説明

担持触媒の処理方法

担持触媒の処理方法が、炭素担体上に触媒材料のナノ粒子を含む、担持触媒のシェルを除去する条件を設定することを含む。ナノ粒子は、それぞれ、有機シェルに覆われた白金合金コアを含む。シェルの除去条件は、高温と、実質的に酸素がない不活性ガス雰囲気と、を含む。次いで有機シェルが、シェルの除去条件において白金合金コアから除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池またはその他の触媒用途に用いられる安定的な、高活性の白金合金触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は電流を発生させるように通常用いられる。例えば、単一の燃料セルは一般にアノード触媒と、カソード触媒と、アノード触媒およびカソード触媒の間の電解質と、を含み、燃料と酸化剤との間での周知の電気化学反応により電流を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7053021号明細書
【特許文献2】米国特許第7335245号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池が遭遇する一つの問題は、触媒の運用効率である。例えば、カソード触媒における電気化学的活性は効率を調節する一つのパラメータである。電気化学的活性の指標はカソード触媒における酸化剤の電気化学的還元率である。白金はカソード触媒として用いられている。しかしながら、白金は高価であり、カソードの酸素還元反応の高い過電圧を有する。また、白金は燃料セルの過酷な環境で相対的に不安定である。例えば、高温と電位サイクルは、触媒の溶解と粒子の移動により、次第に白金の電気化学的活性の劣化を引き起こす。
【0005】
触媒活性を向上させ、より優れた安定性を提供するように、白金が特定の遷移金属と合金化される。それでも、特定の合金組成の触媒活性および安定性は、かなりの割合で合金の製造に用いられる技術に依存する。一例として、一部の技術では、比較的大型の触媒粒径と、合金元素の不十分な分散とをもたらし、それにより触媒組成にかかわらず、燃料電池環境に不十分な電気化学的活性をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一例の担持触媒の処理方法が、担持触媒のシェルの除去条件を設定することを含む。担持触媒は、炭素担体上に触媒材料のナノ粒子を含む。ナノ粒子は、それぞれ、有機シェルに覆われた白金合金コアを含む。シェルの除去条件は、高温と、実質的に酸素がない不活性ガス雰囲気とを含む。次いで有機シェルが、シェルの除去条件において白金合金コアから除去される。
【0007】
一部の例では、ナノ粒子がカーボンブラック担体上に担持され、有機シェルはオレイルアミンまたはオレイン酸の少なくとも一つを含む。白金合金コアは、白金と、ニッケル、鉄、コバルト、イリジウム、クロム、モリブデン、パラジウム、ロジウム、金、銅、およびバナジウムから選択される少なくとも一つの合金金属と、を含む。シェルの除去条件は、220°Cよりも高い高温と、実質的に酸素がない不活性雰囲気と、を含む。白金合金コアから有機シェルを除去したのちに、還元性雰囲気または不活性雰囲気における400°C〜1200°Cの焼なまし温度で白金合金コアが焼きなまされる。
【0008】
開示の実施例の様々な特徴および利点が以下の詳細な説明から当業者にとって明らかとなるであろう。詳細な説明に添付の図面を以下のように簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】有機シェルを含む、ナノ粒子を有する担持触媒の一例を示す図。
【図2】ナノ粒子から有機シェルを除去した後の担持触媒を示す図。
【図3】一例の担持触媒の処理方法を示す図。
【図4】従来の白金触媒と比較した、異なる温度で焼きなまされた白金合金の質量活性を示すグラフ。
【図5】異なる温度で焼きなまされた白金合金触媒の質量活性対電位サイクル数のグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、燃料電池またはその他の触媒環境で用いられる一例の担持触媒10の選択された部分を示す。この例では、担持触媒10は「製造過程」にあり、意図された最終的な担持触媒に対して中間形にある。この場合、担持触媒10は、複数のナノ粒子14を担持する炭素担体12を含む(単一のナノ粒子14のみを示すが、複数を表す)。一例として、ナノ粒子14はナノスケールで測定される平均粒径を有する。一部の例では、ナノスケールは1〜100nmである。しかしながら、多くの最終用途では、所望の粒径は10nm未満、更には3nm未満である。
