説明

指のフリックによって時系列データの表示範囲を移動させるユーザインタフェースプログラム、端末及び方法

【課題】タッチパネルを搭載したタブレット型端末を用いて、時系列に発生したイベントについて、所望の時間方向に存在する注目すべきイベントに対する観察表示まで容易に移動させることができるユーザインタフェースプログラム等を提供する。
【解決手段】タイムスケール毎に、所定単位期間及び注目イベント数を記憶する注目イベント数記憶手段と、タイムスケールに対して、行為項目毎に且つ所定時間単位毎に、ユーザの指のフリック操作を検出するフリック検出手段と、接触位置に対応する行為項目におけるオブジェクトの列(時間方向)について、フリックの向きの過去又は未来方向に、所定単位期間に含まれるイベント数が注目イベント数以上となる複数のオブジェクトを検出する注目イベントオブジェクト検出手段と、注目イベントオブジェクト検出手段によって検出されたオブジェクトを表示するイベントオブジェクト表示手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時系列データを表示するユーザインタフェース画面の技術に関する。例えば医療従事者によって観察される電子カルテ情報の表示画面に適用される。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクト管理用の時系列データを、ユーザが理解しやすいように様々な観点から表示する「ユーザインタフェースアプリケーション」がある。特に、医療用の電子カルテ情報については、医療従事者が、患者毎に、次の治療計画を検討するために、過去の治療行為を時間軸に沿って迅速に観察できることが望まれる。このようなユーザインタフェースアプリケーションとして、スケジュール表によって医療行為を観察することができる、例えば「クリニカルパス」と称される技術がある。
【0003】
電子カルテ情報を表示するユーザインタフェースとして、横軸に、例えば年単位・月単位・日単位のような多段階の時間軸を表示し、縦軸に医療行為(病名・投薬・診断・検査等)を表示する技術がある(例えば特許文献1〜3参照)。この技術によれば、実際に行われた医療行為が、時間軸に沿ったオブジェクトとして表示されている。観察者は、時間軸の一定のタイムスケール(時間尺度)を、任意の段階に変更することができ、過去の医療行為の経緯について俯瞰することができる。この情報の俯瞰性の高さは、医療従事者の思考に対して、行為項目同士の因果関係の推定等を容易にするようサポートする。特に、最適なタイムスケールで見ることによって、一見ランダムに見える医療行為の因果関係を見比べることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−192002号公報
【特許文献2】特開2009−134713号公報
【特許文献3】特開2009−282557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療従事者については、患者への投薬情報や検査情報などの過去の医療データを、時系列に視覚的に閲覧する必要がある。そのために、観察表示における時間間隔(タイムスケール)を大きくしたり、小さくしたりしながら、閲覧する。
【0006】
医療従事者が、患者の時系列の医療行為データを観察する際に、長期観察と、短期観察とを併用することが好ましい。例えば1983年生まれの患者の場合、1983〜1984年の間に乳幼児特有の病気や検査(イベント)が集中する。成人後にその乳幼児期の病気等が影響している場合、その乳幼児期の短い期間のタイムスケールを長く表示することが所望される。一方で、高齢の患者の場合、若年齢時期の病気等を含めて、比較的長いタイムスケールで表示することも所望される。即ち、医療従事者にとっては、患者に対する医療行為全体を視覚的に俯瞰すると共に、医療行為が多く行われた時期については詳細に観察したいとする要求もある。前述した特許文献1〜3に記載された技術によれば、電子カルテ情報は、タイムスケールを単に伸縮させるものであるが、注目すべきデータに瞬時に移動して表示できるものではない。
【0007】
例えば長期的な経過観察を行うべき病気の患者の容態が急変した場合であるほど、長期的なデータの推移を俯瞰する一方、過去に注目すべきデータを瞬時に閲覧する必要がある。また、タイムスケールを拡大し又は縮小しても、注目すべきデータに確実に移動できるとは限らない。
【0008】
また、電子カルテシステムとしては専用端末が用いられており、医療従事者は、システム特有の操作をする必要があった。これに対し、近年では、タッチパネルディスプレイを搭載し、ユーザの指で直感的に操作することができるタブレット型/スレート型パーソナルコンピュータ及びスマートフォンのような端末が普及してきている。また、電子カルテシステムについても、このようなタブレット型端末を用いることによって、医療従事者における操作負担を軽減させることができる。
【0009】
そこで、本発明は、タッチパネルディスプレイを搭載した端末を用いて、所望の時間方向に存在する注目すべき時系列データのイベントに、瞬時に移動して表示することができるユーザインタフェースプログラム、端末及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、ユーザの指によって操作可能なタッチパネルディスプレイを有する端末に搭載されたコンピュータを機能させるユーザインタフェースプログラムであって、
行為項目と、行為時刻(又は時刻幅)とを対応付けたイベントを記憶するイベント記憶手段と、
時間軸を所定時間単位に区分したタイムスケールを表示するタイムスケール表示手段と、
タイムスケール毎に、所定単位期間及び注目イベント数を記憶する注目イベント数記憶手段と
タイムスケールに対して、行為項目毎に且つ所定時間単位毎に、イベントのオブジェクトを表示するイベントオブジェクト表示手段と、
ユーザの指のフリック(指ではらう)操作を検出すると共に、指の接触位置と、そのフリックの向きとを検出するフリック検出手段と、
