押圧操作型入力装置
【課題】複数個のプッシュスイッチを列状に配設してタッチセンサと同じようなセンサ機能を併せ持ち操作性に優れた「押圧操作型入力装置」を安価に提供すること。
【解決手段】入力装置10は浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチ1を複数個備えており、各プッシュスイッチ1の操作キー2が前面板8aの開口部8bに露出して列状に並んでいる。前面板8aには、操作キー2群の配列に沿って延びて各操作キー2の一側部2aと隣接する帯状ガイド面8dが突条部8cの天面に形成されており、ユーザは帯状ガイド面8dに載せた手指Fで任意の操作キー2を押圧操作可能である。また、各プッシュスイッチ1は、その操作キー2の一側部2aの少なくとも中央部分が帯状ガイド面8dに対して前方へ突出している状態で浅押し操作状態に切り替わり、かつ該操作キー2の一側部2aが帯状ガイド面8dに対して後方へ没入している状態で深押し操作状態に切り替わる。
【解決手段】入力装置10は浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチ1を複数個備えており、各プッシュスイッチ1の操作キー2が前面板8aの開口部8bに露出して列状に並んでいる。前面板8aには、操作キー2群の配列に沿って延びて各操作キー2の一側部2aと隣接する帯状ガイド面8dが突条部8cの天面に形成されており、ユーザは帯状ガイド面8dに載せた手指Fで任意の操作キー2を押圧操作可能である。また、各プッシュスイッチ1は、その操作キー2の一側部2aの少なくとも中央部分が帯状ガイド面8dに対して前方へ突出している状態で浅押し操作状態に切り替わり、かつ該操作キー2の一側部2aが帯状ガイド面8dに対して後方へ没入している状態で深押し操作状態に切り替わる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを列状に複数個配設して任意のプッシュスイッチを選択的に操作できるようにした押圧操作型入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カーエアコンやカーオーディオ等の車載用制御装置を操作するための複数個のプッシュスイッチを配設した入力装置として、ユーザの手指がプッシュスイッチの操作キーに触れているか否かを静電容量の変化に基づいて検知可能なセンサ機能を有するタッチセンサ付きの押圧操作型入力装置が実用化されている。かかる従来の入力装置は、運転中のユーザが目視しやすい場所に設置されているディスプレイ装置と接続されており、このディスプレイ装置に、ユーザの手指がどの操作キーに触れているのかがリアルタイムで表示されるようになっている。したがって、ユーザはプッシュスイッチの押圧操作時に手元を注視しなくても、ディスプレイ装置の表示画面を見れば自分の手指が現在どの操作キー上に置かれているのかを把握できることになる。それゆえ運転中であっても、ユーザは前方への注意を怠ることなく所望のプッシュスイッチを正確に押圧操作することが可能となり、安全性が高まるものと期待されている。
【0003】
しかしながら、静電容量の変化に基づくタッチセンサを採用すると、マイコン等を追加した高価な入力装置になってしまうという問題があり、かつ、ユーザが手袋を着用していると、正確なセンシングが行えないため使い勝手も悪かった。
【0004】
そこで、浅押し操作と深押し操作の2段階の押圧操作が行える公知のプッシュスイッチを採用し、任意のプッシュスイッチが浅押し操作されたか否かを機械的に検知することによって、タッチセンサと同じようなセンサ機能を実現することが考えられる。すなわち、ユーザが手指を任意のプッシュスイッチの操作キー上に置くと、その操作キーが容易に浅押し操作されるように設定しておけば、列状に並ぶ複数個の操作キーのどこにユーザの手指が置かれているのかを前記ディスプレイ装置の表示画面を見て把握できるので、ユーザは手元を注視しなくても所望のプッシュスイッチを正確に深押し操作することが可能となる。これにより、タッチセンサと同じようなセンサ機能を有する入力装置が安価に得られることになる。
【0005】
ただし、プッシュスイッチに浅押し操作を検知させるためには所要の操作荷重が必要なので、列状に並ぶ複数個の操作キーを連続的に浅押し操作する際に、ユーザが手指を操作キーだけに押し当てていたのでは操作性が悪く、ブラインドタッチでの操作は極めて困難になる。つまり、かかる連続的な浅押し操作を行う場合、ユーザは過不足ない操作荷重を操作キーに加えつつ、列状に並ぶ操作キーに沿って手指をスライド移動させていかねばならないので、こうした一連の操作をユーザがブラインドタッチで確実に行えるようにするためには、手指の支えや手指の移動方向を案内する何らかのガイド機構を設けておくことが不可欠になる。仮に、いかなるガイド機構も用意されていないとすると、運転中のユーザが連続的な浅押し操作を行おうとしても、手指の動きはかなり不安定なものになってしまう。
【0006】
なお、複数個のプッシュスイッチの操作キー群が配設されている自動車のインストルメントパネルに、ユーザの手指を支えるためのガイド部を設けて入力装置の操作性を高めるという技術は、従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来技術では、コンソールボックスの下側に横に延びる棚状のガイド部を設け、ユーザが操作キーを押圧操作する手指とは異なる手指をこのガイド部に載せられるようにしてあるため、ガイド部を基準にして各操作キーの位置が手探りで把握しやすくなり、運転中であっても所望の操作キーに手指を押し当てることが比較的容易になる。また、このガイド部で手指を支えることができるため、操作キーに加える操作荷重が加減しやすく、それゆえ浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチが操作しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平5−76856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、プッシュスイッチの操作キーからやや離れた場所にガイド部が設けられており、操作キーを押圧操作する手指とガイド部に載せる手指とが異なることを前提としているため、操作キー上の手指をガイド部に沿って所定方向へ所定量だけスライド移動させようとしても位置ずれを起こしやすい。そのため、運転中などにユーザが手元を見ないで、ガイド部に沿って手指をスライド移動させて所望の操作キーを押圧操作しようとすると、誤操作する可能性が高かった。
【0009】
また、複数個の操作キーに対する連続的な浅押し操作によってタッチセンサと同じようなセンサ機能を実現するためには、個々の操作キーに対する浅押し操作をユーザが極めて容易に行えるようにしておく必要がある。すなわち、列状に並ぶ操作キーをユーザが順番に押し込んで浅押し操作を繰り返すようにした場合、繰り返しの操作が煩雑すぎて操作性が極めて悪くなってしまうため、ユーザに押し込むという意識がなくても手指を操作キー上に載せればほぼ自動的に浅押し操作が実行され、その手指をガイド部に沿ってスライド移動させれば複数個の操作キーに対する連続的な浅押し操作が円滑に実行されるようになっていることが望まれる。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数個のプッシュスイッチを列状に配設してタッチセンサと同じようなセンサ機能を併せ持ち操作性に優れた押圧操作型入力装置を安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、操作キーを介して浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを複数個備え、これらプッシュスイッチの各操作キーが操作パネルの開口部に露出して列状に並んでいる押圧操作型入力装置において、前記操作パネルに、前記操作キー群の配列方向に沿って延びて各操作キーの一側部と隣接する帯状ガイド面を設け、この帯状ガイド面に載せた手指で任意の前記操作キーを押圧操作可能となすと共に、前記操作キーの前記一側部の天面(前面)の少なくとも一部が、前記帯状ガイド面と同一面となる状態または前記帯状ガイド面よりも突出している状態で、前記プッシュスイッチが前記浅押し操作状態に切り替わり、かつ、前記操作キーの前記一側部の天面が前記帯状ガイド面よりも没入している状態で、前記プッシュスイッチが前記深押し操作状態に切り替わるように構成した。
【0012】
このように構成された押圧操作型入力装置では、ユーザが手指を帯状ガイド面の所定領域に押し当てると、この手指が接触する操作キーの一側部が帯状ガイド面と同等の高さ位置まで自ずと押し下げられるため、ユーザは特に押し込み動作を意識しなくても、操作キーに対応するプッシュスイッチを浅押し操作状態に切り替えることができる。そして、ユーザが手指を帯状ガイド面の長手方向に沿ってスライド移動させれば、列状に並ぶ操作キーが順次浅押し操作されることになるため、手指がどの操作キー上に置かれているのかをタッチセンサと同様に検知することが可能となり、操作性も良好となる。しかも、浅押し操作の有無を機械的に検知すれば良いので、静電容量の変化に基づくタッチセンサと比べて極めて安価にセンサ機能が実現でき、かつ、ユーザが手袋を着用していてもセンサ機能に悪影響を及ぼさないため使い勝手が良い。また、操作キーが帯状ガイド面に対して没入する位置まで押し込まれないと、プッシュスイッチは深押し操作状態に切り替わらないので、ユーザが意識して押し込み動作を行わない限り深押し操作は実行されず、よって手指を帯状ガイド面に沿ってスライド移動させているときに、意図せず深押し操作してしまうという誤操作を引き起こす可能性はほとんどない。
【0013】
上記の構成において、操作パネルに操作キー群の配列方向に沿って延びる突条部を立設し、この突条部の天面(前面)を帯状ガイド面となせば、ユーザが手探りで帯状ガイド面に手指を載せることが容易となるため好ましい。