【0011】
ナノ粒子14の各々は有機シェル18に覆われた(すなわち、包囲された)白金合金コア16を含む。有機シェル18はナノ粒子14の製造に用いられる技術による生成物である。担持触媒10は周知のポリオール法を用いて製造される。一例として、担持触媒10は、ポリオール法を利用する特許文献1および特許文献2に記載の技術を用いて製造される。しかしながら、本発明の開示はそれらに記載の方法に限定されない。
【0012】
周知のように、ポリオール法技術により、キャッピング材料、この場合では有機シェル18によって取り囲まれた白金合金コア16が提供される。幾つかの例では、白金合金コア16は一つまたは複数の合金金属と組み合わされた白金を含む。合金金属は、鉄、ニッケル、コバルト、イリジウム、クロム、モリブデン、パラジウム、ロジウム、金、銅、バナジウム、もしくはそれらの組合せを含む。一部の例では、白金合金コア16は、特定の元素のみを含んでもよく、あるいは特定の元素と、白金合金コア16の特性に実質的に影響を及ぼさない不純物もしくは添加物と、を含んでもよい。
【0013】
一例では、白金合金コア16は、それぞれ、3種または4種の異なる金属を含む三元または四元合金である。幾つかの特定の例では、白金合金コア16は、Pt20-60Ni5-20Co30-60またはPt20-605-20Co30-60であり、各元素量は原子百分率であり総計100となる。これらの組成は、高い電気化学的活性と安定性(溶解および劣化に対する抵抗性)のために、燃料電池における最終用途によく適している。
【0014】
有機シェル18の材料は、製造技術において選択される特定のパラメータによって決まる。例えば、有機シェル18は、オレイルアミン、オレイン酸、チオール、ポリアクリル酸、トリメチルアルミニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム(tetraoctylammonium bromide)、ドデシル硫酸ナトリウム、酢酸、塩化セチルトリメチルアンモニウム(cetryltrimethylammonium chloride)、またはそれらの組合せである。この場合、有機シェル18を概略的に示すが、周知の方法で白金合金コア16に結合する有機分子配位子を含みうる。
【0015】
ナノ粒子14が周知の方法で炭素担体12上に堆積される。炭素担体12はカーボンブラック粒子でもよい。一方、その他の例では、炭素担体12は、未改質カーボンブラック、改質カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤ、炭素繊維、黒鉛化カーボンブラック、炭化物、酸化物、ホウ素ドープダイヤモンド、およびそれらの組合せなどの、特定の所期の最終用途に適した別の種類の担体である。
【0016】
この点について、ナノ粒子14の有機シェル18は、ナノ粒子の炭素担体12への付着を容易にする。さらに、有機シェル18は、さもなければ化学的活性が制限される比較的大型の粒子を生じさせる白金合金コア16の凝集を制限する。
【0017】
触媒活性のために白金合金コア16を露出させるように有機シェル18を除去しなければならない。本発明の前提の一つとなっているのは、有機シェルの除去に用いられる従来の方法では、炭素担体12を熱分解し、白金合金コア16の凝集をもたらすおそれがあることである。例えば、分解による炭素担体12の損失は、ナノ粒子14の凝集を招く。より大きな凝集粒子ほど、触媒環境における電気化学的活性がより低い。一方、さらに詳細に述べるように、本発明に記載の有機シェル18を除去するための例示の方法により、炭素担体12の分解および凝集の制限を容易にして、強化された電気化学的活性と耐久性とを有する担持触媒10を提供する。
【0018】
図2は、有機シェル18の除去後の担持触媒10およびナノ粒子14を示す。この場合、白金合金コア16は概ね図1に示すのと同様の大きさを有し、その他のナノ粒子14のその他の白金合金コア16と組み合わされていない。
【0019】
図3は、炭素担体12の分解と、白金合金コア16の凝集と、の制限を容易にしながら有機シェル18を除去するための一例の方法30を示す。この例では、方法30は、シェルの除去条件を設定するステップ32と、白金合金コア16から有機シェルを除去するステップ34と、を含む。一例として、シェルの除去条件の設定と、有機シェルの除去とは、時間および/または空間において同時、かつ/または部分的に重なってもよい。一般に、シェルの除去条件は、効果的な除去のために一定期間維持される。