接触位置に対応する行為項目におけるオブジェクトの列(時間方向)について、フリックの向きの過去又は未来方向に、所定単位期間に含まれるイベント数が注目イベント数以上となる複数のオブジェクトを検出する注目イベントオブジェクト検出手段と
を有し、
イベントオブジェクト表示手段は、注目イベントオブジェクト検出手段によって検出されたオブジェクトを表示する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0011】
本発明のユーザインタフェースプログラムにおける他の実施形態によれば、
イベントオブジェクト表示手段は、
第1の移動速度、又は、第1の移動速度よりも遅い第2の速度で、イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させることができ、
所定単位期間に含まれるイベント数が注目イベント数未満となるオブジェクトまでは、第2の移動速度で所定時間だけ表示範囲を移動させ、
その後、注目イベント数以上となるオブジェクトまで、第1の移動速度で表示範囲を移動させる
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
【0012】
本発明のユーザインタフェースプログラムにおける他の実施形態によれば、
注目イベント数記憶手段は、行為項目毎に、注目イベント数を更に記憶しており、
行為項目の行(列挙方向)について、フリックの向きの上又は下方向に、表示範囲に表示されているイベント数が注目イベント数以上となる行為項目を検出する注目行為項目検出手段を更に有し、
イベントオブジェクト表示手段は、注目行為項目検出手段によって検出された行為項目を表示する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
【0013】
本発明のユーザインタフェースプログラムにおける他の実施形態によれば、
イベントオブジェクト表示手段は、
第1の移動速度、又は、第1の移動速度よりも遅い第2の速度で、イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させることができ、
表示範囲に含まれるイベント数が注目イベント数未満となる行為項目までは、第2の移動速度で所定時間だけ表示範囲を移動させ、
その後、注目イベント数以上となる行為項目まで、第1の移動速度で表示範囲を移動させる
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
【0014】
本発明のユーザインタフェースプログラムにおける他の実施形態によれば、
注目イベント数記憶手段は、表示範囲における1つの注目イベント数を更に記憶しており、
フリックの向きの上又は下方向に、表示範囲に表示されている全てのオブジェクトのイベント数が注目イベント数以上となる表示範囲を検出する注目表示範囲検出手段を更に有し、
イベントオブジェクト表示手段は、注目表示範囲検出手段によって検出された表示範囲を表示する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
【0015】
本発明のユーザインタフェースプログラムにおける他の実施形態によれば、
イベントオブジェクト表示手段は、
第1の移動速度、又は、第1の移動速度よりも遅い第2の速度で、イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させることができ、
表示範囲に含まれるイベント数が注目イベント数未満となる表示範囲までは、第2の移動速度で所定時間だけ表示範囲を移動させ、
その後、注目イベント数以上となる表示範囲まで、第1の移動速度で表示範囲を移動させる
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
【0016】
本発明のユーザインタフェースプログラムにおける他の実施形態によれば、
タブレット型/スレート型パーソナルコンピュータ又はスマートフォンの端末に搭載されたコンピュータを機能させることも好ましい。
【0017】
本発明のユーザインタフェースプログラムにおける他の実施形態によれば、
タイムスケール表示手段は、複数の異なるタイムスケールの時間軸を複数のラインによって表示しており、
ユーザの指又はポインティングデバイスによって、複数のラインのいずれか1つを選択させるタイムスケール変更手段を更に有するようにコンピュータを機能させることも好ましい。
【0018】
本発明のユーザインタフェースプログラムにおける他の実施形態によれば、
当該ユーザインタフェースプログラムは、医療従事者によって観察される電子カルテ情報を表示するものであり、
行為項目は、医療行為を意味し、
行為内容情報は、当該医療行為における数値を表し、
行為時刻(又は時刻幅)は、当該医療行為を行った時刻(又は時刻幅)を表す
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
【0019】
本発明によれば、ユーザの指によって操作可能なタッチパネルディスプレイを有する端末であって、
行為項目と、行為時刻(又は時刻幅)とを対応付けたイベントを記憶するイベント記憶手段と、
時間軸を所定時間単位に区分したタイムスケールを表示するタイムスケール表示手段と、
タイムスケール毎に、所定単位期間及び注目イベント数を記憶する注目イベント数記憶手段と
タイムスケールに対して、行為項目毎に且つ所定時間単位毎に、イベントのオブジェクトを表示するイベントオブジェクト表示手段と、
ユーザの指のフリック(指ではらう)操作を検出すると共に、指の接触位置と、そのフリックの向きとを検出するフリック検出手段と、
接触位置に対応する行為項目におけるオブジェクトの列(時間方向)について、フリックの向きの過去又は未来方向に、所定単位期間に含まれるイベント数が注目イベント数以上となる複数のオブジェクトを検出する注目イベントオブジェクト検出手段と
を有し、
