説明

指針式計器

【課題】電磁誘導による非接触通電方式にて指針を照明する構成において、部品点数を削減して製造コスト削減を図ることができる指針式計器を提供する。
【解決手段】透光性の指示部11とこの指示部11を照明する光源12とを備える指針1と、指針1が固定される回転軸31を有する駆動装置3と、駆動装置3が実装される回路基板4と、支持部材7に保持され回転軸31の周囲に配設される一次コイル6と、指針1に一次コイル6と対向もしくは重なり合うように設けられ光源12と電気的に接続される二次コイル8と、を備え、一次コイル6と二次コイル8との間に電磁誘導作用を生じさせて光源12に給電する指針式計器である。支持部材7は、回路基板4に対して固定状態となる他の部材によって回路基板4に押圧されることで固定配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車やオートバイに搭載され、駆動装置に連結された指針と、この指針に対応する指標部が形成された表示板とで、車速やエンジン回転数等の計測量を指示する指針式計器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の指針式計器における指針の照明手法として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1記載の指針の照明手法は、指針自体に搭載した指針用光源を電磁誘導による非接触通電方式にて発光させて指針を照明するものである。指針には、指針用光源と共に二次コイルが搭載され、この二次コイルに対向するように一次コイルが設けられ、この一次コイルで発せられた磁界を電磁誘導作用によって二次コイルに電力を発生させ、この電力により指針用光源を点灯させて指針を照明する。かかる指針の照明方法は、ヒゲゼンマイや渦巻き状FPC及び各種導電端子を用いた接触通電と比べ、組付けが容易となるメリットがある。この場合、回路基板上に駆動本体の指針軸を取り巻く台座部材を用意し、この台座部材上に電磁界発生手段を配置することで台座部材を電力発生手段に近づけ、電磁誘導効率を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−271418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、一次コイルを含む一次側給電手段の回路基板への固定及び通電のために支柱及び支柱兼用の電極が必要であり、部位品点数が増加し、製造コストが高くなるといった問題点があった。
【0005】
本発明は前述した問題点に着目し、電磁誘導による非接触通電方式にて指針を照明する構成において、部品点数を削減して製造コスト削減を図ることができる指針式計器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、透光性の指示部とこの指示部を照明する光源とを備える指針と、
前記指針が固定される回転軸を有する駆動装置と、
前記駆動装置が実装される回路基板と、
支持部材に保持され前記回転軸の周囲に配設される一次コイルと、
前記指針前記一次コイルと対向もしくは重なり合うように設けられ前記光源と電気的に接続される二次コイルと、を備え、前記一次コイルと前記二次コイルとの間に電磁誘導作用を生じさせて前記光源に給電する指針式計器であって、
前記支持部材は、少なくともその一部が前記回路基板と前記回路基板に対して固定状態となる他の部材によって前記回路基板に押圧されることで固定配置されることを特徴とする。
【0007】
本発明は、透光性の指示部とこの指示部を照明する光源とを備える指針と、
前記指針が固定される回転軸を有する駆動装置と、
前記駆動装置が実装される回路基板と、
支持部材に保持され前記回転軸の周囲に配設される一次コイルと、
前記指針に前記一次コイルと対向もしくは重なり合うように設けられ前記光源と電気的に接続される二次コイルと、を備え、前記一次コイルと前記二次コイルとの間に電磁誘導作用を生じさせて前記光源に給電する指針式計器であって、
前記支持部材は、前記駆動装置と一体的に形成され、一端側が前記一次コイルと電気的に接続され他端側が前記回路基板と前記駆動装置とで狭持されるとともに前記回路基板と電気的に接続される端子を備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電磁誘導作用による非接触通電方式にて指針を照明する構成において、部品点数を削減して製造コスト削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一の実施形態である指針式計器を示す要部断面図。
【図2】同上指針式計器の円筒部材を示す図。
【図3】本発明の第二の実施形態である指針式計器を示す要部断面図。
【図4】本発明の第三の実施形態である指針式計器を示す要部断面図。
【図5】本発明の第四の実施形態である指針式計器を示す要部断面図。
【図6】本発明の第五の実施形態である指針式計器を示す要部断面図。
