して、本体21の底面24に取り付けても良い。また、前記クローラC2に、前記押圧体50や無端ベルト60を用いても良い。
【0037】
図16は、前記カシメ装置20,20a〜20dにより、カシメが可能な異なる形態の押出形材61における両端部の断面を示す。
押出形材61は、図16に示すように、平坦な基板62、その左端部(一端部)に直角に設けた凸形部63、右端部(一端部)にほぼL字形に設けたL形片68、かかるL形片68の先端に斜めに設けた曲げ片72、および、L形片68と曲げ片72とに囲まれた凹溝76を、図示の前後(押出)方向に沿って連続して有する。尚、基板62の中間には、前記図11で示した底広凹溝19を内設する箱形部17を、上記凸形部63などと同じ表面側に設けても良い。
図16に示すように、凸形部63の両側面には、断面が台形の凸条64と溝65とが2個ずつ左右対称に形成され、かかる凸形部63寄りの基板62における当該凸形部63が延びる側の表面には、断面三角形の係止条66が突設され、かかる係止条66と凸形部63との間には、係止溝67が位置している。
【0038】
更に、図16に示すように、L形片68の内側面には、上記溝65に嵌合する断面台形の凸条69と、上記凸条64が嵌合する溝70とが2個ずつ設けられると共に、曲げ片72の内側面には、上記溝65に嵌合する凸条74が突設されている。尚、曲げ片72の内側面の基端部には、その曲げ変形を誘発する断面V字形のノッチnが形成されている。
一対の押出形材61,61を前記同様に隣接させ、凸形部63を凹溝76に挿入して、予め凸条64を溝70に、凸条69を溝65にそれぞれ嵌合させる。かかる状態で、前記カシメ装置20,20a〜20dを用い、前記クローラC1,C2などの入口I側、これらの中間部分、出口Z側の順で、曲げ片72をL形片68寄りに順次曲げる。この結果、図17に示すように、曲げ片72は凸形部63に接近し、その先端部が係止溝67に進入する同時に、凸条74が溝65と嵌合する。更に、前記ピンpによって、曲げ片72に局部的な食い込み部を等間隔に形成できる。従って、一対の押出形材61,61を、それらの押出方向に沿って順次カシメることにより、緊密に連結することができる。
【0039】
図18は、前記カシメ装置20,20a〜20dにより、カシメが可能な更に異なる形態の押出形材81の両端部の断面を示す。
押出形材81は、図18に示すように、平坦な基板82、その左端部(一端部)に直角に設けた凸形部83、右端部(一端部)にほぼL字形に設けたL形片88、かかるL形片88の先端にノッチnを介して斜めに設けた曲げ片92、および、L形片88と曲げ片92とに囲まれた凹溝96などを、図示の前後(押出)方向に沿って連続して有する。尚、基板82の中間にも、前記図11で示した底広凹溝19を内設する箱形部17を、凸形部83などと同じ表面側に設けても良い。
図18に示すように、凸形部83の左(外)側面には、斜め下向きの溝84と断面ほぼ菱形の凸条85とが形成され、凸形部83の右(内)側面には、小凸条83aが突設されている。また、かかる凸形部83寄りの基板82における当該凸部83が延びる側の表面には、断面三角形の係止条86が突設され、かかる係止条86と凸形部83との間には、係止溝87が位置している。
【0040】
更に、図18に示すように、L形片88の内側面には、前記溝84に嵌合する断面ほぼ菱形の凸条89と、前記凸条85が嵌合する溝90とが設けられると共に、曲げ片92の内側面の先端には、前記係止溝87の一部に嵌入する小凸条94が突設されている。
一対の押出形材81,81を前記同様に隣接させ、凸形部83を凹溝96に挿入して、予め凸条85を溝90に、凸条89を溝84にそれぞれ嵌合させる。かかる状態で、前記カシメ装置20,20a〜20dを用い、前記クローラC1,C2などの入口I側、これらの中間部、出口Z側の順で、曲げ片92をL形片88寄りに順次曲げる。この結果、図19に示すように、曲げ片92は、凸形部83に接近し、先端の小凸条94が係止溝87に嵌入するため、当該曲げ片92は係止条86から抜け出し不能となる。更に、前記ピンpによって、曲げ片92に局部的な食い込み部を等間隔に形成できる。従って、一対の押出形材81,81を、それらの押出方向に沿って順次カシメることにより、緊密に連結することができる。
【0041】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではいない。