イベントオブジェクト表示手段は、注目イベントオブジェクト検出手段によって検出されたオブジェクトを表示する
ことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、ユーザの指によって操作可能なタッチパネルディスプレイを有する端末における時系列データ表示方法であって、
行為項目と、行為時刻(又は時刻幅)とを対応付けたイベントを記憶するイベント記憶部と、
時間軸を所定時間単位に区分したタイムスケールを表示するタイムスケール表示部と、
タイムスケール毎に、所定単位期間及び注目イベント数を記憶する注目イベント数記憶部と
を有し、
タイムスケールに対して、行為項目毎に且つ所定時間単位毎に、イベントのオブジェクトを表示する第1のステップと、
ユーザの指のフリック(指ではらう)操作を検出すると共に、指の接触位置と、そのフリックの向きとを検出する第2のステップと、
接触位置に対応する行為項目におけるオブジェクトの列(時間方向)について、フリックの向きの過去又は未来方向に、所定単位期間に含まれるイベント数が注目イベント数以上となる複数のオブジェクトを検出する第3のステップと、
第3のステップによって検出されたオブジェクトを表示する第4のステップと
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のユーザインタフェースプログラム、端末及び方法によれば、タッチパネルディスプレイを搭載した端末を用いて、所望の時間方向に存在する注目すべき時系列データのイベントに、瞬時に移動して表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】時系列データがディスプレイに表示されたタブレット型端末の外観図である。
【図2】本発明おけるディスプレイの表示画面を表す説明図である。
【図3】時間方向における表示範囲の移動速度の可変制御を表す説明図である。
【図4】行為項目列挙方向における表示範囲の移動を表す第1の説明図である。
【図5】行為項目列挙方向における表示範囲の移動を表す第2の説明図である。
【図6】本発明におけるタブレット型端末の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
図1は、時系列データがディスプレイに表示されたタブレット型端末の外観図である。
【0025】
本発明によれば、タブレット型/スレート型パーソナルコンピュータ又はスマートフォンの端末(以下「タブレット型端末」という)に適用される。タブレット型端末1には、タッチパネルディスプレイ101が搭載されており、ユーザに対して時系列データを表示すると共に、ユーザによる指の操作を検出する。
【0026】
タッチパネルディスプレイ101からは、ユーザの指のフリック操作が検出される。「フリック」操作とは、タッチパネルディスプレイに対して、画面に触れた指(又はポインティングデバイス)を少しだけスライドさせる操作いう。この操作は、ユーザが、指で、ディスプレイ上を素早く払うようにタッチする。
【0027】
また、タッチパネルディスプレイ101からは、指の接触位置と、そのフリックの向きとが検出される。接触位置は、画面上の座標(x,y)によって表され、フリックの向きは、最初の接触位置の座標と、その後の接触位置の座標とを結ぶ方向で検出する。
【0028】
図1によれば、タッチパネルディスプレイ101は、横型に向けられており、医療従事者によって観察される電子カルテ情報(時系列データ)が表示されている。図1によれば、縦軸に複数の行為項目(医療行為)が表示され、横軸に時間軸が表示されている。時間軸の上部には、多段階の時間尺度(タイムスケール)を持つ複数の「ライン」が表示されている。例えば、以下のような3つのラインが表示される。
・年単位のライン(タイムスケールが大きい)
・月単位のライン
・日単位のライン(タイムスケールが小さい)
【0029】
医療従事者は、その患者の過去の診療経緯に基づいて、多段階のタイムスケールのラインのいずれか1つを選択することができる。ここで、タッチパネルディスプレイによれば、複数のラインのいずれか1つを、ユーザの指又はポインティングデバイスによって選択することができる。選択されたラインに応じて、所望の時点(例えば現日時)から過去の診療経緯を表示する。
【0030】
また、図1によれば、行為項目毎に、その行為が実行された旨のイベントが、時間軸上の該当位置に表示されている。イベントは、簡単な長方形のオブジェクトとして表示されている。「イベント」は、行為項目と、行為時刻(又は時刻幅)と、行為内容情報とが対応付けられた情報単位をいう。これらオブジェクト同士の間の距離は、選択されたラインにおけるタイムスケールによって変化する。即ち、タイムスケールが大きいほど、オブジェクト同士の間の距離は短くなり、タイムスケールが小さいほど、その距離は長くなる。
【0031】
図2は、本発明おけるディスプレイの表示範囲を表す説明図である。
【0032】
図2によれば、異なるタイムスケールで、イベントが表示されている。また、タイムスケール毎に、「所定単位期間」及び「注目イベント数」が表されている。
・図2(a):年単位、所定単位期間1ヶ月間、注目イベント数4
・図2(b):月単位、所定単位期間10日間、注目イベント数3
・図2(c):日単位、所定単位期間 5日間、注目イベント数2
ここで、「注目イベント数」とは、所定単位期間に含まれるイベント数を予め指定したものをいう。その数以上のイベントが含まれる部分は、ユーザが注目すべきイベントであると判断する。
【0033】
例えば、図2(a)の年単位のタイムスケールについて、1ヶ月間(所定単位期間)に、4回(注目イベント数)以上含まれる部分は、ユーザが注目すべき部分であると判断する。
また、図2(b)の月単位のタイムスケールについて、10日間(所定単位期間)に、3回(注目イベント数)以上含まれる部分は、ユーザが注目すべき部分であると判断する。
更に、図2(c)の日単位のタイムスケールについて、5日間(所定単位期間)に、2回(注目イベント数)以上含まれる部分は、ユーザが注目すべき部分であると判断する。
