説明

拡張装置およびこの拡張装置に接続される電子機器

【課題】拡張装置と電子機器とが接続されているか否かを、接続端子を介すことなく容易に判定することができる拡張装置およびこの拡張装置に接続される電子機器を提供する。
【解決手段】本発明に係る拡張装置20は、電子機器10の拡張機能を備えた装置である。拡張装置20は、基台部21の内部に配設された磁気センサや、電子機器10と電気的に接続するための本体接続端子や、電源接続端子に一端を接続された切替部などを有する。電子機器10は、拡張装置20と接続されると拡張装置20の磁気センサと近接する位置に配設された磁石や、拡張装置20の本体接続端子と電気的に接続可能な拡張接続端子などを有する。切替部は、磁気センサから所定の強度以上の磁場が検出された旨の出力信号を受けると接続を短絡し、磁気センサから所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると接続を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の機能を拡張する拡張装置およびこの拡張装置に接続される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型のパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型の電子機器には、電子機器の携帯性を確保しつつ、ユーザが利用可能な機能を拡張するために、拡張すべき機能を備えた装置(以下、拡張装置という)を利用可能に構成されたものがある。
【0003】
電子機器および拡張装置のそれぞれには、互いを電気的に接続するための接続端子が設けられる。この電子機器および拡張装置に設けられた接続端子は、たとえば、拡張装置に設けられた載置スペースに電子機器が載置されると互いに嵌合するように配設される。
【0004】
ユーザは、拡張装置に電子機器を接続することにより、拡張装置から接続端子を介して供給される電力を利用して電子機器に内蔵されたバッテリを充電したり、拡張装置に設けられたUSB端子を介して接続されたマウスなどの入力装置を利用して電子機器を操作したりすることができる。
【0005】
一方、電子機器が拡張装置に接続されていないときには、消費電力を削減したり、拡張装置の接続端子に金属類が触れることによる短絡事故などを防止したりするために、拡張装置に対する商用電源などからの電力供給を停止することが望ましい。
【0006】
従来、この種の電子機器と拡張装置との接続状態に応じて拡張装置の電力を制御する技術に、特開平5−66858号公報(特許文献1)に開示されたものがある。
【0007】
この特許文献1に開示された機能拡張装置は、電子機器に電源を供給する手段と、電子機器の接続状態を認識する手段と、電子機器が接続されていないことを認識すると電子機器への電源供給を禁止する手段とを備え、電子機器が接続されていない場合には、電子機器に対する電源供給を停止することができるようになっている。
【特許文献1】特開平5−66858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、最近、携帯型の電子機器は、より小型のものが開発され、A5サイズやそれ以下のサイズの小型の電子機器もみられるようになってきた。これらの小型の電子機器においては、拡張装置と接続するための接続端子も、小型であることが望まれる。
【0009】
しかし、従来の技術では、拡張装置において電子機器が接続されているか否かを識別するためには、この識別のための信号(識別信号)を、接続端子を介して伝送する必要があるため、接続端子が大きくなってしまう。したがって、従来の技術は、特にA5サイズやそれ以下のサイズの小型の電子機器に適しているとはいえない。