【0014】
また、上記の構成において、帯状ガイド面が前面板の開口部に向かって凹状に湾曲していると共に、各操作キーの一側部の天面が帯状ガイド面に向かって凹状に湾曲しており、浅押し操作状態の操作キーの天面が帯状ガイド面を延長させた凹状湾曲面と略合致するようにすれば、ユーザが手指を帯状ガイド面に押し当てたときに、その手指が接触する操作キーを極めて容易に浅押し操作することができるため、タッチセンサ付きのプッシュスイッチとほぼ同様の感覚で操作できるようになる。ただし、帯状ガイド面は直線的に傾斜するテーパ面などであっても良い。
【0015】
また、上記の構成において、操作キー群の配列方向が横一列であると共に、帯状ガイド面が横方向に直線状に延びていると、この帯状ガイド面に沿ってユーザが手指を直線状にスライド移動させるだけで、タッチセンサと同じようなセンシングを行わせることが可能となるため、ブラインドタッチでの操作が行いやすくなる。ただし、操作キー群が別の配列、例えば円環状の配列などであっても良い。
【0016】
また、上記の構成において、各プッシュスイッチに操作キーを介して押圧操作される接点ゴムが組み込まれていると、浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを少ない部品点数で実現することができ、部品コストや組立コストを抑えやすくなる。ただし、接点ゴムを用いないプッシュスイッチであっても良く、例えばコイルばねや板ばね等を用いて2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを構成することも可能である。
【0017】
また、上記の構成において、帯状ガイド面の複数個所に非操作状態の操作キーの天面より突出する凸部を形成し、隣り合う操作キーどうしの間の隙間と対向する個所に該凸部が位置するように設定してあると、ユーザが手指を帯状ガイド面の長手方向に沿ってスライド移動させる際に、手指が操作キーの天面のエッジ部に引っ掛かる虞がなくなると共に、ユーザが手元を注視することなく凸部と凸部の間に手指を押し当てることが容易となるため、手指で1個の操作キーを確実に浅押し操作することができる。それゆえ、入力装置の操作性が非常に良好になる。この場合において、帯状ガイド面の隣り合う凸部どうしの間に丸みを帯びた凹部を形成し、該帯状ガイド面を長手方向に沿って波打つような形状にしておけば、ユーザは手元を注視することなく極めて容易に手指を凹部に押し当てることができ、かつ手指を帯状ガイド面の長手方向に沿って円滑にスライド移動させることができるため、操作性のさらなる向上が期待できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の押圧操作型入力装置によれば、ユーザが手指を帯状ガイド面の所定領域に押し当てると、この手指が接触する操作キーの一側部の天面が帯状ガイド面と同等の高さ位置まで自ずと押し下げられるため、ユーザは特に押し込み動作を意識しなくても、該操作キーを介してプッシュスイッチを浅押し操作状態に切り替えることができる。そして、この手指を帯状ガイド面の長手方向に沿ってスライド移動させれば、列状に並ぶ操作キーが順次浅押し操作されることになるため、手指がどの操作キー上に置かれているのかをタッチセンサと同様に検知することが可能となる。その際、浅押し操作の有無を機械的に検知すれば良いので、静電容量の変化に基づくタッチセンサと比べて極めて安価にセンサ機能が実現でき、かつ、ユーザが手袋を着用していてもセンサ機能に悪影響を及ぼさないため使い勝手も良い。また、操作キーが帯状ガイド面に対して没入する位置まで押し込まれないと、プッシュスイッチは深押し操作状態に切り替わらないので、ユーザが意識して押し込み動作を行わない限り深押し操作は実行されず、よって手指を帯状ガイド面に沿ってスライド移動させているときに、意図せず深押し操作してしまうという誤操作を引き起こす可能性はほとんどない。それゆえ、タッチセンサと同じようなセンサ機能を併せ持ち操作性に優れた押圧操作型入力装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る入力装置の操作領域を示す斜視図である。
【図2】図1に示す入力装置の平面図である。
【図3】図1に示す入力装置の正面図である。
【図4】図1中の任意の操作キーの非操作状態を示す要部側面図である。
【図5】図4に対応する非操作時のプッシュスイッチを示す断面図である。
【図6】図4の操作キーが浅押し操作された状態を示す要部側面図である。
【図7】図6に対応する浅押し操作時のプッシュスイッチを示す断面図である。
【図8】図4の操作キーが深押し操作された状態を示す要部側面図である。
【図9】図8に対応する深押し操作時のプッシュスイッチを示す断面図である。
【図10】該プッシュスイッチの操作荷重と押下ストロークの関係を示す特性図である。
【図11】図1に示す入力装置を含む制御システムのブロック図である。
【図12】本発明の第2実施形態例に係る入力装置における帯状ガイド面と操作キー群の高さ位置の相違を示す説明図である。
【図13】本発明の第3実施形態例に係る入力装置における帯状ガイド面と操作キー群の高さ位置の相違を示す説明図である。
【図14】本発明の第4実施形態例に係る入力装置の要部側面図である。
【図15】本発明の第5実施形態例に係る入力装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1実施形態例について図1〜図11を参照しつつ説明する。図1〜図3に示すように、本実施形態例に係る押圧操作型入力装置10には、複数個のプッシュスイッチ1の操作キー2群が列状に配置されており、各操作キー2の一側部2aに沿って前面板(操作パネル)8aに突条部8cが立設されている。図4〜図10はプッシュスイッチ1の構造や動作を説明するためのものである。また、図11に示すように、この入力装置10は車載用制御装置40やディスプレイ装置50と接続されている。
【0021】
押圧操作型入力装置10は、カーエアコンやカーオーディオ等の車載用制御装置40を操作するためのものであり、入力装置10に配設された任意のプッシュスイッチ1の操作キー2をユーザが所定ストローク押し込むことによって、所望の操作を実行するための制御信号が車載用制御装置40へ出力されるようになっている。また、この入力装置10は、ユーザにとって目視容易な場所に設置されているディスプレイ装置50と接続されており、ユーザの手指が現在どの操作キー2上に置かれているのかという情報や各操作キー2に割り当てられている操作内容等が、ディスプレイ装置50の表示画面に表示されるようになっている。なお、ディスプレイ装置50は車載用制御装置40とも接続されており、車載用制御装置40の現在の制御内容等をディスプレイ装置50の表示画面に表示させることができる。
【0022】
この入力装置10には複数個のプッシュスイッチ1が配設されており、各プッシュスイッチ1の操作キー2は横一列に並べられている。各プッシュスイッチ1は全て同じ構造のものであり、基板7上に搭載された成形ゴム体の一部である接点ゴム3と、この接点ゴム3上に搭載された操作キー2とを有する。接点ゴム3は例えば透光性を有するシリコーンゴム等から形成された成形ゴム体の一部であり、導電性を有するカーボン素材で形成された可動接点4a,4bが印刷や接着等により固設されている。可動接点4a,4bは、基板(プリント基板)7上に設けられた導電性を有するカーボン素材でなる固定接点5a,5bに対して接離可能となっている。これら複数個のプッシュスイッチ1は、上ケース8と下ケース9を組み合わせて構成される筐体に収納されている。各操作キー2は上ケース8の前面板(操作パネル)8aに設けられた開口部8b内に昇降可能(前後進可能)に配置されており、各操作キー2の天面(前面)が前面板8aから突出して押圧操作できるようになっている。また、上ケース8の前面板8aには、列状に並ぶ操作キー2群の配列方向に沿って直線状に延びる突条部8cが立設されている。この突条部8cは各操作キー2の一側部2aと隣接しており、突条部8cの天面(前面)がユーザの手指Fを載せるための帯状ガイド面8dとなっている。
【0023】
プッシュスイッチ1の構造について詳しく説明すると、図5に示すように、非操作時の操作キー2は接点ゴム3の付勢力によって上ケース8の内面に押し付けられており、このプリテンションによって操作キー2のガタつきが防止されている。また、操作キー2は透光性を有する合成樹脂で形成され、その天面には図示せぬ照光領域が設けられており、この照光領域が基板7に実装されたLED6の光によって照光されるようになっている。基板7上にはLED6の周囲に第1固定接点5aが設けられており、第1固定接点5aの周囲に第2固定接点5bが設けられている。そして、図5に示すように、非操作時において、接点ゴム3の第1可動接点4aと第2可動接点4bがそれぞれ第1固定接点5aと第2固定接点5bの真上に接離可能に配置されている。このプッシュスイッチ1には、第1可動接点4aが第1固定接点5aに当接するとオン状態に切り替わる第1のスイッチ回路と、第2可動接点4bが第2固定接点5bに当接するとオン状態に切り替わる第2のスイッチ回路とが設けられている。
【0024】