例えば、前記クローラにおいて、前後一対のスプロケットローラとそれらの間に配置する押圧ローラの位置とを、直線状とせずに、押圧ローラのみ対向する別のクローラ寄りに配置しても良い。これにより、上記各ローラの外周に巻き付ける無端ベルトの形態を、底面視で前記長円形状から上記押圧ローラの位置で屈曲したほぼ「ヘ」字形状にすることが可能となる。
また、前記本体を移動可能に支持する4個のボールに替えて、4個の車輪を本体の底面における外周側に設けても良い。あるいは、対向するクローラとガイド体との間、または対向する一対のクローラ間に位置する本体の底面に、複数のボールまたは車輪を直に取り付け、前記押出形材のL形片の上面を転動させることも可能である。
【0042】
更に、本発明のカシメ装置の対象となる押出形材は、前記平坦な基板を主体とする平板状の形態に限らず、断面が緩やかにカーブする基板の一端部に前記凸部を、他端部にL形片、曲げ片、および凹溝を有する全体が断面円弧形の形態としても良い。係る形態の押出形材を前記カシメ装置20などによってカシメることにより、断面アーチ形または断面半円形の構造物(例えば、通路の上方を覆う屋根)を、高い水密性をもって形成することが可能となる。
尚、本発明のカシメ装置の対象となる押出形材は、主にアルミニウム合金からなるものを対象とするが、同等の物理的特性を有するものであれば、樹脂製や他の金属製の形材も含まれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明における一形態のカシメ装置を示す平面図。
【図2】上記カシメ装置の底面図。
【図3】脚部などを省略した上記カシメ装置の側面図。
【図4】上部を省略した上記カシメ装置の正面図。
【図5】上記カシメ装置に用いる無端ベルトの押圧板を示す斜視図。
【図6】上記カシメ装置によりカシメられる押出形材を示す断面図。
【図7】押出形材とカシメ装置の無端ベルトの入口側との関係を示す概略図。
【図8】押出形材とカシメ装置の無端ベルトの出口側との関係を示す概略図。
【図9】上記カシメ装置による上記押出形材のカシメ工程を示す部分断面図。
【図10】上記カシメ装置による上記押出形材のカシメ工程を示す部分平面図。
【図11】上記カシメ装置を用いて得られたサインボートの正面図、側面図、およびその一部拡大図。
【図12】上記カシメ装置の変形形態の概略を示す底面図。
【図13】異なる形態のカシメ装置の概略を示す底面図。
【図14】更に異なる形態のカシメ装置の概略を示す底面図。
【図15】別異なる形態のカシメ装置の概略を示す底面図。
【図16】カシメるべき異なる形態の押出形材を示す部分断面図。
【図17】上記押出形材をカシメた状態を示す部分断面図。
【図18】カシメるべき更に異なる形態の押出形材を示す部分断面図。
【図19】上記押出形材をカシメた状態を示す部分断面図。
【符号の説明】
【0044】
1,1a,1b,61,81…押出形材
3,63,83……………凸形部
8,68,88……………L形片
12,72,92…………曲げ片
18,76,96…………凹溝
20,20a〜20d……カシメ装置
31〜34…………………スプロケットローラ
35〜38…………………押圧ローラ
40,41,41′,60……無端ベルト
42…………………………押圧板
56…………………………ガイド体
C1,C1′,C2,C3……クローラ
x1,x2…………………隙間
w1,w2…………………幅
p……………………………ピン
I……………………………入口
Z……………………………出口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の押出形材をカシメする装置であって、
一方の押出形材における一端部の押出方向にほぼ沿って配置し、前後一対のスプロケットローラ、および、係るスプロケットローラの外周に沿って巻き付けられた無端ベルトを備えるクローラと、
他方の押出形材における一端部の押出方向にほぼ沿い且つ上記クローラとほぼ対称に配置するガイド体と、を含む、
ことを特徴とする押出形材のカシメ装置。
【請求項2】
前記一方の押出形材における基板の一端部に設けたL形片およびその先端に設けた曲げ片に囲まれ且つ上記基板側に開口する凹溝に、前記他方の押出形材における基板の一端部に設けた凸形部を挿入した状態で、
上記L形片および凸形部の押出方向の少なくとも一方にほぼ沿って前記クローラが配置され、