【図7】本発明の第六の実施形態である指針式計器を示す要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用した第1の実施形態について説明する。第1の実施形態である指針式計器は、図1に示すように、指針1と、表示板2と、駆動装置3と、回路基板4と、ケース体5と、一次コイル6と、支持部材7と、二次コイル8と、を備える。なお、指針式計器は、各部を収納するハウジング及び指針式計器の前面側(表示面側)を覆う見返し部材を有するが、これらについては省略して図示している。
【0011】
指針1は、駆動装置3の回転軸31に固定され、軸回り回転して表示板2に形成される指標部を指示して車速やエンジン回転数などの計測量を示すものである。指針1は、例えば透光性の樹脂材料からなる指示部11と、例えばLEDからなり指示部11を照明する指針用光源12と、指針用光源12が実装される指針用基板13と、指針用基板13が載置され回転軸31に固定される基部14と、指示部11を保持し指針1の回転中心部分を覆うキャップ15と、を備える。また、基部14には、二次コイル8を固定するための溝状のボビン部16が設けられている。
【0012】
表示板2は、ケース体5の外形に応じた形状の透光性合成樹脂板にスクリーン印刷等を施してなり、例えば全体の背景色を黒色とし、指針1の回転範囲に応じて計測量の目盛となる複数の透光性の指標部(図示しない)が形成されている。表示板2はケース体5によって支持される。
【0013】
駆動装置3は、交差式コイルやステッピングモータからなる電動機であり、回転軸31を備え、指針1を軸回り回転させるものである。駆動装置3は、例えば回転軸31が表面側に貫通するように回路基板4の裏面側にフック部32等により実装固定される。
【0014】
回路基板4は、例えばガラスエポキシ系材料または紙フェノールからなる硬質の絶縁部材を基材とするもので、図示しない回路パターンが印刷形成されている。回路基板4には、駆動装置3のほか、図示省略した各種インジケータ類や表示板2を照明する例えばLEDからなる表示板用光源や液晶表示装置などが計器の用途や構成に応じて適宜実装固定される。また、回路基板4は、一次コイル6と電気的に接続され、一次コイル6に電力を供給する。また、回路基板4はケース体5に固定される。
【0015】
ケース体5は、表示板2を支持する載置部51と回路基板4を係止するフック部52と支持部材7が収納される収納部53とが一体的に形成される樹脂製部材である。フック部52は、ケース体5を回路基板4に対して固定状態とする。収納部53は、指針1の配置位置に応じて設けられる筒状部であり、内部空間に支持部材7を収納する。また、収納部53には図2に示すように支持部材7の後述する鍔部72に応じてスリット部54が形成されている。
【0016】
一次コイル6は、支持部材7の後述するボビン部71に巻き付けられた導線からなり、電力供給されると所定の磁界を発生させる磁界発生手段である。
【0017】
支持部材7は、例えば樹脂材料からなり、一次コイル6を保持する溝状のボビン部71と回路基板4と平行方向に突出する鍔部72とを備え、回転軸31が挿通されるように筒状に形成されるものである。鍔部72には、一端が一次コイル6と接続され、他端が回路基板4の図示しない回路パターンと接続される端子9が一体成形されている。また、鍔部72は、端子9が設けられる中央部がケース体5のスリット部54より幅が狭く、外周部がスリット54よりも幅広な段差構造を有している。
【0018】
二次コイル8は、指針1のボビン部16に巻き付けられた導線からなり、一次コイル6と重なり合うように配置され、一次コイル6によって発生した磁界を電力に変換する電力発生手段である。二次コイル8は、発生した電力を指針用光源12に供給するべく指針用基板13と接続されている。
【0019】
端子9は、例えばりん青銅等の導電材料からなり、一端が鍔部72から表面側(指針1側)に突出して一次コイル6から導出された導線61が接続され、支持部材7の外側に折り曲げ形成されるバネ接点構造の他端が鍔部72から裏面側(回路基板4側)に突出して回路基板4と接続されて一次コイル6と回路基板4とを通電するものである。
【0020】
(指針1の照明について)
一次コイル6に電力が供給されると磁界が発生し、この磁界による電磁誘導作用によって二次コイル8に電力が発生する。発生した電力は指針用基板13を介して指針用光源12に供給され、指針用光源12が発光し指示部11に入射して透過照明を行う。
【0021】
(指針式計器の組み付けについて)
まず、回路基板4に駆動装置3を配置固定し、また、ケース体5の収納部53に一次コイル6を保持した支持部材7を鍔部72の中央部がスリット部54に挿通されるように収納する。このとき、鍔部72の外周部は収納部53に突き当てられるものとする。
【0022】