接点ゴム3には、基板7上で第2固定接点5bを包囲する領域に載置されるベース部3aと、同心状に配置された駆動筒部3bおよび従動筒部3cと、駆動筒部3bの内周面と従動筒部3cの外周面を全周に亘って連結しているクリック生成壁部3dと、駆動筒部3bの外周面を全周に亘ってベース部3aに連結している柔軟変形壁部3eとが一体に設けられており、ベース部3aが柔軟変形壁部3eを介して駆動筒部3bを支持している。駆動筒部3bの天面は接点ゴム3の最上端に位置するため、操作キー2は駆動筒部3b上に搭載され、操作荷重が駆動筒部3bの天面に付与されるようになっている。駆動筒部3bはクリック生成壁部3dを介して従動筒部3cを支持しているので、操作荷重が付与されて駆動筒部3bが下動(後退)すると、従動筒部3cが駆動筒部3bに駆動されて下動する。従動筒部3cの底面は基板7に近接して配置され、この従動筒部3cの底面に印刷や接着等により第1可動接点4aが固設されている。駆動筒部3bの底面は従動筒部3cの底面よりも基板7から離れた位置に配置され、この駆動筒部3bの底面に印刷や接着等により第2可動接点4bが固設されている。クリック生成壁部3dは、従動筒部3cの外周面から駆動筒部3dの内周面にかけてその断面形状が直線的に斜め上方に延びる逆スカート形状に形成されている。このクリック生成壁部3dは操作キー2の押圧操作時に座屈変形可能であり、座屈するときにクリック感を生起するようになっている。柔軟変形壁部3eは軽い操作荷重で撓み始めるように、クリック生成壁部3dよりも肉薄で且つその断面形状が直線部を持たず一方向に連続して湾曲する湾曲形状に形成されており、本実施形態例では、ベース部3aの天面と駆動筒部3bの外周面との間で約90°の角度範囲に亘る略円弧形状とされている。柔軟変形壁部3eは操作キー2の押圧操作時には座屈を伴わずに徐々に撓むようになっている。なお、柔軟変形壁部3eの断面形状は直線部を持たない湾曲形状に限られるものではなく,例えば微小な直線部が連接されて全体として湾曲形状を呈するもの等、操作キー2の押圧操作時に座屈しないで撓む形状であれば如何なるものでも良い。ただし、後述する操作キー2の全押下ストローク範囲において、柔軟変形壁部3eの断面形状に起因する操作荷重の急激な変化が生じないようにするためには,上述したようにその断面形状を直線部を持たず一方向に連続して湾曲する湾曲形状とすることが好ましい。
【0025】
このような接点ゴム3を組み込んだプッシュスイッチ1は、軽い操作力で操作キー2を浅く押し込むことによって前記第1のスイッチ回路をオン状態に切り替える浅押し操作と、比較的強い操作力で操作キー2を深く押し込むことによって前記第2のスイッチ回路をオン状態に切り替える深押し操作とが行えるようになっている。
【0026】
かかるプッシュスイッチ1の2段階の押圧操作について、図10のフィーリング曲線を参照しつつ説明する。なお、図10は操作キー2を押し込んだときの操作荷重と押下ストロークとの関係を示している。同図に示すように、本実施形態例のプッシュスイッチ1では、操作荷重が0.2N(約20g重)以上であるときに操作キー2を介して接点ゴム3が押し撓められるようになっている。これは、接点ゴム3により非操作時の操作キー2にほぼ0.2N(約20g重)のプリテンションが付与されているためであり、このプリテンションによって操作キー2のガタつきが防止されていると共に、外部振動等によって操作キー2が意図せず浅押し操作状態にならないように配慮されている。また、非操作時においてプッシュスイッチ1内の接点ゴム3は図5に示すような断面形状になっており、第1および第2可動接点4a,4bがそれぞれ第1および第2固定接点5a,5bの真上に配置されている。
【0027】
操作キー2に0.2N以上の操作荷重が付与されると、接点ゴム3は、まず柔軟変形壁部3eが徐々に撓んでいくのに伴って駆動筒部3bと従動筒部3cが下動(後退)していくが、従動筒部3cと基板7との間隔は僅かなので、押下ストロークがS1(約0.22mm)に達した時点で従動筒部3cの下動が基板7に規制された図7の状態になり、第1可動接点4aが第1固定接点5aに当接する。つまり、0.5mmに満たない微少な押下ストロークS1において第1のスイッチ回路がオン状態に切り替わり、押下ストロークS1を実現するために必要な操作荷重は0.32N(約33g重)と極めて軽い。したがって、ユーザは意識的な押し込み操作を行わなくても、手指Fを操作キー2上に載せるだけでプッシュスイッチ1の浅押し操作が行えるようになっている。
【0028】
浅押し操作された操作キー2がさらに押し込まれると、従動筒部3cの下動が規制されたまま駆動筒部3bが下動するため、柔軟変形壁部3eが撓み続けるだけでなくクリック生成壁部3dが撓み始める。それゆえ、図10に示すように、フィーリング曲線の傾斜角度は押下ストロークS1を越えると急に大きくなる。そして、操作荷重が3.17N(約324g重)で押下ストロークをS2(約1.12mm)まで増やすことができるが、押下ストロークがS2を越えるとクリック生成壁部3dが弾性的に座屈するため、操作荷重が急減して押下ストロークがS3(約1.63mm)まで急増し、それに伴ってクリック感が生起される。その結果、駆動筒部3bの下動が基板7に規制された図9の状態になり、第2可動接点4bが第2固定接点5bに当接する。つまり、ユーザは操作キー2に3.17N以上の操作荷重を加えて1.6mm以上押し込むことによって、第2のスイッチ回路をオン状態に切り替えることができる。
【0029】
なお、上記の操作荷重および押下ストロークの数値はあくまで一例であり、操作キー2の大きさや重量等に応じて適宜設定可能であることは言うまでもない。ただし、ユーザが意識的な押し込み操作を行わなくても、手指Fを操作キー2上に載せるだけでプッシュスイッチ1の浅押し操作が行えるようにするためには、図10に示す浅押し操作時の押下ストロークS1は0.5mm以下であることが好ましく、この押下ストロークS1を得るために必要な操作荷重は0.48N(50g重)以下であることが好ましい。
【0030】
前面板(操作パネル)8aに立設された突条部8cの天面(前面)である帯状ガイド面8dの高さ位置は、浅押し操作状態(第1のスイッチ回路のオン状態)に切り替わる際の操作キー2の一側部2aの天面(前面)の高さ位置と同一またはそれよりも低く、かつ深押し操作状態(第2のスイッチ回路のオン状態)に切り替わる際の操作キー2の一側部2aの天面(前面)の高さ位置よりも十分に高くなるように設定されている。つまり、各操作キー2の一側部2aは、非操作時には突条部8cの帯状ガイド面8dに対して前方(上動方向)へ僅かに突出しており、浅押し操作時には帯状ガイド面8dと同一面かこの帯状ガイド面8dよりも後方(下動方向)へ僅かに没入し、深押し操作時には帯状ガイド面8dに対して後方(下動方向)へ大きく没入する。
【0031】
操作キー2と帯状ガイド面8dの高さ位置の関係について詳しく説明すると、図4に示すように、非操作時には、操作キー2の一側部2aの天面(前面)が帯状ガイド面8dに対して前方へ微少量A(0.3〜0.5mm)だけ突出しているが、操作キー2の浅押し操作に必要な押下ストロークS1はこの微少量Aと同一かこれよりもさらに小さく設定される(約0.22mm)ので、図6に示すように、ユーザが手指Fで操作キー2の一側部2aを帯状ガイド面8dと同等の高さ位置まで押し込めば、この操作キー2に対応するプッシュスイッチ1を必ず浅押し操作状態(第1のスイッチ回路のオン状態)に切り替えることができる。しかも、押下ストロークS1を実現するために必要な操作荷重は、本実施形態例においては0.48N(50g重)以下の0.32Nと極めて軽いため、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dに軽く押し当てれば、この手指Fの指先が接触する操作キー2は自ずと押し下げられて図6の状態になる。それゆえ、ユーザは押し込み動作を意識しなくても、該操作キー2を極めて容易に浅押し操作することができる。また、操作キー2の深押し操作に必要な押下ストロークS3は微少量Aよりも十分に大きく設定される(約1.63mm)ので、ユーザは帯状ガイド面8dに押し当てた手指Fの指先で操作キー2を深く押し込まない限り、この操作キー2に対応するプッシュスイッチ1を深押し操作状態(第2のスイッチ回路のオン状態)に切り替えることはできない。図8は操作キー2が手指Fの指先で深押し操作されている状態を示している。
【0032】
なお、操作キー2の一側部2aとは逆側の側部(図4ないし図9の右側部)の天面(前面)、または操作キー2の天面全体を、帯状ガイド面8dに対して上記一側部2aと同一の位置関係となるように設定しても良い。ただし、操作キー2の天面のうち、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dに押し当てたときにこの手指Fの指先が届かない領域においては、天面の位置や形状を適宜変更することができる。
【0033】
このようなプッシュスイッチ1が列状に複数個配設されている押圧操作型入力装置10においては、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dに軽く押し当てれば、指先が接触する操作キー2をほぼ自動的に浅押し操作することができる。また、この手指Fを帯状ガイド面8dの長手方向に沿ってスライド移動させれば、列状に並んでいる複数個の操作キー2を順次浅押し操作していくことができる。したがって、ユーザは目視容易な場所に設置されているディスプレイ装置50の表示画面を見れば、手元を注視しなくても、現在どの操作キー2上に自分の手指が置かれているのかを把握でき、それゆえ帯状ガイド面8dに沿って手指をスライド移動させながら所望の操作キー2を正確に選び出して深押し操作することができる。その結果、深押し操作された操作キー2に割り当てられている操作内容を実行するための制御信号が、入力装置10から車載用制御装置40へ出力される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態例に係る押圧操作型入力装置10は、ユーザが手指を帯状ガイド面8dの所定領域に軽く押し当てれば、この手指の指先が接触する操作キー2の一側部2aが帯状ガイド面8dと同等の高さ位置まで自ずと押し下げられるため、ユーザは特に押し込み動作を意識しなくても、該操作キー2を極めて容易に浅押し操作することができる。そして、ユーザが手指を帯状ガイド面8dの長手方向に沿ってスライド移動させれば、列状に並ぶ操作キー2が順次浅押し操作されることになるため、手指がどの操作キー2上に置かれているのかをタッチセンサと同様に検知することができて操作性も良好である。しかも、浅押し操作の有無を機械的に検知すれば良いので、静電容量の変化に基づくタッチセンサと比べて極めて安価にセンサ機能が実現でき、かつ、ユーザが手袋を着用していてもセンサ機能に悪影響を及ぼさないため使い勝手が良い。また、操作キー2が帯状ガイド面8dに対して没入する位置まで押し込まれないと、プッシュスイッチ1は深押し操作状態に切り替わらないので、ユーザが意識して押し込み動作を行わない限り深押し操作は実行されず、よって手指を帯状ガイド面8dに沿ってスライド移動させているときに、意図せず深押し操作してしまうという誤操作を引き起こす可能性はほとんどない。
