説明

指示書検索装置、指示書検索プログラム、及び画像形成システム

【課題】画像形成に関する処理の実行を、メニュー画面を利用者が操作することにより指示する場合と比較して、簡単に画像形成に関する処理の実行を指示することができる。
【解決手段】指示書検索サーバー14は、画像形成に関する処理の実行が指示された文字列及び画像読取手段により読み取られた画像情報の少なくとも一方を含む画像形成の指示に関する画像形成指示情報を受け付け、予め指示書管理サーバーに記憶された複数の指示書の中から、受け付けた前記画像形成指示情報に対応する処理が記述された指示書を少なくとも一つ検索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指示書検索装置、指示書検索プログラム、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、少なくとも処理対象の文書データの位置及び前記文書データに施すべき複数のサービス処理の内容を設定するための設定手段と、前記設定手段によって設定された設定内容に基づいて、前記文書データに対して前記複数のサービス処理を施すための指示書データを生成する生成手段と、前記指示書データの内容を解釈する解釈手段と、前記解釈手段の解釈結果に基づいて、ネットワークに各々接続された複数のサービス処理手段に、前記文書データに対して前記複数のサービス処理を連携処理させる連携処理手段と、生成した指示書データを前記ネットワークに接続された外部の保存手段に保存させる保存指示手段と、を備えたサービス処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、ユーザの情報と、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報と、を関連付けて記憶する記憶手段と、指示書に指示された処理を指示書実行装置に対し実行させるユーザの情報を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記ユーザの情報に基づいて、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を検索する検索手段と、を備える指示書検索装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、文書データに施す複数の処理を一連の処理として表した連携情報を予め複数記憶した記憶手段と、前記連携情報の利用者を認証するための認証情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記認証情報によって認証された利用者が利用可能な前記連携情報を前記複数の連携情報から検索する検索手段と、前記検索手段により検索された前記連携情報を示す情報を表示する表示手段と、を備えた情報表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−287860号公報
【特許文献2】特開2004−288039号公報
【特許文献3】特開2004−288056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、画像形成に関する処理の実行を、メニュー画面を利用者が操作することにより指示する場合と比較して、簡単に画像形成に関する処理の実行を指示することができる指示書検索装置、指示書検索プログラム、及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、画像形成に関する処理の実行が指示された文字列及び画像読取手段により読み取られた画像情報の少なくとも一方を含む画像形成の指示に関する画像形成指示情報を受け付ける受付手段と、予め指示書記憶手段に記憶された複数の指示書の中から、前記受付手段により受け付けた前記画像形成指示情報に対応する処理が記述された指示書を少なくとも一つ検索する検索手段と、を備える。
【0008】
請求項2記載の発明は、原稿に含まれる予め定めた様式の特徴を表す様式情報と前記指示書記憶手段に記憶された指示書との対応関係を示す原稿特徴データベースを記憶する原稿特徴データベース記憶手段と、前記画像形成指示情報に前記画像情報が含まれる場合に、前記画像情報と前記様式情報との比較結果に基づいて、様式類似度を算出する様式類似度算出手段と、を備え、前記検索手段は、前記様式類似度に基づいて、前記指示書を少なくとも一つ検索する。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記指示書記憶手段に記憶された指示書の内容を説明した説明文と前記指示書との対応関係を示す説明文データベースを記憶する説明文データベース記憶手段と、前記画像形成指示情報に前記文字列が含まれる場合に、前記説明文データベースの各説明文と前記文字列との比較結果に基づいて、説明文類似度を算出する説明文類似度算出手段と、を備え、前記検索手段は、前記説明文類似度に基づいて、前記指示書を少なくとも一つ検索する。