【0020】
ステップ32におけるシェルの除去条件は、高温と、実質的に酸素のない不活性ガス雰囲気と、を含む。換言すれば、シェルの除去条件の設定は、担持触媒10を処理するための高温と不活性ガス雰囲気条件とを提供することを含む。一例では、ステップ32は、処理チャンバを所望の温度に加熱し、例えばチャンバから空気を不活性ガスでパージングすることにより、チャンバ内の雰囲気を調節することを含む。所望の設定値に温度および雰囲気を設定するように周知の方法が用いられうる。
【0021】
担持触媒10をシェルの除去条件にかけることにより、ステップ34において有機シェル18を白金合金コア16から除去する。高温により有機シェル18が分解する。分解したシェル材料は周囲の不活性ガス雰囲気へと蒸発する。シェル組成に応じて、分解時に反応中間体が放出される。分解生成物の濃縮物の蓄積を低減するように不活性ガス雰囲気が連続的にパージングされうる。
【0022】
担持触媒10は、所定時間の間、シェル除去条件に置かれ、その時間は、いつシェル材料が完全に除去されたかを測定するための温度重量分析を用いて実験的に簡単に測定することができる。一例として、その時間は数時間以下である。
【0023】
不活性ガス雰囲気は、実質的に酸素がなく、それにより本質的に炭素担体12と反応しない。一例として、雰囲気中に存在する酸素量が、炭素担体の顕著な酸化を生じさせるレベルを下回るように、雰囲気が調節される。炭素担体12の分解を回避することにより、担体の表面積が維持され、それにより白金合金コア16の凝集が回避される。対照的に、十分な酸素が存在する場合、有機シェル18との反応に加えて酸素が炭素担体12と反応し、炭素担体12の表面積の減少による凝集をもたらし、燃料電池などの高活性の用途における触媒が不適当なものとなる。
【0024】
方法30に用いられる不活性ガスは、炭素担体12または他種の使用される担体と反応しないあらゆる種類の不活性ガスから選択される。一例として、不活性ガスは、窒素、アルゴン、またはそれらの混合物であり、実質的に酸素がない。不純物として少量の酸素が含まれうる。例えば、酸素は数体積%まで存在し、一方、その他の例では、酸素は1ppm未満の濃度で存在しうる。
【0025】
一部の例では、不活性ガスは、水素またはその他の微量の還元ガスを有する窒素および/またはアルゴンの混合物である。例えば、この混合物は約10体積%までの水素を含みうる。水素は還元剤であり、不活性ガス混合物中のあらゆる酸素と反応して酸素が炭素担体12と反応する前に酸素を消費する。さらに水素は、ポリオール処理技術から残存する白金合金コア16のあらゆる非還元の合金金属を還元する。
【0026】
ステップ34で有機シェルを除去するように用いられる高温は220°Cもしくはそれ以上の温度である。更なる例では、その温度は約250°C〜290°Cである。更なる例ではその温度は約270°Cである。所望の範囲の温度を用いることは炭素担体12に著しく影響を及ぼすことなく有機シェル18を除去するのに効果的である。さらに、所定の範囲の温度は白金合金コア16の合金化に影響を及ぼすには十分低い。加えて、より高い温度でナノ粒子14を加熱すると、一部に凝集が生じるおそれがある。しかしながら、有機シェル18の除去に用いられる比較的低い温度により、凝集が制限される。270°Cの温度により、凝集の回避と、有機シェル18の急速な除去との望ましいバランスがもたらされる。
【0027】
一部の例では、有機シェル18の除去後にナノ粒子14が焼きなまされて白金合金コア16内に用いられた白金と、合金金属とを均質化する(すなわち、均一に分散させる)。相対的に低い焼なまし温度は合金を均質化するのに効果的でなく、相対的に高い焼なまし温度は深刻な凝集を引き起こす。一例では、有機シェル18の除去後、担体触媒10は400°C〜1200°Cで所定期間焼きなまされる。更なる例では、焼なまし温度は700°C〜1000°Cであり、更なる例では、焼なまし温度は800°C〜1000°Cである。合金化を均質化することにより、担持触媒10の安定性の向上を促進し、活性を向上させる。焼なましが予備焼なましステップに先行されてもよく、例えば400°Cなどの、所定の焼なまし温度範囲の下端の温度で予備焼なましすることを含みうる。
【0028】
図4,5は、担持触媒10の活性に対する焼なまし温度の影響の例を示す。図示のグラフでは、担持触媒10の触媒材料は白金−ニッケル−コバルトである。比較として純粋な白金も示す。図4では、400°C、500°C、700°C、および926°Cの焼なまし温度における相対的な活性を示す。より高い焼なまし温度ほどより大きな活性を提供する。