【0035】
また、本実施形態例に係る押圧操作型入力装置10では、列状に並ぶ操作キー2群の配列方向に沿って延びる突条部8cが上ケース8の前面板(操作パネル)8aに立設してあり、この突条部8cの天面(前面)が帯状ガイド面8dとなっているため、ユーザが手探りで帯状ガイド面8dに手指を載せることが容易である。しかも、本実施形態例では、操作キー2群の配列が横一列で帯状ガイド面8dが横方向に直線状に延びているため、この帯状ガイド面8dに沿ってユーザが手指を直線状にスライド移動させるだけで、タッチセンサと同じようなセンシングを行わせることができる。それゆえ、この入力装置10は、ブラインドタッチでの操作が容易であり、運転中のユーザが前方への注意を怠ることなく操作しやすい。
【0036】
また、本実施形態例に係る押圧操作型入力装置10では、各プッシュスイッチ1に操作キー2を介して押圧操作される接点ゴム3が組み込まれているため、浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチ1を少ない部品点数で実現することができ、部品コストや組立コストを抑えやすくなっている。ただし、接点ゴムを用いないプッシュスイッチであっても良く、例えばコイルばねや板ばね等を用いて2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを構成することも可能である。
【0037】
図12は本発明の第2実施形態例に係る入力装置における帯状ガイド面8dと操作キー2群の高さ位置の相違を示す説明図であり、入力装置を底面側(例えば図9における図示左方側)から見たときの帯状ガイド面8dと操作キー2の位置関係を示している。
【0038】
図12に示す入力装置11では、帯状ガイド面8dの複数個所に丸みを帯びた凸部8d1が形成してあり、隣り合う操作キー2,2どうしの間の隙間Bと対向する個所に各凸部8d1が位置するように設定してある。この凸部8d1の頂部の高さ位置は、非操作状態の操作キー2の天面よりも0.3mm程度高く、帯状ガイド面8dの残余の領域よりも0.5mm程度高くなるように形成されている。
【0039】
このような凸部8d1が帯状ガイド面8dに形成されていると、ユーザが手指を帯状ガイド面8dの長手方向に沿ってスライド移動させる際に、該手指が操作キー2の天面のエッジ部に引っ掛かる虞がなくなる。また、ユーザは手元を注視することなく凸部8d1と凸部8d1の間に手指を押し当てることが容易となるため、該手指の指先で1個の操作キー2を確実に浅押し操作することができる。したがって、この入力装置11は操作性が非常に良好である。
【0040】
図13は本発明の第3実施形態例に係る入力装置における帯状ガイド面8dと操作キー2群の高さ位置の相違を示す説明図であり、図12と対応する部分には同一符号が付してある。
【0041】
図13に示す入力装置12では、帯状ガイド面8dの凸部8d1と凸部8d1の間に丸みを帯びた凹部8d2が形成されているため、帯状ガイド面8dが長手方向に沿って波打つような形状になっている。つまり、この入力装置12は、前記第2実施形態例における帯状ガイド面8dの略平坦部分を、凸部8d1と滑らかに連続する凹部8d2に変更した変形例であり、こうすることによって、ユーザは手元を注視することなく極めて容易に手指を凹部8d2に押し当てることができ、かつ該手指を帯状ガイド面8dの長手方向に沿って円滑にスライド移動させることができるため、操作性のさらなる向上が期待できる。
【0042】
図12に示す入力装置11と図13に示す入力装置12から明らかなように、本発明においては、操作キー2の非操作時にこの操作キー2の一側部2aの天面(前面)全体が帯状ガイド面8dよりも前方へ突出している必要はなく、操作キー2の一側部2aの天面(前面)の少なくとも一部、好ましくは一側部2aの中央部の天面が帯状ガイド面8dに対して前方へ微少量A(0.3〜0.5mm)だけ突出していれば、ユーザが手指を帯状ガイド面8dの所定領域に軽く押し当てたときに操作キー2を浅押し操作することが可能である。
【0043】
図14は本発明の第4実施形態例に係る入力装置の要部側面図であって、図6と対応する部分には同一符号が付してある。
【0044】
図14に示す入力装置13では、各操作キー2が前面板(操作パネル)8aの開口部8bにほとんど埋没した状態で組み込まれているため、前記第1実施形態例で説明した突条部8cは設けられておらず、前面板8aの表面で開口部8bに隣接する領域に該開口部8bに向かって凹状に湾曲する帯状ガイド面8dが形成されている。また、各操作キー2の天面も帯状ガイド面8dに向かって凹状に湾曲している。そして、図14の2点鎖線で示すように、非操作時において操作キー2の一側部2aの天面は帯状ガイド面8dから前方へ僅かに突出しているが、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dの所定領域に軽く押し当てその指先で任意の操作キー2を浅押し操作状態に切り替えると、この操作キー2の一側部2aの天面と帯状ガイド面8dとが共通の凹状湾曲面に沿って連続するようにしてある。
【0045】
この入力装置13のように操作キー2が前面板(操作パネル)8aのやや奥まった位置に配置されていると、不用意に人体や物が当接して操作キー2が押圧操作されてしまうという誤作動を回避しやすくなる。また、この入力装置13では、浅押し操作状態の操作キー2の天面を、帯状ガイド面8dを延長させた凹状湾曲面と略合致する位置に配置させることができるため、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dに押し当てたときに、手指Fの指先で操作キー2を極めて容易に浅押し操作することができる。それゆえ、この入力装置13の各プッシュスイッチは、タッチセンサ付きのプッシュスイッチとほぼ同様の感覚で操作することができる。なお、図14に示す帯状ガイド面8dは、開口部8bに向かって直線的に傾斜するテーパ面としても良い。
【0046】
図15は本発明の第5実施形態例に係る入力装置の正面図であって、図3と対応する部分には同一符号が付してある。
【0047】
図15に示す入力装置14では、操作キー2群が円環状に配列されており、これら操作キー2を包囲するように立設された円環状の突条部8cの天面(前面)が、ユーザの手指Fを載せるための帯状ガイド面8dとなっている。ただし、各操作キー2の一側部2aと帯状ガイド面8dの高さ位置の関係は前記第1実施形態例の場合と同様である(図5〜図9参照)。したがって、ユーザは手指Fを円環状の帯状ガイド面8dに沿ってスライド移動させることによって、各操作キー2を順次、極めて容易に浅押し操作していくことが可能であり、これによりタッチセンサと同じようなセンシングを行わせることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 プッシュスイッチ
2 操作キー
2a (操作キーの)一側部
3 接点ゴム
4a,4b 可動接点
5a,5b 固定接点
7 基板
8 上ケース(筐体)
8a 前面板
8b 開口部
8c 突条部
8d 帯状ガイド面
8d1 凸部
8d2 凹部
10,11,12,13,14 入力装置
40 車載用制御装置
50 ディスプレイ装置
B (操作キー間の)隙間
F 手指
【技術分野】
【0001】
本発明は、2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを列状に複数個配設して任意のプッシュスイッチを選択的に操作できるようにした押圧操作型入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カーエアコンやカーオーディオ等の車載用制御装置を操作するための複数個のプッシュスイッチを配設した入力装置として、ユーザの手指がプッシュスイッチの操作キーに触れているか否かを静電容量の変化に基づいて検知可能なセンサ機能を有するタッチセンサ付きの押圧操作型入力装置が実用化されている。かかる従来の入力装置は、運転中のユーザが目視しやすい場所に設置されているディスプレイ装置と接続されており、このディスプレイ装置に、ユーザの手指がどの操作キーに触れているのかがリアルタイムで表示されるようになっている。したがって、ユーザはプッシュスイッチの押圧操作時に手元を注視しなくても、ディスプレイ装置の表示画面を見れば自分の手指が現在どの操作キー上に置かれているのかを把握できることになる。それゆえ運転中であっても、ユーザは前方への注意を怠ることなく所望のプッシュスイッチを正確に押圧操作することが可能となり、安全性が高まるものと期待されている。
【0003】
しかしながら、静電容量の変化に基づくタッチセンサを採用すると、マイコン等を追加した高価な入力装置になってしまうという問題があり、かつ、ユーザが手袋を着用していると、正確なセンシングが行えないため使い勝手も悪かった。
【0004】
そこで、浅押し操作と深押し操作の2段階の押圧操作が行える公知のプッシュスイッチを採用し、任意のプッシュスイッチが浅押し操作されたか否かを機械的に検知することによって、タッチセンサと同じようなセンサ機能を実現することが考えられる。すなわち、ユーザが手指を任意のプッシュスイッチの操作キー上に置くと、その操作キーが容易に浅押し操作されるように設定しておけば、列状に並ぶ複数個の操作キーのどこにユーザの手指が置かれているのかを前記ディスプレイ装置の表示画面を見て把握できるので、ユーザは手元を注視しなくても所望のプッシュスイッチを正確に深押し操作することが可能となる。これにより、タッチセンサと同じようなセンサ機能を有する入力装置が安価に得られることになる。