【0010】
請求項4記載の発明は、原稿に含まれる予め定めた様式の特徴を表す様式情報と前記指示書記憶手段に記憶された指示書との対応関係を示す原稿特徴データベースを記憶する原稿特徴データベース記憶手段と、前記画像形成指示情報に前記画像情報が含まれる場合に、前記画像情報と前記様式情報との比較結果に基づいて、様式類似度を算出する様式類似度算出手段と、前記指示書記憶手段に記憶された指示書の内容を説明した説明文と前記指示書との対応関係を示す説明文データベースを記憶する説明文データベース記憶手段と、前記画像形成指示情報に前記文字列が含まれる場合に、前記説明文データベースの各説明文と前記文字列との比較結果に基づいて、説明文類似度を算出する説明文類似度算出手段と、を備え、前記検索手段は、前記様式類似度及び前記説明文類似度に基づいて、前記指示書を少なくとも一つ検索する。
【0011】
請求項5記載の発明は、コンピュータを、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の指示書検索装置を構成する各手段として機能させるための指示書検索プログラムである。
【0012】
請求項6記載の発明は、画像形成に関する処理の実行が指示された文字列及び画像読取手段により読み取られた画像情報の少なくとも一方を含む画像形成の指示に関する画像形成指示情報を送信する画像形成装置と、前記請求項1〜4の何れか1項に記載の指示書検索装置と、複数の指示書が予め記憶された指示書管理装置と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、5、6記載の発明によれば、画像形成に関する処理の実行を、メニュー画面を利用者が操作することにより指示する場合と比較して、簡単に画像形成に関する処理の実行を指示することができる、という効果を有する。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、原稿の様式に対応した指示書を、メニュー画面を利用者が操作することにより指示する場合と比較して、簡単に指示書を検索することができる、という効果を有する。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、所望の処理内容に応じた指示書を、メニュー画面を利用者が操作することにより指示する場合と比較して、機能の内容を知らない利用者でも簡単に指示書を検索することができる、という効果を有する。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、画像形成に関する処理の実行が指示された文字列及び画像読取手段により読み取られた画像情報の何れかに基づいて指示書を検索する場合と比較して、精度よく指示書を検索することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】画像形成システムの概略構成図である。
【図2】画像形成装置の概略構成図である。
【図3】指示書検索サーバーの概略構成図である。
【図4】指示書検索画面の一例を示す図である。
【図5】指示書検索サーバーの機能ブロック図である。
【図6】原稿特徴データベースの一例を示す図である。
【図7】指示書検索サーバーで実行される処理を示すフローチャートである。
【図8】フォーム認識について説明するための図である。
【図9】説明文データベースの一例を示す図である。
【図10】検索結果画面の一例を示す図である。
【図11】指示書確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1には、本実施形態に係る画像形成システム10の概略構成を例示した。同図に示すように、画像形成システム10は、画像形成装置12、指示書検索サーバー14、及び指示書管理サーバー15がネットワーク16を介して相互に接続された構成となっている。
【0020】
図2には、画像形成装置12の概略構成を例示した。同図に示すように、画像形成装置12は、コンピュータ18を含んで構成されている。
【0021】
コンピュータ18は、CPU(Central Processing Unit)18A、ROM(Read Only Memory)18B、RAM(Random Access Memory)18C、不揮発性メモリ18D、及び入出力インターフェース(I/O)18Eがバス18Fを介して各々接続された構成となっている。
【0022】
I/O18Eには、操作表示部20、画像読取部22、画像形成部24、用紙供給部26、用紙排出部28、ネットワーク通信インターフェース(I/F)30、電話回線インターフェース(I/F)32、及びハードディスク34等の各機能部が接続されている。