次に、回路基板4をケース体5の裏面側に収納し、フック部52により係止して、ケース体5を回路基板4に対して固定状態とする。このとき、支持部材7は収納部53と回路基板4とで狭持されることで所定の位置に固定配置され、端子9の他端にフック部52による押圧力が付加されて端子9の他端が回路基板4に押圧され、端子9と回路基板4とが圧接通電される。なお端子9の他端をバネ接点構造とすることで設計上の誤差による押圧力の違いを吸収することができ、歩留まりを低下させることがない。さらに、表示板2をケース体5に載置し、最後に二次コイル8が保持された指針1を回転軸31の先端に圧入固定して組み付けが完了する。
【0023】
本実施形態である指針式計器は、一次コイル6を保持する支持部材7を回路基板4に対して固定状態となる他の部材(ケース体5)と回路基板4とによって狭持することで、ケース体5によって支持部材7を回路基板4に押圧して一次コイル6を固定及び/あるいは通電する構成を採用することによって、部品点数を削減し、製造コストを低減することができる。また、支持部材7に回路基板4に固定するための構造(固定ピンなど)を形成する必要がないため、部品の複雑化を招くことがなく、この点からも製造コストを抑制することができる。なお、本実施形態においては、支持部材7を収納部53と回路基板4とで狭持するものであったが、ケース体5によって支持部材7を回路基板4に押圧する方法として、収納部53に支持部材7を圧入保持し、かかる状態でケース体5を回路基板4に対して固定状態とすることで支持部材7を回路基板4に対して押圧して固定及び/あるいは通電する構成としてもよい。また、ケース体5は、回路基板4で保持されるものであってもよい。
【0024】
(第二の実施形態)
図3は、本発明の第二の実施形態を示すものである。第二の実施形態においては、端子9の他端をバネ接点構造とはせず、組み付け後にリフロー半田を行うことによって回路基板4に溶着する構成とした。かかる構成によっても本発明の効果を得ることができる。
【0025】
(第三の実施形態)
図4は、本発明の第三の実施形態を示すものである。なお、図4においては指針式計器の指針1周辺のみを図示し、第一の実施形態と同一あるいは相当する点についてはその詳細な説明を省略する。第三の実施形態においては、一次コイル6と二次コイル8の位置関係が第一の実施形態と異なり、二次コイル8が一次コイル6と対向するように配置されている。二次コイル8は、指針1とは別体に設けられ、回転軸31が中央の孔部に挿通されるコイルボビン10に保持されている。
【0026】
支持部材7は、第一の実施形態と形状は異なるが、一次コイル6を保持する溝状のボビン部71と回路基板4と平行方向に突出する鍔部72とを備える点は同様である。鍔部72は、端子9が設けられる内側部よりも外側部が長い(突出量が多い)段差構造を有しており、外側部は収納部53のスリット部54よりも幅広に形成されている。また、鍔部72の外側部には回路基板4と対向するように凸部73が形成されている。鍔部72に一体成形される端子9は、他端が支持部材7の内側に折り曲げ形成されるバネ接点構造を有する。
【0027】
(指針式計器の組み付けについて)
まず、回路基板4に駆動装置3を配置固定し、さらに一次コイル6を保持した支持部材7を中央孔部に駆動装置3の回転軸31及び回路基板4から突出する部位を挿通して回路基板4に仮付けする。
【0028】
次に、二次コイル8が保持されたコイルボビン10を中央の孔部に回転軸31を挿通して固定する。このとき後工程で回転軸31に指針1を固定するべく、回転軸31の先端をボビン部10から突出させる。
【0029】
次に、回路基板4をケース体5の裏面側に収納し、フック部52により係止して、ケース体5を回路基板4に対して固定状態とする。このとき、ケース体5の収納部53に支持部材7が収納され、鍔部72の外側部が収納部53に突き当てられるようにする。したがって、支持部材7は収納部53と回路基板4とで狭持されることで所定の位置に固定配置され、端子9の他端にフック部52による押圧力が付加されて端子9の他端が回路基板4に押圧され、端子9と回路基板4とが圧接通電される。なお、支持部材7は凸部73のみが回路基板4と接触するため、支持部材7と回路基板4とが接する構成であっても回路基板4に形成するアートワークの面積を確保することができる。さらに、表示板2をケース体5に載置し、最後に指針1を回転軸31の先端に圧入固定して組み付けが完了する。かかる構成によっても本発明の効果を得ることができる。
【0030】
(第四の実施形態)
図5は、本発明の第四の実施形態を示すものである。なお、図5においては指針式計器の指針1周辺のみを図示し、第一の実施形態と同一あるいは相当する点についてはその詳細な説明を省略する。第四の実施形態においては、一次コイル6と二次コイル8の位置関係が第一の実施形態と異なり、二次コイル8が一次コイル6と対向するように配置されている。二次コイル8は、指針1とは別体に設けられ、回転軸31及び基部14が中央の孔部に挿通されるコイルボビン10に保持されている。
【0031】