【0005】
ただし、プッシュスイッチに浅押し操作を検知させるためには所要の操作荷重が必要なので、列状に並ぶ複数個の操作キーを連続的に浅押し操作する際に、ユーザが手指を操作キーだけに押し当てていたのでは操作性が悪く、ブラインドタッチでの操作は極めて困難になる。つまり、かかる連続的な浅押し操作を行う場合、ユーザは過不足ない操作荷重を操作キーに加えつつ、列状に並ぶ操作キーに沿って手指をスライド移動させていかねばならないので、こうした一連の操作をユーザがブラインドタッチで確実に行えるようにするためには、手指の支えや手指の移動方向を案内する何らかのガイド機構を設けておくことが不可欠になる。仮に、いかなるガイド機構も用意されていないとすると、運転中のユーザが連続的な浅押し操作を行おうとしても、手指の動きはかなり不安定なものになってしまう。
【0006】
なお、複数個のプッシュスイッチの操作キー群が配設されている自動車のインストルメントパネルに、ユーザの手指を支えるためのガイド部を設けて入力装置の操作性を高めるという技術は、従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来技術では、コンソールボックスの下側に横に延びる棚状のガイド部を設け、ユーザが操作キーを押圧操作する手指とは異なる手指をこのガイド部に載せられるようにしてあるため、ガイド部を基準にして各操作キーの位置が手探りで把握しやすくなり、運転中であっても所望の操作キーに手指を押し当てることが比較的容易になる。また、このガイド部で手指を支えることができるため、操作キーに加える操作荷重が加減しやすく、それゆえ浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチが操作しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平5−76856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、プッシュスイッチの操作キーからやや離れた場所にガイド部が設けられており、操作キーを押圧操作する手指とガイド部に載せる手指とが異なることを前提としているため、操作キー上の手指をガイド部に沿って所定方向へ所定量だけスライド移動させようとしても位置ずれを起こしやすい。そのため、運転中などにユーザが手元を見ないで、ガイド部に沿って手指をスライド移動させて所望の操作キーを押圧操作しようとすると、誤操作する可能性が高かった。
【0009】
また、複数個の操作キーに対する連続的な浅押し操作によってタッチセンサと同じようなセンサ機能を実現するためには、個々の操作キーに対する浅押し操作をユーザが極めて容易に行えるようにしておく必要がある。すなわち、列状に並ぶ操作キーをユーザが順番に押し込んで浅押し操作を繰り返すようにした場合、繰り返しの操作が煩雑すぎて操作性が極めて悪くなってしまうため、ユーザに押し込むという意識がなくても手指を操作キー上に載せればほぼ自動的に浅押し操作が実行され、その手指をガイド部に沿ってスライド移動させれば複数個の操作キーに対する連続的な浅押し操作が円滑に実行されるようになっていることが望まれる。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数個のプッシュスイッチを列状に配設してタッチセンサと同じようなセンサ機能を併せ持ち操作性に優れた押圧操作型入力装置を安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、操作キーを介して浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを複数個備え、これらプッシュスイッチの各操作キーが操作パネルの開口部に露出して列状に並んでいる押圧操作型入力装置において、前記操作パネルに、前記操作キー群の配列方向に沿って延びて各操作キーの一側部と隣接する帯状ガイド面を設け、この帯状ガイド面に載せた手指で任意の前記操作キーを押圧操作可能となすと共に、前記操作キーの前記一側部の天面(前面)の少なくとも一部が、前記帯状ガイド面と同一面となる状態または前記帯状ガイド面よりも突出している状態で、前記プッシュスイッチが前記浅押し操作状態に切り替わり、かつ、前記操作キーの前記一側部の天面が前記帯状ガイド面よりも没入している状態で、前記プッシュスイッチが前記深押し操作状態に切り替わるように構成した。
【0012】
このように構成された押圧操作型入力装置では、ユーザが手指を帯状ガイド面の所定領域に押し当てると、この手指が接触する操作キーの一側部が帯状ガイド面と同等の高さ位置まで自ずと押し下げられるため、ユーザは特に押し込み動作を意識しなくても、操作キーに対応するプッシュスイッチを浅押し操作状態に切り替えることができる。そして、ユーザが手指を帯状ガイド面の長手方向に沿ってスライド移動させれば、列状に並ぶ操作キーが順次浅押し操作されることになるため、手指がどの操作キー上に置かれているのかをタッチセンサと同様に検知することが可能となり、操作性も良好となる。しかも、浅押し操作の有無を機械的に検知すれば良いので、静電容量の変化に基づくタッチセンサと比べて極めて安価にセンサ機能が実現でき、かつ、ユーザが手袋を着用していてもセンサ機能に悪影響を及ぼさないため使い勝手が良い。また、操作キーが帯状ガイド面に対して没入する位置まで押し込まれないと、プッシュスイッチは深押し操作状態に切り替わらないので、ユーザが意識して押し込み動作を行わない限り深押し操作は実行されず、よって手指を帯状ガイド面に沿ってスライド移動させているときに、意図せず深押し操作してしまうという誤操作を引き起こす可能性はほとんどない。
【0013】
上記の構成において、操作パネルに操作キー群の配列方向に沿って延びる突条部を立設し、この突条部の天面(前面)を帯状ガイド面となせば、ユーザが手探りで帯状ガイド面に手指を載せることが容易となるため好ましい。
【0014】
また、上記の構成において、帯状ガイド面が前面板の開口部に向かって凹状に湾曲していると共に、各操作キーの一側部の天面が帯状ガイド面に向かって凹状に湾曲しており、浅押し操作状態の操作キーの天面が帯状ガイド面を延長させた凹状湾曲面と略合致するようにすれば、ユーザが手指を帯状ガイド面に押し当てたときに、その手指が接触する操作キーを極めて容易に浅押し操作することができるため、タッチセンサ付きのプッシュスイッチとほぼ同様の感覚で操作できるようになる。ただし、帯状ガイド面は直線的に傾斜するテーパ面などであっても良い。
【0015】
また、上記の構成において、操作キー群の配列方向が横一列であると共に、帯状ガイド面が横方向に直線状に延びていると、この帯状ガイド面に沿ってユーザが手指を直線状にスライド移動させるだけで、タッチセンサと同じようなセンシングを行わせることが可能となるため、ブラインドタッチでの操作が行いやすくなる。ただし、操作キー群が別の配列、例えば円環状の配列などであっても良い。
【0016】
また、上記の構成において、各プッシュスイッチに操作キーを介して押圧操作される接点ゴムが組み込まれていると、浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを少ない部品点数で実現することができ、部品コストや組立コストを抑えやすくなる。ただし、接点ゴムを用いないプッシュスイッチであっても良く、例えばコイルばねや板ばね等を用いて2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを構成することも可能である。
【0017】
また、上記の構成において、帯状ガイド面の複数個所に非操作状態の操作キーの天面より突出する凸部を形成し、隣り合う操作キーどうしの間の隙間と対向する個所に該凸部が位置するように設定してあると、ユーザが手指を帯状ガイド面の長手方向に沿ってスライド移動させる際に、手指が操作キーの天面のエッジ部に引っ掛かる虞がなくなると共に、ユーザが手元を注視することなく凸部と凸部の間に手指を押し当てることが容易となるため、手指で1個の操作キーを確実に浅押し操作することができる。それゆえ、入力装置の操作性が非常に良好になる。この場合において、帯状ガイド面の隣り合う凸部どうしの間に丸みを帯びた凹部を形成し、該帯状ガイド面を長手方向に沿って波打つような形状にしておけば、ユーザは手元を注視することなく極めて容易に手指を凹部に押し当てることができ、かつ手指を帯状ガイド面の長手方向に沿って円滑にスライド移動させることができるため、操作性のさらなる向上が期待できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の押圧操作型入力装置によれば、ユーザが手指を帯状ガイド面の所定領域に押し当てると、この手指が接触する操作キーの一側部の天面が帯状ガイド面と同等の高さ位置まで自ずと押し下げられるため、ユーザは特に押し込み動作を意識しなくても、該操作キーを介してプッシュスイッチを浅押し操作状態に切り替えることができる。そして、この手指を帯状ガイド面の長手方向に沿ってスライド移動させれば、列状に並ぶ操作キーが順次浅押し操作されることになるため、手指がどの操作キー上に置かれているのかをタッチセンサと同様に検知することが可能となる。その際、浅押し操作の有無を機械的に検知すれば良いので、静電容量の変化に基づくタッチセンサと比べて極めて安価にセンサ機能が実現でき、かつ、ユーザが手袋を着用していてもセンサ機能に悪影響を及ぼさないため使い勝手も良い。また、操作キーが帯状ガイド面に対して没入する位置まで押し込まれないと、プッシュスイッチは深押し操作状態に切り替わらないので、ユーザが意識して押し込み動作を行わない限り深押し操作は実行されず、よって手指を帯状ガイド面に沿ってスライド移動させているときに、意図せず深押し操作してしまうという誤操作を引き起こす可能性はほとんどない。それゆえ、タッチセンサと同じようなセンサ機能を併せ持ち操作性に優れた押圧操作型入力装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る入力装置の操作領域を示す斜視図である。