【0010】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、拡張装置と電子機器とが接続されているか否かを、接続端子を介すことなく容易に判定することができる拡張装置およびこの拡張装置に接続される電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る拡張装置は、上述した課題を解決するために、電子機器の機能を拡張する拡張装置であって、所定の強度以上の磁場を検出することにより前記電子機器に設けられた磁石が所定の距離内にあることを検知可能な磁気センサと、電源と接続されることにより前記電源から電力の供給を受ける電源接続端子と、一端を前記電源接続端子と接続され、前記磁気センサの出力信号に応じて前記電源接続端子との接続を短絡または開放する切替部と、前記切替部の他端と接続された、前記電子機器と接続するための本体接続端子と、を備え、前記切替部は、前記磁気センサから前記所定の強度以上の磁場が検出された旨の出力信号を受けると、前記電源接続端子との接続を短絡することにより、前記本体接続端子に対する前記電源からの電力供給を可能とする一方、前記磁気センサから前記所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると、前記電源接続端子との接続を開放することにより、前記本体接続端子に対する前記電源からの電力供給を遮断することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係る拡張装置は、上述した課題を解決するために、電子機器の機能を拡張する拡張装置であって、所定の強度以上の磁場を検出することにより前記電子機器に設けられた磁石が所定の距離内にあることを検知可能な磁気センサと、電源と接続されることにより前記電源から電力の供給を受ける電源接続端子と、一端を前記電源接続端子と接続され、前記磁気センサの出力信号に応じて前記電源接続端子との接続を短絡または開放する切替部と、前記切替部の他端と接続された、前記電子機器と接続するための本体接続端子と、前記切替部の他端に対して前記本体接続端子と電気的に並列に接続された、外部機器を接続するための外部機器接続端子と、前記外部機器接続端子と前記本体接続端子との接続点と、前記本体接続端子と、の間に接続された他の切替部と、前記磁気センサから前記所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると、第1の設定および第2の設定のいずれかの設定にもとづいて前記切替部および前記他の切替部の短絡および開放を制御する切替制御部と、をさらに備え、前記第1の設定は、前記切替部および前記他の切替部と前記電源接続端子との接続をいずれも開放することにより前記本体接続端子および前記外部機器接続端子に対する前記電源からの電力供給を遮断する設定であり、前記第2の設定は、前記切替部を短絡しつつ前記他の切替部は開放することにより前記本体接続端子に対する電力供給は遮断しつつ前記外部機器接続端子に対する電力供給を可能とする設定であることを特徴とするものである。
【0013】
一方、本発明に係る電子機器は、上述した課題を解決するために、所定の強度以上の磁場を検出可能な磁気センサを有し機能を拡張するための拡張装置、に接続される電子機器であって、前記電子機器が前記拡張装置に接続されると前記拡張装置の磁気センサが前記所定の強度以上の磁場を検出可能な位置に配設された磁石、を備え、前記拡張装置は、前記所定の強度以上の磁場を検出することにより前記磁石が所定の距離内にあることを検知可能な前記磁気センサと、電源と接続されることにより前記電源から電力の供給を受ける電源接続端子と、一端を前記電源接続端子と接続され、前記磁気センサの出力信号に応じて前記電源接続端子との接続を短絡または開放する切替部と、前記切替部の他端と接続された、前記電子機器と接続するための本体接続端子と、を有し、前記切替部は、前記磁気センサから前記所定の強度以上の磁場が検出された旨の出力信号を受けると、前記電源接続端子との接続を短絡することにより、前記本体接続端子に対する前記電源からの電力供給を可能とする一方、前記磁気センサから前記所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると、前記電源接続端子との接続を開放することにより、前記本体接続端子に対する前記電源からの電力供給を遮断することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る拡張装置およびこの拡張装置に接続される電子機器によれば、拡張装置と電子機器とが接続されているか否かを、接続端子を介すことなく容易に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る拡張装置およびこの拡張装置に接続される電子機器の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る拡張装置およびこの拡張装置に接続される電子機器の第1実施形態を示す概略的な全体構成図である。図1には、電子機器が拡張装置に接続された際の外観を示した。