【0034】
尚、以下では、イベント数として説明するが、例えばイベントが時間範囲を持つ場合は、単位期間に区切ったイベント数とすることも好ましい。例えば、1つのイベントが、2008年12月20〜2008年12月23日の時間幅を持つ場合、単位期間を日単位としたならば4日分である。この場合、イベント数4と計数することもできる。
【0035】
図2(a)のT211によれば、年単位のタイムスケールで、行為項目の複数の列に、イベントが表示されている。ここで、ユーザが、行為項目Aのイベント列に対して、フリック操作をしたとする。このフリック操作によって、検出された指の接触位置から、行為項目Aに対する2008年12月頃の部分が検出される。また、検出されたフリックの向きから、過去の方向へ指がはらわれたことが検出される。
【0036】
このとき、行為項目Aについて、2008年12月頃から過去に向けて、注目イベント数以上のイベントが含まれる部分を検索する。ここでは、2008年6月頃に、所定単位時間1ヶ月間に4個のイベントが含まれている部分が検出される。そうすると、次に、図2(a)のT212の部分が表示される。
【0037】
このような動作は、月単位であっても、日単位であっても同様である。
【0038】
図2(b)のT221によれば、月単位のタイムスケールで、行為項目の複数の列に、イベントが表示されている。ここで、ユーザが、行為項目Aのイベント列に対して、フリック操作をしたとする。このフリック操作によって、検出された指の接触位置から、行為項目Aに対する2008年6月下旬頃の部分が検出される。また、検出されたフリックの向きから、過去の方向へ指がはらわれたことが検出される。
【0039】
このとき、行為項目Aについて、2008年6月下旬頃から過去に向けて、注目イベント数以上のイベントが含まれる部分を検索する。ここでは、2008年5月上旬頃に、所定単位時間10日間に3個のイベントが含まれている部分が検出される。そうすると、次に、図2(b)のT222の部分が表示される。
【0040】
図2(c)のT231によれば、年単位のタイムスケールで、行為項目の複数の列に、イベントが表示されている。ここで、ユーザが、行為項目Aのイベント列に対して、フリック操作をしたとする。このフリック操作によって、検出された指の接触位置から、行為項目Aに対する2008年6月20日の部分が検出される。また、検出されたフリックの向きから、過去の方向へ指がはらわれたことが検出される。
【0041】
このとき、行為項目Aについて、2008年6月20日から過去に向けて、注目イベント数以上のイベントが含まれる部分を検索する。ここでは、2008年5月29日に、所定単位時間5日間に2個のイベントが含まれている部分が検出される。そうすると、次に、図2(c)のT232の部分が表示される。
【0042】
図3は、時間方向における表示範囲の移動速度の可変制御を表す説明図である。
【0043】
図3によれば、前述した図2のT231から、時間方向にフリックされた場合について説明する。ここでは、日単位のタイムスケールで表されている。
日単位:所定単位期間5日間、注目イベント数2
T31からT36へ移動する際に、イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させる。このとき、例えば2つの移動速度が規定され、移動速度を可変しながら表示範囲を移動させる。
第1の移動速度(速い)>第2の移動速度(遅い)
【0044】
T31->T32:行為項目Aに対するフリックの向き(ここでは過去の方向)について、次のオブジェクトを検出するまでは、第1の移動速度で速く表示範囲を移動させる。
T32->T33:所定単位期間5日間に含まれるイベント数が、注目イベント数2未満となるために、その後、所定時間だけ、第2の移動速度で遅く表示範囲を移動させる。
T33->T34:その後、次のオブジェクトを検出するまでは、第1の移動速度で速く表示範囲を移動させる。
T34->T35:所定単位期間5日間に含まれるイベント数が、注目イベント数2未満となるために、その後、所定時間だけ、第2の移動速度で遅く表示範囲を移動させる。
T35->T36:その後、次のオブジェクトを検出するまでは、第1の移動速度で速く表示範囲を移動させる。
T36:所定単位期間5日間に含まれるイベント数が、注目イベント数2以上となるために、そこで表示範囲を停止させる。
【0045】
他の実施形態として、2つの移動速度に限られず、所定単位期間に含まれるイベント数に応じて、スクロール速度(移動速度)を変更することも好ましい。
当該行為項目について表示範囲に含まれるイベント数:多い -> 移動速度:遅く
:少ない-> 移動速度:速く
【0046】
図4は、行為項目列挙方向における表示範囲の移動を表す第1の説明図である。
【0047】
行為項目数が極めて多い場合、表示範囲を縦にスクロールする必要があり、この操作もユーザビリティを低下させる。そこで、イベントの存在する数によって、スクロール速度(移動速度)を変更することによって、ユーザビリティを向上させることができる。
【0048】
図4によれば、前述した図2のT231から、行為項目の列挙方向にフリックされた場合(上方向又は下方向)について説明する。ここで、行為項目毎に、注目イベント数が記憶されている。この注目イベント数以上のイベント数を表示範囲に含む行為項目は、ユーザが注目すべきことを表す。尚、注目イベント数は、タイムスケールによって異なる。ここでは、日単位のタイムスケールにおける行為項目毎の注目イベント数を例として表す。
行為項目A:注目イベント数4
行為項目B:注目イベント数4
行為項目C:注目イベント数3
・・・
行為項目I:注目イベント数2
【0049】
[ジャンプ方式]