【図2】図1に示す入力装置の平面図である。
【図3】図1に示す入力装置の正面図である。
【図4】図1中の任意の操作キーの非操作状態を示す要部側面図である。
【図5】図4に対応する非操作時のプッシュスイッチを示す断面図である。
【図6】図4の操作キーが浅押し操作された状態を示す要部側面図である。
【図7】図6に対応する浅押し操作時のプッシュスイッチを示す断面図である。
【図8】図4の操作キーが深押し操作された状態を示す要部側面図である。
【図9】図8に対応する深押し操作時のプッシュスイッチを示す断面図である。
【図10】該プッシュスイッチの操作荷重と押下ストロークの関係を示す特性図である。
【図11】図1に示す入力装置を含む制御システムのブロック図である。
【図12】本発明の第2実施形態例に係る入力装置における帯状ガイド面と操作キー群の高さ位置の相違を示す説明図である。
【図13】本発明の第3実施形態例に係る入力装置における帯状ガイド面と操作キー群の高さ位置の相違を示す説明図である。
【図14】本発明の第4実施形態例に係る入力装置の要部側面図である。
【図15】本発明の第5実施形態例に係る入力装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1実施形態例について図1〜図11を参照しつつ説明する。図1〜図3に示すように、本実施形態例に係る押圧操作型入力装置10には、複数個のプッシュスイッチ1の操作キー2群が列状に配置されており、各操作キー2の一側部2aに沿って前面板(操作パネル)8aに突条部8cが立設されている。図4〜図10はプッシュスイッチ1の構造や動作を説明するためのものである。また、図11に示すように、この入力装置10は車載用制御装置40やディスプレイ装置50と接続されている。
【0021】
押圧操作型入力装置10は、カーエアコンやカーオーディオ等の車載用制御装置40を操作するためのものであり、入力装置10に配設された任意のプッシュスイッチ1の操作キー2をユーザが所定ストローク押し込むことによって、所望の操作を実行するための制御信号が車載用制御装置40へ出力されるようになっている。また、この入力装置10は、ユーザにとって目視容易な場所に設置されているディスプレイ装置50と接続されており、ユーザの手指が現在どの操作キー2上に置かれているのかという情報や各操作キー2に割り当てられている操作内容等が、ディスプレイ装置50の表示画面に表示されるようになっている。なお、ディスプレイ装置50は車載用制御装置40とも接続されており、車載用制御装置40の現在の制御内容等をディスプレイ装置50の表示画面に表示させることができる。
【0022】
この入力装置10には複数個のプッシュスイッチ1が配設されており、各プッシュスイッチ1の操作キー2は横一列に並べられている。各プッシュスイッチ1は全て同じ構造のものであり、基板7上に搭載された成形ゴム体の一部である接点ゴム3と、この接点ゴム3上に搭載された操作キー2とを有する。接点ゴム3は例えば透光性を有するシリコーンゴム等から形成された成形ゴム体の一部であり、導電性を有するカーボン素材で形成された可動接点4a,4bが印刷や接着等により固設されている。可動接点4a,4bは、基板(プリント基板)7上に設けられた導電性を有するカーボン素材でなる固定接点5a,5bに対して接離可能となっている。これら複数個のプッシュスイッチ1は、上ケース8と下ケース9を組み合わせて構成される筐体に収納されている。各操作キー2は上ケース8の前面板(操作パネル)8aに設けられた開口部8b内に昇降可能(前後進可能)に配置されており、各操作キー2の天面(前面)が前面板8aから突出して押圧操作できるようになっている。また、上ケース8の前面板8aには、列状に並ぶ操作キー2群の配列方向に沿って直線状に延びる突条部8cが立設されている。この突条部8cは各操作キー2の一側部2aと隣接しており、突条部8cの天面(前面)がユーザの手指Fを載せるための帯状ガイド面8dとなっている。
【0023】
プッシュスイッチ1の構造について詳しく説明すると、図5に示すように、非操作時の操作キー2は接点ゴム3の付勢力によって上ケース8の内面に押し付けられており、このプリテンションによって操作キー2のガタつきが防止されている。また、操作キー2は透光性を有する合成樹脂で形成され、その天面には図示せぬ照光領域が設けられており、この照光領域が基板7に実装されたLED6の光によって照光されるようになっている。基板7上にはLED6の周囲に第1固定接点5aが設けられており、第1固定接点5aの周囲に第2固定接点5bが設けられている。そして、図5に示すように、非操作時において、接点ゴム3の第1可動接点4aと第2可動接点4bがそれぞれ第1固定接点5aと第2固定接点5bの真上に接離可能に配置されている。このプッシュスイッチ1には、第1可動接点4aが第1固定接点5aに当接するとオン状態に切り替わる第1のスイッチ回路と、第2可動接点4bが第2固定接点5bに当接するとオン状態に切り替わる第2のスイッチ回路とが設けられている。
【0024】
接点ゴム3には、基板7上で第2固定接点5bを包囲する領域に載置されるベース部3aと、同心状に配置された駆動筒部3bおよび従動筒部3cと、駆動筒部3bの内周面と従動筒部3cの外周面を全周に亘って連結しているクリック生成壁部3dと、駆動筒部3bの外周面を全周に亘ってベース部3aに連結している柔軟変形壁部3eとが一体に設けられており、ベース部3aが柔軟変形壁部3eを介して駆動筒部3bを支持している。駆動筒部3bの天面は接点ゴム3の最上端に位置するため、操作キー2は駆動筒部3b上に搭載され、操作荷重が駆動筒部3bの天面に付与されるようになっている。駆動筒部3bはクリック生成壁部3dを介して従動筒部3cを支持しているので、操作荷重が付与されて駆動筒部3bが下動(後退)すると、従動筒部3cが駆動筒部3bに駆動されて下動する。従動筒部3cの底面は基板7に近接して配置され、この従動筒部3cの底面に印刷や接着等により第1可動接点4aが固設されている。駆動筒部3bの底面は従動筒部3cの底面よりも基板7から離れた位置に配置され、この駆動筒部3bの底面に印刷や接着等により第2可動接点4bが固設されている。クリック生成壁部3dは、従動筒部3cの外周面から駆動筒部3dの内周面にかけてその断面形状が直線的に斜め上方に延びる逆スカート形状に形成されている。このクリック生成壁部3dは操作キー2の押圧操作時に座屈変形可能であり、座屈するときにクリック感を生起するようになっている。柔軟変形壁部3eは軽い操作荷重で撓み始めるように、クリック生成壁部3dよりも肉薄で且つその断面形状が直線部を持たず一方向に連続して湾曲する湾曲形状に形成されており、本実施形態例では、ベース部3aの天面と駆動筒部3bの外周面との間で約90°の角度範囲に亘る略円弧形状とされている。柔軟変形壁部3eは操作キー2の押圧操作時には座屈を伴わずに徐々に撓むようになっている。なお、柔軟変形壁部3eの断面形状は直線部を持たない湾曲形状に限られるものではなく,例えば微小な直線部が連接されて全体として湾曲形状を呈するもの等、操作キー2の押圧操作時に座屈しないで撓む形状であれば如何なるものでも良い。ただし、後述する操作キー2の全押下ストローク範囲において、柔軟変形壁部3eの断面形状に起因する操作荷重の急激な変化が生じないようにするためには,上述したようにその断面形状を直線部を持たず一方向に連続して湾曲する湾曲形状とすることが好ましい。
【0025】
このような接点ゴム3を組み込んだプッシュスイッチ1は、軽い操作力で操作キー2を浅く押し込むことによって前記第1のスイッチ回路をオン状態に切り替える浅押し操作と、比較的強い操作力で操作キー2を深く押し込むことによって前記第2のスイッチ回路をオン状態に切り替える深押し操作とが行えるようになっている。
【0026】
かかるプッシュスイッチ1の2段階の押圧操作について、図10のフィーリング曲線を参照しつつ説明する。なお、図10は操作キー2を押し込んだときの操作荷重と押下ストロークとの関係を示している。同図に示すように、本実施形態例のプッシュスイッチ1では、操作荷重が0.2N(約20g重)以上であるときに操作キー2を介して接点ゴム3が押し撓められるようになっている。これは、接点ゴム3により非操作時の操作キー2にほぼ0.2N(約20g重)のプリテンションが付与されているためであり、このプリテンションによって操作キー2のガタつきが防止されていると共に、外部振動等によって操作キー2が意図せず浅押し操作状態にならないように配慮されている。また、非操作時においてプッシュスイッチ1内の接点ゴム3は図5に示すような断面形状になっており、第1および第2可動接点4a,4bがそれぞれ第1および第2固定接点5a,5bの真上に配置されている。
【0027】
操作キー2に0.2N以上の操作荷重が付与されると、接点ゴム3は、まず柔軟変形壁部3eが徐々に撓んでいくのに伴って駆動筒部3bと従動筒部3cが下動(後退)していくが、従動筒部3cと基板7との間隔は僅かなので、押下ストロークがS1(約0.22mm)に達した時点で従動筒部3cの下動が基板7に規制された図7の状態になり、第1可動接点4aが第1固定接点5aに当接する。つまり、0.5mmに満たない微少な押下ストロークS1において第1のスイッチ回路がオン状態に切り替わり、押下ストロークS1を実現するために必要な操作荷重は0.32N(約33g重)と極めて軽い。したがって、ユーザは意識的な押し込み操作を行わなくても、手指Fを操作キー2上に載せるだけでプッシュスイッチ1の浅押し操作が行えるようになっている。
【0028】
