説明

押出成形用ダイヘッド

【課題】本発明は、外ダイと内ダイとの調芯状態を保持させることにより、厚みが均一の筒状体を成形することができる押出成形用ダイヘッドを提供する。
【解決手段】押出成形用ダイヘッド1は、押出機2から押し出されるゴム等を、外ダイ6の内周面と内ダイ7の外周面とで形成される断面環状の成形空間5を通過させて押し出すことにより筒状に成形し、押出機2のゴム等の押出口3に取り付けるためのジョイント8部を備え、ジョイント部8を押出口3に連結することによって外ダイ6が押出口3に片持ち状態で支持される。ジョイント部8と成形空間5とのあいだに設けられているゴム等の流路29内に、流路29の内周面を押出方向に直行する断面形状が円形で、かつ押出方向に縮径してテーパー部23を設け、このテーパー部23に外周面に設けたテーパー面22を嵌合させており押出方向にゴム等の流通孔21を有した軸支持部18に、軸心を押出方向に平行で、かつ押出方向に直交する断面の中心を通るようにして支持させた軸10に内ダイ7を取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出機から押し出されたゴムまたは合成樹脂を、筒状に成形する押出成形用ダイヘッドに関連するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、伝動ベルトの底ゴム、防振ゴム、緩衝材、シール材、靴底、床材、キャタピラのカバー材などの用途に用いられるシート状のゴムまたは合成樹脂は、ゴムまたは合成樹脂を筒状に成形したのちに長手方向に沿って切り開き、円周長の幅を有するシート状にしたものを所定の長さに裁断することによって形成されている。
【0003】
切り開く前のゴムまたは合成樹脂の筒状体は、生ゴム等の原料に配合剤を添加したものを、必要に応じて短繊維を混連するなどし、押出機の押出口からスクリュー等によって押し出して、押出口に取り付けた押出成形用ダイヘッドの断面環状の成形空間から外部に押し出すことによって成形されている。
【0004】
押出成形用ダイヘッドは、略環状の外ダイと略円盤状の内ダイとを備えており、外ダイの内側に内ダイの一端側を突出させ、対向する外ダイの内周面と内ダイの外周面とで成形空間を形成している。このような押出成形用ダイヘッドの外ダイは、押出口に片持ちの状態で支持されており、内ダイは、一端部が押出口内に設けられている軸支持部で支持されている軸に取り付けられている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−188596号公報(第6〜7頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような押出形成用ダイヘッドは、外ダイと内ダイとがそれぞれ独立して押出口で支持された状態になっているため、外ダイが、自重による撓みや押出圧などにより押出口に対して芯ずれを起こすと成形空間の間隔が一様にならず、成形されるゴムまたは合成樹脂の筒状体の厚みが不均一になる。
【0006】
そこで本発明は、外ダイと内ダイとの調芯状態を保持させることにより、厚みが均一の筒状体を成形することができる押出成形用ダイヘッドの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の押出成形用ダイヘッドは、押出機から押し出されるゴムまたは合成樹脂を、外ダイの内周面と内ダイの外周面とで形成される断面環状の成形空間を通過させて押し出すことにより筒状に成形するダイヘッドであり、前記押出機の押出口に取り付けるためのジョイント部を備え、前記ジョイント部を前記押出口に連結することによって、前記外ダイが前記押出口に片持ち状態で支持される押出成形用ダイヘッドにおいて、前記ジョイント部と前記成形空間とのあいだのゴムまたは合成樹脂の流路内に、同流路の内周面を押出方向に直交する断面形状が円形で、かつ押出方向または反押出方向に徐々に縮径してテーパー部を設け、このテーパー部に外周に設けたテーパー面を嵌合させており押出方向に貫通したゴムまたは合成樹脂の流通孔を有した軸支持部を設ける。そして、同軸支持部に、軸心を押出方向に平行で、かつ前記軸支持部の押出方向に直交する断面中心を通るようにして支持させた軸に、前記内ダイを取り付けることを特徴としている。
【0008】