【0017】
電子機器10は、筐体上面中央部に表示入力部の表示部としてのLCD11を有するほか、一部に電源ボタン12を有する。表示入力部は、表示部としてのLCD11および入力部としてのペンタブレットデバイスやタッチパネルなどを有する。
【0018】
拡張装置20は、電子機器10の携帯性を確保しつつ、ユーザが利用可能な機能を拡張するために、拡張すべき機能を備えた装置であり、各種回路を内包する基台部21と、この拡張装置20に接続された電子機器10を支持する本体支持部22とを有する。
【0019】
図2は、拡張装置20の正面斜視図である。図2に示すように、拡張装置20は、基台部21の内部に配設された磁気センサ23と、電子機器10と電気的に接続するための本体接続端子24と、をさらに有する。
【0020】
図3は、電子機器10の正面図である。電子機器10は、拡張装置20と接続されると拡張装置20の磁気センサ23と近接する位置に配設された磁石13と、拡張装置20の本体接続端子24と電気的に接続可能な拡張接続端子14と、をさらに有する。
【0021】
図4は、電子機器10が拡張装置20に接続された際の様子の一例を示す正面図である。
【0022】
図4に示すように、磁石13および磁気センサ23は、電子機器10の拡張接続端子14と拡張装置20の本体接続端子24とが接続されると近接するように、それぞれ電子機器10および拡張装置20に配設される。
【0023】
より具体的には、磁気センサ23は、所定の強度以上の磁場を検出することにより、電子機器10に設けられた磁石13が所定の距離内にあることを検知可能に構成される。そして、磁石13は、電子機器10が拡張装置20に接続された際に、磁気センサ23がこの所定の強度以上の磁場を検出可能な位置に配設される。
【0024】
なお、本体接続端子24および拡張接続端子14は、一方が、拡張装置20および電子機器10の一方の筐体から所定の長さをもって突出する形状を有し、他方が、本体接続端子24および拡張接続端子14の一方と互いに嵌合する凹形状を有する。本実施形態の説明では、拡張装置20に設けられた本体接続端子24が筐体から所定の長さをもって突出する形状を有し、電子機器10に設けられた拡張接続端子14が本体接続端子24と互いに嵌合する凹形状を有する場合の例について示す。
【0025】
図5は、拡張装置20の背面斜視図である。図5に示すように、拡張装置20の基台部21の背面には、商用電源と接続されることにより電源から電力の供給を受ける電源接続端子25と、外部機器接続端子群26が設けられる。外部機器接続端子群26は、USB(Universal Serial Bus)タイプAソケット(type-A receptacle)27およびタイプBソケット(type-B receptacle)28を有する。
【0026】
拡張装置20に電子機器10を接続することにより(図4参照)、ユーザは、拡張装置20から電力供給をうけて電子機器10に内蔵されたバッテリを充電したり、USBタイプAソケット27を介して接続されたマウスなどの入力装置を利用して電子機器10を操作したりすることが可能となる。
【0027】
また、USBタイプAソケット27は、信号線に加えて電力供給線を有する。このため、USBタイプAソケット27の電力供給線を介して、拡張装置20から接続された外部機器に対して電力供給を行うことが可能である。USBタイプAソケット27を介して供給される電力は、たとえば5Vの電圧値をもって供給される。
【0028】
図6は、拡張装置20の内部構造の一例を示す概略的なブロック図である。
【0029】
図6に示すように、拡張装置20は、降圧部30および電源接続端子25に一端を接続された切替部31をさらに有する。切替部31の他端は、本体接続端子24およびUSBタイプAソケット27と接続される。
【0030】
なお、図6には、電源接続端子25に対し、商用電源から供給される交流電圧がACアダプタなどにより15Vの直流電圧に変換され、この15Vの直流電圧が本体接続端子24に供給される場合の例について示した。
【0031】
また、USBタイプAソケット27を介して供給されるべき電圧が5Vである場合、電源接続端子25を介して供給された15Vの直流電圧は、図6に示すように、降圧部30により5Vに降圧されてUSBタイプAソケット27に供給される。