T41->T45:行為項目Aに対して、ユーザの指によって行為項目列挙の下向きにフリックされた場合、行為項目の下向きへ、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Bの表示範囲のイベント数3は、注目イベント数4未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Cの表示範囲のイベント数2は、注目イベント数3未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Dの表示範囲のイベント数0は、注目イベント数4未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Eの表示範囲のイベント数3は、注目イベント数3以上となるために、表示範囲を停止し、行為項目Eのオブジェクトを表示する。
【0050】
T45->T46:次に、ユーザの指によって行為項目列挙の下向きにフリックされた場合、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Fの表示範囲のイベント数3は、注目イベント数4未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Gの表示範囲のイベント数0は、注目イベント数4未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Hの表示範囲のイベント数1は、注目イベント数1以上となるために、表示範囲を停止し、行為項目Hのオブジェクトを表示する。
【0051】
[移動速度可変方式]
T41からT46へ移動する際に、イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させる。
T41->T42:行為項目Aに対して、ユーザの指によって行為項目列挙の下向きにフリックされた場合、次のオブジェクトを検出するまでは、第1の移動速度で速く表示範囲を移動させる。
T42->T43:行為項目Bの表示範囲のイベント数3は、注目イベント数4未満となるために、その後、所定時間だけ、第2の移動速度で遅く表示範囲を移動させる。
T43->T44:行為項目Cの表示範囲のイベント数2は、注目イベント数3未満となるために、その後、所定時間だけ、第2の移動速度で遅く表示範囲を移動させる。
T44->T45:その後、次のオブジェクトを検出するまでは、第1の移動速度で速く表示範囲を移動させる。
T45:行為項目Eの表示範囲のイベント数3が、注目イベント数3以上となるために、そこで表示範囲を停止させる。
【0052】
他の実施形態として、2つの移動速度に限られず、行為項目の表示範囲のイベント数が、注目イベント数未満となる場合、そのイベント数に応じて、スクロール速度(移動速度)を変更することも好ましい。
当該行為項目について表示範囲に含まれるイベント数:多い -> 移動速度:遅く
:少ない-> 移動速度:速く
【0053】
図5は、行為項目列挙方向における表示範囲の移動を表す第2の説明図である。
【0054】
図5によれば、前述した図2のT231から、行為項目の列挙方向にフリックされた場合(上方向又は下方向)について説明する。ここで、表示範囲に対して、1つの注目イベント数が記憶されている。この注目イベント数以上のイベント数を含む表示範囲は、ユーザが注目すべきことを表す。尚、図4と同様に、注目イベント数は、タイムスケールによって異なる。ここでは、日単位のタイムスケールにおける行為項目毎の注目イベント数を例として表す。
表示範囲:注目イベント数6
【0055】
[ジャンプ方式]
T51->T55:行為項目Aに対して、ユーザの指によって行為項目列挙の下向きにフリックされた場合、行為項目の下向きへ、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Bを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数5は、注目イベント数6未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Cを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数2、注目イベント数6未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Dを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数3は、注目イベント数6未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Eを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数5は、注目イベント数6以上となるために、表示範囲を停止し、行為項目Eのオブジェクトを表示する。
【0056】
T55->:次に、ユーザの指によって行為項目列挙の下向きにフリックされた場合、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Fを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数3は、注目イベント数6未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Gを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数1は、注目イベント数6未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
行為項目Hを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数2は、注目イベント数6未満となるために、次のオブジェクトを検出する。
【0057】
[移動速度可変方式]
T51からT55へ移動する際に、イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させる。
T51->T52:行為項目Aに対して、ユーザの指によって行為項目列挙の下向きにフリックされた場合、次のオブジェクトを検出するまでは、第1の移動速度で速く表示範囲を移動させる。
