説明

押棒付逆止弁の構造

【課題】空気を排出するためにハウジングの接続円筒上部を押圧すると、押棒が弁を確実に押し開くことができるようにする。又、弁体下部外径をハウジング内径より少し大きくしても、弁体をハウジングに嵌め込むと、弁がハウジングに密着し、シールができるようにする。
【解決手段】押棒を設置するハウジングの接続円筒天井、或いは接続円筒部、或いはこれらの両方を波付構造とする。又弁体の截頭円錐円筒面に、下部開口部から頂部に向かって一箇所以上の切欠きを設ける構造とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は空気を封入して使用する軟質塩ビ或いはポリウレタンゴムなどの軟質プラスチック製のエアークッション、座布団、マットレス、浮輪、プールなどに使用する給排気口の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、特許願 出願日平成16年11月10日(整理番号PAK2004−05)がありこれを図3に示す。すなわち逆止弁の構造はハウジングと弁体により構成され、弁体は截頭円錐外形の円錐筒構造で、頂部は弁を有する平面、側部は円錐筒、円錐筒下部は開口する。頂部中央は弁が形成され、該弁の外周に切欠部が形成され、該切欠部の外周から外縁までは平面部、該弁と該平面の一部は連結部で一体に連結され、且つ弁体の下部外径は頂部外径より少し大きくして成る。
【0003】
又ハウジングは、弁体を嵌め込む円筒部と、円筒部中央に設けられた中央口と、中央口に連続する接続円筒と、接続円筒天井から中央口側に突き出した押棒と、接続円筒の側壁に給排気口を有する。且つ弁体を嵌め込む円筒部内径は、弁体の下部外径よりも少し小さくしてなり、中央口は弁外径よりも小さくしてなる。
【0004】
該弁体の下部外径は該円筒内径より少し大きくしてなるため、弁体をハウジングに嵌め込むと、円筒部から側圧を受け、この影響で弁を有する弁体頂部の面がハウジングの中央口を形成する円筒上面に押圧密着してシールを確実にするとともに、弁体はハウジングにより保持される。封入した空気を排出する場合は、ハウジングの円筒上部を外部から押圧することにより、押棒が弁を押し、弁が開いて空気が排出される。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、空気を排出するために接続円筒上部を押圧して押棒が弁を押すためには、円筒面が座屈するか、円筒天井が撓む必要があるが、これらは一体に射出成形されているため射出成形条件を満たす一定の肉厚が必要であり、相応の力を必要とする。さらに円筒の座屈変形は押棒を弁方向だけに移動するような変形とは限らないため、この場合は弁を押し開くことはできないという問題がある。
【0006】
又弁体下部外径は嵌め込むハウジングの円筒内径より少し大きくしているが、大きさの程度は、製造公差を超えた大きさとすることが、ハウジングへ弁が密着する条件である。従って、ハウジングの円筒内径が拡大するか、弁体外径が縮小しないと内外径差を吸収できないため、伸縮性に富む材料を選定する必要があるが、機械強度との兼ね合いもあり、製品化の制約条件となる。
【0007】
本発明は、上述のような背景技術の問題に着目してなされたもので、接続円筒上部を軽く押圧するだけで押棒が弁を押し開き、又、弁体下部外径をハウジング内径よりも確実に大きくしても、ハウジングに嵌め込んだとき、弁体円筒部に湾曲が発生せず、ハウジングの円筒面に密接し、側圧により弁がハウジングに密着してシールを確実にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述のような目的を達成するために、ハウジングの構造は、押棒を設置する接続円筒天井或いは接続円筒部或いはこれら両方を波付構造とする。
【0009】
又、截頭円錐外形で中空円錐構造の弁体は、截頭円錐円筒面に下部開口部から頂部に向かって一箇所以上の切欠きを設ける構造とする。
【発明の効果】
【0010】