【0032】
切替部31には、磁気センサ23の出力信号が入力される。切替部31は、磁気センサ23から所定の強度以上の磁場が検出された旨の出力信号を受けると、接続を短絡する。また、切替部31は、磁気センサ23から所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると、接続を開放する。
【0033】
次に、本実施形態に係る拡張装置20およびこの拡張装置20に接続される電子機器10の動作の一例について説明する。
【0034】
電子機器10が拡張装置20に接続されると、磁気センサ23は、所定の強度以上の磁場を検出することにより、電子機器10に設けられた磁石13が所定の距離内にあることを検知し、その旨の信号を切替部31に出力する。切替部31は、磁気センサ23から所定の強度以上の磁場を検出した旨の信号を受けて、接続を短絡する。
【0035】
この結果、電源接続端子25と本体接続端子24とが電気的に接続されることにより、本体接続端子24に対して15Vの直流電圧が供給される。また、電源接続端子25とUSBタイプAソケット27とが電気的に接続されることにより、USBタイプAソケット27に対して5Vの直流電圧が供給される。
【0036】
一方、電子機器10が拡張装置20から離脱すると、磁気センサ23は、所定の強度より小さい磁場が検出された旨の信号を出力する。切替部31は、磁気センサ23から所定の強度より小さい磁場が検出された旨の信号を受けて、接続を開放する。
【0037】
この結果、電源接続端子25と本体接続端子24との接続が開放されることにより、本体接続端子24に対する直流電圧の供給が遮断される。また、電源接続端子25とUSBタイプAソケット27との接続が開放されることにより、USBタイプAソケット27に対する直流電圧の供給も遮断される。
【0038】
本実施形態に係る拡張装置20およびこの拡張装置20に接続される電子機器10は、磁気センサ23および磁石13を用いることにより、接続端子(本体接続端子24および拡張接続端子14)を介すことなく、拡張装置20と電子機器10とが接続されているか否かを容易に判定することができる。このため、接続端子(本体接続端子24および拡張接続端子14)に接続を識別するための信号線を配設する必要がなく、接続端子(本体接続端子24および拡張接続端子14)を小さく保つことができる。
【0039】
したがって、本実施形態に係る拡張装置20およびこの拡張装置20に接続される電子機器10は、電子機器10および拡張装置20の大きさを小さく保ったまま拡張装置20と電子機器10とが接続されているか否かを容易に判定することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る拡張装置20およびこの拡張装置20に接続される電子機器10は、拡張装置20に磁気センサ23を、電子機器10に磁石13を、それぞれ配設し、磁気センサ23が磁石13の発生する磁場を検出することにより、拡張装置20と電子機器10とが接続されているか否かを判定する。このため、磁気センサ23と磁石13の相対位置を調節することにより、容易に互いを識別することができる。
【0041】
たとえば、同様の拡張接続端子14を有する他の電子機器10について、この他の電子機器10の磁石13の設置位置を電子機器10と異なる位置にしておくことにより、拡張装置20は、この他の電子機器10が設置されても、本体接続端子24に対する電力供給を行うことがない。したがって、誤って他の電子機器10が接続された際に起こりうる事故を未然に防ぐことができる。
【0042】
なお、電子機器10が拡張装置20に設置されていない場合に拡張装置20の本体接続端子24に対する電力供給を遮断する目的としては、拡張装置20の待機電力の削減のほか、むき出しになった本体接続端子24に金属類が触れることによる短絡事故の防止を挙げることができる。
【0043】
むき出しになった本体接続端子24に金属類が触れることによる短絡事故を防止するためには、本体接続端子24がむき出しになる前に、確実に本体接続端子24に対する電力供給を遮断することが好ましい。
【0044】
図7は、磁気センサ23が磁石13を検知可能な所定の距離と、本体接続端子24の突出する所定の長さとの関係を説明するための図である。
【0045】