T52->T53:行為項目Bを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数5は、注目イベント数6未満となるために、その後、所定時間だけ、第2の移動速度で遅く表示範囲を移動させる。
T53->T54:行為項目Cを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数2、注目イベント数6未満となるために、その後、所定時間だけ、第2の移動速度で遅く表示範囲を移動させる。
T54->T55:行為項目Dを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数3は、注目イベント数6未満となるために、その後、所定時間だけ、第2の移動速度で遅く表示範囲を移動させる。
T55:行為項目Eを上段とする表示範囲に含まれる全てのイベント数5は、注目イベント数6以上となるために、表示範囲を停止し、行為項目Eのオブジェクトを表示する。
【0058】
他の実施形態として、2つの移動速度に限られず、表示範囲のイベント数が、注目イベント数未満となる場合、そのイベント数に応じて、スクロール速度(移動速度)を変更することも好ましい。
当該表示範囲に含まれるイベント数:多い -> 移動速度:遅く
:少ない-> 移動速度:速く
【0059】
図6は、本発明におけるタブレット型端末の機能構成図である。
【0060】
図6によれば、タブレット型端末1は、タッチパネルディスプレイ101を有する。タッチパネルディスプレイ101は、時系列データを表示すると共に、ユーザ操作を受け付ける。勿論、タッチパネルディスプレイに限られず、表示機能のみのディスプレイと、ユーザ操作機能のみのキー入力部とから構成されるものであってもよい。
【0061】
図6のタブレット型端末1によれば、イベント記憶部111と、タイムスケール表示部112と、タイムスケール変更部113と、イベントオブジェクト表示部114と、フリック検出部115と、注目イベント数記憶部116と、注目イベント検出部117と、注目行為項目検出部118と、注目表示範囲検出部119とを有する。これら機能構成部は、タブレット型端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。尚、各機能構成部の処理の流れは、ユーザインタフェース表示方法としても理解できる。
【0062】
イベント記憶部111は、その行為に基づく情報単位であるイベントを記憶する。イベントは、行為項目と、行為時刻(又は時刻幅)と、行為内容情報とを対応付けたものである。電子カルテ情報に関する「行為項目」としては、例えば「投薬」「検査」「注射」等となる。また、「時刻」としては、例えば検査日や投薬日である。尚、「時刻幅」としては、例えばその医療行為の開始日と終了日との間の期間である。更に、「行為内容情報」としては、例えば検査値や投薬量である。
【0063】
各イベントは、構造化されたデータ(COA)として記憶される。COAデータの最小単位は、時刻(又は時刻幅)を含み、時刻幅については、開示日時(begintime)と終了日時(endtime)とをメンバ変数として含む。縦型の向きへの変化が検知された際に、時刻幅に基づく時間単位区分について、その時間範囲に含まれるCOAデータが検索される。例えば月単位のタイムスケールであれば、時刻幅に基づくその月単位区分について、その月に含まれるCOAデータが検索される。
【0064】
タイムスケール表示部112は、時間軸を所定時間単位に区分したタイムスケールを表示する。所定時間単位とは、例えば「年」「月」「日」の単位となっている。また、これら所定時間単位が異なる複数のタイムスケールそれぞれは、時間軸に沿って複数のラインによって表示される。タイムスケール表示部112は、タイムスケール変更部113からの指示に応じて、タイムスケールを変更する。
【0065】
タイムスケール変更部113は、ユーザ操作によって、複数のラインのいずれか1つを選択させる。タイムスケール変更部113は、ユーザ操作に応じて、時間軸のタイムスケールを任意に変更可能とする。例えば、ユーザインタフェース画面に表示された多段階のタイムスケールのラインのいずれか1つを、ユーザ操作に応じて選択することによって、タイムスケールを変更することができる。選択されたタイムスケールは、タイムスケール表示部112へ出力される。
【0066】
イベントオブジェクト表示部114は、タイムスケールの時間軸に対して、行為項目毎に、時間単位区分に応じてイベントのオブジェクトを表示する。また、イベントオブジェクト表示部114は、注目イベントオブジェクト検出部117、注目行為項目検出部118及び注目表示範囲検出部119によって検出されたオブジェクトを表示する。
【0067】
フリック検出部115は、ユーザの指のフリック(指ではらう)操作を検出すると共に、指の接触位置と、そのフリックの向きとを検出する。検出された情報は、注目イベントオブジェクト検出部117、注目行為項目検出部118及び注目表示範囲検出部119へ出力される。
【0068】
注目イベント数記憶部116は、以下の3つの設定値を記憶するものであってもよい。
・注目イベント検出部117に対しては、「タイムスケール」毎に、「所定単位期間」及び「注目イベント数」を記憶する。
・注目行為検出部118に対しては、「行為項目」毎に、「注目イベント数」を記憶する。
・注目表示範囲検出部119に対しては、「表示範囲」における1つの「注目イベント数」を記憶する。
【0069】
注目イベントオブジェクト検出部117は、接触位置に対応する行為項目におけるオブジェクトの列(時間方向)について、フリックの向きの過去又は未来方向に、所定単位期間に含まれるイベント数が注目イベント数以上となる複数のオブジェクトを検出する(図2及び図3参照)。
【0070】
注目行為項目検出部118は、行為項目の行(列挙方向)について、フリックの向きの上又は下方向に、表示範囲に表示されているイベント数が注目イベント数以上となる行為項目を検出する(図4参照)。