上記L形片および凸形部の押出方向の他方にほぼ沿い且つ上記クローラとほぼ対称に前記ガイド体が配置されると共に、
上記クローラおよびガイド体の入口側は、上記L形片および曲げ片の通過を許容する隙間を有し、
上記クローラおよびガイド体の出口側は、上記曲げ片をL形片寄りに曲げ変形させ、該曲げ片とL形片との間に上記凸形部を挟み込んだ断面の幅とほぼ同じ隙間を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の押出形材のカシメ装置。
【請求項3】
前記無端ベルトは、金属からなる複数の押圧板を揺動可能に連結してものであるか、あるいは、ゴムからなる一体物である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の押出形材のカシメ装置。
【請求項4】
前記無端ベルトを構成する前記金属からなる複数の押圧板における一部または全ての外周面には、対向する前記ガイド体に向かってピンが突設されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の押出形材のカシメ装置。
【請求項5】
前記ガイド体も、前記クローラである、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の押出形材のカシメ装置。
【請求項1】
一対の押出形材をカシメする装置であって、
一方の押出形材における一端部の押出方向にほぼ沿って配置し、前後一対のスプロケットローラ、および、係るスプロケットローラの外周に沿って巻き付けられた無端ベルトを備えるクローラと、
他方の押出形材における一端部の押出方向にほぼ沿い且つ上記クローラとほぼ対称に配置するガイド体と、を含む、
ことを特徴とする押出形材のカシメ装置。
【請求項2】
前記一方の押出形材における基板の一端部に設けたL形片およびその先端に設けた曲げ片に囲まれ且つ上記基板側に開口する凹溝に、前記他方の押出形材における基板の一端部に設けた凸形部を挿入した状態で、
上記L形片および凸形部の押出方向の少なくとも一方にほぼ沿って前記クローラが配置され、
上記L形片および凸形部の押出方向の他方にほぼ沿い且つ上記クローラとほぼ対称に前記ガイド体が配置されると共に、
上記クローラおよびガイド体の入口側は、上記L形片および曲げ片の通過を許容する隙間を有し、
上記クローラおよびガイド体の出口側は、上記曲げ片をL形片寄りに曲げ変形させ、該曲げ片とL形片との間に上記凸形部を挟み込んだ断面の幅とほぼ同じ隙間を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の押出形材のカシメ装置。
【請求項3】
前記無端ベルトは、金属からなる複数の押圧板を揺動可能に連結してものであるか、あるいは、ゴムからなる一体物である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の押出形材のカシメ装置。
【請求項4】
前記無端ベルトを構成する前記金属からなる複数の押圧板における一部または全ての外周面には、対向する前記ガイド体に向かってピンが突設されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の押出形材のカシメ装置。
【請求項5】
前記ガイド体も、前記クローラである、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の押出形材のカシメ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−175731(P2007−175731A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−376932(P2005−376932)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000250432)理研軽金属工業株式会社 (89)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000250432)理研軽金属工業株式会社 (89)
【Fターム(参考)】
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