本体接続端子24がむき出しになる前に確実に本体接続端子24に対する電力供給を遮断するためには、本体接続端子24の突出する所定の長さを調節するとよい。具体的には、本体接続端子24が突出する所定の長さを、本体接続端子24と拡張接続端子14との嵌合が完全に外れるより前に、磁気センサ23により磁石13が所定の距離内にないことを検知可能な長さとするとよい。
【0046】
次に、本発明に係る拡張装置20およびこの拡張装置20に接続される電子機器10の第2実施形態について説明する。
【0047】
この第2実施形態に示す拡張装置20Aは、電子機器10が拡張装置20に設置されていない場合に、本体接続端子24に対する電力供給を遮断する一方、USBタイプAソケット27に対する電力供給を可能とする点で、第1実施形態に示す拡張装置20と異なる。他の構成および作用については図1に示す拡張装置20およびこの拡張装置20に接続される電子機器10と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
図8は、第2実施形態に係る拡張装置20Aの内部構造の一例を示す概略的なブロック図である。
【0049】
図8に示すように、拡張装置20Aは、他の切替部32と、切替制御部33と、操作部34とをさらに有する。
【0050】
他の切替部32は、USBタイプAソケット27と本体接続端子24との接続点と、本体接続端子24との間に接続される。
【0051】
切替制御部33は、磁気センサから所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると、第1の設定と第2の設定のいずれかの設定にもとづいて、切替部31および他の切替部32の短絡および開放を制御する。また、切替制御部は、磁気センサから所定の強度以上の磁場が検出された旨の出力信号を受けた場合は、切替部31および他の切替部32をともに短絡する。
【0052】
第1の設定は、切替部31および他の切替部32と電源接続端子25との接続をいずれも開放することにより、本体接続端子24およびUSBタイプAソケット27に対する電力供給を遮断する設定である。また、第2の設定は、切替部31を短絡しつつ他の切替部32は開放することにより、本体接続端子24に対する電力供給は遮断しつつUSBタイプAソケット27に対する電力供給を可能とする設定である。
【0053】
操作部34は、切替制御部33に対して第1の設定および第2の設定のいずれの設定で制御を行うべきかの情報を与える。この操作部34は、たとえば、基台部21側面にスライドスイッチとして設けておくことができる。スライドスイッチを用いる場合、たとえば、このスライドスイッチを第1の状態および第2の状態で位置決め可能に構成し、第1の状態で位置決めされると第1の設定で制御を行うべき旨の情報を、第2の状態で位置決めされると第2の設定で制御を行うべき旨の情報を、それぞれ切替制御部33に与えるようにする。
【0054】
本実施形態に係る拡張装置20Aおよびこの拡張装置20Aに接続される電子機器10によっても、第1実施形態にかかる拡張装置20およびこの拡張装置20に接続される電子機器10と同様の作用効果を奏する。
【0055】
また、本実施形態に係る拡張装置20Aこの拡張装置20Aに接続される電子機器10は、電子機器10が接続されていない場合において、本体接続端子24に対する電力供給を遮断することにより、本体接続端子24に金属類が触れることなどによる短絡事故を防ぐことが可能であるとともに、USBタイプAソケット27に接続された充電などを必要とする外部機器に対する電力供給を継続することが可能であり、非常に利便性が高い。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。たとえば、切替制御部はプロセッサを用いて構成してもよい。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る拡張装置およびこの拡張装置に接続される電子機器の第1実施形態を示す概略的な全体構成図。
【図2】拡張装置の正面斜視図。
【図3】電子機器の正面図。
【図4】電子機器が拡張装置に接続された際の様子の一例を示す正面図。
【図5】拡張装置の背面斜視図。
【図6】第1実施形態に係る拡張装置の内部構造の一例を示す概略的なブロック図。
【図7】磁気センサが磁石を検知可能な所定の距離と、本体接続端子の突出する所定の長さとの関係を説明するための図。
【図8】第2実施形態に係る拡張装置の内部構造の一例を示す概略的なブロック図。
【符号の説明】