【0071】
注目表示範囲検出部119は、フリックの向きの上又は下方向に、表示範囲に表示されている全てのオブジェクトのイベント数が注目イベント数以上となる表示範囲を検出する(図5参照)。
【0072】
他の実施形態として、イベントオブジェクト表示部114は、第1の移動速度、又は、第1の移動速度よりも遅い第2の速度で、前記イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させることができる。
ここで、イベントオブジェクト表示部114は、以下のように3つのパターンで表示範囲を移動させることができる。
[注目イベント検出部117からの指示に対して]
イベントオブジェクト表示部114は、
所定単位期間に含まれるイベント数が前記注目イベント数未満となるオブジェクトまでは、第2の移動速度で所定時間だけ表示範囲を移動させ、
その後、前記注目イベント数以上となるオブジェクトまで、第1の移動速度で表示範囲を移動させる。
[注目行為項目検出部118からの指示に対して]
イベントオブジェクト表示部114は、
前記表示範囲に含まれるイベント数が前記注目イベント数未満となる行為項目までは、第2の移動速度で所定時間だけ表示範囲を移動させ、
その後、前記注目イベント数以上となる行為項目まで、第1の移動速度で表示範囲を移動させる。
[注目表示範囲検出部119からの指示に対して]
イベントオブジェクト表示部114は、
前記表示範囲に含まれるイベント数が前記注目イベント数未満となる表示範囲までは、第2の移動速度で所定時間だけ表示範囲を移動させ、
その後、前記注目イベント数以上となる表示範囲まで、第1の移動速度で表示範囲を移動させる。
【0073】
尚、他の実施形態として、本発明の端末の各機能部を、サーバ・クライアント型のシステムに適用することも好ましい。例えば、図6の端末によれば、タッチパネルディスプレイ101と、タイムスケール表示部112と、タイムスケール変更部113と、イベントオブジェクト表示部114と、フリック検出部115とを有する。端末は、フリック検出部115から出力された情報を、サーバへ送信する。サーバは、イベント記憶部111と、注目イベント数記憶部116と、注目イベント検出部117と、注目行為項目検出部118と、注目表示範囲検出部119とを有する。サーバは、端末から受信したフリックの情報に基づいて、表示すべきイベントの情報を端末へ返信する。端末は、サーバから受信したイベントの情報に基づいて、イベントオブジェクト表示部114によってタッチパネルディスプレイ101にオブジェクトを表示する。
【0074】
以上、詳細に説明したように、本発明のユーザインタフェースプログラム、端末及び方法によれば、タッチパネルディスプレイを搭載した端末を用いて、所望の時間方向に存在する注目すべき時系列データのイベントに、瞬時に移動して表示することができる。
【0075】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0076】
1 タブレット型端末
101 タッチパネルディスプレイ
111 イベント記憶部
112 タイムスケール表示部
113 タイムスケール変更部
114 イベントオブジェクト表示部
115 フリック検出部
116 注目イベント数記憶部
117 注目イベント検出部
118 注目行為項目検出部
119 注目表示範囲検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの指によって操作可能なタッチパネルディスプレイを有する端末に搭載されたコンピュータを機能させるユーザインタフェースプログラムであって、
行為項目と、行為時刻(又は時刻幅)とを対応付けたイベントを記憶するイベント記憶手段と、
時間軸を所定時間単位に区分したタイムスケールを表示するタイムスケール表示手段と、
前記タイムスケール毎に、所定単位期間及び注目イベント数を記憶する注目イベント数記憶手段と
前記タイムスケールに対して、前記行為項目毎に且つ所定時間単位毎に、前記イベントのオブジェクトを表示するイベントオブジェクト表示手段と、
前記ユーザの指のフリック(指ではらう)操作を検出すると共に、指の接触位置と、そのフリックの向きとを検出するフリック検出手段と、
前記接触位置に対応する前記行為項目における前記オブジェクトの列(時間方向)について、前記フリックの向きの過去又は未来方向に、前記所定単位期間に含まれるイベント数が前記注目イベント数以上となる複数のオブジェクトを検出する注目イベントオブジェクト検出手段と
を有し、
前記イベントオブジェクト表示手段は、前記注目イベントオブジェクト検出手段によって検出されたオブジェクトを表示する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とするユーザインタフェースプログラム。
【請求項2】
前記イベントオブジェクト表示手段は、
第1の移動速度、又は、第1の移動速度よりも遅い第2の速度で、前記イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させることができ、
前記所定単位期間に含まれるイベント数が前記注目イベント数未満となるオブジェクトまでは、第2の移動速度で所定時間だけ表示範囲を移動させ、
その後、前記注目イベント数以上となるオブジェクトまで、第1の移動速度で表示範囲を移動させる
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1に記載のユーザインタフェースプログラム。
【請求項3】
前記注目イベント数記憶手段は、前記行為項目毎に、注目イベント数を更に記憶しており、
前記行為項目の行(列挙方向)について、前記フリックの向きの上又は下方向に、表示範囲に表示されているイベント数が前記注目イベント数以上となる行為項目を検出する注目行為項目検出手段を更に有し、