【0029】
図5は、400°C、500°C、700°C、および926°Cの焼なまし温度で処理した白金−ニッケル−コバルト触媒の電位サイクルに対する相対的な活性を示す。この場合、より高い焼なまし温度ほどより高い耐久性を提供する。
【0030】
特徴部の組合せを図示の例に示したが、本発明の様々な実施例の利益を供与するようにそれらの全てを組み合わせる必要はない。言い換えれば、本発明の実施例に従って設計された装置は必ずしも図面のいずれかに示される特徴の全てもしくは図面に概略的に示される部分の全てを含む必要はないであろう。さらに、一実施例の選択された特徴部はその他の実施例の選択された特徴部と組合せてもよい。
【0031】
上記の記載は本質的に限定的なものではなく例示に過ぎない。本発明の真意を逸脱することなく開示の実施例に対する種々の変形や修正が当業者にとって明らかとなるであろう。本発明に付与される法的保護の範囲は付記の特許請求の範囲を検討することによってのみ決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素担体上に触媒材料のナノ粒子を含む、担持触媒のシェルを除去する条件を設定するステップであって、前記ナノ粒子が、それぞれ、有機シェルに覆われた白金合金コアを備え、該シェルの除去条件が、高温と、実質的に酸素がない不活性ガス雰囲気と、を含む、シェルの除去条件を設定するステップと、
前記シェルの除去条件において、前記白金合金コアから前記有機シェルを除去するステップと、
を備えた担持触媒の処理方法。
【請求項2】
前記シェルの除去条件の前記高温が、220°C〜600°Cであることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項3】
前記シェルの除去条件の前記高温が、270°Cであることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項4】
前記不活性ガスが、窒素、アルゴン、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項5】
前記有機シェルの除去ステップが、前記有機シェルの熱分解を含むことを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項6】
前記不活性ガス雰囲気が、少なくとも2種類の異なる不活性ガスと、水素と、の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項7】
前記混合物が、窒素と、アルゴンと、水素と、を含み、前記水素は10体積%までの量で存在することを特徴とする請求項6に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項8】
前記有機シェルの除去ステップ後、400°C〜1200°Cの焼なまし温度で前記担持触媒を焼きなますステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項9】
前記焼なまし温度が、700°C〜1000°Cであることを特徴とする請求項8に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項10】
前記焼なまし温度が、800°C〜1000°Cであることを特徴とする請求項8に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項11】
前記白金合金触媒が、白金と、鉄、ニッケル、コバルト、イリジウム、クロム、モリブデン、パラジウム、ロジウム、金、銅、およびバナジウムからなる群から選択された少なくとも一つの合金金属と、からなることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項12】
前記シェルの除去条件を設定するステップの前に、ポリオール法を用いて前記ナノ粒子の前記有機シェルを形成させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項13】
前記担体が、カーボンブラック、炭化物、酸化物、ホウ素ドープダイヤモンド、およびそれらの組合せであることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項14】