浅押し操作された操作キー2がさらに押し込まれると、従動筒部3cの下動が規制されたまま駆動筒部3bが下動するため、柔軟変形壁部3eが撓み続けるだけでなくクリック生成壁部3dが撓み始める。それゆえ、図10に示すように、フィーリング曲線の傾斜角度は押下ストロークS1を越えると急に大きくなる。そして、操作荷重が3.17N(約324g重)で押下ストロークをS2(約1.12mm)まで増やすことができるが、押下ストロークがS2を越えるとクリック生成壁部3dが弾性的に座屈するため、操作荷重が急減して押下ストロークがS3(約1.63mm)まで急増し、それに伴ってクリック感が生起される。その結果、駆動筒部3bの下動が基板7に規制された図9の状態になり、第2可動接点4bが第2固定接点5bに当接する。つまり、ユーザは操作キー2に3.17N以上の操作荷重を加えて1.6mm以上押し込むことによって、第2のスイッチ回路をオン状態に切り替えることができる。
【0029】
なお、上記の操作荷重および押下ストロークの数値はあくまで一例であり、操作キー2の大きさや重量等に応じて適宜設定可能であることは言うまでもない。ただし、ユーザが意識的な押し込み操作を行わなくても、手指Fを操作キー2上に載せるだけでプッシュスイッチ1の浅押し操作が行えるようにするためには、図10に示す浅押し操作時の押下ストロークS1は0.5mm以下であることが好ましく、この押下ストロークS1を得るために必要な操作荷重は0.48N(50g重)以下であることが好ましい。
【0030】
前面板(操作パネル)8aに立設された突条部8cの天面(前面)である帯状ガイド面8dの高さ位置は、浅押し操作状態(第1のスイッチ回路のオン状態)に切り替わる際の操作キー2の一側部2aの天面(前面)の高さ位置と同一またはそれよりも低く、かつ深押し操作状態(第2のスイッチ回路のオン状態)に切り替わる際の操作キー2の一側部2aの天面(前面)の高さ位置よりも十分に高くなるように設定されている。つまり、各操作キー2の一側部2aは、非操作時には突条部8cの帯状ガイド面8dに対して前方(上動方向)へ僅かに突出しており、浅押し操作時には帯状ガイド面8dと同一面かこの帯状ガイド面8dよりも後方(下動方向)へ僅かに没入し、深押し操作時には帯状ガイド面8dに対して後方(下動方向)へ大きく没入する。
【0031】
操作キー2と帯状ガイド面8dの高さ位置の関係について詳しく説明すると、図4に示すように、非操作時には、操作キー2の一側部2aの天面(前面)が帯状ガイド面8dに対して前方へ微少量A(0.3〜0.5mm)だけ突出しているが、操作キー2の浅押し操作に必要な押下ストロークS1はこの微少量Aと同一かこれよりもさらに小さく設定される(約0.22mm)ので、図6に示すように、ユーザが手指Fで操作キー2の一側部2aを帯状ガイド面8dと同等の高さ位置まで押し込めば、この操作キー2に対応するプッシュスイッチ1を必ず浅押し操作状態(第1のスイッチ回路のオン状態)に切り替えることができる。しかも、押下ストロークS1を実現するために必要な操作荷重は、本実施形態例においては0.48N(50g重)以下の0.32Nと極めて軽いため、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dに軽く押し当てれば、この手指Fの指先が接触する操作キー2は自ずと押し下げられて図6の状態になる。それゆえ、ユーザは押し込み動作を意識しなくても、該操作キー2を極めて容易に浅押し操作することができる。また、操作キー2の深押し操作に必要な押下ストロークS3は微少量Aよりも十分に大きく設定される(約1.63mm)ので、ユーザは帯状ガイド面8dに押し当てた手指Fの指先で操作キー2を深く押し込まない限り、この操作キー2に対応するプッシュスイッチ1を深押し操作状態(第2のスイッチ回路のオン状態)に切り替えることはできない。図8は操作キー2が手指Fの指先で深押し操作されている状態を示している。
【0032】
なお、操作キー2の一側部2aとは逆側の側部(図4ないし図9の右側部)の天面(前面)、または操作キー2の天面全体を、帯状ガイド面8dに対して上記一側部2aと同一の位置関係となるように設定しても良い。ただし、操作キー2の天面のうち、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dに押し当てたときにこの手指Fの指先が届かない領域においては、天面の位置や形状を適宜変更することができる。
【0033】
このようなプッシュスイッチ1が列状に複数個配設されている押圧操作型入力装置10においては、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dに軽く押し当てれば、指先が接触する操作キー2をほぼ自動的に浅押し操作することができる。また、この手指Fを帯状ガイド面8dの長手方向に沿ってスライド移動させれば、列状に並んでいる複数個の操作キー2を順次浅押し操作していくことができる。したがって、ユーザは目視容易な場所に設置されているディスプレイ装置50の表示画面を見れば、手元を注視しなくても、現在どの操作キー2上に自分の手指が置かれているのかを把握でき、それゆえ帯状ガイド面8dに沿って手指をスライド移動させながら所望の操作キー2を正確に選び出して深押し操作することができる。その結果、深押し操作された操作キー2に割り当てられている操作内容を実行するための制御信号が、入力装置10から車載用制御装置40へ出力される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態例に係る押圧操作型入力装置10は、ユーザが手指を帯状ガイド面8dの所定領域に軽く押し当てれば、この手指の指先が接触する操作キー2の一側部2aが帯状ガイド面8dと同等の高さ位置まで自ずと押し下げられるため、ユーザは特に押し込み動作を意識しなくても、該操作キー2を極めて容易に浅押し操作することができる。そして、ユーザが手指を帯状ガイド面8dの長手方向に沿ってスライド移動させれば、列状に並ぶ操作キー2が順次浅押し操作されることになるため、手指がどの操作キー2上に置かれているのかをタッチセンサと同様に検知することができて操作性も良好である。しかも、浅押し操作の有無を機械的に検知すれば良いので、静電容量の変化に基づくタッチセンサと比べて極めて安価にセンサ機能が実現でき、かつ、ユーザが手袋を着用していてもセンサ機能に悪影響を及ぼさないため使い勝手が良い。また、操作キー2が帯状ガイド面8dに対して没入する位置まで押し込まれないと、プッシュスイッチ1は深押し操作状態に切り替わらないので、ユーザが意識して押し込み動作を行わない限り深押し操作は実行されず、よって手指を帯状ガイド面8dに沿ってスライド移動させているときに、意図せず深押し操作してしまうという誤操作を引き起こす可能性はほとんどない。
【0035】
また、本実施形態例に係る押圧操作型入力装置10では、列状に並ぶ操作キー2群の配列方向に沿って延びる突条部8cが上ケース8の前面板(操作パネル)8aに立設してあり、この突条部8cの天面(前面)が帯状ガイド面8dとなっているため、ユーザが手探りで帯状ガイド面8dに手指を載せることが容易である。しかも、本実施形態例では、操作キー2群の配列が横一列で帯状ガイド面8dが横方向に直線状に延びているため、この帯状ガイド面8dに沿ってユーザが手指を直線状にスライド移動させるだけで、タッチセンサと同じようなセンシングを行わせることができる。それゆえ、この入力装置10は、ブラインドタッチでの操作が容易であり、運転中のユーザが前方への注意を怠ることなく操作しやすい。
【0036】
また、本実施形態例に係る押圧操作型入力装置10では、各プッシュスイッチ1に操作キー2を介して押圧操作される接点ゴム3が組み込まれているため、浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチ1を少ない部品点数で実現することができ、部品コストや組立コストを抑えやすくなっている。ただし、接点ゴムを用いないプッシュスイッチであっても良く、例えばコイルばねや板ばね等を用いて2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを構成することも可能である。
【0037】
図12は本発明の第2実施形態例に係る入力装置における帯状ガイド面8dと操作キー2群の高さ位置の相違を示す説明図であり、入力装置を底面側(例えば図9における図示左方側)から見たときの帯状ガイド面8dと操作キー2の位置関係を示している。
【0038】
図12に示す入力装置11では、帯状ガイド面8dの複数個所に丸みを帯びた凸部8d1が形成してあり、隣り合う操作キー2,2どうしの間の隙間Bと対向する個所に各凸部8d1が位置するように設定してある。この凸部8d1の頂部の高さ位置は、非操作状態の操作キー2の天面よりも0.3mm程度高く、帯状ガイド面8dの残余の領域よりも0.5mm程度高くなるように形成されている。
【0039】
このような凸部8d1が帯状ガイド面8dに形成されていると、ユーザが手指を帯状ガイド面8dの長手方向に沿ってスライド移動させる際に、該手指が操作キー2の天面のエッジ部に引っ掛かる虞がなくなる。また、ユーザは手元を注視することなく凸部8d1と凸部8d1の間に手指を押し当てることが容易となるため、該手指の指先で1個の操作キー2を確実に浅押し操作することができる。したがって、この入力装置11は操作性が非常に良好である。
【0040】
図13は本発明の第3実施形態例に係る入力装置における帯状ガイド面8dと操作キー2群の高さ位置の相違を示す説明図であり、図12と対応する部分には同一符号が付してある。
【0041】
図13に示す入力装置12では、帯状ガイド面8dの凸部8d1と凸部8d1の間に丸みを帯びた凹部8d2が形成されているため、帯状ガイド面8dが長手方向に沿って波打つような形状になっている。つまり、この入力装置12は、前記第2実施形態例における帯状ガイド面8dの略平坦部分を、凸部8d1と滑らかに連続する凹部8d2に変更した変形例であり、こうすることによって、ユーザは手元を注視することなく極めて容易に手指を凹部8d2に押し当てることができ、かつ該手指を帯状ガイド面8dの長手方向に沿って円滑にスライド移動させることができるため、操作性のさらなる向上が期待できる。