【0023】
操作表示部20は、例えばコピー開始等を指示するためのスタートボタンやテンキー等の各種ボタン、コピー濃度等の各種の画像形成条件等のパラメータを設定するための設定画面、装置の状態等の各種画面等を表示するためのタッチパネル等を含んで構成される。
【0024】
画像読取部22は、ラインCCD等の画像読取センサや当該画像読取センサを走査するための走査機構等を含んで構成され、装置にセットされた原稿の画像を読み取る。
【0025】
画像形成部24は、例えば所謂電子写真方式により記録媒体上に画像を形成するものである。具体的には、画像形成部24は、感光体ドラムを帯電するための帯電装置、帯電された感光体ドラム上を画像に応じた光で露光することにより感光体ドラム上に画像に応じた静電潜像を形成する露光装置、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナー現像する現像装置、感光体ドラム上に形成された画像に応じたトナー像を記録媒体に転写する転写装置、記録媒体に転写された画像に応じたトナー像を定着する定着装置等を含んで構成される。
【0026】
なお、露光装置としては、半導体レーザや回転多面鏡、コリメータレンズやシリンドリカルレンズ、fθレンズ等の光学系を含んで構成された光走査装置、複数のLEDから成るLEDヘッド等がある。
【0027】
用紙供給部26は、記録用紙が収容される用紙収容部や、用紙収容部から画像形成部24へ記録用紙を供給する供給機構等を含んで構成される。
【0028】
用紙排出部28は、記録用紙が排出される排出部や、画像形成部24で画像が形成された記録用紙を排出部上に排出させるための排出機構等を含んで構成される。
【0029】
ネットワーク通信I/F30は、ネットワーク16を介して指示書検索サーバー14等の他の装置とデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0030】
電話回線通信I/F32は、図示しない電話回線を介して接続された他の画像形成装置とファクシミリ通信を行うためのインターフェースである。
【0031】
ハードディスク34は、例えば装置の各部の状態や稼働状況等のログデータ、コピーやファクシミリ通信、プリント等の処理結果のログデータ、各種の設定データ、制御プログラム等が記憶される。
【0032】
図3には、指示書検索サーバー14の概略構成を例示した。同図に示すように、指示書検索サーバー14は、コンピュータ40を含んで構成されている。
【0033】
コンピュータ40は、CPU40A、ROM40B、RAM40C、不揮発性メモリ40D、及び入出力インターフェース(I/O)40Eがバス40Fを介して各々接続された構成となっている。
【0034】
I/O40Eには、キーボードやマウス等を含んで構成された操作部42、液晶ディスプレイ等で構成された表示部44、ネットワーク16を介して画像形成装置12とデータ通信するためのネットワーク通信インターフェース(I/F)46、及び後述する処理の制御プログラム等を記憶するためのハードディスク48等が接続されている。
【0035】
なお、後述する処理の制御プログラムは、本実施形態では一例としてハードディスク48に予め記憶され、CPU40Aがこの予め記憶された制御プログラムを読み込むことにより実行される。また、CD−ROM等の記録媒体に制御プログラムを記録し、これをCD−ROMドライブ等で読み込むことにより実行するようにしてもよい。
【0036】
指示書管理サーバー15は、画像形成に関する処理内容が記述された様々な指示書を記憶されており、これを管理(登録、削除等)する。この指示書には、画像形成に関する機能(処理)及び当該機能を実行する際の各種パラメータ等が記述される。なお、指示書には、複数の機能が指定される場合もある。従って、例えば、画像形成装置12で原稿の画像を読み取り、読み取った画像に対してOCR(Optical Character Recognition)処理を施して、その結果を指定されたメールアドレスにメール送信する等の一連の処理を一つの指示書に記述可能である。
【0037】
なお、指示書管理サーバー15は、実行する処理が指示書検索サーバー14とは異なるものの、その装置構成は指示書検索サーバー14と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0038】
指示書検索サーバー14は、詳細は後述するが、画像形成装置12から指示書の検索が指示された場合に、対応する指示書の候補を検索して、その検索結果を画像形成装置12に送信する。
【0039】
ところで、本実施形態に係る画像形成装置12の操作表示部20には、通常の操作画面の他に、例えば図4に示すような指示書検索画面50が表示される。この指示書検索画面50は、画像形成に関する処理の実行を指示するための文字列であって、実行したい機能やパラメータを指定する文字列(文章)を入力するための文字列入力欄52、文字列入力欄52に入力された文字列に対応する指示書を検索したい場合に押下する検索ボタン54を含んで構成されている。