【0058】
10 電子機器
11 LCD
12 電源ボタン
13 磁石
14 拡張接続端子
20、20A 拡張装置
21 基台部
22 本体支持部
23 磁気センサ
24 本体接続端子
25 電源接続端子
26 外部機器接続端子群
27 USBタイプAソケット
28 USBタイプBソケット
30 降圧部
31 切替部
32 他の切替部
33 切替制御部
34 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の機能を拡張する拡張装置であって、
所定の強度以上の磁場を検出することにより前記電子機器に設けられた磁石が所定の距離内にあることを検知可能な磁気センサと、
電源と接続されることにより前記電源から電力の供給を受ける電源接続端子と、
一端を前記電源接続端子と接続され、前記磁気センサの出力信号に応じて前記電源接続端子との接続を短絡または開放する切替部と、
前記切替部の他端と接続された、前記電子機器と接続するための本体接続端子と、
を備え、
前記切替部は、
前記磁気センサから前記所定の強度以上の磁場が検出された旨の出力信号を受けると、前記電源接続端子との接続を短絡することにより、前記本体接続端子に対する前記電源からの電力供給を可能とする一方、前記磁気センサから前記所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると、前記電源接続端子との接続を開放することにより、前記本体接続端子に対する前記電源からの電力供給を遮断することを特徴とする拡張装置。
【請求項2】
前記切替部の他端に対して前記本体接続端子と電気的に並列に接続された、外部機器を接続するための外部機器接続端子、
をさらに備え、
前記切替部と前記電源接続端子との接続が短絡されると、前記外部機器接続端子を介して前記外部機器に対しても前記電源からの電力供給が可能となる一方、前記切替部と前記電源接続端子との接続が開放されると、前記外部機器接続端子に対する前記電源からの電力供給も遮断される、
請求項1記載の拡張装置。
【請求項3】
前記電子機器は、前記本体接続端子と電気的に接続するための拡張接続端子を有し、
前記本体接続端子および前記拡張接続端子の一方は、前記拡張装置および前記電子機器の一方の筐体から所定の長さをもって突出するように設けられ、
前記本体接続端子および前記拡張接続端子の他方は、前記本体接続端子および前記拡張接続端子の一方と互いに嵌合する凹形状を有する、
請求項1記載の拡張装置。
【請求項4】
前記突出する所定の長さは、
前記本体接続端子と前記拡張接続端子との嵌合が完全に外れるより前に、前記磁気センサが前記所定の強度より小さい磁場が検出された旨の信号を出力可能な長さである、
請求項3記載の拡張装置。
【請求項5】
前記外部機器接続端子は、ユニバーサルシリアルバス規格に準拠した端子である、
請求項1記載の拡張装置。
【請求項6】
電子機器の機能を拡張する拡張装置であって、
所定の強度以上の磁場を検出することにより前記電子機器に設けられた磁石が所定の距離内にあることを検知可能な磁気センサと、
電源と接続されることにより前記電源から電力の供給を受ける電源接続端子と、
一端を前記電源接続端子と接続され、前記磁気センサの出力信号に応じて前記電源接続端子との接続を短絡または開放する切替部と、
前記切替部の他端と接続された、前記電子機器と接続するための本体接続端子と、
前記切替部の他端に対して前記本体接続端子と電気的に並列に接続された、外部機器を接続するための外部機器接続端子と、
前記外部機器接続端子と前記本体接続端子との接続点と、前記本体接続端子と、の間に接続された他の切替部と、
前記磁気センサから前記所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると、第1の設定および第2の設定のいずれかの設定にもとづいて前記切替部および前記他の切替部の短絡および開放を制御する切替制御部と、
をさらに備え、
前記第1の設定は、
前記切替部および前記他の切替部と前記電源接続端子との接続をいずれも開放することにより前記本体接続端子および前記外部機器接続端子に対する前記電源からの電力供給を遮断する設定であり、
前記第2の設定は、
前記切替部を短絡しつつ前記他の切替部は開放することにより前記本体接続端子に対する電力供給は遮断しつつ前記外部機器接続端子に対する電力供給を可能とする設定であることを特徴とする拡張装置。