この請求項1の押出成形用ダイヘッドによると、前記内ダイを取り付けている前記軸を、前記押出機の前記押出口ではなく、前記ジョイント部と前記成形空間とのあいだの前記流路内に設けた前記軸支持部によって支持させることで、前記外ダイと前記押出口との芯がずれた場合でも、その前記軸が前記外ダイに追随し、前記内ダイと前記外ダイとの調芯状態を保持することができる。
【0009】
さらに、前記軸支持部は、その外周の前記テーパー面を前記流路の前記テーパー部に嵌め合わせる構造になっているため、前記外ダイと前記内ダイとの調芯を自動的に行うことができ、尚かつ、前記軸支持部を前記テーパー部に対し嵌め直す場合には、前記成形空間の間隔を再現することができる。
【0010】
なお、前記軸支持部の前記テーパー面は、連続した面で構成されていなくても良く、例えば、前記軸支持部の外周部に、押出方向に連続する突出部を周方向に所定の角度毎に設けて、これらの突出部の上面で前記テーパー面を構成することもできる。
【0011】
請求項2に記載の押出成形用ダイヘッドは、テーパー部を、流路の内周面を押出方向に縮径して設けることを特徴としている。
【0012】
この請求項2の押出成形用ダイヘッドによると、前記軸支持部の前記テーパー面と前記流路の前記テーパー部とを嵌合させる方向が、ゴムまたは合成樹脂の押出方向と同じになるため、成形中において前記軸支持部と前記テーパー部とのあいだに緩みが生じにくくなり、前記内ダイと前記外ダイとの調芯状態を保持することができる。
【0013】
請求項3に記載の押出成形用ダイヘッドは、ジョイント部と外ダイとのあいだに、内側が流路の一部を構成し、かつ内周面にテーパー部を設けた筒状部材を配設し、この筒状部材の長手方向一端部に前記ジョイント部を設け、他端部に前記外ダイを連結することを特徴としている。
【0014】
この請求項3の押出成形用ダイヘッドによると、前記筒状部材を設けることによって、前記ジョイント部と前記外ダイとのあいだを、前記筒状部材と前記外ダイとに分解することができ、前記流路の清掃等のメンテナンスがし易くなる。また、前記筒状部材に前記テーパー部を設けて前記軸支持部を配設することによって、前記外ダイに前記軸支持部を配設する場合に比べ、重心を前記ジョイント部により近くすることができるので、自重等による芯ずれを抑えることができる。
【0015】
請求項4に記載の押出成形用ダイヘッドは、内ダイを、軸に対して少なくとも押出方向に移動可能な状態で取り付け、前記軸の前記内ダイの押出方向前側に、前記内ダイにかかる押出方向の荷重を測定する荷重測定装置を取り付けることを特徴としている。
【0016】
この請求項4の押出成形用ダイヘッドによると、前記成形中の前記内ダイにかかる圧力を測定することができる。これにより、前記軸の押出方向の伸びを前記圧力の変動として捉え、前記圧力が一定になるように前記押出機からの押出量を制御することにより、前記成形空間の間隔を一定に保つことができる。
【0017】
請求項5に記載の押出成形用ダイヘッドは、ゴムまたは合成樹脂に短繊維を混錬して、前記成形空間の少なくとも一部に、上流側から下流側に向かって径が徐々に拡大する拡張部を設けることを特徴としている。
この請求項5の押出成形用ダイヘッドによると、短繊維を混錬したゴムまたは合成樹脂を、前記拡張部を通過させて周方向の流れを生じさせることにより、上記請求項1〜4の作用に加え、短繊維の周方向の配向率が高いゴムまたは合成樹脂の筒状体を成形することができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の押出成形用ダイヘッドは、成形空間の間隔が一定に保持されるので、厚みが均一のゴムまたは合成樹脂の筒状体を安定して成形することができる。また、外ダイと内ダイとの調芯が自動的に行われるので、調整にかかる手間を軽減することができる。
【0019】
請求項2の押出成形用ダイヘッドは、成形中における外ダイと内ダイとの芯ずれが生じにくくなるため、成形安定性が向上する。
【0020】
請求項3の押出成形用ダイヘッドは、成形安定性とともにメンテナンス性を確保することが。
【0021】
請求項4の押出成形用ダイヘッドは、内ダイにかかる荷重を測定するため、成形空間内に生じている圧力を正確に把握することができ、成形空間の間隔が高精度で一定に保持されるため、成形安定性をより一層向上させることができる。
【0022】