【0040】
利用者は、画像形成装置12に実行させたい機能やパラメータを含む文字列を文字列入力欄52に入力し、検索ボタン54を押下することにより、入力した文字列に対応する指示書の検索を指示する。入力された文字列は、画像形成指示情報として指示書検索サーバー14に送信される。なお、画像形成装置12に実行させたい機能として、原稿を読み取る機能が含まれる場合には、利用者は、原稿を画像読取部22にセットして原稿を画像読取部22に読み取らせる。この場合、入力した文字列及び読み取った画像の画像データが画像形成指示情報として指示書検索サーバー14に送信される。
【0041】
また、原稿を予め定めた送信先にファクシミリ送信するような場合には、文字列を入力せず、ファクシミリ送信したい原稿を画像読取部22にセットして画像を読み取らせるだけでもよい。この場合には、読み取った画像の画像データが画像形成指示情報として指示書検索サーバー14に送信される。
【0042】
このように、利用者は、通常のメニュー画面から実行したい機能やパラメータを選択する操作をしなくても、指示書検索画面50から所望の機能及びパラメータを抽象的に表現した文章を入力したり、必要に応じて原稿の読み取りを指示したりするだけでよい。
【0043】
図5には、指示書検索サーバー14の機能ブロック図を示した。同図に示すように、指示書検索サーバー14は、原稿特徴抽出部60、全文検索部62、スコア生成部64、検索結果生成部66、原稿特徴データベース68、及び説明文データベース70等を含んで構成されている。
【0044】
原稿特徴抽出部60は、画像形成装置12から読み取った画像の画像データが送信された場合に、その画像の特徴を抽出する。原稿特徴データベース68には、例えばファクシミリの送信状等の様々な種類のフォーム(様式)に関するフォーム情報(様式情報)と指示書管理サーバー15に記憶された指示書との対応関係を示すデータベースが記憶されている。なお、フォーム情報と指示書との対応関係は1対1とは限らず、例えば図6に示すように、一つのフォーム情報に対して複数の指示書が関連付けられる場合や、一つの指示書に対して複数のフォーム情報が関連付けられる場合もある。
【0045】
原稿特徴抽出部60は、読み取った画像と、原稿特徴データベース68に記憶されたフォーム情報とを比較し、その類似度を示すスコア(様式類似度)を算出する。
【0046】
全文検索部62は、画像形成装置12から送信された文字列に対応する説明文に対応する指示書を検索する。説明文データベース70には、指示書に記述された処理内容を説明する説明文と指示書との対応関係を示すデータベースが記憶されている。全文検索部62は、画像形成装置12から送信された文字列と説明文データベース70に記憶された説明文とを比較し、その類似度を示すスコア(説明文類似度)を算出する。
【0047】
スコア生成部64は、原稿特徴抽出部60により算出されたスコア及び全文検索部62により算出されたスコアに基づいて、各指示書のスコアを生成する。このスコアが高い指示書ほど、利用者が実行したい処理を反映している指示書となる。
【0048】
次に、本実施形態の作用として、指示書検索サーバー14で実行される処理について、フローチャートを参照して説明する。
【0049】
図7には、指示書検索サーバー14で実行される処理の一例を示すフローチャートを示した。なお、この処理は、画像形成装置12から画像形成指示情報が送信され、これを受信した場合に実行される。また、本実施形態では、図4に示すように、画像形成装置12の利用者が、写真を含む原稿を画像読取部22にセットして画像を読み取らせると共に、文字列入力欄52に「写真をきれいに送る」と入力して検索ボタン54を押下した場合について説明する。この場合、文字列及び読み取った画像データが画像形成指示情報として指示書検索サーバー14に送信される。
【0050】
まず、ステップ100では、画像形成装置12から受信した画像形成指示情報に画像データ、すなわち画像形成装置12の画像読取部22で読み取った原稿の画像データが含まれているか否かを判断する。そして、画像形成指示情報に画像データが含まれている場合にはステップ102へ移行し、画像形成指示情報に画像データが含まれていない場合にはステップ106へ移行する。
【0051】
ステップ102では、原稿特徴抽出部60が、受信した画像データと、原稿特徴データベース68に記憶されたフォーム情報の各々とを比較し、両者の類似度を各々算出する。この類似度の算出は、例えば公知のパターンマッチング等の手法が用いられる。なお、フォーム情報としては、例えばファクシミリの送付状等のように、罫線等で構成された予め定めたフォームの情報等があるが、これに限られるものではなく、画像や文字等が含まれていてもよい。