前記担体が、未改質カーボンブラック、改質カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤ、炭素繊維、およびそれらの組合せであることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項15】
前記有機シェルが、オレイルアミン、オレイン酸、チオール、ポリアクリル酸、トリメチルアルミニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム、ドデシル硫酸ナトリウム、酢酸、塩化セチルトリメチルアンモニウム、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項16】
カーボンブラック担体上に触媒材料のナノ粒子を含む、担持触媒のシェルを除去する条件を設定するステップであって、前記ナノ粒子が、それぞれ、オレイルアミン、オレイン酸、およびそれらの組合せからなる群から選択された有機シェルに覆われた白金合金コアを備え、前記白金合金コアが、白金と、ニッケル、鉄、コバルト、イリジウム、クロム、モリブデン、パラジウム、ロジウム、金、銅、およびバナジウムからなる群から選択された少なくとも一つの合金金属と、を含み、該シェルの除去条件が、220°Cよりも高い高温と、実質的に酸素がない不活性ガス雰囲気と、を含む、シェルの除去条件を設定するステップと、
前記シェルの除去条件において、前記白金合金コアから前記有機シェルを除去するステップと、
前記有機シェルの除去ステップ後、残った前記白金合金コアを400°C〜1200°Cの焼なまし温度で焼きなますステップと、
を備えた担持触媒の処理方法。
【請求項17】
前記シェルの除去条件を設定するステップの前に、ポリオール法を用いて前記ナノ粒子の前記有機シェルを形成させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の担持触媒の処理方法。
【請求項18】
炭素担体上に触媒材料のナノ粒子を含む、担持触媒のシェルを除去する条件を設定するステップであって、前記ナノ粒子が、それぞれ、有機シェルに覆われた白金合金コアを備え、該シェルの除去条件が、高温と、実質的に酸素がなく前記炭素担体に関して実質的に不活性の雰囲気と、を含む、シェルの除去条件を設定するステップと、
前記シェルの除去条件において、前記白金合金コアから前記有機シェルを除去するステップと、
前記シェルの除去後、前記白金合金コアを少なくとも400°Cの温度で焼きなますステップと、
を備えた担持触媒の処理方法。
【請求項19】
カーボンブラック担体上に触媒材料のナノ粒子を含む、担持触媒のシェルを除去する条件を設定するステップであって、前記ナノ粒子が、それぞれ、オレイルアミン、オレイン酸、およびそれらの組合せからなる群から選択された有機シェルに覆われた白金合金コアを備え、前記白金合金コアが、白金と、ニッケル、鉄、コバルト、イリジウム、クロム、モリブデン、パラジウム、ロジウム、金、銅、およびバナジウムからなる群から選択された少なくとも一つの合金金属と、を含み、該シェルの除去条件が、220°Cよりも高い高温と、該シェルの除去条件下で前記カーボンブラック担体を実質的に分解しないように実質的に酸素がない雰囲気と、を含む、シェルの除去条件を設定するステップと、
前記シェルの除去条件において、前記白金合金コアから前記有機シェルを除去するステップと、
前記有機シェルの除去ステップ後、残った前記白金合金コアを400°C〜1200°Cの焼なまし温度で焼きなますステップと、
を備えた担持触媒の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−514172(P2013−514172A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544460(P2012−544460)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068382
【国際公開番号】WO2011/075127
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(500477447)ユーティーシー パワー コーポレイション (138)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(512158066)ザ リサーチ ファウンデイション オブ ステイト ユニバーシティ オブ ニューヨーク (2)
【Fターム(参考)】