【0042】
図12に示す入力装置11と図13に示す入力装置12から明らかなように、本発明においては、操作キー2の非操作時にこの操作キー2の一側部2aの天面(前面)全体が帯状ガイド面8dよりも前方へ突出している必要はなく、操作キー2の一側部2aの天面(前面)の少なくとも一部、好ましくは一側部2aの中央部の天面が帯状ガイド面8dに対して前方へ微少量A(0.3〜0.5mm)だけ突出していれば、ユーザが手指を帯状ガイド面8dの所定領域に軽く押し当てたときに操作キー2を浅押し操作することが可能である。
【0043】
図14は本発明の第4実施形態例に係る入力装置の要部側面図であって、図6と対応する部分には同一符号が付してある。
【0044】
図14に示す入力装置13では、各操作キー2が前面板(操作パネル)8aの開口部8bにほとんど埋没した状態で組み込まれているため、前記第1実施形態例で説明した突条部8cは設けられておらず、前面板8aの表面で開口部8bに隣接する領域に該開口部8bに向かって凹状に湾曲する帯状ガイド面8dが形成されている。また、各操作キー2の天面も帯状ガイド面8dに向かって凹状に湾曲している。そして、図14の2点鎖線で示すように、非操作時において操作キー2の一側部2aの天面は帯状ガイド面8dから前方へ僅かに突出しているが、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dの所定領域に軽く押し当てその指先で任意の操作キー2を浅押し操作状態に切り替えると、この操作キー2の一側部2aの天面と帯状ガイド面8dとが共通の凹状湾曲面に沿って連続するようにしてある。
【0045】
この入力装置13のように操作キー2が前面板(操作パネル)8aのやや奥まった位置に配置されていると、不用意に人体や物が当接して操作キー2が押圧操作されてしまうという誤作動を回避しやすくなる。また、この入力装置13では、浅押し操作状態の操作キー2の天面を、帯状ガイド面8dを延長させた凹状湾曲面と略合致する位置に配置させることができるため、ユーザが手指Fを帯状ガイド面8dに押し当てたときに、手指Fの指先で操作キー2を極めて容易に浅押し操作することができる。それゆえ、この入力装置13の各プッシュスイッチは、タッチセンサ付きのプッシュスイッチとほぼ同様の感覚で操作することができる。なお、図14に示す帯状ガイド面8dは、開口部8bに向かって直線的に傾斜するテーパ面としても良い。
【0046】
図15は本発明の第5実施形態例に係る入力装置の正面図であって、図3と対応する部分には同一符号が付してある。
【0047】
図15に示す入力装置14では、操作キー2群が円環状に配列されており、これら操作キー2を包囲するように立設された円環状の突条部8cの天面(前面)が、ユーザの手指Fを載せるための帯状ガイド面8dとなっている。ただし、各操作キー2の一側部2aと帯状ガイド面8dの高さ位置の関係は前記第1実施形態例の場合と同様である(図5〜図9参照)。したがって、ユーザは手指Fを円環状の帯状ガイド面8dに沿ってスライド移動させることによって、各操作キー2を順次、極めて容易に浅押し操作していくことが可能であり、これによりタッチセンサと同じようなセンシングを行わせることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 プッシュスイッチ
2 操作キー
2a (操作キーの)一側部
3 接点ゴム
4a,4b 可動接点
5a,5b 固定接点
7 基板
8 上ケース(筐体)
8a 前面板
8b 開口部
8c 突条部
8d 帯状ガイド面
8d1 凸部
8d2 凹部
10,11,12,13,14 入力装置
40 車載用制御装置
50 ディスプレイ装置
B (操作キー間の)隙間
F 手指
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作キーを介して浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを複数個備え、これらプッシュスイッチの各操作キーが操作パネルの開口部に露出して列状に並んでいる押圧操作型入力装置において、
前記操作パネルに、前記操作キー群の配列方向に沿って延びて各操作キーの一側部と隣接する帯状ガイド面を設け、この帯状ガイド面に載せた手指で任意の前記操作キーを押圧操作可能となすと共に、
前記操作キーの前記一側部の天面の少なくとも一部が、前記帯状ガイド面と同一面となる状態または前記帯状ガイド面よりも突出している状態で、前記プッシュスイッチが前記浅押し操作状態に切り替わり、かつ、前記操作キーの前記一側部の天面が前記帯状ガイド面よりも没入している状態で、前記プッシュスイッチが前記深押し操作状態に切り替わるようにしたことを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記操作パネルに前記操作キー群の配列方向に沿って延びる突条部を立設し、この突条部の天面を前記帯状ガイド面となしたことを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項3】
請求項1または2の記載において、前記帯状ガイド面が前記開口部に向かって凹状に湾曲していると共に、前記操作キーの前面一側部の天面が前記帯状ガイド面に向かって凹状に湾曲しており、前記浅押し操作状態の前記操作キーの前記一側部の天面が前記帯状ガイド面を延長させた凹状湾曲面と略合致することを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記操作キー群の配列方向が横一列であると共に、前記帯状ガイド面が横方向に直線状に延びていることを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項の記載において、前記プッシュスイッチに前記操作キーを介して押圧操作される接点ゴムが組み込まれていることを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項の記載において、前記帯状ガイド面の複数個所に非操作状態の前記操作キーの天面より突出する凸部を形成し、隣り合う前記操作キーどうしの間の隙間と対向する個所に前記凸部が位置するように設定してあることを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項7】
請求項6の記載において、前記帯状ガイド面の隣り合う前記凸部どうしの間に丸みを帯びた凹部を形成し、該帯状ガイド面を長手方向に沿って波打つような形状にしたことを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項1】
操作キーを介して浅押しと深押しの2段階の押圧操作が行えるプッシュスイッチを複数個備え、これらプッシュスイッチの各操作キーが操作パネルの開口部に露出して列状に並んでいる押圧操作型入力装置において、
前記操作パネルに、前記操作キー群の配列方向に沿って延びて各操作キーの一側部と隣接する帯状ガイド面を設け、この帯状ガイド面に載せた手指で任意の前記操作キーを押圧操作可能となすと共に、
前記操作キーの前記一側部の天面の少なくとも一部が、前記帯状ガイド面と同一面となる状態または前記帯状ガイド面よりも突出している状態で、前記プッシュスイッチが前記浅押し操作状態に切り替わり、かつ、前記操作キーの前記一側部の天面が前記帯状ガイド面よりも没入している状態で、前記プッシュスイッチが前記深押し操作状態に切り替わるようにしたことを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記操作パネルに前記操作キー群の配列方向に沿って延びる突条部を立設し、この突条部の天面を前記帯状ガイド面となしたことを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項3】
請求項1または2の記載において、前記帯状ガイド面が前記開口部に向かって凹状に湾曲していると共に、前記操作キーの前面一側部の天面が前記帯状ガイド面に向かって凹状に湾曲しており、前記浅押し操作状態の前記操作キーの前記一側部の天面が前記帯状ガイド面を延長させた凹状湾曲面と略合致することを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記操作キー群の配列方向が横一列であると共に、前記帯状ガイド面が横方向に直線状に延びていることを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項の記載において、前記プッシュスイッチに前記操作キーを介して押圧操作される接点ゴムが組み込まれていることを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項の記載において、前記帯状ガイド面の複数個所に非操作状態の前記操作キーの天面より突出する凸部を形成し、隣り合う前記操作キーどうしの間の隙間と対向する個所に前記凸部が位置するように設定してあることを特徴とする押圧操作型入力装置。
【請求項7】
請求項6の記載において、前記帯状ガイド面の隣り合う前記凸部どうしの間に丸みを帯びた凹部を形成し、該帯状ガイド面を長手方向に沿って波打つような形状にしたことを特徴とする押圧操作型入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−65938(P2011−65938A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217229(P2009−217229)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
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