【0052】
例えば、受信した画像データに基づく画像が図8(A)に示すような画像であった場合において、原稿特徴データベース68に同図(B)〜(C)に示すようなフォームのフォーム情報が記憶されていたとすると、同図(C)に示すフォームの類似度が最も高くなる。
【0053】
ステップ104では、ステップ102で算出したスコアが予め定めた閾値以上のフォーム情報に関連付けられた指示書を抽出する。この閾値は、この閾値以上のフォーム情報に対応したフォームが、読み取った画像に含まれる可能性が高いと考えられる値に設定される。具体的には、例えば算出した全スコアの平均値を閾値に設定したり、当該平均値に予め定めた係数を乗算した値等に設定したりすることができるが、閾値の設定はこれに限られるものではない。
【0054】
ステップ106では、画像形成装置12から受信した画像形成指示情報に利用者が文字列入力欄52に入力した文字列が含まれているか否かを判断する。そして、文字列が含まれている場合には、ステップ108へ移行し、文字列が含まれていない場合には、ステップ112へ移行する。
【0055】
ステップ108では、全文検索部62が、画像形成装置12から送信された文字列と、説明文データベース70に記憶された説明文の各々とを比較し、両者の類似度を表すスコアを各々算出する。この類似度の算出は、例えば文字列を単語に分解し、分解した単語が説明文に出現する出現頻度を各説明文について算出し、算出した出現頻度をスコアとしてもよい。また、例えば公知のインデックス作成型全文検索の手法が用いてもよいが、スコアの算出はこれらの方法に限られるものではない。
【0056】
インデックス作成型全文検索を用いる場合、予め説明文のインデックスを作成しておき、このインデックスと文字列とを比較して各説明文のスコアを算出し、各指示書のスコアとする。なお、説明文データベース70は、説明文と指示書とが1対1に関連付けられる場合だけでなく、図9に示すように、一つの指示書に複数の説明文が関連付けられる場合もある。
【0057】
ステップ110では、ステップ108で算出した各説明文のスコアに基づいて、各指示書のスコアを算出する。例えば、図9に示すように、一つの指示書Xに複数の説明文A、Cが関連付けられた指示書については、例えば説明文A、Cのスコアが加算された値が指示書Xのスコアとなる。
【0058】
ステップ112では、スコア生成部64が、ステップ104で抽出した指示書のスコアと、ステップ110で算出した各指示書のスコアと、に基づいて、各指示書の合計スコアを生成する。ステップ100の判定で肯定判定され、ステップ106の判定で否定判定された場合には、ステップ104で抽出した指示書のスコアがそのままステップ104で抽出した指示書のスコアとなる。また、ステップ100の判定で否定判定され、ステップ106の判定で肯定判定された場合には、ステップ110で抽出した指示書のスコアがそのまま各指示書のスコアとなる。また、ステップ100、106の判定で何れも肯定判定された場合には、ステップ104で抽出した指示書については、例えば、この指示書に対応するステップ110で算出されたスコアを加算する。なお、単純に加算するのではなく、例えばステップ104で算出したスコア及びステップ110で算出したスコアの一方を予め定めた係数で重み付けして加算するようにしてもよい。
【0059】
ステップ114では、検索結果生成部66が、ステップ112で算出された各指示書のスコアを例えば高い順(類似度が高い順)にソートし、上位から予め定めた数の指示書の説明文を含む検索結果画面の画面データ(例えばHTMLデータ)を生成し、画像形成装置12に送信する。これにより、画像形成装置12の操作表示部20には、一例として図10に示すような検索結果画面80が表示される。
【0060】
図10に示すように、検索結果画面80は、文字列入力欄52、検索ボタン54、説明文56、スクロールバー58、検索モード選択ラジオボタン61A、61B、検索オプションリンク63等を含んでいる。同図の例では、画像読取部22に原稿をセットして読み取らせ、文字列入力欄52に「写真をきれいに送る」と入力して検索ボタン54を押下した場合に表示される検索結果画面の一例を示した。この場合、例えばスコアが高い順に指示書の説明文56が表示され、スクロールバー58を下に移動させることでスコアが低い指示書の説明文が順次表示される。なお、検索オプションリンク63が押下された場合は、指示書の検索に関してさらに詳細な設定が可能である。
【0061】
図10の例では、利用者が指示した「写真をきれいに送る」という処理に対して、「フルカラーでスキャンしてオンラインストレージに格納する」という一連の処理を実行する指示書、「フルカラーでスキャンして暗号化してメールで送る」という一連の処理を実行する指示書、「FAXで画像をきれいに送る」という一連の処理を実行する指示書の順にスコアが高い指示書が検索された場合を示している。