ハウジングの接続円筒天井或いは接続円筒部或いはこれら両方を波付構造とし、且つ、弁体の截頭円錐円筒面に下部開口部から頂部に向かって一箇所以上の切欠きを設ける構造とすることによって、接続円筒上部を軽く押圧するだけで押棒が弁を押し開き、弁体をハウジングに嵌め込んだとき、弁体円筒部に湾曲が発生せず、側圧効果により弁がハウジングに密着してシールを確実にすることができる。
【発明の実施の形態、実施例】
【0011】
以下、本発明の実施例について図1乃至図4で説明する。弁体1及びハウジング7は軟質塩ビやポリウレタンゴムなどの軟質合成樹脂製で図1は逆止弁組立図、図2は弁体、図3はハウジングである。図2の弁体は頂部に弁2が形成され、弁2の外周に切欠部3が形成され、切欠部3の外周に平面部4を形成し、弁2と平面部4の一部は連結部5で一体に連結され、下部外径は頂部外径より少し大きくしてなる下部が開口した截頭円錐筒構造で円錐筒面に本発明の円錐筒面切欠き部6を有する。
【0012】
図3のハウジング7は空気袋物取り付け部9と、弁体1を収納する円筒部8と、円筒上部面10に中央口11を有し、中央口11に接続し上部に突出した接続円筒12と、接続円筒12の天井から中央口11側に突出した押棒13と、接続円筒12の側壁に給排気口14とこれを塞ぐ栓体15を有し、接続円筒12の一部と天井は波付構造16により構成される。
【0013】
図4は押棒13を弁2に取り付けた別の方法を示し、弁体1は円錐筒面切欠き部6、ハウジング接続円筒12は波付構造16により構成される。この場合、押し棒13の重量を支持するため、弁2と切欠部3の外周の平面部4との連結部5は3箇所以上とする。図では4箇所としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる逆止弁組立図で、ハウジング接続円筒の一部に波付、且つ弁体の円錐筒面に切欠きを有する構造である。
【図2】本発明に係わる切欠きを有する弁体を示す部品図である。
【図3】本発明に係わる波付構造を有するハウジングを示す部品図である。
【図4】本発明に係わる逆止弁組立図で、押棒を弁に取り付けた方法で、ハウジング接続円筒の一部に波付、且つ弁体の円錐筒面に切欠きを有する構造である。
【図5】背景技術である特許願 出願日平成16年11月10日(整理番号PAK2004−05)の構造図である。
【符号の説明】
1 弁体
2 弁
3 切欠部
4 平面部
5 連結部
6 円錐筒面切欠き部
7 ハウジング
8 円筒部
9 取付部
10 上部面
11 中央口
12 接続円筒
13 押棒
14 給排気口
15 栓体
16 波付構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に弁が形成され、該弁の外周に切欠部が形成され、該切欠部の外周から外縁部までは平面部が形成され、該弁と該平面部の一部とが連結部で一体に連結され、これらを頂部に形成し、下部を開口する截頭円錐外径の円錐筒構造の弁体と、該弁体の一側に重合して設けられ、且つ該弁体を嵌め込む中空円筒部を有し、該円筒部内径は弁体の下部外径よりも小さく、該円筒部の上部面は該弁外形よりも小径の中央口を形成し、該中央口に接続し該弁と反対側に突出した中空の接続円筒と、接続円筒の天井から該中央口側に突き出した押棒と、該接続円筒の側壁に給排気口を有するハウジングにより構成される押棒を備えた逆止弁において、押棒が取り付けられる接続円筒天井或いは接続円筒面或いはこれらの両方を波付構造としたことを特徴とする押棒を備えた逆止弁構造。
【請求項2】
頂部には該弁が形成され、下部は開口する截頭円錐外形の円錐筒構造で頂部外径よりも下部外径が大きいことを特徴とする請求項1記載の弁体構造において、截頭円錐円筒面に下部開口部から頂部に向かって1箇所以上の切欠きを設けたことを特徴とする請求項1記載の弁体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−145021(P2006−145021A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−368462(P2004−368462)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(500444771)
【Fターム(参考)】