【請求項7】
前記切替制御部に対する前記設定を受付ける操作部、
をさらに備えた請求項6記載の拡張装置。
【請求項8】
所定の強度以上の磁場を検出可能な磁気センサを有し機能を拡張するための拡張装置、に接続される電子機器であって、
前記電子機器が前記拡張装置に接続されると前記拡張装置の磁気センサが前記所定の強度以上の磁場を検出可能な位置に配設された磁石、
を備え、
前記拡張装置は、
前記所定の強度以上の磁場を検出することにより前記磁石が所定の距離内にあることを検知可能な前記磁気センサと、
電源と接続されることにより前記電源から電力の供給を受ける電源接続端子と、
一端を前記電源接続端子と接続され、前記磁気センサの出力信号に応じて前記電源接続端子との接続を短絡または開放する切替部と、
前記切替部の他端と接続された、前記電子機器と接続するための本体接続端子と、
を有し、
前記切替部は、
前記磁気センサから前記所定の強度以上の磁場が検出された旨の出力信号を受けると、前記電源接続端子との接続を短絡することにより、前記本体接続端子に対する前記電源からの電力供給を可能とする一方、前記磁気センサから前記所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると、前記電源接続端子との接続を開放することにより、前記本体接続端子に対する前記電源からの電力供給を遮断することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記拡張装置は、
前記切替部の他端に対して前記本体接続端子と電気的に並列に接続された、外部機器を接続するための外部機器接続端子、
をさらに有し、
前記切替部と前記電源接続端子との接続が短絡されると、前記外部機器接続端子を介して前記外部機器に対しても前記電源からの電力供給が可能となる一方、前記切替部と前記電源接続端子との接続が開放されると、前記外部機器接続端子に対する前記電源からの電力供給も遮断される、
請求項8記載の電子機器。
【請求項10】
前記拡張装置の前記本体接続端子と電気的に接続するための拡張接続端子、
をさらに備え、
前記本体接続端子および前記拡張接続端子の一方は、前記拡張装置および前記電子機器の一方の筐体から所定の長さをもって突出するように設けられ、
前記本体接続端子および前記拡張接続端子の他方は、前記本体接続端子および前記拡張接続端子の一方と互いに嵌合する凹形状を有する、
請求項8記載の電子機器。
【請求項11】
前記突出する所定の長さは、
前記本体接続端子と前記拡張接続端子との嵌合が完全に外れるより前に、前記拡張装置の前記磁気センサが前記所定の強度より小さい磁場が検出された旨の信号を出力可能な長さである、
請求項10記載の電子機器。
【請求項12】
前記外部機器接続端子は、ユニバーサルシリアルバス規格に準拠した端子である、
請求項8記載の電子機器。
【請求項13】
前記拡張装置は、
前記切替部の他端に対して前記本体接続端子と電気的に並列に接続された、外部機器を接続するための外部機器接続端子と、
前記外部機器接続端子と前記本体接続端子との接続点と、前記本体接続端子と、の間に接続された他の切替部と、
前記磁気センサから前記所定の強度より小さい磁場が検出された旨の出力信号を受けると、第1の設定および第2の設定のいずれかの設定にもとづいて前記切替部および前記他の切替部の短絡および開放を制御する切替制御部と、
をさらに有し、
前記第1の設定は、
前記切替部および前記他の切替部と前記電源接続端子との接続をいずれも開放することにより前記本体接続端子および前記外部機器接続端子に対する前記電源からの電力供給を遮断する設定であり、
前記第2の設定は、
前記切替部を短絡しつつ前記他の切替部は開放することにより前記本体接続端子に対する電力供給は遮断しつつ前記外部機器接続端子に対する電力供給を可能とする設定である、
請求項8記載の電子機器。
【請求項14】
前記拡張装置は、
前記切替制御部に対する前記設定を受付ける操作部、
請求項13記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−157877(P2009−157877A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338765(P2007−338765)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】