第四の実施形態が第一の実施形態と大きく異なる点は、一次コイル6を保持する支持部材7を回路基板4と狭持して一次コイル6を固定及び/あるいは通電する他の部材として回路基板4に対して固定状態となる駆動装置3を採用する点にある。
【0032】
支持部材7は、第一の実施形態と形状は異なるが、一次コイル6を保持する溝状のボビン部71と回路基板4と平行方向に突出する鍔部72とを備える点は同様である。鍔部72を含む支持部材7の外周面には端子9が一体的に形成されている。支持部材7は鍔部72が回路基板4の裏面側と駆動装置3との間に位置するように配置される。
【0033】
端子9は、ボビン部71近傍の一端が一次コイル6から導出された導線61が接続され、鍔部72に沿って形成されるバネ接点構造の他端が回路基板4の裏面と接続されて一次コイル6と回路基板4とを通電するものである。
【0034】
(指針式計器の組み付けについて)
まず、一次コイル6を保持した支持部材7を中央の孔部に駆動装置3の回転軸31を挿通して駆動装置3上に仮付けする。
【0035】
次に、回路基板4に駆動装置3を配置固定し、駆動装置3を回路基板4に対して固定状態とする。このとき、回転軸31及び支持部材7のボビン部71を回路基板の孔部に挿通し、鍔部72の端部が回路基板4と対向するようにする。したがって、支持部材7は駆動装置3と回路基板4とで狭持されることで所定の位置に固定配置され、端子9の他端にフック部32による押圧力が付加されて端子9の他端が回路基板4に押圧され、端子9と回路基板4とが圧接通電される。
【0036】
次に、回路基板4をケース体5の裏面側に収納し、フック部52により係止して、回路基板4をケース体5に固定する。さらに、表示板2をケース体5に載置し、最後に二次コイル8を保持するコイルボビン10が配設された指針1を回転軸31の先端に圧入固定して組み付けが完了する。
【0037】
本実施形態である指針式計器は、一次コイル6を保持する支持部材7を回路基板4に対して固定状態となる他の部材(駆動装置3)と回路基板4とによって狭持して一次コイル6を固定及び/あるいは通電する構成を採用することによって、部品点数を削減し、製造コストを低減することができる。また、支持部材7に回路基板4に固定するための構造(固定ピンなど)を形成する必要がないため、部品の複雑化を招くことがなく、この点からも製造コストを抑制することができる。
【0038】
(第五の実施形態)
図6は、本発明の第五の実施形態を示すものである。第五の実施形態においては、支持部材7の鍔部72を溝状に形成し、鍔部72で回路基板4を把持する構成とした。なお、回路基板の孔部には鍔部72の形状に応じた切り欠き(図示しない)を設ける。
【0039】
(指針式計器の組み付けについて)
まず、一次コイル6を保持した支持部材7の鍔部72の鍔部72の下辺部を回路基板4の前記切り欠きより挿通し、その後支持部材7を回転させて鍔部72によって回路基板4を把持し、支持部材7を回路基板4に仮付けする。
【0040】
次に、回路基板4に駆動装置3を配置固定し、駆動装置3を回路基板4に対して固定状態とする。このとき、回転軸31を回路基板の孔部及び支持部材7のボビン部71に挿通し、鍔部72が駆動装置3に突き当てられるようにする。したがって、支持部材7は駆動装置3と回路基板4とで狭持されることで所定の位置に固定配置され、端子9の他端にフック部32による押圧力が付加されて端子9の他端が回路基板4に押圧され、端子9と回路基板4とが圧接通電される。
【0041】
次に、回路基板4をケース体5の裏面側に収納し、フック部52により係止して、回路基板4をケース体5に固定する。さらに、表示板2をケース体5に載置し、最後に二次コイル8を保持するコイルボビン10が配設された指針1を回転軸31の先端に圧入固定して組み付けが完了する。かかる構成によっても本発明の効果を得ることができる。
【0042】
(第六の実施形態)
図7は、本発明の第六の実施形態を示すものである。なお、図7においては指針式計器の指針1周辺のみを図示し、第一の実施形態と同一あるいは相当する点についてはその詳細な説明を省略する。第六の実施形態においては、一次コイル6と二次コイル8の位置関係が第一の実施形態と異なり、二次コイル8が一次コイル6と対向するように配置されている。二次コイル8は、指針1とは別体に設けられ、回転軸31及び基部14が中央の孔部に挿通されるコイルボビン10に保持されている。
【0043】
第六の実施形態が第一の実施形態と大きく異なる点は、一次コイル6を保持する支持部材を駆動装置3と一体的に形成する点及び回路基板4と狭持して一次コイル6を通電する他の部材として回路基板4に対して固定状態となる駆動装置3を採用する点にある。
【0044】
駆動装置3は、回転軸31を支持する筒状のボス部(支持部材)33に、一次コイル6を保持する溝状のボビン部34を備える。ボス部33の外周面には端子9が一体的に形成されている。
【0045】
端子9は、ボビン部71近傍の一端が一次コイル6から導出された導線61が接続され、駆動装置3の外形に沿って回路基板4に対して平行方向に折り曲げ形成されるバネ接点構造の他端が回路基板4の裏面と接続されて一次コイル6と回路基板4とを通電するものである。