請求項5の押出成形用ダイヘッドは、厚みが均一で、かつ周方向に高強度・高モジュラスのゴムまたは合成樹脂の筒状体を、安定して成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明にかかる押出成形用ダイヘッドの実施形態について図面1〜4を参照しつつ説明する。図1(a)は、短繊維を混錬したゴムまたは合成樹脂(以下、ゴム等)を筒状に成形するための押出成形用ダイヘッド1(以下、ダイヘッド1)を、押出機2の押出口3に取り付けた状態を示す側断面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA部の部分拡大図である。また、図2は、図1(a)におけるB−B矢視断面図を示している。
【0024】
押出機2は、ゴム等を押出口3のシリンダ内に設けているスクリュー4で押出口3からダイヘッド1に送り出し、ダイヘッド1に設けられている押出方向に直交する断面が環状の成形空間5を通過させ外部に押し出すことでゴム等の筒状体を成形している。
【0025】
ゴム等には、天然ゴム,スチレン,ブタジエンゴム,クロロプレンゴム,アクリロニトリル・ブタジエンゴム,エチレンプロピレン系ゴムや、オレフィン系,エステル系,エーテル系,アミド系,ウレタン系の合成樹脂、またポリエチレン,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,ナイロン,ポリエステルなどの合成樹脂に配合剤を添加したものが用いられる。
【0026】
そして、短繊維には、綿,絹,羊毛等の天然繊維,ナイロン,アラミド,ポリエステル,アクリル,ビニロンなどの合成繊維、グラス,炭素,シリカ,チッ化ケイ素,アルミナなどの無機繊維および金属繊維などが使用される。
【0027】
ダイヘッド1は、押出口3の押出方向先端に取り付けられており、主に、成形空間5を形成する外ダイ6と内ダイ7、そして、ダイヘッド1を押出口3に取り付けるためジョイント部8を一端部に有する筒状部材9と、内ダイ7が取り付けられる軸10とで構成されている。なお、筒状部材9の他端部には、外ダイ6が連結されるようになっている。
【0028】
外ダイ6は、ゴム等の押出方向に厚みを有する略円盤状に形成されており、中央部には、ゴム等の流路となる押出方向に貫通させた円形の貫通孔11が、同心状に設けられている。そして、外ダイ6の押出方向後面には、貫通孔11の周囲を突出させて環状の凸部12が設けられており、この凸部12を筒状部材9の一端の内側に挿入した状態で、筒状部9に連結されている。
【0029】
外ダイ6の貫通孔11の内周面13は、凸部12の先端から押出方向中間部にかけて、径が押出方向に徐々に縮小するテーパー形状になっており、中間部から押出方向前端の直前までは、径が押出方向に拡大する傾斜の急なテーパー形状になっていて、このテーパー形状になっている部分から押出方向前端までは、径を変えることなく一定の径で形成されている。
【0030】
一方、内ダイ7は、ゴム等の押出方向に厚みを有する略円盤状に形成され、中心部には軸嵌入孔14が貫通して設けられており、この軸嵌入孔14を、外ダイ6の貫通孔11に挿通した状態で配置している軸10に通して取り付けられている。内ダイ7は、軸10に対して固定されていないため、軸方向に移動可能となっている。
【0031】
この内ダイ7の外周面15は、押出方向後端から中間部までが、外ダイ6の内周面13において傾斜の急なテーパー形状になっている部分に対応するように、押出方向に径が拡大するテーパー形状に形成され、中間部から押出方向前端までが、外ダイ6の内周面の一定の径になっている部分に対応するように、一定の径で形成されている。
【0032】
そして、内ダイ7は、その外周面15と外ダイ6の内周面13とのあいだに、隙間をあけた状態で配置され、対向する外ダイ6の内周面13と内ダイ7の外周面15とによって、ゴム等が通過する成形空間5が形成されている。この成形空間5は、外ダイ6の内周面13と内ダイ7の外周面15とにそれぞれ設けられた傾斜の急なテーパー形状の部分で形成されている拡張部16と、各内周面13,15にそれぞれ設けられた一定の径となっている部分で形成されている同径部17とで構成されている。
【0033】