前記イベントオブジェクト表示手段は、前記注目行為項目検出手段によって検出された行為項目を表示する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザインタフェースプログラム。
【請求項4】
前記イベントオブジェクト表示手段は、
第1の移動速度、又は、第1の移動速度よりも遅い第2の速度で、前記イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させることができ、
前記表示範囲に含まれるイベント数が前記注目イベント数未満となる行為項目までは、第2の移動速度で所定時間だけ表示範囲を移動させ、
その後、前記注目イベント数以上となる行為項目まで、第1の移動速度で表示範囲を移動させる
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項3に記載のユーザインタフェースプログラム。
【請求項5】
前記注目イベント数記憶手段は、表示範囲における1つの注目イベント数を更に記憶しており、
前記フリックの向きの上又は下方向に、表示範囲に表示されている全てのオブジェクトのイベント数が前記注目イベント数以上となる表示範囲を検出する注目表示範囲検出手段を更に有し、
前記イベントオブジェクト表示手段は、前記注目表示範囲検出手段によって検出された表示範囲を表示する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザインタフェースプログラム。
【請求項6】
前記イベントオブジェクト表示手段は、
第1の移動速度、又は、第1の移動速度よりも遅い第2の速度で、前記イベントのオブジェクトの表示範囲を移動させることができ、
前記表示範囲に含まれるイベント数が前記注目イベント数未満となる表示範囲までは、第2の移動速度で所定時間だけ表示範囲を移動させ、
その後、前記注目イベント数以上となる表示範囲まで、第1の移動速度で表示範囲を移動させる
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項5に記載のユーザインタフェースプログラム。
【請求項7】
タブレット型/スレート型パーソナルコンピュータ又はスマートフォンの端末に搭載されたコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のユーザインタフェースプログラム。
【請求項8】
前記タイムスケール表示手段は、複数の異なるタイムスケールの時間軸を複数のラインによって表示しており、
ユーザの指又はポインティングデバイスによって、前記複数のラインのいずれか1つを選択させるタイムスケール変更手段を更に有するようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のユーザインタフェースプログラム。
【請求項9】
当該ユーザインタフェースプログラムは、医療従事者によって観察される電子カルテ情報を表示するものであり、
前記行為項目は、医療行為を意味し、
前記行為内容情報は、当該医療行為における数値を表し、
前記行為時刻(又は時刻幅)は、当該医療行為を行った時刻(又は時刻幅)を表す
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のユーザインタフェースプログラム。
【請求項10】
ユーザの指によって操作可能なタッチパネルディスプレイを有する端末であって、
行為項目と、行為時刻(又は時刻幅)とを対応付けたイベントを記憶するイベント記憶手段と、
時間軸を所定時間単位に区分したタイムスケールを表示するタイムスケール表示手段と、
前記タイムスケール毎に、所定単位期間及び注目イベント数を記憶する注目イベント数記憶手段と
前記タイムスケールに対して、前記行為項目毎に且つ所定時間単位毎に、前記イベントのオブジェクトを表示するイベントオブジェクト表示手段と、
前記ユーザの指のフリック(指ではらう)操作を検出すると共に、指の接触位置と、そのフリックの向きとを検出するフリック検出手段と、
前記接触位置に対応する前記行為項目における前記オブジェクトの列(時間方向)について、前記フリックの向きの過去又は未来方向に、前記所定単位期間に含まれるイベント数が前記注目イベント数以上となる複数のオブジェクトを検出する注目イベントオブジェクト検出手段と
を有し、
前記イベントオブジェクト表示手段は、前記注目イベントオブジェクト検出手段によって検出されたオブジェクトを表示する
ことを特徴とする端末。
【請求項11】
ユーザの指によって操作可能なタッチパネルディスプレイを有する端末における時系列データ表示方法であって、
行為項目と、行為時刻(又は時刻幅)とを対応付けたイベントを記憶するイベント記憶部と、
時間軸を所定時間単位に区分したタイムスケールを表示するタイムスケール表示部と、
前記タイムスケール毎に、所定単位期間及び注目イベント数を記憶する注目イベント数記憶部と
を有し、
前記タイムスケールに対して、前記行為項目毎に且つ所定時間単位毎に、前記イベントのオブジェクトを表示する第1のステップと、
前記ユーザの指のフリック(指ではらう)操作を検出すると共に、指の接触位置と、そのフリックの向きとを検出する第2のステップと、
前記接触位置に対応する前記行為項目における前記オブジェクトの列(時間方向)について、前記フリックの向きの過去又は未来方向に、前記所定単位期間に含まれるイベント数が前記注目イベント数以上となる複数のオブジェクトを検出する第3のステップと、
第3のステップによって検出されたオブジェクトを表示する第4のステップと
を有することを特徴とする時系列データ表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−164100(P2012−164100A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23545(P2011−23545)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】