【0062】
ここで、利用者が所望の指示書、すなわち説明文を選択すると、図11に示すように説明文の詳細が表示された指示書確認画面82が操作表示部20に表示される。
【0063】
図11は、一例としてスコアが一番高い「フルカラーでスキャンしてオンラインストレージに格納する」の説明文56を押下した場合に表示される指示書確認画面を示した。同図に示すように、指示書確認画面82は、ユーザ名を入力するユーザ名入力欄84、パスワードを入力するパスワード入力欄86、スタートボタン88、ユーザ登録ボタン90、高度なスキャンオプションボタン92等を含んでいる。
【0064】
ここで利用者がユーザ名及びパスワードをユーザ名入力欄84及びパスワード入力欄86にそれぞれ入力してスタートボタン88を押下すると、利用者が選択した指示書の情報を示す指示書選択情報が指示書検索サーバー14に送信される。なお、例えばユーザ登録が済んでいない場合には、ユーザ登録ボタン90を押下してユーザ登録を済ませてからユーザ名及びパスワードを入力してスタートボタン88を押下することで指示書選択情報が指示書検索サーバー14に送信される。高度なスキャンオプションボタン92が押下された場合には、画像読み取りの条件を利用者が設定するための図示しない設定画面が表示される。
【0065】
指示書検索サーバー14では、図7のステップ116において、画像形成装置12から指示書選択情報を受信したか否かを判断し、受信していない場合には受信するまで待機し、受信した場合にはステップ118へ移行する。
【0066】
ステップ118では、受信した指示書選択情報に対応した指示書を、指示書管理サーバー15から取得し、画像形成装置12に送信する。これにより、画像形成装置12では、受信した指示書を解釈し、指示書に従った処理を実行する。
【0067】
なお、ネットワーク16に複数の画像形成装置12が接続されている場合において、これらの画像形成装置12が有する機能が全て同一である場合には、検索モード選択ラジオボタン61A、61Bの何れが選択されていても、全ての指示書が検索対象となるが、複数の画像形成装置12の機能が異なる場合もある。例えば、白黒印刷しかできない画像形成装置12やカラー印刷も可能な画像形成装置12がネットワーク16に接続されるような場合である。
【0068】
この場合、検索モード選択ラジオボタン61Aが選択された状態で検索ボタン54が押下された場合は、現在利用できる機能、すなわち画像形成指示情報を送信した画像形成装置12が有する機能のみを実行可能な指示書が検索対象となる。例えば、その画像形成装置12が白黒印刷しかできない画像形成装置である場合、カラー印刷の処理が記述された指示書は検索対象から除外される。また、検索モード選択ラジオボタン61Bが選択された状態で検索ボタン54が押下された場合は、全ての機能、すなわちネットワーク16に接続された他の画像形成装置等が有する機能も実行可能な指示書が検索対象となる。例えば画像形成指示情報を送信した画像形成装置12が白黒印刷しかできない画像形成装置の場合でも、ネットワーク16にカラー印刷が可能な画像形成装置12が接続されていれば、カラー印刷が記述された指示書も検索対象となる。
【0069】
このような場合、指示書検索サーバー14は、ネットワーク16に接続された装置と当該装置が有する機能との対応関係を示す機能情報を予め記憶しておく。そして、画像形成装置12は、画像形成指示情報と共に、自身の機能情報を指示書検索サーバー14に送信する。
【0070】
指示書検索サーバー14では、検索モード選択ラジオボタン61Aが選択されている場合には、画像形成指示情報を送信した画像形成装置12の機能を実行可能な指示書のみを検索対象として検索し、検索モード選択ラジオボタン61Bが選択されている場合には、ネットワーク16に接続された画像形成装置12が有する全ての機能を実行可能な指示書を検索対象として検索すればよい。
【0071】
また、検索モード選択ラジオボタン61Aが選択されている場合に、追加オプション機能(画像形成装置12に後から追加した機能)を含んで指示書を検索するか、追加オプション機能を含まないで指示書を検索するかを設定可能としてもよい。この場合、検索モード選択ラジオボタン61Aが選択された状態で、追加オプション機能を含んで指示書を検索する設定が選択された場合、指示書検索サーバー14は、画像形成装置12の追加オプション機能を含めた全ての機能を実行可能な指示書を検索対象として検索する。また、検索モード選択ラジオボタン61Aが選択された状態で、追加オプション機能を含まないで指示書を検索する設定が選択された場合、指示書検索サーバー14は、画像形成装置12の追加オプション機能を除いた全ての機能を実行可能な指示書を検索対象として検索する。
【0072】