この内ダイ7が取り付けられている軸10は、筒状部材9内に設けられている軸支持部18(以下、スパイダ18ともいう)によって支持されている。筒状部材9は、略円筒型の形状を有し、押出方向前端部に内径を拡大して設けた嵌合部19に外ダイ6の凸部12が嵌め込まれ固定されている。そして、他端部に外径を拡大してフランジ状に形成した前述のジョイント部8が設けられている。
【0034】
スパイダ18は、押出方向に厚みを有する円盤状に形成されており、中央部には外周面と同心の円形の軸取付孔20が貫通して設けられており、軸取付孔20の周囲には、押出方向と直交する断面形状が略扇型で、かつ押出方向に貫通するゴム等の流通孔21が、周方向において90度毎に設けられている。そして、軸取付孔20に、軸10の一端部が挿通されて固定されている。このようにして、スパイダ18に固定された軸10は、その軸心が押出方向に平行で、かつスパイダ18の押出方向に直交する断面中心を通る状態で支持されている。
【0035】
このスパイダ18の外周面は、押出方向に徐々に縮径するテーパー面22になっている。なお、テーパー面22は連続した面でなくても、図3に示しているスパイダのように、複数の面を組み合わせて構成することもできる。図3のスパイダ18は、押出方向に連続する支持部18aを、軸取付孔20の周囲に放射状に突出させるようにして設け、これらの支持部22の上面でテーパー面22が構成されている。
【0036】
スパイダ18はテーパー面22を、筒状部材9の押出方向後端部にその内周面を押出方向に徐々に縮径させて設けたテーパー部23に嵌合させた状態で、筒状部材9の内側に固定されている。
【0037】
このように、スパイダ18は、テーパー面22をテーパー部23に嵌め合わせた状態で筒状部材9の内側に固定されるため、外ダイ6と軸10との調芯、つまり外ダイ6と内ダイ7との調芯が自動的に行われる。そして、メンテナンスなどにより、スパイダ18を筒状部材9から一旦取り外し再び筒状部材9に取り付けた場合にも、外ダイと内ダイとが自動的に調芯されるので、成形空間5の間隔を再現することができる。さらに、スパイダ18のテーパー面22と筒状部材9のテーパー部23とを嵌合させる方向が、ゴム等の押出方向と同一方向であるため、成形中におけるスパイダ18と筒状部材9とのあいだに緩みが生じにくく、外ダイ6と内ダイ7との芯ずれが起こりにくい。
【0038】
また、軸10には、内ダイ7の押出方向前側に環状のロードセル24が挿通されており、このロードセル24は、一端が内ダイ7の押出方向前面に当接し、他端が軸端に取り付けられているエンド部材25に当接した状態で配置されている。
このように構成されているダイヘッド1は、ジョイント部8から成形空間5に至るまでのゴム等の流路29が、筒状部材9の内側と外ダイ6の貫通孔11とで構成されており、筒状部材9においてはスパイダ18の流通孔21をゴム等が通過するようになっている。
【0039】
そして、筒状部材9のジョイント部8を、押出口3の先端部に設けたフランジ部26に当接させた状態にし、内周面に溝部27が形成されている二つ割りの環状の継手部材28を、溝部27でジョイント部8とフランジ部26とを抱き合わせるようにして固定することで、押出機2に取り付けられている。
【0040】
こうして押出口3に取り付けられたダイヘッド1は、自重やゴム等の押出圧による負荷などで押出口3とのあいだに芯ずれが生じた場合でも、外ダイ6および筒状部材9と軸10とのあいだには芯ずれが起こらないため、外ダイ6と内ダイ7との調芯状態は維持される。
このダイヘッド1に押出機2から短繊維を混錬したゴム等が送り出されてくると、ゴム等は、スパイダ18の流通孔21を通過し、外ダイ6の貫通孔11を通って流量が絞られたのちに成形空間5に流入する。成形空間5の入口30から流入したゴム等は、拡張部16で徐々に径が拡張されながら出口31に向かって流れ、同径部17で筒状に成形されたのち、出口31から筒状体として外部に押し出される。ゴム等に混入している短繊維は、成形空間5に入るまではランダムな配向になっており、拡張部16での径の拡大に伴いゴム等の周方向の流れが生じることで周方向に配向される。これにより、周方向の短繊維の配向率が高いゴム等の筒状体が成形される。
さらに、ゴム等を押し出しているあいだは、内ダイ7に作用している荷重をロードセル56で検出し、内ダイ7にかかる圧力の変動を軸10の伸びとして捉え、この圧力が一定になるように押出機2のスクリュー4の回転を制御し押出量を調整することによって、成形空間50の間隔(ギャップ)が一定に保たれるようにしている。このように、内ダイ7にかかる荷重を測定することで、成形空間5内の圧力を正確に把握することができ、成形空間5の間隔調整を高い精度で行える。