【0046】
(指針式計器の組み付けについて)
まず、一次コイル6を保持した駆動装置3を回路基板4に配置固定し、駆動装置3を回路基板4に対して固定状態とする。このとき、回転軸31及びボビン部34を回路基板の孔部に挿通し、端子9の他端が回路基板4と対向するようにする。したがって、一次コイル6は駆動装置3が回路基板4に固定されることで所定の位置に固定配置され、端子9の他端にフック部32による押圧力が付加されて端子9の他端が回路基板4に押圧され、端子9と回路基板4とが圧接通電される。
【0047】
次に、回路基板4をケース体5の裏面側に収納し、フック部52により係止して、回路基板4をケース体5に固定する。さらに、表示板2をケース体5に載置し、最後に二次コイル8を保持するコイルボビン10が配設された指針1を回転軸31の先端に圧入固定して組み付けが完了する。
【0048】
本実施形態である指針式計器は、一次コイル6を保持する支持部材を駆動装置3と一体的に形成し、回路基板4に対して固定状態となる駆動装置3と回路基板4とによって狭持して一次コイル6を固定及び通電する構成を採用することによって、部品点数を削減し、製造コストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、一次コイルと二次コイルとの間に電磁誘導作用を生じさせて指針を照明する光源に給電する指針式計器に好適である。
【符号の説明】
【0050】
1 指針
11 指示部
12 指針用光源
13 指針用基板
14 基部
15 キャップ部
16 ボビン部
2 表示板
3駆動装置
31 回転軸
32 フック部
33 ボス部(支持部材)
34 ボビン部
4 回路基板
5 ケース体
51 載置部
52 フック部
53 収納部
54 スリット部
6 一次コイル
61 導線
7 支持部材
71 ボビン部71
72 鍔部
73 凸部
8 二次コイル
9 端子
10 コイルボビン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の指示部とこの指示部を照明する光源とを備える指針と、
前記指針が固定される回転軸を有する駆動装置と、
前記駆動装置が実装される回路基板と、
支持部材に保持され前記回転軸の周囲に配設される一次コイルと、
前記指針に前記一次コイルと対向もしくは重なり合うように設けられ前記光源と電気的に接続される二次コイルと、を備え、前記一次コイルと前記二次コイルとの間に電磁誘導作用を生じさせて前記光源に給電する指針式計器であって、
前記支持部材は、前記回路基板に対して固定状態となる他の部材によって前記回路基板に押圧されることで固定配置されることを特徴とする指針式計器。
【請求項2】
前記支持部材は、一端が前記一次コイルと電気的に接続され、他端が前記他の部材によって前記回路基板に押圧され前記回路基板と電気的に接続される端子を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の指針式計器。
【請求項3】
前記支持部材は、前記回路基板と平行方向に突出する鍔部を備え、前記鍔部が前記回路基板と前記他の部材とで狭持されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の指針式計器。
【請求項4】
前記他の部材は、前記指針と前記回路基板との間に位置し、前記回路基板が保持されるまたは前記回路基板に保持されるケース体であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の指針式計器。
【請求項5】
前記ケース体は、前記支持部材を収納する収納部を備えてなることを特徴とする請求項4に記載の指針式計器。
【請求項6】
前記他の部材は、前記駆動装置であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の指針式計器。
【請求項7】
透光性の指示部とこの指示部を照明する光源とを備える指針と、
前記指針が固定される回転軸を有する駆動装置と、
前記駆動装置が実装される回路基板と、
支持部材に保持され前記回転軸の周囲に配設される一次コイルと、
前記指針に前記一次コイルと対向もしくは重なり合うように設けられ前記光源と電気的に接続される二次コイルと、を備え、前記一次コイルと前記二次コイルとの間に電磁誘導作用を生じさせて前記光源に給電する指針式計器であって、
前記支持部材は、前記駆動装置と一体的に形成され、一端が前記一次コイルと電気的に接続され他端が前記回路基板と前記駆動装置とで狭持されるとともに前記回路基板と電気的に接続される端子を備えてなることを特徴とする指針式計器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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