なお、上記各実施形態で説明した画像形成装置12の構成(図2参照)、指示書検索サーバー14の構成(図3、5)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0073】
また、上記各記実施形態で説明した制御プログラムの処理の流れ(図7参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0074】
また、本実施形態では、画像形成装置12から画像形成指示情報を指示書検索サーバー14に送信して、対応する指示書を検索する場合について説明したが、これに限らず、画像形成装置12に代えて携帯電話等の携帯情報端末を用いてもよい。
【0075】
また、画像形成装置12が指示書検索サーバー14及び指示書管理サーバー15の少なくとも一方の機能を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成システム
12 画像形成装置
14 指示書検索サーバー(指示書検索装置)
15 指示書管理サーバー
20 操作表示部
22 画像読取部(画像読取手段)
24 画像形成部
26 用紙供給部
28 用紙排出部
34 ハードディスク
40 コンピュータ
42 操作部
44 表示部
48 ハードディスク
60 原稿特徴抽出部(検索手段)
62 全文検索部(検索手段)
64 スコア生成部
66 検索結果生成部
68 原稿特徴データベース
70 説明文データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成に関する処理の実行が指示された文字列及び画像読取手段により読み取られた画像情報の少なくとも一方を含む画像形成の指示に関する画像形成指示情報を受け付ける受付手段と、
予め指示書記憶手段に記憶された複数の指示書の中から、前記受付手段により受け付けた前記画像形成指示情報に対応する処理が記述された指示書を少なくとも一つ検索する検索手段と、
を備えた指示書検索装置。
【請求項2】
原稿に含まれる予め定めた様式の特徴を表す様式情報と前記指示書記憶手段に記憶された指示書との対応関係を示す原稿特徴データベースを記憶する原稿特徴データベース記憶手段と、
前記画像形成指示情報に前記画像情報が含まれる場合に、前記画像情報と前記様式情報との比較結果に基づいて、様式類似度を算出する様式類似度算出手段と、
を備え、
前記検索手段は、前記様式類似度に基づいて、前記指示書を少なくとも一つ検索する
請求項1記載の指示書検索装置。
【請求項3】
前記指示書記憶手段に記憶された指示書の内容を説明した説明文と前記指示書との対応関係を示す説明文データベースを記憶する説明文データベース記憶手段と、
前記画像形成指示情報に前記文字列が含まれる場合に、前記説明文データベースの各説明文と前記文字列との比較結果に基づいて、説明文類似度を算出する説明文類似度算出手段と、
を備え、
前記検索手段は、前記説明文類似度に基づいて、前記指示書を少なくとも一つ検索する
請求項1記載の指示書検索装置。
【請求項4】
原稿に含まれる予め定めた様式の特徴を表す様式情報と前記指示書記憶手段に記憶された指示書との対応関係を示す原稿特徴データベースを記憶する原稿特徴データベース記憶手段と、
前記画像形成指示情報に前記画像情報が含まれる場合に、前記画像情報と前記様式情報との比較結果に基づいて、様式類似度を算出する様式類似度算出手段と、
前記指示書記憶手段に記憶された指示書の内容を説明した説明文と前記指示書との対応関係を示す説明文データベースを記憶する説明文データベース記憶手段と、
前記画像形成指示情報に前記文字列が含まれる場合に、前記説明文データベースの各説明文と前記文字列との比較結果に基づいて、説明文類似度を算出する説明文類似度算出手段と、
を備え、
前記検索手段は、前記様式類似度及び前記説明文類似度に基づいて、前記指示書を少なくとも一つ検索する
請求項1記載の指示書検索装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の指示書検索装置を構成する各手段として機能させるための指示書検索プログラム。
【請求項6】
画像形成に関する処理の実行が指示された文字列及び画像読取手段により読み取られた画像情報の少なくとも一方を含む画像形成の指示に関する画像形成指示情報を送信する画像形成装置と、
前記請求項1〜4の何れか1項に記載の指示書検索装置と、
複数の指示書が予め記憶された指示書管理装置と、
を備えた画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−165244(P2012−165244A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24966(P2011−24966)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】