このように成形中は、外ダイ6と内ダイ7との調芯状態が維持されるとともに、成形空間5の間隔が押出量によって調整されるため、均一な厚みの筒状体を安定して成形することができる。
【0041】
こうして成形した筒状体を、図示しないカッター等で長手方向に沿って切り開きシート状にすると、幅方向に高強度・高モジュラスのシートを得ることができる。このシートを用途に応じて所定の長さに裁断し、伝動ベルトの底ゴムや防振ゴム、緩衝材、シール材、靴底、床材、キャタピラのカバー等に用い、FRPの分野では、摺動材、補強部品等の用途に用いる。
【0042】
なお、上記実施形態では、外ダイ6と筒状部材9とを、メンテナンス等の都合上、別体として設けているが、図4のように、一体型にすることもできる。また、成形空間5を、押出方向に傾斜させない形状とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a)は、本発明の実施形態である押出成形用ダイヘッドを押出機の押出口に取り付けた状態を示す側断面であり、(b)は(a)図におけるA部の部分拡大図である。
【図2】図1(a)におけるB−B方向矢視断面図。
【図3】スパイダ(軸支持部)の別の実施形態を示す断面図。
【図4】本発明の別の実施形態である押出成形用ダイヘッドを押出機の押出口に取り付けた状態を示す側断面。
【符号の説明】
【0044】
1 押出成形用ダイヘッド(ダイヘッド)
2 押出機
3 押出口
5 成形空間
6 外ダイ
7 内ダイ
8 ジョイント部
10 軸
18 軸支持部(スパイダ)
21 流通孔
22 テーパー面
23 テーパー部
29 流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機から押し出されるゴムまたは合成樹脂を、外ダイの内周面と内ダイの外周面とで形成される断面環状の成形空間を通過させて押し出すことにより筒状に成形するダイヘッドであり、前記押出機の押出口に取り付けるためのジョイント部を備え、前記ジョイント部を前記押出口に連結することによって、前記外ダイが前記押出口に片持ち状態で支持される押出成形用ダイヘッドにおいて、
前記ジョイント部と前記成形空間とのあいだのゴムまたは合成樹脂の流路内に、同流路の内周面を押出方向に直交する断面形状が円形で、かつ押出方向または反押出方向に徐々に縮径してテーパー部が設けられており、このテーパー部に外周に設けたテーパー面を嵌合させており押出方向に貫通したゴムまたは合成樹脂の流通孔を有した軸支持部に、軸心が押出方向に平行で、かつ前記軸支持部の押出方向に直交する断面中心を通るように支持された軸に、前記内ダイが取り付けられていることを特徴とする押出成形用ダイヘッド。
【請求項2】
前記テーパー部が、前記流路の前記内周面を押出方向に縮径して設けられていることを特徴とする請求項1記載の押出成形用ダイヘッド。
【請求項3】
前記ジョイント部と前記外ダイとのあいだに、内側が前記流路の一部を構成し、かつ内周面に前記テーパー部が設けられている筒状部材が配設され、この筒状部材の長手方向一端部に前記ジョイント部が設けられ、他端部に前記外ダイが連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載の押出成形用ダイヘッド。
【請求項4】
前記内ダイが、前記軸に対して少なくとも押出方向に移動可能な状態で取り付けられており、前記軸の前記内ダイの押出方向前側に、前記内ダイにかかる押出方向の荷重を測定する荷重測定装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形用ダイヘッド。
【請求項5】
ゴムまたは合成樹脂に短繊維が混錬されており、前記成形空間の少なくとも一部に、入口側から出口側に向かって径が徐々に拡大する拡張部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の押出成形用ダイヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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